精神薄弱児教育 の教育課程編成 の方法
(1)
― 一 序 章
,教
育 課 程 編 成 に お け る 課 題 ――
On the mcthOds of curriculum for
mcntally rctardcd childrcn(1)
」
ung0 0iShi
序
,精
神薄弱児教育の早期の教育課程 について
精神薄弱児教育 のための教育課程 に関 しては
,す
で に ヨー ロ ッパ の二人 の医師 によって代表 され る注 目すべ き早期 の指導計画の先駆 がある。すなわちイ タール (Itard,」 M・ G。 1774∼1338),
セ ガ ン (Seguinク
Ei O.1812∼
1880)そ
して モ ンテ ッ ソ リー(MOntCSSOri,M.187o∼ 1956)等
は
,19世
紀 におけ るパ イオエ ア的な存在 で あ り,そ
の薫陶を受 けた関下生 たちの仕事 は,訓
練可能 な精薄児 にとって初期 の黄金時代 と して見 られ るで あろ う。今,彼
等 の指導計画や教育方針をた ど ってみ ると, (1上 イ タール は,精
神 薄弱児 の教育 に実験心理学的な方 法を と り入れた最初 の人 と して認め られ る。彼 は5年
の間,南
仏AveyFonの
森 の中で捕 え られた野生児 ViCtOrにはた らきかけた。 感覚 論者で あ り,環
境 論者で もあ る医師 イタールは,
この少年 の動物的な行動を,何
年 間 も森 の中で生 活 して きた ことに帰 因す るものであ ると して,そ
れ は単 に社会化 SOCializatiOnゃ 教育 educationの 欠 除 によ るもので,社
会生 活や教育環境への復帰 によって治療 で きるもの と考 えた。 イタール の教育効果 は,
この少年 に 自分の行動を コン トロール した り,二,三
の コ トバを読 む こ とがで きるまで に成功 した。 その指導方 法 と して イタールは,す
で にThOrndikc,E.L.ゃ
Hull,C。 の よ うな学 習の理論家 の `報酬のあ る試行 の反復、 (repCatcd rcwarding trials)に よる基本的
な `学 習 の法則、 を利用 してい る。 イ タールの組織 的な指導方 法 は
,今
日われわれが限 られた知的 能 力を もってい るものに対 して,大
きな収獲を もた らした方法 といえ る。 イ タール は,
自分 の実験 結 果を失敗であった とのべてい るが,他
方精神薄弱児 に携 って い る教 師たちにとっては,指
導 法 に 注 目すべ き示唆を あたえてい ることは事実である。彼 の教育 目標 は,今
日精神薄弱児 の教育 におけ る主要 な 目標 と して考 え られてい る言語 languagc, 日常生活の 自立 SelfLcareそ れ に社会化の技能 socializatiOn skillsを発 展 さ せ る こ と で あ っ た 。 彼 の ``The wild bOy of ArcyrOn"(ァ ベ ェ ロ ン の野生児
,New York,ApplctOn‐
Ccntury―CroAs,1962,p.42.)の
中で,指
導の技術的な面をつぎのよ うにのべている。 「 ある朝ビクターは
,
いつもの朝食の ミル クをい らい らしなが ら待 っていた。私は,
前夜特にLAITの
四文字を配列 した食卓を彼のところへ運んだ。前 もって うち合わせたようにCucrin夫
悟 純 thc 石 大大石純悟 :精神薄弱児教育の教育課程編成の方法 (1) 人 が近づ いて示 した文字 を見 つ め
,私
が飲 む手 まねをす ると,す
ぐに コ ップー杯 の ミル クがあた え られた。私 はビクタール に近づ くと,直
ぐに食卓 か ら四文字 を と りあ げ て ビ ク ターにあたえ た。 そ して一方 の手で 四文字 を指 し,他
方 の手 で ジ ャ ッグー杯 の ミル クを持 った。文字 はな らべ られたがLAITで
な く,反
対 にTIALと
ぉかれた。私 はその文字 を,そ
れぞれ正 しい位置 に置 き換 え るため,指
で指示 しなが ら訂正す ることを命 じた。 これ らの文字 が順 序正 しく列 べ られ た ときビクターは ミル クを飲む ことが許 され た。」 この よ うにイタール の教育方 法 は,あ
る程度 の成功をお さめてい るが,期
待 通 りの成果を得 るこ とがで きなか った ことについて,多
くの権威者 たちは,
この少年 が元来重度 の精神薄弱児で あった ことを認 め るよ うにな った。要す るにイ タールの教育方法は,(i)個
別化教育で あった こと。 (ii)組織 的な学 習経験 の計画 的編成 によ った こと。 (iii)さ らに,動
機づ け と報 酬を利用 した こと,
な ど,指
導方 法 の効果的で あ った ことは,今
日 の学習理論 に則 ってい る点で,今
なお現代 的な意味が あ る。 (21,セ ガ ンは,イ
タール の薫陶を うけた医師で あ り,イ
タール の重度 の精神薄弱児 に対す る教育 方 法 開発 の跡 を うけ継 いだ人で あ る。 セガ ンの教 育 は,イ
