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ジェトロ

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日本貿易振興機構

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(ジェトロ

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市場開拓部

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本調査は MIRA Design Corp へ委託した。

©JETRO 2005 本報告書の無断転載を禁ずる。 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付随的、あ るいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失責任、あるいは その他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負いません。これは、たとえ、 ジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。 本報告書に関する問い合わせ先: 日本貿易振興機構(ジェトロ) 市場開拓部 輸出促進課 〒107-6006 東京都港区赤坂 1-12-32 アーク森ビル 6 階 TEL: 03-3582-5313 FAX: 03-5572-7044

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アメリカ市場への参入は、いかなる日本企業にとっても可能である。 これまでのビジネス・レポートで述べてきたように、問題は市場調査をきちんと行い、アメリカ のライフスタイルにあった商品を、アメリカ市場にあった価格で提供できるかどうかに尽きる。 市場調査が中途半端なままアメリカ市場に参入しようとしたり、展示会に出展しても、良い結果 は出ない。 自由貿易は世界中に広がり日本市場にも、今後も海外から多くの商品が参入してくる。その波は 大きくなっても小さくなることはない。消費者は、世界中の商品を自由に、手軽に楽しめる時代 なのである。日本市場は、小さくなるばかりである。日本企業が、日本市場のみで生きていくの は、5 年 10 年先には困難と言わざるを得ない。あらゆるジャンルの日本企業にとって、国際ビ ジネスは、避けて通れない道になって来た。国際的ビジネスが、一国の中で生きてきた企業を変 えて行く。海外で多くの刺激を受け、世界市場に向けた商品を開発するからである。その変化が、 企業の成長にとって大きな力となる。 しかし、「日本製品は世界一だから、海外市場に持っていけば簡単に売れる。ただ、価格の問題 だけだ。」と、錯覚しているビジネスマンは少なくない。それぞれの市場は、それぞれの積み重 ねてきた生活文化を持っている。ライフスタイルが大きく違い気候も違う。市場が違えば、売れ るデザイン、品質も違うのである。 「物が売れる」ためには、「売れる構造」ができなくてはならない。それは、デザイン、価格、 用途、そして、販売方法、流通方法という歯車がうまく噛み合う時にできる。日本での「売れる 構造」と世界各市場での「売れる構造」は違う。文化、社会の背景が違うからである。日本企業 が海外に進出していきなり売れるというケースは少なく、はじめは、うまく噛み合わず、なかな か売れない。歯車のひとつを修理して、またトライする。その繰り返しによって、次第にスムー スになって来る。商品が、市場に近づいていくのである。 その時間をできるだけ短縮するためにも、市場調査=マーケティングを密に行うことが大切であ る。本レポートは、市場調査のベースになるものを掲載している。本市場調査を基本として、ア メリカ市場を目指す日本企業各社が自社の製品にあわせた緻密な市場調査を行っていただきた い。 ジェトロ対米輸出戦略レポート(10 月)では、「日本のギフト商品・伝統工芸品の輸出のためのアメ リカ市場調査レポート(Part 1/3)」をお届けする。

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日本のギフト商品・伝統工芸品の輸出のための

アメリカ市場調査レポート

(Part 1/3)

1. アメリカの小売店 販売の対象であるアメリカの小売店をここで整理してみる。販売のターゲットを鮮明にする ことが、営業方針の出発点である。 ① 専門店 特定のカテゴリーを専門に扱っている店舗である。個人経営の店舗が多いが、チェーン店 もある。路面店に多く、ショッピング・モールの進出に押されて、減少しているとは言え、 展示会のバイヤーの多くは専門店バイヤーである。NY にも数多くの専門店が存在する。販 売対象としては、無視できない上に、ビジネスの初期段階の貴重な顧客である。アメリカ 市場全体の小売店売り上げを 100%とすると、約 52%という大きな構成率である。日本の 伝統工芸品などの日本色の強い商品の場合は、美術館、博物館に併設されているギフト専 門店も重要な対象となる。 ② 量販店 大量販売することを目的とした大型店舗である。アメリカでは、特に大きな存在である。 ディスカウント・ストアとスーパーマーケットがこれにあたる。売り上げ構成率では、約 40%も占める。大手では、K Mart, Wal Mart, Safeway, Kroger, A&P などがそうである。 これらは、アメリカでのビジネス第一段階の対象とはならないだろう。

