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Microsoft Word 最終高砂報252号174回透析予防、SGLT2阻害薬 docx

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- 1 - 高砂報252 号 平成 26 年 3 月 20 日

174 回 葛飾高砂会

編集担当 鈴木恒久 大越松司 加藤光敏院長・加藤則子管理栄養士 校正 平成26 年 3 月 20 日(木)午後 12 時 30 分から同 2 時 30 分まで、クリニック B1集会室にて、 多数参加のもと3 月定例患者会が開かれました。 はじめに 加藤 光敏 院長 ある方の話しです。今までは寒くて外でのウォーキングはしませんでした。ようやく春が来 ても花粉症で外に出られません。そのうち、「夏になって熱中症が心配で出られません」では困 ります。花粉症の心配はあってもマスクをする工夫をすれば歩けますので、無理ない範囲では ありますが、積極的に運動療法は続けましょう。天候が悪かったり、夜遅かったりなら家の中 の仕事でも、筋肉を鍛えるストレッチやリハビリでも同じ効果が期待されます。 健康な方に入院していただきトイレ以外1 週間寝たきりすると、立ち上がると立ちくらみし、 筋肉が急激に落ちてしまったそうです。しかし80 歳以上になっても、運動によって筋肉は増 加します。糖尿病場合、食事療法と運動療法は車の両輪です。

1.糖尿病透析予防指導による

eGFR 低下抑制

斉藤杏子 管理栄養士 (1)単語の説明 ◍eGFRとは----腎臓に 1分間にどのくらい血液が流れている のかを推定した値です。血液中のクレアチニンという物質の濃 度と男女の違いと年齢で推定計算するのです。腎臓にどのくら い老廃物を尿へ排泄する能力があるかの指標になります。この 値が低いほど腎臓の働きが悪いと言えます。 ◍血清クレアチニン値とは----血液中にある老廃物の一つ。腎 臓の働きが悪いと血液中にたまっていくので、数値が高くな ります。 (2)糖尿病透析予防指導を、当院が実施した患者数 ◍ 当院は以前から糖尿病の方の腎臓機能の悪化阻止に力を入れていますが、以前お話しし たように「糖尿病透析予防指導管理」という厚生労働省推奨の透析予防プログラムがあり、 当院も積極的に参加しています。 2012 年 4 月から制度が始まってすぐから 2013 年 12 月まで、21 ヶ月間の予防効果を今回詳 しく分析しました。 ◍ 最近 6ヶ月の管理栄養士・看護師・医師による予防指導者数は---- 1ヶ月あたり約 220 人です。改善してプログラム卒業の方もいますが、新しい患者さんでの参加もあり、ほぼこ

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- 2 - のような人数です日頃の食事の様子をお聞きし、繰り返し工夫しながらより良い方法を提案 しています。 (3)腎臓にやさしい生活のおさらい---8項目あります。 ① 禁煙 ② 血糖管理---高血糖は糸球体(細小血管)を痛める ③ 体重管理---肥満解 消、痩せすぎない ④ 血圧管理---糸球体を痛めないように ⑤ コレステロール値管理---特に LDLコレステロールを下げる ⑥ 減塩---1日 6g未満 の塩分摂取 ⑦ 節酒---ほどほどに ⑧ きちんと服薬(忘れずに) (4)今回の指導対象者は ◍加藤内科クリニック通院の糖尿病性腎症2~4期の患者さん 174人で、継続して管理 を受けている患者さんです。 (5)評価方法----早朝尿検査 1回目と早朝尿検査 2回目と、食事記録を用いて塩分摂取の推 定値を比較しました。 <その結果> ◍1回目に尿蛋白が出ていなかった 133人は 2回目も尿検査で+になりませんでした。 ◍ 参加した皆さんの HbA1cは1回目(7.3%)より2回目(7.1%)と減っています。これは、 皆さんが糖尿病治療法を勉強された結果だと思います。 ◍ 食事記録では塩分が減っていましたが、尿による推定塩分摂取量は、たいして減っていま せんでした。つまり、うす味にしているつもりでも、実際に減塩できないと効果がないの です。美味しさを残して減塩することが大切と思います。 (6)尿アルブミン改善・非改善の比較 先ほどの 174人を尿アルブミ ンの改善群(94人)・非改善群 (80人)に分けて、前後の HbA1c と尿蛋白の変化をみました。 尿蛋白では、尿アルブミン 改善群が当然のように減って いましたが、非改善群では著 しく増えていました。 HbA1cでは改善群のそれは 減っていましたが、非改善群 では変化がありませんでした。 腎臓にやさしい生活とは、少 しずつでも毎日改善に努力することだと思いました。 透析予防指導管理の効果は次第に出始めていると思います!!

