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ITILを基盤としたLCMサービス

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Academic year: 2021

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ITILを基盤としたLCMサービス

Life Cycle Management Service Based on Information Technology

Infrastructure Library

あ ら ま し ITシステムの適用範囲拡大,複雑化,高機能化に伴い,各企業ではITインフラを維持管 理するIT管理者の業務が増大しているため,安全で高品質かつ安定した運用アウトソーシ ングへのニーズがますます増加している。 富士通グループはITインフラのライフサイクル全体の課題をトータルに支援するLCM サービスを提供しており,LCMサービス実施の中核を担う全国8箇所の「富士通LCMサー ビスセンター」を運営している。各センターでは環境に優しく,セキュリティを確保した上 で,高い品質でサービスを提供するためにISO(ITILを含む)をはじめとした各種認定を取 得し,日々サービス品質維持向上と継続的なサービスの改善に取り組んでいる。 本稿では,ITILを基盤としたLCMサービス改善への取組みと,実際にITILを活用してお 客様のIT運用の改善を支援したサービスの事例について述べる。 Abstract

As the information technology (IT) systems used by a company increase in complexity, functionality, and coverage, the work of the IT system administrator managing the IT infrastructure also increases. This gives birth to a growing need for safe, high-quality, and reliable IT outsourcing. The Fujitsu Group provides a life cycle management (LCM) service to fully address the problems that arise with the IT infrastructure within a company, and it runs eight Fujitsu LCM Service Centers across the country for the same purpose. With regard to the environment and an emphasis on security, each center has various certifications such as ISO (International Organization for Standardization) and follows the approach of the Information Technology Infrastructure Library (ITIL). The centers apply vigorous service quality management and strive to make continuous improvements. This paper describes improvements to the customer LCM Service achieved through the ITIL approach by examining an example of an ITIL-based Fujitsu operation service.

酒井康司(さかい こうじ) (株)富士通エフサス オンサイト サービス支援部 所属 現在,ITシステム運用における運用 センターおよびオンサイトサービス の企画設計支援業務に従事。 渡辺兼造(わたなべ けんぞう) (株)富士通エフサス ソリューショ ンセンター運用設計サービス部 所属 現在,ITILをベースとした運用コン サルティングおよび運用設計サービ ス業務に従事。

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ITILを基盤としたLCMサービス

ま え が き お客様のビジネス規模拡大,ITインフラの適用 範囲拡大,コンプライアンスやセキュリティの強 化・厳格化に伴ってシステムはますます複雑化・高 機能化している。それに伴いお客様のIT管理者は システム利用者からの問合せ増加への対応,発生し ている問題の早期把握・早期復旧といった作業に忙 殺されている。このような中で,運用コストを抑制 でき安全性を確保した上で高品質かつ安定した運用 サービスを提供する運用アウトソーシングへの期待 がますます増加している。(1)-(3) 数あるベンダの中で上記の要件を満たしているベ ン ダ を 選 定 す る 場 合 にISO の 取 得 や ITIL ( IT Infrastructure Library)といったIT運用管理の国 際標準に準拠することが重要となっている。 富士通グループでは「富士通標準プロセス体系」 にITIL な ど の ノ ウ ハ ウ や 考 え 方 を 反 映 し た “ITSMOP(IT Service management & Maintenance