タールがただ一人 の少 年 ビ クターに働 き か けたの と違 って,
フランスで最初 の公立 の収容施設 を設立 して,精
神薄 弱児 た ちのため にカ リキ ユ ラムを考案 した ことで あ る。 セガ ンの教育方法の基礎 とな ってい るものは,精
神薄弱 の障害 とな って い る神 経系統 が,運
動機能 や感覚 の訓練 によって教育 し直す ことがで きるとい う信念 に基 づ い た神経生理学的な技術 にあった。彼 は教師たちに,組
織 的な指導形 式 の中に,彼
の考 え る組織 的な 訓練方法を採 り入れ ることを求 め,広
範 囲 にわた る教育 的教材 を開発 させた り,ま
た色彩,音
楽 そ の他 の教具を動機づけのために使用 した。 セガ ンの教育計画 は,1848年
フランスの革命 によってア メ リカヘ移住 した後で書 かれ た著書 の「 寄宿 制学校教育計画」 (a reSidential schOOl program)に おいて,そ
の大要をのべてい る。 それに よ ると, 「 精神薄弱児 の運動機能 の訓練 のため には,大
きな部屋 が必要で あ る。 その部屋では,(i)足
の力 とバ ネ板 の弾力 によって動 くブランコ,(li)足
を あげて床上 に横 たえてあ る梯子 の横木を歩 かせ る,(lii)子
供を原位置のままで歩 かせ る踏み車,(
)床
か ら傾斜 してい る上 り台 の歩行,(V)床
上 にペ ンキで描かれた足跡 の上 の歩行。 ()の
訓練 は,
定 め られた歩行訓練 と して強制 的 に行 なわせ ること。(V)の
訓練 は,義
務 的 に実施 させ る……な ど。 また,模
倣練 習を させ る部 屋 も必 要で あ ると して,そ
の部屋 は騒音,装
飾,注
意 を ひ くものな どは,ど
の よ うな もので も取 り 除 く必要 があると してい る。 その部屋 の床 は,あ
ち こちに直線や曲線 それ に 子 供 が各 自で立 った り,後
退 した りす ることので きる一連 の足跡 が描かれてい ることが必要であ る。 音 声 の訓練 について も,人
間 の声 の発達 は楽器 の音 によって 引 き立 て られ るので,純
粋 に音声 の 練習 に使 用 され る部屋 には ピア ノを お く。 その部屋で,あ
る時 は独 りで,ま
た あ る時は集団で一緒 にな って短音,
長音 それ に低音 な ど,
一 人ない し対,
または一組 で音 の調 子を 出す ことを訓練 す る。 触覚 の訓練 は,そ
れが な され る部屋 に光が入 らないよ うにすべ きで ある し,選
択 された事物,美
術作 品,
自然 の産物な ど,そ
の特徴 のあ る性質が触感の統制を うけることので きるものを入れ る戸 桐を設 備 す ることも必要である。聴覚 の訓練 は
,す
べて一つ の部屋 に限定 され ることはないが,利
用 され る主要な方法 は,至
近 の 距 離 とか離れた距離でお話を した り,直
接 口か ら耳へ,あ
るひは伝声管のよ うな もので 話 を し た り,時
間,ベ
ル,ピ
ア ノな どによって直接行動 を した りす る (例えば,緊
急事態 に対処 す る行動 な ど)。 その他,絵
を拙 いた り,字
を読んだ りす ることは,一
つ の部屋で教 え られねばな らない。実物教 授 をす る特別 な考 えか ら集め られた事物 は,い
つで も見 え るところに置 く必要 はないが,慎
重 な配 置 と保管 は必要で ある。 ところで,部
屋 が十 分得 られない ときは,い
ろい ろな ものを一緒 に置 くこ と もあ るが,決
して乱雑であってはな らない。例 えば,一
番高 い柵 には,子
供 たちが ワ ックス,粘
土,木
材 な ど製作 しなければな らないよ うな簡単 な ものの模型。 その下 の柵 には,容
易 に 見 え る が,
しか し手 で触れない もの,例
えば標準玩具,発
展性を刺激す るよ うな もの,優
美 な ものな ど, 子 供たちが手 で操作 して楽 しむ よ りも,日
で見 てidCaを
伝 え るよ うな もの。 さ らに低 い桐 には, 子供 た ちが よ く理解 で きる遊 び道 具ばか りで,光
ってい るもの,安
価 な もの,容
易 に こわ れ る仕掛 けのあ るもの,な
どを置 く。 それ らは子供 たちの楽 しみ とな り,そ
れ らを子供 たちが壊 わす ときで さえ多 くの ことを学ぶ もので ある。 その部屋 は,子
供 た ちや訪 門者 たちを入れ るの に十 分広 く,毎
日いつ もの歌 を歌 った り,時
には音楽会 のよ うな ものやお祝 いの催 な どに利用 され る。 しか し体育 館 や その他 の部屋 が空 いてい る場合 は,そ
の時間は もっと楽 しい もので あ り,ま
た訓練 や指導 は開 放 的な雰囲気 にかわ るだろ う。 そ こには,
も う一 つ の,ま
た もっと,
自然な学級が子供 たちのため に,ま
