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小学校における環境教育に関する研究
学校教育専攻 総合学習開発コース 二 宮 茂 樹
1 問題の所荏と研究の目的
環境を健全で恵み豊かなものとして維持する ことは、人間の健康で文化的な生活に欠くこと のできないことである。しかし、人聞は環境に 対して、その修復作用を越えた環境負荷をかけ 続け、それらの負担が環境問題として人類に大 きな影響を与えており、緊急に対処しなければ ならないという認識が高まっている。環境問題 の原因は結局は一人ひとりの行動の環境への負 荷の集合体でもあり、本質的解決の道を開くた めには、一人ひとりの意識改革が不可欠であり、
環境教育が重要な役割を担っている。学校にお ける環境教育は子ども自身の意識変革のみなら ず、家庭、地域へも影響を与えていくことが期 待される。「総合的な学習の時間j という核と なる時間を得て大きく前進した環境教育への取 組は、平成 21年度からの新たな学習指導要領 の全面実施を控え、一つの転換期を迎えること になる。そこでこの時期にこれまでの環境教育 の取組を振り返り、成果と課題を明らかにし、
よりよい取組を考えていくことは大変重要だと 考え、研究の目標に設定した。
2 環境教轄で求められる能力と総合的な 学習の時間との関わり
環境教育とは、よりよい環境の創造のために 行動できる能力や態度を育て、環境保全や改善 に積極的に取り組む人材を育成するための教育
指導教員 近 森 憲 助
活動である。環境教育に関する目的と目標は「関 心J、「理解J、「行動j という三つの段階目標 に分類@整理できるが、これまでの環境教育の 取組を振り返ると、行動変容までには至ってい ないという反省点が挙げられる。第3段階の目 標である「行動J には「技能@能力」及び「態 度@参加Jが含まれるが、行動変容に至るため に身につけておくべき「技能@能力Jの存在を 重視し、「評価能力Jなど9つのカを抽出した。
この9つのカと総合的な学習の時間で重視され ている「生きるカJ の関連を考察した結果、 9 つのカが習得されたならば、総合的な学習の時 間で求められる目標は身につくものであると結 論づけられる。
3 ポートフォリオ分析
小学校における環境教育での児童の学びの姿 を振り返り、地域に根ざし、体験を重視し、人 との関わりに学ぶ学習の必要性が明確に確認で きた。毎時間の児童の学びを知る手だてとして 活用されてきた自己評価は、変容を追い、傾向 から学ぶことはこれまでほとんど行われてこな かった。自己評価カードから読み取れることは 大変豊かであり、児童の評価の変容に目を向け 分析を行うことで、児童のさまざまな学びの姿 や特徴(学びの個性)を教師は把握することが 可能で、ある。自己評価に用いられた 5つの項目 分析においては 毎時間の「まとめjを意識し
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て行うことが、他の項目の高い評価につながる ことが確認された。新たな自己評価カードにお いては重点項目とした「まとめjの項目の評価
、を評定尺度から記述式へと変更することで、よ り充実した学習を目指すとともに、環境教育に おいて求められる技能や能力の高まりを児童@
教師ともに把握できるものと考えた。また、他 者評価の重要性を確認し、グループ活動におけ る児童相互の評価活動を、教師からの評価とし てループリックによる評価を加え、児童の自己 評価能力を高めていくことにした。
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卒業生のアンケート分析小学校における環境教育の学習の成果や課題 を明らかにするとともに、卒業後の生徒の意識 を把握することを目的に卒業生 66名へアンケ ートを行った。結果を分析し、よりよい学びの ためには意図して人とかかわる体験を設定して いく必要があること、 f評価するカ Jf科 学 的 な見方や考え方jがあまり身についておらずー 高めていく手立てが必要であることが分かっ た己小学校での環境に関する学習が、卒業後も 生徒の環境保全活動への意識形成に関わってい ることも確認された。
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捜撲の襲践第5学年児章16名を対象に、 fEMでリサイ クノレjの単元において授業実践を行った。児童 は自己評価を行うことで、自己を客観的に見る ことができるようになり、能力の向上を児童自 身が自覚できるようになった。ルーブリック評 価は児童の評価能力を高めるのに効果的であ る。児童の自己評価カードにおける記述内容は 回を重ねる毎に具体的になり、 fまとめjを意識 したスモールステップの学びの確認の積み重ね が、環境を守っていく主体者となるための能力
@技能の獲得のためには大切で、あるといえるD 児童に適切な支援を行うことで、課題となって いた能力@技能の向上が見られた。授業後のア ンケートからは環境保全行動が他律的から自律 的なものに変容しつつあることが確認できた。
本研究を実施することにより、一人ひとりの 児童の学びの姿をこれまでと違った視点でとら えることができた。自己評価については、単元 を通しての一人ひとりの評価の変容、項目間の 関連、そして学級全体の傾向を分析することで、
それぞれの評価項目の意味や関係を知り、今後 の指導に生かしていくための知見を多く得るこ とができた。
6 今後の課題
能力の評価を記述式で行うためには、伸長し たい能力を児童に提示し、意識させておく必要 がある。今回実施できなかった相互評価とルー ブリック評価を組み合わせ、今後の筆者の現場 における取組において実践していきたいと考え る。単元は、児童が興味@関心をもち主体的に 学習を構成できなかったが、 EM菌の活用を進 めていこうとする流れは地域に存在するようで あり、新たな方向性を探っていく必要がある。
また、学校で学んだことが家庭や地域社会に おいて、実践的に拡大@充実していくことに環
J境教育の意味があり、そのための情報発信につ いても研究を深めていく必要がある。また、小 学校6年間で環境教育を考えた場合、高学年に なるまでに多くの自然に触れ、体を動かす体験 を行い、五感をフルに活用して感性を育ててお くことが必要である。そういう意味で、低・中 学年の環境教育についてはもっと研究を深めて いかなければならない。小学校の教育の現場に 戻ってからが本当の研究のスタートである。
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