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企業のCSRへの意識の移り変わり―現在と10年前の報告書より―

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企業の

CSR への意識の移り変わり

-現在と 10 年前の報告書より-

東京都市大学 環境学部 マネジメント学科

枝廣淳子研究室

(2)

目次

1.序論(研究目的、研究背景) 2.本文 (1)第 1 章 CSR とは何か? (2)第 2 章 近年、CSR への取り組みが活発化してきているとされているがそれはなぜか? (3)第 3 章 先行研究紹介 (4)第 4 章 10 年前と現在(2015 年)の CSR 報告書のトップメッセージを読んで比べたとき、 何がわかるか? ①調査の意義 ②報告書の選定 ③対象企業の選定 ④四調査方法 ⑤調査の仮説 ⑥調査結果 (5)第 5 章 考察 (6)第 6 章 提案 (7)第 7 章 結論 3.文献表

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・序論(問題背景、研究目的)

○問題背景

「日本におけるCSR 元年と言われる 2002 年ないし 2003 年からすでに 10 年以上が経過 している」※1(引用元:田中敬幸(2014)「日本の CSR の特徴と変遷-CSR 報告書における 企業トップの声明の分析-」,『日本経営倫理学会誌』21.)と言われている。ここ最近では、 各企業でCSR に対する考えや取り組みがとても活発化してきている。実際に、企業で「中 長期目標」などといった、各企業独自の5 年、10 年先の目標を立てている。 企業全体の具体的な取り組みとしては、環境面では、温室効果ガス削減対策や環境保全、 生物多様性の保護、工場での水の使用を削減、持続可能な資源利用、製品を回収しリサイ クルといったことを行っている。社会面では2011 年の東日本大震災・2016 年の熊本県で の震災、また、大雨での洪水被害や浸水被害に対しての被災地支援活動、地域社会貢献の ため、住民との交流の場(お祭りなどのイベント)への参加、ボランティア活動への参加、 文化・芸術・スポーツ復興への支援活動等を行っている。さらに、働いている従業員に対 しても、ワーク・ライフ・バランスの徹底やダイバーシティの推進、福利厚生面への待遇、 人材育成(人財育成)への推進、女性活躍推進などといった取り組みも行われている。 業界によっても、自動車関連業界では、主に小学生・中学生を対象にした交通安全の授 業を行っている企業がある。 食べ物を扱う食品業界では、水や食品をテーマとした課外授業やイベント、給食等での 試食会、工場見学を行っている企業がある。 その他の業界でも、それぞれの企業の特徴や扱っている商品や素材などを活かして、子 どもたちを対象とした課外授業や親子で参加できるイベントなどを行っている企業がある。 これらのことから、多くの企業で小学生などの子供たちをターゲットとした「人材育成 (人財育成)教育」に対して、活動を行っているということがわかる。 CSR 報告書より、近年では多くの企業で「海外で事業を展開している」または、「これか ら海外に進出をして、事業を展開し拡大していこう」としていることが読み取れる。その ことに伴い、すでに海外で事業展開を行っている企業では、海外でもさまざまなCSR 活動 を行っている。 例えば、 ・小中学生の基礎学力を向上するため、教員を対象とした指導と学校運営・管理方法を研 修する教育プログラム。※11(引用元:TOYOTA ホームページ CSR・環境・社会貢献) ・親子が一緒に学習する機会を提供し、識字率の向上に貢献。※11(引用元:TOYOTA ホ ームページ CSR・環境・社会貢献) ・サプライヤーや地域社会と協働で、植樹活動を支援。※12(引用元:AGC 旭硝子 ホーム

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ページ CSR 地域との共生) ・ベトナム学校給食プロジェクト※13(引用元:味の素グループ サステナビリティデータ ブック 2016) ・インドの無電化村に太陽光発電の外灯を寄与※14(引用元:三菱商事 ホームページ サ ステナビリティ 国際交流・貢献) ・セネガルのダカールで産科医院を開設※14(引用元:三菱商事 ホームページ サステナ ビリティ 国際交流・貢献) などといった数多くの活動をしていることがわかる。特に、発展途上国の識字率の低下や 食糧難、学校や病院等の施設不足といった問題点に注目をして、支援活動を行っている企 業が多いということがわかる。 「実際に、2002 年と 2012 年の CSR レポートやサステナビリティレポート等の CSR 報 告書のトップメッセージを見比べてみても、環境問題、福利厚生、グローバルなどといっ たCSR 全体についての言及の数は大幅に増えており、尚且つ、環境面・社会面について、 それぞれ具体的な表現や記述が記載されている」※1(引用元:田中敬幸(2014)「日本の CSR の特徴と変遷-CSR 報告書における企業トップの声明の分析-」,『日本経営倫理学会誌』21.) という先行研究からの結果もある。 以上のことから、日本におけるCSR 元年から 10 年以上たった現在の日本企業では「CSR」 への認識がとても強くなってきており、さまざまな活動や対策を国境を越えて行っている 企業が多いことが現状である。

○研究目的

上記の問題背景でも述べた通り、「日本におけるCSR 元年と言われているのは、2002 年 ないし2003 年であると言われている。それから、10 年以上経った現在、研究会やシンポ ジウム等でCSR の取り組みを見直す動きが高まっているそうだ。」※1(引用元:田中敬幸 (2014)「日本の CSR の特徴と変遷-CSR 報告書における企業トップの声明の分析-」,『日本 経営倫理学会誌』21.) 一方、多くの日本企業でもCSR への取り組みが活発化してきており、各企業で「中長期 目標」などを立てて社会面・環境面・経済面などでさまざまなCSR 活動を行っている。こ のような各企業で行っているCSR 活動をまとめて、株主や取引先、私たち消費者に向けて 情報開示手段の一つとして、「CSR 報告書」が存在している。CSR 報告書とは、「企業が、 環境や社会問題などに対して企業は倫理的な責任を果たすべきであるとするCSR(企業の 社会的責任)の考え方に基づいて行う、社会的な取り組みをまとめた報告書のこと。持続 可能性報告書とも呼ばれる。環境、労働、安全衛生、社会貢献などに関する情報や、事業 活動に伴う環境負荷などを幅広く公開するものとされている。」※9(引用元:緑の goo 『CSR 報告書』とは)

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以上のことを踏まえ、「現在、各企業で共通して発行している最新のCSR 報告書と 10 年 前のCSR 報告書の内容には、どのような違い、変化があるのか?」、「また、変化があった とするとその変化の要因はどのようなことなのか?」といった疑問が生まれてきたので、 CSR 報告書に注目をし、本研究を始めようと思った。 本研究では、2015 年度版の CSR 報告書と 10 年前である 2005 年度版の CSR 報告書のト ップメッセージに注目し、比較をして、各企業それぞれのトップメッセージからCSR の動 向・変化を研究している。そして、10 年間でどのような変化・違いがあったのか、変化の 要因はどのようなことが関係しているのかということを明確にしていきていきたい。さら に、調査結果を踏まえて、今後の起こりうるであろう環境問題、社会問題を想定し、それ らの問題に対して企業が取り組むべきCSR 活動を新たに本研究で提案をしていきたい。最 後に、本研究を通して現在のCSR 活動の現状、10 年間での変化を知っていただき企業のト ップの方々やCSR 部・環境部など一部の人々だけでなく、企業で働く従業員全員に CSR への意識を高めていただきたいと思う。また、本研究で提案するCSR 活動を今後企業で新 たに行っていく取り組みや活動のヒントになれば幸いである。 CSR 活動が活発化してきていると言われているが、まだまだ多くの企業(特に中小企業) で取り組みや活動が行われていないというのも現状であると思う。そのため、本研究に目 を通していただき、今後新たにCSR を推進していこうと考えている企業の方々へ参考にし ていただければ、幸いである。

・第1章

CSR とは何か?

