チーム医療(輸血専従技師の立場から)
~安全性の向上を目指して~
2018年7月28日(土)
熊本赤十字病院 検査部
吉田 雅弥
平成30年度 赤十字血液シンポジウム当院の紹介
• 病床数 490床
• 診療科 28科
• 外来患者数 約1,200名/日
• 救命救急センター(三次救急),熊本県ドクターヘリ
基地病院,基幹災害拠点病院,熊本DMAT指定病院,
腎移植施設など
当院の紹介
• 輸血検査
血液型,不規則抗体,交差適合試験
DAT,解離試験などの精査
• 製剤管理
RBC,FFP,PC,同種クリオ
自己血,アルブミン
• 外来採血業務(1名)
看護師と協力
• HLA検査
HLA type
HLA抗体
平成29年度実績
赤血球製剤:10006単位
新鮮凍結血漿:4937単位(120mlを1単位で換算)
血小板製剤:12605単位
自己血:296単位
5%アルブミン:1700本
20%アルブミン:1915本
製剤使用量
平成29年度実績
全自動輸血検査装置による測定
血液型検査:13563件
不規則抗体検査:11146件
交差適合試験(コンピュータクロス含む):7432件
検査数
その他
平成29年度実績
HLA検査
抗原検査:76件
抗体検査:49件(
平成30年度は300件程度と予想
)
クロスマッチ:68件(LCT:34件、FCXM:34件)
造血器腫瘍抗原検査:494件
輸血医療
患者
様
医師
薬剤
師
看護
師
輸血医療
現場
(患者様)
輸血部・検査部
・薬剤部
血液センター
現場(患者様)と血液センターを繋ぐ
輸血医療
病院
血液センター
献血者
患者様
検査技師は…
輸血部門
検査技師
製剤
管理
現場
(医師・看護師)
副作用
管理
検査
情報共有が重要
輸血医療の全体像を把握しやすく、
情報が多く集まる
輸血専従技師として
システム・運用の再構築
①血液型2回検査の
徹底
②異型の血液製剤
依頼を制限
③コンピュータークロ
スマッチの導入
教育
①検査技師の教育
②病院職員の教育
情報共有
①緊急輸血症例の
情報共有
②血液センターと情
報共有
本日の内容
輸血専従技師として
システム・運用の再構築
①血液型2回検査の
徹底
②異型の血液製剤
依頼を制限
③コンピュータークロ
スマッチの導入
教育
①検査技師の教育
②病院職員の教育
情報共有
①緊急輸血症例の
情報共有
②血液センターと情
報共有
本日の内容
システム・運用の再構築
①血液型2回検査の徹底
• 同一患者からの異なる時点での2検体で、二重
チェックを行う必要がある
「輸血療法の実施に関する指針」(改定版)• 3.4.1.同一患者から採取された異なる時点での
2検体で、二重チェックを行う必要がある
「赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(改訂2版)」数年前まで、病院全体の意識が低かった
血液型確定のルール
• 同一患者からの
異なる時点で
の2検体で、二重チェック
• 救急搬送患者においては過去
に血液型が確定していても未
確定扱い
• 血液型の
期限を最終検査日ま
たは最終輸血日から60日
検体検査システム
輸血部門システム
電子カルテ
システム・運用の再構築②異型の血液製剤依頼を制限
血液製剤
システムの再構築
血液型・不規則抗体・交差適合試験
マスタを各々で設定
システム・運用の再構築
AB型RhD陽性「○」 O型RhD陽性 「!」 A or B型RhD陽性「×」 AB型RhD陽性「○」 A or B or O型RhD陽性「!」 ダブルチェック AB型RhD陽性「○」 A or B or O型RhD陽性「!」 指示出し 指示受け 輸血の指示
部門システム
同型⇒「○」問題なし マイナーミスマッチ⇒ 「!」警告 メジャーミスマッチ⇒ 「×」エラー システム・運用の再構築②異型の血液製剤依頼を制限
電子カルテ
同型⇒「○」問題なし O型⇒「!」警告 上記以外⇒「×」エラー• 医師による輸血用血液製剤の依頼ミス減少
血液型不明患者の緊急輸血依頼は可能
• 輸血部門システムは細かく設定
