日本標準商品分類番号
87424
【警告】
好中球減少症、発熱性好中球減少症、貧血等の重篤な骨髄抑制があらわれ、その結果重症感染症等により
死亡に至る例が報告されている。本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に
十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
また、下記の患者には投与しない等、適応患者の選択を慎重に行うこと。
・重篤な骨髄抑制のある患者
・感染症を合併している患者
・発熱を有し、感染症の疑われる患者
・肝機能障害を有する患者
治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となることがある。]
2. 感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]
3. 発熱を有し、感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]
4. 肝機能障害を有する患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。肝機能障害を有する患者に本剤
を投与した場合、好中球減少症、敗血症等による死亡例を含む重篤な副作用の発現や副作用の増悪が
認められている。
【臨床成績】の項参照]
5. 本剤又はポリソルベート80含有製剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者[本剤はポリソルベート80
を含有する。]
点滴静注
60mg
カバジタキセル アセトン付加物製剤
毒薬 処方箋医薬品(注意 ̶ 医師等の処方箋により使用すること)
抗悪性腫瘍剤
薬価基準収載
ジェブタナ
®
とは
ジェブタナ
®
の製品情報
■
ジェブタナ
®点滴静注60mg(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)は、
ヨーロッパイチイの針状葉から抽出した10-デアセチルバッカチンⅢから半合
成されたタキサン系抗悪性腫瘍剤です。
■
ジェブタナ
®は、有効な治療法が存在しないドセタキセル治療後の前立腺癌
患者に対して生存期間の延長を示した数少ない薬剤であり、NCCN
※1及び
EAU
※2などのガイドラインにおいて、ドセタキセルを含む前治療歴のある去
勢抵抗性前立腺癌に用いることが推奨されています。
■
ジェブタナ
®は、80を超える国と地域で承認されています。
(2014年9月現在)
※1NCCN:National Comprehensive Cancer Network ※2EAU:European Association of Urology
■
効能又は効果
前立腺癌
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
(1) 本剤は外科的又は内科的去勢術を行い、進行又は再発が確認された患者を対象とすること。
(2) 本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。
(3)
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行
うこと。
■
用法及び用量
プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタキセルとして25mg/m
(体表面
2積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
(1) プレドニゾロンの投与に際しては、
【臨床成績】の項の内容を熟知し、投与すること。
(2) 本剤の投与時には、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、最終濃度が0.10~
0.26mg/mLとなるよう必要量を注射筒で抜き取り、直ちに生理食塩液又は5%ブドウ糖液と混和し、
1時間かけて点滴静注すること[「8.適用上の注意」の項及び「調製方法」参照]。
(3) 本剤投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本剤投与の30分前までに、抗ヒスタ
ミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H
2受容体拮抗剤等の前投与を行うこと。
(4) 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
(5) 減量・休薬・中止基準
本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を減量又は休薬すること。減量
後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。
本剤の減量・休薬・中止基準
副作用 (GradeはNCI-CTCAEによる) 処置 適切な治療にも関わらず持続するGrade 3以上の好中球減少症(1週間以 上) (「2.重要な基本的注意」の項(1)参照) 好中球数が1,500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/m2に 減量して投与を再開する。 発熱性好中球減少症又は好中球減少性感染 症状が回復又は改善し、好中球数が1,500/mm後、用量を20mg/m2に減量して投与を再開する。3を超えるまで休薬し、その Grade 3以上の下痢、又は水分・電解質補給等の適切な治療にも関わら ず持続する下痢 症状が回復又は改善するまで休薬し、その後、用量を20mg/m 2に減量して 投与を再開する。 Grade 3以上の末梢性ニューロパチー 投与を中止する。 Grade 2の末梢性ニューロパチー 用量を20mg/m2に減量する。ヒト前立腺癌由来DU-145細胞株を移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用が認められ
ました。
社内資料:ヒト前立腺癌由来細胞株移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果 Vrignaud P et al:Clin Cancer Res 19(11):2973-2983, 2013
ドセタキセル抵抗性の細胞
※1及びその細胞を移植したマウス
※2において抗腫瘍効果が認め
られました。
社内資料:効力を裏付ける試験(in vitro効果) 社内資料:ドセタキセル耐性腫瘍細胞株移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果 ※1:P388/TXT、Calc18/TXT ※2:UISO-BCA-1、HCT-8、GXF-209細胞を移植したマウスドセタキセルによる化学療法歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第Ⅰ相
臨床試験において、腫瘍縮小効果は16.7%(12例中2例)、PSA奏効率
※は29.3%(41例中12例)
でした。
(7~8頁)
※:PSA値がベースラインから50%以上低下した患者の割合ドセタキセルによる化学療法歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者
※を対象とした海外第Ⅲ
相国際共同臨床試験において、ジェブタナの全生存期間中央値は15.1ヵ月でした。
(3~6頁)