た彼等 自身の努力 によって準備 され ることにな るだ ろ う。」 知的 な面 の施設 もセガ ンの指導方法 の中で は活気 のあ る一面 で ある。 その施設 の中には,心
理 的 欠 陥や身体 的,精
神 的弱点 に適応 させ る柔軟性 のあるものである。 それは子供 たちが,一
つ の訓練 の様式か ら他 の訓棟 の様式へ動 いてい く循環的な システムを もっている。子供 たちの弱 い精神が, 一 つの知覚 か ら他 の知覚へ導 かれ るが,そ
れ が直進的な上昇でな く,挺
子 が動か ない物体 に働 きか け るよ うに,力
の側受 Side_littingゃ伝 達 によって高 め られてい くものである。 このよ うにセガ ンの教育方 法は,ど
んな瞬 間でで も活用 されやすい筋 肉的,模
倣 的,神
経的,反
射 的な どの機能を合 んだ生理学的な教育方 法であった。 しか し彼 の方法 も,重
度 の精神 薄 弱児 を普 通 の機能 に回復 させ ることに成功 しなか った。 その結果,
寄宿制学校 に対 す る社会 の初期 の希 望 は,ま
もな く衰 えてい った。 そ して19世 紀 の終 りには,精
神薄弱児教育 は悲観論的 な方 向 に動いて い った。寄宿制学校 は,も
はや精神薄弱者 た ちにとっては資格を うける訓練施設 と して は見 られ な くな った。彼等 は絶望的なもの と して,依
存 的 な子 供や大 人 た ちの保護施設 と して見 られて きた。 しか し,必
ず しも悲観的絶望的でな く,訓
練 によ って 強力 な再起 の希望 が現われて きた の は,モ
ン テ ッソ リーによる教育方法 においてであ る。 13),マ リア・ モ ンテ ッソ リは,ロ ーマの収容施設 にい る精神薄弱児 たちに,訓
練計画 を開発 す るた め,イ
タールや セガ ンの指導方 法を,さ
らに一歩進 めた教育計画を練 りあげた。彼女の生産的な仕 事 は今世紀 にな ってか らであるが,セ
ガ ンの努力 に もかかわ らず不成功 に終 ったア メ リカにおいて は悲観的傾 向が強か ったため,彼
女 の技術 は ヨー ロ ッパ や アジアの諸国 において試み られた。 モ ンテ ッソ リーの考 えは,精
神薄弱児 の問題 は,本
質 的 に教 育 の問題 で あって医学的 な問題 でな い,と
い う結論 に達 した。彼女 は ローマに,精
薄児 の治療 のための学校を開設 した。彼女 はセガ ン と同様 に,早
期教 育 において感覚 と筋 肉の訓練 を重要視 し,家
庭 において 当面 す る実際的 な生活活 動 に重点をおいた。 彼 女 の 教 育 体 系 の最 もユニークな面 は, `・autOCducation''(自学 自習 SClエ112 1
大石純悟 :精神薄弱児教育の教育課程編成の方法 (1) teaching)と して知 られ る方法である。 それは味覚,
嗅覚 以外 のすべての感覚 の訓練を計画 してい る。例 えば,積
木,切
り抜 き絵,組
立 て,色
つ きの もの,浮
彫 された文字 な どの教具 による視覚的 弁別,大
きさの知覚 の訓練,気
温,感
触,色
彩,聴
覚的 刺 激,重
さ,そ
の他 な どの訓練 が準備 され てい る。教 師はただ子供の活動を監督 しておれば よいので あ る。 モ ンテ ッソ リーの学習方法 は,世
界 の注 目をあびたが,
自己表現,想像 力 ,構成的遊 びを除外 して 教授 用具 に集 中 させ ることを批判 す るむ きもある。 またモ ンテ ッソ リー法で は,訓
練 の転移 の範 囲 が限定 され ることと,無
意味な感覚訓練 の効果 な ど,彼
女 の アプ ローチに対 して疑問をいだ くもの もあ る。 しか し訓練を してい る教 師や就学前教育に熱意を もつ人 たちに対す る彼女の貢献 は,否
定 す る ことはで きな いで あ ろ う。彼 女の教育方法 と教具 は,オ
ランダにある本部 の国際モ ンテ ッソ リ ー協会 (Intcrnational Montessori AssociatiOn)を 通 じて,
今 日なお世界 の津 々浦 々に拡大 されて い る し,ア
メ リカ国内で も漸 く加入す る学校 も見 られて きた。 モ ンテ ッフ リー法 における関心 が高 くな った原因には,「
モ ンテ ッソ リーの生涯 とその業蹟 」 に関す るStanding,E,M.の
著 書 によ る影響 が大 きか った と思 われ る。Standingは,モ
ンテ ッソ リーが,
就学前 の普通児 や学令にあ る 精薄児 に,等
しく適切であると考 え られた10の 教育 の法則を,1960年
代 にま とめた。 それは, ① 子供 たちは成人 と異 な るものである し,ま
た異 な った取扱 いを しなければな らない。 ② 学習は内か らくるものであ り,ま
た 自発的な もので ある。子供 が動機づ け られ る活動 に関心 が もたれねばな らない。 ③ 子 供 たちは,自
由遊 び,ゲ
ィム,そ
れ に色彩 に富んだ材料 な どに重点 を お く子供 らしい環境 を必要 とす る。 ④ 子供 た ちは,llk序 を愛 す る。 ③ 子供 たちは,選
