最終報告書
表 題:ジエチル=マレアートのラットにおける急性経口投与毒性試験 試験番号:SR11093
陳 述 書
表題 :ジエチル = マレアー トのラットにおける急性経口投与毒性試験 試験番号 :SRIIO931, 本試験はGLP基準「新規化学物質等に係る試験を実施する試験施設に関する基準について」(平
成 23 年 3 月 31 日 薬食発 0331 第 8 号 ・平成 23・03・29 製局第 6 号 ・環保企発第 110331010号 厚生労働省医薬食品局長・経済産業省製造産業局長・環境省総合環境政策局長連名通
知 )に従い、試験方法 は OECD 試験法ガイ ドライ ン (OECDGuideline for Testing of Chemicals;Acute oraI Toxicity ‐ Acute Toxic C1ass Method(423),17thDecember 2001) に 基 づ い て
実施 したものであります。
2. 本試験は、試験計画書に従って実施し、試験の信頼性に影響を及ぼしたと思われる環境要因
は認められませんで した。株式会社 化合物安全性研究所
試験責任者
-
滋
年3
月
ン
フ日
‐ 2 ‐SRIIO93 2/2
1,本試験は、「新規化学物質等に係る試験を実施する試験施設に関する基準について」 (平成 23年 3月
31 日 薬食発 0331第 8号・平成 23・03・29製局第 6 号・環保企発第 110331010号 厚生労働省医薬食品
局長・経済産業省製造産業局長・環境省総合環境政策局長連名通知)および OECD試験法ガイドライン
(OECD Guideline for Testing of Chemicals;^cuteoraIToxicity 一 AcuteToxicC1assMethod(423),17th December 2001) に従い実施 された。 2,本試験は、試験計画書に従って実施 され、また、本報告書には当該試験に使用 した方法および手順が
正確に記載されており
、試験成績には当該試験の実施過程において得られた生データが正確に反映し
ていることを確認 した。株式会社 化合物安全性研究所
QAU 責 者
責任者
」β 年
月ノン 日
目 次
頁 表紙 ··· 1 陳述書 ··· 2 信頼性保証書 ··· 3 目次 ··· 5 表題、試験番号、試験目的、試験実施基準および試験法ガイドライン、動物愛護、 試験委託者 ··· 7 試験施設、試験責任者、試験従事者およびその業務分担 ··· 8 試験期間 ··· 9 要約 ··· 10 緒言 ··· 11 材料および方法 ··· 11 成績 ··· 17 考察 ··· 18 参考文献 ··· 19 試験成績の信頼性に影響を及ぼしたと思われる環境要因 ··· 20 資料の保存 ··· 20 試験責任者の記名なつ印 ··· 20 Figure 1 Body weight of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) ··· 21Tables 1 Mortality of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) ··· 22
2 General appearance of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) ··· 23
3 Body weight changes of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) ··· 24
4 Gross findings of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) ··· 25
INDIVIDUAL DATA 1-1、1-2 General appearance ··· 26
2-1、2-2 Body weight ··· 28
SR11093
- 6 - Appendices
1-1 製品試験成績表(2011 年 7 月 27 日) ··· 32 1-2 製品試験成績表(2012 年 3 月 5 日) ··· 34 2 OECD GUIDELINE FOR TESTING OF CHEMICALS; 423; Acute Oral Toxicity
– Acute Toxic Class Method; “ANNEX 2d: TEST PROCEDURE WITH A STARTING DOSE OF 2000 MG/KG BODY WEIGHT” ··· 36
