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運用戦略について。
小野間氏―― 投資顧問業は、変革を迎え 競争が厳しい時代に入っている。当社の強みは、
東証マザーズに上場しているビーロットグル ー
プの一員であること。業容拡大のための戦略は、
主には 3 つあり、1 つはビーロットが不動産投
資開発事業で商品化した物件の取得を目的に
ファンド組成スキームを投資家に提案し、アク
イジション業務を受託していくこと。2 つ目は、
海外投資家関連のファンドや、ビーロットが投
資家として参加する投資ファンドのラインナップ
を増やし、多角的に期中運用の A U M を積み上
げることだ。3 つ目は、アドバイザリー業務の
新規受託。2016 年 12 月期は、ビーロットの情
報や商品開発力と、ビーロット・ シンガポール
のアジア富裕層ルートによりグループ全体での
シナジーにも実績が出ているので、継続的に
顧客をサポートする立場のわれわれがどれだけ
貢献できるかがグループの成長戦略ともいえる
と考えている。
投資マーケットをどう見ているか。
小野間氏――かなり過熱している認識はあ る。投資家にとって適正なリターンを得られる
物件がなかなか見つけにくい。ただ、グローバ
ルな視点では、運用されていない投資家の余
剰資金は多く、また他国への投資との比較で
ビーロット
・
アセットマネジメント 小野間史敏社長に聞く
は日本不動産の投資ニーズは底堅いのではな
いかと考える。当社は、単純に巷で売り物に
なっている物件を投資家に提案するのではな
く、ビーロットが手掛ける再生物件や投資家か
ら専属的に依頼をうけた特殊ミッションの不動
産をメインに扱う。つまりは、優先的に不動産
の情報を投資家に提案し、またグループとして
継続関与するビジネススタンスであることを強み
にしている。旅館業法上、「簡易宿所」のカテゴ
リーの不動産はまだ取引実績が少ない。また、
それらの不動産がファンドスキームに耐えうる
かは、チャレンジともいえる。当社では「IM A NO
TOKYO HOSTEL」というホステルの取得を目的と
したファンド組成のサポートを手がけ、現在も
期中運用を行っている。取引実績がなく投資家
が検討しにくい物件についても、グループ全体
で需要と供給を導き出し、新しい市場を創り、
そして、一気通貫で手掛けるノウハウと実績を
得た。
運用アセットは?
小野間氏―― 1 つは宿泊系アセット。現在は 「IMANO TOKYO HOSTEL」の 1 つであるが、取引
に至るまでのプロセスにおいて投資意欲が旺盛
な海外投資家は宿泊系に関心があるという感触
をつかんだ。今後、同じようなスキームやフォー
メーションを用いて取り組むことは当社としては
小野間
史
敏
「グループとして継続関与するスタンスに強み
ネットワークと企画力活かし A M を柔軟に多様化」
ビーロットのグループ会社として、 アセットマネジメント業務を行い、 継続的に投資家をサ
ポートするビーロット・アセットマネジメント。ビーロットのシードアセットを A M の受託につ
なげるとともに、 外部協力者と協業したファンドの組成、 海外投資家の運用アドバイザリー業
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不動産経済ファンドレビュー 2017.3.15 自然な流れだ。2 つ目は、賃貸住宅。ミサワホー
ムと共同出資した「合同会社 W B インベストメン
ト1(以下、M BI1) からは主要都市の優良な賃
貸住宅の期中運用業務を受託した。3 つ目は、
物流施設や都心のビル。当社では韓国の年金
を運用する J R A M C と日本不動産への投資に関
するアドバイザリー業務を受託しており、100 億
円を超えるアセットに対してのアドバイザリー実
績がある。
ミサワホームとのファンドの取り組みにつ いて。
小野間氏――もともとビーロットは外部協力 者との協業を得意としており、パートナー企業は
非常に多い。J R A M Cも同様であるが、ミサワホー
ムとも宮内社長の個人的なつながりをきっかけ
に、2、3 年前から一緒に新規ビジネスを行うこ
とを模索していた。結果として、M BI1 への共同
出資に至った。現在は、資産規模では 5 億~
15 億円までの 3 棟の賃貸住宅等を取得し、当
社がアセットマネジメントを受託している。ビー
ロットでバリューアップした物件もあるし、別のデ
ベロッパーが開発した物件もある。物件の収集
とアセットマネジメントはビーロットグループで、
ミサワホームは物件の選別を行う投資家の立場
で両社の考えや強みがマッチしたビジネスだ。
当社が事業として様々なアセットタイプに取り組
むことが出来る。一方で、長期に継続して行う
ビジネスの相手は慎重に選定していく必要があ
り、誰でもよいわけではない。その意味で、ビー
ロットより規模も大きく社歴も長いミサワホーム
と組めたことは当社にとって幸運といえる。
M BI 1 の運用後の出口戦略について。 小野間氏――運用後の出口は明確に想定し
ていない。ファンド自体は物件を長期保有する
前提でスタートしており、T K 出資も両社だけで、
市場の状況やバランスシートとの兼ね合いも含
めてミサワホームが総合的に決定する。