ここの第一章では、そもそもCSR とは何かということを述べたいと思う。 CSR とは簡単に言うと、企業の社会的責任のことである。「企業が利益を追求するだけで なく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダーからの要求 に対して適切な意思決定をすることである。 具体的には、企業は大規模になるほど、株主の私的所有物から社会の所有物、すなわち 社会的存在を強める。 このことから、企業は株主ばかりでなく、顧客、従業員、取引相手、さらには地域住民 といった利害関係者の利益を実現することが求められるようになってくる。従って、経営 者は企業をそうした社会的存在として運営していく責任、すなわち経営者の社会的責任を 負っている。単なる法令順守という意味以上に、様々な社会のニーズを、価値創造、市場 創造に結びつけ企業と市場の相乗的発展を図ることがCSR である。

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CSR は企業の信頼構築、競争力を向上させるほか、株価の上昇にも影響を与える。」※ 15(引用元:高橋宏幸中央大学教授(2007)「コトバンク CSR」)とされている。 というようにまとめられている。 私が考えるCSR の 1 番の意味とは、「信用・信頼関係の構築」であると考える。各企業 はそれぞれ行っている事業活動の内容や特性がさまざまである。 そのため、果たすべき役割や実際に環境や社会に与えている影響度の度合いは当然、各 企業さまざまであり、自社の責任や課題を見つけてCSR を自分たちで創り上げていかなけ ればいけないものである。また、企業は社長や社員たちで成り立っているのではなく、取 引先相手や株主、さらには、私たち消費者・地域住民などのステークホルダーからの支え があって成り立っているのである。 CSR とは、ステークホルダーと信用・信頼関係を築いていくための重要なものであると いえる。

・第2章 近年、CSR への取り組みが活発化してきているとされて

いるが、それはなぜか?

近年、各企業でCSR への取り組みが重要視され、取り組みが活発化してきている。また、 各企業で、中長期計画を立てたり、地域の人々との触れ合うイベントを企画したり、参加 したりとさまざまなCSR 活動を行っている。さらに、近年では、事業領域を海外に拡大さ せている企業、これから事業を海外に拡大させようとしている企業が増えてきている。そ れに伴い、国内のみならず発展途上国支援などの海外での取り組みも多くの企業で活発化 してきており、グローバルが意識され、多くの企業でグローバル化が進んでいる。 第2章では、なぜ取り組みが活発化してきているのかということを述べたいと思う。 まず、私が大学の講義の中で教わった3 つの理由から述べていきたいと思う。 (1) 「地球環境問題(温暖化、大気汚染、水質汚濁など)や社会問題(貧困、格差など)が、ひ どい状態になってきているため。」 (2) 「企業活動の影響が政府よりも大きくなってきている。(企業の政府や社会に与える影 響が拡大してきている)」 (3) 「企業が CSR に取り組むことによって、その取り組みの内容と実績で企業が選別され てくるようになってきた。(ステークホルダーをはじめ、世の中からの目が厳しくなっ

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てきた)」(引用元:枝廣淳子教授の講義より) 次に、私が調べてみた結果を紹介していきたいと思う。 「企業の持続的な発展のためには、社会もまた持続可能な社会であることが必要だとい う認識が広まってきたことにより、各企業が社会や環境への取り組みを始めたとされてい る。 グローバル化やIT 化が進み、今や企業の力は国をもしのぐ勢いである。つまり、それだ け企業が社会に与える影響というものが計り知れなくなってきている。 だからこそ、企業は利益のみを求めるのではなく、環境や社会に対してもきちんと配慮 しなければ、社会そのものが存続できなくなってしまうという認識が広まりつつある。 企業のCSR への取組みはそのような認識の広まりの結果と言える。」※6(引用元:クリッ ク支援サイト4en CSR とは?より) 講義で教わったことと調べたことを比較してみると、企業が社会に与える影響が大きい という背景が存在しているということがわかる。また、CSR に取り組むことで企業のイメ ージアップにつながっていくであろう。 以上のような理由でCSR への取り組みが活発化してきていると言える。

第3章 先行研究紹介

①調査の概要

調査を進めるにあたり、参考にさせていただいた先行研究を紹介する。今回、参考にさ せていただいたのは、「日本のCSR の特徴と変遷 -CSR 報告書における企業トップの声 明の分析- 田中敬幸」(2014)である。 この研究では、日本におけるCSR 元年といわれる 2002 年から 10 年以上経った現在、研 究会やシンポジウム等でCSR の取り組みを見直す動きが高まっているという。 そこで、2002 年と 2012 年の各企業で発行をしている CSR 報告書注目をし、当時の日本 ではあまり調査が行われていなかった企業トップの声明からCSR の動向を整理し、その変 化と特徴を捉える研究を行っている。 この研究の目的は、以下の2 点に集約されている。 (1) 企業のトップが CSR 報告書の中で言及している CSR の特徴を分析すること。 (2) 日本企業の CSR の変化を明らかにすることである。