表題 :ジエチル=マレアートのラットにおける急性経口投与毒性試験 試験番号 :SR11093 試験目的 :ジエチル=マレアートを雌ラットに単回経口投与して急性毒性の情報を得ること を目的とした。 試験実施基準および試験法ガイドライン 試験実施基準(GLP) :「新規化学物質等に係る試験を実施する試験施設に関する基準につい て」(平成 23 年 3 月 31 日 薬食発 0331 第 8 号・平成 23・03・29 製局第 6 号・環保企発第 110331010 号 厚生労働省医薬食品局長・経済産業 省製造産業局長・環境省総合環境政策局長連名通知)
試験法ガイドライン :OECD 試験法ガイドライン(OECD Guideline for Testing of Chemicals; Acute Oral Toxicity - Acute Toxic Class Method(423),17th December 2001) 動物愛護 本試験は試験施設の動物実験倫理委員会の承認を得、かつ、標準操作手順書(動物実験倫理 規定)に準拠した。 参考とした法規および基準等: :「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和 48 年 10 月 1 日 法律第 105 号、最終改正 平成 18 年 6 月 2 日 法律第 50 号) 「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」(平成 18 年 4 月 28 日 環境省告示第 88 号) 「動物実験に関する指針」(昭和 62 年 5 月 22 日承認 社団法人日本実 験動物学会) 試験委託者 名称 :経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質安全室 所在地 :東京都千代田区霞が関 1-3-1(〒100-8901)
S R I I O 9 3
試験施設
名称
:株式会社 化合物安全性研究所
所在地 :札幌市清田区真栄 363番 24(〒004‐0839) 運営管理者 (2011年 9月 30 日まで)2011年 9月 30 日まで) (2011年 10月 1 日以降 )試験責任者
氏名 :所属
;株式会社 化合物安全性研究所 安全性研究部
試験従事者およびその業務分担
動 物 管 理 紹写 『 --「‐ ー t十解 きき輝 き「キー濡硬駆煽鞭 聾唖被験物質管理
▲ 「--. 三崎 亭ーー :-r ‐ キー 検疫 ・馴化 投与 ・観察 ・測定病理検査
‐ 8-試験期間 試験開始日 :2011 年 8 月 15 日 被験物質受入 :2011 年 8 月 1 日 動物受入 :2011 年 8 月 17 日、2011 年 9 月 7 日 実験開始日 :2011 年 8 月 23 日 投与 :2011 年 8 月 23 日(第 1 群)、2011 年 9 月 13 日(第 2 群)、 2011 年 9 月 16 日(第 3 群) 剖検(死亡例) :2011 年 8 月 27 および 29 日(第 1 群) 剖検(生存例) :2011 年 9 月 6 日(第 1 群)、2011 年 9 月 27 日(第 2 群)、 2011 年 9 月 30 日(第 3 群) 実験終了日 :2011 年 9 月 30 日 試験終了日 :2012 年 3 月 27 日
SR11093 - 10 -
要 約
ジエチル=マレアートを OECD 試験法ガイドライン 423 に準じて雌ラットに単回経口投与し 急性毒性の情報を得た。 被験物質は媒体(トウモロコシ油)に溶解させ、2000 mg/kg(第 1 群)および 300 mg/kg(第 2 および 3 群)の用量を 1 群につき各 3 匹の SD 系雌ラット[Crl:CD(SD)]に単回経口投与した。 投与後に一般状態を毎日観察し、体重測定を定期的に行った。また、投与後 14 日に剖検した。 本試験の結果を以下に示す。 1. 2000 mg/kg の投与後では、投与後 1 日に体重の減少あるいは増加抑制がみられ、投与 後 3 日以降に 2 例で自発運動の低下、体温低下等がみられ、その後死亡した。死亡例の 剖検では、前胃粘膜の暗赤色化あるいは暗赤色斑ならびに胸腺と脾臓の萎縮が認められ た。生存例の 1 例では、前胃粘膜の限局性肥厚が認められた。 2. 300 mg/kg の投与後では、一般状態、体重、剖検のいずれにも被験物質投与の影響は認 められなかった。 以上のことから、ジエチル=マレアートの本試験条件下における概略の致死量は、300 mg/kg と 2000 mg/kg の間の用量と推定され、GHS (Globally Harmonized Classification System) の Category 4(>300-2000 mg/kg)と結論された。緒 言
ジエチル=マレアートを OECD 試験法ガイドライン 423 に準じて雌ラットに単回経口投与し 急性毒性の情報を得た。材料および方法
