Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design“
学
び
の デ
ザ
イ
ン
”の
研
究
が あ
る
べ
き
姿
「こと
」
の
プ
ロセ
ス の
事
例
探
究
How
Should
Researches
on
Designing
Learning
Environment
be
?
諏
訪
正樹
SUWA
Masaki
慶 應 義
塾大 学 環境 情 報 学 部
Faculty
ofEnvironment
andlnformation
Studies
,
Keio
University
1.
はじ
め に本 稿 は
,
“
学ぶ という 営み”
は メタデザイ ン の構 造 を 有す る こと を解
き明
か し,
学
びに関
する探究
が ど うあ
る べ き か を説
く も の である.
プロ 野球の 元巨 人 軍 投 手,
桑
田真 澄 氏 が,
入団し て2,3
年 (
当 時
20
歳 前 後 )
の頃
にイン タ ビュー
番組
で 「僕
は 努 力の仕
方 を 知っ て い るんです」 と い う趣 旨の言 葉
を語
っ て い たのを筆 者
は記憶
し て い る.
若
くし て巨人
の大
工一
ス に成
長 し たのも、
さ も あ り な んと頷 け るエ ピ ソー
ドで あ る.
「努力
の 仕 方 を 知って いる」 とは,
学 ぶため の意
識 や 環 境 を ど う 整 え るべ き か を 模索
し 学 ん だ(
学 びつ つ あ る)
者だ
け が 吐 け る 言 葉であ る.
学 ぶこ と は,
学 び 方 を 学 ぶこと を 伴 う.
そ の メタ 構 造 を 本 人 が 意 識 して初 めてよい学 び に な る.
メ タ
構
造 を有
するが 故に,
学 びは時間
が か か り,
意 識 的努 力
を 要 する.
だ から こ そ 「学 びに 王道はない 」.
心理学
,
認 知 科 学,
人
工知能
、
インター
フェー
ス,
スポ
ー
ツ科 学
,
デザイ ン科 学
な ど 様々 な分野 で“
学
習 研 究’
がな さ れ てい る が,
学び を メ タ構造
と捉
え,
そ のプロ セ スを
長く深
く追
いかけ
て研 究
す る動 向
は未
だ少
な い,
学 習に“
便
利そ う な”
技 術 や 道 具 を 提 供 した だけ で安
易 に‘
学 習 研 究”
を 語るこ とへ の警 鐘 も 込 めて,
本 稿 は,
学 習 研 究は長 く深いケー
ス探
究であ るべ きこと を 主張
したい.
次
章
で,
学 びが広義
の意 味で の デザ イン である こ と、
した がっ て,
“
よい学 び”
は メ タ デ ザ イン の搆
造 を有
する こと を説
き,
そ れ を 以て本 稿の スター
ト と する,
2 .
学 び は
デザ イ
ンであ
る図
1
(
FNS
ダ
イ アグ
ラ ム〉
は新
しい もの L’
と が 誕 生 す る プ ロ セ ス の一
般
構 造 を 示 し た もの であ る.
個 人 生活
社 会 な ど 様々 なレベ ルで この図 は 適 用で きる.
現 象 学 哲 学の概 念 で あ る ノエマー
ノエ シスに 関 する木 村1) の解 釈
に 基 づ き,
新
未来 ノエマ層 現 在ノエ マ層 ノエ シス 層 図
1
,
デザインの一
般 構 造 しい もの ごとの誕 生
は,
個 人
の意 識 層 (
ノエ マ層 )
と現 実
世
界層 (
ノエ シ ス層 )
に跨 がる出来 事
である と提
唱す る図 であ
る2).
ノ エ マ層
は更
に現 在
ノ エ マと未 来
ノエ マ に 分 け ら れ る.
未来
ノエ マ と は,
将 来
こ う い う も の ご と をつ く り だ したい とい う未 来
へ の欲 求 /
認識
であ
る.
デ ザ イン や イ ノベー
シ ョ ン と称
さ れ る プロ セ ス は次
の よう に進 展 する.
Cl
フ
ロセ ス :あ
る時 点
で の未 来
ノ エ マNF
(
t)
に 基 づ き,
何
か 新 しい も のご とA
(
t
+1
)
が 現 実 世 界 に 生 み 出 さ れ る.
デ ザ イン プロダ ク トの こ と も あ り,
意 識 やコ ンセ プ トの こ と も あ る,
t
,
t
+1
は何
回 目のサ イ ク ル か を 示 す指 標
で ある.
Cl .
5
プロセス :1Mt
+1
)
は 既 に存在
す る環 境
要素
E
(
t
+1
)
と社
会 的 インタ ラ クションを起
こす
.
