厚生科学審議会疾病対策部会第 12 回指定難病検討委員会
議 事 次 第
平 成 2 7 年 4 月 2 8 日 ( 火 )
1 6 : 0 0 ~ 1 8 : 0 0
場所:労働委員会会館 講堂(7階)
1.開 会
2.議 事
(1) 指定難病(第二次実施分)に係るパブリックコメントの結果 について
(2) 指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について
(疾病対策部会への 報告案)
(3) 指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る 基準について
(4) その他
3.閉 会
< 配 付 資 料 >
資 料 1
資 料 2 - 1
資 料 2 - 2
資 料 3
参 考 資 料 1
参 考 資 料 2
「 難 病 の 患 者 に 対 す る 医 療 等 に 関 す る 法 律 第 五 条 第 一 項 の 規 定 に
基 づ き 厚 生 労 働 大 臣 が 指 定 す る 指 定 難 病 及 び 同 法 第 七 条 第 一 項 第
一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度(平成 26 年
厚生労働省告示第 393 号)の一部を改正する件(案)」に関する
御意見の募集の結果について
指定難病に係る検討結果について(案)
臨床調査個人票様式 例(案)
指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る基準 (案)
「指定難病に係る検討結果について」(平成 26 年 10 月8日指定
難病検討委員会取りまとめ)からの修正案
「 難 病 の 患 者 に 対 す る 医 療 等 に 関 す る 法 律 第 5 条 第 1 項 に 規 定 す
る 指 定 難 病 及 び 第 7 条 第 1 項 第 1 号 に 規 定 す る 病 状 の 程 度 を 定 め
る件(仮称)(案)」に関する御意見の募集について
今後のスケジュール
所属・役職
飯野 ゆき子
東京北医療センター顧問兼耳鼻咽喉科科長
大澤 眞木子
東京女子医科大学名誉教授
◎千葉 勉
京都大学大学院総合生存学館思修館特定教授
直江 知樹
国立病院機構名古屋医療センター院長
錦織 千佳子
神戸大学大学院医学研究科教授
水澤 英洋
国立精神・神経医療研究センター病院長
宮坂 信之
東京医科歯科大学名誉教授
和田 隆志
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科教授
◎は委員長
氏 名
厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会委員名簿
「難病の患者に対する医療等に関する法律第五条第一項の規定に基づき
厚生労働大臣が指定する指定難病
及び同法第七条第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度(平成
26
年厚生労働省告示第
393 号)の一部を改正する件(案)」
に対するご意見募集の結果について
平 成 2 7 年 4 月 2 8 日
厚生労働省健康局疾病対策課
標記について、平成27年3月20日から平成27年4月18日まで御意見を募集したところ、
117件の御意見をいただきました。お寄せいただいた御意見の概要とそれに対する考え
方を次のとおり御報告いたします。
なお、御意見については、本パブリックコメント募集の対象となる事項についてのみ、
適宜要約等の上、取りまとめさせていただいております。意見募集の対象外の御意見に
つきましては、回答はいたしませんが、お寄せいただいた御意見に関しましては、今後
の参考とさせていただきたいと考えております。
皆様方の御協力に厚くお礼申し上げるとともに、今後とも厚生労働行政の推進に御協
力賜りますようお願い申し上げます。
No 御意見の概要 御意見に対する考え方 1 筋ジストロフィー等、厚生科学審議会疾病対策部 会指定難病検討委員会(以下「指定難病検討委員 会」とする。)において「指定難病とすべき疾病」 とされている疾病について、指定難病として、医 療費助成の対象としてほしい。 今回「指定難病とすべき疾病」としてお示しした疾 病については、診断基準等を定め、厚生科学審議会 の意見を聴いた上で、難病の患者に対する医療等に 関する法律(以下「難病法」とする。)に基づく医療 費助成の対象とすることを検討しています。 2 指定難病検討委員会において、指定難病の要件を 満たさないとされた疾病についても指定難病にす べきである。 指定難病検討委員会では615の疾病を検討の対象 としましたが、そのうち390疾病については、現 時点で指定難病の要件を満たすことが明らかでない と判断されました。 また、医学の進歩に合わせ、必要に応じて適宜見直 しを行うこととしています。 3 指定難病検討委員会で検討された615疾病以外 の疾病について、指定難病として、医療費助成の 対象としてほしい。 第二次実施分の指定難病の検討においては、検討段 階において指定難病としての要件に関する情報収集 がなされた疾病を対象としました。指定に係る要件 等に関する学術的な整理や情報収集が不十分な疾病 については、今後の指定難病に係る検討に向けて平 成 27 年秋以降に基礎的資料の収集・整理を行った上 で、今年度中に指定難病検討委員会で議論を再開す ることとしています。 4 重症度に関わらず、診断基準を満たす者は全て医 療費助成の対象としてほしい。 難病患者への医療費助成については、広く国民に理 解を得る観点から、医療費助成の対象患者は、対象 疾患に罹患している患者であって、日常生活又は社 会生活に支障がある者とすることが適切と考えてい ます。 なお、症状の程度が重症度分類等で一定以上に該当 しない者であっても、高額な医療を継続することが 必要な場合は、医療費助成の対象となります。資料1
5 各疾病の診断基準及び重症度分類の内容を変更し てほしい。 各疾病の支給認定に係る基準の案は、難治性疾患克 服研究事業等の研究班や関係学会からの研究成果や 情報提供を活用し、検討時点において適切と考えら れる内容を設定しています。また、医学の進歩に合 わせ、必要に応じて適宜見直しを行うこととしてい ます。 重症度分類については、医療費助成の対象患者は、 対象疾患に罹患している患者であって、日常生活又 は社会生活に支障がある者とすることが適切と考え ています。 6 指定難病検討委員会において、指定難病の要件を 満たすとされた疾病に含まれうる疾病について、 独立した疾病として医療費助成の対象としてほし い。 複数の病型を有する疾病についてどの範囲を一つの 疾病単位として扱うかについては、難治性疾患克服 研究事業等の研究班や関係学会からの研究成果や情 報提供を活用し、検討時点において適切と考えられ る内容を設定することとなります。また、医学の進 歩に合わせ、必要に応じて適宜見直しを行うことと しています。
指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について(案)
平 成 2 7 年 4 月 2 8 日
厚生科学審議会疾病対策部会
指 定 難 病 検 討 委 員 会
1.はじめに
○ 難病の患者に対する医療等に関する法律(以下「法」という。)の規定
に基づき、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定難病(法第
5条第1項に規定する指定難病をいう。以下同じ。)を指定するに当たり、
指定難病とすべき疾病の案及び当該指定難病に係る医療費助成(法第5条
第1項に規定する特定医療費の支給をいう。以下同じ。)の支給認定に係
る基準(指定難病の診断に関する客観的な指標による一定の基準及び法第
7条第1項に規定する病状の程度。以下「支給認定に係る基準」という。)
の案を以下のとおり取りまとめた。
○ 本委員会は平成 26 年 10 月8日に「指定難病に係る検討結果について」
として、110 の疾病について指定難病とすべき疾病の案及びその支給認定
に係る基準の案を取りまとめているが、今回は平成 27 年7月から医療費
助成の開始が想定されている疾病(以下「指定難病(第二次実施分)」と
いう。
)について平成 27 年 1 月 23 日より7回の検討を行ない、本日取り