1.被験物質 名称 :ジエチル=マレアート;Diethyl maleate 略号 :DEM1)別名 :マレイン酸ジエチル1),2);Maleic acid diethyl2)
(Z)-2-ブテン二酸ジエチル;(Z)-2-Butenedioic acid diethyl2)
CAS No. :141-05-9 化審法官報公示整理番号 :(2)-1107 1),2)・(2)-1142 2) 分子式 :C8H12O4 構造式 : 分子量1) :172.2 物理化学的性質1): 外観 ;液体、無色透明、弱い特異臭 融点 ;-11.5℃ 沸点 ;225℃(101.3 kPa=760 mmHg) 引火点;107℃(開放) 発火点;250℃ 蒸気圧;1.3 kPa(10 mmHg) (99.4℃) 蒸気密度;5.93(空気=1)
S R ]1 0 9 3 密度 ;1,070(20℃ ) 溶解性 ;in H20微溶 (20℃ ) BTX等有機溶剤 とは溶け合う。 ロット番号
純度
不純物の濃度
提供者
: :98.9% :1.1%( マ レイ ン酸 モ ノエ チル 、 フマ ル 酸 ジエ チ ル ) ーー - rー『 --; ピコ ↑ ; r 」=「ヨ- - --. -.-- - -・,・1
入手量
:2 kg(関連試験と共通)
同一性 ・安定性 :赤外分光法によ り同一性 を確認 (Appendix l-1)通常条件では安定 (光により変質)1)
関連試験を含めすべての試験の投与操作終了後、安定性に関する資
料 を入手 し、安定であった ことを確認 した (Appendix l-2)。 :遮光、室温 (実測範囲 20 24 ℃、受入から投与才夜調製まで)。:株式会社 化合物安全性研究所の被験物質保存室
保存条件 :遮光、室温 (実測範囲 20 24 ℃、受入から投与才夜調製まで)。保存場所
:株式会社 化合物安全性研究所の被験物質保存室
取扱い上の注意 1):適切な保護具を着用 し、静電気を発生させない。漏れ、あふれ、 サンプリング :な残余被験物質の処置
飛散 しないようにし、みだ りに蒸気を発生させない。高湿物、スパ ー ク、火炎 を避 ける。 :な し :関連試験の終了後、提供者へ返却 した。 毒性 関連情報 1): ラ ット経 口 LD50 3200 mg/kg ウサギ経皮 LD50 5 mL/kg皮膚腐食性/刺激性 長期間又は繰り返し皮膚に接触すると、発赤や
薬傷に至る場合がある。 ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、 530 mg 投与では軽度 の皮膚刺激性 あ り。 Mild irritant, 眼刺激性 ウサギ slight 2, 媒体名称
ロッ ト番号製造者
保存条件
取扱上の注意
: トウモ ロコシ油 :VIK6344 :ナカライテスク株式会社 :室温 :特にな し。 ‐ 12-3. 投与液の調製 調製方法 :被験物質を正確に秤量し、所定の濃度となるように媒体を添加後、 スターラーを用いて溶解させた。 調製頻度 :用時調製。 保存条件 :遮光気密容器に入れ、速やかに投与に用いたため、保存はしなかっ た。 調製上の注意 :被験物質はクリーンベンチ内で取扱い、調製の際には保護メガネ、 ゴム手袋およびマスクを着用し、吸い込んだり、眼、皮膚および衣 類に触れないようにした。 残余投与液の処置 :残余の投与液は、焼却処分するために、産業廃棄物として回収した。 4.試験方法 (1) 試験系 性・種・系統 :雌ラット、Crl:CD(SD) 微生物統御 :SPF 生産業者 :日本チャールス・リバー株式会社 微生物モニタリング :動物生産業者よりデータを入手した。 動物選定理由 :ラットは毒性試験等で通常用いられている動物種であり、当研究所 での使用経験が豊富であることからこの系統を選定した。 発注動物週齢 :8 週齢 発注動物数 :7 匹、追加 7 匹 出荷体重基準 :160~230 g 受入時体重 :187~204 g 投与時週齢 :9 週齢 群数 :3 群 各群動物数 :3 匹 (2) 検疫および馴化 検疫方法 :一般状態を 1 日 1 回観察し、体重を受入時、その後は 1 回/週の頻度 で、さらに群分け時に測定した。 期間 :受入日を馴化 1 日、群分けまでを検疫および馴化期間と規定して、 第 1 および 2 群は馴化 6 日までの 5 日間、第 3 群は馴化 9 日までの 8 日間。