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先行研究では、調査を進めるにあたり、上場企業で売上および固定資産の金額の上位15 社を調査対象として、それぞれの企業で発行をしている2002 年と 2012 年の CSR 報告書 を選定しており、調査を行っている。 この調査では、対象となるCSR 報告書のトップの声明からキーワードを集め、意味領域 に分類している。 企業のCSR への取り組みそのものの変化を観察しているわけでなく、企業の CEO の声 明からCSR がどのように解釈されているのかを調査している。すなわち、企業そのものを 観察して、CSR の変容について論じているのではなく、あくまでも CSR 報告書におけるト ップの発言の傾向を分析している調査である。 日本におけるCSR がよりグローバルでコミュニタリアン的なものに変化しているという ことを一定の側面からとらえることができている。また、「環境問題」、「倫理と道徳的価値」、 「CSR」といった内容が 2002 年よりも具体的な取り組みとして、企業トップに認識され、 CSR 報告書に記載されていることが明らかになったとされている。 この先行研究を読んで、2002 年と 2012 年の CSR 報告書のトップメッセージを比較の結 果は、CSR がよりグローバルでコミュニタリアン的(※以下に説明あり)なものに変化してい るということがわかった。 では、それから3 年経った「2005 年と 2015 年の比較ではどのような結果になり、どの ようなことがわかるのであろうか?」、「実際に、どのようなキーワードが増加傾向にあり、 その背景・要因はどのようなことなのか?」といった疑問が生まれた。 そのため私は、2005 年と 2015 年の CSR 報告書のトップメッセージに記載されている名 詞に注目し調査を始めようと思った。 先行研究では、トップメッセージに記載されている「キーワード」に注目をしていた。 しかし、「キーワード」だと、どれをキーワードにするのかが調査をした人によって捉え方 が違い、ばらつきが出てしまう恐れがある。 そのため、本研究では「名詞」に注目をして調査を行っている。 調査方法、調査結果は次の章から述べていきたいと思う。 ※コミュニタリアンとは? コミュニタリアニズムとは、1980 年代からリベラル・コミュニタリアン論争を契機に台 頭してきた政治哲学である。コミュタリアニズムの代表的な論者として、サンデル、ウォ ルツァー、エツィオーニ、マッキンタイア、テイラーらが挙げられる。 彼らのようにコミュニタリアニズムを唱える論者は、コミュニタリアンと呼ばれている。 彼らに共通する主張は、2 点ある。 ① 自己を歴史・伝統・コミュニティから切り離せないものとして捉えること。 ② コミュニティの美徳に価値をおくことである。

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とされている。※1(引用元:「日本の CSR の特徴と変遷 -CSR 報告書における企業ト ップの声明の分析- 田中敬幸」(2014)より)

第4章

10 年前と現在(2015 年)の CSR 報告書のトップメッセージ

を読んで比べたとき、何がわかるか?

①調査の意義

日本でのCSR 元年から 10 年以上経った現在、多くの日本企業でさまざまな CSR(企業の 社会的責任)活動を行っている。また、私たち消費者や株主、取引先などを含めたステーク ホルダーに対して、各企業で行っている環境活動・社会貢献活動、国際交流活動や会社の 業績などの会社概要をまとめているものがCSR 報告書である。 企業の情報開示手段の一つとして、「CSR 報告書」や「サステナビリティレポート」、「ア ニュアルレポート」、「統合報告書」を発行している。そこで、各企業で共通して発行をし ている最新の2015 年度版の「CSR 報告書」等と「10 年前の 2005 年度版の CSR 報告書」 の特にトップメッセージに注目をしそれぞれの内容を比較してみることにした。 トップメッセージに注目をして調査を行っている理由は、トップメッセージには報告書 全体の内容や企業全体の取り組み等が書かれているため、比較しやすいと考えたためであ る。 私は、この調査をすることにより、2015 年の報告書と 2005 年の報告書にはどのような 特徴があり、10 年経ちどのような変化が起こったのかということを明らかにしていきたい と思う。さらに、それらの背景にはどのような環境・社会問題が存在していたのか、影響 していたのか、また、今後考えられる新たな環境・社会問題に対して、どのような対策を 行うべきであるのか、活動が重要になってくるのかということを明らかにしていきたい。 本論文の最後に、対象企業全23 社のトップメッセージの名詞をピックアップした表を載 せている。

②報告書の選定

本調査では、主に「CSR レポート」、「サステナビリティレポート」、「環境・社会報告書」、 「環境報告書」を対象とした。「アニュアルレポート」や「統合報告書」を発行している企 業も多数あった。

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その理由は、以下の2 点である。 1 つ目の理由として、「アニュアルレポート」は、「日本語では「年次報告書」とも呼ばれ、 企業が年度末にディスクロージャー(情報公開)という観点から、世界の株主や投資家、 金融機関などの関係先に配布する、経営内容についての総合的な情報を掲載した冊子」※ 7(引用元:iFinance アニュアルレポート より)と言われており、対象者が主に、株主、投 資家、金融機関であり、環境問題・社会問題よりも企業の財務内容が多く記載されており、 「CSR レポート」、「サステナビリティレポート」等の方が、CSR について細かく、より詳 細に記載されていると思われるため。 次に、2 つ目の理由として、2005 年は、「環境・社会報告書」を発行していたが、2015 年は「統合報告書」を発行している企業もあった。しかし、その二つの報告書を対象とす るには、トップメッセージの内容があまりにも異なりすぎていて、良い比較対象にならな かったためである。 以上のことから、CSR の変化を調査するためには、「アニュアルレポート」、「統合報告書」 よりも「CSR レポート」、「サステナビリティレポート」、等の方が分析の対象となる情報量 が多いのではないかと考えたためである。 報告書は、紙媒体で冊子として発行している企業も多いが、本調査では、インターネッ トからアクセスが可能であり、PDF ファイルのものを対象とした。また、インターネット からアクセスができない企業は対象外としている。 本調査では、「CSR レポート」の全体の変化や特徴などではなく、報告書の中の「トップ メッセージ(社長メッセージ)」に焦点を当てて、調査を行っている。その理由は、上記で も述べた通り、トップメッセージには報告書全体の内容や企業全体の取り組み等が書かれ ているため、比較しやすいと考えたためである。

③対象企業の選定

本調査における、対象とする企業を選定するにあたり、以下の2 つのランキングを使用 した。 ・最新!社会貢献支出の多い100 社ランキング 東洋経済オンライン ・最新版!「CSR 企業ランキング」トップ 700 社 東洋経済オンライン (1)まずは、それぞれのランキング上位100 社に焦点を当てることにした。次に、2 つの ランキング上位100 社それぞれに共通していた企業をリストアップした。 結果、該当した企業が60 社あった。 60 社は以下の通りである。

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アイシン精機 エーザイ 国際石油開発帝石 セブン&アイ・ホー ルディングス 旭硝子 大阪ガス コニカミノルタ ソニー アサヒグループホー ルディングス 大林組 コマツ 第一三共 アシックス オムロン JT ダイキン工業 味の素 キヤノン 塩野義製薬 大日本印刷 イオン 京セラ 資生堂 大和ハウス工業 イオンモール キリンホールディン グス スズキ 武田薬品工業 伊藤忠商事 クラレ 住友化学 中外製薬 NTT ドコモ KDDI 住友商事 帝人 デンソー 凸版印刷 パナソニック 三井物産 電通 豊田自動織機 富士通 三菱ケミカルホール ディングス 東京ガス トヨタ自動車 富士フィルムホール ディングス 三菱重工業 東芝 ニコン ホンダ 三菱商事 TOTO 日産自動車 マツダ 三菱電機 東レ 日本郵船 丸紅 LIXIL グループ (五十音順) (2)60 社の 2015 年または 2005 年の「CSR 報告書」等の有無を調べた。 上記でも述べたとおり、今回対象とするのは、「CSR レポート」、「サステナビリティレポ ート」、「環境・社会報告書」、「環境報告書」である。 これらの報告書の有無を調査し、2015 年または 2005 年のどちらか一方でも報告書が発 行されていなかった企業は次の25 社である。 (五十音順) アイシン精機 JT 電通 アシックス 住友商事 東京ガス