NF
(
t
)
の想 定時
には,
社会 的
インタ
ラクシ ョン の内 容
を 予測
で き ない点
が 第一
のポ
イン トであ る.
C2
プロ セ ス :A
(
t
+1
)
を生 み 出し た本 人が,
社 会 的 イン タラク シ ョン で生
じて いる もの ご とを解釈
す る,
つ ま り現 実 世 界 に 対 する認 識 (現 在ノエ マNC
(
t+1
)
) を 持つ.
NC (
t
+1
)
は,
インタラ クション以前
の未 来
ノエマNF
(
t
)
と は 必 ず し も一
致 し ない.
何
か が 不 足 してい てNF
(
t)
が 達 成でき な かっ た という意 味
で の不一
致 も あ れ ば,
インタラクション 以前
に は想 定で き な か っ た着 眼点
,
価 値 観
評 価 軸
が得
られ
た という意 味
での 不一
致
も あ る.
C3
プロセス :不一
致 がも の こ とを 進展 さ せ る 原 動 力 で あ る.
NC
(
t
+1
)
に 基 づ き,
次
なる未 来
ノ エ マNF
(
t
+1
)
を 立てることが
で き れ ば,
も の ご と は進
展す る.
t
の進 展に伴 う未
来ノエマ の変 化
は,
デザ
インのゴー
ル自体
が漸
次 的 に 進 化 する こと を 意 味 す る、
ゴー
ル 自 体 も 進 化 さ せ な が ら,
そ の都 度
それ を社 会
に実
現 す る 営 み が デ ザ イン であ る といっ ても 過言
では ない.
デザイ ンは 仮説
反証
サ イ ク ル なの である.
学 びは
FNS
ダイ アグラ ム の構 造
を有
する.
未 来
ノエ マ に 該当
する のは問 題 意識
であ
ろう.
あ
る 問 題意 識
を解 決
すぺ く何 か を実 践し て み る行 為がC1
であ る.
Cl
の 結果
既 学 習の概 念 や他 者
の存 在
との インタ
ラ ク ショ ンが起
こる(
C1 .
5
>
.
やっ て み て 初 め て 見 え る 現在
ノエ マ に 該 当 す るのは,
新 た な 疑 問,
不 具 合 であ る,
そ れ を 基 に 新 た な 問 題 意 識 を 立て る こと ができ れ ば,
学 習 は 次 な る サ イ ク ルへ と進 展 す る.
問
題意識
が その都 度 進 化
修 正 さ れ,
その都 度 解 決 を 目 指し て実 践 する.
“
デザイ ン と し て の学 び”
は 進 むごと に疑 問
や悩
み も増
えるのが 自然
な姿
であ る.
疑 問や 悩
みを発 生 さ
せつ つ,
そ の解 決
を 目指
して実
践 す る66
デザイ ン 学研究 特 集号 〆デ ザ イ ン学;メ タ デザイ ンへの 挑 戦Speclal
Issue
et
Japanese
Society
ft
)
rtheScie
[
ceof
DesFgn
Vol
.
IS−
1 No.
692D11Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design(完 全 に 解 決 さ れ る と は 限 ら ない)こと を 通 して
,
学 習 対 象 に 自 分 な りの意 味 を 見 出 すこ と に 学 びの本 質 が あ る3).
古 典 芸 能 に お け る わざ
の 研 究 を 行っ た 生 田 4〕は,
師 匠 の“
形 を 模 倣”
す る こと か らスター
ト し,
自 分 な りの‘
型”
を 獲 得 して初 めて,
わ ざ を学 習
し たいと言
える と説
い て いる.
3.
学 び 方
の学 び
:メタ
デザ
イ ン学 び の
FNS
サ イ ク ル を 進 展 さ せ る に は 時 間 も 労力
も 要 す る.
し た がっ て,
ど ん な 道 具 を 使っ てど ん な 環 境で ど ん な 意 識 が 学 びのサ イ ク ル を 促 す か を 模 索 し な が ら 学 ぶこと が 必 要 に な る.
つ ま り学 び は,
デ ザ イン のデ ザ イン,
つま りメタ デ ザ イン行 為 も伴う の である.
世の中には学ぶ こ とが 上 手い 人 と,
そ う でな い人 がい る,
上 手い学 習 者 は よい メタ デ ザ イナー
であ る,
その道 の一
流(
例 え ば 桑 田 投 手 ) は 概 してよいメ タ デ ザ イ ナー
であ る.
人
を 教 える こと もメタ デ ザ イン行
為で あ る,
教 え る と は,
教師
の頭のな かにある‘
教 え たい こと”
を 学習 者
の頭に コピー
するかの よ う に移 植
する ことでは ない.
