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的には担保物件であるアパートの賃貸事業から発生するキャッシュフローに依拠しており また担保物件の市場価値を評価する際に 担保物件の性質や賃貸事業のキャッシュフローが考慮されるという点で CMBS 案件の特徴と類似している 一方で 裏付け資産が抵当権付きの多数のローンプールで構成されている点や ローン

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【編集注】本格付け規準は、2014 年 12 月 19 日付「格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS: 日本の RMBS の格付け手法と想定」に取って代わられました。 【編集注】 本稿において、定期的な格付け規準見直しプロセスの一環として、日本におけるアパートローン証 券化案件の格付け手法がアップデートされています。本稿では、2004 年 4 月 22 日付「格付け規準:アパート ローン証券化の格付け分析の手法と想定」の解説部分を削除する一方で、一部の箇所を明確にしているのが 主な変更点です。同格付け規準は、本稿により取って代わられています。

典型的なアパートローンとは

1. アパートローンと位置づけられているローンの中には、投資を目的として底地の取得資金 まで含めて貸し出されるローンや、商業用ビルの取得資金、またはセカンドハウスの取得資 金を資金使途とするような、さまざまなローンが含まれている。この多様性を考慮すると、 アパートローン証券化案件のローンプールが、どのような性質のローンで構成されているか は、信用力を考える上で重要な要因となる。 2. 典型的なアパートローンは、土地を所有する個人が、土地の有効活用、相続税対策および 所得税の節税対策などを目的に、自己が所有する土地に賃貸用アパートを建築する際のアパ ート建築代金および諸費用の支払いを資金使途として貸し出されたローンである。本稿では、 このような典型的なアパートローンを分析の対象としている。

ローンプールの特徴と S&P の分析手法

ローンプールの特徴 3. 典型的なアパートローンプールは、住宅ローン担保証券(RMBS)案件と商業用不動産担 保証券(CMBS)案件、両方の特徴を兼ね備えている。アパートローンの返済能力が第一義

スタンダード&プアーズ

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2013 年 9 月 10 日

【旧版】格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:

アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定

アナリスト: 薗田浩、東京 電話 03-4550-8474 山本武成、東京 電話 03-4550-8656 松尾俊宏、東京 電話 03-4550-8225 クライテリア・オフィサー: 山岡隆正、東京 電話 03-4550-8719 「スタンダード&プアーズ・レ ー テ ィ ン グ ズ ・ サ ー ビ シ ズ (Standard & Poor’s Ratings Services)」が発行した本リポ ートに記載されている格付け 規準は、スタンダード&プア ーズ・レーティング・ジャパン 株式会社において採用され ております。 また、本格付け規準は、日本 スタンダード&プアーズ株式 会社においても採用されてお ります。

The criteria in this report issued by “Standard & Poor’s Rating Services” is adopted by Standard & Poor’s Ratings Japan K.K. This criteria is also adopted by Nippon Standard & Poor’s K.K.

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的には担保物件であるアパートの賃貸事業から発生するキャッシュフローに依拠しており、 また担保物件の市場価値を評価する際に、担保物件の性質や賃貸事業のキャッシュフローが 考慮されるという点で、CMBS 案件の特徴と類似している。一方で、裏付け資産が抵当権付 きの多数のローンプールで構成されている点や、ローンの債務者の多くが個人である点、ロ ーンの借入期間が 30 年もの長期に及ぶ点、加えてローンがフル・アモチ型であるといった点 で、RMBS 案件に似た側面も併せ持っている。これに対し、典型的な CMBS 案件は、償還時 に相当額の一括返済があり、典型的なローン借入期間は 5-10 年である。 ハイブリッド型分析手法 4. アパートローンの証券化案件を格付けするにあたって、上記のような特徴を完全に反映す るために、本格付け規準ではハイブリッド型分析手法を用いる。同手法は、CMBS 案件の格 付けに用いている個々の担保物件のキャッシュフローを重視した分析手法(以下「CMBS ア プローチ」)と、RMBS 案件を格付けする際に用いている個人の債務者を主要な返済主体と して、返済意欲や財務力などその属性を考慮した分析手法(以下「RMBS アプローチ」)を 組み合わせたものである。 ノンリコース型アパートローンへの対応 5. 従前の典型的なアパートローンは、債務者の担保物件以外の固有財産に対するリコース付 きであったが、最近では、責任財産を担保物件であるアパートの土地および建物に限定する ケース、いわゆる「ノンリコース型のアパートローン」である。 6. 分析対象がノンリコース型アパートローンである場合、フルリコース型アパートローンと 比べて、アパートの賃貸事業からのキャッシュフローや担保物件の市場価値が、信用力を判 断する上で、より重要な要因となるため、本格付け規準では CMBS アプローチを重視してい る。特にローンプールに含まれる物件数が少ない場合は、1 件のローンのデフォルトが全体 に大きな影響を与えることから、担保物件の個別評価がより重要になる。 7. ただし、アパートローンの個人債務者は元来土地を所有しており、その土地は担保物件の一 部となることから、当該債務者はノンリコース型ローンの特質だけを理由として担保物件を放 棄することはできない。こういった背景が、RMBS アプローチを採用する理由となる。典型的 なアパートローンは、元利均等返済などで元本の約定返済を行うフル・アモチ型であるため、 もともとの所有地と頭金に加え、ローンのエクイティ部分が時間の経過とともに増加していく。 その結果、ノンリコース型アパートローンと典型的なリコース型アパートローンとの性質の差 異は、特に元本返済が進んだ経過期間の長いローンでは、大きなものではないと考えられる。 したがって、ノンリコース型のアパートローンに対して、CMBS アプローチと RMBS アプロー チを併用することで、実態に即したリスク分析が可能であると、スタンダード&プアーズ・レ ーティングズ・サービシズ(以下「S&P」)は考えている。

ローンプールの属性分析

債務者の属性分析 8. アパートローンプールの信用リスク分析に際し、債務者の属性を分析することでその特徴 や質を把握することが重要である。また、オリジネーターとのミーティングを通して、債務 者がアパート経営を始めた動機や目的を把握することも重要である。多くの債務者は、相続 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 2

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税対策だけでなく、退職後の収入を補完することを目的として、アパート経営を行っている。 本格付け規準では、主に以下の項目に着目し、債務者の属性を分析する。 • 職業 • 当該担保物件の賃貸収入以外の収入 • 本件以外の負債および返済額 • 純資産額 • 年齢(現在および完済時) 担保物件の属性分析 9. 担保物件が特定の都道府県に集中している場合は、その都道府県の経済動向や雇用環境、 人口推移などを考慮する必要がある。また、地震などの自然災害から受ける影響の観点から、 担保物件が特定エリアに集中していないかどうかも確認する必要がある。本格付け規準では、 1 戸当たりの占有面積や間取りなどをもとに、物件タイプ(ファミリータイプか単身者向け か)や顧客層も考慮する。さらに、立地条件や駐車場の有無、当該物件が市場の需要にあっ ているかどうかも、確認すべきポイントである。本格付け規準では、主に以下の項目に着目 し、担保物件の属性を分析する。 • 地理的分布 • 1 戸当たりの占有面積と間取り • 立地条件 • 築年数 ローン条件の分析 10. 返済方法、借入期間、金利条件、連帯保証人の有無、団体信用生命保険の有無など、ロー ンの商品性を分析する際の着眼点は、通常の RMBS と同様である。特にアパートローンの返 済方法と金利条件については、超過収益の評価やキャッシュフロー分析に影響を与えること から注意が必要である。 ローンプールの特徴の分析 11. アパートローン証券化案件の場合、ローンプールごとにローン件数やローン金額の構成が さまざまである。元本が 5,000 万-6,000 万円以下の比較的小規模のアパートローンで構成さ れたローンプールもあれば、元本が 5 億円を超えるようなアパートローンを含むものもある。 ローンプール全体に占める金額の割合が大きいローンが含まれている場合、必要に応じて、 当該ローンについて詳細な資料の提出を求めたり、実査を行うことなどによって詳細な分析 が行われる。

信用リスクの分析

RMBS アプローチの概要 12. S&P の RMBS 案件の格付け手法は基本的に、「ベンチマーク・プール」「想定貸倒率(Default Frequency Assumption)」「想定価格下落率(Market Value Decline Assumption)」「想定損失 率(Loss Severity Assumption)」――の 4 つの要因で構成されている(2007 年 6 月 27 日付「日 本のストラクチャード・ファイナンス 格付け規準:居住用住宅ローン証券化の格付け分析

格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード

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の手法と想定」を参照)。貸し倒れリスク分析の根本となる信用補完率(ネット・ロス)は、 「想定貸倒率×想定損失率」により求められる。 13. S&P は、居住用住宅ローンや投資用マンションローンについて、日本のベンチマーク・ プールを作成している。アパートローンについては、ローンプールごとの個別性が強くなる 傾向があるものの、これまでに格付けを付与した RMBS 案件を裏付けている複数のアパート ローン債権プールの分析結果に基づき、日本のアパートローンのベンチマーク・プールも作 成した(表 1 と表 2 を参照)。 14. 本格付け規準では、評価対象となるローンプールとベンチマーク・プールを比較し、当該 ローンプールの各ローンの属性に基づきベンチマーク・プールの各項目との差異を調整する ことで、ローンプールの「想定貸倒率」を導き出す。オリジネーターのポートフォリオ全体 について、過去のパフォーマンス・データが提出された場合は、同データも分析される。 表 1 ベンチマーク・プールの概要 ローンの数 300 件以上 ローンの平均残高 5,000 万-1 億円程度(当初ローン金額は 3 億円以下)。 加重平均 LTV 約 70% 加重平均返済比率(DTI) 約 62.5%(返済金額/返済原資*) 資金使途 賃貸用アパート建築資金(土地の取得資金は含まず) 債務者職業 退職者または会社員 ローンの返済方法 月次の元利均等返済 ローン借入期間 約 30 年 担保 融資対象物件に対する第一順位抵当権 担保物件 相応に実績のあるデベロッパーが施行し管理する賃貸物件 地理的分布 全国の主要都市に分散 連帯保証人 法定相続人 1 人以上 団体信用生命保険 加入せず *返済原資 = 融資対象物件の賃料収入-維持管理費+債務者のその他収入-債務者のその他の借り入れの返済額など LTV = 借入比率(Loan to Value)

DTI = 返済比率(Debt to Income)

表 2 ベンチマーク・プールの想定貸倒率 格付け 想定貸倒率 AAA 22.0% AA 19.0% A 16.0% BBB 13.0% 15. 想定貸倒率の調整:本格付け規準では、格付けの対象となるアパートローンプールについて、 信用リスクに大きな影響を与える LTV 比率(ローン・トゥ・バリュー比率;借入比率)、 DTI 比率(返済比率)、債務者の職業、ローン経過期間、ローン借入期間などの項目を検討 し、当該アパートローン債権プールの特徴にあわせてベンチマーク・プールの想定貸倒率を 調整している。プール固有の想定貸倒率の調整に際して、特に信用リスクに大きな影響を与 える LTV 比率および DTI 比率に、以下のとおり調整を加える。 16. LTV 比率:LTV 比率を算出する際、土地建物の合算価格に若干のストレスを加えることで、 担保評価額の査定を行っている。土地については路線価(路線価がない場合は公示地価など) 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 4