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イオン セブン&アイ・ホールディン グス TOTO 伊藤忠商事 ソニー ニコン NTT ドコモ 第一三共 日本郵船 エーザイ ダイキン工業 富士フィルムホールディン グス 国際石油開発帝石 武田薬品工業 ホンダ 塩野義製薬 中外製薬 三菱ケミカルホールディン グス LIXIL グループ (3)残り35 社となった企業から、次に、2005 年または 2015 年どちらか一方で、今回対 象としない「アニュアルレポート」、「統合報告書」が発行されているかどうかを調査した。 その結果、2005 年または 2015 年どちらか一方で「アニュアルレポート」、「統合報告書」 が発行されていた企業は、次の12 社であった。 (五十音順) 旭硝子 オムロン パナソニック アサヒグループホールディ ングス KDDI 丸紅 味の素 帝人 三菱重工業 大林組 豊田自動織機 三菱商事 なお、旭硝子は「AGC レポート」、大林組は「OBAYASHI コーポレートレポート」、豊 田自動織機は「豊田自動織機レポート」は、それぞれの企業独自のレポートであり、統合 報告書等と内容が変わらなかったため、今回の調査では対象外としている。 また、味の素は「サステナビリティレポート」、パナソニックは「サステナビリティレポ ート」をそれぞれの企業で発行をしていたが、どちらも今回焦点を当てているトップメッ セージの記載がなかったため、味の素、パナソニックの2 社も本調査では対象外としてい る。

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(4)上記の(2)、(3)を踏まえ、37 社を除いた 23 社を今回の調査対象企業とする。 今回の調査対象の23 社は以下の通りである。 (五十音順) イオンモール 資生堂 凸版印刷 大阪ガス スズキ トヨタ自動車 キヤノン 住友化学 日産自動車 京セラ 大日本印刷 富士通 キリンホールディングス 大和ハウス工業 マツダ クラレ デンソー 三井物産 コニカミノルタ 東芝 三菱電機 コマツ 東レ

① 調査方法

本研究では、CSR 報告書内のトップメッセージに注目をして調査を行っている。 理由は、トップメッセージには報告書全体の内容や企業全体の取り組み等が書かれてい るため、比較しやすいと考えたためである。 調査方法は、次の1~4 の手順で行った。 1.名詞のピックアップ 対象となる企業23 社の「CSR レポート」、「サステナビリティレポート」、「環境・社会報 告書」、「環境報告書」から、トップメッセージの文章中に記載されている「名詞」をすべ てピックアップした。 この際、「企業」、「環境」、「社会」など各企業のトップメッセージから複数取り上げられ た名詞は、すべて取り上げるのではなく1 つとしている。 なお、名詞をピックアップする際、「現代日本語書き言葉均衡コーパス」、「テキストコー パス」などといったソフトは、一切使っていない。 2.名詞の分類方法 ピックアップした名詞をトリプルボトムライン、「トリプルボトムラインとは、企業を財 務パフォーマンスのみを評価するのではなく、企業活動の環境的側面、社会的側面、経済 的側面の3 つの側面から評価すること」※8(引用元:CSR・サステナビリティ関連用語集

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トリプルボトムラインより)の定義を参考に用いて、ピックアップした名詞を分類した。 分類の方法は、ピックアップした名詞を「社会的側面」、「環境的側面」、「経済的側面」、 どこにも分類できない名詞を「その他」として、分類をした。 なお、名詞を分類している際に、「ステークホルダー」など、社会的側面、環境的側面、 経済的側面のどれか一つに分類することが難しい名詞も多数あった。 そのため、本研究では、名詞を分類する際は前後の文脈を読み、そこの意味から判断を して分類調査を行った。 ・名詞の分類分けの例 社会的側面 グローバル、支援活動、社会貢献活動、国連グローバル・コンパクトなど 環境的側面 大気汚染、ゼロエミッション、地球温暖化防止、再生可能エネルギーなど 経済的側面 コストダウン、株主、バリューチェーン、営業利益、サプライチェーンな ど その他 人類、精神、挑戦、歴史、企業、信頼など 3.名詞の色分け、集計 それぞれの企業ごとに社会的側面、環境的側面、経済的側面、その他を色で分類して、 それぞれの名詞の数を集計した。 4.グラフで表す 各企業1 社 1 社の集計結果と 23 社全体の集計結果をグラフで表した。

⑤調査結果

ここでは、本調査よりわかった調査結果を述べていきたいと思う。 まず初めに、調査結果をグラフにまとめたので、そのグラフをもとに調査結果、わかっ たことを述べていく。 以下のグラフは、某企業の調査結果をまとめたグラフと対象企業全23 社の調査結果をま とめたグラフである。 某企業は、23 社のうち 2015 年と 2005 年での名詞の数に最も違いがあった 1 社を例とし て挙げている。 ○某企業の調査結果

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上記のグラフは、対象企業23 社のうちの 1 社の調査結果のグラフである。 調査より、以下のことがわかった。 ・「ダイバーシティ」、「労働」などといった従業員の働き方に対する制度などの名詞が増え ていた。 ・2005 年では、「環境」、「環境保全」といった名詞しか記載されていなかったが、2015 年 では、「エネルギー」、「環境中期計画」、「地球温暖化」、「環境マネジメントシステム」とい った具体的な表現に変化をしていた。 ・経済面では、「サプライヤー」、「グローバル生産体制」といった名詞が増加傾向にあり、 2015 年の経済に分類される名詞は、全 23 社の中で 1 番多かった。 ○対象企業全23 社総合の調査結果 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2005 2015 2005 社会 33 15 環境 22 9 経済 23 5 その他 41 27

某企業の結果

0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2005 2015 2005 社会 480 406 環境 370 335 経済 193 169 その他 621 552

23社全体の結果

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上記のグラフと各企業の調査結果よりわかったことが次の通りである。 ・多くの企業でCSR を環境的側面ではなく、社会的側面からとらえている企業が多い。 ・2015 年では、2005 年よりも環境問題、社会問題に対して具体的な表現がされている。 ・「グローバル」、「被災地支援」、「労働」、「中長期目標(環境ビジョン)」といったキーワ ードが増えている。 ・全体を見ると、社会・環境・経済のそれぞれにあたる名詞の数が2005 年よりも増えてい る。 ・多くの企業で、2005 年の方が経済的側面について記載されている名詞が多い。 ・「中長期目標」という名詞が増加していたが、環境的側面よりも経済的側面として捉えて いる企業の方が多い。 ・多くの企業で2005 年よりも 2015 年の方がトップメッセージの分量が増加していた。 次に、23 社全体の調査結果を社会的側面、環境的側面、経済的側面、それぞれどのよう な名詞が増加傾向にあるのか調査してみた。 社会的側面:「グローバル」、「社会貢献活動」、「労働」、「雇用」、「ダイバーシティ」、「被災 地支援」といった名詞が特に増加傾向にあった。 環境的側面:「エネルギー」、「気候変動」、「CO2」といった名詞が特に増加傾向にあった。 経済的側面:「サプライチェーン」、「中期経営計画」といった名詞が特に増加傾向にあった。 以上が対象企業全23 社の 2005 年と 2015 年 CSR 報告書のトップメッセージの名詞を比 較してみてわかったことである。

