17
身体活動にi>'ける呼吸ガス代謝と
心機能との関係について
(
ー
〉
川村仁視,石垣尚男,山田岳志,若杉和彦
The Relationship Between Energy Metabolisin And Cardiac Function At The Physical Activities.
(NO. 1
)
Hitoshi K A W AMURA
,
日
isaoISHIGAKI Takeshi YAMADA,
Kazuhiko W AKASUGIThe time courses of oxygen intake, and carbon dioxide output in energy metabolisin, heart rate and electrocadiographic as cardiac function during recovery processes after the Harvard Step Test were investigated.
The decline of the recovery breath the number of time and oxygen intake was steeper than that of the recovery heart rate orR-R time, Q-T time, T-P time in electrocadiographic. The first time of recovery processes ranged to 4 minutes and second time ranged to 9 minutes in energy metabolisin. But cardiac function first time of recovery ranged to 5 minutes and second time to 10 miuntes.
序 文 近年青少年の体格の向上はめさましいものがあるが, 体力は必ずしもこれと平行して向上していない。ことに 長近は激しい受験準備がこれに拍車をかけているといわ れている。こうした時に体育の授業中やスポーツの練習 中に循環器系の疾忠、のため倒れ,あるいは急激な運動負 荷 lこ耐えられず倒れ強いてはそのまま死亡するといった 倒が報ぜられている.我々体育やスポーツを指導するも のがこの様な現状を放置していてよいのであろうか.種 々の身体活動を実施するとき,呼吸循環と心臓との働き は密接なる関係を有していることは百をまたない現象で ある.しかしこれを科学的に具体化した研究は過去に見 山すことが困難な状態であって一般通念の様に解されて いるのではないだろうか. 身体活動時の酸素摂取量の検討は,エネルギー消費と 共にその後に来る安静状態への凶復過程を見極めるため にも必要なことである.またこの酸素摂取量及び炭酸ガ スの排出量に見られる変化は.血液中の血憾の燃焼及び 乳酸j吉正等とも深L、関連もち,当然心臓機能に与える影 響は大きいものがあると考える. 今世紀初め Hill一派による生理学的研究の 環にも この回復過程の生体反応の研究をみることができるが上 述の問題にはふれていない.しかしこの Hill一派の研 究は運動生原学研究の発端とみてよいであろう. Ly-thgee et al,は Standingrunning後 の 酸 素 摂 取 量 及び脈指数も測定し,前者の減少経過は後者よりも早い ことを認めている. また Margariaet al,はトレッド ミノレ走を用いて酸素摂取量のタイムコースについての研 究を行っている.我が国の学会においてもこの酸素摂取 量等のガス代謝についての研究は数多くみることができ るが, これと心臓機能との関連において行われた研究 は,その多くが心臓疾患発見のための医学的研究であ る 体育の立場より身体活動とその回復過程における両 者の関連性についての研究は非常に少く,心拍数のみに 関するものであるー しかし心拍の作用としては,心筋の 活動の時間,大きさあるいは休息の時間等が一心拍中 iこ 血流との関係において繰りかえして行われているのであ る. しかも時限中の酸素と結びついて,血液中のグリコ ーゲンを燃焼させエネルギー源となり,また回復におけ る機能促進をうながしているものである圃 そこで致々は体育実技あるいはトレーニングを行う場 合,呼吸と心臓機能にいかなる関連性があるのか,指導 土問題になるようなことはないだろうか,等を究明しよ うとして本研究に着手した.今回は一定の身体活動を負 荷条件として運動中の酸素渋取量及び炭酸ガス発生;量等
1
8
川村仁視,石垣尚男,山田岳志,若杉和彦 が回復lζ 向ってどの様な変化をもたらすのか,これと同 時IL:心臓機能はいかなる回復過程を示すのか,また呼吸 は心機能にいかに作用しているのか,その関連性の究明 を試みた. 実験方法 実験期日 昭和44年 7 月 ~9 月 被 験 者 本学々生 3年生17名 使用器具 エレクトロメタボラー ポリグラフ (福田理研式) (三栄測器式) 測定内容 1 )安静時における呼吸ガス代謝 2)安静時における心電図J
I
, aV
F,V
2,V
5 3) 身体活動中の呼吸ガス代謝 4)身体活動後の仔吸ガス代謝 遂時的 12分間5
)身体活動後の心電図 遂時的 30分間 身体活動としての負荷条件………一般に激しい運動とさ れている HarvaredStep Testを1分間120歩のテン ポで5分間実施した.尚この際メトロノームを使用し. 歩調の乱れが生じない様に注意した. 安静時及び回復時の姿勢は椅子坐位を基本型とした. 心電図は,I
J
, aVF,V
2
.