③ デパート

全体の構成率は、8%程度だが、ハイエンド店が多く、トレンド性において大きな影響力を 持つ。Dayton Hudson, JC Penny, May, Macy, Federated, Dillard, Nordstrom, Neiman Marcusなどである。日本とは違って、アメリカでは、デパートと言えども、信用調査、取 引条件の確認などはきちんと行わないと、トラブルが起こる可能性がある。インテリアの コーナーが少なく、ファッションに片寄っているデパートも多い。シカゴの Mark Shale などの地方のデパートは、生活品トータルで扱っているので良い対象になる。大手デパー トとの取引は、日本ほど難しくは無いが時間はかかる。流通方法も各社違い、それぞれ、3 cmくらいの厚さのシッピング・マニュアルがある。企画、販売、流通体制が充分整って からビジネスの対象にすべきである。

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③ チェーン店

最近の傾向では、消費者にもっとも影響を与えているのが、大型、中型のチェーン店であ る。イメージの確立、大量仕入れによる価格管理、マーケティング能力は抜群であり、マ ーケットの主役である。ファッションでは、Gap, Banana Republic, bebe, Nine West, Abercrombie & Fitch, Ann Taylor, Arden B, BCBG, Cache, Express, Guess, J Crew, Mexx, Old Navy, Talbots, などであり、ホームでは、Bombay Company, Restoration Hardware, Sharp Image, William Sonoma, Pottery Barn などになる。アメリカ市場では、 チェーン店との取引が、売上げを大きく押し上げる。日本のギフト商品、伝統工芸品をそ のままでは、難しいだろうが、Part 3 で提起している「セカンドライン」ならば、可能性 は広がるであろう。営業戦略的に重要な対象である。 ④ ショッピング・モール ショッピングモールは大規模なものほど人が集まる。イーストコーストの大規模なショッ ピングモールには、Westfield Shopping Town(Garden State Plaza)がある。ショッピング・ モールの分析は、アメリカ市場のマーケティングにとって不可欠の要素である。集客力は群 を抜いているし、市場を牽引する有名チェーン店は、大規模なモールには、必ず出店してい るからである。 * ガーデン・ステート・プラザ NYからも行ける距離のショッピング・モ ールをひとつ紹介する。Garden State Plaza(ガーデン・ステート・プラザ)と して知られるこのモールには、アメリカ を代表する大手デパートが、5 社入って いる。JC ペニーロード&テイラー、メ イシーズ、ニーマン・マーカス、ノード ストロームである。上記チェーン店は、ほ ぼすべて入っている。店舗の種類は次の通りである。 本、文具、化粧品、子供服、家具、インテリア、宝石、アクセサリー、玩具、音楽、映像関 連、メンズファッション、レディースファッション、靴、スポーツ店、食料品、レストラ ン、各種専門店(めがね店、葉巻店、靴下店など)銀行。このモールで買えない物は、生鮮 食料品くらいであろう。規模は下記図面の通りである。専門店は、約 200 店が入っている。 最近のモールの特徴は、「大型であらゆる商品が入っている」ことと、ファッションが中心 になっており、「市場での勝ち組」を並べていることだ。