& Operation Process)”や,さらに過去の運用・保 守実践ノウハウを加えた「運用・保守総合モデル」 を体系化している。

そして,お客様には上記モデルに基づきITイン

フラの設計・構築・運用・保守のライフサイクル全 般をカバーする「LCM(Life Cycle Management) サービス」をOne-stopで提供している。(4) 本稿では,LCMサービスの中でも特に運用サー ビスの概要と,サービス実施基盤である「富士通 LCMサービスセンター」の運用上の課題について, ITILを活用してどのように問題解決したのかを紹 介する。 ITILとは ITILはIT運用管理(ITサービスマネジメント)に おける様々な実施すべきこと,実施した方がよいこ とをまとめたベストプラクティスである。(5) 欧米では1989年にITIL Ver.1が発表されていた歴 史もあり,ITILの考えに基づいてITインフラを運 用することがデファクトスタンダードとして確立さ れている。 その後2001年にITIL Ver.2が発表され,2005年 12月にISO20000国際規格としてISO化,日本では 2007年4月にJIS Q 20000としてJIS化された。(6) ITILの最新版は2007年5月にライフサイクルの考 えを取り入れ再編成したITIL Ver.3である。(7)-(13) 最近では,官公庁を中心とした公共機関の調達仕 お客様 LCM LCMサービスサービス アプリケーション 保守サービス 個別サービス 型決めモデル 運用運用・・保守総合モデル保守総合モデル 運用・保守作業体系(実践モデル) SDEM実践標準 (システム基盤編:ITIMAP) SDEM SDEM実践標準実践標準 (運用・保守編: (運用・保守編:ITSMOPITSMOP)) 富士通標準プロセス体系(SDEM) 要件定義 プロセス 運用・保守 プロセス 企画 プロセス ITSMに関する国際規格 ItSMF 国際標準 富士通運用・保守ノウハウ 各種ガイドライン 経済産業省ガイドライン 金融商品取引法 社会システム点検など ITIL ITIL ISO20000 ISO20000 開発 プロセス 運用テスト・ 移行プロセス 活用/参照 フロー化/手順化/役割明確化 活用/参照 サービス提供 ベース ノウハウ 考え方 反映 図-1 富士通LCMサービスと各種標準との関連

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様書でも,ITILの考え方に基づいた運用設計が要 求されるなど,一般的にIT運用の標準化や見える 化,全体最適化の手段として,ITILの考え方を取 り入れる傾向にある。 LCMサービスの位置付け 富士通グループでは,IT全般に関する各プロセ ス を 標 準 化 し た 「 富 士 通 標 準 プ ロ セ ス 体 系 SDEM」を作成しており,運用・保守プロセスに ついてはITILのノウハウや考え方を反映して,よ り 具 体 的 な フ ロ ー 化 や 手 順 化 を 実 施 し , “ITSMOP”として体系化している。さらに,運 用・保守にかかわる関係者間で運用保守業務の全体 理解と共通認識を図り,過去の運用・保守の実践ノ ウハウを加えてより現場に近い言葉で作業項目を体 系化した「運用・保守総合モデル」を作成している。 お客様ITインフラの運用課題をライフサイクル に沿って,企画・設計~導入~運用・保守~移転・ 撤去までトータルに支援するサービスとして,「富 士通LCMサービス」を体系化して提供している( 図-1)。サービス内容の詳細を「富士通LCMサービ スフレームワーク」として示す(図-2)。 LCMセンターの提供サービス 富 士 通LCM サ ー ビ ス フ レ ー ム ワ ー ク の 運 用 フェーズの中核を担う全国8箇所の「富士通LCM サービスセンター」(以下,LCMセンター)では, 主に以下の5サービスを提供している。 (1) システム監視サービス お客様先と回線で接続して,サーバ・ネットワー ク機器の稼働状況を常時監視し,システムの安定稼 働を支援する。 (2) ヘルプデスクサービス お客様のシステム利用者から様々な問合せを受け 付け,利用者の利便性を高める。 (3) システムトラブル対応サービス お客様の情報システム管理者からトラブル・Q& Aを受け付け,システムトラブルの早期復旧を支援 する。 (4) ソフトオンサイト復旧支援サービス LCMセンター単独で問題解決できない場合に, 全 国 約830 箇 所 , 約 3600 名 の ACE ( Advanced Customer Engineer)がお客様先に出動し,LCM センターと連携してお客様システムの問題切分けや トラブルの早期復旧を支援する。 企画 ・ 設計 導入 運用 ライフ サイクル トータル サポート メニュー 運用改 善 支援サ ー ビ ス 運用 診 断 サ ー ビ ス 運用設計サ ー ビ ス 運用管理 利用者 対応 トラブル対応 保守 移転・撤去 運用 管理 シ ス テ ム 構築 サ ービ ス I T イ ン フ ラ デ リ バ リ ー サ ー ビ ス シス テム ス タ ー ト ア ッ プ サ ー ビ ス シス テム 展 開 サ ー ビ ス 現地 セ ッ ト ア ッ プ シス テム オ ペ レ ー シ ョ ン サ ー ビ ス P C 資 産 管 理 サ ー ビ ス セキ ュ リ テ ィ 運 用 サ ー ビ ス シス テム 監 視 サ ー ビ ス ヘ ル プ デ ス ク サ ー ビ ス P C 予 備 機 対 応 サ ー ビ ス デー タ 消 去 サ ー ビ ス シス テム 移 転 ・ 撤 去 サ ー ビ ス 安定稼 働 診断サ ー ビス システム トラブル 対応 サービス Support Desk ・ Ex pe rt ・ St and ard ・ Li te Su p po rt D es k パ ッ ク ソ フ ト オ ン サ イ ト 復 旧 支 援 サ ー ビ ス ソ フ ト 予 防 保 守 サ ー ビ ス 事業系I T 製 品 リ サ イ ク ル サ ービ ス フェーズ別 メニュー メニュー タイプ ライフ サイクル メニュー サーバ-LCMサービス ネットワーク-LCMサービス 簡易運用支援 サービス PC-LCMサービス PC-LCMサービスLite ハ ー ド ウ ェ ア 設 置 サ ー ビ ス 図-2 富士通LCMサービスフレームワーク Fig.2-Fujitsu’s LCM service framework.