択 の 自由を もっている。 それ故,彼
等 は興 味 と注意の命 ず るまま,活
動 か ら 活動へ移れ るよ うに十分な材料 が必要である。 ③ 子供 たちは沈黙が好 きである。 ⑦ 子 供 た ちは,遊
ぶ ことよ り,作
業 (学習)を
す る方 が好 きである。 ① 子 供 た ちは反復 が好 きである。 ③ 子供 た ちは,
自尊感情 を もっている。従 って,わ
れわれ が彼等 に,な
す よ うに命 じる時 も, 確 実 になす ことを望 むべ きで ない。 ⑩ 子供 た ちは,
自己改善 のため環境を利用す るが,大
人 たちは,環
境 を完成 す るため 自分を利 用す る。 以上 のよ うに,モ
ンテ ッソ リーの教育内容は,運
動機 能,感
覚 訓練 による組織 的な教 育計画で編 成 されて い るが,
イタールや セガ ンの教育方法よ リー歩前進 してい ることは SCIf teaching(自 学 自習)を
導 入 した ことで あ る。 以下,こ
れ ら先人の衣鉢を うけた今 日的な意味での精薄児 の教育課程 はいか に 編 成 さ れ るべ き か,に
つ いて考察 を進 めてみ たい。 教 育 課 程 編 成 に お け る 今 日的 課 題 「 教 育課程 」の意 味や定 義 につ いて は,従
来 諸種 の所説 がある。すなわ ち,教
育観 の変化 に とも な って,そ
の意味す るところが多様 ににな ってい る し,ま
た,あ
らゆ る場合 に適合す るよ うな定義を求め る ことも困難 にな ってい る。 しか し
,種
々の考 え方 の基本 とな ってい るものは, (〕 人類 の過去の比大な遺産 (知識)の
中か ら「 何を」,「
如 何 に」教 え るかを きめ る組織 され た系統的な コース,す
なわち外か ら与え られて計画構成 され るコースを指す場合 (教 科 と してのカ リキユ ラム)。(2)生
徒 の学習活動 また は学 習経験 その もので,生
徒 の興 味や 目的 に基 づ く活動を通 して,そ
の 場 の環境 に応 じ,望
ま しい方 向 にその経験 の発展を指導す る発展的 カ リキユ ラムの立 場 に 立 つ場 合。(3)あ
るひは,職
域 に関連 して,い
くつか の コースを行政 的 に定 め る場合。 な どに要約す ることがで きる。 また,実
際 に教 育課 程 を実施 す る場合 において も,そ
の指導形 態 にいろいろな工夫 が考案 されて 一様でない。 それは,教
師 の あたえ る「 組織 された授業計画」 と生徒 の「 活動計画」 との二つの側 面 か ら,学
習 内容の統合 を実現 しよ うとす る配慮が払 われてい るか らで あ る。 この統合的配慮が相 関 カ リキユ ラム,広
域 カ リキユ ラム, コア・ カ リキユ ラムな どの諸形 態を とって発展 して きた。す なわち「 組織 された授業計画 」 とは,単
に内容の母体 を意味す るもので あるが,教
育課程 には「 伺 を教え るか」だけでな く,「
どのよ うに教 え るか」の意味 も含んでい るため,両
者 は不 離で ある。 「 何を」 と「 如 何 に」 は,
目的へ の唯― の手段で あ り,学
習者 の改善 され る行 動で ある。 このよ うに,教
育課程 編成上 の考 え方 をみて くると,そ
の内容 は,さ
ま ざまの子供 といろいろな 社 会 によ って変化 す るもので あ る ことは当然 で あ り,人
び とが何を考 え,伺
を信 じ,何
をなすかの 社 会の反映 と して考 えなければな らない と思 う。特 に精薄児 のための教育課程 は,社
会 の中で有能 な人間 と して 自立 して い くために,
自己の有 す る可能性 を最 大 限 に実現 す るため,社
会 的能力 を育 成 し,経
済 的 に 自立す る能 力を発展 させ,社
会人 と して責任 を はたす よ うに援助す る ことも,基
本 的 な 目標 と して編成 され る必要 がある。 以上 のよ うに,教
育課程 の意味 と実た上 における形態 は一定 でない。 しか し,教
育課程 とは,学
習 を効果 的 に促進 す るため,学
校 によ って 目的的 に使用 され る諸経験 の全体であ る,
とい う点で異 論 はない と思 う。従 って,教
育課程編成 につ いては,二
つ の要素を合 めて考 え られ るのが一般的の よ うで ある。すなわち,(ll何 を学習す るかの「教授 内容 または教科 」,12)そ の学習や指導 は どのよ うな方法で実施す るかの「 指導 の方法」,団
,')に
関連す るが,教
材 の提示 の時機 と方 法 に関す る 「 教授 の順 序 」な どで あ る。 そ こで,精
薄児 の教 育課程編成 において,ま
ず 考 え ねばな らない ことは,各
児 の発達段階 に応 じたそれぞれの準備教育 と して提供 され る諸経験 の内容で ある。す なわち,「
何 を教 え るか」 ある ひは伺を経験 させ るか」 または「 何 を学習す るか」の教育課程構成上 におけるス コープ の問題であ る。 学 習 内容で あ る諸経験 は,従
