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兵庫県立歴史博物館特別企画展 阪神 淡路大震災二十年 災害と 被災文化財等レスキュー活動の二十年 阪神 淡路大震災における文化財等レスキュー活動において 二〇一五年一月十七日 阪神 淡路大震災から二十年を迎 は 文化庁による 阪神 淡路大震災被災文化財等救援委員 歴史遺産 ではこれを機に えた 兵庫

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Academic year: 2021

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Kobe University Repository : Kernel

タイトル

Title

兵庫県立歴史博物館特別企画展「阪神・淡路大震災二十年 災害と歴史

遺産―被災文化財等レスキュー活動の二十年―」(フィールドリポー

ト2)('The 20th Anniversary of the Great Hanshin-Awaji Earthquake :

Natural Disasters and the Rescue of Historical Heritages Since 1995'

(Special Exhibition, Hyogo Prefectural Museum of History))

著者

Author(s)

前田, 徹

掲載誌・巻号・ページ

Citation

Link : 地域・大学・文化 : 神戸大学大学院人文学研究科地域連携センタ

ー年報,7:123-128

刊行日

Issue date

2015-12

資源タイプ

Resource Type

Departmental Bulletin Paper / 紀要論文

版区分

Resource Version

publisher

権利

Rights

DOI

JaLCDOI

10.24546/81009172

URL

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81009172

PDF issue: 2018-12-20

(2)

神・

 

歴史遺産

被災文化財等レスキュー活動の二十年

前田

 

(以下 「当館」 と略) ではこれを機に、 (土) から三月十五日 (日) までを会期として、   周知のとおり、阪神・淡路大 震災においては、行政だけでは なくボランティア団体など数多 くの人々によって被災した文化 財等に対するレスキュー活動が 進められた。神戸大学に事務局 を 置 く 歴 史 資 料 ネ ッ ト ワ ー ク (史料ネット) が結成されたのも こ の 震 災 の 中 で の こ と で あ る。 阪神・淡路大震災における文化財等レスキュー活動において は、文化庁による「阪神・淡路大震災被災文化財等救援委員 会 」 ( 以 下、 「 救 援 委 員 会 」 と 略 ) の 活 動 が 美 術 系 の 作 品 を 中 心としたものになったのに対して、神戸を中心とした関西の 歴史研究者がボランティア団体として発足させた史料ネット の活動は、民間所在の文献史料が主な対象となり、被災地各 自治体と連携しながら数多くの被災資料をレスキューし、大 きな成果をあげた。   その後、こうした神戸の史料ネットの活発な活動に刺激さ れて、全国各地で大規模災害が発生するたびに、それぞれの 地 域 ご と に 史 料 ネ ッ ト が 結 成 さ れ る よ う に な っ た。 た と え ば、 二 〇 〇 三 年 の 宮 城 県 北 部 地 震 に 際 し て は 宮 城 歴 史 資 料 ネットワークが結成され、翌二〇〇四年の新潟県中越地震で は新潟歴史資料救済ネットワークが成立し、活発な活動がす 会場入口

