Author(s)
真喜志, 庸二
Citation
琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &
Engineering Division, University of the Ryukyus.
Engineering(4): 17-35
Issue Date
1971-04
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/24008
AnI
n
ves
t
i
gat
i
o
nofDamge
dTur
b
i
nesan
dRe
duct
i
on
Ge
arsi
nACa
ne
-
Su
garMi
l
lPl
a
nt
Cane-sugarmakinghasbeena principal industry in Oinawa for a 一ong time,and recently theequipmentsand processes of the sugarmaking has beenmodernized byintroducing high pressure boilers and steam turbines. So, the properoperation and maintenanceofevery mechanica一 unitinthe factoryllaVe become important tasks from the viewpoint of engineers, becausea single trouble of themechanical unitw川 possiblycausealarge damageintheoperationof the mill plant.
Thispaperdealswith a systematic ana一ysisof a mechanica一 accident ofthe mill turbines and reduction gearsatoneof tlle Cane Sugar mi一l plantsin Okinawa.Theworlくincludes the investigation of the operative andmaintenance conditionsat every mechanical unit,visual identification ofthe damaged parts (mill turbine axis, teeth of the reduction gears
,
metal bearingsand thecouplings) and tlle composition analysis of the turbine axismaterial.
Through a c一ose examination of these minoranalyses,the mainfactors which have causedtheaccident arepointed out as follows:
1) Thefatiguephenomenon on the faceofthe damaged turbine axis 2)Theeccentric revolutionofthe turbine axis due to the wear of the
metal bearings arings
3)Axialforcesbetween the flangesofthe couplingswhile the eccentric running of the turbine axis
4) Scratched flawson the thrust facesof the meta一bearings
5)Tllelarge clearance between the metal bearing and the turbine axis.
ケ- ン ミル ター ビ ン及 び減速 機 の破損 事故分析 十
真 書
志 庸
二Yasuji M akishi
1
. ま え か き 沖 縄 の製糖 tJ易に お け る甘庶 の圧 搾 は 、牛馬 に よ る畜 力及 び水 力 (水 車 ) か ら、動 力用 エ ン ジ ンの 発適 に よ って 、蒸∼iエ ン ジ ン、単気 筒 デ -ゼ ルエ ンジ ン等 が使 用 され て来 た。 現/i三操 T:して い る人
里分 '・4..'糠 T_場 は10杜15工場 で 、 その 中 、二 工場 が往 復 動 蒸気 エ ンジ ンを 使 用 して い る。 また 、蒸 気 ター ビ ンで発電 して、電 動機 に よ -)て ミル ロ ー ル を勅 か して い る工*
・ヱイ寸1970年12日1511 LEl=二草;7Ji機械「.;'・科場 があ って、戦後 は どの工場 において も蒸気 ター ビ ンは使 用 されてい る。往 復 動 エ ンジ ンの工 場 で も、発電 は蒸気 ター ビ ンを使 用 して い る。 それ に伴 いボ イ ラ も大型化 し、蒸気圧 力 も20kg
/