学 習 者 が 自 分 な りの型(
意味 )
を 見 出すべ く自
ら考え るとい う行 為 を 促 す ような 学習
環 境 を整
え る こと が,
教
える ことである と簍 者
は考
える.
し た がっ て教
師(
コー
チ)
はメタ
デザ
イ ナー
であ る.
つま り,
教 師
側 (コー
チ ) も 学 習 者 側 (選 手 ) も 共 に メ タ デ ザ イナー
で あ る こと が,
教 え る/
教 え られ る 関 係 性 が 良 好であ る た め の 必要 十
分 条 件である と言っ ても 過 言では ない5).
4.
メ タ デ ザ イ
ンの 試 行研 究
学
習環 境
を左 右す る も の は多
岐に わたる,
鉛筆
,
ノー
ト,
メ モ帳
な どの文 房 具
,iPod,
iPad,
コ ンピュー
タの携 帯
IT
ツー
ル(
八一
ド/ソ フ ト)
,
机
椅 子 等の家 具,
学ぶ場の空 間,一
緒に学
ぷ他 者 な
どであ
り,
そ の多
く が認
知科 学 的 学習 研 究
の ト ピッ ク と し て と り あげら れ て来
た.
筆 者
の研究
室で も,
文 房 具,
身
体 動 作
をフ ィー
ド バ ッ ク する シ ス テム,
メタ認
知 を促
すIT
支
援ツー
ル6}7〕な ど を デ ザ イ ンする試みが 為さ れ て来
た.
本 稿
で は前 者
2
つ に 関 して紹
介 す る,
4.
1.
メ モ帳
の デ ザ インそ の1
:hex
書
き な がら考
え ると 考えが 進 む,
書 く 媒 体(
例 え ばメ モ帳 ) をうま くデザイン する こと はメタデザ インである.
現 時
点で の考
え を外 化す る こ と に よっ て,
過去に書い た内容
と現 在の内容
を媒 体
の上で俯 瞰
でき,
関係 性
を見
る こと ができる.
そ れ に よ りそ れ まで意
図しな かった連 想 や 記憶 喚 起
が おこり,
過 去
に書
い た内 容
の新しい意
味や新
し い ア イ ディ ア が生ま れ る.
考
えるこ と は基 本 的
に メタ
認知 的行 為
であ
り3),
学 習
がFNS
サ イ ク ル的な長 期 間の行 為で あ る な らば,
長期
に渡り疑 問や問 題意 識
の醸 成
を模 索
す る プロ セ スを促 す
メ モ帳
が必 須
であ る,
hex
は,一
辺45mm
の正 六 角 形,
白 色 無 地・
半 透 明 の メ モ 帳 第2邪 ■ メ タ デ ザ イ ンへ
の 挑 戦 図2.
hex :書い て,
並べ て,
考えるメ モ と して開 発 中である.60
枚 を 糊で綴 じ,1
冊のメモ帳 と してい る,1
枚ず
つ容 易 に切 り取 ること がで き る.
携 行 して の書 き や す さ と,
切 り取っ た 紙の一
時保 管
用 に.
図2
(
a)
に 示 す革
ケー
スも 制 作し用い て い るhex
の コ ン セプ トは 「書い て,
並べ て,
考 え るメ モ 」であ る.
・
日 頃 ふ と し た 気づ き を書
き 留 め・
書
き 貯 め たhex
を と き ど き 並べ て俯
瞰 し(
図
2
(
b)
)
,
・
概 念 間の関係 性
を 考え て.
新
し い アイデ ィア/
疑 問/問
題 意 識 を 得 る こ と を 促 す.
六 角 形は平 面
充 填 形であ り,
並べ る こ とをア フ ォー
ドする.
外周 部
の輪 郭
が 不在
の六 角 形
の存 在
を強 調
し,
更に並
べ るこ とを 促 すの であ る.
必 ず
し も 辺ど
う しが 接
す る よ う に 奇 麗 に 敷 き 詰 め る 必 要 は ない.
実 際 に やっ てみ ると,
敢 え て頂 点で接 す る よ う に 並べ た くなっ たD ,一
部
を 重 ね た り,
離 し て配 置 するといっ た 多様
な 並べ方 が 発 生 する(
例えば 図2
(
b}
)
.
並べ方のな かに本 人
が潜 在
的 に感
じる関係 性
が潜
ん でお り,
自分
の並べ方
を俯 瞰 す
る ことによ り,
自分
の思考 過程
に関
す る メタ認知 が 進む8}.
長 期 間 愛 着
を持
っ て使 用
し た くな
るメモ帳
であ
る た め に,
様 々 な 側 面に留 意し デザイ ン し た.
角 が 折れ曲 がり皺 が寄
っ て汚
くならない上等
な紙 質
を選
ん だ.
し か もボ
ー
ル ペ ン の イ ンク が乗
り や す く書
き味
がよ い(
それなりの抵
抗感
ある)
も の を選定
した.
そ う いっ た紙 質
でない と,
そ も そ も携 行
した く な くな り,
書
き た く な くな る.
大き さ は ケー
スを使
用 した際
に 手に しっ く り収
ま る サ イズ
と し た.
両 面 に書
く と 並べ ら れ ない の で,
半 透 明 に して裏 側 に 書こう と す る と抵 抗 感 が あ る よ う に し た,
保 管 場 所 から自 由に取
り出
し自由
に並べ られるよう に,
糊
は使 用
し ない コ ン セプ トに した.
剥
がせ るポス トイ ッ ト糊
であっ て も,
糊
は保 管
場 所か ら取り出
し て並べ る操
作の自由 度
を奪う.
4 .
2 .
メモ帳
のデザ イ
ンそ
の2
:まる
めも
ま るめ もは
3
種 類
の直 径 (
80
,
50
,
30mm
)
と4
種
類の色
(
赤,
青黄
,
白で 半透明 )か ら な る円型 の メ モである (図3
)
.
冊 子状
に綴
じず
カー
ドの状 態
で保 管
す る.
hex
と同様
に,
書
い た後
に 並べ て,
考
え る という使
い方をする.
丸い形はhex
と は随分 異
なる並
べ方 を
ア フ ォー
ドす る.
実 際
に使
用 す ると,
丸
の ア フ ォー
ダ
ンス は 「並べる 」以 上 の使
い方 を 促 すこ とも判
明 した 8〕.
デザイ ン学研 究 特集 号ノデザイ ン学:メタデザイ ンへの挑 戦Sp
嚠
allssueofJapanese
Seciety
forthe
Sclenceαt
Design
Vol
.
1e−
† No.
69 2011N工 工
一
Eleotronio LibraryJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design磯
飜
圭
驕
独
・鯰 操作ノ
図5 (左)pa「t’
°f’
sketch タ イ プの使い方欝
:
1
:
驚
第
一
に,
複
数の概 念 を各
々 ま る め も に書
け ば,
重 ね た り離 し て並
べ ることによ り
,
概 念 集 合
の操作
が柔 軟
に行
え る.
ま
るめ も は特
に重 ねた と き に威 力
を発 揮す る.
・
角 が ないた め,
多
重 に重
ねても 乱 雑 に 見 え ない.hex
は 角が あ る た め
,
重 ね る 枚 数 が 増 え る につ れて乱 雑 に 見 え,
並べ る動 機 を 失っ てし ま う
.
実 際 に 並べ て初 めて判
明 し た 知 見であっ た,
・
並べ る 下 地 と して濃
い色
の ノー
ト を 選 定 す れば (
図4
)
,
半 透 明であ ること が 作 用 して
,
重 な り程 度 が みて と れ る.
・
hex
は 重 ねる程 度 を 少 な めに して並べが ち に なるた め,
畳のよ う な
穴
き なスペー
ス でダ イ ナ ミック に 並べ るのが向
いて い る
(
図2
(
b
)
参
照)の に対 し,
ま る め も は小 さい スペー
スであっ ても
概 念 操 作
を行
え る.
・
円 形はま る めも の周縁
の下 地に,
補
足情 報
など の ア ノテー
ショ ン を 書 くこ と を促 す (図4
参 照 ),
角がない た め360
度
ど の 方向
も等
しい意 味
を 持 ち,
自由
な 場 所 に書
き や すい
.一
方,
hex
やポ
ス トイッ トは,
角の周 縁 部 に 書 くこ とに は 躊 躇 が 生 ま れ
.
周 り に 位 置 す る メ モ と の 関 係 上.
書 く 場 所 が 制 限 さ れ が ちであ る.
第二 に,
書 き 込みた く なる のはア ノテー
ショ ンだ けでは な い.
図
5
は,
既
に配 置
した まる めも を俯 瞰
して い る際
に,
図
を描
き入 れた くなり(
図5
で は シー
ソー
の絵 )
,
ま る め も も含
め て全体
をスケッ チ化
し た事例
であ る.
全体
を スケッチ化
して初
めて,
両色 で表 現された概念
の関 係性 (
』
自
分の な かでは仕 事 よ り も恋 愛
に比重
が高
い こ と”
)
に このユー
ザ
ー
は気
づい た と いう.