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(5) 簡易運用支援サービス とくに中小規模のお客様向けに,サービス提供時 間やサービス機器を限定して運用を支援する。 LCMセンターの実施基盤 ● LCMセンターの物理基盤 これらのサービスを実施するために,LCMセン ターでは物理的に下記のような制限や管理を常時実 施して,万全のセキュリティ対策を整えている。 (1) 事務所ゾーン,お客様情報管理ゾーン,お客 様ネットゾーン,お客様サーバゾーン,社内 サーバゾーン,外部情報公開ゾーンなど情報レ ベルによる情報管理・入室制限 (2) 指紋認証や静脈認証,テレビカメラによる入 退出管理 (3) 利用者端末の証跡管理システムやアクセス制 限システムによる情報機器の利用制限・利用管 理・持ち出し管理・印刷管理 (4) 利用者端末の定期的なパスワードチェック, ウイルスチェック,禁止ソフトチェック,外部 記憶媒体への情報持ち出しチェック,情報印刷 チェックなどの各種情報セキュリティチェック システムによる利用管理 (5) 鍵管理装置によるロッカー,紙ファイル,媒 体,持ち出し用機器の利用制限・利用管理 (6) サーバや共通情報の複数拠点への多重化, データバックアップによる管理強化 (7) サーバ認証,アプリケーション認証などの多 重認証と,アクセス管理リストによる利用制 限・利用管理 ● LCMセンターの論理基盤 このような物理的に強固なセキュリティを装備し た基盤の中で,環境も考慮し,セキュリティを確保 した上で,高い品質でサービスを提供するために, LCMセンターでは以下の各種認定を取得し,日々 サービス品質の維持・向上と継続的な運用サービス の改善に取り組んでいる。 (1) ISO 9000(品質ISO) (2) ISO14001(環境ISO) (3) ISO20000(ITIL国際品質標準) (4) ISO27001(ISMS情報セキュリティマネジメ ントシステム) (5) プライバシーマーク(Pマーク) 異常 異常 システム利用者 システム管理者 お客様システム 回答 問合せ 回答,復旧支援 トラブル,QA 監視 ヘルプデスクサービス システムトラブル 対応サービス 出動 ②ACE用 インシデント 管理システム 業務 アプリケーション 開発・保守部門 製品 開発部門 他社製品 保守窓口, 他社ベンダ 製品 保守部門 連携 連携 ⑤サービス レベル管理 品質管理 富士通LCMサービスセンター マネジメント 通報 復旧支援 回答,出動,連携など お客様 ④構成管理など 構成管理 データベース ②LCMセンター用 インシデント 管理システム 月次 報告書 各種 分析 資料 関連部門 ACE そのほかの ①サービス デスク ③問題管理 ⑥ITサービス 継続性管理 関連部門 システム監視サービス ⑦継続的な サービス改善 ソフトオンサイト 復旧支援 サービス 図-3 富士通LCMサービスセンター体制 Fig.3-Fujitsu’s LCM service center organization.