cm 2以上 が使 用 され、エ ンジ ン効率 向上 の ため過 熱 器 も据 付 け られ、甘庶 の圧 搾能 力 も向上 し た。 この よ うに 蒸気 夕- ビ ンは製糖 工場 で は、最 も重要 な原動 力 と して、整備 点検 に も細 心 な荏 意 を払 い、今迄 、事故 ら しいの もで た こ とが を く、軸 受 の発 熱 による損 傷程 度 で あった。今般 、 大型 分密糖 工場 の ケ- ン ミル ター ビ ン(
Canemi
l
lt
ur
bi
n
e)
が破 裂 事故 を起 し、同時 に減 速機 も 破損 した こ とは、他 に例 をみ をいめず ら しいケー スで あ るO この ター ビ ンは、甘庶 を圧搾 す る 原 動機 で 、減速 機 を介 し、 又、 ケ- ン ミルへ の動 力伝 達 の た め、3m
余 の大歯 車 を中継 と して い るの で、 ミル か らの影響 も考 え られ る事故 で ある。 この事故 を調査 分析 す る こ とは、沖 縄 の製糖 工場 のみ な らず、 ター ビ ンを使 用 してい る他 の 上場 において も参考 に なる こ とが多 々 ある と思 われ る。幸 に、 この事故 を調査研 究 す る機 会 を 得 たの で、 その調査 分析 結 果 を報 告 す る。2
ター ビン及 び 減速 横 の 要 目 ィ、 ター ビ ン 定格 出 力 286KW (380HP) 過 負荷 出力 357.5KW (450HP) 蒸気圧 力 13kg/cm2 蒸気温 度 280℃ 排 気 圧 力 1.0kg/cm2 回 転 数 4.500RPM 段 落 数2
勃発 列数 2 繋節 円径 500mm ノズル数5+ 1- 6
ロ、減 速 機 小 歯 車 直径 95mm モ ジュール4 歯数 23枚 大歯 車 直 径 686mm モ ジュール4 歯数 166枚 歯 巾 ハ、
注 油 ポ ンプ 容_
L
il
l
i_
_
吐 出圧 力 吸入斥 力 回転数 収入 H往 lli.Lilr1ほ 74mmの は すば歯車2
m3/
H
6kg/cm2-ど - O.5kg/cm'2g 666.6RPM 35mm 25mm u l二の よ うな要 目で あ るが、 ター ビ ンの常用
回転数 は 4,15()RPMで、
l抑 '(lltl誹 の24
時
閥 の ボ イ ラ-チ - ターは 、次 表 の通 りで あ る0琉球大学埋工学部紀要 (工学者) 缶 胴 庄 過 熱 器 圧 力 温 度 給 水 量
缶 水 PH
缶 水 濃 度
で良好 な値 で あ り、 また、 ター ビ ン運転 デー ターの平均 は 蒸 気 圧 蒸 気 温 度 回 転 数 調速機油圧 軸 受 油 圧 前軸受温度 後軸 受温度 で設定蒸気 条件 との差 が、温 度 にお いて は大 きい。3
運転及 び整備 状 況 の経 過 当工場 の ケ- ン ミル駆 動用 蒸気 ター ビ ンと減 速機 は1
9
61
年 に設 置 され、 8
期 の製糖 を経 過 し て お り、 その間 、 ター ビ ン及 び減 速機 の安陣 による停止 は を く、ボ イ ラの洗缶 や原料 切 れ等 に よ る停止位 で あった。 今 回、 8
年 も経 過 したの で、軸 受 の摩耗 修 正 の ため、製糖 開始 前 にメー カー によ り、 ター ビ ン軸 受及 び ラ ビ リンスパ ッキ ンの フ ィ ンが前後部 共取 替 え られ たO その時 の修 正状 況 は第 1蓑 に示 す と りで ある。 また、減 速機 は設 置 されて か ら、事故発生 日まで軸 受 は勿 論 、 その他 の部 Table.1 Clearanceofbearingofsteam turbine 設 計 時 分解 直 後 組 立 直後 メタルF
一
㌃i
3
0.
2
4
-0.
3
0
0.
1
8
-0.
2
0
R
0.
1
3
0.
3
5
-0.
4
0
0.
1
8
-0.
2
0
ス ラス ト0.
1
5
0.
2
0
-0.
2
5
0.
2
0
-0.
2
5
ラ ビリ ンスRF
F
0.
0.
1
1
0
0
0.
0.
3
3
0
0
-
-0.
OAO
4
0
0.
0.
2
2
5
5
-0.
-0.
2
2
7
7
R
0.
1
0
0.
3
0
-0.
4
0
0.
2
5
-0.
2
7
-ラ ビリンス(蒸気 )F
0.
2
0
0.
5
0
-0.
6
0
0.
2
5
-
0
.
2
7
品 につ いて も、一度 も取 替 え られて い ない。 それ等 につ いて、沖縄 本 島及 び離 島 の8工場 を調 査 した結 果で は、 ター ビ ン軸 受 の取 替 えは2- 3
社 あ った が、減 速機 軸 受 につ いて は取 替 え ら れた例 は か 、O なお、 多 くの場 合 、減 速機 につ いて は特 別異常 が か )限 り、分解 しか 、よ うに メー カーか ら指示 を受 けて い る。 また、減 速機 軸 受摩耗 量 につ いて は、 3
工場 が測 定 して い る だ けで あ る。 この3
工場 の デ ー ター か ら、減 速機軸 受 の 1峯望糖期 間(
1
0
0-1
5
0
日操 業 )当 り2/1
0
0m
m
程度 と算定 され た。 この こ とか ら正 常運転 で あれば、事故 発生 前 の減 速機 軸 受最 大 隙間 は0.