5 章 考察

この章では、考察を(1)~(3)の3 つの側面から考察をしていきたいと思う。 (1)上記にある調査対象企業全23 社の調査結果のグラフからの考察 (2)全23 社の調査結果をさらに、社会的側面、環境的側面、経済的側面のそれぞれのグ ラフからの考察 (3)(1)、(2)を踏まえて全体を通しての考察 以上を述べていきたい。

(17)

(1)全

23 社の調査結果グラフの考察

まずは、上記にある調査対象企業全23 社の調査結果のグラフを見て、わかったこと、変 化の要因などを述べていき、考察をしていきたいと思う。 ○多くの企業でCSR を環境的側面ではなく、社会的側面からとらえている企業が多い。 この調査結果は私にとって意外な結果だった。 CSR 報告書にも環境負荷低減対策への取り組みなど多くの環境活動が記載されていると いうことも理由の一つである。しかし、本調査での結果では、多くの企業で環境的側面を 社会的側面が上回っている結果であった。 この結果より、現在、多くの日本企業では、環境問題はもちろんであるが社会問題に対 しても注目をし取り組み、対策等を行っていることが考えられる。 ○2015 年では、2005 年よりも環境問題、社会問題に対して具体的な表現がされている。 2005 年では、「環境問題」、「社会問題」といったキーワードが多く見られたが、2015 年 では、そのようなキーワードは減少していた。 2005 年では、「環境問題」、「社会問題」などといった抽象的な表現が多く見られた。 しかし、2015 年では、環境面では、「温室効果ガス」、「水」、「大気汚染」といった表現に 変化をしていた。 社会面では、「発展途上国支援」、「ライフサイクル」、「労働」といった表現に変化をして いた。 以上のことから、以前は環境問題や社会問題がただの社会問題の一つとして認識されて いたが、現在では温室効果ガス排出の削減、工場での節水、ワーク・ライフ・バランスの 徹底など具体的な問題に取り組むといった認識に変化をしていったことがわかる。 そして、近年では、各企業で地球温暖化、大気汚染、発展途上国問題、従業員の労働・ 雇用問題等の具体的な問題に対して、さまざまな活動や対策等を行っていることが考えら れる。 ○「グローバル」、「被災地支援」、「労働」といったキーワードが増えている。 「グローバル」では、多くの企業で海外への進出、事業展開の増加が背景にあると考え られる。 「被災地支援」では、東日本大震災や大雨による洪水被害などさまざまな自然災害が背 景にあるといえる。 「労働」では、新入社員の離職率問題や従業員の過重労働問題などが背景にあると考え られる。 以上のことから、それぞれの企業でその時代のさまざまな環境問題、社会問題を反映し た取り組みを行っていることが考えられる。

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○全体を見ると、社会・環境・経済のそれぞれにあたる名詞の数が2005 年よりも増えてい る。 これは、多くの企業で2005 年よりも 2015 年の方がトップメッセージそのものの分量が 多くなっており、社会・環境・経済の名詞がそれぞれ増加傾向にあるということは、企業 が多くの情報を開示してきている傾向にあると考えられる。 ○多くの企業で、2005 年の方が経済的側面について記載されている名詞が多い。 本研究で調査対象とした、23 社中 2005 年で「アニュアルレポート」、「統合報告書」を 発行している企業はなかった。 このことから、2005 年当時は、「アニュアルレポート」、「統合報告書」というものがなく、 すべての内容が「CSR 報告書」にまとめられていたからではないかと考えられる。 ○「中長期目標」という名詞が増加していたが、環境的側面よりも経済的側面として捉え ている企業の方が多い。 以上が、上記の23 社全体の調査結果のグラフより、わかったこと、気が付いたこと、考 えられることを踏まえての考察である。

(2)社会的側面、環境的側面、経済的側面それぞれの考察

次に、全23 社の調査結果を社会的側面、環境的側面、経済的側面、それぞれの結果を詳 しく見ていきたいと思う。 また、2005 年と 2015 年のトップメッセージの名詞をそれぞれ比較して、具体的にどの ような名詞が増加傾向にあるのか、その要因はどのようなことなのかということを明らか いにしていき、考察をしていきたいと思う。 以下のグラフは、社会的側面、環境的側面、経済的側面、それぞれの結果のグラフであ る。 ○23 全体の社会的側面に分類された名詞の結果

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上記のグラフより、2015 年では 2005 年より「社会的側面」に分類される名詞が増えて いるという結果であった。 また、実際に増えている名詞を調べてみた。 その結果、「グローバル」、「社会貢献活動」、「労働」、「雇用」、「ダイバーシティ」、「被災 地支援」といった名詞が特に増加傾向にあった。 「グローバル」という名詞には、上記の調査結果でも述べたとおり、多くの企業で海外 への進出・事業展開の増加が背景にあると考えられる。そのことに伴い、海外でのさまざ まな社会貢献活動(特に発展途上国への支援活動など)、国際交流活動が行われており、そ の結果が上記のグラフに表れているのではないかと考える。 また、「グローバル」という名詞が増えていることから、日本企業では国内のみならず、 海外にも目を向け海外での環境問題、社会問題への意識が高まり、さまざまな活動を行う ことによって、企業の周知、アピールに繋がっていくための手段の一つではないかと考え る。 「社会貢献活動」という名詞の増加から、企業と地域(地域住民)の距離感が以前より も近くなってきているのではないかと考える。 実際に、CSR 報告書を読んでいても 2005 年よりも 2015 年の方が、地域住民と協力や合 同でのイベント(例:お祭りや課外授業活動など)の記載が多いことがわかる。 以上のことから、日本企業は以前よりも地域社会に対しての意識が高くなり、企業自体 が積極的にイベントに参加をしたり、開催したりしていて、地域住民とコミュニケーショ ンをとれており、良好な関係を築きられつつあるのではないかと考えられる。 「労働」、「雇用」、「ダイバーシティ」という名詞の増加から、日本企業が従業員の働き 方改善に重点を置いていることがわかる。 また、女性が活躍できる場、海外の方々が国籍関係なく日本企業で活躍できる場、障害 がある方々が活躍できる場を推進している企業が多くなってきていることがわかる。 これらの名詞が増加傾向にある背景には、上記でも述べた通り、新入社員の離職率問題 や従業員の過重労働問題などが背景にあると考えられる。 「被災地支援」という名詞には、上記でも述べた通り、東日本大震災や大雨による洪水 被害などさまざまな自然災害が背景にあり、被災地に企業が救援物資の提供やがれき類の 480 406 2015 2005

