平 成 2 9 年 度 税 制 改 正 ( 租 税 特 別 措 置 ) 要 望 事 項 ( 新 設 ・ 拡 充 ・ 延 長 ) (文部科学省 高等教育局 私学部私学行政課) 制 度 名 災害からの復旧時における学校法人への個人寄附に係る税制優遇措置の拡充 税 目 所得税 要 望 の 内 容 本年 4 月に発生した熊本地震を踏まえ、災害被害を受けた学校法人に対する 災害からの復旧時における個人寄附について、既存の所得控除に加え、寄附実 績の要件にかかわらず、税額控除についても適用を可能とする。 平年度の減収見込額 ▲396 百万円 (制度自体の減収額) ( - 百万円) (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)
新 設 ・ 拡 充 又 は 延 長 を 必 要 と す る 理 由 ⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して、公的補助が公立学校に比べて少なく、自 主財源の確保が求められる私立学校にとって、寄附金収入は極めて重要な財源 である。災害時には、大口の寄附だけでなく、広く卒業生や地域住民を中心 に、義援金・募金という形で小口の寄附を集める必要があるが、小規模な学校 法人では、復旧のために必要な自主財源の確保に難航する事例が発生してお り、全ての学校法人において重要な自主財源である寄附金を容易に確保できる よう、より個人が寄附しやすい環境を整える必要がある。そこで、災害からの 復旧を目的とした個人寄附について、平時の寄附実績にかかわらずどの学校法 人であっても税額控除の適用を可能とすることにより、私立学校全体の寄附金 収入の更なる増加を図り、被災地における災害からの早期の復旧を可能とす る。 ⑵ 施策の必要性 平成 23 年に導入された学校法人への個人寄附に係る税額控除と所得控除の選 択制度により、個人寄附を促進する環境が拡充されている。 一方で、本制度の対象法人となるための要件について充足が困難である学校 法人も多く、本年 4 月に発生した熊本地震の際にも、要件の充足が困難であっ たため税額控除対象法人となっていない小規模な法人も多数存在した。これら の法人への寄附者に対し、税額控除の活用を呼びかければ、より一層の寄附が 集まる見込みであったところ、平時の寄附状況を基準とした要件が障害とな り、要件を充足することができなかったため、やむを得ず既存の制度で寄附募 集を行った状況が見られたところである。 学校法人への災害からの復旧を目的とした個人寄附については、大蔵省告示 により指定寄附金とされており、所得控除の対象とされているが、災害時には 大口の寄附のみならず、広く卒業生や地域住民等からの小口の寄附を集める必 要があり、これらの寄附を集めやすくする環境を整えるために税額控除の適用 も可能とすることにより、寄附金収入の更なる増加を図ることが必要である。 今 回 の 要 望 に 関 連 す る 事 項 合 理 性 政 策 体 系 に お け る 政策目的の 位 置 付 け 政策目標6 私学の振興 施策目標6-1 特色ある教育研究を展開する私立学校の振興 教育振興基本計画(平成25年6月14日閣議決定)-第2期-(抜粋) 基本施策29 私立学校の振興 【主な取組】 29-2 多元的な資金調達の促進 各学校法人における確固とした財政基盤の確立のため,税額 控除制度等を活用した私立学校への寄附の促進が図られるよ う,寄附税制の普及啓発や,先進事例の紹介等を実施するとと もに,学校法人が寄附金収入等の民間資金を自主的・積極的に 調達するための環境をより一層整備する。また,寄附金に係る 税制上の措置の在り方について,これまで講じられた措置の効 果等を踏まえつつ,対象範囲や財源も含め検討を行い,その結 果に基づき,必要な措置を講ずる。 教育再生実行会議第三次提言「これからの大学教育等の在り方
について」(平成 25 年 5 月 28 日) 5.大学のガバナンス改革、財政基盤の確立により経営基盤を 強化する。(抄) ○ 国は、国立大学運営費交付金・施設整備費補助金や私学助 成、公立大学への財政措置など財政基盤の確立を図りつつ、基 盤的経費について一層メリハリある配分を行う。その際、教 育、研究、大学運営、社会活動等の幅広い観点からの教員評価 や能力向上など、教員の力量を発揮させる改革を行う大学が評 価されるような配分を検討する。また、大学等に配分される国 の公募型資金について、全学的な共通インフラや教育・研究支 援人材確保のための経費(間接経費)を設定し、直接経費を確 保しつつ、間接経費比率を 30%措置するよう努めるとともに、 その効果的な活用を図る。あわせて、教育基盤強化に資する寄 附の拡充や民間資金の自主的調達のため、税制面の検討を含め た環境整備を進める。 教育再生実行会議第八次提言「教育立国実現のための教育投 資・教育財源の在り方について」(平成 27 年 7 月 8 日) 3. 教育財源確保のための方策(抄) ○ 国は、国立大学法人における個人からの寄附に係る所得控 除と税額控除の選択制の導入など、寄附金税制の一層の拡充に ついて検討する。 政 策 の 達成目標 災害からの復旧に際し、寄附金収入等財源の多様化を促進 し、学校法人の経営基盤の強化及び災害からの早期の復旧を図 るとともに、災害を機に更なる寄附募集に向けた機運の醸成を 図る。 租税特別措 置の適用又 は延長期間 - 同上の期間 中 の 達 成 目 標 学校法人が、災害からの復旧時に、本制度を活用しつつ更な る寄附の増加を図り、復旧に係る費用の一定の額については寄 附金により賄うことを目指す。 