3
6mm程 度 で あ った と考 え られ る。 ター ビ ン軸受取 替 え前後 におけ る、 ター ビ ン及 び減 速機 の軸受温度 、油圧 の変化 は策 1図 に 示 す通 りで、特 に、 ター ビ ン軸 受温 度 につ いては、軸受取 替 え前後 にお いて、1
0
度 内外 の上 昇 がみ られ る。 各 製糖 期 において、 ボ イ ラは1
2-1
4
k
g/
cnf 蒸気温度2
3
0-2
7
0
℃ で運転 され、事故 当 日の 蒸気圧 力の変化 は写真 1の円 グ ラフで 、指 で示 す よ うにその時 刻 にお いて も、新 著 な変化 はみ られ か -。従 って,過 負荷 及 び ター ビ ンの暴走 回転 等 が起 った とは考 え られ か 、。1
9
ミ ル タ ー ビ 、 九 六 八 年 柚 ・訓丈伴 え前 柚乏収伴え後 ‡ 品 一 受 ▲ 月 取 後部柚 乏詰TLI .i: 管 A▼ ● - - - A______________二 i)JJ1() L2() '293111() 20 1邪8年 311月10 20 312日lO l鮪9年 :‖1 10 27 Fig.1 Bearing temperatureofsteamturbine 1.1 ︰JJ gk つ・︼ l
Photo.1 Recordingofsteampressure
4
破 損 状 況 の調 査及 び検 討 本 事故 の破 損 状況 をみ る と、 ター ビ ン軸 の変形 、折損 、 カ ップ リングの変形 、軸 受 の破損 、 減 速機 軸 の変形 、減 速機 歯 車 の破 損 等 が明 白 に観 察 され る。 この状況 か らA.
ケ- ン ミル ター ビ ン :1. カ ップ リ ングC.
減 速 機 の三点 に分 けて調査検討 した。 A ケ-ソミルタービンⅠ)
ミルタービン軸 破 損 した ター ビ ン軸 は、第 2図 に示 す通 りで、最 大湾 曲軸線 を含 む面 に垂 直 を方 向 か らみ た琉球大学理工学部紀要 (工学篇) 喜 1 ! u n l J q S u !d u p a S O q do u d 芯 u
J
O
q D l a q S N ・B投 影 図 で あ るが、 ター ビ ン軸 の変形 は、実 際 には三 次 元 的 で あ る。 しか し、最 大湾 曲方 向 と比 較 して、他 の方 向 の変形 は極 めて小 さい。 尚、第
2
図 の右 上 に ター ビ ン粕 d)写 真 を添 付 した。 ター ビ ン軸 は、図 のA-B面 で折 れ、 ター ビ ン翼 に近 い ラ ビ リ ンス は、押 しつ ぶ され南 平 に なって い る。 また、 ス ラス トカ によ って 、 ス ラス ト受 け面 の付 け根 が、半 円周 に亘 って努 断破 壊 されて い る。 減 速機 軸 につ いて は取 扱 説 明書 に、SNC-21(NiCr構 造 用 合金鋼 ) と書 かれ て い るが、 ター ビ ン軸 につ い て は鍛 鋼 と書 いて あ るだ けで 、 は っ き り した材 質 の記 載 が をい。 製鋼 会社 に依頼 して分析 した結 果 は第2表 に示 す通 りで あ る。 C M n S Cr NiTable.2 Component of turbine shaft
これ らの値 か ら、 ター ビ ン軸 は合 金鋼 で は な く、 中炭素鋼 か炭素鋼 鍛 鋼 P-P3・)rthあ る と思 われ る。 従 って、 その材 質 は特 に問題 が あ る とは考 え られ ない。写 真2は軸 の破 断 面 を示 し、第3図 は
Photo.2Brokenfacesofsteamturbineshaft
Fig.3 Sketchofbrokenface これ をスケ ッチ した もので あ る。 この破 断 面 か らわ か る よ うに、 亀裂 は ラ ビ リ ンスの付 け根 か ら出発 して お り、 その点 を中ノL、と して 、滑 らか を貝殻 状 の縞 模 巌 ゞ拡 が って い る。 その他 の部 分 は粗雑 で、凹 凸 に富 んで お り、 亀裂 出発点 を中心 に シェ ブ ロ ン模 様 が扇形 に拡 が って い る。 次 に、使 用 中 にお け る伝 動軸 の外縁 振 り応 力 を求 めて み る と、同工場 にお いて は、 回転 数