※:外科的又は内科的去勢を受け、ドセタキセルを含む化学療法を行った後の病勢進行(下記の測定可能又は測定不能病変)があった患者 ・測定可能病変を有する患者 RECISTに基づき、臓器内又は軟部組織の転移病変(新しい病変を含む)が1個以上認められたことによって病勢の増悪が確認されている患者 ・測定不能病変を有する患者 PSA値の上昇が確認されている患者又は新病変が出現している患者(PSA値の上昇は、参照値〔1回目の測定〕から少なくとも2回連続して上昇が認められた 場合と規定する。なお、PSAの測定間隔は1週間以上であること。)〈副作用〉
国内第Ⅰ相臨床試験でジェブタナ25mg/m
2を投与された44例中、44例(100%)に副作用が認めら
れました。主な副作用は好中球減少症44例(100%)、発熱性好中球減少症24例(54.5%)、疲労24例
(54.5%)、悪心21例(47.7%)、下痢20例(45.5%)、食欲減退16例(36.4%)、貧血13例(29.5%)、味覚
異常12例(27.3%)等でした。このうちGrade 3以上の主な副作用は、好中球減少症44例(100%)、発熱
性好中球減少症24例(54.5%)、貧血11例(25.0%)等でした。
海外第Ⅲ相臨床試験におけるジェブタナ投与群の安全性評価対象371例中、313例(84.4%)に副作用
が認められました。主な副作用は、下痢135例(36.4%)、疲労110例(29.6%)、悪心106例(28.6%)、
好中球減少症81例(21.8%)、嘔吐57例(15.4%)、無力症57例(15.4%)、食欲減退46例(12.4%)、味覚
異常38例(10.2%)等でした。このうちGrade 3以上の主な副作用は好中球減少症79例(21.3%)、
発熱性好中球減少症28例(7.5%)、下痢19例(5.1%)、白血球減少症14例(3.8%)、疲労14例(3.8%)
等でした。
(承認時)
〈臨床検査値異常〉
国内第Ⅰ相臨床試験及び海外第Ⅲ相臨床試験で認められた主な血液学的検査値異常
注)を以下に示す。
なお、重大な副作用として、骨髄抑制、腎不全、消化管出血、消化管穿孔、イレウス、重篤な腸炎、重篤な
下痢、感染症、不整脈、心不全、アナフィラキシーショック、末梢神経障害、肝不全、肝機能障害、播種性
血管内凝固症候群(DIC)、急性膵炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、心タンポナーデ、
浮腫、体液貯留、心筋梗塞、静脈血栓塞栓症、間質性肺疾患が報告されています。また、類薬による重大
な副作用として、ドセタキセルを投与された患者で、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、重篤
な口内炎等の粘膜炎、血管炎が報告されています。
特 徴
1
2
3
4
5
全Grade Grade 3以上 好中球減少 貧血 白血球減少 リンパ球減少 血小板減少 44/44(100%) 44/44(100%) 44/44(100%) 39/44(88.6%) 32/44(72.7%) 44/44(100%) 21/44(47.7%) 42/44(95.5%) 23/44(52.3%) 3/44(6.8%) 注) 本剤との因果関係の有無は問わない臨床検査値の異常。母数は本剤投与後の臨床検査データが得られた被験者数に基づく。国内第Ⅰ相臨床試験
全Grade Grade 3以上 好中球減少 貧血 白血球減少 リンパ球減少 血小板減少 347/369(94.0%) 361/369(97.8%) 355/369(96.2%) 325/367(88.6%) 176/369(47.7%) 303/369(82.1%) 39/369(10.6%) 253/369(68.6%) 125/367(34.1%) 15/369(4.1%)海外第Ⅲ相臨床試験
ドセタキセル治療歴のあるホルモン不応性転移性前立腺癌患者
*1755例
(有効性評価対象集団755例、安全性評価対象集団742例)
*1:外科的又は内科的去勢を受け、ドセタキセルを含む化学療法を行った後の病勢進行(下記の測定可能又は測定不能病変)があった患者 ・測定可能病変を有する患者 RECISTに基づき、臓器内又は軟部組織の転移病変(新しい病変を含む)が1個以上認められたことによって病勢の増悪が確認されている患者 ・測定不能病変を有する患者 PSA値の上昇が確認されている患者又は新病変が出現している患者(PSA値の上昇は、参照値〔1回目の測定〕から少なくとも2回連続して上昇が 認められた場合と規定する。なお、PSAの測定間隔は1週間以上であること。)除外規定:総ビリルビンが各施設基準値上限以上の患者、ALT/ASTが各施設基準値上限の1.5倍以上の患者
多施設共同、非盲検、無作為化試験
病勢の増悪、死亡、許容できない毒性がみられるまで、あるいは最大10サイクル(3週間/サイクル、30週間)投与し、有効性及び安全性等
を評価した。
<ジェブタナ投与群>
ジェブタナ25mg/m
(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注し、プレドニゾン又はプレドニゾロン10mgを連日経口投与にて
2併用した
*2。
<ミトキサントロン投与群>
ミトキサントロン12mg/m
(体表面積)を15~30分かけて3週間間隔で点滴静注し、プレドニゾン又はプレドニゾロン10mgを連日経口投
2与にて併用した
*3。
*2:ジェブタナ投与群の投与サイクル数の中央値は6サイクルであった。 *3:ミトキサントロン投与群の投与サイクル数の中央値は4サイクルであった。<主要評価項目>有効性:全生存期間
<副次評価項目>有効性(無増悪生存期間、腫瘍無増悪期間、PSA無増悪期間、疼痛無増悪期間、腫瘍縮小効果奏効率、PSA奏効率、疼痛
奏効率)、安全性(有害事象、バイタルサイン等)、薬物動態
【試験デザイン】
本邦で承認されているミトキサントロン塩酸塩の効能・効果、並びに用法・用量 急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む) 通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~5mg/m(本剤1~2.5mL/m2 2)を5日間連日、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。 悪性リンパ腫、乳癌 通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~4mg/m(本剤1~2mL/m2 2)を5日間連日あるいは1回8~14mg/m(本剤4~7mL/m2 2)を、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。 肝細胞癌 通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回6~12mg/m(本剤3~6mL/m2 2)を、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。 なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。 本剤の【用法及び用量】 プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタキセルとして25mg/m(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。2 本剤の<用法及び用量に関連する使用上の注意>(抜粋) (3)本剤投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本剤投与の30分前までに、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤等の前投与を行うこと。26ヵ国146施設
(北米、欧州、インド、ラテンアメリカ、アジア、南アフリカ)
*1:国内未承認。プレドニゾンを利用できない場合にはプレドニゾロンを使用 *2:前立腺癌の適応は国内未承認層別化因子
ECOG PS(0,1)vs.