再生案件も競合が激しいが、どういう強み が活かせそうか。
小野間氏――ビーロットには、不動産投資 開発事業としてこれまで不動産再生の市場を創
りだしてきた実績がある。現在、目立っている
のは、簡易宿所等の宿泊系であるが、それ以
外のアセットタイプでも 100 棟を超える不動産
再生実績を有しており、チャイルドケアセンター
をテナントとした区分店舗を海外投資家に売却
した例もある。強みは、「ネットワーク」と「企画
力」。ダイレクトに話せる投資家を抱えながら、
トレンドにも柔軟に商品を企画し、収益不動産
として甦らせている。海外投資家への販売は、
言語や文化の壁がありそれもプロパティマネジ
メントやアセットマネジメントとして長期継続的
にコミュニケーションを繰り返すことは日々新し
いことの連続で決して簡単ではない。それでも、
WIN - WIN な関係を創り、譲り合いながら取引の
実績を重ねるその積極性と柔軟性が、関係各
社から案件を持ち込んでもらう秘訣なのではな
いかと考えている。
海外の投資家は日本をどう見ているのか。
1990 年 4 月 日商岩井株式会
社(現 双日株式会社)入社。
2003 年 7 月 ミネルヴァ債 権
回収株式会社入社、2006 年 4
月 同社代表取締役社長就任。
2010年 10 月 ダイキサウンド
株式会社 代表取締役社長就
任。2011 年 3 月 株式会社レッ
ド・プラネット・ジャパン代表
取締役社長就任。同年 5 月 ダ
イキサウンド 株 式 会 社 取 締
役就任(現任)。2016 年 4 月 ビー
ロット・アセットマネジメント株
式会社 代表取 締役社長就任
(現任)、および株式会社ビー
ロット入社 執行役員就任(現
任)。現在に至る。
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小野間氏――政治の安定や、経済の状況を 見る限り、グローバルな視野で日本は見過ごせ
ない投資マーケットだと見ているのではないか。
マンハッタンの不動産の取引事例をみると N O I
利回り 2 %などは当たり前で、築年数も関係な
く取引されている。「値落ちしない不動産」とし
て「消去法で上がるマーケット」と捉えられてい
るように思う。一方、日本の不動産は、都心の
新築マンションでもまだ N O I 利回り4%などで
中古市場はもう少し優位性がある相場だと考え
ると、安定したマーケットという見方においては
十分に投資対象になる資質がある。また、ホ
テル等の宿泊系は、今後宿泊代そのものが上昇
するのではないかと考える投資家も多いようだ。
なぜなら、観光立国によるインバウンド効果も
さることながら、日本ではまだ極端に宿泊単価
を変動させるオペレーターは少ない。しかし、
将来的には外資系運営会社のように季節ごとや
残室数に応じて大胆な料金設定をする運営会
社も増えていくのではないか、と分析している
ようだ。ビーロットグループとしては、宿泊施設
の開発プロジェクトが今後続々と竣工を迎えるの
で、事業主や運営会社の方針がグローバルスタ
ンダードになることは「追い風」といえる。
A U M の成長目標は?
小野間氏――当社の場合は、当面は A U M が成長目標ではなく、毎年取引の件数を重ねて、
まずはネットワークとノウハウを蓄積していくこと
が目標だ。但し、従前のとおりに日本の不動産、
特に宿泊系は底堅い状況下、ビーロットの宿泊
施設が今後竣工を迎えるタイミングがくるので、
投資家の意向次第では、早い段階で数百億円
の積み上げが可能といえる。
ビーロット・アセットマネジメント 小野間史敏社長に聞く
「グループとして継続関与するスタンスに強み ネットワークと企画力活かし A M を柔軟に多様化」
今後について。
小野間氏――ビーロットのシードアセットを A M の受託につなげる取組み、M B I 1 等の外部
協力者と協業したファンド組成、J R A M C も含め
た海外投資家の運用アドバイザリー業務、それ
ぞれを成長させることが戦略上の大きなポイン
トだ。限られたリソースのなかでビジネス機会も
取捨選択していく必要があるが、日本不動産へ
の投資窓口を探している投資家は多く、当社は
具体的な方法を提案することができる。潜在的
顧客は非常に多い状況で、当社の存在意義を
見出せつつあるビーロットとしての物件をソーシ
ングする能力を、海外に広く伝える役目を当社
は果たし、そして A M の新規案件獲得につなげ
ていく。
外部と提携する戦略はあるのか。
小野間氏――ビーロットグループは新しい 取り組みに対して、積極的であり、いろいろな
ことを柔軟に思考する企業文化だ。もちろん、
チャンスがあれば資本提携なり、業務提携を
積極的に行っていくだろう。今は、インバウンド
戦略として宿泊系がトレンドであるため、商品化
し、フォーカスされている。他方、ビーロットに
は「簡易宿所」をいち早く事業化し新しい市場
を創りだしたように、企画したことをやりきるパ
ワーがある。これまで通り、外部協力者とのパー
トナーシップとチームワークに重きをおき、柔軟
に多様化させながらやりきる「企業文化」こそが、
グループで 6 期連続での増収増益という今の
成長を支える原動力だ。3 ~ 5 年での近い将来
を見据えた新しい取り組みもグループ内でいろ
いろと検討されている。今後は、ますます様々
な分野で多様化は加速させていくだろう。