来 やや もす ると具依 的経験 的な面 を重視 す るあま り,雑
多 な平板 な 諸経験か らな る内容を網羅す ることが多 い。多 くの諸経験か らな る知識を精薄児 に教 えて も,そ
れ が子供の知的社会 的発達 に役立つ とは限 らない。逆 に混乱を生 じ,学
習 を 阻 害 す るおそれ さえあ る。 そのため諸経験 の内容 は,基
本 的概念 の本質的な構造 か らな る教 材 によ って組 織化 され る必要 が あろ う。つ ま り学習内容 は,単
な る寄せ集 めでな く,根
幹 とな る経験 的知織 を精選 して構成 す る 必要 があ る。例 えば,大石純悟 :精神薄弱児教育の教育課程編成の方法 (1)
ll)個
人 的生 活習慣 身辺 自立 に熟達 させ た り,個
人 の社会 的責任感を身 につ けさせ,家
庭 や社会環境 に適応で きる態 度,習
慣 を育成 す る。 その活動内容 と してす 衣 服 の 自立 (たたむ,ブ
ラ ッシをかけ る,靴
をみが く,洗
濯,ア
イロ ン か け,繕
い,ボ
タンつ け,そ
の他 の学習) ・ 社会的 自立 (ありが と う,ど
うぞの学 習,食
事 マ ナーの習慣,そ
の他) 121 健康の習慣 日常の健康習慣を発展 させ個人衛生 の必要 感を身 につけ させ る。 その活動 と して, ・ 身だ しなみ (手,歯 ,爪 ,髪 ,衣
服,入
浴 な どの手 入 れ。年長児 には洗髪,髪
のセ ッ トの仕方を 教 え るな ど) ・ 食物 に対す る適切な態度 (衛生 的な食べ物 の準備,栄
養食 に対す る態度 の発展,そ
の他 な ど) ・ 休養 (早 く寝み,休
息 を十分 にとる必要 のあることの指導 な ど) ・ 身体 の訓練 (戸 外での遊 びの計画) (31 所有物へ の注意 個人 の所有物 に対す る責任感を定着 させ,学
校,公
共 物 に対 す る適切 な注意 を指導 し,他
人 の も の を大切 にす ることを指導す る。 その活動 内容 は, ・ 個人の衣服,所
有物を大切 にす る。 ・ 教室 の備 品,公
共 の建物,公
園,遊
園地 な ど公共物を大切 にす る。 ・ 他人の ものを大切 にす る。(4)安
全 の習慣簡 簡 単 な予防手段 を認知す ることを教 え,交
通規則 に従 うよ うに訓練す る,そ
の活動 内容 は, 。家庭 における安全 (階段 の上 り下 り,木
のば りな どの墜落の危険,電
気使用上 の注意 な ど) ・ 街路での安全 (交通信号 に従 う,街
路 で 自転車 に乗 った り遊ぶ場合 の危 院,そ
の他) 。学校での安全 (鋸,ハ
ンマ ー,き
りな どの適切 な使 用,運
動場での遊具 の適切 な使用,投
げた 砂 が 目に入 る危 険,そ
の他 傷)社
会 的適応 社会的適応 は精薄児 にとっては究極 の 目標で あって,そ
の他 の学習は,社
会 的適応 を よ リー層効 果 的 にす る目的を もっている。従 って,
この子供たちが,他
人 か ら一層 よ く認め られ ることを援助 す ることが その 目標であ る。従 って,家
庭 内における自分 の役割を理解 させ るよ うにす ること,社
会 的 に認 め られ るよ うな態度を とるよ うに援勁す ること,商
店,食
料品店 その他公共 の場所 で の個 人 的な接触で所属感を発展 させ ること,他
人,親
族 の人,目
上 の人,若
い人,赤
ち ゃんな どに対 し て,ど
のよ うに振 る舞 えばよいかを教 え ること,近
隣,交
叉点,手
紙 を出 した りお使 いに行 く方法 な どをよ く知 らせ ること,な
どは社会的適応 の 目標で もある。 その目標 のための活動 と して は, 。これ らの子供たちの 日常活動 に,直
接間接 の影響を もつ場所へ実地見学す る計画 をたて る。 ( 地域社会 の劇場,商
店,食
料 品店,消
防署,警
察署,電
気会社,ガ
ス会社,そ
の他) 。実地見学で見て きた ことを演 出す る (家事 についての話 し合い,給
食時 のテー ブル マナー,友
だ ちに対 す る評価,テ
レビの利用,お
店 ごっ こ,お
金 の価値 の理解,そ
の他) (61 言語発達精 薄児 に とって
,著
しく遅れているのが,話
しコ トバ の コ ミユニケーシ ョンで ある。従 って,基
礎 的な言語技能 と語彙 の拡大 に重点をお くべ きで ある。 まず聞 く技能を発展 さ せ る た め に,聴
覚 的,視
覚 的記憶 と識別を刺激す ること,個
人,家
族,地
域社会,そ
れ に,社
会 的適応 を一層促進 す べ きことと,話
す必要感を促進 し言語的概念 を発展 させ るよ うにす ること,な
どは表現 とコ ミユニ ケー シ ョンの手段 と して重要 な 目的で ある。話 し合 うことは,相
手 の話す ことに耳 を 傾 け る こと で,
自分 の要求を伝達す る以上 に怠味 がある。話 し合 いの話題 は,「
皆 さんは学校へ くる途 中で何 を見 ま したか」,「
皆 さんは昨夜何を しま したか」「 朝御飯 はれを食べ ま したか」,「