SR11093 - 14 - 検疫および馴化期間中に、動物に異常は認められなかった。 (3) 群分け 検疫および馴化期間中に実施した一般状態観察および体重測定の結果を参考にし て、動物の使用の適否を決定した。検疫および馴化期間終了日の体重に基づいて、投 与前日に選抜した。ただし、各個体の体重が全使用動物の平均体重±20%を超えない ことを勘案しつつ動物を選抜した。選抜から外れた動物は、試験から除外し標準操作 手順書に従って取扱った。 (4) 動物およびケージの識別 動物 :油性フェルトペンで尾部に印を付け、個体識別を行った。 飼育ケージ :群分け前はラベルに試験番号および動物番号を明記し、各ケージの 前面に標示した。 群分け後はラベルに試験番号、試験群および動物番号を明記し、各 ケージの前面に標示した。 (5) 動物飼育 1) 飼育環境 飼育室番号 :307 号室、追加動物は 308 号室 温度・湿度 :22±3℃(実測範囲 307 号室 20~25℃、308 号室 20~22℃)、 50±20%(実測範囲 307 号室 38~67%、308 号室 45~63%) 換気回数 :10~15 回/時間 照明時間 :人工照明 12 時間(8:00~20:00) 2) 飼育器材および飼育方法 ケージの種類 :ブラケット式金属製金網床ケージ(260W×380D×180H,mm) 1 ケージあたりの収容動物数 :検疫および馴化期間中は 1 または 2 匹、群分け後は 1 匹とした。 ケージ交換 :群分け時に 1 回実施した。 受皿交換 :週 2 回実施した。 給餌器交換 :群分け時に 1 回実施した。 自動給水装置の水抜き :週 1 回実施した。 室内の清掃 :1 日 1 回実施した。 室内の消毒 :塩素系消毒薬およびヨウ素系消毒薬を 1 週間単位で交互に使用する 清拭消毒を 1 日 1 回実施した。 3) 飼料 種類・名称 :固型飼料、CRF-1
ロット番号 :110513 製造業者 :オリエンタル酵母工業株式会社 給餌方法 :金属製給餌器を用いて自由に摂取させた。 汚染物質および微生物検査 :試験に悪影響を及ぼす恐れのある汚染物質あるいは微生物の有無を、 使用したロットの飼料について分析した。汚染物質の分析は Eurofins Analytics 社(分析報告書:AR-11-JP-001073-01)が、微生物検査は 飼料製造業者(分析試験報告書:No. 11G03-070)がそれぞれ行った。 分析データを飼料製造業者からロット毎に入手した。分析項目と許 容値は株式会社 化合物安全性研究所の標準操作手順書に準拠し た。分析の結果、いずれの項目にも許容値を超える値は認められな かった。 4) 飲料水 種類 :札幌市水道水 給水方法 :自動給水装置を用いて自由に摂取させた。 汚染物質検査 :試験に悪影響を及ぼす恐れのある汚染物質の有無を、2011 年 7 月 1 日および 2011 年 10 月 3 日に当該飼育室と同系統配管の最末端(306 号室)から試料を採取して分析した。分析は日本衛生株式会社(水質 検査結果表:No. A231008 および A233147)が行った。分析項目と許 容値は株式会社 化合物安全性研究所の標準操作手順書に準拠し た。分析の結果、いずれの項目にも許容値を超える値は認められな かった。 (6) 被験物質の投与 1) 投与量の設定 投与量 :第 1 群;2000 mg/kg、 第 2 群;300 mg/kg、 第 3 群;300 mg/kg 設定理由 :化学物質等安全データシートのラット経口 LD50 3200 mg/kg の記載 から、本試験の開始用量を 2000 mg/kg に設定した。 第 2 および 3 群の投与量は、直前の試験成績から Appendix 2 に従っ て決定した。 試験群の構成 投与量 濃度 動物数(動物番号) 試験群 (mg/kg) (mg/mL) 雌 第 1 群 2000 200 3 (151~153) 第 2 群 300 30 3 (251~253)
SR11093 - 16 - 2) 投与 投与方法および投与経路 :一晩の絶食後、ディスポーザブル胃ゾンデおよびディスポーザブル シリンジを用いて胃内に強制経口投与した。給餌を投与後 4 時間に 再開した。 投与方法および投与経路の選定理由 :試験法ガイドラインに準拠した。 投与回数 :1 個体につき 1 回 投与時刻 :9:38~9:59 投与容量 :10 mL/kg とした。各個体の投与液量は投与日の体重に基づいて算出 した。 (7) 観察、測定および検査項目 1) 一般状態観察 例数 :全例 期間 :投与日を 0 日として起算し、投与 0 日から投与後 14 日まで。 頻度 :投与前、投与直後から投与後 1 時間まで、さらに 2 および 4 時間に 観察した。 投与後 1 日から 13 日までは毎日の午前・午後の少なくとも 1 日 2 回、 投与後 14 日は午前にのみ 1 回観察した。 観察方法 :生死、外観、行動等について観察した。異常が認められる場合は、 その症状ならびに症状の発現および消失が観察された時刻を記録し た。死亡した動物は発見後速やかに剖検した。 2) 体重測定 例数 :全例 期間・頻度 :0(投与日の投与前)、投与後 1、3、5、7、10 および 14 日に実施した。 死亡例については死亡発見時の体重を記録した。 測定方法 :電子式上皿天秤(GX-2000、株式会社エー・アンド・デイ)を用いて測 定し、1 g 単位で記録した。 体重増加量および体重増加率 :以下の式により算出した。 体重増加量(g/14d)= 投与後 14 日体重(g)-0 日体重(g) 体重増加率(%/14d)= 体重増加量(g/14d) ×100 0 日体重(g)