まとめを行ったものである。
2.指定難病に係る検討の進め方
○ 指定難病(第二次実施分)の検討においては、検討段階において指定難
病としての要件に関する情報収集がなされた疾病を対象とした。
○ 具体的には、これまで難治性疾患克服研究事業において研究されてきた
疾病及び小児慢性特定疾病の対象疾病(平成 27 年1月に新たに指定され
た疾病を含む)について、関係研究班や関係学会に情報提供を求め、平成
27 年2月時点までに指定難病の要件に関する情報が得られた疾病(615 疾
病)を検討の対象とした。
○ 個々の疾病について、指定難病の各要件を満たすかどうかの検討を行う
にあたっては、「発病の機構が明らかでない」、「治療方法が確立していな
い」
、
「長期の療養を必要とする」
、
「患者数が人口の 0.1%程度に達しない」、
「客観的な診断基準等が確立している」の5要件を確認した。
資料2-1
3.指定難病の要件について
○ 指定難病の要件は、法に規定されているが、さらに具体的な考え方を別
添1「指定難病の要件について」のとおり取りまとめた。
○ 法律に基づいて施策が実施されているなど、他の施策体系が確立されてい
る疾病については、
「『発病の機構が明らかでない』ことについて要件を満
たすことが明らかでない疾病」として取り扱った。
○ 「客観的な診断基準等が確立している」ことの検討に当たっては、小児
慢性特定疾病の診断で用いられている「診断の手引き」のみを根拠とする
場合には、成人に対しても「客観的な診断基準等が確立している」かどう
か、別添1「指定難病の要件について」の考え方に照らして個別に検討を
行った。
○ これらの考え方に基づき、個別の疾病が指定難病の指定の要件を満たす
かどうかについて、また、指定難病の要件を満たすと考えられる個々の疾
病の支給認定に係る基準について、それぞれ検討を行った。
4.指定難病とすべき疾病の案及び支給認定に係る基準の案
○ 本委員会では 615 の疾病を検討の対象とし、そのうち 225 疾病について
指定難病の各要件を満たすと判断した。さらにそれらの疾病について、類
似する疾病等の再整理を行ない、すでに指定難病として指定されている
110 疾病に加えて、別添2のとおり 196 疾病を指定難病(第二次実施分)
とすべきことを本委員会の結論とし、具体的な個々の疾病の支給認定に係
る基準は、別添3のとおりとした。
○ なお、検討の対象とした 615 疾病のうち 390 疾病については、現時点で以
下のとおり判断した。
① 「発病の機構が明らかでない」という要件を満たすことが明らかでない
と判断したもの 139 疾病
② 「治療法が確立していない」という要件を満たすことが明らかでないと
判断したもの 10 疾病
③ 「長期の療養を必要とする」という要件を満たすことが明らかでないと
判断したもの 44 疾病
④ 「患者数が本邦において一定の人数に達しない」という要件を満たすこ
とが明らかでないと判断したもの 27 疾病
⑤ 「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」という要
件を満たすことが明らかでないと判断したもの 170 疾病
5.今後の検討の進め方
○ これまでの検討で第一次実施分(110 疾病)と合わせて計 306 疾病につ
いて指定難病とすべきとしたこととなる。
○ 今後も引き続き、難治性疾患克服研究事業等で研究を進めていく中で得
られた情報を含め、指定難病の検討に必要な要件等に関する情報について、
収集や整理を行い、指定難病の検討を行う予定である。
○ 具体的には、平成 27 年秋から検討に向けた情報収集を開始し、平成 27
年度中に指定難病検討委員会を再開する。
○ その際には、新たな疾病について指定難病の検討や支給認定に係る基準
の検討を行うとともに、これまで検討した 306 疾病の支給認定に係る基準
等について、医学の進歩に合わせ、必要に応じて適宜見直しを行うことと
する。
指定難病の要件について
平成27年4月28日
○発病の機構が明らかでなく
○治療方法が確立していない
○希少な疾病であって
○長期の療養を必要とするもの
難病の定義
患者数等による限定は行わず、
他の施策体系が樹立されていな
い疾病を幅広く対象とし、調査研
究・患者支援を推進
例:悪性腫瘍は、がん対策基本法におい
て体系的な施策の対象となっている
難 病
指定難病
難病のうち、以下の要件の全てを満たすものを、
患者の置かれている状況からみて
良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、
厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定
○患者数が本邦において一定の人数
(注)に達しないこと
○客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること
医療費助成の対象
○ 以下のように整理する。
① 原因が不明または病態が未解明な疾病が該当するものとする。
② 原因遺伝子などが判明している場合であっても病態の解明が不十分な場合は、①に
該当するものとする。
③ 外傷や薬剤の作用など、特定の外的要因によって疾病が発症することが明確であり、
当該要因を回避・予防することにより発症させないことが可能な場合は①に該当しな
いものとする。
④ ウイルス等の感染が原因となって発症する疾病については、原則として①に該当し
ないものとする。ただし、ウイルス等の感染が契機となって発症するものであって、一
般的に知られた感染症状と異なる発症形態を示し、症状が出現する機序が未解明
なものなどについては、個別に検討を行うものとする。
⑤ 何らかの疾病(原疾患)によって引き起こされることが明らかな二次性の疾病は、原
則として①に該当しないものとして、原疾患によってそれぞれ判断を行うものとする。
(1) 「発病の機構が明らかでない」ことについて
指定難病の要件について<1>
○ 以下のように整理する。
① 難病の要件全体に含められている基本的な考え方は、他の施策体系が樹立してい
ない疾病を広く対象とするものとされている。
② 「他の施策体系が樹立している疾病」とは、厚生労働省において難病法以外の法律
等を元に調査研究等の施策が講じられている疾病で、がんや精神疾患、感染症、ア
レルギー疾患などがこれにあたり、難病法にいう難病として想定していない。
③ ただし、横断的に疾病の症状や病態の一部に着目した施策が体系的に講じられて
いたとしても、疾病を単位とした施策が講じられていない場合は、他の施策体系が樹
立しているものとして一律には取り扱わず、個別に検討する。(例えば、小児慢性疾
病の対象疾病は小児期に限って支援を行っているという観点から、他の施策体系が
樹立しているものとして一律には取り扱わず、個別に検討する。 )
補足1「他の施策体系が樹立していない」ことについて
指定難病の要件について<1>
○ がんについては、「がん対策基本法」及び「がん登録等の推進に関する法律」(平成28年1月1日
施行予定)を中心に、難病対策とは別の施策体系が講じられている。
○ がんの定義は、学会等の統一された見解はないが、「がん登録等の推進に関する法律」第2条
第1項において、「悪性新生物その他の政令で定める疾病」とされており、厚生科学審議会がん登
録部会において、以下の案で承認されたところ。
(1)法第2条関係(がんの定義)
「がん」の定義として、次に掲げるものを規定すること。
・悪性新生物及び上皮内がん(ただし、以下に掲げるものを除く。)
・髄膜、脳、脊髄、脳神経及び中枢神経系のその他の部位に発生した腫瘍
・消化管間質腫瘍
・一部の卵巣腫瘍
○ このため、ICD10で悪性新生物に位置付けられている疾病など、がんに含まれる可能性のある疾
病については、 「がん登録等の推進に関する法律」に付随する政省令の策定状況等を踏まえ、指
定難病検討委員会における検討を行う。
○ ただし、複数の疾病が併存して発生する症候群についてはがんを合併するものであっても、がん
によらない他の症状が指定難病の要件を満たすような場合には、その症候群について指定難病と
して取り扱う。
補足2 がんについて
指定難病の要件について<1>
○ 精神疾患については、体系的な施策として障害者総合支援法における精神通院医療
の制度を実施しており、その対象範囲となる疾病はICD10においてFでコードされている
疾病及びG40でコードされている疾病(てんかん)とされている。
○ これを踏まえ、障害者総合支援法における精神通院医療の対象となる疾病は、基本
的に指定難病の要件を満たさないものとする。
○ ただし、複数の疾病が併存して発生する症候群については、精神症状やてんかん症
状を合併するものであっても、精神症状やてんかん症状によらない他の症状が指定難
病の要件を満たすような場合には、その症候群について指定難病として取り扱うこととす
る。
補足3 精神疾患について
指定難病の要件について<1>
○ 以下のいずれかの場合に該当するものを対象とする。
① 治療方法が全くない。
② 対症療法や症状の進行を遅らせる治療方法はあるが、根治のための治療方法
はない。
③ 一部の患者で寛解状態を得られることはあるが、継続的な治療が必要。
○ 治療を終了することが可能となる標準的な治療方法が存在する場合には、該当し
ないものとするが、臓器移植を含む移植医療については、機会が限定的であること
から現時点では完治することが可能な治療方法には含めないこととする。
(2) 「治療方法が確立していない」ことについて
指定難病の要件について<2>
○ 以下のように整理する。
① 疾病に起因する症状が長期にわたって継続する場合であり、基本的には発症し
てから治癒することなく生涯にわたり症状が持続もしくは潜在する場合を該当す
るものとする。
② ある一定の期間のみ症状が出現し、その期間が終了した後は症状が出現しない
ようなもの(急性疾患等)は該当しないものとする。
③ 症状が総じて療養を必要としない程度にとどまり、生活面への支障が生じない疾
患については、該当しないものとする。
(3) 「長期の療養を必要とする」ことについて
指定難病の要件について<3>
○ 症状が総じて療養を必要としない程度にとどまり、生活面への支障が生じない疾患
については、致死的な合併症を発症するリスクがある場合であっても、基本的に「長期
の療養を必要とする」 という要件に該当しないものとする。
○ しかしながら、遺伝性脂質代謝異常症のように、心筋梗塞等の致死的な合併症を発
症するリスクが著しく高く、そのリスクを軽減するためにアフェレーシス治療等の侵襲性
の高い治療を頻回かつ継続的に必要としている疾患がある。
○ 従って、診断時点では必ずしも日常生活に支障のある症状を認めないが、致死的な
合併症を発症するリスクが高い疾病については、
① 致死的な合併症を発症するリスクが若年で通常より著しく高いこと
②致死的な合併症を発症するリスクを軽減するための治療として、侵襲性の高い治療
(例:アフェレーシス治療)を頻回かつ継続的に必要とすること
を満たす場合は「長期の療養を必要とする」 という要件に該当するものとする。
補足4 致死的な合併症(心筋梗塞等)を発症するリスクが高い疾病
について
指定難病の要件について<3>
○ 「一定の人数」として示されている「人口の0.1%程度以下」について、以下のように整理する。
① 本検討会で議論を行う時点で入手可能な直近の情報に基づいて、計算する。
※本邦の人口は約1.27億人、その0.1%は約12.7万人(「人口推計」(平成26年1月確定値)(総務省統計局)より)
② 当面の間は、0.15%未満を目安とすることとし、具体的には患者数が18万人(0.142%)未満で
あった場合には「0.1%程度以下」に該当するものとする。
③ この基準の適用に当たっては、上記を参考にしつつ、個別具体的に判断を行うものとする。
○ 患者数の取扱いについては、以下のよう整理する。
① 希少疾患の患者数をより正確に把握するためには、(a)一定の診断基準に基づいて診断され
た当該疾患の(b)全国規模の(c)全数調査という3つの要件を満たす調査が望ましいものとする。
② 医療費助成の対象疾患については、上記3つの要件を最も満たし得る調査として、難病患者
データベース(仮称)に登録された患者数(※)をもって判断するものとする。
※ 医療受給者証保持者数と、医療費助成の対象外だが登録されている者の数の合計
③ 医療費助成の対象疾患ではない場合などは、研究班や学会が収集した各種データを用いて
総合的に判断する。当該疾患が指定難病として指定された場合などには、その後、難病患者
データベースの登録状況を踏まえ、本要件を満たすかどうか、改めて判断するものとする。
(4) 「患者数が本邦において一定の人数に達しないこと」について
指定難病の要件について<4>
○ 以下のように整理する。
① 血液等の検体検査、画像検査、遺伝子解析検査、生理学的検査、病理検査等
の結果とともに、視診、聴診、打診、触診等の理学的所見も、客観的な指標とす
る。
② 「一定の基準」とは、以下に該当するものとする。
i.
関連学会等(国際的な専門家の会合を含む)による承認を受けた基準や、
すでに国際的に使用されている基準等、専門家間で一定の合意が得られて
いるもの。
ii. ⅰには該当しないものの、専門家の間で一定の共通認識があり、客観的な
指標により診断されることが明らかなもので、ⅰの合意を得ることを目指し
ているなどⅰに相当すると認められるもの。この場合、関連学会等のとりま
とめ状況を適宜把握する。
(5) 「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること」
について
指定難病の要件について<5>
○ 小児慢性特定疾病の診断に関しては、日本小児科学会が主体となり作成した「診
断の手引き」がある。これらの「診断の手引き」の多くは、主として小児科の医師が、
小児を対象として診断を可能にするという観点でとりまとめられたものとされている。
○ この「診断の手引き」については、成人を対象とした診断基準を基に小児に対する診
断基準としての適否の検討を行ったものや、小児にのみ用いられることを前提とした
診断基準としてとりまとめられたものなどがある。
○ そのため、指定難病の要件である診断基準の有無の検討に当たり、小児慢性特定
疾病の診断で用いられている「診断の手引き」のみを根拠とする場合には、成人に
適用したならば「認定基準についての考え方」を満たすかどうか、個別に検討を行う
こととする。
補足5 小児慢性特定疾病の診断の手引きについて
指定難病の要件について<5>
○ 医療費助成の対象患者の認定基準については、確立された対象疾患の診断基準と
それぞれの疾患の特性に応じた重症度分類等を組み込んで作成し、個々の疾患ごと
に設定する。
○ これらの認定基準については、検討時点において適切と考えられる基準を設定する
とともに、医学の進歩に合わせて、必要に応じて適宜見直しを行う。
○ 診断基準の検討に当たっては、以下の事項に留意する。
① 必要な検査を列挙し、満たすべき検査値などについても具体的に記載すること。
② 複数の検査や症状の組み合わせを必要とする場合は、一義的な解釈となるよう
にすること。
③ 診断基準の中に不全型、疑い例等が含まれる場合については、それぞれの定
義を明確にし 、医学的に治療を開始することが妥当と判断されるものが認定さ
れるようにすること。
認定基準についての考え方<1>
○ 重症度分類等の検討に当たっては、以下の事項に留意する。
「日常生活又は社会生活に支障がある者」という考え方を、疾病の特性に応じて、医学的
な観点から反映させて定める。
治癒することが見込まれないが、継続的な治療により症状の改善が期待できる疾患につ
いては、その治療方法や治療効果を勘案して、重症度を設定する。
疾病ごとに作成されている重症度分類等がある場合は、原則として当該分類等を用いる。
疾病ごとに作成されている重症度分類等では日常生活又は社会生活への支障の程度が
明らかではない場合、または、重症度分類等がない場合は、以下のような対応を検討す
る。
①
臓器領域等ごとに作成されている重症度分類等を、疾病の特性に応じて用いる。
※例:心、肺、肝、腎、視力、聴力、ADL等
② 段階的な重症度分類等の定めはないが、診断基準自体が概ね日常生活又は社会
生活への支障の程度を表しているような疾病については、当該診断基準を重症度分
類等として用いる。
※例:家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
認定基準についての考え方<2>