皆 さん はお 家へ帰 え るときは ど うしますか」な ど,集
団参加へ導入す ることにな る。活動 内容 と して, ,朝の訓練 (挨 拶,歌
を歌 うな ど) ・ お話 の時間 (スライ ドを利用 して,簡
単 な短 か い,具
体 的な お話 をす る,な
ど) ・ コ トパ遊 び (母音,二
重母音,子
音 で構 成 され た コ トバ の訓練 を計画す る) ・ 組織化 された社会 的遊 び (ホス トとホステスによるゲ ーム) ・ 音楽 の時間 (リ ズ ム,劇
化 された歌,歌
う,聞
く) 以上 の内容 は,そ
れ ぞれの障害程度 において,精
神 的,身
体 的,社
会 的,情
緒 的な どの発達 のヨは 練 と して基本 的な学 習 内容 の一部であ り,軽
度 の精薄児 にとっては,つ
ぎの学習内容へ発展 させ る 基礎的な準備技能 の訓練 で もある。 これ らの学習内容 は,精
薄児 の現在 の欲求 と目標 か らの立場だけでな く,将
来へ 向 って の全体 的 発達 についての長期の見 通 しを考慮 に入れて計画 されなければ発展性 がない。従 って,現
在 の子供 の欲求 と目標を無視 した計画で あっては非現実 的な もの とな る。現在 の経験を修正 し,拡
大 す る方 向づ けが,そ
こに考 え られねばな らない。現実 の子供 の要求を満 たす ことと,長
期 の要求 を調 和 さ せて い く内容を組 み込 んで構成 されなければな らな い。 ここに,教
材 内容の立体的構造化 が考 え ら れねばな らな い ところで ある。 それが,
これ ら精薄児 にあたえ られ る諸経験の シークエ ンスの問題 で ある。 これ らス コープ とシークエ ンスの問題 は,教
育課 程編成上教 師 にとって重要 な課程 であろ う。例 えば,「
健 康」 とい う基本 目標は,食
前 の手 洗 い,入
浴,歯
をみが く,爪
を切 る,日
鼻 に指 を入 れ ないな どの 日常的な生活行動 と して習慣づ け られ る初期の段階か ら,清
潔や病原菌 の ひろが りを知 る理解 の段階,食
物 に関す る衛生観念や伝染病 の知識 に関す る思考の段階,そ
して「 健康 の権念イと 」へ と発展 的把握 を洗練 させてい くことで あ る。 この発展的把握 は,基
本 とな る単元 を個 々の要素 に分析 して,そ
れぞれの経験 と活動の範 囲 によ って,一
般化 の概念 を正確 に評価す るよ うに組 み立 てて い くことである。 また,こ
の 目標 と活動 は,一
つ以上 の 目標 に役立つ学習への機会 ともな る。 このよ うに学習の過程を考 えるな らば,精
薄児 の学 習 内容は,‐ ス コープ とシHク
エ ンスによ って習 慣,理
解,態
度 の発達過程を洗練 してい くことにな るで あろ う。 上述 の観点 か ら,発
展 的系統 的に教育課程 を編成す る場合,そ
の基本的な経験的知識 を立体 的 に 構造化 し,家
庭 とか 自分で学習す るに必要 な周辺的知識を適切 に位置づ けで きるよ うな構成 が必要 で あろ う。つ ぎに掲 げ る学習内容 は,教
育課程 を系統 的 に構造化す るための重点 内容 を示 す もので あ る。発達段階に よる教育課程構成上の重点 内容 大石純悟 :精神薄弱児教育の教育課程編成の方法 (1) 発 達 段 階
C.AIM.AI教
育 課 程 の 重 点 内 容 /Jヽ 低 学 校 程度 学 年1∼ 3 1
恩
羮謁
猿
誉含
襲籠
吾贄驚能的
,感
覚的
, 3∼6ギ
│1
契
甚握
衡
攣含思
ぁ
言語的
,社
会的など
の
6∼
9 1
基礎的技能教刊 と作業習慣 小 高一勢
8 ∼ 12 以 上 │8∼
12 社会的,職
業的適応(J
小学校低学年程度で, M・
Al∼
3の
訓練可能 の精薄児 の教 育 内容 は,そ
の 目標を 自立,社
会 化,表
現 な どにおかれ るべ きで あ る。 この発達程度 の精薄児 は,知
的な面 で普通児 のほぼ1/3から ・/2程度 まで発達 す る可能性 を もって い ると考 え られ るが,
知 的 に劣弱で あ るため,3R's学
習 に十 分な技能 を習得 す る ことは困難 で あ り不可能 に近 い。彼等 は教 科 的 な意味 におけ る学 習 はほ とん ど で きないため,普
通学級や特殊学級 のいずれの教育計画 に参加 して も,学
業面で効果 を あげ ること は 困難で ある。成人 にな って,極
く稀 な事例 の外 は新 聞を読 む こと もで きない し,他
の印刷物か ら 娯 楽や情報を読み とることも困難で ある。 また彼等 は,生
活上 自分 の収入 や その他 の収入金 の管理 をす ることもで きないで あろ う。 これ らの ことは,知
的 な面 におけ る限界 で あるが,行
動面 におけ /p生 活技術 においては,十
分 な能 力を もって い ることも事実 で あ る。例 えば,(i)衣
服 の着脱,
トイ レの使用,
食事 な ど,
日常的な生活技術 におけ る自立的な技能 は発展 さ せ ることがで きること。 (ii)就学年令 前,た