V
.
をLeadしたが,結果 の整理にあたっては第I
J
Leadをもって集計した. 結果と考察 本実験における被験者の身体的特質と安静時における 測定項目の状態は (Table 1)の通りである.この表l乙 被 検 者 一 覧 表 (Tab1e 1)被 検 者
│
主
IA.TI A.S! I.M I I.H I I.K I u.S I K・T I S.K I S. T I T判
N.SI N・NIN.HIM.K!M.TI T.MI O.T身 長 (c血)
1
-
1
2
172 164 169 175 172J
;
l
f
i
f
1
4
4
165 170 162 165 173 160 体 重 (kg) 58 54 58 74 65 621 591 63 60 54 53 60 67 60 呼 吸 数 〈 回J 16.2 17 20 8 15 10 26 16 18 14 18 17 12 17 17 24 15 13 標準換気量(1/血 in) 9.652 8.98 13.18 7.20 7.74 8.13 14.62 8.62 9.78 8.35 12.04 9.33 6.66 6.99 8.73 15.96 11.99 7.28 VO. ,//田in) 0.325 0.283 0.437 0.263 0.211 0.356 0.425 0.272 0.317 0.341 0.405 0.320 0.247 0.231 0.299 0.351 0.512 0.308 安 VC02 (1/血in) 0.2571 0.2461 0.3081 0.228 0.176 0.2621 0.314 0.2531 0.246 0.2471 0.292 0.2491 0.169 0.189 0.222 0.356 0.405 0.237 R . Q。
吋
0.87010叫
o
醐 0.833。
叫
ωo
0.800 0.743 1.010 0.796 0.766 93 心 R-R (sec) 1 0.942 1.0201 1.12810.78811.14010.70011.11210.86011.20011.004; 0.9841 1.1721 O.836品
団
0.848: 0組
.7721 0.7400.648 時 Q-T (sec) 1 0.4011 0.4401 0.4001 0.3881 0.4241 0.3601 0.4481 0.4401 0.4401 0.3801 0.4601 0.4481 0.340 0.4001 0.3621 0.3801 0.360 0.340 0.5121 0.3061 0.2521 0.180 0.168 一 一 一 一 図 S-R高(血血)115.311 21.51 12.CI 17.01 13.01 7.01 7.71 16.2! 12.21 13.01 18.01 13.61 22.2 10.01 18.71 27.01 11.2 19.5 一 一 十 一 一 一 S-T高 (mm)1 5.251 12.01 5.21 6.51 6.31 5.31 2.41 4.01 6.01 3.51 4.01 3.31 8.3 4.51 4.51 7.01 3.2 3.2 一 一 一 一 フェン 運 動 雁 N=17ントン ントンYン!l' Vング マ ヰ ジ 5年 7年 6年 7年 〈トミフヱンl
m
フ 野 球 5年 6年 3年 6年 ヤ 戸 も示した様に被験者はスポーツによるトレーニングをか なり長期間受けている.従って今回は対象をスポーツ選 手ζi限定したものである.被験者群の一般的傾向を知る 為lと各々の測定項目について平均値を算出してみた,こ れによると1分聞に16.2固の呼吸により 9.652e
.
jminの 換気を行なっている. しかも酸素摂取量 (V02)は0.325.
e
jminとなり,炭酸ガス(VCO.)は0.257e
.
jminを排出している.しかしこの様なことは17名の被験者について は個人差が非常に大きく,呼吸数は最大26回から最少8 回,酸素摂取量 (V02)は0.437
e
.