番号 病名 番号 病名 111 先天性ミオパチー 159 色素性乾皮症 112 マリネスコ・シェーグレン症候群 160 先天性魚鱗癬 113 筋ジストロフィー 161 家族性良性慢性天疱瘡 114 非ジストロフィー性ミオトニー症候群 162 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。) 115 遺伝性周期性四肢麻痺 163 特発性後天性全身性無汗症 116 アトピー性脊髄炎 164 眼皮膚白皮症 117 脊髄空洞症 165 肥厚性皮膚骨膜症 118 脊髄髄膜瘤 166 弾性線維性仮性黄色腫 119 アイザックス症候群 167 マルファン症候群 120 遺伝性ジストニア 168 エーラス・ダンロス症候群 121 神経フェリチン症 169 メンケス病 122 脳表ヘモジデリン沈着症 170 オクシピタル・ホーン症候群 171 ウィルソン病 172 低ホスファターゼ症 173 VATER症候群 174 那須・ハコラ病 175 ウィーバー症候群 176 コフィン・ローリー 症候群 126 ペリー症候群 177 有馬症候群 127 前頭側頭葉変性症 178 モワット・ウィルソン症候群 128 ビッカースタッフ脳幹脳炎 179 ウィリアムズ症候群 129 痙攣重積型(二相性)急性脳症 180 ATR-X症候群 130 先天性無痛無汗症 181 クルーゾン症候群 131 アレキサンダー病 182 アペール症候群 132 先天性核上性球麻痺 183 ファイファー症候群 133 メビウス症候群 184 アントレー・ビクスラー症候群 134 中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群 185 コフィン・シリス症候群 135 アイカルディ症候群 186 ロスムンド・トムソン症候群 136 片側巨脳症 187 歌舞伎症候群 137 限局性皮質異形成 188 多脾症候群 138 神経細胞移動異常症 189 無脾症候群 139 先天性大脳白質形成不全症 190 鰓耳腎症候群 140 ドラベ症候群 191 ウェルナー症候群 141 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん 192 コケイン症候群 142 ミオクロニー欠神てんかん 193 プラダー・ウィリ症候群 143 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん 194 ソトス症候群 144 レノックス・ガストー症候群 195 ヌーナン症候群 145 ウエスト症候群 196 ヤング・シンプソン症候群 146 大田原症候群 197 1p36欠失症候群 147 早期ミオクロニー脳症 198 4p欠失症候群 148 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん 199 5p欠失症候群 149 片側痙攣・片麻痺・てんかん症候群 200 第14番染色体父親性ダイソミー症候群 150 環状20番染色体症候群 201 アンジェルマン症候群 151 ラスムッセン脳炎 202 スミス・マギニス症候群 152 PCDH19関連症候群 203 22q11.2欠失症候群 153 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 204 エマヌエル症候群 205 脆弱X症候群関連疾患 206 脆弱X症候群 155 ランドウ・クレフナー症候群 207 総動脈幹遺残症 156 レット症候群 208 修正大血管転位症 157 スタージ・ウェーバー症候群 209 完全大血管転位症 158 結節性硬化症 210 単心室症
指定難病とすべき疾病の名称
(厚生労働省厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会における検討結果) ※告示に規定するに当たり、病名の表記が変更となる可能性あり。 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質 脳症 123 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳 動脈症 124 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん 性白質脳症 125 徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳 症 154 別添2 1番号 病名 番号 病名 211 左心低形成症候群 212 三尖弁閉鎖症 213 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症 260 シトステロール血症 214 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症 261 タンジール病 215 ファロー四徴症 262 原発性高カイロミクロン血症 216 両大血管右室起始症 263 脳腱黄色腫症 217 エプスタイン病 264 無β リポタンパク血症 218 アルポート症候群 265 脂肪萎縮症 219 ギャロウェイ・モワト症候群 266 家族性地中海熱 220 急速進行性糸球体腎炎 267 高IgD症候群 221 抗糸球体基底膜腎炎 268 中條・西村症候群 222 一次性ネフローゼ症候群 223 一次性膜性増殖性糸球体腎炎 224 紫斑病性腎炎 270 慢性再発性多発性骨髄炎 225 先天性腎性尿崩症 271 強直性脊椎炎 226 間質性膀胱炎(ハンナ型) 272 進行性骨化性線維異形成症 227 オスラー病 273 肋骨異常を伴う先天性側弯症 228 閉塞性細気管支炎 274 骨形成不全症 229 肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性) 275 タナトフォリック骨異形成症 230 肺胞低換気症候群 276 軟骨無形成症 231 α 1-アンチトリプシン欠乏症 277 リンパ管腫症/ゴーハム病 232 カーニー複合 278 巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変) 233 ウォルフラム症候群 279 巨大静脈奇形(頚部口腔咽頭びまん性病変) 280 巨大動静脈奇形(頚部顔面又は四肢病変) 281 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群 235 副甲状腺機能低下症 282 先天性赤血球形成異常性貧血 236 偽性副甲状腺機能低下症 283 後天性赤芽球癆 237 副腎皮質刺激ホルモン不応症 284 ダイアモンド・ブラックファン貧血 238 ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症 285 ファンコニ貧血 239 ビタミンD依存性くる病/骨軟化症 286 遺伝性鉄芽球性貧血 240 フェニルケトン尿症 287 エプスタイン症候群 241 高チロシン血症1型 288 自己免疫性出血病XIII 242 高チロシン血症2型 289 クロンカイト・カナダ症候群 243 高チロシン血症3型 290 非特異性多発性小腸潰瘍症 244 メープルシロップ尿症 291 ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型) 245 プロピオン酸血症 292 総排泄腔外反症 246 メチルマロン酸血症 293 総排泄腔遺残 247 イソ吉草酸血症 294 先天性横隔膜ヘルニア 248 グルコーストランスポーター1欠損症 295 乳幼児肝巨大血管腫 249 グルタル酸血症1型 296 胆道閉鎖症 250 グルタル酸血症2型 297 アラジール症候群 251 尿素サイクル異常症 298 遺伝性膵炎 252 リジン尿性蛋白不耐症 299 嚢胞性線維症 253 先天性葉酸吸収不全 300 IgG4関連疾患 254 ポルフィリン症 301 黄斑ジストロフィー 255 複合カルボキシラーゼ欠損症 302 レーベル遺伝性視神経症 256 筋型糖原病 303 アッシャー症候群 257 肝型糖原病 304 若年発症型両側性感音難聴 305 遅発性内リンパ水腫 306 好酸球性副鼻腔炎