N-4,150 RPM・,伝達 動 力p-286 KWで運 転 して お り、 また、破 損 部 分 の軸 径 は65mmで あ るか琉球 大学甥工学部紀要 (工学者 ) ら、 これ らの値 か ら計 算 した外縁携 り応 力 は 1・25kg/mm2程 度 で あ るO 従 って、問題 の軸 において は、使 用 中 にお け る外縁掠 り応 力 は十分 に小 さい。 しか し、 ラ ビ リンスの付 け根 の隅 肉半径 は殆 ん ど零 で あ り、 また、加 工工程 中 か、軸 受取 替 え時 に、不注 意
5
) にラ ビリンスの付 け根 にキ ズ をつ けて おれば、 その部 分 は二 重切 欠 の作 用 を呈 す る こ とになる。 従 って、形状係 数 が極 めて大 きい もの と考 え られ るので、本軸 に関 して は症労 強 さ と亀裂強 さ とを区別 す る必 要 が あ り、更 に軸径 が大 き くなるにつ れて、疾労 隈 が低 下 す る こ と、即 ち、寸6
) 法効果 も無 視 で きか 10 本軸 において は、破 断 面 は互 にす りあった形 跡 もみ られず 、 しか も、著 しく摂 り曲 げ変形 し て い るので、疲労破 面 の進 行 によ って、有効断 面積 の減 少 した軸 に、衝 撃頼 り曲 げモ ー メ ン ト が作用 して、衝 撃破壊 をお こ した もの と思 われ る。 なお、本 軸 は事故 発 生時 に第4図 の位 置 (約15m離 れた処 )に飛 ん だ。 また、 カ ノブ リング及 び軸受 カバ ー も図 の位置 に飛散 した。写 棚,i-/)J、-tのI一L一-'.く;L,-/I.: IJt,I.fJシ .L..,トJr!- :)(,I,二;'l')iFig.4 Dispositionofcanemillshopandplaceofflinders
其 3
は事故 発生後、 3
ケ月 を過 ぎた と きの もの で、 ミル ロ- ルは取 りはず され、 ター ビ ンは他 社 のもの が設置 された状況 で あ る。 ター ビ ン及 び減 速機 は、白 くラギ ング され た蒸気 管 の直下 にあ り、白い円弧 の カバ ーの下 にはBi・終減 速大歯 車 が ある。 ミルロー ルは大歯 車 の左側 のLTq部 に設置 され る。Photo.3 Ⅱ) ラビリンス ラ ビ リンス は ター ビ ン中心 か ら、 それ ぞれの軸 方 向へ番 号 をつ け る。第3表 は第5図 に示 して ある方 向 の、 ラビ リンス外径 の変化 を表 わ し、表 中 のhは片摩 領域 での、 ラビ リンスの変形 後 の最小 山 の高 さを示 す。第 6図 は、 ター ビ ン翼 を中心 と して測 定 した もので、縦軸 は第5図 の h を表 わ し、横 軸 の
Table.3 Wear volume ofLabyrinth Packing
l
i xXー タービン翼 と軸受! yY AA1ー ●′間訂ー 夕-X
X
ビン糞 と軸受BB′間YY-1 ---h---I-1 1 .` 67.66
9
.
0
0
.
5
67
.9
69
0
;
0-
5
2 67.56
9
.
0
0
.
5
67
.8 69
.
0
0.8
. . 3 67.76
8
.
9 I 0
.
5 l
67
.8 69
.
O
f
I
O
.7
, 4 68.26
9
.
3 ー 0
.
9
67
_
8i
68.
9
萱
0.5
ー
-一1▼ l UI.JU
U
.
J l U
.
J I
U
一
.U
t
U
J
.
V
I
U
.∫
68.2 .6
9
.
3 ー 0
.
9
67
_
8 68.
9
萱
0.5
_
. 6g.4 69
.
8 l 1
.
0
67
.6
J
69
10
0.3
68.7 70.
0 ■ 1
.2
67
.5
7
68.
8 .0.1
69 . 0 70.0 1.5丁
I
ir8 68.8千 0.--6 ■■■十 -[ 69.2 69. 9 1.7 l 67.7 68._0 0.9 69.6 69.9 2.16
7
ー8
6
7
.4
1.0琉球大学理工学部紀要 (工学者)
4.
0
盲 3.
0
12.
0
.-I
.
/_/ I/'
/ ●/ '\.
I.
仁
o
\.
\
′ノ ′.