政策目標の 達 成 状 況 税額控除対象法人は、制度導入前と比べて寄附金額に著しい 伸びが見られ(平成 21 年度と 27 年度とを比較すると、文部科 学大臣所轄学校法人の寄附金額の合計について、全学校法人の 寄附金額が約 2 倍であるのに対し、税額控除対象法人は約 2.8 倍となっている。)税額控除制度の導入が寄附を増加させてい ることは明らかである。 一方、文部科学大臣所轄法人のうち約半数は税額控除対象法 人となっておらず、これらの法人については、災害からの復旧 時においては、学生等の学びの保証寄附金を集めやすくし、そ れを機に、更なる寄附募集に向けた機運の醸成を図ることが必 要である。 有 効 性 要 望 の 措 置 の 適用見込み 税額控除対象法人になっていない学校法人 ・文部科学大臣所轄学校法人 319 法人/664 法人 ・都道府県所轄学校法人 7160 法人/7288 法人
要望の措置 の効果見込 み(手段とし ての有効性) 税額控除対象法人は、制度導入前と比べて寄附金額に著しい 伸びが見られ、税額控除制度の導入が寄附を増加させているこ とは明らかであるため、税額控除の導入によって、現在税額控 除対象法人となっていない法人についても、災害からの復旧時 に更なる寄附金を集めることが可能となると考えられる。 相 当 性 当該要望項 目以外の税 制上の支援 措 置 【所得税】 ・学校法人への個人からの寄附金は、特定公益増進法人に対す る寄附金として所得控除の適用(所得税法第 78 条) ・学校法人への個人からの寄附金であって、学校法人が設置す る学校等の校舎その他附属施設の受けた災害による被害の復 旧のために支出されたものは、指定寄附金として所得控除の 対象(所得税法第 78 条) ・学校法人への個人からの現物寄附は、譲渡所得の非課税措置 (租税特別措置法第 40 条) 【法人税】 ・学校法人への法人からの寄附金は、特定公益増進法人に対す る寄附金として損金算入の特例措置(法人税法第 37 条) 予算上の 措置等の 要求内容 及び金額 (平成28年度当初予算) ・私立大学等経常費補助 3,153 億円 ・私立高等学校等経常費助成等補助 1,023 億円 (平成28年度補正予算) 熊本地震からの復旧・復興に向けた財政支援 ・私立学校施設・設備の災害復旧費 99 億円 ・私立学校の教育研究活動復旧費 30 億円 上記の予算 上の措置等 と要望項目 と の 関 係 学校法人に対しては、①私立学校の教育条件の維持向上、② 在籍する学生等に係る修学上の経済的負担の軽減、③経営の健 全性の向上を通じ、私立学校の健全な発達に資することを目的 として国等による助成が一部行われている。一方で、教育研究 を安定的・継続的に行っていくためには、国等からの助成に加 えて、学校法人が自ら多様な財源の確保を図り、財政基盤を強 化していくことが重要であり、特に、災害からの復旧に際して は、当該私立学校に在籍する学生等の学びを保証するため、早 急に必要な財源を確保する必要があるが、国公立学校に比べて 公的補助の少ない私立大学にとって、寄附金収入は極めて重要 な財源である。したがって、小規模であるために要件を満たす ことができない等の理由により税額控除の対象となっていない 法人においても、税額控除の適用を可能とすることにより、寄 附者がより寄附しやすい環境を整備することは、学校法人の財 政基盤の強化に資するとともに、災害からの早期の復旧を支援 するものとなる。 国等による公的支援は法人を直接支援するもの、また、寄附 税制は法人に対し寄附を行う国民に税制優遇を行うものとして 異なる役割を担うものであり、両者あいまって、各学校法人の 健全な経営と安定した教育の提供に資するものとして重要な役 割を果たしている。 なお、私立学校への補助を規定する私立学校振興助成法にお いても、国又は地方公共団体による助成の規定と並んで学校法 人が寄附金の募集を容易にできるよう国又は地方公共団体によ る税制上の措置を講ずるよう努めることを規定している。 私立学校振興助成法(昭和五十年七月十一日法律第六十一号) (抄) (税制上の優遇措置) 第十五条 国又は地方公共団体は、私立学校教育の振興に資す
るため、学校法人が一般からの寄附金を募集することを容易に するための措置等必要な税制上の措置を講ずるよう努めるもの とする。 要望の措置 の 妥 当 性 そもそも私立学校は、公の性格を有する学校として設置され たものであり、学校法人を解散する場合も残余財産は寄附者に 戻されることはなく、教育活動に充てられることとなってお り、高い公共性を有するものである。 また、その運営についても、収入の大半は学生・生徒からの 納付金や寄附金、事業収入によるものであり、地域住民や学 生・生徒、卒業生等、社会全体で学校運営は支えられている。 そうした状況の中で、特に災害時における国民からの寄附 は、国公立学校に比べて公的補助の少ない私立大学にとって、 極めて重要な財源であり、当該私立学校に通う学生等の学びを 保証するためのものであることから、公益性及び緊急性が高い ものである。 こ れ ま で の 租 税 特 別 措 置 の 適 用 実 績 と 効 果 に 関 連 す る 事 項 租税特別 措 置 の 適用実績 租特透明化 法に基づく 適 用 実 態 調 査 結 果 - 租税特別措 置の適用に よ る 効 果 (手段として の 有 効 性 ) - 前回要望時 の達成目標 - 前回要望時 からの達成 度及び目標 に達してい ない場合の 理 由 - こ れ ま で の 要 望 経 緯 新規要望