jminから 0.21l.ejmin の差があり安静時における呼殴ガス代謝,呼吸機能の個 人差の範囲を示すものであるa 一般に安静時の酸素摂取 量は 1 分間 200m1~300m1 といわれているが,換気量の 多いものは乙の安静時酸素摂取量も 300m1を越えてい る.また炭酸ガス排出量も同じ様な傾向を示している. この安静時のガス代謝が HarvardStep Test 5分間 という運動負荷により著しい変化を示した.この結果は (Table2) K示した通りである. 呼吸数,換気量は時間経過 lとともない増大を示してい る,しかし酸素摂取率 (V02予約は運動開始より 1分間に 急激な増大を示し,以後下降状態を示している.この乙 とは呼吸の効率が換気量の増大にともなわず,呼気中の 酸素摂取の濃度低下を示すものである.またこれは酸素 消費率 (O.9o) の下降にもはっきり見ることができる.身体活動における呼吸ガス代謝と心機能との関係について 19 運動負荷による呼吸ガス代謝 (Tabl 2)
「
一
一
日
l
子
2432iJ
タタ;竺
i
3 2 1 3 m i 0 3 2 5I
0.257 1削 6 i o m l l j運l
;
:
:
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l
z
z
l
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:
2
1
2
;
1
;
:
;
;
l
i
:
:
;
l
;
:
2
1
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:
;
;
;
;
l
!
動
13 min 1 55.070 1 4鉛!
4.33i
2側I
2.326 ! 50.11i
附 32.1I
1時 I4 min I 60.510 I 4.65 4.20 2.801 I 2.480 I 47.50 I 0.89 I 34.9 II
0 15 min 1ω9o 1 4.50I
4.05 i 2鰯 2.562 i 45.79I
0.89 1 371I
運動による呼吸ガス代謝負荷率 (必〉 (Table 3) N=17「
二
-jh
五 ヲ
ιELEE-E
耳 目
円
乙
同1
6L
6i
0.9 I 4l
-
0.7 I 3-
5l
5.1 I 30
11
2.8 I 50
1
6.9 I一 山」イ
建 I2 min I 360.2 I 56.0 I 60.6 I 677.41 676.3 I 5日 4.1 I 84.6 動 I3 min I 470.7I 47.8 59.8 I 727.1 805.1 46.7 I 10.4 I 98.1ι E
恥
;;;11321::ιι;;
1分間の酸素摂取量や炭酸ガス排出量の増穴はj臭気量の 培大と共に当然起きてくる現象である 身体活動により呼吸機能がし、かなる負荷を受けている か, 安静時のガス代謝と比較したものが (Table3) で ある. この表は安静時を基点0
(
)として運動中の負荷状態 を比率で示したものである.この表からも換気量の増大 lこともなう酸素摂取量及び炭酸ガス排出量は共に増大傾 向を示しているが (02~的 (V02~ぢ〕から酸素の摂取率の 低下,いわゆる呼吸効率の低下を見ることができる.ま (Fig. 1) 身体活動による呼吸機能の負荷率 ーーーーーー.x 一ー-N.H X一一xN.N-
ー
句
-
S.T 被 験 者 争 、 200 150 x-x 100 1民 / ¥ } ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 夫 / / ν h h a k ~x-X_、, メ/ぺ~)てIb
i
Y
7
2
1
;
50'ダ
t
と
ご
う
き
と
弓
11'1',岐数 。 % CO,
% 20%/1
1 2 3 4 5 分 1 234 5 1 2 3 4 5 123451 123 45 (time)20 川村仁祝,石垣尚男,山田岳志,若杉和彦 た呼吸商
(RQ)
が1
分自においてマイナスの負荷現象 を示しているが,これは運動開始1分聞において酸素の 過大摂取が起り以後時間経過にともなって栄養素の燃焼 が高まりゆく過程を示しているものと解される.この現 象は17名の被験者全員について共通した傾向である.先 の (Table2)のRQ
の変化は運動によって上昇し1.0 に接近するものである.この RQ は普通0.7~ 1.0 の間の数 値を示すものであって.RQ
の数値の変化によりエネル ギーの燃焼の度合をガス代謝より検討することができ る.Harvard Step Test 5分間という負荷により,安 静時lζ対して呼吸数は 1分聞に約 74%. 5分自には 129
9
ぢと負荷率の増大を示しこれにともなう換気量は約1769
ちから574%という非常に高い負荷状態を示している. これは激運動による呼気量の増大である.しかしながら 運動によって生じてきた呼吸効率の低下は酸素消費率 (O.~引の下降を示した.一方呼吸数,換気量の増大に よって酸素摂取量の上昇をはかり呼吸機能の促進をきた しているとみてよいであろう.(Fig.l)にこの身体活動 中の負荷率を示した. 乙の図から数値の上の個人差にはかなり大きなもの があるが負荷率としての時間経過には似かよった線を推 測することができる.S.Tの点線は呼吸数において3分 以後一定状態を示し0.%.