(2)
測定可能 vs. 測定不能病変
n=378
n=377
対象
ホルモン治療歴があり、ドセタキセルを含む
化学療法中又は化学療法後に進行した
ホルモン不応性転移性前立腺癌患者
(n=755)
ジェブタナ25mg/m
2の3 週間間隔
+ 経口プレドニゾン *
110mg の連日投与
最高10 サイクル
ミトキサントロン *
212mg/m
2の3 週間間隔
+ 経口プレドニゾン *
110mg の連日投与
最高10 サイクル
前投薬として以下の薬剤をジェブタナ投与30分以上前に投与 ・抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド(デキサメタゾン8mgまたは同等薬) ・H2受容体拮抗剤(シメチジンを除く) ・制吐薬の予防的投与は医師の判断にて投与 試験への曝露と評価スケジュールが同等になるようにしつつ、ミトキサントロン誘発性の心毒性のリスクを最小限化するため、治療は最高10 サイクル 継続とした。ジェブタナ投与群は
全生存期間を有意に改善しました
対 象 方 法 評価項目海外第Ⅲ相国際共同臨床試験〔EFC6193試験〕
(海外データ)
症例数 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) (月) 0 6 12 18 24 30
追跡期間
全
生
存
率
ジェブタナ投与群 ミトキサントロン投与群 378 377 321 300 231 188 90 67 28 11 4 1「警告・禁忌を含む使用上の注意」等はドラッグインフォメーション頁をご参照ください。
本剤は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の評価
に基づき承認の申請を行い、承認されました。承認時に評価されたデータを掲載して
いますが、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。また国内第Ⅰ相臨床試
験は、一部改変して承認の範囲内の症例のみ紹介しています。
【患者背景(ITT集団)】
ジェブタナ投与群 (378例) ミトキサントロン投与群(377例) 年齢:中央値(範囲) 68.0(46~92)歳 67.0(47~89)歳 PSA値:症例数 中央値(範囲) 143.9(2~7,842)ng/mL371例 127.5(2~11,220)ng/mL370例 ECOGPS 0又は1 350例(92.6%) 344例(91.2%) 0 141例(37.3%) 120例(31.8%) 1 209例(55.3%) 224例(59.4%) 2 28例(7.4%) 33例(8.8%) 腫瘍病変部位数 1 146例(38.6%) 134例(35.5%) 2 112例(29.6%) 117例(31.0%) 3 73例(19.3%) 78例(20.7%) 4以上 44例(11.6%) 43例(11.4%) 不明 3例(0.8%) 5例(1.3%) 腫瘍病変部位* 骨 303例(80.2%) 328例(87.0%) 遠隔リンパ節 133例(35.2%) 130例(34.5%) 所属リンパ節 73例(19.3%) 83例(22.0%) 肺 58例(15.3%) 50例(13.3%) 肝 41例(10.8%) 41例(10.9%) 骨盤 28例(7.4%) 32例(8.5%) 前立腺 26例(6.9%) 27例(7.2%) 腹部 24例(6.3%) 17例(4.5%) 縦隔 20例(5.3%) 16例(4.2%) 前治療 生物学的製剤 26例(6.9%) 36例(9.5%) ホルモン療法 375例(99.2%) 375例(99.5%) 手術療法 198例(52.4%) 205例(54.4%) 放射線療法(根治目的) 98例(25.9%) 112例(29.7%) 放射線療法(緩和目的) 134例(35.4%) 110例(29.2%) 化学療法 1レジメン 260例(68.8%) 268例(71.1%) 2レジメン 94例(24.9%) 79例(21.0%) 3レジメン以上 24例(6.3%) 30例(8.0%) ドセタキセル投与量: 中央値(範囲) 576.6(22~3,089)mg/m2 529.2(0~2,999)mg/m2 ドセタキセル最終投与 から無作為割り付け までの期間:中央値 4.1ヵ月 3.7ヵ月 6ヵ月以内 234例(61.9%) 270例(71.6%) 6ヵ月超 143例(37.8%) 107例(28.4%) 不明 1例(0.3%) 0例ECOG:米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group) PS:全身状態の指標(Performance Status) *:いずれかの群で5%以上の部位を示す。 ジェブタナ投与群 (378例) ミトキサントロン投与群(377例) de Bono JS et al:Lancet 376(9747):1147-1154,2010(承認時評価資料)
ジェブタナ投与群
(n=378)
ミトキサントロン投与群
(n=377)
OS 中央値 15.1ヵ月 12.7ヵ月 ハザード比 0.70[95% 信頼区間:0.59–0.83]p<0.0001(log-rank 検定)全生存期間(追跡期間中央値12.8ヵ月時点)
(ITT集団)
:主要評価項目(検証的解析結果)
ジェブタナ投与群
ミトキサントロン投与群
ジェブタナ投与群の
全生存期間(OS)中央値は15.1ヵ月でした
全生存期間のサブグループ解析
mCRPC の治療変更前に12 週間の投与を行うことを推奨する新しいガイドラインに基づいて、患者 59 例の登録後に治験プロトコルを改訂し、これま でのドセタキセルの累積投与量が 225mg/m2未満の患者を除外した。因子
患者数
HR[95% CI]
ランダム化した全患者
755
0.70 [0.59–0.83]
ECOG status : 0,1
694 0.68[0.57–0.82]ECOG status : 2
61 0.81[0.48–1.38]測定可能病変 : なし
350 0.72[0.55–0.93]測定可能病変 : あり
405 0.68[0.54–0.85]化学療法治療歴 : 1
528 0.67[0.55–0.83]化学療法治療歴 : ≧2
227 0.75[0.55–1.02]年齢 : 65 歳未満
295 0.81[0.61–1.08]年齢 : 65 歳以上
460 0.62[0.50–0.78]ベースライン時の疼痛 : なし
314 0.57[0.43–0.77]ベースライン時の疼痛 : あり
310 0.76[0.59–0.98]ベースライン時のPSA上昇 : なし
159 0.88[0.61–1.26]ベースライン時のPSA上昇 : あり
583 0.65[0.53–0.80]ドセタキセル総投与量 : 225 mg/m
2未満
59 0.96[0.49–1.86]ドセタキセル総投与量 : 225 〜 450 mg/m
2 206 0.60[0.43–0.84]ドセタキセル総投与量 : 450 〜 675 mg/m
2 217 0.83[0.60–1.16]ドセタキセル総投与量 : 675 〜 900 mg/m
2 131 0.73[0.48–1.10]ドセタキセル総投与量 : 900 mg/m
2以上
134 0.51[0.33–0.79]ドセタキセル治療中の進行