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● ITILの活用・適用 お客様のニーズに合わせて,フェーズ別のサービ スメニュー単体で,あるいは複数メニューを最適な 組合せで24時間365日提供し続けるためには,管 理・運用の仕組みやLCMセンター間連携も最適 化・標準化する必要がある。これらの課題を解決す るためLCMセンターにITILの手法を以下のように 活用・適用した。LCMサービスセンターの体制と ITIL Ver.3のライフサイクル,プロセスとの関係を 図-3に示す。 【サービスオペレーション】 (1) サービスデスク(図-3①) お客様のITインフラを監視して異常通報を受信 したり,お客様からの問合せを受け付ける。 (2) インシデント管理(同図②) 問合せ内容はインシデント管理システムに記録し, 問題解決に必要な専門分野の技術者による情報の把 握と早期の回避策策定,問題復旧支援を実施する。 (3) 問題管理(同図③) 富士通グループのハードウェア・ソフトウェア製 品やアプリケーションを含めてお客様にOne-stop で運用サービスを提供するために,アプリケーショ ン開発・保守部門,製品開発・保守部門,各種ベン ダ,そのほか関連する部門と連携しながら根本原因 の調査や新規パッチの作成依頼など,ほかのお客様 でも同様の問題が発生しないように十分な対策を実 施する。 【サービストランジション】 ・構成管理・変更管理・リリース管理(同図④) 回避策策定や根本原因の調査,問題解決などを実 施する際,必要に応じて構成管理データベースで管 理されているお客様のITインフラの構成情報,変 更履歴などを参照・更新しながら迅速・的確に作業 を実施する。 【サービスデザイン】 (1) サービスレベル管理(同図⑤) サービス全体をデザインし,また,デザインに 従ったマネジメントを実施することにより,各サー ビス,あるいはサービス全体の管理や月次報告書の 作成,各種分析を実施しながらお客様ITインフラ の安定稼働に貢献する。 (2) ITサービス継続性管理(同図⑥)

BCMS ( Business Continuity Management

System:事業継続マネジメントシステム)を用い て,地震などの不測の事態が発生した際に,早急に 対応要員やインフラを別地域のLCMセンターに切 り替えられるようにする。また,インシデント管理 システムや構成管理データベースを介してLCMセ ンター間を連携し,サービスの継続的な提供を実現 する。 【継続的なサービス改善】 ・継続的なサービス改善(同図⑦) サービスオペレーション,サービストランジショ ン,サービスデザインすべてのプロセスに対して, サービス全体の品質をモニタリング・分析し,分析 内容のレビューと関係各部門への報告,問題点の是 正・改善などのPDCAサイクルを継続的に実施する。 富士通グループの運用サービスの強み 物理的に強固なセキュリティを装備し,ITILや ISOといった各種認定を取得するなど国際標準に準 拠して運用プロセスや品質を常に改善し,サービス を安心して提供するには,継続した投資とノウハウ が必要となる。 一部の大企業を除き各企業が個別にこのような環 境を構築し,ITインフラを継続的に維持管理する ために投資を続けることは困難である。 さらにITインフラに対するお客様の課題として 「新規投資に費やす予算・人員の余裕がない」,「シ ステム運用/管理コストを削減したい」,「技術革新/ 変化への対応が困難である」などが挙げられている。 これまでに論じてきたように,LCMサービスの 提供により,ITILやISOに準拠した全国8箇所の LCMセンターと,全国約830箇所,約3600名の ACEによる高品質な対応などにより,富士通グ ループの運用サービスは解決策を十分提供できると 確信している。 ITILを適用した運用サービス事例 前章では,LCMセンターにおけるITILへの取組 み,および,「富士通LCMサービスフレームワー ク 」 の う ちLCM セ ン タ ー が 提 供 し て い る 運 用 フェーズのサービスなどについて述べた。 本章では,同フレームワークの企画・設計フェー ズに当たるITILをベースにお客様のIT運用の改善 を支援する「運用改善支援サービス」の事例につい