社会

社会

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撤去などさまざまな支援活動を行っていることがわかる。 「被災地支援」という名詞は、2005 年度版のいくつかの企業の CSR 報告書でも記載は あった。それは、2004 年に新潟中越地震があったためであると考える。 一方、2015 年度版の CSR 報告書では、ほぼすべての企業で「被災地支援」という名詞 が記載されていた。 このような変化の大きな原因の一つは、2011 年に起こった東日本大震災であると私は考 える。 東日本大震災をきっかけに企業も被災地の復興支援活動に力を入れていることがわかる。 ○23 社全体の環境的側面に分類された名詞の結果 上記のグラフより、2015 年では 2005 年より「環境的側面」に分類される名詞が増えて いるという結果であった。 また、実際に増えている名詞を調べてみた。 その結果、「エネルギー」、「気候変動」、「CO2」といった名詞が特に増加傾向にあった。 「エネルギー」という名詞は、2005 年ではほとんど記載が見られなかったが、2015 年で は半数以上の企業での記載が見られた。また、「再生可能エネルギー」といった名詞でも記 載されていた。 このことから、現在の日本の各企業ではエネルギーの需要が高まっていることがわかる。 また、太陽光などを利用した再生可能エネルギーを取り入れている企業が増えてきている ことから、環境に配慮した経営がされていることがわかる。 「気候変動」、「CO2」という名詞の増加から、温室効果ガス排出の増加による地球温暖 化問題、地球温暖化による猛暑や大雨などの異常気象に対して、企業が対策などを行って いることが考えられる。 「気候変動」という名詞は、対象企業の2005 年度版 CSR 報告書では、1 社も記載がさ れていなかった。しかし、2015 年度版では記載がされている企業が目立った。 このことから、10 年間の間で、CO2・温室効果ガスによる地球温暖化、そして、地球温 370 335 2015 2005

環境

環境

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暖化による気候変動は、企業にとっても需要課題の一つに変化していると考える。 ○23 社全体の経済的側面に分類された名詞の結果 上記のグラフより、2015 年では 2005 年より「経済的側面」に分類される名詞が増えて いるという結果であった。 また、実際に増えている名詞を調べてみた。 その結果、「サプライチェーン」、「中期経営計画」といった名詞が特に増加傾向にあった。 「サプライチェーン」という名詞の増加から、各企業でサプライチェーンにおける社会 的責任を果たすための役割を積極的に行っているという変化がわかる。近年では、国内の みならず、海外サプライチェーン事業を行っている企業も増えてきていることも名詞増加 の理由の一つであると考える。 「中期経営計画」という名詞の増加から、現在の多くの日本企業では中期経営計画が企 業を運営していく上で、重要な要素の1 つであるとされており、その結果が、名詞の増加 の変化にも繋がっていると考えられる。 以上のように、23 社全体の結果と社会的側面、環境的側面、経済的側面それぞれの名詞 の変化を調べたところ、上記のようなことがわかった。 (3)(1)、(2)を踏まえての考察 以上のことを踏まえ、本調査結果より2 点考えられることを述べていきたいと思う。 1 つ目として、上記の調査結果より、日本企業の CSR が 2005 年からの 10 年間でよりグ ローバルなものとして変化し捉えられていることがいえる。 このことは、上記でも述べた通り「グローバル」という名詞の増加しているからである。 また、「グローバル競争」、「グローバル課題」、「発展途上国支援」などのグローバル関連 の名詞が増加していたことからもいえる。 実際、近年の日本企業では、多くの企業で海外へ事業を拡大させ、進出している。その 193 169 2015 2005

経済

経済

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ことに伴い、海外でのCSR 活動、社会貢献活動を行っている企業も比例して増加している 背景がある。 このような背景があり、日本企業においてCSR が以前よりもグローバルなものとして捉 えられていると私は考える。 2 つ目として、CSR 活動・社会貢献活動が環境や社会により根差したものに変化してい るといえる。 2005 年では、「環境問題」、「社会問題」とそれぞれ大きな枠組みとして一つの問題と捉え られていた。 しかし、上記でも述べた通り2015 年のトップメッセージでは、「エネルギー」、「水」、「二 酸化炭素(CO2)」、「気候変動」、「ダイバーシティ」、「雇用」、「被災地支援」など、「環境 問題」、「社会問題」というキーワードから派生して、具体的な表現がされていた。 このことから、10 年間の間で環境問題、社会問題に対しての日本企業の意識の変化、意 識の高まりがあるのではないかと考えられる。 以上2 点より、日本企業の CSR は 10 年前の 2005 年より、よりグローバルで環境・社会 に根差したものへと変化をしていることが考えられる。 そして、CSR は企業と地域のコミュニケーションの場という認識へ変化をしてきている と思われる。

6 章 提案

終わりに、本研究から特に増加していた「労働」、「雇用」、「ダイバーシティ」、「地球温 暖化」、「中長期目標」といった名詞を踏まえて、この章では、これらの名詞が増加傾向に 伴い、これから起こり得るであろう環境問題、社会問題に対してどのような取り組みを行 っていけば良いのかという提案をしていきたいと思う。 ○地球温暖化問題 地球温暖化は、数十年前から今日まで深刻な環境問題の一つとして、日本のみならず世 界共通の環境問題となっている。 本調査より、「環境問題」という名詞から「温室効果ガス」、「水」といった具体的な表現 に変化していることから、日本企業では地球温暖化に対しての意識の高まり、さまざまな 対策を行っていることがわかった。 さらに、地球温暖化によって、海面上昇による陸地の水没、水や食糧不足の増加、大雨・

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洪水・台風などの頻発による被害の増加など多くの事態が生じるとされている。このよう な事態を防ぐためにも、更なる地球温暖化防止対策が企業でも必要であると考える。 さらに、各企業で行っているさまざまな活動や対策の中で私が特に注目したのが、「中長 期目標(企業によっては、環境ビジョンとしているところもある。)」である。 今回の本調査により半数以上の企業のトップメッセージから、「中長期目標」という名詞 の記載が見られた。「中長期目標」という名詞は、増加傾向にあった名詞の中の一つでもあ る。しかし、環境面ではなく、経済面でとらえている企業が多かった。 そのため、環境面での「中長期目標」の制定を提案したい。 では、なぜこの中長期目標が必要であるのか? 私が考える中長期目標を制定するメリットは以下の通りである。 ・3 年後、5 年後 10 年後と目標を立てることにより、その目標に向かって企業一丸となっ て活動を進めていくことができる。 ・社員一人一人の意識が高くなり、たとえ目標が達成できなかった場合でも目標を立てな い場合よりもある程度の成果が出るため。 上記のようなメリットがあるのではないかと考える。 そこで、まず初めにしっかりと「中長期目標、環境ビジョン」を立ててから環境活動を 見直し、考えて行動に移すのはどうだろうか? 目標を立てることにより、従業員一人一人のやるべきことが明確となり、企業一丸とな って目標に向かい、CSR 活動の成果も現れるのではないかと思うからである。 ○少子高齢化に伴う人手不足問題 少子高齢化問題は、現在の日本において大きな社会問題の一つである。 そして、少子高齢化問題により懸念されているのが、企業の人手不足問題である。 近年、この問題もこれからの深刻な社会問題、労働問題として新聞やニュースなどのメ ディアで取り上げられていることも増えてきている。 実際、某企業では定年退職の年齢を70 歳まで引き上げるといった対策を行っているが、 そのような制度を行っている企業はまだごく一部である。 企業の人手不足問題の対策として考えられるのは、CSR 活動の中のダイバーシティ、女性 の活躍できる場、障がい者雇用の更なる推進であると考える。 そのため、ダイバーシティや従業員の雇用形態等を改めて見直す必要があると私は考え る。