219 0.65[0.47–0.90]ドセタキセル治療後3ヵ月未満での進行
339 0.70[0.55–0.91]ドセタキセル治療後3ヵ月以降での進行
192 0.75[0.51–1.11]COX比例ハザードモデル
0.25 0.25 0.50 0.50 1 1 2 2解析計画:有害事象、バイタルサイン、心電図、左室駆出率及び臨床検査データは安全性解析対象集団を対象に記述的解析
を行った。安全性解析対象集団は、少なくとも治験薬の1回用量の一部を投与した全被験者とした。重篤な有害事象は、被験者
から文書による同意を得た時点から治験薬の最終サイクル投与30日後までの期間に収集した。有害事象及び投与後に発現
した有害事象を要約した。
海外第Ⅲ相国際共同臨床試験における副作用は、ジェブタナ投与群371例中313例(84.4%)、ミトキサントロン投与群371
例中239例(64.4%)に認められました。主な副作用は、ジェブタナ投与群では下痢135例(36.4%)、疲労110例(29.6%)、
悪心106例(28.6%)、好中球減少症81例(21.8%)、嘔吐57例(15.4%)、無力症57例(15.4%)、食欲減退46例(12.4%)、
味覚異常38例(10.2%)、ミトキサントロン投与群では疲労75例(20.2%)、悪心69例(18.6%)、好中球減少症38例
(10.2%)、無力症37例(10.0%)、食欲減退32例(8.6%)、下痢26例(7.0%)、便秘25例(6.7%)、嘔吐22例(5.9%)等でした。
このうちGrade3以上の主な副作用は、ジェブタナ投与群では好中球減少症79例(21.3%)、発熱性好中球減少症28例
(7.5%)、下痢19例(5.1%)、白血球減少症14例(3.8%)、疲労14例(3.8%)、ミトキサントロン投与群では好中球減少症25例
(6.7%)、無力症6例(1.6%)、発熱性好中球減少症5例(1.3%)、白血球減少症5例(1.3%)、貧血3例(0.8%)等でした。
疾患進行以外の有害事象を原因とする死亡例は、ジェブタナ投与群で371例中18例(4.9%)、ミトキサントロン投与群で371例
中7例(1.9%)に認められました。重篤な有害事象は、ジェブタナ投与群で371例中145例(39.1%)、ミトキサントロン投与群で
371例中77例(20.8%)に認められ、ジェブタナ投与群では主に発熱性好中球減少症(6.7%)、好中球減少症(4.9%)、血尿
(2.7%)、下痢(2.4%)、ミトキサントロン投与群では主に疾患進行(3.0%)でした。投与中止に至った有害事象は、ジェブタナ
投与群で371例中68例(18.3%)、ミトキサントロン投与群で371例中31例(8.4%)に認められました。
ジェブタナに優位 ミトキサントロンに優位海外第Ⅲ相国際共同臨床試験〔EFC6193試験〕
(海外データ)
安 全 性PSA奏効率
*1:副次評価項目
投与群
測定可能病変を有する症例数
[95%信頼区間]
奏効率(%)
p 値
*2ジェブタナ投与群
201 14.4[9.6~19.3] p = 0.0005ミトキサントロン投与群
204 4.4[1.6~7.2]投与群
≧20ng/mLの症例数
治療前PSA値
[95%信頼区間]
奏効率(%)
p 値
*2ジェブタナ投与群
329 39.2[33.9~44.5] p = 0.0002ミトキサントロン投与群
325 17.8[13.7~22.0] *1: RECIST ver.1.0に従い、治験責任医師がCR及びPRを評価し、奏効が最初に確認されてから4週間以上後に画像検査にて再確認された症例の割合 *2:χ2検定 *1:PSA値の50%以上低下が3週間以上持続した症例(PSA有効例)の割合 *2:χ2検定ジェブタナ投与群
ミトキサントロン投与群
(%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100腫瘍縮小効果奏効率
14.4%
4.4%
p=0.0005 (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100PSA奏効率
39.2%
17.8%
p=0.0002ジェブタナ投与群
ミトキサントロン投与群
de Bono JS et al:Lancet 376(9747):1147-1154,2010(承認時評価資料)ジェブタナ投与群の腫瘍縮小効果奏効率は14.4%、
PSA奏効率は39.2%でした
腫瘍縮小効果奏効率
*1:副次評価項目
ジェブタナ投与群の測定可能病変を有する201例における
腫瘍縮小効果奏効率は、14.4%でした
ジェブタナ投与群の治療前のPSA値が20ng/mL以上である329例における
PSA奏効率は、39.2%でした
ドセタキセル治療歴のあるホルモン不応性転移性前立腺癌患者48例
(有効性評価対象集団41例、安全性評価対象集団48例)
多施設共同、非盲検、非無作為化試験
ジェブタナ20又は25mg/m
(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注し
2 *1、*2、プレドニゾロン1日10mg(5mgを2回又は10mg
を1回)を連日経口投与にて併用して、忍容性、安全性及び有効性を検討した。
*1:ジェブタナ投与30分以上前に前投薬として以下の薬剤を点滴静注した。 抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg、ジフェンヒドラミン25mg又は他の抗ヒスタミン剤)、副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン8mg 又は同等の副腎皮質ホルモン剤)、H2受容体拮抗剤(シメチジンを除く、ラニチジン塩酸塩や他のH2受容体拮抗剤) *2:25mg/m2群の投与サイクル数の中央値は7.5サイクルであった。<主要評価項目>安全性(サイクル1投与時のDLT〔用量制限毒性〕)
<副次評価項目>その他の安全性(身体所見、臨床検査、有害事象)、薬物動態、有効性(腫瘍縮小効果奏効率、PSA奏効率、PSA無増悪期間)
安全性解析については用量制限毒性を用量レベルごとに要約した。投与後に発現した有害事象は、頻度、発現率、強度/重症度について
用量レベルごとに要約した。全ての有害事象をMedDRAによってコード化した。治験薬との因果関係にかかわらず、重篤な有害事象及び
死亡を一覧表に示した。
25mg/m
2投与 44例(用量漸増コホート3例、追加コホート41例)
全Grade
Grade 3以上
■好中球減少症44例(100%)
■発熱性好中球減少症及び疲労 各24例(54.5%)
■悪心21例(47.7%)
■下痢20 例(45.5%)
■食欲減退16例(36.4%)、貧血13例(29.5%)
■味覚異常12例(27.3%)
■好中球減少症44例(100%)
■発熱性好中球減少症 24例(54.5%)
■貧血11例(25.0%)
用量漸増コホートではDLTは認められず
(主要評価項目)
MTDは25mg/m
2
でした
【試験デザイン】
【主な副作用】
ジェブタナを3週間間隔で1時間かけて静脈内点滴投与
※+プレドニゾロン10mg/day