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ファッションのほうでは、Abercrombie & Fitch が、年齢別に店舗を構成おり、全ての店舗 を入れている。いつも、顧客で賑わっている。 その中で注目されているのは、Rulue(ルール/写真窓の 多い店)である。一見店舗には見えず、住居の雰囲気で ある。 しかし、中は、ファッション・ブティックになっている。 外から見るだけでは、全く解らない。 この「逆の仕掛け」が、話題を呼び、しっかりと顧客を ひきつけている。 デパート、個性派専門店同居の大型ショッピング・モール が、アメリカ各地で増加している。小売総販売額の半分以上を占めると言われている。その 比率はますます増えていくだろう。1996 年の統計では、全国に 42000 ヶ所に存在したので、 現在は、50000 以上になっていると推測できる。最近数年では、ショッピング・モールの変 形であるファクトリー・アウトレット・センターも増えてきた。 アメリカ市場のマーケティングとして、このモールに行くと良いだろう。 2 アメリカの人気小売店「市場の勝ち組」 アメリカに住んでいると解ることだが、人々に支持されている「人気チェーン店」がある。市場 調査でも、それらの店舗は入れているが、これらの「勝ち組」が時代の流れ、人々の求めるライ フスタイルを分析する最適な例となる。マーケットを知る上で、これらの勝ち組の内容を知るこ とが最も近道といえる。各社の Web サイトも合わせて見ると、よりビジュアル的に理解しやすい。 彼らの商品の色、トレンド、価格帯を商品企画の参考にするとよいだろう。カタログを出してい る企業も多いので、取り寄せると良い。 ① ファッション アメリカでも、市場のトレンド全体を牽引しているのは、ファッション業界である。 ファッションのトレンドを研究するため、下記の人気ブランドを参考にするとよい。

○ Abercrombie & Fitch(アバークロンビー&フィッチ)

ヤングカジュアルのチェーン店。コンセプトの良さが光る。レディースもあるがメンズが有 力。http://www.abercrombie.com 参照

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本にも進出すると言われている。日本では、アバクロと呼ばれ、国内で売られていないにも かかわらず人気があり、ヤングのファンはアメリカから商品をメール・オーダーで取り寄せ ているほどである。アメリカでは、若い層を中心に絶大な人気がある。 店内は、独特の店作りで統一感がある。メンズでは、若いカッコの良いモデルの大きな写真 をうまく配置して、「Cool(かっこよい)なイメージ」を、強調している。トレンドはしっ かり、取り入れている。中高生向けの店、カレッジ向けの店、大人の店と、年齢層によって、 店舗を展開している。

○ American Eagle Outfitter (アメリカン・イーグル・アウトフィッター)

ヤングカジュアルのチェーン店。メンズ、レディースがある。http://www.ae.com 参照。 この会社の成長も大きい。ヤングのトレンドに沿った商品を展開。割安感のある価格帯が 人気がある。2005 年 7 月度では、前年比 17%の伸びを示している。ジュニア層に圧倒的に 支持されている。 ○ Armani A/X (アルマーニ・エクスチェンジ) アルマーニのセカンドライン。メンズ、レディースがある。 http://www.armaniexchange.com 参照。 アルマーニというハイエンドのイメージを背景に、値ごろな価格帯で人気を集めている。メ ンズの方がレディースより人気がある。 ○ J.Crew (ジェー・クルー) トラッドに近いデザインが多い。05 年は、急激に売上げが伸びて話題になった。 http://www.jcrew.com 参照。 メンズの人気が高いが、レディースも充実してきている。近年、戦略的に商品展開を「明る くしてきた」ことによって、売上げ前年比が上昇している。「J.Crew はいつも同じような商 品ばかり」という評価から、楽しい商品展開」のイメージチェンジに成功した。店内も昨年 よりも明るくなった。最近のデータでは、春夏物では前年比 25%の大きな伸びを示した。 ○ Lucky Brand (ラッキー・ブランド) アメリカの空前のジーンズ・ブームと共に成長した。 http://www.luckybrandjeans.com 参照。 今年は、エスニック・ブームということもあって、アジア・テイストが中心テーマになってい る。ビンテージというトレンドとうまく組み合わせている。デストロイ・ジーンズに色のあ せた T シャツ、日本語を使ったモチーフなどの感覚的コーディネイトに人気が集まる。

