Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
分科会
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諭黔躍§鑑興鑽i蹇篝寒華蹇颱 携竃総£鱗 司会 渡辺誠 千葉大学 コメン テー
ター
三 田村 唆右 筑 波 大 学 芸術 専 門 学群 長 金子 豊 黒川威人 吉 田正 志 日本 経 済 新 聞 経 済 解 説 部 金 沢 美 術工芸 大 学 富 士ゼロ ッ クス この分科 会では、
新た な教育 (教育全般)のあ るべ き方 向を討議 する。 教育の細 分化・
専 門 化の方向と、広 く知 識を身につ ける 教 養 化の方 向がある が、
21世 紀の大 学 教 育はどのような能 力の開発をすること を目的とすべ き なのか。 ま た 企業はそ の ような高等 教育に たい し て どの ように対 応 すべ きなの か。
教育と産業の教 育面で の協同のあり方、
産業の教育に 対する社会的役割をどのように考えるべ きなのか。な ら び に行政的 側 面か らの創 成 力の開発や文 化 教 育の仕 組みづ く りにつ い てそ れ ぞ れの立場か ら提言する。 司 会 千 葉大 学 渡辺誠 第一
分 科 会で は,
三田村 先生 (筑 波 大 学 )・
金 子 先生 (日 本 経 済新聞 社〉・
黒川先生 (金 沢美 術工芸 大 学 )・
吉田先生 (富 士ゼロ ッ クス)より 「新 しい教 育の理 念と産 業の対 応」 につい て の ご講 演を頂いた (発 表 順 )。 4名の先生 か らは多 くの こ提 言 を頂 くこと ができ,
有 意 義 な分 科 会で あっ た。 ご提言の なか か ら, さ らには会場か らの討議の過 程で得 られ たい くつ かの キー
ワー
ドを も と に,
本 分 科 会で は 「新しい教 育の理念と産 業の対 応1
につ い て以下の3
点に集 約 するこ と に し た。
1個性 現在のデ ザ インの取 り巻 く環 境は め まぐるし く変 化 して いる。 この様な時代に必 要な キー
ワー
ド として 「個 性 」が 上げら れ る。 デ ザ インにお け る個 性と は何か か ら始まり,
個 性と創 造 性の関わり・
個 性の尊 重 を主 眼におい た創 造 性 の発 掘,
さ らにはそ れ ら創 造 性の客 観 的 な評 価 が 必 要であ る と考えられる。
これ らの個 性は,
学生 に対 する教 育理念 である と ともに,教 育の場のみな らず 産 業の対 応 として の 個 性に根 ざ した創 造 性の正 当 な 評価 が 必 要で あると言 えよ う。
さ ら に は,
産官 学の共 同の もとに,
デザ イン政策を策 定するこ とも重 要であろう。正当な評 価のた めにはその制 度の確立 が不可欠な要 因である と ともに,
日本 独 自のデザ インのた め に は,
日本の文化と そ れに対 応し たデザ イン制 度が今 後のデ ザ インの発 展につ な がる と ともに,評 価のた めのガ イ ドラ インと な りうる と考え ら れ る。 「個 性 」を育てる とい う教 育 理 念は,
普 遍 的 な概 念である ようにも思え る が本 分 科 会では,とくに成 果に対 す る 客 観 的 な評 価 が個 性の発 展に必 要 不 可 欠 な 要 因であると考える ことに した。 〈キー