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が、建物については当初建築費用が、それぞれ基準となる。また、担保評価の対象は原則、 融資対象物件の土地と建物のみに限定している。 17. DTI 比率:本格付け規準では、まず、アパートの賃料から維持管理費用(推定)を控除する ことによりネット・キャッシュフロー(NCF)を算出し、この金額に借主の収入の一部を追 加した上で、返済原資となる収入を算出している。アパートローンの場合、一般的な RMBS 案件のように債務者や連帯保証人の収入をすべて評価の対象とすることはできない。なぜな ら、アパートローンの借主は高齢である場合が多く、ローンの返済期間中に相続が発生する 可能性があるからである。また、複数のアパートを所有する債務者も少なくないことから、 債務者が負っている負債の総額や年間の支払金額を把握することが、総合的な返済能力を評 価する上で重要である。現実には、債務者の負債総額を正確に把握することが困難なケース も多い。本格付け規準では、これらの事情を勘案し、債務者の収入を低く見積もっている。 ローン返済金額については、アパートローンが変動金利である場合、将来の金利上昇を見込 んだ水準(現時点においては 5.0%程度)で計算されたものを用いることで、金利上昇により ローンの返済金額が増加するリスクを DTI 比率に織り込んでいる。 18. 想定価格下落率と想定損失率:住宅ローンをはじめとする RMBS 案件の分析と同様、アパー トローンにおいても想定価格下落率と想定損失率の分析が行われる。担保権からの回収が期 待できるスキームが採用されている場合、アパートローンがデフォルトした際、貸倒債権の 担保権実行による回収を考慮する。担保権からの回収金額はローンがデフォルトした時点に おける担保物件の価値に大きく左右される。アパートローン証券化案件の評価に際し、本格 付け規準では、土地と建物それぞれに対して格付けクラスごとに価格下落率を設定すること により、回収金額にストレスを掛けている。価格下落率が高いほど担保権からの回収金額が 少なくなることから、損失率が高くなる。また、貸倒債権からの回収金額を評価する際には、 競売に要する費用や物件の処理が完了するまでの期間中に発生する費用なども考慮している。 この物件の処理が完了するまでに要する期間は、スペシャル・サービサーの能力や担保物件 の所在地、品質などを考慮して決定しているが、2 年程度に設定するケースが多い。 19. 格付け水準に応じた信用補完比率:ネット・ロスは、ローンの貸し倒れにより発生する損失 と担保物件からの回収金額しか反映していないことから、格付け取得に必要となる信用補完 水準と同一ではない。一般的な RMBS 案件やリース料債権などの資産担保証券(ABS)案件 と同様に、本格付け規準では、個別案件の特徴に応じてネット・ロスを補正し、加えてコミ ングリング・リスク、金利リスク、ベーシス・リスク、ネガティブキャリーなどのマイナス 面や、超過収益などのプラス面を考慮した上で、最終的に格付けクラスごとに必要となる信 用補完比率を決定する。 20. ネット・ロスの算出事例:RMBS アプローチによるネット・ロスの算出方法について、具体 的な数字を用いて説明すると、次のようになる(表 3 参照)。格付けの対象となるローンの 元本が 8,000 万円、担保の評価額が 1 億円(LTV 比率 80%)、「AAA」格付けを取得するた めに要求されるローンプールの想定貸倒率を 22%とする。この場合、格付け対象のローンプ ールの特徴とベンチマーク・プールの特徴が一致していないことから、前述したように、本 格付け規準では、格付け対象となるローンプールの LTV 比率、DTI 比率、債務者職業、ロー ン経過期間、ローン借入期間などの項目を評価し、当該ローンプールの想定貸倒率を調整す る。その結果、当該ローンの想定貸倒率は 20%になったとする。このローンの LTV 比率は 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 5

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ベンチマーク・プールの LTV 比率(70%)より高く、ネガティブ要因となっているが、DTI 比率など他の項目が優れていたことから、格付け対象となるローンの信用力は、ベンチマー クの信用力よりも若干優れていると判定されている。 21. 次に、担保物件の想定価格下落率を 50%とした場合、担保評価額は 1 億円であることから、 このローンがデフォルトした時点の物件の市場価格は、「1 億円 ×(1-0.5)= 5,000 万円」 となる。競売費用や売却期間中の諸費用等の合計を 600 万円と見積もったとすると、想定損 失率は「〈8,000 万円-(5,000 万-600 万円)〉/ 8,000 万円 = 45%」となる。その結果、 このローンについて「AAA」の格付けを取得するために必要な信用補完比率は「20%×45% = 9%」となる。 22. 前述のとおり、ここで計算されたネット・ロスは、ローンの貸し倒れにより発生する損失 と担保物件からの回収金額しか考慮していないことから、このネット・ロスに、ネガティブ 要因や、ポジティブ要因の補正を行った上で、最終的に格付け水準ごとに必要となる信用補 完比率が決定される。 表 3 ネット・ロスの算出方法の事例格付け対象ローンの元本残高 8,000 万円 格付け対象ローンの担保評価額 1 億円 サンプル・プールの想定貸倒率 AAA:22% S&P の調整結果 格付け対象ローンの想定貸倒率 AAA:20% 想定価格下落率 AAA:50% 物件売却に関する諸費用の合計 AAA:600 万円 ネット・ロス = 想定貸倒率×想定損失率 = 20%×{8,000 万円-(5,000 万-600 万円)}/8,000 万円 = 20%×45% = 9% *上記の数値は仮定のものである。 CMBS アプローチの概要 23. アパートローン証券化案件における CMBS アプローチは、小規模の商業用不動産を裏付け 資産とするローンにより構成されたローンプールを分析するために開発された専用のモデル を使用しており、このモデルの分析プロセスの概要は、以下のとおりである(2012 年 9 月 7 日付「格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|CMBS:CMBS 不動産のグローバル な評価手法」を参照)。 • 担保物件であるアパートの NCF を査定する。 • 物件ごとにキャップレートを当てはめ、収益還元法により物件価格を評価する。 • 上記査定と評価の結果により、ローンごとに LTV 比率およびデット・サービス・カバ レッジ・レシオ(DSCR)を求める。 • 格付けクラスごとに基準となる LTV 比率および DSCR を設定し、各アパートローンに ついて、上記で求めた LTV 比率および DSCR のそれぞれの値の閾値でデフォルトを発 生させる(例えば、「AAA」の場合、LTV 比率を 45%、DSCR を 2.0 倍とした場合、 これを満たさないローンはデフォルトと仮定する)。 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 6