指定難病とすべき疾病の名称(続き)
(厚生労働省厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会における検討結果) ※告示に規定するに当たり、病名の表記が変更となる可能性あり。 234 ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを除く。) ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラー ゼ欠損症 258 259 レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ 欠損症 269 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候 群 別紙111 先天性ミオパチー ■ 基本情報 氏名 姓(漢字) 名(漢字) 姓(かな) 名(かな) 住所 郵便番号 住所 生年月日等 生年月日 西暦 年 月 日 性別 1.男 2.女 出生市区町村 出生時氏名(変更のある場合) 姓(漢字) 名(漢字) 姓(かな) 名(かな) 家族歴 近親者の発症者の有無 1.あり 2.なし 3.不明 発症者続柄 1.父 2.母 3.子 4 .同胞(男性) 5.同胞(女性)6.祖父(父方) 7.祖母(父方) 8.祖父(母方) 9.祖母(母方)10.いとこ 11.その他 続柄 両親の近親結婚 1.あり 2.なし 3.不明 詳細: 発病時の状況 発症年月 西暦 年 月 社会保障 介護認定 1.要介護 2.要支援 3.なし 要介護度 1 2 3 4 5 生活状況 移動の程度 1.歩き回るのに問題はない 2.いくらか問題がある 3.寝たきりである 身の回りの管理 1.洗面や着替えに問題はない 2.いくらか問題がある 3.自分でできない ふだんの活動 1.問題はない 2.いくらか問題がある 3.行うことができない 痛み/不快感 1.ない 2.中程度ある 3.ひどい 不安/ふさぎ込み 1.問題はない 2.中程度 3.ひどく不安あるいはふさぎ込んでいる ■ 診断基準に関する事項 症状の概要、経過、特記すべき事項など Ⅰ.臨床症状 1.筋力低下(新生児期:自発運動の低下、乳幼児期:運動発達の遅れ、学童~成人:徒手筋力テストで複数筋が4以 下) 1.あり 2.なし 3.不明 2.筋緊張低下(関節の過伸展、被動性増大) 1.あり 2.なし 3.不明 3.腱反射の低下または消失 1.あり 2.なし 3.不明 Ⅱ.検査所見 1.筋生検で特徴的な病理所見を認める。(所見: ) 1.あり 2.なし 3.不明 2.先天性ミオパチーで既報の原因遺伝子に変異が同定されている。または、家族で同症を呈し遺伝子が確定してい る。(変異を認める遺伝子の種類: ) 1.あり 2.なし 3.不明 Ⅲ.その他の所見 1.骨格筋画像(CT または MRI)で萎縮・異常信号輝度を認める 1.該当 2.非該当 3.不明 2.呼吸機能障害があり人工呼吸器を要する 1.該当 2.非該当 3.不明 3.経鼻胃管または胃瘻による経管栄養を要する 1.該当 2.非該当 3.不明 資料2-2 臨床調査個人票様式例(案)
4.側弯または関節拘縮を認める 1.該当 2.非該当 3.不明 5.顔面筋罹患または高口蓋、眼瞼下垂、外眼筋麻痺を認める 1.該当 2.非該当 3.不明 6.家族歴 1.あり 2.なし 3.不明 <診断のカテゴリー> 1)Ⅰのいずれかを満たし、かつⅡのいずれかの検査で所見を認めるもの 1.該当 2.非該当 3.不明 2)Ⅰのいずれかを満たし、Ⅱは未実施または所見なしだが、Ⅲを 3 つ以上認め、以下の項目を全て満たす (該当する項目に☑を記入する) □20 歳以下で診断 □①中枢神経病変の否定 □②骨格筋画像、針筋電図または遺伝子検査で筋炎や神経原性疾患の除外 □③染色体異常の否定 □④CK 値が低下~軽度上昇(概ね 500U/l以下まで) 1.該当 2.非該当 3.不明 ■ 重症度分類に関する事項【該当する番号を○で囲む】 modified Rankin Scale(mRS)
0.まったく症候がない 1.症候はあっても明らかな障害はない(日常の勤めや活動は行える) 2.軽度の障害(発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える) 3.中等度の障害(何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える) 4.中等度から重度の障害(歩行や身体的要求には介助が必要である) 5.重度の障害(寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする) 6.死亡 食事・栄養 0.症候なし 1.時にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない 2.食物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする 3.食事・栄養摂取に何らかの介助を要する 4.補助的な非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする 5.全面的に非経口的栄養摂取に依存している 呼吸 0.症候なし 1.肺活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない 2.呼吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある 3.呼吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる 4.喀痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要 5.気管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要 ■ 人工呼吸器に関する事項(使用者のみ記入) 使用の有無 1.あり 開始時期 西暦 年 月 離脱の見込み 1.あり 2.なし 種類 1.気管切開口を介した人工呼吸器 2.鼻マスク又は顔マスクを介した人工呼吸器 施行状況 1.間欠的施行 2.夜間に継続的に施行 3.一日中施行 4 .現在は未施行 生活状況 食事 整容 入浴 階段昇降 排便コントロール □自立 □部分介助 □全介助 □自立 □部分介助/不可能 □自立 □部分介助/不可能 □自立 □部分介助 □不能 □自立 □部分介助 □全介助 車椅子とベッド間の移動 トイレ動作 歩行 着替え 排尿コントロール □自立 □軽度介助 □部分介助 □全介助 □自立 □部分介助 □全介助 □自立 □軽度介助 □部分介助 □全介助 □自立 □部分介助 □全介助 □自立 □部分介助 □全介助 医療機関名 指定医番号 医療機関所在地 電話番号 ( ) 医師の氏名 印 記載年月日:平成 年 月 日 ※自筆または押印のこと ・病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えありません。 (ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限ります。) ・治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、直近6ヵ月間で最も悪い状態を記載してください。 ・診断基準、重症度分類については、「難病に係る診断基準及び重症度分類等について」(平成○○年○○月○○日健発○○第○号健康局長通知)を参照の上、ご記入く
資料3
指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る基準(案)
「指定難病に係る検討結果について」
(平成 26 年 10 月8日
指定難病検討委員会とりまとめ)からの修正案
23 プリオン病