へ
■一
・
一
日-●
/
AAi
>R一B
ビ ン 中 心 Fig.6Wearvolumecondition 数字 はラビリンス番号 を示 す。 ラビリンスの摩耗前の高 さは、縦軸 の2・
5
mmの点 を通 り、横軸 に平行 な一点鎖線で表 わ して ある。 この グラフか ら、 ラビリンスの摩耗量 は、 ター ビン近傍で 大 きく、軸受の方へ近づ くにつれて減少 していることがわかる。 しか も、 ラビリンスは全周 に 沿 って、一様 に摩耗 しているのでは な く、疲労破 面側 が摩耗 してお り、 また、第5図 に示 す よ うに、摩耗角度 は1
5
0
度位 で ある。す なわち、片当 り現象 を呈 してお り、 この ことか ら、軸 は 偏心回転 していることがわかる。 ところが、ケ ーシング側 ラビリンスは、全周 にわたって、殆 ん ど一様 に摩耗 してお り、従 って、 ラビリンスの片当 りが、ただ単 に、衝撃破壊時 に形 成 され たものではない とい うことがわかる。勿論、衝 撃破壊時 にも、 ラビリンスの摩耗 変形 は一層促 進 されたで あろ うが、 それ以前 に、 ラビリンスが片当 りしていた時間的経過 があったことは否 定 で きか ゝ。 それが破壊時 に異常音 を発 した とい うが、 その間の摩耗 で あるか、或 は、 それ以 前 か ら片当 り していたかは、 ラビリンスの破損後 の観察 か らは判断で きか 、. Ⅲ) 軸 受 第7
図は ター ビン翼、軸受、伝動軸 等 の配置図で、蒸気流入側 を前部 とす れば、 ター ビン後 部(
B-B'
)
の軸受 がひ どく損傷 している。 事故後、拾 集 された軸受の破損状況 は、写真4及 び写真 5にてわかるよ うに、前後部軸受面 とも焼付 いた形跡 があ り、 また、 その近傍 にはむ しり取 られたよ うなキズがある。特 に写真 4 の C、及 び写真5
の C、d
で は よくわかる。 ス ラス トを受 ける面の圧縮 変形 も大 きく、写真5
-aの上方の陰影部 がその変形 で あるO後部軸受(
B-B′
)
の下部軸受背面 には、圧縮 キズ と 共 に溝 が全 くな くな り、後述 の減 速機軸受の破損状況 と朋 連 す る点 は、 ミル ター ビン側 の軸受 面 に焼付 けの形 がみ られ ることと、下部軸受の背面が押 しつぶ されていることで ある。 また、 前部 (A-A′)の軸受 は、上下共 に軸受 メタルが写真4のb ・dのよ うに押 し出 されている。 をお、ボル トの折損状況 は写真6
の よ うで、 ター ビン側後部軸受 (第7
図BIB′
)
のキ ャップ ボル トは4本共折損 し、減速横側 (第7図C-C′)は片側 のみ折損 している。いずれ も急激 な 引張力 によって切断 された形跡 があ り、写真6
の右 よ り4
番 目がター ビン側 のボル トの切損状況 である。 軸受面の焼付の発生 (生成 )に関 しては、軸受取替 え時 における当 り面の修正不良、 その後 の潤滑不良、或 は、事故 の進行 中 における軸 の変形 によって、異 常 に押 しつ け られた結 果 によp
C
).,7 lJI
1持シャノ
ト
I「
■一■■.一、Ilik'._坐ーi Li' ソ oB どチIoA
/セ
ン
--
川
t
J
I
.
.
-
,
,
.
I
,
,
○8′ クI OA'Fig. 7 Dispositionofreductiongear,turbineroter,mainshaftandcouplingetc.
Photo.4 Frontbear-ingofsteam turbine
る もの、 この三 者 が考 え られ るが、軸 受 面 の軸 方 向 へ の傾 斜 摩 耗 が み られ ない こ とや 、 第 1図 にお いて示 され て い る軸 受取 替 え前 後 の軸 受 温 度 の上 昇 した こ と、 お よ び、油 圧 に大 きな変動 が ない こ とを あ わせ て考 え る と、 当 り面 の修 正 不 良 に よ る焼 付 けで あ る と推 定 され る。 換 言 す
琉球大学理工学部紀要 (工学青 )
PI
竹tO.5
Re&rbearingofsteamturbinePhoto. 6 Mountingboltsofbearing
る と、潤滑 不 良 か らくる もので な く、 また、変形 した ター ビ ン軸 の回転 によ る焼付 けで もな く、 当 り面の修 正 不 良 に基 づ く焼付 けで あ り、軸 受取 替 え後 約
3
ケ 月の時 間 的経 過 を もって進 行 し て行 った もので、 その結 果軸 受 間 隙 が次 第 に増 し、軸 の振 動 や軸線 の くるい を促 進 せ しめた-ツの 因子 と考 え られ る。 その他 、 ス ラス トを受 け る面 の圧縮 変形 は、後 述 のB項 の カ ップ リ ングが変形 す る際 、互 に 押 しあ う力 によって生 じた もので あ り、 また、過 度 の焼付 けによ って 、写真4の よ うに部 分的 にむ しり取 られ た もの と考 え られ るが、 両者 いず れ も事故進 行 中の損 傷 、 い わ ゆ る二 次 的損 傷 で ある。B・
カ ップリング 減 速機 側 の カ ップ リ ング には緩衝 用 ゴ ム が は め込 ん で あ るが、 ミル ター ビ ン側 の カ ップ リン グ には それ は な く、直 接 ピ ンを差 込 む よ うに なって い る。 事故 後拾 集 した ピ ンは写 真7の よ うPhot