とえ コ トバ によ る コ ミユニケ ーシ ョンの技能 が未熟 で あ って も,
話す こと を学 んだ り,簡
単 な会話 をす ることがで きるよ うにな る こと。 ()保
護 された環境 や よ く知 って い る地域社会 の場 におけ る一 般 的 な危 院 に対 して は,
自分 を 守 る ことがで きるよ うにな ること。 (iv)さ らに家庭や地域社会 における保護 された環境 においては,
簡単 な雑用をす ることがで き るよ うにな ること。 な どは,彼
等 の教育 の可能性 を示 す もので あ る。 しか し彼等 は,成
人 して も社会 的経済 的 に独立す ることは困難であるため,彼
等 の金 生活 を看護 し監督 す る者 が必要 で あ る。 また彼等 が,将
来結婚 し,家
族 を養 い,あ
るひは独 立 した家庭生活を営む ことは極 めて稀で あるといわねばな らない。常 に両親,縁
者,知
人 の保護 の もとで生活 してゆかねばな らない。 そ うでなければ,収
容施設で あ る 社 会福祉機 関 によ って保護 され る必要 が あ る。従 って,
これ ら精薄児 の教育 目標 は,彼
等 の全生活 が依存的,準
依存 的で あ るため,そ
の教育計画を保護 され た環境で生活 し,働
くに必要 な最小 限 の 技能 の発展 に重点 がおかれねば な らない。 その一般的 目標 と して は,す
で に とaumgartneF,B.B,
Pcrry,Natalic,Roscnzwcig,Lo E.&Long,Julia等
によ って詳細 に述べ られているよ うに,
自留
導
移
篠程度
生活適応 と学習一作業計画 中学程度 …職業指導 (前職業的経験) 高校程度…学習一作業計画立
,社
会化,コ
トバ の コ ミユニ ケーシ ョン (表 現)な
どが強調 され る必要 がある。 その具体 的な内 容 につ いて は前述 した基礎 的な技能訓練 とな る。上表 中の低学年 の職業的技能 とあ るのは,職
業的 技 能 訓練 の レデ ィネスづ くりの段階 を さす もので,例
えば,お
使 いをす る,掃
除をす る,食
卓 の準 備,食
器 を洗 う,洗
濯 をす る,道
具 を使用す る,よ
く知 った所へ 出か け る,な
どを 指 す も のであ る。12)同
じ小学校低学年で,M・
A3∼
64/2程 度 の段階では,
教科的な ものよ り,
社会環境 の中で 生 活 し,
社会適応の過程の中で,
高学年へ進む準備がな され る必要 がある。 基礎 的な準備が あれ ば,将
来 この子供 たちが知的な面で成長発達す る場合,有
意味な経験 の基礎 を豊 か にす る し,語
彙 の拡大,注
意時間の延長,筋
肉運 動 の調整 改善 な どか ら,教
科 的学 習へ の接近 も考 え られ る。13)小
学校高学年段階 の M・Aは
6∼9程
度で あ るため,
基礎 的技能教育を うけ る レデ ィネス が で きあが ってい ると見 られ るため,教
育課程 の内容は一層増大 し,
日常生活領域 に関す る教科や 経験 の学習で組織化 され ることにな る し,ま
た個別化指導 も必要 とな る。 この段階での教科 的教育 計 画 は,地
域社会 の一員 とな るため直面 しなければな らない必要条件 と して,読
む,書
く,人
なみ の コ トバ の使 い方,簡
単 な計算 な どので きる ことがあげ られ る。 しか し,彼
等 の共 通 した欠 陥 は, 文 字 を読む ことよ り,聞
く,話
す能力がで きていないため,こ
れ ら基礎 的学習を教科 と して取 り扱 うのでな く,お
話,音
楽,話
し合 いな どによ って,聞
く能力 を発達 させ た り,ま
た質問,応
答,討
議,劇
化,ゲ
ームな どを通 じて,
自己表現す ることを学ばせ るのが先決で ある。従 って,
この段階 の教育 内容 は,①
統合 された言語 技能,②
特殊 な技能 (音,図
工,体
な どで 自己表現 と,視
・ 聴 覚 的能力,規
則 と行動様式 の学習な ど),①
数 量的技能 (数概 ま と基本的計算,
日常生活の場 面 に応 用す る),④
社会,理
科,家
庭 に関す る技能 (社会的出来事,地
域社会 におけ る社会 と個 人 の関係,子
供 の環境 に対す る興味 と好奇心 の発達を促進す るもの)な
ど,
日常の生活 に必要 な教 材 を組織的個別的に編成 す る必要 がある。14)中
学校段階 における教育 内容 は,そ
の発達程度か ら,日
標 が生 活適応 と職 業指導 に向け られ るべ きで あるため,卒
業後 の実 際的な生活や職業 に関連 した ものに重点 がおかれ るべ きで ある。従 って,職
業 の準備 と しての職務経験 は,生
徒 の興味,能
力を観察,評
価で きる し,個
人 指導 と援助 を あたえ る職業指導計画 とな る。 その内容 は,①
職業指導 (職業領域 に関す る興味 と経験,家
事 に関す る経験),②
特殊 な技能 (音,図
工,体
),①
言語 的数量 的 および社会,理