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7 章 結論

本研究において、対象企業全23 社の CSR 報告書のトップメッセージの名詞を 2005 年と 2015 年で比較を行った。そして、日本企業における「CSR」は、10 年前よりもグローバル なものとして変化をし、捉えられてきていることがわかった。また、近年では「CSR」が 企業と地域とのコミュニケーションの場になってきているのではないかと考えられる。 名詞の変化に注目をすると、2005 年に比べ 2015 年では、「グローバル」、「被災地支援活 動」、「地球温暖化」、「エネルギー(再生可能エネルギー)」、「サプライチェーン」といった 名詞が増加していた。これらの名詞が増加していることから、各企業で現在の環境問題、 社会問題を反映した活動を行っていることが考えられるのではないだろうか。さらに、2005 年から2015 年の 10 年間で名詞の具体的な表現がされてきていることもわかった。 本研究では、CSR 報告書全体を比較したわけでなく、主にトップメッセージに注目をし、 トップメッセージ内に記載されている名詞を比較対象としている。 そのため、それぞれの企業で行っているCSR 活動そのものの取り組みの変化を調査して いるわけではない。 そのことを踏まえ、 ・企業のCSR 活動そのものの取り組みはどのように変化しているのか? ・近年では、どのようなCSR 活動が増えてきているのか? ・業界別に比較をしてみるとCSR 活動内容にどのような変化・違いがあるのか? などのことが、今後の課題ではないかと考える。

文献表

以下の表は、本研究において対象企業とした全23 社の名称と 2005 年と 2015 年の対象 報告書の一覧である。 調査対象企業と対象報告書 (五十音順) 報告書名 企業名 2005 2015 イオンモール サステナビリティレポート CSR レポート

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大阪ガス CSR レポート CSR レポート キヤノン サステナビリティ報告書 サステナビリティレポート 京セラ 社会・環境報告書 CSR 報告書 キリンホールディングス サステナビリティレポート 環境報告書 クラレ 環境・社会報告書 CSR レポート コニカミノルタ CSR レポート CSR レポート コマツ 環境・社会報告書 環境報告書 資生堂 CSR レポート 環境報告書 スズキ 環境・社会レポート 環境・社会レポート 住友化学 CSR レポート CSR レポート 大日本印刷 CSR 報告書 CSR 報告書 大和ハウス工業 CSR レポート CSR レポート デンソー 環境社会報告書 CSR レポート 東芝 CSR レポート CSR レポート 東レ CSR レポート CSR レポート 凸版印刷 CSR レポート CSR レポート トヨタ自動車 環境社会報告書 サステナビリティレポート 日産自動車 サステナビリティレポート サステナビリティレポート 富士通 社会環境報告書 環境報告書 マツダ 社会・環境報告書 サステナビリティレポート 三井物産 CSR リポート CSR レポート 三菱電機 環境社会報告書 CSR レポート

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1.田中敬幸(2014)「日本の CSR の特徴と変遷-CSR 報告書における企業トップの声明の分析 -」,『日本経営倫理学会誌』21. 2.下田屋毅(2014)「『CSR=社会貢献』という考えは、時代遅れ_欧州がリードする、CSR の『2020 戦略』とは?」,<http://toyokeizai.net/articles/-/31387>,(2016 年 9 月 4 日取得) 3.「第 2 回東洋経済 CSR セミナー テーマ:なぜ CSR に取り組むの か?」,<http://www.toyokeizai.net/csr/articles/tk_seminar140709.html>, (2016 年 9 月 4 日取得) 4.「CSR ってなに?」,<https://www.scsk.jp/corp/csr/about.html>,(2016 年 9 月 4 日) 5.「CSR の取り組みとは?」,<http://www.omron.co.jp/about/csr/what/csr_efforts.html>, (2016 年 9 月 5 日取得) 6.「クリック支援サイト 4en CSR とは?」,< http://4en.jp/4en/csr>, (2016 年 9 月 5 日取得) 7.「iFinance アニュアルレポー ト」,<http://www.ifinance.ne.jp/glossary/management/man032.html>,(2016 年 12 月 26 日取得) 8.「CSR・サステナビリティ関連用語集 トリプルボトムライン」, <https://www.mitsue.co.jp/case/glossary/c_022.html> (2016 年 11 月 30 日取得) 9.「緑の goo 『CSR 報告書』とは」, <http://www.goo.ne.jp/green/business/word/business/S00188.html>,(2016 年 11 月 30 日取 得) 10.「なっとく! 再生可能エネルギー」, <http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/family/>, (2016 年 1 月 3 日取得) 11.「TOYOTA ホームページ CSR・環境・社会貢献」,

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以下は、本研究における対象企業全23 のトップメッセージに記載されている名詞をピッ クアップした表となっている。

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2015年        2005年 理解 グローバルな事業活動       QCサークル活動 グローバル化 グローバル グローバル社会 グローバルトヨタ コストパフォーマンス  トヨタ・モビリティ基金 サプライヤー      トヨタグローバルビジョン ビジネス トヨタの技術 ビジネスパートナー   トヨタ車 安全       モビリティ社会 安全技術        価値 海外生産拠点       価値観 株主          課題 環境技術       会社 企業価値        環境 企業姿勢        環境課題 企業市民 関係者 企業風土 技術 基本理念        経営基盤 技術革新        研究開発推進 共存共栄 原点 空気       現地現物 経済発展 交通安全 健康       貢献 言葉       豪州走破プロジェクト 雇用 支援 時代 事業展開 社会的責任 持続的成長 取引関係 自動運転技術 受発信基地        自動車会社 収益向上        社会課題 情報       社会情勢 情報技術        取引先 職場力 重点分野地域 進化       信頼 人間性尊重 信頼関係 人材の育成 人 生産革新        人材 生産拠点       水素社会 精神 世界のモビリティ分野 責任          政府、 全世界        精力的 相互責任 先輩 地域社会 専門家 長期安定的成長     専門知識 適切な配当       創業 努力 大学 販売台数        地球温暖化 豊田市       仲間 魅力          挑戦 理想          町 労使相互信頼 調査機関 道のり 年輪 燃料電池技術 燃料電池自動車「MIRAI」 非営利団体 豊田喜一郎 夢 木 予防安全技術 理念 歴史