0
,
7
に変形 し、4本 を集 め ただ けで 、他 は いづ こ に飛 ん だ か不 明 で あ った。 また、 ピ ン自体 は減 速 機 側 には 自由 に抜 け る よ うに なって い るが、 完 全 に折 損 した もの か ら考 えれ ば、 カ ップ リ ング は一 方 の み押 され た状 態 で事 故 は起 っ た もの と思 われ る。 事 故 発 生 後減 速機 側 の カ ップ リ ング は、 その軸 には まって い た が、 ター ビ ン側 の カ ップ リ ングは第4
図 の示 す位 置 に飛 ん で い た。 rl■■一-一I ♂ / LFig. 7 Detormationofcoupling flange
Table4 Flexurevolumeofcoupling flanges ター ビン側 カ ップ リングの 携 み l 減速機側 カ ップ リングの携 み ♂E,(mm) ∂F(mm) 8 C(-mm) ∂E,(mm)
♂
F,(mm) ♂G(mm) 1 0.48 1.05 3.17 0.50 0.60 0.82 2 0.49 1.14 3.51 0.50 0.51 1.01 3 0.36 0.98 4.ll 0.12 0.30 0.89 4 0.13 0.74 5.54 0.08 ∩.26 2.46 5 0 0.54 4.09 0.23 0.19 2.66 6 0.04 0.67 4.56 0.10 0.05 3.04 7 0.19 0.87 5.19 0.09 0 2.31 8 0.38 0.91 3.38 0.10 0.ll 1.31 両 カ ップ リ ングの硬 度 につ い て調 べ て み る と、 シ ョア硬 さで 、 ミル ター ビ ン側 は17-19、減 速琉球大学押工学部紀要 (工学篇 ) 機側 は
2
4-2
6
程 度 で あった。 その結 果 両 カ ップ リ ングの材 質 が異 って い る こ とが わか る。 また、 両 カ ップ リングの摸 み につ いて調 べ た結 果 は第4表 の通 りで、摸 み量 の測 定 は第7図 の よ うに キー溝 を基準 に して8等 分 した。 表 中CE,
6F,
SGは第7図 にお け るE、F、G点 の擁 み を示 し、1
、2--
- 8
は ピ ン穴番 号 に対応 して い る。 この表 か らわか るよ うに、 カ ップ リングの摸 み は、 シ ョア硬 さの小 さい ター ビ ン側 カ ップ リングが、減 速機側 カ ップ リ ングよ り大 き く、 そ の ター ビ ン側 で もキ ー溝 の反対側 が大 き くなって い る。 しか るに、 キ ー溝側 と折 損 軸 の疲労破 面側 とは一致 して い るので、結 局 、 カ ップ リングの擁 み の大 きい方 向 は、疲 労破 面側 の反対側 になって い る。 また、 カ ップ リ ングの摸 み が全周 にみ られ る こ とか ら して、 カ ップ リ ングの摸 み は、 ただ単 に、軸 の衝 撃破壊 時 に生 じた もので は な く、 それ以 前 か ら両 カ ップ リ ングは、軸 線 の くるい によって第8図 に示 す よ うに、互 い に軸 方 向 の力 をお よぼ しあ う時 間 が あった こ と uL
」
Fig.9 Eccentricallycontactedofcouplingflange が推 察 され る。 なお、 この推 察 は前述 の ラ ビ リ ンスの片 摩 耗 が、 ある時 間的経 過 を もって行 われ た とい うこ とと も一致 す る。 C 減 速 機 Ⅰ)減 速機 の破 損状況 減 速機 の第一段駆 動 歯 車 にお いて は、 ター ビ ン側 歯 車端 面 か ら約30mmの所 まで に異 常 がみ ら れ、 それ につ いて は、歯 元 面 か らの折 損 歯 一個 と、亀裂歯数個 及 び歯 末 面 の圧潰 3個 で、写真 8にみ られ る通 りで あ る。 また、第 一段 従 動歯 車 で は、 ター ビン側 か ら約40mmの附近 で、歯末
Photo.8 PiniollgearOflstreduction
面及 び歯 元 面 に くい込 み によ るキズ が あ る。 これ らの破 損 状況 を第5表 及 び第6表 に示 す。
両歯 車 の折損 、亀裂 、圧 潰 及 び くい込 み は、すべ て接触 面 の反対側 の歯 末 面及 び歯 元 面 に生 じて い る。 叉、潤滑 油 を調 べ た ところ、折損 歯 一個 以 外 は何 も発 見 されず、 両歯 車問 には異物 が入 っ た とは考 え られ ない。
Table.5 Breakageexrentoflstreductionpinion 歯数 歯 面 の 状 態 歯数 歯 面 の 状 態 1 ター ビン側3cm破 損及 び歯底 に食込 13 接触 面 の亀裂 2 接触面 の反対面 に摩
〝
14 接触面 の反対側 歯底 に亀裂 3′
′
′
′
15 4′
′
′
′
16 正 常 歯 5′
′
′
′
17 ′′ 6′
′
〟
18・
… 7′
′
′
′
19′
′
8〟
20′
′
9′
′
21′
′
10 ′′ 22′
′
ll 正常歯 23′
′
Table.6Breakageextentoflstreductionpinion 歯 面 の 状 態 接衝面の反対側面に食込みキズ
41
正常歯.「..