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○ Anthropologie(アンソロポロジー) 洋服中心だが、手作り感覚の可愛いライフスタイル店。 http://www.anthropologie.com 参照。 家具、雑貨、インテリア、下着、洋服・・など、トータルのライフスタイルを展開している。 「女の子っぽい可愛い生活」を店いっぱいに表現している。非常に人気のあるお店で、多店 舗展開に成功している。アーバン・アウトフィッター社の別店舗である。それほど低い価格 帯ではないので、実際に買っているのはミセスが多いようだ。 ② Home 関連 ○ Restoration Hardware (レストレイション・ハードウェア) 家具、インテリアを扱う。オシャレな店作りは好評。 http://www.restorationhardware.com 参照。 店舗構成が非常にうまい。きれいで、コンテンポラリーな雰囲気を感じる。商品一つ一つは、 それほど高級ではなく、買いやすいものが多い。全体のシンプルな統一感が、「洗練された 都会生活」を感じさせる。 ○ Container Store (コンテナー・ストア) 「入れ物ならば、何でもある。」が売りのチェーン店。 機能的な店舗作りが非常に巧い。http://www.containerstore.com 参照。 新しいコンセプトの店である。コンテナー(入れ物)が中心だが、Home 商品もどんどん広 がっている。「きれいでスマートな収納」というテーマが店全体に溢れている。店内で働く 人々の教育も徹底していて他では見られない。注目のチェーン店である。 ○ William Sonoma (ウィリアム・ソノマ) オシャレできれいなキッチンを目指している。http://ww1.williams-sonoma.com 参照。 きれいな店舗展開はずば抜けているといってよいだろう。女性層に、「素敵なキッチン」と いう夢を与えてくれる。ファッション感覚の高い品揃えと、きちんとしたサービス、きれい な店舗に、人が集まる。 ○ Water Works (ウォーターワークス)

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www.waterworks.com 参照。オシャレで、きれいなバス作りを目指す。バス製品の専門店は 少なく、「一人勝ち」の状況で、成長している。バスタブ、バス製品、ホームテキスタイルな ど、バスに関連するものは全て扱っている。特に、優雅で、夢のあるバスタブに、人々の目が 集まる。 ○ Kate’s Papery (ケイツ・ペーパリー) 紙製品、文具専門店。http://www.katespaperie.com 参照。 紙に関連があるものならば全て扱っている。NY には 5 店あるが、店内はきれいに統一され ていて、商品を探しやすい。全体的に、ハイエンド商品が多いので、価格帯は上のほうである。 しかし、ここほどのおしゃれで豊富な商品を揃えているところが無いので、常に、多くの人で 賑わっている。 ○ Pottery Barn (ポッテリー・バーン) シンプルで、クリーンな家具、インテリアを扱う。http://ww2.potterybarn.com参照。 前述の William Sonoma と同じ会社が経営している。シンプルで、都会的なイメージを強く打 ち出しており、小物雑貨、インテリア、家具、ホームテキスタイル、食器、ギフト商品など豊 富な商品内容である。チェーン店だが、大きな店作りである。 ○ IKEA (アイケア) スウェーデンが本社で、世界中に広がっている。アメリカでも非常に人気がある。こなれた価 格+組み立て式の運びやすさが受けている。http://www.ikea.com 参照。 家具の欠点である保管、運送に大きな負担がかかるという常識を覆した意味で、画期的なコン セプトである。こなれた価格帯で、シンプルなデザインが、アメリカ市場で当たったと言える。 週末は、人で溢れている。若い層は、「家具は IKEA」というのが常識になっているほどであ る。一生使える家具から、今を楽しんで、飽きたら買い換えるという感覚である。都会的で、 合理的なアメリカスタイルに合っている。日本では、イケアと呼ぶが、アメリカではアイケア となる。 ③ スーパー・マーケット ○ Whole Food (ホールフード) オーガニックの食料品が中心。きれいな店舗、安全な食品で、急成長している。 http://www.wholefoodsmarket.com 参照。