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て述べる。 ● お客様プロフィール 情報システム子会社であるA社は,親会社とグ ループ会社のITの導入・構築から開発および運用 を担っており,運用部門は,ERPの基幹システム をはじめとするサーバからパソコンの運用を担当し ている。 ● ITIL活用のきっかけ A社は2004年,英国規格である情報セキュリティ マネジメントシステム(BS7799-2:2002)の認証 取得をきっかけに,IT運用・保守の分野について も品質改善に取り組むよう親会社の経営層より方 針が示された。 それを受けて,2005年からIT運用のデファクト スタンダードであるITILを活用して,ITサービス の品質向上を図ることとなった。 ● 富士通エフサスの運用改善への取組み 2005年8月,A社のIT運用の現状における強み, 弱み,問題点などの分析および評価のため,100項 目に及ぶアセスメントを実施した。アセスメント測 定用レーダチャートの例を示す(図-4)。 アセスメントの結果,部署により業務プロセスが ばらばらで(標準化されていない),インシデント のすべてが記録されておらず,記録内容や方法も統 一されていないため「全体の状況が見えない」,「情 報共有されていない」などの問題が明らかになった。 この結果に基づき2005年下期,富士通エフサス はA社と検討を重ねて以下の方針でITIL適用計画を 策定した。 ・短期的な成果が得られる施策を先に実施する。 ・上記の成果を足掛かりとして,中長期の施策を実 施する。 短期的施策は,対象プロセスをインシデント管理, 問題管理,サービスレベル管理,ITサービス継続 性管理に決定し,「混沌状態から脱却し,インシデ ントの見える化」を目標に掲げ,2006年8月より本 運用を開始した。 (1) 運用プロセスの標準化 部署により異なっていた対応手順について, ITILを参考に運用プロセスを設計・ドキュメント 化し,標準化を図る。 (2) 記録ルールの標準化 統一されていなかったインシデントの記録内容に ついて記録する管理項目や範囲を明確する。記録す る基準を策定し,標準化を図りすべてのインシデン トを記録する。 (3) インシデントの見える化 全社統一のインシデントを記録するツールを自社 開発で導入し,全社でのインシデントの見える化を 図る。 また,活動の開始に当たり,改善活動の効果を測 定するために,KPI(Key Performance Indicator) を設定した。毎月報告会を開催して数値結果の評価 を行い,継続的に改善されていることを確認し,評 価の低い場合は原因を追及し対策を検討するなど, PDCAサイクルを意識した活動を実施した。設定し たKPIは以下のとおりである。 ・トラブル即日起票率 ・インシデント初期対応時間遵守率 ● 改善効果 本運用開始後の2006年10月には,すべてのイン シデントを記録するよう徹底したため,一時的に件 数が増加した。しかし,その後はバックアップ障害 対策など,継続的な改善策の実施により,2008年 3月には2006年10月と比較して47%のインシデン トを削減することができた。 インシデント件数削減により運用要員の負荷も大 幅に減り,その工数を基幹システムの構築支援作業 に充当することも可能になった。活動開始当初は低 かった運用要員のモチベーションも上がり,その後 の運用改善活動への弾みがつく結果となった。この ように,運用改善の結果が見える化されていること 図-4 アセスメント結果のレーダチャート(例) Fig.4-Example of radar chart of assessment result.

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は非常に重要である。 ● 今後の改善について A社は2008年度から中長期の施策として,変更管 理およびリリース管理プロセスの改善活動に取り組 んでいる。A社の改善活動に貢献できるよう今後も 継続して支援していきたい。 む す び 本稿では,ITILを基盤としたLCMサービスへの 取組みと,お客様のIT活用の改善を支援するサー ビス事例を紹介した。 今後も,富士通グループが提供するLCMサービ スでは,継続した改善に取り組み,お客様に常に高 品質な運用サービスを提供していく所存である。 参 考 文 献 (1) 日本情報処理開発協会(JIPDEC)ホームページ. http://www.jipdec.or.jp/ (2) 有 馬 啓 修 : ア ウ ト ソ ー シ ン グ サ ー ビ ス 体 系 . FUJITSU,Vol.54,No.5,p.366-370(2003). (3) 菊田志向ほか:オンサイトアウトソーシングにお けるITライフサイクルマネジメント.FUJITSU, Vol.56,No.5,p.432-438(2005). (4) 長谷川満:お客様ITシステムインフラの運用・保 守への取組み.FUJITSU,Vol.59,No.1,p.77-83 (2008). (5) ITサービスマネジメントフォーラムジャパン: itSMF JAPAN ホームページ. http://www.itsmf-japan.org/ (6) 大畑毅ほか:ISO/IEC20000-1 情報技術-サービスマネジメント 第1部:仕様 要求事 項の解説,第1版,東京,日本規格協会,2007. (7) サービスサポート,TSO発行,2003. (8) サービスデリバリ,TSO発行,2004. (9) サービスストラテジ,TSO発行,2008. (10) サービスオペレーション,TSO発行,2008. (11) サービストランジション,TSO発行,2008. (12) サービスデザイン,TSO発行,2008. (13) 継続的サービス改善,TSO発行,2008.

参照

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