3) 剖検 例数 :全例 時期 :死亡例は発見後速やかに、生存例は投与後 14 日にエーテル麻酔下に て放血致死により安楽死させ、剖検した。 検査方法 :体外表を観察した後、全身の器官・組織を肉眼的に観察した。異常が 認められた当該器官・組織を 10%中性緩衝ホルマリンに固定・保存 した。 5. 統計学的方法 体重、体重増加量および増加率の成績について平均値および標準偏差を算出した。
成 績
1.死亡率 死亡状況および死亡率を Table 1 に示す。 300 mg/kg 第 2 群および第 3 群ともに投与後 14 日間に死亡例は認められなかった。 死亡率は 0/6 であった。 2000 mg/kg 第 1 群の投与後 4 日および投与後 6 日に各 1 例の死亡例が認められた。 他の 1 例は投与後 14 日間を生存した。 死亡率は 2/3 であった。 概略の致死量(LD50値)は、300 mg/kg と 2000 mg/kg の間の用量と推定された。 2.一般状態一般状態の成績を Table 2、INDIVIDUAL DATA 1-1 および 1-2 に示す。
300 mg/kg 第 2 群および第 3 群ともに投与後に毒性徴候は認められなかった。 2000 mg/kg 第 1 群では、投与後 2 日までは体重への影響(減少あるいは増加抑制) 以外には異常は認められなかった。しかし、投与後 3 日に 1 例(No. 153) で自発運動の低下と体温低下がみられ、この例は翌日(投与後 4 日)に 死亡した。また、投与後 4 日の午前に体温低下がみられた 1 例(No. 151) では、さらに自発運動の低下、呼吸緩徐、尾端部半分の暗紫色化がみ られ、投与後 6 日に死亡した。一方、他の 1 例(No. 152)では、投与後 14 日の剖検まで異常は認められなかった。
SR11093
- 18 - 3.体重
体重を Figure 1、Table 3、INDIVIDUAL DATA 2-1 および 2-2 に示す。
300 mg/kg 第 2 群および第 3 群ともに投与後 14 日間に順調な体重増加が認められ た。 2000 mg/kg 第 1 群の全例で投与後 1 日に体重減少(2 または 8 g)あるいは体重増加 抑制(1 g の増加)がみられ、うち 2 例ではその後も引続き体重が減少 し投与後 4 あるいは 6 日に死亡した。一方、生存した 1 例では投与後 3 日以降には体重増加が認められた。 4.剖検
剖検所見を Table 4、INDIVIDUAL DATA 3-1 および 3-2 に示す。
300 mg/kg 第 2 群および第 3 群ともに異常所見は全例で認められなかった。 2000 mg/kg 第 1 群の死亡例 2 例では、胸腺と脾臓の萎縮、前胃粘膜の暗赤色化あ るいは暗赤色斑が認められ、1 例には副腎の肥大(両側性)も認められ た。 生存例の 1 例では、前胃粘膜の限局性肥厚が認められた。
考 察
ジエチル=マレアートを OECD 試験法ガイドライン 423 に準じて雌ラットに単回経口投与し 急性毒性の情報を得た。 2000 mg/kg を投与した例では、投与後 1 日に体重の減少あるいは増加抑制がみられ、投与 後 3 日以降に 2 例で自発運動の低下、体温低下等がみられ、その後死亡した。死亡例の剖検 では、前胃粘膜の暗赤色化あるいは暗赤色斑ならびに胸腺と脾臓の萎縮が認められた。 前胃の変化については、長期間又は繰り返し皮膚に接触すると、発赤や薬傷に至る場合が あり、皮膚腐食性/刺激性として Mild irritant である旨の毒性情報1)があることから、この 刺激性に関連した変化と推察された。 300 mg/kg を投与した例では、一般状態、体重、剖検のいずれにも被験物質投与の影響は認 められなかった。 以上のことから、ジエチル=マレアートの本試験条件下における概略の致死量は、300 mg/kg と 2000 mg/kg の間の用量と推定され、GHS (Globally Harmonized Classification System)の Category 4(〉300‐2000 mg/kg) と結 論 され た 。
参考文献
1) 化学物質等安全デー タシー ト, (2010)
S R I I O 9 3
試険成績の信頼性に影響を及ぼしたと思われる環境要因