CO.~弘 VO.~彰においても ほぼ定常状態を示してきていると見てよいであろう.こ れは,中長距離の選手であるという基本的要因からうな ずける線である. 一方N.Nは野球の選手であるが, 呼 吸機能の負荷に大きな波がみられるので,特に運動の初 期において機能の効率が悪いと見るべきではないだろう か. 呼吸ガス代謝の回復過程 (Table 4) N=17 │換気量I
o
.
勿I
CO.グ│1V4l0m2in11V4叫121iI1l1V02 勿I
R QI
呼 吸 数I
一心拍o
.
安静時 I~I~I~I~I~I~I~I~I~
1 min 45.010 3.94 4.00 1.702 2 min 30.410 3.95 3.26 0.825 回 3 min 23.920 2.93 2.83 0.625 4 min 19.370 2.74 2.38 0.544 復 5 min 17.010 2.99 2.77 0.430 6 min 16.710 2.95 2.71 0.483 時 7 min 14.700 2.98 2.64 0.431 8 min 13.410 3.02 2.61 0.334 問 9 min 12.650 3.09 2.57 0.445 10 min 12.370 3.10 2.50 0.369 11 min 11.860 3.14 2.50 0.381 12 min 11.580 3.15 2.48 0.378 この様tJ:身体活動によって生じた呼吸ガス代謝の負荷 現象が,以後回復の時間経過とともにどの様に負荷の減 少過程を示すのであろうか, 乙の過程は (Table4)ζf 示した通りである.運動終了後の 1 分~2 分の聞にはま だかなり大きな負荷現象がみうけられるが,以後は大き な残り負荷は見られない.前述の運動中5分自の各項目 と回復時1分自の状態を比較してみると運動終了後の1 分聞に急激な負荷の下降現象をみることができる.特に 回復時 3 分以後にみられる酸素消費率 (O.~約,及び 2 分 以後lとみられる酸素摂取率(VO.%)の安静時よりも減 少している過程から,呼吸効率がこの時期において,安 静時よりも惑い状態を示していると解される.しかしζ れも時間経過にともない安静時に近づく傾向を示してい る.呼吸商 (R.Q) においては 1 分~3 分間の聞に1.0 を 1.755 39.22 1.04 27.3 16.365 1.078 28.69 1.17 24.1 7.933 0.639 29.34 1.02 22.2 6.378 0.535 29.12 0.98 21.7 5.726 0.454 30.72 0.92 20.7 4.624 0.438 30.19 0.90 20.1 5.250 0.376 30.51 0.87 19.9 4.789 0.338 30.35 0.85 19.3 3.753 0.316 32.00 0.81 19.5 5.115 0.299 32.66 0.77 19.0 4.341 0.289 33.12 0.76 18.6 4.430 0.280 33.71 0.74 18.6 4.447 乙えているが,乙れは運動終了と共に酸素消費率(0.%)
は著しく減少をしめているが,炭酸ガス発生率(CO.%) はこれと平行せず, 炭酸ガス排出の景が多い現象であ る.またζの時聞に回復に向う筋肉のエネルギー代謝の 元進が行われ,より炭酸ガス排出の増大傾向を起してい るとも考えられる.一方一心拍の酸素摂取量は,回復1 分自において 16.37ml と安静時の 3倍強であるが 5分 ~6 分で安静時に近ずき以後多少の動揺はあるが大きな 差はみられない.この回復の過程を安静時を基点 (0) とし,安静時K
向う残負荷を回復率として示したものが (Table 5)である. 乙の表でも先の呼吸効率の低下がマイナスの残負荷率 として現われている.特lと4分自以降l乙マイナスの残負 荷が多く増してきているζとから酸素の欠乏状態が起き身体活動におけるWfl投ガス代謝と心機能との関係につい亡 21 呼吸ガス代謝回復率 (劣)
「一一「正正副工戸耳九百
i
:
r
V02瓦
i
R QI
呼 吸pti
l九 時
o
--0-1- 0 0i
0 0I
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j
l
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j
j
l
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j
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;
l
6
l
4 min I 100.7i
-
16.7 I - 12.1 I 67.4 108.2 I - 14.8 I 23.0 I 34.0 16.3 I 復 I5 min I 76.3I - 9.1I 2.3 I 32.3 I 76.7 I --10.115.4 I 27.8 I - 6.1 ているのではないだろうか.しかし差の険定より換気 量,呼吸数では各々8分, 9分以後lこはその有意差が認 められないので,呼吸ガス代謝としては9介で一応安静 時に服しているといってよいであろう. 平常の呼吸数からこのガス代謝の傾向を推測すること ができないであろうかと云う考えから,安静持の呼吸数 と運動中及び回復時のガス代謝の各項目との相関係数を 算出した (Table6)~こ示した通り,安静時において は,換気量0
,勿,CO.
