1 目的 市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)は、無秩序な市街地の 拡大による環境悪化の防止、計画的な公共施設整備による良好な市街地の形成、都市近郊の優 良な農地との健全な調和等、地域の実情に即した都市計画を樹立していく上で根幹をなすもの である。 一方、区域区分は、これを前提として他の都市計画の内容が連動して決定されるものである ことから、適正な権利制限という視点に立って、その必要性について厳密に検討すべきである。 本県においては、岩国、周南、防府及び下関の各都市計画区域において区域区分を行っ ているが、今回、良好な住宅宅地等の円滑な供給と市街地の計画的な整備を一層推進し、 無秩序な市街地形成を防止しつつ、実態に即した適切な運用を図るため、区域区分につい て、都市計画の変更を必要とする箇所について見直しを行おうとするものである。 見直しに当たっては、都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「法」という。)、都市計 画法施行令(昭和44年政令第158号。以下「令」という。)及び都市計画法施行規則(昭和 44年建設省令第49号。以下「規則」という。)並びに都市計画運用指針(平成12年建設省都 計発第92号。以下「運用指針」という。)に基づき進めるものとし、基本方針において、こ れに留意すべき基本的事項を定めるものである。 2 目標年次 区域区分は、おおむね10年後を目標に定めるもので今回の見直しに当たっては、平成32 年(2020年)を目標に定めるものとする。 3 基本となる考え方 区域区分の見直しに当たっては、単に大規模な宅地開発その他のまとまった市街地を機 械的に市街化区域に編入するのではなく、市街化区域に接する土地の区域について、土地 利用の動向や基盤施設の整備状況を子細に検討し、街区単位、土地単位等の小規模なもの でも、市街化しているものは市街化区域に編入することができるものとする。 一方、市街化区域内の土地であっても、現に市街化されておらず、当分の間営農が継続 することが確実と認められるなど、本来市街化区域に含めないことが望ましい土地の区域 については、市街化調整区域に編入することができるものとする。 この場合、市街化調整区域に編入する土地の区域については、都市計画法令の他、他法 令による土地利用規制等の扱いが大幅に変わることになるため、慎重に検討する必要があ る。 4 市街化調整区域の市街化区域への編入 おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域は、既成市街地の周辺部 と新市街地との各々について、以下のとおりとする。 (1) 既成市街地の周辺部として市街化区域に編入する区域は、原則として、次に掲げる条 件の全てを満たすもの。 (イ) 既成市街地に連続していること。 (ロ) 現に相当程度宅地化している区域であること。 (ハ) おおむね10年で既成市街地になることが見込まれること。 (2) 新市街地は、市街地の発展の動向、当該区域の地形、自然条件及び交通条件を配慮し、
第 5 回区域区分定期見直し基本方針
かつ、都市施設を効果的に配置し、整備することができるもの。 (3) 既成市街地と連続しない新市街地(計画的開発の見通しのある住宅適地、工業適地等 と一体の周辺既存集落等を含む。)は、1つの独立した市街地を形成するに十分な規模の 区域とし、その規模はおおむね50ha以上であり、周辺における農業等の土地利用に支障 のない区域とする。 ただし、一定の要件を満たす土地の区域については、1つの住区を形成する最低限の 規模である20ha以上を飛地の市街化区域として設定することができるものとする。 5 市街化区域の市街化調整区域への編入 市街化区域のうち、以下の要件に該当する土地の区域については、市街化調整区域に編 入することができるものとする。 (1) 計画的な市街化の見込みのない土地の区域であって、当該区域を市街化調整区域に編 入することが市街化区域の一体的かつ計画的な整備に支障ないもの。 (2) 市街化区域内農地のうち将来にわたり保全することが適当な農地であって、生産緑地 地区の指定を行わないもの。 (3) 市街化調整区域がその周囲を市街化区域に囲まれることとなる場合、当該市街化調整 区域の規模は、将来、計画的な市街化を行うこととなった場合に支障のない面的広がり とし、面積はおおむね5ha以上とする。 (4) 市街化調整区域編入後、無秩序な市街化が進むおそれがある場合で、用途地域の存置 による実効ある土地利用規制が期待できる場合は、用途地域を取り消さないことができ るものとする。 6 市街化区域の規模 市街化区域の設定は、都市計画区域マスタープランにおける区域区分の方針において、 人口を最も重要な市街地規模の算定根拠としつつ、これに世帯数や産業活動の将来の見通 しを加え、市街地として必要と見込まれる面積(以下「フレーム」という。)をそのまま即 地的に割り付けるものとする。 しかしながら、市街化区域の設定又は変更に当たり、全てのフレームを具体の土地に割り 付けることなく、その一部を保留したうえで、市街化調整区域内の特定又はいずれかの土 地の市街地の状況が整った時点で市街化区域とすることができるものとする。 7 区域区分に関する都市計画の変更時期 区域区分については、おおむね5年毎に実施する都市計画に関する基礎調査により、必要 に応じて見直しを行う他、保留人口のフレーム等を考慮して、随時、区域区分の変更を行 うことができるものとする。