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豊富で新鮮な品揃え、安全な商品、オシャレな店作りという現代の人気コンセプトの要素をき っちり持っているスーパーである。NY のコロンバス・サークルの新店舗は、週末には、入れな いほどの活況である。世界中から、ビジネスマンの視察が目に付く。アメリカ全土に広がって いくことは間違いない。価格は、一般のスーパーよりは割高である。 ④ 人気チェーン店成長の背景 アメリカ市場を目指す日本企業は、これらの人気成長チェーン店には、ぜひ一度訪れて欲しい。 スーパー・マーケットは、アメリカ人の実際の日常生活が見られるし、アメリカに必要なコンセ プトが一目瞭然である。これらの新しい時代の人気店(急成長企業)に共通することは、過去の アメリカに無い要素を持っていることである。それらは、「買う側」から見ると、下記のように 当たり前のことばかりである。一言で表現すると、「トレンド重視の顧客サイド主義」と言える。 これらの成長店は、日本でのビジネスの良いヒントになるだろう。人気の背景は次のとおりであ る。 - 顧客のライフスタイルの傾向を第一義的に考えている。(マーケティングが緻密) - 時代の流れ、トレンドを研究しており、常に新鮮な商品を提案している。(商品開発) - クリーンで、センスの良い店舗デザイン。(いるだけで気持ちのよい店作り) - プレゼンテーション力が抜群である。(分かりやすい店作り) - 価格が、多少高いこともあるが、手に届く価格帯である。しかし、決して「安さ」中心の 品揃えではない。(価格手頃感) - 販売員をよく教育していて、「お客に親切な対応」を心がけている。(社員教育) このように店舗のファッション化、時代(トレンド)にあった商品構成、サービスの向上、徹底 した顧客サイド主義が共通しているコンセプトである。 最近のショッピング・モールのデベロッパーは、上記の会社を揃え、同じ顔をしたモール作り を行っている。それにしたがって、各社の店舗はどんどん広がっている。寡占化が進んでいる と言えるが、単に、寡占化=低価格実現というかつての図式ではなく、むしろ価格帯は、従来 のチェーン店よりも高めである。 スーパーのホールフードでは、「お客様の声」的な投書ボックスが置いてあり、次週には、「店 長からの返事」が掲示されている。このように、お客の小さな不満も解消に努めているという 徹底した顧客サイド主義である。 時代の流れを見据えて、時代を先取りして変化していく。これが、これらの企業の「人気の源」 ではないか。時代の小さな動きも無視せず、ともに変化していく、それが成長の原動力になっ ていると言えよう。そういう意味で、全体のビジネスを規定するトータル・コーディネイトを 演出する「マーケッターの時代」になっているのである。アメリカを目指す日本企業各社にも 学ぶことが多いだろう。

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3 アメリカのライフスタイル(住居) アメリカは、NY を中心としたイースト・コースト地域と、LA を中心としたウェスト・コースト地 域の都市部と、それ以外の地域に大きく分かれるが、ここでは都市型のライフスタイルを紹介する。 (標準的な住居) 都市部の人々は、一戸建て住宅、コンドミニアム、アパートメントのいずれかに住まいを持つ。 一戸建て住宅は、建物によってもちろん違いはあるが、一般的に、ベットルーム(マスターベ ッドルーム、子供部屋 1、2 部屋)があり、バスルーム(トイレとバス)が近接している。リビ ングルーム、ダイニングルーム、ファミリールーム(リビングと共通のところもある)、ストー レッジ(倉庫)ガレージ(車庫)というのが一般的だろう。一戸建て住宅の広さは、3000-5000Sqf という大きさだろう。本レポート末ページに関連資料一覧を掲載した。インテリア雑誌で、住居の雰 囲気は容易につかめる。 (壁の演出) アメリカの住居では、リビング・ルームの広さが広く、天井が高いため、壁の面積が非常に大 きい。壁の空白を白いままにしておくと、さみしいのである。そこで、多くの家庭は、「絵」「額」 をかけて部屋のアクセントにして壁を演出する。中には、日本の墨絵や書道の額、掛け軸を掛 ける人も少なくない。洋風の中に「和」を効果的に置くと、良いアクセントになる。この組み合 わせは一時期大いに流行した。現在では、一般的な「インテリア・テクニック」になっているので、 よく見かけることができる。 (空間デザイン) 壁に書けるアクセントと同じように、広い空間、あるいは死んだ空間に、日本テイストのオブ ジェを置くことも効果的なアクセントになる。陶器の壷、和だんす、和のライト、和のクッシ ョン、和家具などである。洋風の中に置くと、アート的な良い雰囲気が出る。アメリカの住居 の中で、日本の商品を、効果的にコーディネイトした写真を撮影して展示会や営業のプレゼン テーションに使うこともよいだろう。「このように使うのです」というプレゼンは日本テイスト に慣れてないバイヤーにはわかりやすい。消費者のために、商品のパッケージにつけるのもお 店に喜ばれる。 4. アメリカ市場と日本商品の距離感 アメリカの Home 関連の雑誌を購入し、日本の自社の商品がどう位置づけられるのかを、イメージの 中で置いてみると良いだろう。マッチするのか、色は合うのか?アメリカの家庭の中に必要な「もの」