試験成績の信頼性に影響を及ぼしたと思われる環境要因はなかった。
資料の保存
下記の資料を試験終了後 10年間、株式会社 化合物安全性研究所の資料保存室に保存する。
その後の保存については試験委託者 との協議により決定する。1,
試験計画書および試験計画書変更書
2. 生データその他の記録文書 3, 最終報告書 4, 標本 :固定器官 ・組織試験責任者の記名なつ印
試
験
責
任
者:■
馴 猛り
‐ 20 ‐300 200 300 Body weight (g) 300 mg/kg 2000 mg/kg 0 100 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 300 mg/kg 2000 mg/kg Figure 1
Days after the administration Body weight of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093)
Table 1 Mortality of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) Number of Mortality Group animals 0 0.5 1 2 4 1 - 3 4 5 6 7 - 14 300 mg/kg 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 / 6 2000 mg/kg 3 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 2 / 3 Hour 0 : Pre-administration.
Mortality : Number of dead animals / number of animals dosed.
Hours after the administration Days after the administration Number of dead animals
-Group Findings 0 0.5 1 2 4 1, 2 3 4 5 6 7 - 14
300 mg/kg Number of animals examined 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6
No abnormal findings 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6
2000 mg/kg Number of animals examined 3 3 3 3 3 3 3 3 2 2 1
No abnormal findings 3 3 3 3 3 3 2 2 1 1 1
Bradypnea 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
Dark purple discoloration of tail tip 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 Decrease in locomotor activity 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 0
Hypothermia 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0
Dead 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0
Hours after the administration Days after the administration
Hour 0 : Pre-administration.
Table 3 Body weight changes of female rats in an acute oral toxicity test of Diethyl maleate (SR11093) Group 0 1 3 5 7 10 14 g % 300 mg/kg N 6 6 6 6 6 6 6 6 6 MEAN 208.2 224.5 233.5 237.7 243.8 248.2 255.2 47.0 22.562 S.D. 1.3 5.6 6.1 8.3 8.8 11.5 11.9 11.2 5.252 2000 mg/kg N 3 3 3 2 1 1 1 1 1 MEAN 204.0 201.0 184.7 200.0 264.0 292.0 294.0 89.0 43.410 S.D. 1.0 5.3 35.0 66.5 - - - - - - : Blank.