○ 概要 1. 概要 プリオン病は、正常プリオン蛋白が何らかの理由で伝播性を有する異常プリオン蛋白に変化し、主に中枢 神経内に蓄積することにより急速に神経細胞変性をおこす稀な致死性疾患である。プリオン病の代表的な タイプである孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は 1 年間に 100 万人に 1 人程度の割合で発症すること が知られている。ヒトのプリオン病は病因により、原因不明の特発性(孤発性 CJD; sporadic CJD (sCJD))、 プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性(家族性 CJD; Gerstman-Sträussler-Scheinker 病 (GSS); 致死性家 族性不眠症 (fatal familial insomnia: FFI))、他からのプリオン感染による獲得性(environmentally acquired; クールー、医原性、変異型(variant: vCJD))の 3 種類に分類される。プリオン病は、人獣共通感染症であり、 ヒト以外では、牛の牛海綿状脳症(BSE)などが知られている。 2.原因 プリオン蛋白(PrP)は正常の人でも脳に発現しているが、その機能に関しては諸説があり、まだ解っていな い。正常 PrP は PrPCと称されており蛋白分解酵素で消化される。一方、プリオン病の脳内に見られる異常 な PrP は PrPScと呼ばれ、蛋白分解酵素で消化されにくい。PrPScは PrPCに比べアミノ酸配列は同一である が立体構造が異なっており、βシート構造がより豊富なため不溶性となり、凝集しやすいというアミロイドの 性質を有している。 獲得性プリオン病では PrPCに外来の PrPScが接触して PrPCが PrPScに変換する連鎖反応を介して、脳 内に蓄積して発病すると考えられているが、変換の機序に関しては複数の説があり、機序の解明と感染性 の不活化のための様々な研究が行われている。 遺伝性 CJD では、PrP 遺伝子の変異がアミノ酸配列に変異を起こし、PrP の高次構造が変化しやすいた め、PrPScが産生されやすいと考えられている。 3.症状 CJD の臨床病期は一般に 3 期に分けられる。 (1) 第1期:倦怠感、ふらつき、めまい、日常生活の活動性の低下、視覚異常、抑鬱傾向、もの忘れ、失調 症状等の非特異的症状。 (2) 第2期:認知症が急速に顕著となり、言葉が出にくくなり、意思の疎通ができなくなって、ミオクローヌス が出現する。歩行は徐々に困難となり、やがて寝たき りとなる。神経学的所見では腱反射の亢進、病 的反射の出現、小脳失調、ふらつき歩行、筋固縮、ジストニア、抵抗症(gegenhalten)、驚愕反応 (startle response)等が認められる。 (3) 第3期:無動無言状態からさらに除皮質硬直や屈曲拘縮に進展する。ミオクローヌスは消失。感染症 で1~2年程度で死亡する。 4.治療法治療法は未確立である。 5.予後 孤発性症例では進行が速く1~2年で死亡する。遺伝性 CJD や一部の孤発性 CJD は進行が遅く数年に 及ぶものもある。 ○ 要件の判定に必要な事項 1.患者数(平成 24 年度医療受給者証保持者数) 475 人 2.発病の機構 不明(異常なプリオン蛋白が原因と考えられる) 3.効果的な治療方法 未確立 4.長期の療養 必要(症状は進行性で1~2年から数年で死亡する) 5.診断基準 あり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準) 6.重症度分類 Barthel Indexを用いて、85 点以下を対象とする。 ○ 情報提供元 「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」 研究代表者 金沢大学医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学(神経内科学) 教授 山田 正仁 ○ 付属資料 診断基準 重症度基準
2
<診断基準> 確実例、ほぼ確実例を対象とする。ただし、ヒト由来乾燥硬膜移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とされ た症例を除く。 プリオン病の分類 プリオン病はその発症機序から、1.原因不明の孤発性、2.プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性、3.異 常プリオン蛋白の伝播による獲得性、の3つに大きく分類される。 1. 孤発性プリオン病 CJDの診断基準 1. 確実例(definite):脳組織においてCJDに特徴的な病理所見を証明するか、またはウェスタンブロット法か免 疫組織学的検査にて異常プリオン蛋白が検出されたもの。 2. ほぼ確実例(probable):病理所見・異常プリオン蛋白の証明は得られていないが、進行性認知症を示し、さ らに脳波上の周期性同期性放電を認める。さらに、ミオクローヌス、錐体路または錐体外路徴候、小脳症状 (ふらつき歩行を含む) または視覚異常、無動無言状態のうち2項目以上を呈するもの。あるいは、「3.疑 い例」に該当する例で、髄液14-3-3 蛋白陽性で全臨床経過が2年未満であるもの。 3. 疑い例(possible):ほぼ確実例と同様の臨床症状を呈するが、脳波上の周期性同期性放電を認めないも の。 2. 遺伝性プリオン病 (a) プリオン蛋白遺伝子変異V180Iによる家族性CJD 画像所見や臨床症状からV180Iを疑った場合の診断に最も重要なのはプリオン蛋白遺伝子の検索である。 (b) プリオン蛋白遺伝子変異P102LによるGSS(GSS102) GSSの診断基準 1. 確実例(definite): 進行性認知症、小脳症状、痙性対麻痺などを呈する。プリオン蛋白遺伝子の変異 が認められ、脳組織においてGSSに特徴的な病理所見を証明するか、またはウェスタンブロット法か免 疫組織学的検査にて異常プリオン蛋白が検出されたもの。 2. ほぼ確実例(probable): 臨床症状とプリオン蛋白遺伝子の変異は確実例と同じであるが、病理所 見・異常プリオン蛋白の証明が得られていないもの。 3. 疑い例(possible): 家族歴があり、進行性認知症を呈し、小脳症状か痙性対麻痺を伴うが、プリオン 蛋白遺伝子の変異や病理所見・異常プリオン蛋白の証明が得られていないもの。 (c) プリオン蛋白遺伝子変異E200Kによる家族性CJD 孤発性との鑑別にはプリオン蛋白遺伝子の検索が必要である。 (d) 致死性家族性不眠症(FFI) FFIの診断基準 1. 確実例(definite): 臨床的に進行性不眠、認知症、交感神経興奮状態、ミオクローヌス、小脳失調、
錐体路徴候、無動無言状態などFFIとして矛盾しない症状を呈し、プリオン蛋白遺伝子のコドン178 の変異を有しコドン129がMet/Metである。 さらに脳組織においてFFIに特徴的な病理所見を証明するか、またはウェスタンブロット法か免疫組 織学的検査にて異常プリオン蛋白が検出されたもの。 2. ほぼ確実例(probable): 臨床的にFFIとして矛盾しない症状を呈し、プリオン蛋白遺伝子のコドン 178の変異を有しコドン129がMet/Metであるが、病理所見・異常プリオン蛋白の証明が得られてい ないもの。 3. 疑い例(possible): 臨床的にFFIとして矛盾しない症状を呈しているが、プリオン蛋白遺伝子変異や 病理所見・異常プリオン蛋白の証明が得られていないもの。 (e)その他の遺伝性プリオン病 わが国に多い病型としてはM232R変異による家族性CJDがあげられる。M232RはV180Iと類似しており、 我が国でのみ報告されていて家族内発症が確認された報告はなく、診断にはプリオン病遺伝子検索が 必須である。平均発症年齢が66.6歳、平均罹病期間は1.3年であり、古典型孤発性CJDと同様の臨床経 過、検査所見を呈する例が大半である。その他、多数の家族性CJDを来す遺伝子変異が知られている が希である。 また、GSSにもP102Lの他に痙性対麻痺を呈するP105L変異などが知られている。 3. 獲得性プリオン病 (a) ヒト由来乾燥硬膜移植によるCJD 診断基準 医原性CJDの診断基準は孤発性CJDのものに準じる。