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• 格付けクラスごとに担保物件の価格下落率と回収に必要な期間を設定し、デフォルトと されたローンの損失額を求めることにより、最終的に格付けレベルごとのネット・ロス を決定する。 24. 収入面:本格付け規準では、市場調査リポート、アパート建設会社から提供される管理デー タ、類似物件のモニタリング資料等を検討することにより、賃料および空室率の妥当性を検 証する。家賃保証がされている場合でも、原則として保証がないものとして評価する。マス ターリース契約などにより担保物件が一括して借り上げられている場合においても、市場実 勢の賃料により査定を行う。 25. 費用面:本格付け規準では、固定資産税および都市計画税(軽減措置終了後の実額)、日常 修繕費、大規模修繕積み立て、保険料、建物管理費、仲介手数料などが適正に見積もられて いるかどうか検証する。 26. キャップレート:物件所在地、物件タイプ(ファミリータイプ、ワンルームなど)等により キャップレートを決定する。ワンルームの場合は、ファミリータイプよりも保守的なキャッ プレートが設定されることが多い。 27. DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ):変動金利のアパートローンにおいて、 市場金利が上昇する一方で賃料が上昇しなかった場合には、DSCR が低下し、賃貸事業によ る債務返済能力が低下するリスクがある。当該リスクを考慮し、本格付け規準では、DSCR の算出の際に高めの金利コンスタント(以下「ストレス・コンスタント」)を適用する。ス トレス・コンスタントは実際の金利より高い 6.0-6.5%前後が適用されることが多い。 28. 価格下落率と回収期間:スペシャル・サービサーのサービシング能力、物件の流動性、ポー トフォリオの分散度合いなどにより、格付けクラスごとに担保物件の価格下落率と回収必要 期間を設定する。上位格付けほど、大幅な価格下落率と長期の回収期間を設定する(その回 収期間にかかる利息分だけ、必要信用補完額が増加する)。 29. デフォルト発生のタイミング:複数のシナリオによりローンのデフォルトが発生するタイミ ングを決定する。クロージング直後にデフォルトが起こると、ローン残高が多いため、強い ストレスのかかる結果となる。ただし、新築物件の競争力や債務者の借り入れ動機を考慮す ると、案件当初にデフォルトが起こる蓋然性は低いと考えられる。一方で、超長期にわたっ て NCF 水準を推測することは困難であり、元本返済が大幅に進行した場合には、ノンリコー スのメリットが失われる。本格付け規準では、おおむね案件開始後 5-10 年くらいでデフォ ルトが起こる複数のシナリオを用いて、ネット・ロスを決定している。 CMBS アプローチと RMBS アプローチの分析上の相違点 30. CMBS アプローチと RMBS アプローチの分析手法を比較した場合、主に次のような相違点 がある。まず、担保物件の評価方法について、CMBS アプローチではアパートの賃料収入を ベースとした収益還元法により査定するのに対して、RMBS アプローチでは、路線価や建築 費用をベースとして担保価格を算出している。両者により求められた担保価格を比較した場 合、一致しないケースが多い。その理由としては、担保に供されているが有効に利用されて いない土地がある場合や、担保物件の所在地が土地価格の低い地方都市である場合が挙げら れる。債務者属性の評価について、CMBS アプローチでは分析対象としていないが、RMBS 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 7