1--5㌃
㌻
ni
i
i
i
i
i
i
ト
ト ∴
∴
∵上
Jl
jlr
L
ー
2
4
!
′
′
2
5;
援 嘱両 の反
対
側
面
に
食
込
み
キ
ズ
2
6:
正 常歯ト
- 」
一
一.--_i∼'
! 1
_
-
-
_
!
3
2!
接
鴇
面
の
反
対
面
歯
元
に
キ
ズ
歯 面 の 状 態 52 ヨ 正常歯 53 弓 接嘱面の反対面歯末にキ
ズ
一
一
一
・
.
⊥
54 ぎ 正常歯棲
簡
面
の
反
対
面
歯
末
に
キ
ズ
_
8
二
二
7
_
ー
_
i
∃
_
_
-
接
_
.
構
_
-
面
__
_
-一
一_
_
_
_
, _
-の反対面歯未にキズ
8
8
!正
常
歯
J■ "
8
t
十
1
2
9
′
′
1
3
0 接
簡
面
の
反
対
面
歯末 13∼
1事′
正常歯′
1
6
3
l
′
′
-
1
6
4 接
額
面
の
反
対
面
ピ
ッ
-?
′
′
1
6
6
6
6
′
′
′
′
琉球 大学理 工学部紀 要 (工学 篇 )
折損 して お り、折損 状況 は写 真 6の よ うで あ る。 その軸 受 の下部 軸 受 面 には操 返衝 撃荷 重 によ
る と思 われ る変形 が あ るが、 それ は ター ビン軸 受 ほ ど著 しくは をい。
減 速機 後部 軸 受 にお いて は、締 付 けボ ル トはゆ るんだ程 度 で あ って、 ス ラス トを受 け る面 に
Photo.6Frontbearingofreductiongear
Upper Lower
Photo.10 Rearbearingofdeauctiongear・
は約2mm程 度 の くい込 み によ る変形 がみ られ る。 写真9の a、C は その状況 で あ る。
駆 動軸 の変形 につ いて は、事故 発 生後再 使 用 す るた め修 正 して い るので 、事 故発 生直後 の変 形 量 は不明で あ るが、 カ ップ リングの変形 の方 向 とは一致 して いた もの と推 察 され る。 写真11、
Photo.
ll
Viewof lst reductiongearPhoto.12 Viewofbearingandshaft
Ⅱ ) 減 速機 の破 損 原 因 前述 の
A
、B
項 に述 べ た ター ビ ン軸 の変形 及 び カ ップ リ ングの変形 状 況 の考 察 よ り、 カ ップ リ ング を変形 せ しめ た力 の軸 方 向成 分 は、減 速機 軸 を強 く後 方 にお しつ け、写真9
のa、 Cに 示 す よ うにス ラス トを受 け る面 に著 しい くい込 み を生 ぜ しめ た と考 え られ る。 一 方 、下部 軸 受 面 には写 真9dに示 す よ うを片 摩耗 がみ られ る。 A項 に述 べ た ター ビ ン主 軸 の偏 心 回転 か ら第 9図 に示 す よ う別 犬態 にお いて、衝 撃圧縮 荷 重 を受 け、下部 軸 受面 の一部 分 に片摩 耗 が生 じた と思 われ る。 また、軸 受 は衝 撃圧 縮 荷 重 を受 け るたび に、少 しづ つ 回転 し、 この時 に軸 受 の背 面 はケ ー シ ング をた た き、下部 軸 受 の背 面 には、軸 と同一 方 向 に1
0
数 条 の キ ズ が生 じた と思 われ る。第一 段駆 動 歯 車軸 が、軸 受 の片摩 耗 方 向 によ るた び に、歯 車 の かみ あい が深 くな り、 その結 果 、従 ター ビン カ ップ リング 減速機琉球 大学埋 工学部紀 要 (工学者 ) 動歯 車 の歯先 が駆 動歯 車 の一部 歯底 面 をキ ズっ け、 また、駆 動歯 車 の歯 先 は、従 動歯 車歯 面の 一部 に くい込 み をお こ して い る。 この よ うな歯 車 の干渉 によ り、駆 動歯 車 の一部 歯 面 にC- Ⅰ に述 べ た よ うに、破損 をお こ して い る。 さ らに、歯 車 の干渉 によ り、回転 が妨 げ られ、 そのた め第 11図 に示 す よ うに、 ター ビ ン主 軸 は回転 力 によ って上方 へ動 く。 この結 果 、減 速機軸 も カ ップ リングを介 し、上方 へ動 か され、減 速機 前部 軸 受締 付 ボ ル トが破損 した と思 われ る。 又 第11図 に示 す よ うに駆 動軸 も曲 げ られ る。