(b) 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(variant Creutzfeldt-Jakob disease : vCJD) 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の診断基準 Ⅰ A. 進行性精神・神経障害 B. 経過が6か月以上 C. 一般検査上、 他の疾患が除外できる。 D. 医原性の可能性がない。 E. 家族性プリオン病を否定できる。 Ⅱ A. 発症初期の精神症状(a) B. 遷延性の痛みを伴う感覚障害(b) C. 失調 D. ミオクローヌスか、舞踏運動か、 ジストニア E. 認知症
4
Ⅲ A. 脳波で PSD 陰性(c) (または脳波が未施行) B. MRIで両側対称性の視床枕の高信号(d) Ⅳ A. 蓋扁桃生検で異常プリオン陽性(e) 確 実 例: Ⅰ A と神経病理で確認したもの(f) ほぼ確実例: Ⅰ+Ⅱの4/5 項目+ⅢA+ⅢB またはⅠ+ⅣA 疑 い 例: Ⅰ+Ⅱの4/5 項目+ⅢA a: 抑鬱、不安、無関心、 自閉、錯乱 b: はっきりとした痛みや異常感覚 c: 約半数で全般性三相性周期性複合波 d: 大脳灰白質や深部灰白質と比較した場合 e: 口蓋扁桃生検をルーチンに施行したり、孤発性CJDに典型的な脳波所見を認める例に施行すること は推奨されないが、臨床症状は矛盾しないが視床枕に高信号を認めないvCJD疑い例には有用であ る。 f: 大脳と小脳の全体にわたって海綿状変化と広範なプリオン蛋白陽性の花弁状クールー斑
<重症度分類> 機能的評価:Barthel Index 85 点以下を対象とする。 質問内容 点数 1 食事 自立、自助具などの装着可、標準的時間内に食べ終える 10 部分介助(たとえば、おかずを切って細かくしてもらう) 5 全介助 0 2 車椅子 からベッ ドへの 移動 自立、ブレーキ、フットレストの操作も含む(非行自立も含む) 15 軽度の部分介助または監視を要する 10 座ることは可能であるがほぼ全介助 5 全介助または不可能 0 3 整容 自立(洗面、整髪、歯磨き、ひげ剃り) 5 部分介助または不可能 0 4 トイレ動 作 自立(衣服の操作、後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はそ の洗浄も含む) 10 部分介助、体を支える、衣服、後始末に介助を要する 5 全介助または不可能 0 5 入浴 自立 5 部分介助または不可能 0 6 歩行 45m以上の歩行、補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用の有無は問わず 15 45m以上の介助歩行、歩行器の使用を含む 10 歩行不能の場合、車椅子にて 45m以上の操作可能 5 上記以外 0 7 階段昇 降 自立、手すりなどの使用の有無は問わない 10 介助または監視を要する 5 不能 0 8 着替え 自立、靴、ファスナー、装具の着脱を含む 10 部分介助、標準的な時間内、半分以上は自分で行える 5 上記以外 0 9 排便コ ントロー ル 失禁なし、浣腸、坐薬の取り扱いも可能 10 ときに失禁あり、浣腸、坐薬の取り扱いに介助を要する者も含む 5 上記以外 0 10 排尿コ ントロー ル 失禁なし、収尿器の取り扱いも可能 10 ときに失禁あり、収尿器の取り扱いに介助を要する者も含む 5 上記以外 0
6
※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項 1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いず れの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確 認可能なものに限る)。 2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、 直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。 3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続す ることが必要な者については、医療費助成の対象とする。 ※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが 必要な者については、医療費助成の対象とする。
56 ベーチェット病
○ 概要 1.概要 口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎症性発作を繰り 返すことを特徴とする。 2.原因 病因は未だ不明であるが、本病は特定の内的遺伝要因のもとに何らかの外的環境要因が作用して発症す る多因子疾患と考えられている。本病は人種を超えて HLA-B51 抗原と顕著に相関することが知られており、 本病の疾患感受性を規定している遺伝要因の少なくとも一つは、HLA-B51 対立遺伝子であると考えられる。 3. 症状 (1)主症状 ア 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍 境界鮮明な浅い有痛性潰瘍で、口唇粘膜、頬粘膜、舌、さらに歯肉などの口腔粘膜に出現する。初発症 状のことが多く、再発を繰り返し、ほぼ必発である。 イ 皮膚症状 下腿に好発する結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、顔面、頚部、背部などにみられる毛嚢炎様皮疹又 は痤瘡様皮疹など。 ウ 眼症状 両眼性に侵されるぶどう膜炎が主体。症状は発作性に生じ、結膜充血、眼痛、視力低下、視野障害など をきたす。 エ 外陰部潰瘍 有痛性の境界鮮明なアフタ性潰瘍で、男性では陰嚢、陰茎、女性では大小陰唇に好発する。 (2)副症状 関節炎以外の副症状の出現頻度は多くないものの、特に腸管型、血管型、神経型ベーチェット病は生命 に脅威をもたらしうる警戒すべきものであり、特殊病型に分類されている。関節炎、副睾丸炎、消化器病変、 血管病変及び中枢神経病変がある。 消化器病変は典型的には回盲部潰瘍で、炎症性腸疾患との鑑別がしばしば問題になる。血管病変は動 静脈系、肺血管系に分布し、動脈瘤や静脈血栓をきた来す。中枢神経病変は、髄膜炎、脳幹脳炎を発症 する急性型と、片麻痺、小脳症状、錐体路症状など神経症状に認知症などの精神症状をきたす慢性進行 型に大別される。 4.治療法 (1)生活指導 齲歯予防などの口腔内ケア。疲労、ストレスの回避。 (2)薬物治療 ①眼症状:軽度の前眼部発作時は副腎皮質ステロイドと散瞳薬の点眼を用いる。重度の前眼部発作時 には点眼治療に加え、副腎皮質ステロイドの結膜下注射を行う。網膜ぶどう膜炎型には水溶性ステロ イドの後部テノン囊下注射を行う。またステロイドの全身投与を行う場合もある。眼発作が頻発する症 例では、通常はコルヒチンから開始し、効果不十分であればシクロスポリンへの変更、またはインフリ キシマブの導入を行う。.副作用などのためシクロスポリンの導入が難しい症例や、視機能障害が懸 念される重症例には、インフリキシマブの早期導入を行う。8
②皮膚粘膜症状:口腔内アフタ性潰瘍、陰部潰瘍には副腎ステロイド局所軟膏、コルヒチンなどの内服。 ③関節炎:コルヒチン、非ステロイド性消炎薬による対症療法。効果がない場合には、副腎皮質ステロイ ド投与。 ④血管病変:副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬の併用を主体とする。 ⑤腸管病変:副腎皮質ステロイドとメサラジンなどを使用し、難治性の場合はアダリムマブなどの TNF 阻 害薬を使用する。腸管穿孔、出血は手術適応。 ⑥中枢神経病変:脳幹脳炎、髄膜炎などの急性期の炎症は副腎皮質ステロイド治療に反応し、改善する ことが多い。一方、精神症状、人格変化などが主体とした慢性進行型にはメトトレキセート週一回投与 の有効性が報告されている。 5.予後 眼症状や特殊病型がない場合は、一般に予後は悪くない。眼病変は、かつて糖尿病眼症に次ぐ成人失 明の原因であったが、インフリキシマブが使用されるようにより、大きく改善している。腸管型に対しても TNF 阻害薬が使用されるほか、血管型、神経型においても TNF 阻害薬の治験が進行しており、有効性が 期待されている。 ○ 要件の判定に必要な事項 1.患者数(平成 24 年度医療受給者証保持者数) 18,636 人 2.発病の機構 不明(遺伝素因と環境因子(外因)の関連が示唆されている) 3.効果的な治療方法 未確立 4.長期の療養 必要(各種臓器合併症を有する) 5.診断基準 あり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準) 6.重症度分類 ベーチェット病の重症度基準を用いて、Ⅱ度以上を対象とする。 ○ 情報提供元 臨床調査研究分野 「ベーチェット病に関する調査研究」 研究代表者 横浜市立大学 教授 石ヶ坪良明 ○ 付属資料 診断基準(厚生労働省ベーチェット病診断基準 (2010 年小改訂)) 重症度基準