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アプローチでは分析対象とした上で、ローンプールの信用リスクを評価している。S&P では、 異なった手法を用いてローンプールを評価することにより、ローンプールの特徴を深く理解 することが可能であると考えている。 分析結果の調整 31. 本格付け規準では、CMBS アプローチと RMBS アプローチの分析結果を比較することによ り、各格付けクラスにおけるネット・ロスを求めている。前述のとおり、両アプローチには 分析プロセスに違いがあることから、格付け対象のローンプールの特徴にあわせて、どちら の分析結果を重視するかを決定する。例えば、ローンプールに含まれるローンの件数が少な い場合や、著しく金額の大きいローンが含まれている場合は、CMBS アプローチの分析結果 を重視することになる。ノンリコース型ローンである場合には、債務者のローンの支払い継 続に対するインセンティブの度合いと、支払いを継続する資力を有しているかどうかにより、 どちらの分析結果を重視するかを判断する。ノンリコース型ローンの場合、一時的な空室率 の上昇やローン金利の上昇により、アパートの賃料収入がローンの返済金額を下回ったとし ても、契約上では、債務者は他の資産を使ってローンの返済を行う義務はない。ただし、債 務者にローン返済を継続するインセンティブがあり、支払いを継続する資力が備わっている とすれば、ローンのデフォルト率が低くなると考えられる。本格付け規準では、債務者がア パートローンのノンリコース性にどの程度のメリットを感じているかといったことや、ロー ンを借り入れた目的などから、債務者にローン支払い継続のインセンンティブがどの程度あ るのか検討した上で、支払い継続のインセンティブが強いと思われる場合には、RMBS アプ ローチの分析結果を重視することになる。

スキームの分析

32. 本格付け規準では、アパートローン証券化案件のスキーム分析に際し、住宅ローンなどの 一般的な RMBS 案件やリース料債権などの ABS 案件と共通する項目に加えて、以下の項目 に注目する。 サービシング 33. アパートローンの場合、ローンの回収プロセスだけではなく、アパート賃料の回収プロセ スにも注目する必要がある。アパート賃料が一旦、債務者の口座に入金された後に、そこか らローンが返済される場合、賃料の回収金が債務者のその他の債務の弁済や生活費などに使 われるリスクがある。アパート賃料が債務者に引き渡される前にローンの回収が行われる仕 組みが導入されている場合は、延滞やデフォルトの発生するリスクが緩和されることになる。 アパート運営の関係当事者 34. アパートローンの返済原資は、第一義的に融資対象物件であるアパートからのキャッシュ フローに依拠していることから、アパートの管理運営が長期にわたって安定的に継続される かどうかは、信用力を評価する上で重要なポイントとなる。したがって、アパートの管理運 営に関係する当事者について詳細に分析しなければならない。以下に挙げたような会社がさ まざまな管理運営業務を提供している。ある特定の 1 社が管理運営業務を実施し、何らかの 事由によりこの会社による業務の提供が停止されたとすると、アパートの賃貸事業の採算性 が悪化し、キャッシュフローの減少につながる。本格付け規準では、このようなリスクを緩 和するためにスキーム上でどのような手当てがなされているのか確認する。 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 8

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35. 提携会社(建築会社):アパートローンの多くは、特定の会社との提携ローンである。特定 の会社との提携ローンの場合、アパート建築の計画段階で、どのような市場調査がなされ、 需給のバランスがどのように考慮されているのか確認することが重要である。アパートの収 益性や事業の安定性は、立地条件や適切な賃料設定に左右されるケースが多いことから、建 築に先立ち十分な市場調査がなされているかどうか確認する必要がある。また、将来的に供 給過剰にならないためにも、需要予測が重要である。建築業者が、自らが建築したアパート に対して家賃保証を行ったり、一括借り上げを行っている場合は、自らのリスクを回避する ために、市場の需給バランスをより真剣に見極めるインセンティブが働いていると考えられ る。次に、特定の建築業者が提供しているアパートの品質や構造などを把握する必要がある。 建築から管理運営まで一括して請け負うパッケージプログラムを提供する会社もあることか ら、提携会社がどのような業務を提供し、どのような特徴を持っているのか十分に理解しな ければならない。 36. アパートの建物管理者:安定的なアパート経営を行うためには、定期的にアパートの保守お よびメンテナンスを行わなければならないことから、これらの業務を提供する会社の役割は重 要である。提携ローンの場合、建築会社やその関連会社が当該業務を請け負うケースが多い。 ローンプールが特定の会社との提携ローンで構成されている場合、オリジネーターもしくは オリジネーターの協力企業が担保となるアパートの管理を行うケースが多い。このような場 合、将来、建物管理会社が交替することを想定し、現時点で債務者が支払っている管理手数 料の水準の妥当性を分析しておく必要がある。現在の管理費用が市場実勢に比べて割安に設 定されていると、建物管理会社の交替が発生した場合、管理費用が増加する可能性がある。 37. アパートの賃貸管理業者:入居者の募集や審査を行う賃貸管理業者については、債務者が自 ら行うケース、地場の不動産会社に委託するケース、大手の賃貸管理会社に委託するケース がある。債務者の中には、アパートの賃貸管理業務に精通した者もいるが、ほとんどの債務 者は、専門的な知識に乏しく、入居者とのトラブルなどを回避するために、大手の賃貸管理 会社に一括して委託することを選択している。提携ローンの証券化案件の場合は、特定の会 社が一括して賃貸管理業務を受託しているケースが多い。賃料水準の妥当性がアパートのキ ャッシュフローを分析する上で重要なポイントであり、賃貸管理業者の管理能力が将来の空 室率を評価する上での重要なポイントとなる。S&P では、賃貸管理会社の賃料の設定プロセ スや同社が管理している物件に関する管理実績データなどの提出を求めている。 38. 家賃の保証会社:最近では、長期にわたる家賃保証や空室保証の制度を提供する会社が増え てきている。保証が付された場合、債務者は一定の保証料を負担することにより、将来の空 室リスクを回避できることから、安定した賃料収入が得られることになる。ただし、高格付 けのシナリオでは、基本的には、保証のメリットがなくなることを前提として将来のキャッ シュフローを想定している。 スペシャル・サービサー 39. アパートローンがデフォルトした場合、担保物件処分により、損失の一部をカバーするこ とが可能である。このような担保物件処分による回収が期待できるスキームが採用されてい る場合には、スペシャル・サービサーの役割が重要となる。一般的な住宅に比べて、賃貸用 アパートの処分は難しいことから、この分野における経験とノウハウを有するスペシャル・ サービサーが任命されていることが好ましい。 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 9