1 市街化区域へ編入可能な区域 市街化区域へ編入可能な区域は、市街化調整区域のうち、次のいずれかに該当する土地 の区域とする。 (1) すでに市街地を形成している区域 (2) おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 (3) 軽易な変更で都市計画上必要な区域 2 すでに市街地を形成している区域 すでに市街地を形成している区域は、既定の市街化区域に面的に接する次のいずれかに 該当する土地の区域とする(ただし、集団農地を除く)。 (1) 20~30haのおおむね整形の土地の区域ごとに算定した場合における人口密度が1ha当た り40人以上である土地の区域が連たんしている土地の区域で、当該区域内の人口が3,000 人以上である区域 (2) 上記(1)の土地の区域に接続する土地の区域で、20~30haのおおむね整形の土地の区域 ごとに算定した場合における建築物の敷地その他これに類するものの面積の合計が当該 区域の面積の1/3以上である区域 3 おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域は、既定の市街化区域に 面的に接する区域で下記(1)若しくは下記(2)を満たす土地の区域又は下記(3)を満たす一定 規模以上の土地の区域とする。 (1) 既成市街地の周辺部 区域区分の決定若しくは変更以前より立地しているか又は都市計画法の手続等によっ て立地した建築物が存在する土地の区域 (2) 新市街地 新市街地は、次のいずれかに該当する土地の区域とする。 (イ) 土地区画整理事業区域 土地区画整理事業が、事業認可、組合設立認可、施行認可が確実であること等によ り、当該事業の着手が確実である区域又は当該事業がすでに行われている区域 (ロ) 公的機関等による開発区域 地方公共団体、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社等による住宅地等の 開発事業の実施が、用地取得が確実であること、事業計画案があること等により、確 実である区域又は当該開発事業がすでに行われている区域 (ハ) 民間開発事業者による開発区域 開発許可を受け、法第36条第3項の規定による完了の公告がなされるなど、計画的 な市街化が確実と見込まれる区域 (ニ) 幹線道路の沿道で地区計画を定める区域等 幹線道路の整備状況及び周辺の市街化の進行状況からみて、市街化区域に編入後、 地区計画を定める等により地区施設等の適正な整備が行われ、計画的な市街化が確実 と見込まれる区域 (ホ) 地区計画の定められた区域等
第 5 回区域区分定期見直し基準
都市施設の整備状況、周辺の土地利用の状況等からみて、地区計画を定める等によ り地区施設等の適正な整備が計画されており、かつ、法第34条第1項第十号による開 発許可を受け、法第36条第3項の規定による完了の公告がなされるなど、計画的な市 街化が確実と見込まれる区域 (ヘ) 公有水面埋立事業による区域 公有水面埋立法に基づく埋立事業の施行区域で竣功認可の告示のあった区域 (3) 既成市街地と連続しない一定規模以上の新市街地 既成市街地と連続しない新市街地(計画的開発の見通しのある住宅適地、工業適地等 と一体の周辺既存集落等を含む。)は、1つの独立した市街地を形成するに十分な規模の 区域とし、その規模はおおむね50ha以上であり、周辺における農業等の土地利用に支障 のない土地の区域とする。 ただし、次のいずれかに該当する土地の区域については、1つの住区を形成する最低 限の規模である20ha以上を飛地の市街化区域として設定することができるものとする。 (イ) インターチェンジ、新たに設置される鉄道の新駅又は大学等の公共公益施設と一体 となって計画的に整備される住居、工業、研究業務、流通業務等の適地 (ロ) 鉄道既存駅周辺、温泉その他の観光資源の周辺の既成市街地で計画的市街地整備が 確実に行われる区域 (ハ) 役場、旧役場周辺の既成市街地で計画的市街地整備が確実に行われる区域 (ニ) 人口減少、産業停滞等により活性化が特に必要な地域で計画的市街地整備(既存集 落を中心とするものを除く。)が確実に行われる区域 (ホ) 効率的な工業生産、環境保全を図る必要がある場合の工場適地 4 軽易な変更で都市計画上必要な区域 軽易な変更とは、規則第13条第1項第一号に該当する変更をいう。 5 市街化調整区域へ編入可能な区域 市街化調整区域へ編入可能な区域は、市街化区域のうち、次のいずれかに該当する土地 の区域とする。 (1) 既定の市街化調整区域に面的に接する土地の区域 計画的な市街地整備が見込めない区域で、周辺の市街化区域における一体的かつ計画 的な整備を図るうえで支障のない区域 (2) 既定の市街化調整区域に面的に接していない一定規模以上の土地の区域 上記(1)に該当する区域がその周辺を市街化区域に囲まれることとなる場合、当該市 街化調整区域の規模は、将来、計画的な市街化を行うこととなった場合に支障のない面 的広がりとして、おおむね5ha以上とする。 (3) 軽易な変更で都市計画上必要な区域 6 市街化区域に含めない土地の区域 市街化区域に含めない土地の区域は、原則として、次のいずれかに該当する土地の区域 とする。 (1) 市街化することが不適当な土地の区域 市街化の動向並びに鉄道、道路、河川及び用排水施設の整備の見通し等を勘案して市 街化することが不適当な土地の区域 (2) 災害の発生のおそれのある土地の区域