<診断基準> 厚生労働省ベーチェット病診断基準 (2010年小改訂) 完全型、不全型及び特殊病変を対象とする。 1.主要項目 (1) 主症状 ① 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍 ② 皮膚症状 (a) 結節性紅斑様皮疹 (b) 皮下の血栓性静脈炎 (c) 毛嚢炎様皮疹、痤瘡様皮疹 参考所見:皮膚の被刺激性亢進 ③眼症状 (a) 虹彩毛様体炎 (b) 網膜ぶどう膜炎(網脈絡膜炎) (c) 以下の所見があれば(a) (b) に準じる (a) (b) を経過したと思われる虹彩後癒着、 水晶体上色素沈着、 網脈絡膜萎縮、視神経萎縮、併 発白内障、続発緑内障、眼球癆 ④外陰部潰瘍 (2) 副症状 ① 変形や硬直を伴わない関節炎 ② 副睾丸炎 ③ 回盲部潰瘍で代表される消化器病変 ④ 血管病変 ⑤ 中等度以上の中枢神経病変 (3) 病型診断の基準 ① 完全型: 経過中に(1)主症状のうち4項目が出現したもの ② 不全型: (a) 経過中に(1)主症状のうち3項目、 あるいは(1)主症状のうち2項目と(2)副症状のうち2項目が出現し たもの (b) 経過中に定型的眼症状とその他の(1)主症状のうち1項目、 あるいは(2)副症状のうち2項目が出現し たもの ③ 疑い: 主症状の一部が出現するが、 不全型の条件を満たさないもの、 及び定型的な副症状が反復ある いは増悪するもの ④ 特殊病変型:完全型又は不全型の基準を満たし、下のいずれかの病変を伴う場合を特殊型と定義し、以下 のように分類する。 (a) 腸管(型)ベーチェット病―内視鏡で病変(部位を含む)を確認する。 (b) 血管(型)ベーチェット病―動脈瘤、動脈閉塞、深部静脈血栓症、肺塞栓の別を確認する。 (c) 神経(型)ベーチェット病―髄膜炎、脳幹脳炎など急激な炎症性病態を呈する急性型と体幹失調、 精神 症状が緩徐に進行する慢性進行型の別いずれかを確認する。 2.検査所見 参考となる検査所見 (必須ではない) (1) 皮膚の針反応の陰・陽性 20~22G の比較的太い注射針を用いること (2) 炎症反応 赤沈値の亢進、血清CRP の陽性化、末梢血白血球数の増加、補体価の上昇 (3) HLA-B51の陽性(約60%)、A26(約30%)。
10
(4) 病理所見 急性期の結節性紅斑様皮疹では、中隔性脂肪組織炎で、浸潤細胞は多核白血球と単核球である。 初 期に多核球が多いが、単核球の浸潤が中心で、 いわゆるリンパ球性血管炎の像をとる。 全身的血管炎 の可能性を示唆する壊死性血管炎を伴うこともあるので、その有無をみる。 (5) 神経型の診断においては、髄液検査における細胞増多、 IL-6増加、 MRIの画像所見(フレア画像での高 信号域や脳幹の萎縮像) を参考とする。 3.参考事項 (1) 主症状、副症状とも、非典型例は取り上げない。 (2) 皮膚症状の(a) (b) (c) はいずれでも多発すれば1項目でもよく、眼症状も(a) (b) どちらでもよい。 (3) 眼症状について 虹彩毛様体炎、 網膜ぶどう膜炎を経過したことが確実である虹彩後癒着、 水晶体上色素沈着、網脈絡 膜萎縮、視神経萎縮、併発白内障、続発緑内障、眼球癆は主症状として取り上げてよいが、 病変の由来 が不確実であれば参考所見とする。 (4) 副症状について 副症状には鑑別すべき対象疾患が非常に多いことに留意せねばならない (鑑別診断の項参照) 。 鑑 別診断が不十分な場合は参考所見とする。 (5) 炎症反応の全くないものは、ベーチェット病として疑わしい。また、ベーチェット病では補体価の高値を伴う ことが多いが、γグロブリンの著しい増量や、自己抗体陽性は、むしろ膠原病などを疑う。 (6) 主要鑑別対象疾患 (a) 粘膜、皮膚、眼を侵す疾患 多型滲出性紅斑、急性薬物中毒、 ライター病 (b) ベーチェット病の主症状の1つをもつ疾患 口腔粘膜症状 : 慢性再発性アフタ症、 Lipschutz陰部潰瘍 皮膚症状 : 化膿性毛嚢炎、尋常性痤瘡、結節性紅斑、遊走性血栓性静脈炎、単発性血栓性静脈炎、 スウィート病 眼症状 :サルコイドーシス、細菌性および真菌性眼内炎、急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜 炎、 HTLV-1関連ぶどう膜炎、 トキソプラズマ網膜炎、結核性ぶどう膜炎、梅毒性ぶどう 膜炎、ヘルペス性虹彩炎、糖尿病虹彩炎、HLA-B27関連ぶどう膜炎、 仮面症候群 (c) ベーチェット病の主症状および副症状とまぎらわしい疾患 口腔粘膜症状:ヘルペス口唇・口内炎(単純ヘルペスウイルス1型感染症) 外陰部潰瘍 :単純ヘルペスウイルス2 型感染症 結節性紅斑様皮疹:結節性紅斑、バザン硬結性紅斑、サルコイドーシス、スウィート病 関節炎症状 :関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などの膠原病、痛風、乾癬性関節 症 消化器症状 :急性虫垂炎、感染性腸炎、クローン病、薬剤性腸炎、腸結核 副睾丸炎 :結核 血管系症状 :高安動脈炎、 バージャー病、動脈硬化性動脈瘤 中枢神経症状:感染症・アレルギー性の髄膜・脳・脊髄炎、全身性エリテマトーデス、脳・脊髄の腫 瘍、血管障害、梅毒、多発性硬化症、精神疾患、サルコイドーシス
<重症度分類> Ⅱ度以上を医療費助成の対象とする。 ベーチェット病の重症度基準 Stage 内 容 Ⅰ 眼症状以外の主症状(口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍)のみられるも の Ⅱ Stage Ⅰの症状に眼症状として虹彩毛様体炎が加わったもの Stage Ⅰの症状に関節炎や副睾丸炎が加わったもの Ⅲ 網脈絡膜炎がみられるもの Ⅳ 失明の可能性があるか、失明に至った網脈絡膜炎およびその他の眼合併症を有するも の 活動性、ないし重度の後遺症を残す特殊病型(腸管ベーチェット病、血管ベーチェット 病、神経ベーチェット病)である Ⅴ 生命予後に危険のある特殊病型ベーチェット病である 中等度以上の知能低下を有す進行性神経ベーチェット病である Ⅵ 死亡(a. ベーチェット病の症状に基づく原因 b.合併症によるものなど、原因を記載する こと) 注 1 StageⅠ・Ⅱについては活動期(下記参照)病変が1年間以上みられなければ、固定期(寛 解)と判定するが、判定基準に合わなくなった場合には固定期からはずす。 2 失明とは、両眼の視力の和が 0.12 以下もしくは両眼の視野がそれぞれ 10 度以内のものをい う。 3 ぶどう膜炎、皮下血栓性静脈炎、結節性紅斑様皮疹、外陰部潰瘍(女性の性周期に連動した ものは除く)、関節炎症状、腸管潰瘍、進行性の中枢神経病変、進行性の血管病変、副睾丸炎 のいずれかがみられ、理学所見(眼科的診察所見を含む)あるいは検査所見(血清 CRP、血清 補体価、髄液所見、腸管内視鏡所見など)から炎症兆候が明らかなもの。 ※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項 1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いず れの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確 認可能なものに限る)。 2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、 直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。 3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続す ることが必要な者については、医療費助成の対象とする。