Days after the administration Day 0-14 Body weight gain Body weight (g)
Day 0 : Pre-administration.
Findings Dose 300 mg/kg 2000 mg/kg
Number of animals examined 6 3
0 2
- 0
Organ : Findings
Adrenal : Hypertrophy, bilateral - 1 Forestomach : Dark red discoloration, mucosa - 1
Dark red patch, mucosa - 1
Spleen : Atrophy - 2
Thymus : Atrophy - 2
Number of surviving animals 6 1
No abnormal findings 6 0
Organ : Findings
Forestomach : Thickening, mucosa, focal 0 1
Values are number of animals with findings. - : Blank.
Diethyl maleate
No abnormal findings Number of dead animals
INDIVIDUAL DATA 1-1
STUDY NO. SR11093 TITLE: Diethyl maleate Acute toxicity (p.o.)
General appearance ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 2000 mg/kg Animal Group No. 14 0 0.5 1 2 4 A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A 1st group 151 N N N N N N N N N N N Ho Dl, Ho Bd, Dl Bd, Dl, Dp D # # # # # # # # # # # # # # # # 152 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 153 N N N N N N N N N Dl, Ho Dl, Ho D # # # # # # # # # # # # # # # # # # # # Hour 0 : Pre-administration. N : No abnormal findings. Bd : Bradypnea.
Dl : Decrease in locomotor activity.
Dp : Dark purple discoloration of tail tip (size: 1/2). Ho : Hypothermia.
D : Dead. # : Blank.
Days after the administration
Hours after the administration 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
A : AM P : PM
-
26
-General appearance ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 300 mg/kg Animal Group No. 14 0 0.5 1 2 4 A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A P A 2nd group 251 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 252 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 253 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 3rd group 351 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 352 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 353 N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N Hour 0 : Pre-administration. N : No abnormal findings.
Days after the administration
Hours after the administration 1 2 3 4 5 12 13
A : AM P : PM 6 7 8 9 10 11 - 27
-INDIVIDUAL DATA 2-1
STUDY NO. SR11093 TITLE: Diethyl maleate Acute toxicity (p.o.)
Body weight ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 2000 mg/kg
Animal Other description
Group No. 0 1 3 5 7 10 14 g % Body weight, dead or euthanized
1st group 151 204 205 162 153 # # # # # 150 g, dead on 6 days after the administration
152 205 203 225 247 264 292 294 89 43.41
153 203 195 167 # # # # # # 166 g, dead on 4 days after the administration
N 3 3 3 2 1 1 1 1 1
MEAN 204.0 201.0 184.7 200.0 264.0 292.0 294.0 89.0 43.410
S.D. 1.0 5.3 35.0 66.5 # # # # #
Day 0 : Pre-administration. # : Blank.
Body weight gain
Days after the administration Day 0-14
Body weight (g)
-
28
-Body weight ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 300 mg/kg Animal Group No. 0 1 3 5 7 10 14 g % 2nd group 251 209 221 231 230 244 241 247 38 18.18 252 208 219 235 235 249 251 261 53 25.48 253 210 235 245 253 258 269 277 67 31.90 N 3 3 3 3 3 3 3 3 3 MEAN 209.0 225.0 237.0 239.3 250.3 253.7 261.7 52.7 25.187 S.D. 1.0 8.7 7.2 12.1 7.1 14.2 15.0 14.5 6.865 3rd group 351 206 225 230 239 236 237 249 43 20.87 352 208 223 228 231 234 242 247 39 18.75 353 208 224 232 238 242 249 250 42 20.19 N 3 3 3 3 3 3 3 3 3 MEAN 207.3 224.0 230.0 236.0 237.3 242.7 248.7 41.3 19.937 S.D. 1.2 1.0 2.0 4.4 4.2 6.0 1.5 2.1 1.082 2nd group +3rd group N 6 6 6 6 6 6 6 6 6 MEAN 208.2 224.5 233.5 237.7 243.8 248.2 255.2 47.0 22.562 S.D. 1.3 5.6 6.1 8.3 8.8 11.5 11.9 11.2 5.252 Day 0 : Pre-administration.