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2.糖尿病治療薬の

SGLT-2 阻害薬とは ?

尿中にブドウ糖を捨てる新しい薬が発売されます

加藤光敏 院長 本年4 月初めに SGLT-2 阻害薬という薬が発売されます。 この薬は注意点を知らずに安易に使用してはいけません。正しく使う ことが特に求められる薬なので、その基本的な仕組みについてお話しし ましょう。 まず「腎臓におけるブドウ糖の再吸収」から説明します。 腎臓の中にある細い血管のかた まり(糸球体)は、からだの中を流れ ている血液中のグルコース(ブドウ 糖)の多くを、1 日に 180g も濾過吸 収します。しかも血液中の他のもの (水・塩分など)も吸収しますが、薬 など余分なものは尿細管の中に尿 として捨てられます。尿細管の中で も糸球体に近い方を「近位尿細管」 といいます。 では、糸球体で吸収できなかった ブドウ糖はどのように吸収される か? 近位尿細管には、S1・S2・S3 という名が付いた部分があります。その中でS1 /S2 にある SGLT-2 が、約 90%のブドウ糖を 再吸収します。更に遠位尿細管のS3 にある SGLT-1が約 10%のグルコースを再吸収しますの で、血糖が正常であれば尿中にはブドウ糖は出ません。 ところが、血糖が低い方は糸球体 で濾過されますが、血糖が徐々に 高くなり低めの閾値の方は血糖 が160mg/dl から、さらに 200mg/dl 以上になると確実に吸 収される能力「TmG」:尿細管最 大グルコース輸送能が頭打ちに なります。 この吸収し損ねたグ ルコースはどうなるでしょうか。 再吸収の上限いきち(閾値)を超え

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- 4 - たグルコースは尿中に排泄されます。 <血糖値と尿糖の関係を詳しく調べる> 当院の患者さん、6 人(男女同数)の協力を得て実 施しました。 その方法は、◍食事・運動療法のみの 2型糖尿病患者。 ◍同一器種の血糖測定 器・尿糖試験紙およびデジタル尿糖計で食後 2時間の測定を一週間自由行動下、25回行っても らう。(尿糖だけ、血糖だけの時間もある ※尿糖測定は食前に排尿が原則) ◍スタートから約 3日間は CGM(持続血糖測定器)も同時に施行する。◍CGM終了時にアンケートを実施する。 次に、男性1 人・女性 1 人の 3 日間の血糖・尿糖変化の結果を記載します。 ◍グラフの赤い線は、CGM に記録された血糖値の変化です。 ◍水色のグラフは、タニタの尿糖計で測った尿糖の変化です。 お二人のグラフを見ると、 いずれも血糖が170mg/dl くらい以上になると尿糖が 出始めることが分かります。 この女性患者さんは血糖が 200mg/dl くらいまで上が っています。しかし、上昇 が少ないときには「1プラ ス」くらいで、閾値を少し 超えた位なので尿糖は少し でています。しかし食べ過 ぎたり、運動不足の後です と高血糖で尿糖が出るよう になります。 女性の患者さんはこの調 査後のアンケートに、「食後 尿糖に驚いた」と書いています。また、男性の患者さんは、多い尿糖に驚き、縄跳び400 回実 践したりしました。血糖上昇を抑えるようにと「じゃが いも無しのカレー」に糖質量を減らす工夫をして血糖上 昇を抑えたり、非常に熱心に取り組んでいます。 腎臓におけるブドウ糖再吸収機構の復習 健常者は、腎臓の糸球体で多くのブドウ糖(180g/日)が 吸収され、残りのブドウ糖も図のSGLT-2(160g/日)と、さ らに下にあるSGLT-1(20g/日)で殆んど再吸収され、尿糖 排泄はありません。 しかしSGLT-2 が完全に阻害され、そこで再吸収され るブドウ糖が(0g/日)無くなると、その下にある SGLT-1 で再吸収されるブドウ糖が120g/日と増えます。しかし