※:ジェブタナ投与30分以上前に前投薬として以下の薬剤を点滴静注した。 抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg、ジフェンヒドラミン25mg又は他の抗ヒスタミン剤)、副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン 8mg又は同等の副腎皮質ホルモン剤)、H2受容体拮抗剤(シメチジンを除く、ラニチジン塩酸塩や他のH2受容体拮抗剤)用量漸増コホート:3~6例
追加コホート:40例
ジェブタナの投与量
20もしくは25mg/m
2用量漸増コホートで
ジェブタナの投与量
決定した MTD
用量制限毒性(DLT)を評価し
最大耐用量(MTD)を決定
10 例は薬物動態も評価
安全性・有効性を評価
国内第Ⅰ相臨床試験〔TED11576試験〕
評価項目 対 象 方 法 最終投与後30日以降の試験期間中に疾患進行により死亡した症例が25mg/m2群の44例中2例(4.5%)に認められました。重篤な有害事象は、20mg/m2 群で4例中2例、25mg/m2群で44例中25例(56.8%)に認められ、25mg/m2群では主に好中球減少症(20.5%)、発熱性好中球減少症(15.9%)でした。 投与中止に至った有害事象は、25mg/m2群で44例中11例(25.0%)に認められました。 解析計画腫瘍縮小効果奏効率
*:副次評価項目
PSA奏効率
*:副次評価項目
前治療 ホルモン療法 41例(100%) 手術療法 9例(22.0%) 放射線療法(根治目的) 9例(22.0%) 放射線療法(緩和目的) 11例(26.8%) 化学療法 1レジメン 8例(19.5%) 2レジメン 18例(43.9%) 3レジメン以上 15例(36.6%) ドセタキセル投与量:中央値(範囲) 826.6(59~2,142)mg/m2 ドセタキセル最終投与からジェブタナ 初回投与までの期間:中央値 1.9ヵ月 6ヵ月以内 32例(78.0%) 6ヵ月超 8例(19.5%) 不明 1例(2.4%)ECOG:米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group) PS:全身状態の指標(Performance Status) 有効性評価対象集団(41例) 年齢:中央値(範囲) 67.0(50~74)歳 PSA値:中央値(範囲) 149.7(23~3,438)ng/mL ECOGPS 0 31例(75.6%) 1 10例(24.4%) 腫瘍病変部位数:中央値(範囲) 2.0(1~3) 1 19例(46.3%) 2 15例(36.6%) 3 7例(17.1%) 腫瘍病変部位 骨 37例(90.2%) リンパ節 15例(36.6%) 前立腺 11例(26.8%) 肺 3例(7.3%) 肝 2例(4.9%) 乳房 1例(2.4%) その他 1例(2.4%) 有効性評価対象集団(41例)
【患者背景】
本剤の【用法及び用量】 プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタキセルとして25mg/m(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。2 【参考】 海外で実施された第Ⅲ相国際共同臨床試験〔EFC6193試験〕で本剤とプレドニゾン又はプレドニゾロンとの併用による統計学的かつ臨床的に意義のある全生存期間及び無増悪生存期間の延長が示されて いたため、国内においては同様のレジメンについて日本人における安全性及び薬物動態を検討する第Ⅰ相臨床試験〔TED11576試験〕を行いました。国内第Ⅰ相臨床試験では、海外第Ⅲ相国際共同臨床試験 と患者背景、前治療の実施状況は概ね類似していましたが、有効性については対照群を設定し仮説検定を行うなどの評価は行っていません。 CR:完全奏効、PR:部分奏効、SD:安定、PD:進行、NE:判定不能 *:RECIST ver. 1.1に従い、治験責任医師がCR及びPRと評価した症例の割合 *:PSA値がベースラインから50%以上低下し、3週間以上持続した症例(PSA有効例)の割合 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(承認時評価資料)症例数(例)
(例)
CR
(例)
PR
(例)
SD
(例)
PD
(例)
NE
奏効率(CR+PR)
[95%信頼区間]
(%)
12
0
2
10
0
0
[2.1~48.4]
16.7
治療前 PSA値 >20ng/mL
症例数(例)
PSA有効例数
(例)
[95%信頼区間]
奏効率(%)
41
12
[16.1~45.5]
29.3
測定可能病変を有する12例において
腫瘍縮小効果奏効率は、16.7%でした
治療前のPSA値が20ng/mL超である41例における
PSA奏効率は、29.3%でした
包 装
承認条件
1.5mL×1バイアル(溶解液添付) 流涙増加 味覚異常 神経系 眼 血 管 浮動性めまい、錯 感覚、頭痛、嗜眠、 感覚鈍麻 低血圧、潮紅、起 立性低血圧 高血圧、ほてり 20%以上 5~20%未満 1~ 5%未満 1%未満 頻度不明 過敏症 脱水 食欲減退 免疫系 代謝・ 栄養系 全Grade Grade 3以上 好中球減少 貧血 白血球減少 リンパ球減少 血小板減少 44/44(100%) 44/44(100%) 44/44(100%) 39/44(88.6%) 32/44(72.7%) 44/44(100%) 21/44(47.7%) 42/44(95.5%) 23/44(52.3%) 3/44(6.8%) 5.高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、副作用の発現に注意 すること。海外第Ⅲ相臨床試験において、65 歳以上の患者では、それ以外の患者に 比べ疲労、好中球減少症、無力症、発熱、浮動性めまい、尿路感染、脱水等の副作 用が、また Grade3以上では好中球減少症及び発熱性好中球減少症等の副作用 が多く認められた。国内第Ⅰ相臨床試験において、65 歳以上の患者では、それ以外の 患者に比べ末梢性浮腫、嘔吐、腹部膨満等の副作用が、また Grade3以上では悪 心、発熱性好中球減少症、血小板減少症、食欲減退等の副作用が多く認められた。 6.小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使 用経験がない。] 7.過量投与 本剤を体外に除去する方法は知られていない。過量投与により、骨髄抑制及び胃腸 障害等の副作用が増強したことが報告されている。 8.適用上の注意 (1)調製時 1) 調製時には手袋を着用することが望ましい。本剤が皮膚に付着した場合には、 直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。また、粘膜に付着した場合には、 直ちに多量の流水で洗い流すこと。 2) 本剤は投与前に 2 段階の希釈を行う必要がある。必ず添付文書に示す「調 製方法」に従い調製を行うこと。ジェブタナ点滴静注60mg 及び添付溶解液 バイアルは調製時の損失を考慮に入れ過量充填されている[【組成・性状】 の項参照]。本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解することで、カバ ジタキセル濃度 10mg/mL のプレミックス液(希釈の1段階目)を調製するこ とができる。 