% に190水準で, 厳素摂取量 は596
水準でその有意性を認めることができた.運動時 においては, 1分目[と, 換 気 量 と 酸 素 消 費 率 (0,%) lこ 196水準,炭酸ガス発生率 (C02~めに 5%水準の有 意性があり, 5分自に至っては酸素摂取量と炭酸ガスの 排出;墜に1%水準で各々有意性が認められた.このことは運動の強弱にもよるが, Harvard Step Testの様々 激運動においては運動に必要な酸素摂取量及び炭酸ガス の排出量は運動初期において,呼吸数とl直接関係はない が5分経過することにより安静時の呼吸数と強い結びつ きを示してくるものと見てよい.従って本被験者群のよ うにトレーニングされた者にとっては運動の初期におい ては,呼吸と酸素摂取のバランスを失うがある時間の経 過をともなってそのバランスを保つようになるといって よいであろう.また凶復の過程においては, j酸素消費率 (0296)と 炭 酸 ガ ス 発 生 率 (C02%) に逆相闘がみら れる.これは先述してきた呼吸効率の低下がこの相関の 立場からも明瞭になったと見てよいであろう. また酸素摂取率
(VO
,)を基準としてその相関をみ たが, (Table 7)~こ示した通り換気量, 酸素消費率(
0
,%)及び炭酸ガス発生量(VCO
,)~こ 5 勿の有意 水準で相l羽を見ることができる.しかしこれが身体活動 を行うことにより 1%水準で有意な相関が換気量に認め られ,炭酸ガス発生量(VCO
,)はいづれも5%
水準で 相関係数の上昇がみられる. また呼吸商 (RQ) につい ては有意性を認めることはできないが逆相関で係数の上 昇がみられる.回復特においては10分以後に炭酸ガス発 生量(VCO
,)にのみ有意な相関をみることができるが 呼吸商 (RQ) は係数の下降を示している. しかも有意 性はない.以ヒのことから安静時の呼吸数を以つである 程度の呼吸効率,回復の過程を予測することはできるが 現段階でそれを決定ずけることは困難である. 先述した呼吸ガス代謝と平行した心機能の活動状態を 見るために心電図の測定を行なった。 (Table1) lこ被 験者の安静時における心機能の活動状態を示した.本文 中の心電図はlf--Leadを検討したものである.心拍数 は平均6
6
回であるが最大93固から最少50回と個人差は, 非情に大きい,特 lこ一般的な傾向としては運動廃の新し い者は心拍数の多い現象がみられる.また心筋の活動時 間としてのR-Rも同様である.また心筋活動の休息時 間と考えられるT-P
, あるいは心筋の興奮伝導時間と してのQ-T
においても同じ様な傾向を示している.し かし心筋活動の大きさを示すS-R高及びS-T高は個人 差があり様々な傾向を示している.以上の如きスポーツ マンの心電図はj同性徐脈により R-R間隔は延長すると 云われているが,本実験lこ際しでも8名, 47%が1秒以 上の徐脈の出現をみた.これらはいずれも徐脈傾向にあ るといってよい.またQ-T
間隔についてもやや延長の 傾向がみられる.T-P
間隔については先述した如く心 筋活動の休息時間とするならば(1・
H)(S.K)(N・
S)22 川村仁視,石垣尚男,山田岳志,若杉和彦 呼吸数とガス代謝との相関 (Tab1e 6) │ 換 気 量 │
O
2 必 │ 叫 必 │ V02 Vco2安静時 I~
0.810I
喜一0加
除
-0.718I
キ O叫 │ 運 1 min主
0.745 喜一0.600キ-0.452 0.249 0.356 動 3 min キ 0.497 0.393 0.391 0.139 0.334 時 5 min 0.415 0.250 0.163キ 0.445*
0.451 1 min キ 0.517 0.314 -0.017 0.181*
0.467 回 3 minま
0.648主
-0.586主
-0.614 0.284 0.373 復 5 min キ 0.529*
-0.530 章一0.549 0.146 ~ 0.609 時 10 min主
0.726*
-0.487章一0.584 0.229 0.310 12 minま
0.641 -0.386ま
-0.585 0.372 0.123 有 意 水 準 雲= H
ぢ ホ=5% 最大酸素摂取量と他の項目との相関 (Tab1e 7 ) │ 換 気 量 │ O2 %I
叫 必 │ Vco. R Q 安 静 時 │ 君 0.612I~
0側 │ 0.066i
l
l
0碗I
-0.192 運 1 min 0.381 0.414 0.095 ~ 0.680 -0.239 動 3 min*
0.492 0.323 -0.215 ~ 0.827 -0.357 時 5 min 0.292 0.230 0.075ま
0.869 0.441 1 min 0.274 0.086 0.104 0.389 -0.308 回 3 min 0.241 0.162 0.046 0.160 -0.211 復 5 min 0.240 0.319 0.253 0.345 -0.158 数 10 min 0.229 0.287 0.176 キ 0.508 -0.003 12 min 0.265 0.310 0.161 本 0.512 -0.042 有 意 水 準 雲 =1% キ =5~彰 R Q 0.134 0.099 0.330 0.283 0.415 0.326 0.289 0.172 0.124(
N
・
H)
等には同じ延長の傾向がみられるのである. 以上の残り負荷がある.T
-
P
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大きな負荷が残ってい こうした事柄は心臓の大きさあるいは血液量を究明す ることは心機能全般をみた場合にも高度な負荷現象があ ることによりより明らかになると思う.今後の研究課題 ると見るべきであろう.運動後1分から5分の閣の回復 の一つである. 率が最大で,心拍数R-Rで約17%.T-P で19~ちの下降安静時の状態が Harvard Step Test 5分間の負荷 を示し. 10分 か ら 15分においては,心拍数はlH弘 後どの様な回復過程を示すのであろうか,運動後30分間 R-R8~弘 T-P は 11%. 10分から15分の間では心拍数 の時間経過による変化(心電図)の状態は (Tab1e8) 4 ~弘 R-R2%. T-Pにおいては11%の下降を示して に示した通りである.心拍数は負荷により激増し運動直 いる.このことからl分から5分の間を初期回復期とし 後1分においてかなり大きい数値を示し以後除々に減少 以後10分までを第2次回復期.20分までを第3次回復期 じているが30分経過しでも安静時に服していないと見ら と区分してみるζとができるであろう. れる.R-Rの時間経過も同じ状態である.
T-P
時間は 以上の様な心電図からの回復過程と呼吸ガ、ス代謝との 1分後においてわずかの数値しかみられず,心筋の休息 関係ぞみるために安静時呼吸数を基準K相関係数をみる 時間はほとんどみられないといえる.S-Tの高さは, と(Table9)に示した如くである.安静時R-Rとは 4 分以後,安静時より下降を示し 19分まで続いている 5~ぢ水準で有意性があり,あと Q-Tにおいて12分.23 ζれは心臓の仕事量増加に対する冠循環の相対的な血流 分K5~弘 20分. 25分に. 1%水準の有意性が認められ 不足の結果生じてきた心筋の酸素不足と考えられる. る.またT-P
においては30分聞に5必水準で有意な相 (Table 8)の右側の閉復率をみると6分. 7分にこの 関があちわれた. S-T高の約10%のマイナス現象がみられる.また心拍 安静時酸素摂取量との相関をみると同じ (Table9) 数においては2分迄.T-P においては8分迄の間50% l乙示した通りS-T高に有意性のある逆相関がみられ月 t 丹 i n n n n 一
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話24 IIIH仁侃, 石flCi尚!比 111日
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射における炭微力スUl;D'jパ存とiトf IJI~ 数との相関 l こもみられる また心拍数においては5分 自に5P
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1100 %/11 分 10 こ の 回 復 過 程 の 両 者 の 相 関 を よ り 明I僚にするために (Fig.2)をみると.各項目の回復過程をみることができ る この図からみてわかる憶に回復過程はまず呼吸ガス 代謝が先行しこれを追う僚に心機能の回復がみられる. また先の (Table5)の回復率においてその差から, 1 分から4分を初期[jjJ
復期とし.以後9分までを第 2i、夕i
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復とみることができる.従って先述した心i玄関の!日│復期 の区分と比較した場合それぞれ1分のずれが生ずる.呼 1Pl_ガス代謝の回復は心電図の匝│復期より 1分づっ先行し ているといってよいであろう.以上の様な関係を[取って 呼l吸ガス代謝と心機能は各々回復をはかつてきている が.被験者個人個人の差は (Fig.3) (Fig.4)例を示し た通1)非常に大きくまた復雑である. この個人差の問題は今後の研究により.より!明らかに してゆきたいと思う. 結 論 今回の実験研究により下記の点がまず明かに芯ったと ア、ってよいであろう. 1 身体活動後の恒│復過程は, I呼吸カス代謝では連動 後4分を初期回復期とし,以後 9分までを第 2次回 復期とし時間経過にともない段階づけられること. 2 心機能の回復は,呼吸ガス代謝に一分づつおくれ て回復の時間的経過を示していること.3
心電図のS-T
波の高きは,酸素摂取率及び炭酸 ガス排出率ときわめて高い関係があること.身体活動における呼吸ガス代謝と心機能との関係について
4 安静時の呼吸数により酸素摂取率及び炭酸ガ、スの
排出率をある程度見きわめることができる.
5 心機能の回復は,呼吸回復よりも時間的遅れが大
~l 、こと.
6 Harvared Step Test の様lとかなり激しい身体 活動後は,ガス代謝,心機能ともに第2次回復期l己 心筋の酸素欠乏が認められる.両者の機能が回復す るまでの時聞は,
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分とみることができる.以上結 論として主な点、をあげたが,この中にもまだまだ多 くの問題が残されている.例えば個人差の問題や回 復過程の複雑な要因等今後の問題として重相関や負 荷条件に変化をもたせることにより究明しなくては ならない.また幾多の課題が生じてきたので今後の 問題として本論文をとじる. 参 考 文 献 猪 飼 道 夫 他 「スポーツの生理学」 同 文 書 院 猪 飼 道 夫 他 “筋力の生理的限界と心理的限界の 筋 電 図 学 的 研 究 " 体 育 学 研 究 第5巻 猪 飼 道 夫 「運動生理学入門」 体育の科学社 中 西 光 雄 「体育生理学実験」 技 術 書 院 竹 中 哲 夫 「スポーッ医学j 追 遥 書 院 梅 田 博 道 「肺機能検査」 中 外 医 学 社 時 実 利 彦 他 「筋電図の臨床」 協同医学出版 木 村 ・ 和 田 「心電図とその推理」 南 山 堂 E. Grey, DimondI
図 解 運 動 負 荷 心 電 図 」 永 井 書 庖 朝 倉 哲 彦 「脳波・心電図・筋電図」 南 江 堂 スポーツ科学講座「全巻」 大 修 館 書 房 久松栄一郎他 「スポーッ医学J
体育の科学社 福 田 邦 三 「 人 体 生 理 学 」 南 山 堂 問 団 直 幹 他 「新生理学下巻」 医 学 書 院 Hi山11,A.V.efficiency of human musc1es, and their most economical speed"
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Physio1. Hi11, A.V “The heat of shortening and thedynamic constants of musc1e" Proc, Roy Karpvich “Physiolgy of muscular Activity"
W,B,Sanders Co.