ス ケッ チ が“
考え る た め の道 具”
で あ る こ と は デザイン実
践では 周知
の事 実
であ り,
デザ イン研 究でも 示 さ れている9},
角 が ない こと が 解 釈 自 由 性 を 増 し,
も は や メモ以 外の何 か に 見 立て る こと を 促 すの では ないか と考え られる.
4.
3 .
“身 体 を考 え
る”支 援
ツー
ル
MotionPrism
ア ス リ
ー
トがメタ 認 知 的に体
感を言 語化
し,
問 題意 識
を醸
成
し,
自分
の身 体
の特 性
にマ ッチ した身体 動 作
を開 拓
す るこ と(
“
身 体
を考
え る”
行 為
と称
す る)
は,
身体
ス キ ル の 習得
に68
デザイン学 研 究特 集号ノデ ザ イン学:メタ デ ザ イン へ の挑戦Specla」lssue of Japanese S iety ferthe Science of Design
Vol
.
18−
1 No.
69 2011口
(
1 レ レ 図6
,
フ ォー
ム 可 視 化 ツー
ル MotionPrism 有 効であると 様 々 な ケー
ス スタデ ィで明 ら かになっ て い る3).
“
身 体
を考
える”
行 為
のな かでも,
安 定
し たフ ォー
ムの獲 得
は.
どん な スポー
ツ に お い て も重 要である(
野球
で言えば,
打 撃
フォー
ム)
,
我々は,
モー
ショ ンキャ プ チ ャ シ ス テ ム の デー
タを用い て運 動 を姿
勢の類似 度
に 基 づい て分 節化
し,
姿 勢
変化
を色
で可視
化 す るソ フ ト ウェ ア ツー
ルMotionPrism
を開 発して い る (図6
).
ツー
ルの目 的 は,
身 体 部 位
の動 か し方
や意 識
の変 化
に基
づ く フ ォー
ムの変 化 を シンボ ル 化 し,
その意 味 解 釈 に 取 り組 ま せ る こと を 通 して身 体 的メタ 認 知 を 促 すこと に ある.
機 能の詳 細 は文 献
を参 照
さ れ たい10〕.
一
連の姿 勢 変 化 を 縦 長の一
本のカラー
バー
で表す(
図6
の右
下に は,
3
つ の素 振
りに該 当
す る3
本
のカラー
パー
が横
に並ん で いる)
.
モー
ションキャ プ チ ャ の マー
カー
位
置計
測に基
づ き,
身 体を (バ ッ ト のような 道 具を用いて いれ ば それも含 めた身 体 全体
を)
数個
の 三角
形 で 簡 易 表 現 し,一
つの タ イ ム フ レー
ム で の 姿 勢 を 各々の三角 形の主 要 角 度 と.
〔すべ て の組 み 合 わ せ の ) 三 角 形 対 が 為 す 角 度 を 軸 と す る 多 次 元 空 間の1
点 と して プ ロ ッ トす る.一
連の動 作の姿 勢 変 化 は 多 次 元 空 間 に お け る 軌 跡 と して表 現 さ れる,k−
means 法 に よるクラ スタ リングによ り.
各
プロッ ト点
に姿勢
の類 似度
に応
じ て色 を割
り当
てれ ば,
姿 勢
変 化
が一
本
の カ ラー
バー
と し て可視 化
でき る,
複 数
試 行の カ ラー
バー
を横
に 並べると試 行 間 比較
ができ る.
フォー
ム が 安 定 していれば,
ほ ぼ同じタイ ミングで同じ色 変 化の列が得られ る.
色 変化
のタイ ミング
が 異 な る 場合
や,
あ る箇
所 だ け 別の色 が 出 現 す る 場 合があ れば,
何が原 因で その違いが 生 ま れ たのか を ア ス リー
ト本 人 が考
えるきっ か け を 与 える.
従 来の スポー
ツ科
学では,
身 体 運 動 を 可 能 な 限 り詳
細 に 分析
し.
身体 各 部
の動
き を数
値デー
タ とし て み せ る こ と に主 眼 がお か れ た.
し か し,
ど の部位 を
みせ るか は必 ず
しも アス リー
ト自身
の問 題意
識 に応
じ て決
定さ れ る わ け で は な かっ た.
つ ま り真の意 味でアス リー
ト に“
身
体 を考
え さ せ る”
こと に はつな が らない懸 念 が ある.一
方MotionPrism
は,
敢 えてカ ラー
バー
という 大 雑 把 な 分節
化 シ _ 、_レ
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Designンボルをみ せ る ことによ り