3) 輸液と混和した後は速やかに使用すること。やむをえず保存する場合は、室温 で8時間、冷蔵保存で48時間(いずれも点滴に要する1時間を含む)以内に 使用すること。 4) 他剤との混注を行わないこと。 (2)投与時 1) 0.2 又は 0.22μm のインラインフィルターを通して投与すること。 2) 輸液に混和後の投与液は、過飽和の状態である。結晶が析出している場合は 使用しないこと。 3) 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こ すおそれがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。 (3)その他 ポリ塩化ビニル製の輸液バッグ及びポリウレタン製の輸液セットの使用は避け ること。 9.その他の注意 (1)ラットにおける10 サイクル反復投与毒性試験において、カバジタキセル 10 ~ 20mg/kg 投与群(AUC に基づく臨床曝露量の約6倍)で、軽微から軽度の水 晶体嚢下の水晶体線維膨化及び変性が認められた。この変化は8週間の休薬 後においても完全には回復しなかった。なお、5mg/kg の用量(AUC に基づく臨 床曝露量の約 2.5 ~3倍)では水晶体の病理組織学的所見はみられなかった。 (2)カバジタキセルのヒトリンパ球を用いた in vitro 染色体異常試験で、倍数体細胞 数の増加がみられたが染色体の構造異常はみられなかった。また、in vivo ラット 骨髄小核試験で 0.5mg/kg 以上の用量で有小核細胞の増加がみられた。 (3)マウスにカバジタキセルを単回静脈内投与した試験において、脳のニューロン壊 死あるいは空胞化、並びに頸髄の軸索腫脹及び変性が認められた。マウスに1 分間又は1時間かけて単回静脈内投与したときの中枢神経毒性に関する最小 の無影響量は 10mg/kg(動物の曝露量は AUC の比較で臨床曝露量の約7 倍)であった。 販売名 承認番号 22600AMX00751 一 般 名 日本標準商品分類番号 承 認 年 月 薬価基準収載年月 販 売 開 始 年 月 国 際 誕 生 年 月 カバジタキセル アセトン付加物製剤 87424 2014年7月 2014年9月 2014年9月 再審査期間満了年月 2022年7月(8年) 2010年6月 和名 洋名 貯 法:冷蔵庫内に保存せず、15~30℃で保存すること 使用期限:外箱に表示 2018年10月改訂(第4版) ★詳細は添付文書をご参照ください。
★添付文書の改訂にご留意ください。
★資料は当社医薬担当者にご請求ください。
労110例(29.6%)、悪心106例(28.6%)、好中球減少症81例(21.8%)、嘔吐57例 (15.4%)、無力症57例(15.4%)、食欲減退46例(12.4%)、味覚異常38例(10.2%) 等であった。このうちGrade3以上の主な副作用は好中球減少症79例(21.3%)、発熱 性好中球減少症28例(7.5%)、下痢19例(5.1%)、白血球減少症14例(3.8%)、疲労 14例(3.8%)等であった。(承認時) 〈臨床検査値異常〉 国内第Ⅰ相臨床試験及び海外第Ⅲ相臨床試験で認められた主な血液学的検査値異 常注)を以下に示す。 「(1)重大な副作用」及び「(3)その他の副作用」の発現頻度は国内第Ⅰ相臨床試験及 び海外第Ⅲ相臨床試験における副作用(全Grade)の集計に基づく。なお、これら国内外 試験で共に認められておらず、海外市販後でのみ認められている場合は頻度不明とした。 (1)重大な副作用 1)骨髄抑制…好中球減少症(30.1%)、発熱性好中球減少症(12.5%)、貧血 (10.6%)、白血球減少症(7.0%)、リンパ球減少症(0.2%)、血小板減少症 (5.5%)等の骨髄抑制があらわれ、その結果、好中球減少性敗血症(0.7%)、敗血 症性ショック(0.7%)等を併発する例も報告されている。本剤投与中は定期的に血 液検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止する等、 適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照] 2)腎不全(1.0%)…腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤 投与中は定期的に腎機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中 止する等、適切な処置を行うこと。 3)消化管出血(1.0%)、消化管穿孔(頻度不明)、イレウス(0.2%)、重篤な腸炎 (0.5%注))…消化管出血、消化管穿孔、イレウス、重篤な腸炎等があらわれる ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止 する等、適切な処置を行うこと。 4)重篤な下痢(5.1%注))…重篤な下痢があらわれることがあるので、観察を十分 に行い、電解質異常、脱水等の異常が認められた場合には、減量、休薬又は投 与を中止する等、適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上 の注意〉の項参照] 5)感染症(16.1%)…敗血症、肺炎等の感染症があらわれることがあるので、観察 を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止する等、 適切な処置を行うこと。 6)不整脈(1.0%)…不整脈があらわれることがあるので、本剤投与中は十二誘導 心電図検査の実施等、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を 中止する等、適切な処置を行うこと。 7)心不全(頻度不明)…心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 8)アナフィラキシーショック(頻度不明)…アナフィラキシーショックがあらわれる ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止 する等、適切な処置を行うこと。 9)末梢神経障害(13.3%)…末梢神経障害があらわれることがあるので、観察を 十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止する等、適 切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照] 10)肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)…肝不全、肝機能障害があらわ れることがあるので、本剤投与中は肝機能検査の実施等、観察を十分に行 い、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 11)播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)…播種性血管内凝固症候群 (DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清 FDP 値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与 を中止する等、適切な処置を行うこと。 