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○東芝 2015年 2005年 不適切会計の問題 第4次環境ボランタリープラン CSR CSR CSR経営 CSR活動 コーポレート・ガバナンス改革 CSR調達方針 コンプライアンス イニシアチブ ご信任 お客様満足 ステークホルダー グローバルな市場 安全 グローバル化 意識改革 グローバル企業 会計処理の問題 コミュニケーション 株主 コミュニティ 環境 デジタル・デバイド 企業集団 ノートブック型パソコン事業 企業風土改革経営課題 ユニバーサルデザイン 基本原則 安全 技術 化学物質 経営トップ 環境 経営体制 環境効率 経営理念 環境負荷 貢献 企業 国連グローバル・コンパクト 企業活動 市場 企業経営 事業活動 企業市民ルール 社会的責任 技術革新 信頼 教育 新経営体制 経営理念 人間尊重 行動基準 人権 行動規範 生活 貢献 生命 国連グローバル・コンパクト 全社一丸 災害被災地 東京証券取引所 子どもたち 東芝グループ 支援 東芝グループCSRレポート2015 資源 当社株式 事業 特設注意市場銘柄 事業プロセス 内部管理体制 事業活動 品質 持続可能な社会 不適切会計の問題 実行計画 腐敗防止 社会 文化 社会貢献 名古屋証券取引所 社会的ツール 有価証券報告書 社会的責任 臨時株主総会 従業員 労働 遵守 人権 生命 説明責任 総合環境効率 存在価値 知的ツール 地球温暖化 地球環境 地球内企業 調達取引 東芝グループ 東芝グループ環境ビジョン2010 東芝グループ経営ビジョン 東芝グループ行動基準 普遍的原則 文化 法令社会規範 法令遵守 歴史 労働

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○大日本印刷 2015年 2005年 CSR調達 21世紀ビジョン DNPグループCSR調達規準 CSR エネルギー CSR委員会 エネルギーマネジメント CSR推進室 エレクトロニクス部門 DNPグループ21世紀ビジョン グローバル DNPグループ行動憲章 グローバル課題 DNPグループ社員行動規準 コミュニケーション VOC サービス コミュニケーション サイエンスワークショップ ステークホルダー サプライチェーン全体 トルエン ソリューション ミーティング ディスプレイ製品 課題 パッケージや住空間マテリアル 環境大臣賞 ライフスタイル 環境投資 安全・安心 環境保全 印刷・加工用紙調達ガイドライン 環境問題 印刷技術 企業文化 仮設住宅 企業倫理 課題解決 経営理念 海外 経済活動 環境 研修 環境破壊 個人情報保護事務局 環境配慮製品 個人情報保護法 漁業支援 行動憲章経営理念 健康 行動指針 健康で自立 貢献 現地ボランティア活動 事業ビジョン 貢献 社会課題 香港事務所開設 創発的社会 高度情報化社会 大幅削減 資材調達 地球環境大賞 事業 溶剤回収装置 事業活動 事業領域 持続可能 次世代育成 次世代教育 社員 社会 社会貢献活動 出張授業 出版印刷 商業印刷 小学生 情報コミュニケーション部門、 情報技術 人権問題 成長領域 清掃活動 生活・産業部門、 製造過程 製品・サービス 超高齢社会 低環境負荷社会 電子デバイス 東日本大震災 復興支援 文化 予防医療関連

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○コマツ 2015年 2005年 CO2 コーポレートガバナンス CO2削減 コンプライアンス(法令順守) CO2排出削減 ステークホルダー CO2排出量 ディーゼルエンジン CSR活動 モデルチェンジ ICT 安全 KOMTRAX 海外現地法人 WBCSD 環境 イニシアチブ 環境活動 イノベーション 環境負荷 イノベーション 環境保全活動 ガバナンス 購買 グローバル 市場導入 グローバル企業 生産 コーポレートガバナンス 第3次排ガス規制 コマツウェイ 調達先 コンプライアンス 低減活動 スマートコンストラクション 販売・サービス ソリューション事業 販売・レンタル、 ダントツ ソリューション バイオマス蒸気ボイラーシステム バリューチェーン 安全 海外現地法人 環境 環境対応 環境負荷低減 国連グローバル・コンパクト 産学連携 事業領域 社会貢献活動 社会貢献活動 社会的使命 熟練労働力 人材育成 人材育成支援 生産改革 地域支援活動 地域社会 中期経営計画 電力削減 電力削減活動 年間購買電力量 燃費改善運転 品質保証

(37)

○デンソー 2015年 2005年 エコファクトリー化 ITS世界会議 CSRレポート エコビジョン2005 NGO・NPO・慈善団体 エネルギー効率 エコカー クルマ ガソリン車 クルマ社会 クリーンディーゼル車 グローバル クルマ ステークホルダー グローバル企業 スポーツ大会 コミュニケーション ゼロエミッション スローガン センサ セキュリティシステム デンソー エコビジョン2015 ダントツ工場づくり デンソーエコビジョン2005 デンソーグループ デンソースピリット デンソーグループ2020年長期方針 デンソースピリット デンソーグループハートフルデー デンソービジョン2015 トヨタ燃料電池車「MIRAI」 ハイテク社会 ドライバーステータスモニタ ハイブリッドカー ドライバーの運転 ビジョン ハイブリッド車 安全分野 ユニット製品 運営ボランティア 安心・安全 温室効果ガス 安全運転 化学物質 維持 活動報告 温室効果ガス 環境 温室効果ガス排出量 環境マネジメントシステム 課題 環境学習 過疎地域 環境活動 解決策 環境経営 改善 環境先端技術 環境制御システム、 環境破壊 環境性能 環境負荷 環境分野 環境負荷物質 企業 技術 企業集団 技術革新 技術開発 京都議定書 公道実験 交通システム 高度運転支援 交通事故 再生可能エネルギー 国際公約 削減目標 削減目標 事業活動 使用量削減 持続可能な社会 事業領域 自動運転 持続可能な社会 社会 自動車産業 社会課題 従業員 社会貢献プログラム 小学生 消費エネルギー 障害 省エネ活動 人材 省燃費 水資源 新型コモンレールシステムのボルボ車 制御システム 人 節減 水素社会 地球温暖化防止 制御技術 地球環境問題 生産システム 二酸化炭素排出量 生産効率 排出ガス 生産性向上 報告書 製品開発 万国博覧会「愛・地球博」 鮮度品質 地域社会 地域社会の課題 地球環境 地球環境 長期方針 電子回覧板 農産物 排ガス浄化 排出量 負の影響 予防安全 冷蔵・冷凍システム

参照

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