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キャッシュフローおよび金利リスクの分析

40. 一般的な RMBS 案件と同様、アパートローン証券化案件は、最終償還までの期間が長く、 さらに変動金利型ローンである場合には、将来のキャッシュフローが変動する要因が多いこ とから、本格付け規準ではさまざまな金利シナリオに基づいたキャッシュフロー分析を行う。 以下では、アパートローン証券化案件でよく問題になる点を記載している。 返済方法と金利条件に関するリスク 41. アパートローンや住宅ローンなどの長期の個人向けローンは、大部分が元利均等返済であ る。また、毎月の返済金額の見直しは 5 年ごとに行われ、新たに設定される毎月の返済金額 は旧返済金額の 125%を上限とするケースが多い。このような条件が付され、かつローン金 利が短期プライムレートや LIBOR に連動する変動金利であるアパートローンでは、以下のよ うなリスクがあることに留意しなければならない。 42. 事例: 本事例の仮定は、以下のとおりである。 • アパートローンの元本は 1 億円であり、変動金利型(現在 3.0%)である。 • アパートローンの毎月の返済金額は 55 万円であり、うち金利相当部分が 25 万円、元本相 当部分が 30 万円とする。 • 発行される証券化商品のクーポンも変動金利型である。 将来的に、市場金利が上昇した場合、証券化商品のクーポンレートの上昇にあわせて、裏 付け資産のアパートローン金利も上昇することから、特段のリスクがないように思われるが、 キャッシュフローにおいては、重大な問題が生じる可能性がある。仮に市場金利の上昇によ りローン金利が 7%に上昇したとしよう。この場合、ローンの利息相当額は 58 万円となる。 しかしながら、毎月の返済金額の見直しは、次の見直し日(最長で 5 年後)まで行われない ことから、債務者が支払う返済金額は一定(55 万円)である。一方で、証券化商品のクーポ ンレートは上昇することから、上記のケースで、毎月の証券化商品の利払いや案件維持費用 の合計金額が 55 万円を超えた場合は、回収金の全額を充当したとしても、不足が生じる可能 性がある。S&P では、本格付け規準では、このようなリスクを織り込んだ上で、キャッシュ フロー分析を行っている。 その他のチェックポイント 43. 新築アパートの入居率:アパートを新築した場合、完成した時期にもよるが、一定の入居率 に到達するまでに通常は数カ月の期間が必要である。入居者が確保できた時点で証券化が行 われる場合は問題ないが、その前に証券化を行う場合は、賃貸管理業者の管理能力や過去の パフォーマンスを十分に分析する必要がある。 44. 債務継承手続き:アパートローンの債務者が高齢である場合が多いことから、アパートロー ンが完済される前に相続手続きが開始される可能性が高い。法定相続人が連帯保証人となっ ている場合や、法定相続人から念書等を徴求するなどの対応を事前に行っている場合は、円 滑に債務継承が行われる可能性が高いと思われる。本格付け規準では、相続が発生した場合 にどのような債務承継手続きを行うのか確認する。 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 10