12)急性膵炎(頻度不明)…急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に 行い、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 13) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(頻度不明)…皮膚粘膜眼症候 群(Stevens-Johnson 症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行 い、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 14)心タンポナーデ(頻度不明)、浮腫(3.9%)、体液貯留(頻度不明)…心タンポ ナーデ、浮腫、体液貯留があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常 が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 15)心筋梗塞(頻度不明)、静脈血栓塞栓症(1.2%)…心筋梗塞、静脈血栓塞栓症が あらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投 与を中止する等、適切な処置を行うこと。 16)間質性肺疾患…間質性肺疾患(肺臓炎(頻度不明)、急性呼吸窮迫症候群(頻 度不明)等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ た場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 注) 臨床試験で認められた Grade3以上の副作用から頻度を算出した。 (2)重大な副作用(類薬) ドセタキセルを投与された患者で、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、 重篤な口内炎等の粘膜炎、血管炎が報告されている。観察を十分に行い、異常が 認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。 (3)その他の副作用【警 告】
好中球減少症、発熱性好中球減少症、貧血等の重篤な骨髄抑制があら
われ、その結果重症感染症等により死亡に至る例が報告されている。
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に
十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断され
る症例についてのみ投与すること。また、下記の患者には投与しない
等、適応患者の選択を慎重に行うこと。
・重篤な骨髄抑制のある患者
・感染症を合併している患者
・発熱を有し、感染症の疑われる患者
・肝機能障害を有する患者
治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分
説明し、同意を得てから投与すること。
【 禁忌(次の患者には投与しないこと) 】
1. 重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となる
ことがある。]
2. 感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]
3. 発熱を有し、感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的となる
ことがある。]
4. 肝機能障害を有する患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあ
る。肝機能障害を有する患者に本剤を投与した場合、好中球減少
症、敗血症等による死亡例を含む重篤な副作用の発現や副作用の
増悪が認められている。
【臨床成績】の項参照]
5. 本剤又はポリソルベート 80含有製剤に対し重篤な過敏症の既往歴
のある患者[本剤はポリソルベート80を含有する。]
組成・性状
効能又は効果 用法及び用量
使用上の注意
販 売 名 ジェブタナ点滴静注 60mg 有効成分 カバジタキセル アセトン付加物(カバジタキセルとして) ※2 (60mg/1.5mL)64.14mg/1.5mL 添 加 物 ポリソルベート 80 1.56g 性 状 黄色~帯褐黄色澄明の粘稠性の液 3.0 ~ 4.0 約1(生理食塩液に対する比) pH※3 浸透圧比※4 成 分 1バイアル中の分量※1 ※1: ジェブタナ点滴静注 60mg バイアルは調製時の損失を考慮に入れ過量充填されており、実充 填量は 1.83mL(カバジタキセルとして 73.2mg)である。 ※2: 製剤中に残留するアセトンの量は 0.1w/v%未満である。 ※3:本品の 10%水溶液について測定したとき ※4: 添付溶解液で溶解後、本剤濃度が 0.10 又は 0.25mg/mL となるよう5%ブドウ糖注射液又 は生理食塩液で希釈したときジェブタナ点滴静注 60mg
※5: 添付溶解液バイアルは調製時の損失を考慮に入れ過量充填されており、実充填量は 5.67mL である。(「調製方法」参照) 注) 本剤との因果関係の有無は問わない臨床検査値の異常。母数は本剤投与後の臨床検査データ が得られた被験者数に基づく。 日局エタノール 573.3mg/4.5mL 性 状 無色澄明の液 成 分 1バイアル中の分量※5添付溶解液
本剤の減量・休薬・中止基準 副作用 (Grade は NCI-CTCAE による) 処 置 適 切な 治 療にも関わらず 持 続する Grade3以上の好中球減少症(1週間 以上) (「2.重要な基本的注意」の項(1)参照) 発熱性好中球減少症又は好中球減少 性感染 Grade3以上の下痢、又は水分・電解 質補給等の適切な治療にも関わらず持 続する下痢 Grade3以上の末梢性ニューロパチー 投与を中止する。 Grade2の末梢性ニューロパチー 用量を 20mg/m2に減量する。 症状が回復又は改善するまで休薬し、そ の後、用量を 20mg/m2に減量して投与 を再開する。 好中球数が1,500/mm3を超えるまで 休薬し、その後、用量を20mg/m2に減 量して投与を再開する。 症状が回復又は改善し、好中球数が 1,500/mm3を超えるまで休薬し、その 後、用量を20mg/m2に減量して投与を 再開する。 1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれが ある。] (2)間質性肺疾患又はその既往歴のある患者[症状を増悪させるおそれがある。] (3)浮腫のある患者[浮腫を増悪させるおそれがある。] (4)アルコールに過敏な患者[本剤の添付溶解液はエタノールを含有するため、アルコー ルの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがあるので、本剤を投与する場 合には問診により適切かどうか判断すること。] (5)高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照] 2.