ワー
ド〉 ●デ ザ イン における個 性 ● 個 性と創 造 性 ● 創 造 性と評 価2
ひ ろがり 第二の観 点と して はデザイン行 為の 「ひろが り」と教 育・
産 業の各々 の場での対 応が 上げら れ る。経 済成 長と技 術 革 新と ともに産業の主役が め まぐる し く変 化してい る今日,
企 業 活動の対象も拡 大の一
途を た どり,そ れに伴っ て デザ イン行 為の対 象が確 実に広 がっ てい る。 こ の 「ひろが り」 は,
単な る 「モ ノ」単体の デザインだけで は なく,
モ ノ と 人 間の関係やモ ノ とモ ノとの関係 がより重 要 と なっ てい る。インター
フェ ィス デザ インや公 共 空 間のデザ インは近 年の デザイン対 象の 「ひろ がり」の例であろう。
こ のデザ イン の「ひろ が り」は多くの 問題 を抱 えてい る。
まず 第一
に「ひろが り」の デザ イン のみがデザ イン の対象 と見ら れがちであ り,
今日まで の デザイン,
すなわちデザ インの過 去 がお座 な りに さ れ てい るとい う問題がある。 さ らに,
現 在 か ら未 来にお けるさ ら なる デザ インの 「ひ ろが り」のた めの明確なビジョ ンが 必 要 と な る。 デザインの 「ひ ろ が り」は,
今始まっ たばか りの こ で は ない。 各 時代に お け るデザ インの 「ひろがり」が存在する が,
重要 なの は時系列 的 な変化のな か でのデ ザ インの置か れ ている 立場と その対 応を 十分に考 慮 する必 要があ り,
そ れらを教 育・
産業の各々 の 立場 で実践する 必要が あ る。 〈 キー
ワー
ド 〉 ●デザ イン の過 去 ●デザ イン の現在〜
未 来 ●関係・
関連の デザイン3
現 実 感 第三の観 点 は 「現実 感 」であ る。 これ は,
現 在流行のコ ン ピュー
タ や ネッ トワー
ク環 境に おける仮 想との対 比で は ない。
現在の デザ イン教 育の多く が,
デザ インを実 体 験で\
52SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol
,
5 No.
3 1998 デサ イン学 研究 特 集 号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
きない とい う指 摘と反 省,お よび産業の対応の不 備に関す る問 題 として の提 言である。教 育に の現 場における デ ザ イ ンの多くが
,
学生 に とっ て実体の ない (実 感で きない)デ ザインと なっ ている。
こ れ には大きく2つ の問題 点が考え ら れ る。
第一
に は,
学 生のデザ インに対 する姿 勢として「使 う側 (使用者や消 費 者 )から の視 点による デザ イン」の意 識が 不 足 してい る こと が 上げら れる。第二 には,
「見 え ない 依 頼 主 (ク ライアン ト)」の問題が 上げら れ る。 この2
つの 問 題 は,
教 育 と産業の協 調 体 制に より克 服の可 能 性のある 問題と考えら れる。
例 えば,教 育 側と して の動 機 付けの明 確 化と現実感のある 目標の設 定,
産 業 側の教 育 機 関へ の問 題の投げ か け が 現時 点で の解 決 策と して考え ら る。 「現 実 感 」が無い とい う問題は,
おそ らくデザ インだけの 問 題で は ない はずである。
デザ インにおい て この問題が析 出 し た 背 景 に は,
産業の空 洞 化に遅れ て デザイン の空洞 化 始まっ た こ と を意 味し て い る。 し か しこ の問 題 は,
あ る面 で は他の2
つ に比べ れば一
つ の解 決の糸口が見い だ せ てい る問題である。
す なわち産と学の協調体制が一
番問われ る 問題である。
〈 キー
ワー
ド〉 ● 実 体験 とデザイン ●使う側か らの デザ イン ● 依 頼 主のある デザ イン ● 社 会 貢 献のある デザ イン 以上の3
点 「1個 性 」「2
ひ ろ が り」 「現実感」は,
本分 科 会の集 約とし て取 り上げた言 葉であ る。
より多くの内容 が各コメ ン テー
ター
か ら発表さ れ たの は言 う まで もない (■ ■ 各コ メ ンテー
ター
の内容は分 科 会報告の欄■ ■)。
本 分 科 会で は 「新しい教 育の理念と産業の対応」の テー
マの もと に,
教育の理念と産 業の対 応が どの ようにギヤ ッ プ が ある の か そ れを修 正 すべ き方 向と は何か を問 うこ と を当 初 の 目 標 と してい た。
しか し,
理念 的な部分に おいて は教 育 と産業の ギャ ッ プはそれ ほど無い ように感じ ら れ る。表現 の違いがある にせ よ理 念とい う基 礎 的な部 分では両 者の進 むべ き方 向は同一
であると言え よう。しかしな が ら,い ざ実 行 段 階と な る と な か な か 実 現で き ない とい う問題が現 実に は存在す る。な ぜ実行に移 行で き ない のか ?教 育の現 場の問題か ?産 業の対応の問題 か ?こ れ は今 後の産 官 学の関 係を考 える 上 での大 きな課 題であ る。 そ して これ は同時にデ ザ イン学 会の使命でもあ ろう
。
金子豊(か ね こ ゆ た か) 日本 経 済新聞社東京本社 編集局経 済 解説 部次長 (現在:人事部次長)
,
早 稲田大 学政治 経 済学部卒,
経済 学修 士,
1981年日本 経 済新 聞 社 入 社 著 書 大蔵省の憂鬱 (日経新 聞社,
共 著〉,
土 地 を考 える (ロ 経新 聞社,
共著 ),
2020年か らの警鐘 (日経新 聞 社,
共 著) 黒川 威 人(く ろ か わ た け と) 金 沢美術 工芸 教 授 1964年 東京 芸術 大学 美 術 学 部工芸 科 (工業デザイ ン)卒,
1968年 カー
デザイ ナー
(三菱 重工業 )を経て現 職,
1976年 エ ル・
サル バ ドル共 和国文 部 省よ り招 聘さ れ国立芸 術大学設 立計画指導,
1984年 日本デザ イン学 会 理事,
1993年 日本イン ダス ト リ アルデザ イナー
協 会 理事,
1995年 日本エ コ ミュー
ジアム研 究 会 会 員 著 書 「ポ プ ラー
ル・
金 沢 」前田印 刷出版 部1996,
「金沢金工 師・
水野源六家資 料 」(文 部省助 成出版)橋本 清 文 堂1996
, 「ホワッ ト イ ズ・
金沢 」前田印刷出版部1992年,
「建 築家 な しの町並 み景 観 」(財〉地域振 興 研 究 所 1990 三田村 唆 右 (み た む ら し ゅ ん ゆう) 筑 波 大 学 芸 術 専 門学 群 長,
筑波大 学 芸 術学 系 1964:東京 教 育 大 学 芸術 学 科 卒 業 1966−
70:イ タ1丿ア・
フ ィ レン ッェ 美術 アカ デ ミー、
ス ウェー
デ ン王 立美術 院大 学 留 学 1970:弘 前 大 学を経て、
筑 波 大 学 芸 術学系教授(総 合 造形担 当)、
現 在 :芸 術 専 門学群長 著 書・
論 文:美 術か らアー
トへ (鳳 山社) 、 あた ら しい 美 術・
造 形(小 峰 書 店)、
映像 学 原論(ミネル ヴァ書房)、
メ デ ィア・
レヴォルー
シ ョ ン(ジャ ス トシ ステム)、
Vertual
−Real
lmaging
(Springer Verlag)他制 作:1993 :世 界のホロ グラ フ ィ
ー ・
アー
ト展 (監修)、
1996 :Holography Award Shearwater Foundation U
.
S.
A.
他
デザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol