「脳死片肺移植後の自己肺に発生する合併症に関する研究」について
2009 年 01 月 01 日から 2017 年 12 月 31 日の間に、脳死肺移植術の治療を受けられた
患者さまへ
研究機関 獨協医科大学病院 呼吸器外科 研究責任者 千田雅之(主任教授) 研究分担者 前田寿美子、小林哲、苅部陽子、荒木修、井上尚、西平守道 このたび獨協医科大学病院 呼吸器外科では、脳死肺移植術を受けた患者さまの診療情報を用いた研究を実 施しております。この研究を実施することによる患者さまへの新たな負担は一切ありません。また、患者さま のプライバシーの保護については法令等を遵守して研究を行います。 あなたの試料・情報について、本研究への利用を望まれない場合には、研究責任者または分担者までご連絡 をお願いします。 1.研究の目的 及び 意義 本邦の脳死肺移植では、なるべく多くの移植希望患者さまに移植が行えるよう、肺高血圧症や両側の慢性感 染症がない限り左右いずれかの片肺移植を選択しています。一方で移植後の免疫抑制治療に伴い、片肺移植後 の残存自己肺に感染症や悪性疾患等が発生して、しばしば治療が難しいときもあります。この研究では、脳死 片肺移植術後の自己肺合併症の種類や発生頻度の把握、危険因子を発見することを目的としています。研究結 果から、片肺移植術に向かない患者さまの特徴を把握できる可能性があります。 2.研究の方法 1)研究対象者 2009 年 01 月 01 日から 2017 年 12 月 31 日の間に獨協医科大学病院 呼吸器外科において、脳死 肺移植術を受けられた方を対象とし、9 名の方にご参加いただく予定です。 2)研究実施期間 本研究の実施許可日 ~ 2020 年 03 月 31 日 3)研究方法 対象患者さまの診療録から、以下の情報を調べて解析します。 4)使用する試料・情報 ◇ 研究に使用する情報 年齢、性別、原疾患、移植登録年月日、移植術式、移植年月日、ドナーおよびレシピエントの喀痰細菌検 査(一般細菌、抗酸菌)、ドナーおよびレシピエントの CMV 抗体価、レシピエントアスペルギルス抗原 および沈降抗体価、移植前の原疾患に対する治療歴(プレドニン内服歴、免疫抑制剤内服歴、ステロイド パルス療法歴)、移植後自己肺に発生した疾患名、移植後イベント発生時期、自己肺の転帰 上記の使用に際し、研究対象者となる患者さまの個人情報は匿名化し、プライバシーの保護には細心の注 意を払います。5)試料・情報の保存 本研究に使用した情報は、研究終了後 5 年間保存します。また、保存した情報を用いて新たな研究を行 う際には、呼吸器外科医局ホームページまたは呼吸器外科外来のポスター等でお知らせいたします。 6)研究計画書の開示 患者さま等からのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、本研究 計画の資料等を閲覧することができます。下記問い合わせ先までご連絡ください。 7)研究成果の取扱い この研究の成果は、研究対象者となる患者さま等の個人情報がわからない形にした上で、学会や論文で発 表することがありますので、ご了承ください。 8)問い合わせ・連絡先 この研究についてご質問等ございましたら、下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・ 情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象とはしませんので、2018 年 6 月 30 日までに下記にお申し出ください。資料・情報の使用を断られても患者さまに不利益が生じることは ありません。 獨協医科大学病院 呼吸器外科 研究担当医師 前田寿美子 連絡先 0282-86-1111 内線 2640(平日:9 時 00 分~17 時 00 分)
脳死片肺移植後の自己肺に発生する合併症に関する研究
−研究計画書−
研究機関 獨協医科大学病院 呼吸器外科 研究責任者(職名) 千田雅之(主任教授) 研究分担者 前田寿美子 小林哲 苅部陽子 荒木修 井上尚 西平守道1.研究の背景と意義 本邦の脳死肺移植では、肺高血圧症合併例や両側慢性気道感染例以外は、ドナーシェアリングの観点から左右 いずれかの片肺移植を選択することが多い。一方で移植後の免疫抑制治療に伴い、片肺移植後の残存自己肺に 感染症や悪性疾患等が発生して、しばしば治療に難渋することを経験する。とくに間質性肺炎については移植 希望者数の増加、移植件数の増加を背景に、移植後の自己肺合併症の種類や発生頻度の把握、リスク因子の同 定を通じて対応策を検討する必要がある。 2.研究の目的 脳死片肺移植後の残存自己肺に発生した疾患の種類(感染症、悪性腫瘍)、頻度、移植後発生時期、転帰等を 調査し、ドナーおよびレシピエント由来のリスク因子を同定すること。それをもとに将来の肺移植希望患者の 術式選択に資することを目指す。 3.研究対象者の選定方針と対象数 対象は 2009 年 01 月 01 日から 2017 年 12 月 31 日までに獨協医科大学病院呼吸器外科において、脳死片肺移植 術を受けた患者を対象とする。 対象期間における当該症例数は 9 例である。 (本研究をもとに、本邦の脳死肺移植認定施設の多施設共同研究へ発展させ、さらに症例数を増加する予定で ある。その際は改めて多施設共同研究として申請を行う予定である) 4.研究の種類と方法、研究期間 4-1:研究デザインおよび調査項目 【デザイン】 後ろ向き観察研究として、獨協医科大学病院呼吸器外科単独で行うものである。 【調査項目】 A.臨床情報 年齢、性別、原疾患、移植登録年月日、移植術式、移植年月日、移植前の原疾患に対する治療歴(プレドニ ン内服歴、免疫抑制剤内服歴、ステロイドパルス療法歴)、移植後自己肺に発生した疾患名、移植後イベント 発生時期、自己肺の転帰 B.検査結果 ドナーおよびレシピエントの喀痰細菌検査(一般細菌、抗酸菌)、ドナーおよびレシピエントの CMV 抗体価、 レシピエントアスペルギルス抗原および沈降抗体価 4-2:データ入力および保管方法 エクセルで作成したデータシートに上記データ入力を行う。なお氏名、住所、検査施行日、獨協医科大学病 院患者 ID など、個人を特定できる指標および上記以外の項目は入力しない。また、研究用の登録番号は獨協 医科大学病院患者 ID とは別の任意の専用番号 (研究用登録番号) を入力する。なお、本エクセルデータは獨 協医科大学病院呼吸器外科のインターネットに接続していないパソコンで保管する。また研究終了後は、5 年 間の保存ののちに速やかにデータを削除、破棄する。 研究対象者の識別表は、本研究専用の紙媒体を作成し、獨協医科大学病院患者 ID とイニシャル (名・姓) お よび研究用登録番号のみを記載する。なお、本識別表は電子媒体への変換は行わず、呼吸器外科医局で厳重に 管理する。 4-3:解析方法 背景因子に関しては、おもに記述統計学的な検討を行う。自己肺の予後については、移植年月日から自己肺 イベント発生までの時間を Kaplan-Meier 曲線を作成して解析する。
4-4:研究期間 研究期間は実施許可日から 2020 年 03 月 31 日とする。 5.研究の科学的合理性の根拠 これまでに脳死片肺移植術後の残存自己肺の合併症の種類、頻度、予後に関する研究は公表されていない。 また本研究は後ろ向き観察研究であり、対象患者に身体的苦痛を与えない非介入研究である。 6.結果の公表 解析結果は、研究対象者にプライバシー上の不利益が生じないよう、適切に匿名化されていることを確認し、 胸部外科関連の学会および学術誌に投稿を行い公表する。研究参加者への研究結果の開示は行わないが、問い 合わせがあった場合には論文発表後であれば結果の説明を行う。 7.倫理的事項 7-1:インフォームド・コンセントと研究拒否機会 本研究は、通常の診療において生成される診療情報を収集、匿名化して解析するものであり、人体から取得 された試料 (血液、体液、組織、細胞、排泄物及びこれらから抽出した DNA 等、人の体の一部であって研究に 用いられるもの) に該当しない。したがって、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 (平成 29 年 2 月 28 日一部改正)」に基づき、必ずしもインフォームド・コンセントは必要としない。 なお、研究対象者へ研究が実施されることについて、 試料・情報の利用を希望しない研究対象者に対しオ プトアウトの機会を設ける。 具体的には人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に従い、公開すべき事項を含むポスターを呼吸器外 科外来および病棟の目につくところに掲示し、情報の公開と拒否の機会を設ける。また研究対象者およびその 関係者からの研究に対する相談に対しては、獨協医科大学病院呼吸器外科で電話または来院で応じる。さらに 本研究の研究計画書の閲覧希望がある場合は、獨協医科大学病院呼吸器外科外来または病棟で配布する。 なお、研究対象者の何らかの理由により、研究計画書の閲覧希望、研究の拒否希望を述べることや決定する ことが出来ない場合、研究対象者の家族または研究対象者が認める者を代諾者として認めることとする。 7-2:研究拒否後の対応および研究拒否による不利益 研究対象者が参加拒否を申し出た場合、研究対象者が不利益を受けることなく、いつでも研究参加を拒否す ることができる。 研究参加拒否の申出先および担当者はオプトアウト文書に記載の通りとする。研究対象者が参加拒否を申し 出た場合、その旨をカルテの記録に残し、本研究に関する情報の収集は行わない。また参加拒否の意思に従っ た措置を講じることを研究対象者に説明する。 7-3:個人情報の保護 「4-2 データ入力および保管方法」に記載した通り、本研究で収集する情報には個人が特定される情報は含 まず、匿名化を行った資料を用いる。また収集した情報は獨協医科大学病院呼吸器外科内のインターネットに 接続していないパソコンで保管し、研究終了後、5 年間の保存ののちに速やかにデータを削除、破棄する。 さらに研究対象者の識別表である紙媒体は電子媒体への変換は行わず、呼吸器外科医局で厳重に管理する。 7-4.本研究において予測される危険性 本研究は通常診療で得られる患者の既存資料の利用にとどまり、研究対象者に身体的リスクを与えるもので はない。 8.研究対象者の負担とリスク、利益の総合評価
8-1:研究対象者の利益および不利益 研究対象者にとっての直接的な利益は無い。集積される情報には個人識別情報を含まず、複数の情報から個 人を推定できないように配慮している。さらに情報の収集ならびにその保管は厳格に管理し、運用、目的を限 定した情報の取り扱いを行うため、研究対象者に与える情報リスクを極小化しており、実質的な不利益は無い。 また本研究において脳死片肺移植術後の自己肺合併症のリスク因子が明らかとなれば、将来の肺移植希望患 者の術式選択において利益や恩恵を与える可能性がある。 8-2:研究対象者の負担とリスク、およびそれらを最小化する方策 本研究は既存情報を利用する観察研究であり、主に予測されるリスクは個人情報の漏洩に伴うものである。 解析に用いられるデータは匿名化され厳重に管理される。個人情報漏洩のリスクを最小化するため、「6-3 個 人情報の保護」の管理方法により個人情報保護についての対策を行う。 8-3:負担とリスク、利益の総合評価 本研究がもたらす総体としての利益は、本研究に伴う負担とリスクを正当化するものであると考えている。 9.研究対象者の費用負担および謝礼 本研究は診療録に基づく観察研究であり、研究対象者の費用負担は発生しない。また研究対象者への謝礼も ない。 10.研究対象者等からの相談等への対応 本研究に関する相談に関しては、オプトアウト文書に問い合わせ先を記載することにより対応する。 11.研究計画の変更 本研究計画の変更等が生じた場合には、それらの可否について審査委員会での審議の後、病院長からの通知 を以って対応するものとする。 12.研究機関の長への報告内容及びその方法 進捗状況の報告については、臨床研究実施状況報告書をもって報告する。なお、研究終了時または中止時は 臨床研究の終了報告書をもって報告する。 13.利益相反 当該研究に関して開示すべき利益相反はない。 14.その他 本研究は通常の診療を超える医療行為を伴うものではなく、侵襲を伴う研究、緊急かつ明白な生命の危機が 生じている状況で行う研究ではない。 研究対象者から取得された試料・情報について、本邦の脳死肺移植認定施設との共同研究のために用いられ る可能性および他の研究機関に提供する可能性がある。その場合は、あらためて倫理申請を行い、研究の妥当 性について審査を受ける。 本研究に関する業務の一部を委託することはない。またモニタリングや監査を行うものではない。 15.参考文献