Reports

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すめられた。こうした各地の史料ネットは、二〇一二年まで に 二 十 一 団 体 が 成 立 し て お り ( 奥 村 弘 編『 歴 史 文 化 を 大 災 害 か ら 守 る 』〔 東 京 大 学 出 版 会、 二 〇 一 四 年 〕 に よ る ) 、 現 在 な お 増 え続けている。こうした阪神・淡路以降のレスキュー活動の 蓄積が、二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災にお いて、国の諸機関が中核となりながら展開した大規模なレス キュー活動を生み出す基盤の一つになったといえよう。   この展覧会では、こうしたレスキュー活動のうち、当館の 守備範囲となる歴史・民俗系資料のレスキュー活動の歩みを 紹介していくために、全体を三章にわけて構成することとし た。   まず、東日本大震災で被災し、レスキューと海水損からの 安定化処理が進められている資料を紹介する章を設けた。こ れは、東日本大震災におけるレスキュー活動とその後の支援 に も 尽 力 し て き た ( 公 財 ) 日 本 博 物 館 協 会 が 呼 び か け た「 絆 プロジェクト」に応募したものである。日博協の呼びかけの もと、被災地でレスキューとその後の安定化処理に尽力して きた岩手県立博物館を中核館とする「津波により被災した文 化 財 の 保 存 修 復 技 術 の 構 築 と 専 門 機 関 の 連 携 に 関 す る プ ロ ジ ェ ク ト 実 行 委 員 会 ( 以 下「 津 波 プ ロ ジ ェ ク ト 」 と 略 ) 」 が 結 成され、東京国立博物館など諸団体の協力のもとで、陸前高 田市立博物館の所蔵品を中心としつつ、岩手県域における被 災・レスキュー資料を紹介する展示が制作された。   この展示は、 岩手県立博物館で二〇一三年一月に開催され、 つづく二〇一三年度中に昭和女子大学光葉博物館、大阪自然 史博物館、伊丹市昆虫館、橿原市昆虫館、東京都江戸東京博 物館で開催された展示をもとにしつつ、レスキュー後の安定 化処理作業の現段階に合わせる形で再構成されたもので、本 展では第一章にこの展示をあてた。   展示では、大津波により全損し、三月十一日当日に勤務し ていた六名の職員全員がお亡くなりになるか行方不明となっ た 陸 前 高 田 市 立 博 物 館 の 所 蔵 品 を 中 心 に、 同 市 立 海 と 貝 の ミュージアムや同市立図書館、そして釜石市教育委員会で被 災し、岩手県立博物館が中心となって脱塩処理などを行った 被災資料、そのほか若干の岩手県内個人・団体所蔵の被災資 東日本大震災写真パネル等 東日本大震災被災修復資料

(4)

このうち陸前高田市立博物館は総合博物館で、 このため、 援 に 入 り、 海 水 損 か ら の 応 急 処 置 ( =「 安 定 化 処 理 」) こ の「 津 波 プ ロ ジ ェ ク ト 」 に よ る 展 示 会 は、 当 館 に、 ほ ぼ 同 時 期 に 東 京 国 立 博 物 館 ( 一 月 十 四 日 ~ 三 月 ) 、 宮 崎 県 総 合 博 物 館 ( 一 月 十 日 ~ 二 月 二 十 二 日 ) で も れ た。 ま た、 「 津 波 プ ロ ジ ェ ク ト 」 の 経 費 に つ い て は 十 六 年 度 文 化 芸 術 振 興 費 補 助 金 ( 地 域 と 共 働 し た 美 術 の補助を受けている。 淡 路 大 震 災 に お け る レ ス キ ュ ー 資 料 と し て は、 「 救 像や、史料ネットが西宮市教育委員会と連携してレスキュー した上瓦林村岡本家文書をはじめ、 芦屋市、 尼崎市、 伊丹市、 神戸市など被災各自治体がレスキューした文書群、神戸深江 生活文化資料館がレスキューした民具、史料ネットの活動記 録の一部などを展示した。ただし、当時の史料ネットの活動 そのものにそくしてみれば、まだまだ紹介すべきレスキュー 資料も多かったのであるが、準備過程での見込み違いなども あって十分に展示できなかったことは詫び申し上げたい。   さらに、兵庫県域では二〇〇四年台風二十三号、二〇〇九 年台風九号関連豪雨災害においても史料ネットが中心となっ てレスキュー活動が進められており、この中から但馬国養父 郡浅倉村田尻家文書、佐用町上月大谷家資料などの水損資料 も紹介した。 阪神・淡路大震災レスキュー資料 2009 年台風 9 号関連豪雨災害レスキュー 資料