科 によ る統 合 (社 会的能力,コ
ミユニケーシ ョンの技術,社
会 と個人 の関係,実
際 に即 した数 の理解 と計算) な どが含 め られ るであろう。15)高
等学校段階 の教育 内容 は,そ
の発達 の程度か らみて,①
その中核 とな る作業学習を通 じ て就職 のための訓練 をす る必要 がある。そのためパ ー トタイム的な配置を考 えるべ きであ り,作
業 学 習 (職 場実習)と
学校 で の指導 との時間配当によって,「
学 習一作業計画Jの
教 育 内容 が編成 さ れ るべ きであろ う。学校 内と外 との経験 は,相
互依存関係 にあるため,特
に 自己と社会 との関係 に 重点をお く指導 が必要である。② また この段階では,言
語技能,数
量技能 その他教科的な ものの 時間 は,お
のづ か ら少 な くな って くることも当然で ある。なぜ な ら,彼
等 の精神的成熟 が,発
達 の 限界 にきていることを認 めなければな らないか らで ある。 しか し,教
科 的学 召 がな くな るので はな い。学習の内容を,質
的 に再構成 し深化せ しめる方 向にかえてい く必要 があ る。例 えば,印
刷 物, 討議な どか ら,重
要 な事項 が理解 で きた り,自
己表現を どのよ うにす るか,な
どの 学 習 方 法で あ る。 また,読
書 につ いて も,何
を読むか,情
報 は どのよ うな方法で得 られ るか,新
聞雑 誌 その他 の大石純悟 :精神薄弱児教育の教育課程編成の方法 (1) マ ス コ ミか ら職 業
,地
方,国
内,世
界 な どの 出来事 を知 ることな ども含 め られ るだ ろ う。③ その 他,特
殊 な教科 と して の美術,音
楽,体
育 の外 に,職
業 的な技術や家庭 に関す ることが学習 内容 と な る。 ここで の職業的技術 は,本
業以外 に電気,金
属,木
工 な どの簡単な技術か ら,家
の修理,材
料 の選択,仕
事 を完成 させ る方法な どで ある。女子 は,す
ぐれた家事 の計画 に関連 のあ る家庭環境 を維持 し改善す るための学習分野が含 まれて くる。15)最
後 に,卒
業後 の指導計画 も考 え られねばな らない。卒業によって学校 のサービスが終 った と は いえない。卒業後 の援助は,精
薄児教 育 の未 開拓 の領域 といってよい。特 に卒業後の中心 的な 内 容 は,補
導対策 であろ う。 それは,個
人 的職業的 カウ ンセ リングであろ う。追跡的な学校 の指導計 画 は,学
校 が彼等 に門戸を開 くことによ って要望 に答 え,刺
激を あたえ る拠 り所 と して編成 されな ければな らないで あろ う。 ア メ リカの ミシガ ンにあ る Lanng公
立学校 の特殊学級では,卒
業 生 のため一週間2回
の夜間学校を設 けてい る。 その結果 と して, 5年
間 に 一\ の非行児 もで なか った ことを報告 してい る。 以上要す るに,精
薄児教育 におけ る教 育課程 は,子
供 が発展的 に把握 してい くため,諸
経験 の範 囲 と,そ
の中心 とな る経験 の系統 的構造化 によって編成 され る必要 のあることをのべ,そ
の内容 の 重 点 とな る学習経験 について考察 して きた。今後 におけ る教育課程 の問題 は,教
育 内容 のス コープ と系統 的な教材配列 の構造化 (シークエ ンス)を
ど うす るかが,教
育課程編成 における教 師の重要 な課題であろ うと思 う。は)Bruner,J,S.:The process of education:Harvard Univer,Press,1960。 繊 穣 訳 :教育 の過 程
,岩
波書 店,昭
38.(2)Baumgartner, B.B. :HeIPing the trainable mentally retarded child. New York:Bureau of Publication, cOlumbia Univer., Teacher College, 1960.
(3) Dunn, L. M. :Exceptional childrenin the scho。 1. Holt, 1960,
(4) JOhnSon, G. O. :Education for the slo、 T learner, Prenticc■■aII, 1964.
(5)Perry′ Natalie :Teaching the mentally retarded child.COlunbi2 Univer.Press, 1960. (6) Rosenzweig, L. E.&Lon g, Julia : Understanding and teaching the dcPendent retarded
child. Darien, COnn. :Educational Publishing COrp.,1960.
(7)恥「illey,R.De,監 ■
lraite,K.B.:The mentaⅢ
y retarded child.charles C Thomas,1964. (1969年 10月 31日 受理)118