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論文の内容の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の1 別紙1

論文の内容の要旨

専攻名 システム創成工学専攻 氏 名 LIM YI HENG

(2,000字程度とし,1行43文字で記入)

本論文の題目は,「Development of multi-functional optical coherence tomography(多機 能光コヒーレンストモグラフィの開発)である.光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は,古く から生体サンプルを非接触かつ非侵襲の断層映像法として開発されてきた.皮膚科,歯科から心 臓血管外科などの広い医療分野にわたって応用されている.特に,眼科にとってOCTは不可欠な 診断装置になっている.さらに,近年,工業においても非破壊検査や評価へ応用さはじめている.

本研究では,スーパーコンティニューム光源により広帯域なスペクトルドメインOCTを構築し分 解能の向上を実現した.さらに,機能性3次元断層イメージングとしてドップラー,偏光および 分光の3つのパラメータの計測ができる新しい光学系を提案し,実際のこれらのパラメータの3 次元断層を定量的に捉えることに成功した.

本論文は,全7章で構成されており,以下に本論文の構成と各章の内容について述べる.

第1章では,OCTの研究背景と動機や意義を明らかにした上で,第2章で本研究の目的について 述べている.

第3章では,原理としてフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ法(FD-OCT)とその感 度,分解能やキャリブレーション法と分散補償の手法について述べている.OCTは光の干渉を利 用してサンプルの内部断層構造を可視化する.FD-OCTは干渉信号のスペクトルを計測することで,

そのスペクトルのフーリエ解析により機械的な駆動を行うことなくサンプルの深さ情報を得るこ とができる.ここでは,FD-OCTとしてスペクトルドメインOCT(SD-OCT)という広帯域光源と分 光器からなる構成と,もうひとつは波長が高速に掃引する光源とフォトディテクタを用いる構成 で実現する波長掃引型OCT(SS-OCT)がある.一般なOCTは干渉信号のスペクトルをサンプリング する波数が等間隔ではないことと,干渉計における波長分散のミスマッチにより画質の劣化が生 じる問題点がある.そこで,サンプリングする波数が等間隔になるようキャリブレーション法を 提案されている.波長分散のミスマッチは数値的に分散補償が行われていが,さらに,従来法と 新しい提案の方法を比較検討がなされて,本手法の有効性が示されている.

第4章では,OCTイメージングの多機能性としてドップラー,偏光および分光のイメージング 法について述べている.ドップラーイメージングはサンプル内の流れの計測が可能である.ドッ プラーの計測信号は流れとサンプル全体の動きが含まれるため,全体の動きを取り除いて流れの みを取り出す補正法が提案されている.偏光イメージングでは,ジョーンズ計算法による偏光解 析が提案されている.偏光イメージングは主にサンプルの複屈折とその方位を計測することがで

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きる.さらに本研究では,偏光イメージングとして動的な偏光変調器が必要としないジョーンズ 行列のイメージングで提案されている.分光イメージングは,OCTで取得したスペクトルに窓関 数をかけることよって分割してフーリエ解析により分光情報を求めることを可能とした.

第5章では,スペクトラルドメインOCTの実験装置について述べている.スーパーコンティニュ ーム光源の波長領域を選択するため波長フィルタの設計と,OCTの性能を左右する肝心な分光器 の設計について具体的に述べられている.分光器の設計は,主にスペクトルをセンサーに集光さ せるレンズ群の設計である.OCTの分解能は一般的に光源の中心波長とその波長帯域によって決 められているので,本研究では,スーパーコンティニューム光源により広帯域なスペクトルドメ インOCTによって高分解能OCTを実現した.導入したスーパーコンティニューム光源の安定性を評 価した上で,OCTの性能評価として感度と分解能の計測を行った.実際に,高分解能OCTを用いて 両面テープの3次元断層イメージングを行い,生体サンプルとして指の汗腺計測が可能となった.

第6章では多機能の3次元断層イメージング計測の実験と検証を述べている.第4章で述べた ジョーンズ行列の偏光イメージングを実現する条件として,計測の深度における感度の減衰が少 ないことが特徴としてあげられる.これによって波長掃引型OCTがこの条件を実現できるため,

ドップラーと偏光の多機能イメージングは波長掃引型OCTを用いて実装した.実際に,偏光計測 の精度検定のために波長板の計測例を示した.さらに,生体サンプルとして人の網膜を計測し,

多機能イメージングにより網膜の複屈折と血流を同時に計測を実現した.偏光イメージングによ り複屈折を持つ網膜の視神経と強膜を識別できた.ドップラーのイメージングは血流を可視化す ることにより脈管構造をイメージングした.従来のOCTでは観察できない微細的な脈管構造を可 視化できた.また,第5章で構築したスペクトラルドメインOCTを用いてサンプルの分光計測を 試みた.光学的に生体を模擬したファントムの材料として利用されているイントラリピッドを異 なる濃度でサンプルとして計測した結果,分光スペクトルはOCTの波長特性による影響を受けた が,その濃度の倍数になる傾向があり,分光解析によりサンプルの濃度の分析が可能であること を示した.

第7章では,本研究で得られた成果を総括し, 今後の展望や課題をまとめた.

参照

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