溢水、湛水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域 (3) 優良な集団農地その他長期にわたり農用地として保存すべき次のいずれかに該当する 土地の区域(ただし、農林部局等との協議によりこれらによらないもの、及びすでに市 街地を形成している区域に囲まれることとなる5ha未満のものを除く。) (イ) 集団的優良農用地 団地規模がおおむね10ha以上で、高性能な農業機械による営農可能な土地条件を備え、 かつ主要工作物の10a当たり収量が当該農用地の所在する市町の平均以上である農用地 (ロ) 農業生産基盤整備事業の対象農用地 土地改良事業、草地開発整備事業等による農業生産基盤整備事業を実施中の地区内 の農用地及び当該事業が完了した年度の翌年度から起算して8年を経過していない地 区内の農用地 (ハ) 農林漁業の維持保全施設用地 大規模な防災ため池等農林漁業の維持保全のため必要不可欠な公共施設で、その規 模、立地条件等からみて代替施設によってその機能を果たすことが困難なものの施設 用地 (ニ) 野菜集団産地育成事業を既に完了した地区 野菜集団産地育成事業を既に完了した地区で当該事業に係る施設等が現に良好に管 理利用されている地区内の農用地 (ホ) 主産地形成又は地域の農林漁業の振興等を目的とした地区 主産地形成又は地域の農林漁業の振興等を目的とし、利用範囲を特定して、国の補 助又は融資単独事業等によって事業を総合的集中的に実施中の地区内の農用地又はこ れを完了した地区で、当該事業に係る施設等が現に良好に管理されている地区内の農 用地 (4) 優れた自然の風景を維持し、都市の環境を保持し、水源を涵養し、土砂の流出を防備す る等のため保全すべき次のいずれかに該当する土地の区域 (イ) 優れた自然の風景を維持するため保全すべき土地の区域 自然公園法第13条第1項に規定する国立公園及び国定公園の特別地域並びに自然環境保 全法第14条第1項に規定する原生自然環境地域及び同法第25条第1項に規定する自然環境 保全地域の特別地区 (ロ) 都市の環境を保持するため保全すべき土地の区域 歴史的風土特別保存地区、文化財保護法第2条第1項第四号に規定する文化財が良好な 状態で存する土地の区域で、当該土地の区域が大規模であり、かつ、自然の状況にある 土地 (ハ) 水源を涵養し、土地の流出を防備するため保全すべき土地の区域 森林法に規定する地域森林計画又は国有林の地域別の森林計画において保安林の指定 が計画されている土地の区域、保安林の区域、保安林予定森林の区域及び保安施設地区 (市街化区域に取り囲まれることとなる小規模なものを除く。) 7 市街化区域の規模 市街化区域は、市街地に配置すべき人口・産業を適切に収容しうる規模とし、以下によ り定めるものとする。 (1) 市街化区域の規模の設定 市街化区域の規模の設定は、都市計画基礎調査を踏まえた、おおむね10年後の人口及 び産業の見通しに基づき、住宅用地、商業用地、工業用地、公共施設用地その他の用地
の必要な面積を算出したうえで、その範囲内において行うこととする。 (2) 市街化区域の規模から除外する土地の区域 目標年次において、次に掲げるような都市的土地利用が行われないと想定される土地 の区域が市街地に含まれることとなる場合には、これを市街化区域の規模から除外する こととする。 (イ) 生産緑地地区その他の将来にわたり都市的土地利用が想定されない土地の区域 (ロ) 計画的な開発予定地等のうち、宅地化に相当の期間を要し、目標年次には都市的土 地利用に転換されないと想定される土地の区域 (3) 住宅用地の規模 住宅用地の人口密度については、1ha 当たり 60 人以上とすることを基本とするが、運 用指針の考え方を基に、地域の特性を反映して適切に人口密度を想定することができる ものとする。 なお、上記の考え方を基に取扱いを行った場合であっても、住宅用地全体の将来人口 密度は、都市計画法施行規則に定める既成市街地の人口密度の基準である1ha当たり40 人を下回らないこととする。 (4) 商業用地、工業用地、流通業務用地その他の業務用地の規模 工業用地(これに関連する流通業務用地を含む。)の規模の算定に当たっては、当該 都市計画区域の工業立地動向を考慮し、将来の適正な工業配置を図るため今後予想され る規模の工業生産及びこれに関連する流通業務が円滑に行われるよう検討することとす る。 また、必要に応じ、当該都市計画区域における将来の商業その他の業務活動の規模を 勘案して、商業用地、流通業務用地その他の業務用地の規模を想定することとする。 8 区域区分のための土地の境界 区域区分のための土地の境界は、原則として、鉄道その他の施設、河川、海岸、崖その 他の地形、地物等土地の範囲を明示するのに適当なものにより定めることとする。