重要な基本的注意 (1)重篤な骨髄抑制が高頻度にあらわれるので、下記の点に留意すること(特に、体表 面積の小さい患者及び高齢者では、好中球減少症、発熱性好中球減少症等の骨 髄抑制の発現頻度が高かったとの報告がある)。 1) 本剤の投与にあたっては G-CSF 製剤の適切な使用を、最新のガイドライン 等を参考に考慮すること。特に発熱性好中球減少症のリスク因子(65歳以 上、Performance Status 不良、発熱性好中球減少症の既往歴、広範囲放射 線照射等の強い前治療歴、腫瘍の骨髄浸潤等)を有する患者においては、 G-CSF 製剤の予防投与(一次予防)を考慮すること。 2) 投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観 察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止する等、適切な 処置を行うこと[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]。 3) 特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を 確認すること。発症又は増悪した場合には、直ちに抗生剤の投与等の適切な 処置を行うこと。発熱性好中球減少症が発現した場合は、適切な抗生剤の 使用について、最新のガイドライン等を参考にすること。 (2)本剤投与により、全身の発疹や紅斑、血圧低下、気管支痙攣等を含む重篤な過敏 反応があらわれることがあるので、本剤投与前には前投薬を行うこと[〈用法及び 用量に関連する使用上の注意〉の項参照]。特に本剤の初回及び2回目の投与中 は患者の状態を注意深く観察すること。過敏反応は本剤投与開始から数分以内 に起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、 脈拍、心電図等)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。 重篤な過敏反応があらわれた場合は、直ちに本剤投与を中止し適切な処置を行 うこと。本剤投与により重篤な過敏反応を起こした患者には再投与しないこと。 (3)動物実験(マウス、ラット、イヌ)において精巣毒性が認められているので、生殖可能 な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。 3.相互作用本剤は主に CYP3A で代謝される。in vitro 試験で、本剤は P- 糖蛋白の基質であるこ と、また、OATP1B1を阻害することが示されている。[【薬物動態】の項参照] 4.副作用 〈副作用〉 国内第Ⅰ相臨床試験で本剤25mg/m2を投与された44例中、44例(100%)に副作用 が認められた。主な副作用(全Grade)は好中球減少症44例(100%)、発熱性好中球 減少症24例(54.5%)、疲労24例(54.5%)、悪心21例(47.7%)、下痢20例 (45.5%)、食欲減退16例(36.4%)、貧血13例(29.5%)、味覚異常12例(27.3%)等 であった。このうちGrade3以上の主な副作用は、好中球減少症44例(100%)、発熱性 好中球減少症24例(54.5%)、貧血11例(25.0%)等であった。 海外第Ⅲ相臨床試験における本剤投与群の安全性評価対象371例中、313例 効能又は効果 前立腺癌 用法及び用量 プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタ キセルとして25mg/m(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で2 点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。 CYP3Aを強く誘導する薬剤 リファンピシン カルバマゼピン フェニトイン 等 本剤の血中濃度が低下し、 本剤の効果が減弱するお それがあるので、併用は避 け、代替の治療薬への変更 を考慮することが望まし い。[【薬物動態】の項参照] これら薬剤の強いCYP3A 誘導作用により、本剤の代 謝が促進されると考えられ る。 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉 (1)本剤は外科的又は内科的去勢術を行い、進行又は再発が確認された患者を 対象とすること。 (2)本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立してい ない。 (3)【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し た上で適応患者の選択を行うこと。 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 (1)プレドニゾロンの投与に際しては、【臨床成績】の項の内容を熟知し、投与する こと。 (2)本剤の投与時には、添付溶解液全量に溶解して 10mg/mL の濃度とした後、 最終濃度が 0.10~ 0.26mg/mL となるよう必要量を注射筒で抜き取り、直 ちに生理食塩液又は5%ブドウ糖液と混和し、1時間かけて点滴静注するこ と[「8.適用上の注意」の項及び「調製方法」参照]。 (3)本剤投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本剤投与の 30分前までに、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤等の 前投与を行うこと。 (4)他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。 (5)減量・休薬・中止基準 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の 基準を参考に、本剤を減量又は休薬すること。減量後もこれらの副作用があら 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 CYP3Aを強く阻害する薬剤 ケトコナゾール(注射剤、 経口剤は国内未承認) イトラコナゾール クラリスロマイシン インジナビル ネルフィナビル リトナビル サキナビル ボリコナゾール 等 本剤の血中濃度が上昇し、 副作用が強くあらわれるお それがあるので、併用は避 け、代替の治療薬への変更 を考慮することが望まし い。併用が必要な場合は副 作用の発現に十分注意し、 本剤の減量を考慮するとと もに、患者の状態を慎重に 観察すること。[【薬物動態】 の項参照] これら薬剤の強い CYP3A 阻害作用により、本剤の代謝 が阻害されると考えられる。 併用注意(併用に注意すること) 国内第Ⅰ相臨床試験 全Grade Grade 3以上 好中球減少 貧血 白血球減少 リンパ球減少 血小板減少 347/369(94.0%) 361/369(97.8%) 355/369(96.2%) 325/367(88.6%) 176/369(47.7%) 303/369(82.1%) 39/369(10.6%) 253/369(68.6%) 125/367(34.1%) 15/369(4.1%) 海外第Ⅲ相臨床試験 ジェブタナ点滴静注 60mg JEVTANA