危機的出血のガイドラインに準じ、緊急時も対応可
HLA適合血小板の場合、メジャーミスマッチもOK
システム・運用の再構築②異型の血液製剤依頼を制限
8.5. コンピュータークロスマッチ
8.5.1.コンピュータークロスマッチとは、あら
かじめ実施された下記の検査結果や過去
の検査履歴に基づき、コンピューターを
用いて適合性や安全性を確認する方法で
ある。
(1)ABO血液型
(2)RhD血液型
(3)不規則抗体スクリーニング:陰性
(3日以内
システム・運用の再構築③コンピュータークロスマッチの導入
8.5.2.コンピュータークロスマッチによって適合
性や安全性が確認された場合は、交差適合
試験を省略して出庫できる。
8.5.3.その際、以下の条件を必須とする。
(1)結果の不一致や輸血用血液製剤の選択の誤りを
警告できること。
(2)患者の血液型が2回以上異なる時点で採血された
検体により確認されていること。
(3)赤血球製剤の血液型が再確認されていること。
(4)新生児および4カ月以内の乳児においてコン
システム・運用の再構築③コンピュータークロスマッチの導入
コンピュータークロスマッチ(CC)の効果
血液型① 不規則抗体血液型②
出庫 追加依頼 出庫 血液型① 不規則抗体 血液型② クロスマッチ 出庫 追加依頼 クロスマッチ後,出庫CC導入後
CC導入前
時間短縮
業務省力化
時間短縮
業務省力化
他部署の感想は…
プラス意見
• 外来患者様の待ち時間が短縮された
• 安全な血液がすぐ届く
• なんでもっと早く導入しなかったんだ?
• コンピュータークロスマッチ加算とれるよね?(最近の話)
マイナス意見
• 不規則抗体保有者はいつもより遅い(CCじゃないか
ら)
• 本当に安全なのか(院内で周知しました)
※全体的には評価は高い
輸血専従技師として
システム・運用の再構築
①血液型2回検査の
徹底
②異型の血液製剤
依頼を制限
③コンピュータークロ
スマッチの導入
教育
①検査技師の教育
②病院職員の教育
情報共有
①緊急輸血症例の
情報共有
②血液センターと情
報共有
本日の内容
教育
①検査技師の教育
システム管理
教育
①検査技師の教育
試験管法
• 自分の判定は正しいのか
• 手技は正しいのか
交通外傷などの緊急輸血
• いつ起こるかわからない
• 一人で対応できるのか
教育
①検査技師の教育
技師教育の効果
• 不安の解消
ルーチンをこなせるという自信
専従技師と目合わせ
緊急輸血症例を数多く経験
• 専従技師による電話対応の減少
ルーチンの際に色々なトラブルを経験
他職種の問い合わせに数多く対応
医療安全
研修会
医師
事務
看護師
教育②病院職員の教育
教育
②病院職員の教育
• 医療安全研修会
血液型2回検査の徹底
血液製剤の投与開始後の観察の必要性
開始5分間、15分後、終了時
副作用について
溶血性・非溶血性、即時型・遅延型
インシデント・アクシデント例(他施設発生例含む)
輸血情報(血液センター発行)
採血実施記録、観察記録、副作用発生記録を電子
研修医向けで
入職後
• 血液製剤や検査依頼方法など業務上、必要な内容に
ついて説明を行う
数ヶ月後
• 検査の意義や輸血に関する院内ルール
• 「輸血療法の実施に関する指針」(改定版)
• 「血液製剤の使用指針」(厚生労働省)
• 「科学的根拠に基づく輸血ガイドライン」
をベースにした勉強会
輸血専従技師として
システム・運用の再構築
①血液型2回検査の
徹底
②異型の血液製剤
依頼を制限
③コンピュータークロ
スマッチの導入
教育
①検査技師の教育
②病院職員の教育
情報共有
①緊急輸血症例の
情報共有
②血液センターと情
報共有
本日の内容
情報共有
①緊急輸血症例の情報共有
緊急輸血症例発生
事故発生
受入準備
現場急行
搬送
血液型確定前の緊急輸血症例数
13
21
50
52
39
5
6
17
5
3
2
7
3
3
3
3
10
20
30
40
50
60
O型緊急輸血症例数
外傷
消化器疾患
大血管疾患
産科
その他
件
情報共有