Body weight gain
Days after the administration Day 0-14
Body weight (g)
-
29
-INDIVIDUAL DATA 3-1
STUDY NO. SR11093 TITLE: Diethyl maleate Acute toxicity (p.o.)
Gross findings ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 2000 mg/kg
Group Animal No. Findings Dead or Euthanized, Day of autopsy after the administration
1st group 151 Forestomach : Dark red patch, mucosa (7 x 7, mm) Dead, 6
Spleen : Atrophy Thymus : Atrophy
152 Forestomach : Thickening, mucosa, focal Euthanized, 14
153 Adrenal (right and left) : Hypertrophy Dead, 4
Forestomach : Dark red discoloration, mucosa Spleen : Atrophy
Thymus : Atrophy
-
30
-Gross findings ANIMAL : Rat, Crl:CD(SD) SEX : Female GROUP : 300 mg/kg
Group Animal No. Dead or Euthanized, Day of autopsy after the administration
2nd group 251 No abnormal findings Euthanized, 14
252 No abnormal findings Euthanized, 14
253 No abnormal findings Euthanized, 14
3rd group 351 No abnormal findings Euthanized, 14
352 No abnormal findings Euthanized, 14
353 No abnormal findings Euthanized, 14
-
31
-Appcndix l-1(1/2) SR I I0 9 3
製 品謎 睦成績表
2011
年 7 月 27 日
品 名
DEM
′
避ド島捨L一輪 ネ
ロ ッ ト 番
号
分
析
項
目
規格値
分析値
色相 川)HA
50 以下
10
酸価 (KOHmg/g) 0.30 以下 0.01 比 重 (20℃ /20℃ ) 1.063 1.073 1.071 屈折率 (25℃ ) 1.435 1.441 1.438 エステル 価 (KOHmg/g)635 653 647 分 析 日 2011 年 3月 18 日 ‐ 32 ‐1-1 (2/2) SR11093 - 33
-AI)pendix l-2(1/2) S R I I O 9 3
2 012
年 3 月 5 日
御半
品 名
DEM
塵轟きき
すぎr
濠
義
三′
ロ ッ ト 番 号
色相 Apr漁
酸価 (KOHmg/g)
比重 (20
‘℃/20℃)
屈折率 (25
℃)
エステル価 (KOHmg/g)
規格値
50 以下
0.30 以 下 1.063 1.435 ハ〕 635 1.073 1.441 653 ‐分析値
1‐438
分
析
日
2012 年 2月 28 日
‐ 34 ‐1-2 (2/2) SR11093 - 35
-OECD/OCDE
423
13/14
ANNEX 2d: TEST PR O C EDURE W ITH A STARTIN G DO SE OF 2000 M G /K G BO DY W EIGH T
5m g/kg 3 anim als 5m g/kg 3 anim als 5m g/kg 3 anim als 50m g/kg 3 anim als 5 25 30 50 200 300 500 1000 2000 2500 5000 ∞ 2-3 0-1 2-3 0-1 2-3 50m g/kg 3 anim als 50m g/kg
3 anim als 300m g/kg3 anim als
300m g/kg
3 anim als 2000m g/kg3 anim als
2000m g/kg 3 anim als 300m g/kg 3 anim als 2000m g/kg 3 anim als C atego ry 1
C ategory 2 Category 3 C atego ry 4 C ategory 5 C atego ry 5 or U nclassified > 0-5 >5 - 50 > 50 - 300 >300 - 2000 > 2000 - 5000 Start 0-1 2-3 0-1 2-3 0-1 2-3 0-1 2-3 0-1 2-3 0-1 LD 50 cut -off m g/kg b.w. G HS 3(at 50) at 1st step other 3(at 300) at 1st step 3 (at 2000) at 1st step 2 (at 2000) at 1st step 1 0 other 0 0 -∞ : unclassified
- Testing at 5000 m g/kg b.w .: see A nnex 3 - per step three anim als of a single sex ( norm ally fem ales ) are used
- 0,1,2,3: N um ber of m oribund or dead anim als at each step - G H S: G lobally H arm onized C lassification S ystem (m g/kg b.w .)
other Appendix 2 SR11093 - 36