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格付け後のサーベイランス

45. サーベイランスの対象は、ローンプールのパフォーマンスはもちろん、関係当事者の信用 状態や、役割の遂行状況を含んでいる。本格付け規準では、裏付け資産のデフォルトや延滞、 期限前償還といった証券化商品のパフォーマンスの主要な指標に加え、以下のアパートロー ン固有の要因にも注意して、サーベイランスを行う。 建物管理業者、賃貸管理業者、家賃保証会社などの信用状況 46. アパートが安定的に運営されるためには、関係当事者により継続的に業務が提供されるこ とが重要であることから、アパート賃貸事業に関わっている関係者の信用状況や業務の遂行 状況を注視する必要がある。 デフォルトしたローンの回収状況 47. ローンプールに含まれるローン件数が少ない場合、1 件のローンのデフォルトがプール全 体に大きな影響を与えることから、デフォルトしたローンについて、担保物件の処分等が期 待どおりに行われているかどうかを確認することが重要である。 相続手続き 48. 相続手続きが開始されたローンについて、ローンの債務継承や担保不動産の移転登記などの 手続きが滞りなく行われ、ローンの返済が継続されているかどうか確認することが重要である。 アパート入居率の推移 49. アパートの入居率が継続して低い場合、ローンのデフォルトにつながる可能性が高まるこ とから、定期的に入居率を確認する必要がある。特に、新築物件については、予想どおりの 入居率に達したかどうかを案件関係者が確認する必要がある。 賃料収入と支払い利息の水準 50. アパートローンの返済は長期に及ぶことから、将来的に、金利動向やアパートの需要動向 によって、アパートの賃貸事業のキャッシュフローが変化する可能性がある。特に、変動金 利型ローンの場合、市場金利が上昇すると、債務者の返済余力が低下することになる。その ため、アパート賃貸事業の収支状況を確認することが重要である。 マクロ経済環境 51. 賃貸住宅市場における需供バランス、地価の動向などについても留意しなければならない。 建築業者などの事業者の利益や、土地オーナーなどの投資家の利益を重視されると、需要を 超えるアパートが供給される可能性がある。このような場合、入居率や家賃水準の低下によ り、担保物件であるアパートの賃貸事業のキャッシュフローが悪化する可能性がある。

関連リポート

2012 年 9 月 7 日付「格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|CMBS:CMBS 不動産のグロー バルな評価手法」 2007 年 6 月 27 日付「日本のストラクチャード・ファイナンス 格付け規準:居住用住宅ローン証券化 の格付け分析の手法と想定」 格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|RMBS:アパートローン証券化の格付け分析の手法と想定|スタンダード &プアーズ 11

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* 本格付け規準(criteria)は、信用リスクと格付け意見を決定する基本的原則(fundamental principles)を個別ケースに適用する際に用いられるものである。格付け規準の適用は、発行 体または個別債務に固有の事実、当該発行体または個別債務の信用リスクに対するスタンダ ード&プアーズ・レーティングズ・サービシズの評価、ならびに該当する場合には、発行体 や個別債務格付けのストラクチャーにかかるリスクによって決定される。手法(methodology) と想定(assumptions)は、市場や経済の状況、個別債務または発行体に固有の要因、信用力 の判断に影響を及ぼしうる実績データを勘案した結果を受けて、適宜変更されることがある。 * 関連リポートは、S&P の以下の情報サービス商品(年間契約制)に掲載されています。また、 格付け規準(Criteria)リポートは S&P のウェブサイトにも掲載されています。各情報商品の詳 細、または個別リポートのご購入については営業・クライアントサービス電話:03-4550-8711、 E メール:clientservices_japan@standardandpoors.com)までお問い合わせください。 <情報サービス商品> 日本語: Research Online(リサーチ・オンライン):www.researchonline.jp <ウェブサイト> 日本語: www.standardandpoors.co.jp ---

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表 2  ベンチマーク・プールの想定貸倒率  格付け  想定貸倒率  AAA  22.0%  AA  19.0%  A  16.0%  BBB  13.0%  15. 想定 貸倒率 の調整:本格付け規準では、格付けの対象となるアパートローンプールについて、 信用リスクに大きな影響を与える LTV 比率(ローン・トゥ・バリュー比率;借入比率)、 DTI 比率(返済比率)、債務者の職業、ローン経過期間、ローン借入期間などの項目を検討 し、当該アパートローン債権プールの特徴にあわせてベンチマーク・プールの想定貸倒

参照

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