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- 5 - 全量吸収には至らず、60g/日のブドウ糖が尿から排泄されます。 つまり、ブドウ糖が体の中でエネルギーにならずに捨てられ、血糖値は下がります。まるで ダイエットしているのと同じと思うかもしれませんが、安心は禁物です! SGLT-2 でブドウ糖の再吸収を阻害して血糖を下げる薬が、日本をはじめとする欧米で開発さ れました。当院でもこの薬の治験に参加した患者さんがいます。その結果この薬を飲んでいる 人は開始日のHbA1c 8%から1~12 ヶ月の経過の中で、7.5~7.4~7.0%と下がってきます。 SGLT-2 阻害薬の作用は ◍ 健常者は1日約 180g のブドウ糖が糸球体から濾過され排出され ます。しかしほとんどが、近位(上の方の)尿細管から吸収されます。 ◍ SGLT-2 阻害薬で、 糖尿病患者では70-100g/日(約 300-400kcal)、健常者では約 50g/日の尿糖排泄が認め られます。しかしSGLT-1 を阻害していないので、過剰な低血糖は生じにくいのです。 ◍ 体重は BMI(体格指数)、太っているかどうかに関係なく 2-4kg 減少します。減少分は 多くが脂肪組織ですが、食べる量が減り痩せている方では骨格筋を含む徐脂肪体重も減少す ることもあることに注意が必要です。 SGLT-2 阻害薬の作用のまとめ(少し難しいですが、正確に書くのでご了解下さい) ◍ インスリン非依存的に糖毒性を解消し、インスリン分泌およびインスリン抵抗性の改善をも たらします。 ◍ 体重減少、TG(中性脂肪)低下、HDL コレステロール(善玉)の上昇、血圧の低下、尿酸 値が低下します。しかし体重減少の過剰な期待はできません。 ◍ ただし尿路および性器感染症の発生が多くなります。また腎機能が中等度以上障害されてい る患者さんでは効果が減弱します。 ◍ 尿糖排泄は浸透圧利尿(尿糖が出るときに、水分も一緒にたくさん出る)となり、口渇(の どがかわく)・多尿(尿が多くなる)、循環血液量の減少(脱水になりやすい)に注意が必要 です。こまめに水分を摂る(1 日コップ 5 杯以上飲む)ことが必要です。特に熱中症の時期 に要注意!!。 ◍ 痩せ形の方、および高齢者(約 70 歳以上)は当面はこの薬の対象外、(勝手に薬を飲まな い)! ◍ 尿糖増加で血糖は下がりますが、インスリン分泌能の低い人は、インスリンの相対的不足が 起こり、異化が亢進し(合成より分解が進み)、ケトン体が増加し、だるくなったり、体重 減少が過剰になるリスクが起こりうるのです。

3.

「さかえ 3月号」を読む会

司会花島実(患者会)

・加藤則子管理栄養士

(1)よく分かる運転免許 道路交通法が改正されました。てんかんや統合失 調症などで運転に支障を及ぼす症状があるにも かかわらず、運転を更新した場合は、罰則が科せ

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- 6 - られます。これらの事故が多くなったことが原因です。高齢者の方は、くれぐれも運転に気を つけてください。糖尿病で治療中の人は運転中に低血糖を起こさないように、無理をしないこ と、長時間運転の前には血糖値を測ること、低血糖に備えてブドウ糖や缶ジュースを備えてお くことが大切です。(6~13 ページ) (2)患者さんとともに学んだ糖尿病学 「和食が世界無形文化遺産に登録」とあり、和食が見直されて高い評価を得ているのに、食を 欧米化するとは、もったいないことです。和食か洋食か参加者のなかでもいろいろな意見の方 がいました。 また、糖尿病治療の情報量過多は便利になる一方、誤った情報も増えて、何が正しいのかわか りにくくなってきました。これからは、自ら情報を選別する智恵をつける必要があります。 (22~23 ページ) (3)糖尿病、うそ・ほんと! 「糖尿病の治療や予防には、バランスの良い食事と継続できる運動が不可欠です。」とあります が、バランスの良い食事とは? 加藤管理栄養士「毎日、規則正しく食事を摂っているかが大切です。毎食主食・主菜・副菜 の組み合わせで食べること。ご飯を抜いたりしないこと。野菜料理を一緒に食べること。食べ 過ぎないこと。肉だけとか、果物だけとか、そうめんだけとかのばっかり食いをしないこと。」 (54~55 ページ) (不許転載・患者指導転用可 加藤内科クリニック:葛飾区 加藤光敏、加藤則子)

参照

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