Fig.ll Eccentricrotationofturbineshaftandpinionshaft
5
. ま と め 以 上 に述 べ た各部 の調査結 果及 び検 討 よ り次 の こ とがわか った。 ィ、 ター ビ ン軸 には疲労破 面 が存 在 す る ロ、 ター ビ ン軸 は偏 心 回転 を して い た ハ 、 カ ップ リングが全周 に亘 って変形 して い るこ とか ら、 ター ビ ン軸 と減 速機 軸 は、軸線 の くるい によ って、 フ ラ ンジが直接接触 した状態 で 、或 る時 間 回転 して いた。 二、軸 受 の ス ラス ト面 に くい込 み がみ られ るこ とか ら、両軸 には カ ップ リングの接触 によ って軸推 力 が生 じて いた。 ホ、溶融 した メ タル が、軸 受 間隙 の大 きい箇所 に附着 して い る こ とか ら、軸 受 間隙 は かな り大 き くなって いた。 上記 の ことが らを総 合的 に分析 す れば、本事故 は次 の如 く進 行発展 して お こった もの と推 察 され る。 本 事故 の主要 因 と して は、疲労破 面 を有 す る欠陥軸 と、当 り面 の修 正 不 良及 び その他 によっ て機 能低下 した軸 受 とが考 え られ、 これ らの主要 因 と他 の小 さな要 因 とが加 わ って、軸 の折鶴 に至 ら しめた と考 え られ る。若 し、軸 受 その他 に欠陥 が な く、 ただ、単 に、欠陥軸 だ けが存 在 して いた を らば、本 事故 は起 らなか った と思 われ る。何 故 な らば、折損 軸 は相 当 に曲 げ変形 し て お り、 この こ とは軸 が それ だ けの曲 げ変形 を起 す まで、運転 に耐 えて いた こ とを示 す もので あるか ら。 他 方 、軸受 につ いて は、事故発 生 の約 5ケ月前 に取 替 え られ、第 1表 の如 くその間隙 は正常 で あ り、 また、当 り面 の修 正 不 良 によ って生 じた と考 え られ る焼 付 けの程 度 は、事故後 の観 察 では さほ どひ どい もの で は ないの で、軸 受 の欠陥 のみで は、本形態 の事故 は起 らなか っただ ろ うと思 われ る。 従 って、本事故 は、 ただ単 に、 このニ ッの要 因 が各 々単 独 に成長増 大 して引 きお こ した もの締付 けによる過大 初 応 力 の存 在 当 り面の修正不良 回転軸の微振 負荷の変動 か らくる 影響
\
也
回転 による1
-
-
臣
摂 り応力軸受
の機 能低 下 軸 鯛 隙の増車 D 消 仙慧 荘 敬 琳 書 増 9 1心 陰 樹 譲 JE e エ 4 ( -. g 空 鷺 .り ' ・ ' 1 . ・ ︰F 僅 ・ ・ ・.∵
こ
、⋮
rd.当
JV
矢 印 の 向 き は 影 響 の 向 き を 示 す\ \
減 速 機 軸 の 歯 車 干 渉 耕 地 帥 ︰ す -./ 〟 )I, ・p -tf ヾ & LL. 蕪 綴 藻 3 熟 ff i草 tL J,.j 山 j琉球大学押工学部紀 要 (工学欝 ) ではな く、 これ らの主要 因 が相互 に影響 しあい、 また、他 の小 さな要 因 が加 わ って、欠陥 の進 行 を促進 し、本事故 を引 きお こ した もの と思 われ る。 以 上の よ うに、種 々の要因 が互 に影響 しあ う経過 を第