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  水損資料については、 地震による被災と異なり、 レスキュー 後に乾燥させるなど一定の応急処置が必要となる。史料ネッ トでは二〇〇四年の活動以来、様々な専門家の支援を得なが らその方法を確立させてきている。展示ではこうした応急処 置の方法についても、 自然乾燥、 真空凍結乾燥処理、 スクウェ ルチ・ドライイング、水洗いクリーニングなどを、実物資料 とパネルで紹介した。   二〇〇九年にレスキューされた大谷家の資料としては、当 館 も 協 力 し た 文 書 群 の ほ か、 国 立 民 族 学 博 物 館 に よ っ て ク リーニング作業が行われた民具類も紹介した。このほか、佐 用町教育委員会が独自にレスキューした同町内平福の鋳物師 瓜生原家文書も展示をした。この中には中世の鋳物師文書の 写しも含まれており、網野善彦氏の紹介以来鋳物師の基本史 料の一角を占める重要なものである。   ついで、県域を中心とした災害の歴史について紹介する章 を設けた。九世紀の貞観播磨地震や二〇〇年ごとに繰り返さ れてきた南海トラフ地震、阪神・淡路大震災と類似する直下 型地震であった慶長伏見地震などの地震災害や、寛延の姫路 洪水、昭和十三年の阪神大水害などの豪雨災害を示す資料を 展示し、大規模災害は不幸なことながらいつでもどこでも起 こ り う る こ と を 再 認 識 し て い た だ く こ と を 目 指 し た。 ま た、 災害時の文化状況を示す資料として、兵庫県立人と自然の博 物館研究員加藤茂弘氏所蔵の鯰絵・瓦版コレクションの一部 も展示し、安政江戸地震を素材として、災害に伴って生起す る文化・社会状況や、それをとらえる人々のまなざしも紹介 した。   展 示 の 最 後 に は、 当 館 館 長 薮 田 貫 の 発 案 に よ り 感 想 コ ー ナーを設けることとし、付箋に感想を記して壁面に貼付して もらうこととした。学校団体として来館した小学生など、阪 神・淡路大震災を経験していない世代からは、地震のこわさ がよくわかった、といった感想が多くみられ、被災を経験さ れた来館者からは、当時のことを思い出す、といったものも みられた。そして、文化財レスキュー活動の意義をはじめて 知ることができた、修復技術の高さに感動した、災害から立 ち な お ろ う と す る 力 を 感 じ た、 と い っ た 感 想 も 多 く み ら れ、 寛延姫路洪水の被災状況絵図 県域災害史関連資料

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の レ ス キ ュ ー 活 動 」、 関 連 ワ ー ク シ ョ ッ プ と し て、 一 氏 ( 岩 手 県 立 博 物 館 学 芸 第 二 課 長 ) に よ る 講 義 と、 及 川 甲 子 氏 ( 陸 前 高 田 市 立 博 物 館 学 芸 員 ) に よ る ワ ー ク シ ョ ッ プ を 実施した。両氏とも、岩手県域 における被災資料の安定化処理 に日常的に携わっている方々で あり、日々の実践の中で培われ た技術を伝授していただいた。   また、歴史資料ネットワーク 協 力 の ワ ー ク シ ョ ッ プ と し て、 二 月 八 日( 日 ) に 水 損 資 料 修 復 ワ ー ク シ ョ ッ プ「 ど こ で も、 誰でも、簡単にできる」も開催した。講師は吉原大志氏、加 藤 明 恵 氏 ( い ず れ も、 歴 史 資 料 ネ ッ ト ワ ー ク 運 営 委 員 ) で、 こ ちらは一般の方々を対象として、二〇〇四年の台風二十三号 災害以来の水損資料レスキュー活動のなかで培われてきた技 術を学ぶ場とした。   さらに、日本博物館協会の研究協議会テーマ一「大規模災 害 と 博 物 館

阪 神・ 淡 路 大 震 災 か ら 二 十 年 を 迎 え て

」 も、 会 期 中 の 一 月 二 十 九 日( 木 )・ 三 十 日( 金 ) 両 日 に 当 館 を会場に開催された。阪神・淡路大震災以降、東日本大震災 まで、全国各地でレスキュー活動に携わってこられた十名の 方々に報告をいただき、レスキュー活動の成果と今後への展 望を考える機会が設けられた。   展示図録としては、まず、東日本大震災に関係する展示資 料について、 「津波プロジェクト」の編集でガイドブック『大 津波被災文化財保存修復技術連携プロジェクト

安定化処 理

』が刊行された。また、兵庫県域関係の独自構成分に ついては、当館の編集により『特別企画展   阪神・淡路大震 災二十年「災害と歴史遺産

被災文化財等レスキュー活動 の 20年

」兵庫県域関係展示分図録』を作成した。   なお、 本展は、 兵庫県が展開する「阪神淡路二十年

一 ・ 一七は忘れない

」事業の一環として開催された。兵庫独 感想コーナー

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自の開催経費については、阪神・淡路大震災復興基金によっ てまかなわれた。   末尾となりましたが、本展に貴重な資料をご出品いただい た 皆 様、 開 催 に ご 支 援・ ご 協 力 い た だ い た 数 多 く の 皆 様 に、 厚くお礼を申し上げて結びにかえさせていただきます。

参照

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