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なのか。想像力の中で、自社商品のシュミレーションである。つまり、自社商品と、マーケットの「距 離感」をつかむのが、マーケティングの方向性を明らかにする。 今のままの商品でいけるのか?デザインをアメリカに合うように変えていくのか? その距離はどのくらいあるのか? マーケティングの目標は、この「距離感」をつかむことが大きな目標の一つである。 5. アメリカのライフスタイルを研究する資料(雑誌) 様々な資料を一覧表にまとめ、次の要領にて分類した。日本の大型書店の海外雑誌売り場においてあ るだろう。 ① ホーム関連資料 アメリカのライフスタイルを知るための手がかりになる。住宅、インテリア、ホームの日 用品などに関する雑誌、カタログである。「今のアメリカ」を知る良いヒントになる。貴社 商品を、この中に当てはめて、市場へのマッチ度を考えるとよいだろう。 ② ファッション関連資料 ファンションは、市場の色、流行を牽引する。ギフト業界は、ファションほど早くは無い が、必ずファッションの後を追いかけていく。「ものづくり」には欠かせない情報となる。 特に、コンテンポラリーのデザインを作る会社には重要な資料である。カラー情報は充分 に研究して、商品の色決めをすると良いだろう。 ③ アート関連資料 アートも「ものづくり」には重要な要素である。アート的なアクセントは、シンプルなも のが多いアメリカ市場には強いインパクトを与える。

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ホーム関連資料

NO name 内容

1 ELLE DECORATION 世界 18 カ国で読まれている、ライフスタイル・デコレーション雑誌。世界の市場のトレンドが分かる。

2 MARTHA STEWART Living アメリカのカリスマ的存在マーサスチュアートのホームリビング雑誌。シンプル、機能的な感覚が参考にな

る。

3 REAL SHIMPLE シンプルをテーマとしたライフスタイルマガジン。 広く一般的な読者に支持されている。

4 Living 都市型ライフスタイル提案型ホームマガジン。 デザイン等参考になる写真が多い。

5 HOME さまざまな実用情報とアイデアを提供するライフスタイルマガジン。ライフスタイル分析に役立つ。

6 INSIDE OUT 都市型ホームインテリアマガジン。インテリアの流行が分かる。

7 THE WORLD OF INTERIORS クラッシックをテーマとしたインテリア雑誌。年代の高い層をターゲットとしている。

ファッション関連資料 NO name 内容 8 ELLE ファッション志向の高い読者が特徴。都市型のファッション傾向が分かる雑誌。 9 Harper's BAZAR ファッショントレンド、デザイナーズのトレンドが分かる雑誌。 10 In Style ファッション感度ほそれほど高くない、一般的消費者を対象としている雑誌。 11 Lucky. ショッピングのための雑誌。問い合わせ先が各商品写真に明記されている。現在の売筋分析によい。 12 TEXTILE report 2006 年のテキスタイル、カラーの予測を特集している雑誌。 13 COLLEZIONI TRENDS 2006 年のトレンドを予測している雑誌。 アート関連資料 NO name 内容 14 NY ARTS 最先端のモダンアート雑誌。時代の最先端を走るアーティストが紹介されている。 15 Art in America 幅広いアートのトッピックスを取り扱う雑誌。 16 ART news NY の話題を中心に絵画、建築、ポスターデザインなどのニュースを掲載している雑誌。 17 Glass ガラス製品の置物、花瓶、グラス、アートの雑誌。 18 Ceramics NY の陶器専門のアート雑誌。日本の記事も掲載されている。

参照

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