• 検索結果がありません。

2. 外来魚に係わる現状 ( 調査の経緯 ) と対応方針平成 17 年度から実態把握のため外来魚調査を開始し 平成 20 年度から平成 27 年度にかけて防除対策を含む調査を実施した その結果をもとに今後の外来魚対策 手法検討を行った 一連の調査は 刺し網による捕獲 産卵床の除去 といった作業を基に

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2. 外来魚に係わる現状 ( 調査の経緯 ) と対応方針平成 17 年度から実態把握のため外来魚調査を開始し 平成 20 年度から平成 27 年度にかけて防除対策を含む調査を実施した その結果をもとに今後の外来魚対策 手法検討を行った 一連の調査は 刺し網による捕獲 産卵床の除去 といった作業を基に"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

宮ヶ瀬ダム版

外来魚簡易防除方法マニュアル

岡﨑 均

関東地方整備局 相模川水系広域ダム管理事務所 広域水管理課 (〒252-0156 神奈川県相模原市緑区青山字南山 2145-50) ダム湖内に生息する特定外来生物(コクチバス、オオクチバス)の個体数の増加抑止・低 減のため、現状に即し経済性、作業性等の面から、実質的な防除方法を検討しマニュアル を作成した。 キーワード : 特定外来生物 防除 マニュアル 刺し網 産卵床 1.はじめに 宮ヶ瀬ダムは平成 2001 年 3 月に完成した首都圏最大 級の重力式コンクリートダム(流域面積 4.6 ㎢、総貯水 量 1 億 9300 万㎥、堤体積 200 万㎥は日本一の規模) で、同年 4 月に運用を開始した。 図-1 宮ヶ瀬ダムの位置(神奈川県) ダム建設計画時より周辺流域の魚類をはじめとする 環境調査を実施しているが、試験湛水中の 2000 年の 調査時より特定外来種であるオオクチバス、コクチバス、 ブル-ギルの生息が継続的に確認されるようになった。 このような状況の中、「特定外来生物による生態系等 に係る被害の防止に関する法律」が 2005 年6月1日か ら施行となった。更に、特定外来種の生息範囲がダム 湖内にとどまらず、ダム下流(中津川)へ流出するなど 下流域の河川環境への影響も憂慮され、下流域の関係 者(神奈川県・漁協など)からも対応を求められた。これ らを契機に現状把握及び防除対策の検討等を目的とし て外来魚調査に着手した。 写真-1 宮ヶ瀬ダムサイト観光放流 写真-2 観光放流 写真-3 特定外来種

(2)

2.外来魚に係わる現状(調査の経緯)と対応方針 平成17年度から実態把握のため外来魚調査を開始 し、平成20年度から平成27年度にかけて防除対策を 含む調査を実施した。その結果をもとに今後の外来魚 対策・手法検討を行った。 一連の調査は、「刺し網による捕獲」、「産卵床の除 去」といった作業を基に実施するもので、個体数の削減 効果としては防除作業とほぼ同等の内容であり、完全 駆除には至らないまでも大幅な成体数の減少という成 果をあげることができた。 現時点で、相応の成果を得ることができたため外来魚 調査は終了となる。一方、十余年に渡り実施してきた防 除作業(外来魚調査)を中断すれば、個体数は再び増 加するであろうことは自明である。 そこで、現在の個体数の減少(又は現状維持)を目的 として、低予算・簡易かつ魚類調査等専門的な技術を 要しない、通常の維持管理の範囲で継続可能な防除 作業の手法を検討し、外来魚の防除方法マニュアルを 作成することとした。 3.既往調査の内容及び結果の概要 図-2 平成27年度調査地点 まず、平成27年度の調査対象範囲(地点)と地点毎 の実施内容を図-2 に示す。 経年の調査結果から、宮ヶ瀬湖全体を対象として調査 項目ごとにブラックバスの好みそうな場所を選出し実施 した。 次に、経年の外来魚調査(防除作業含む)の結果に ついて、概要を図-3 に示す。 上段は刺網と釣獲による個体捕獲数(調査年度毎 の捕獲実数)、中段はジョリーセーバー法(捕獲したコク チバスにタグを付け再放流し、再度捕獲された個体数 から全体量を推定する手法)で推測した個体数の推移 で、いずれも顕著な減少傾向を示している。 なお、下段の努力量の表は項目毎にどれだけ手厚く 作業したかを数値で表したもので、調査に伴い生息数 が減少していくため、年々努力量に対して捕獲数が減 少し、1個体あたりに要する労力が増大していることがわ かる。 図-3 捕獲個体数・推定現存数・努力量経年比較 4.マニュアルの作成・内容 宮ヶ瀬ダムに適した簡易な防除方法マニュアルの作成 にあたり、防除方法の検討を、(1)設置(地形的)条件、

(3)

(2)作業性(簡易性)、(3)作業頻度と効率の観点から 行った。防除(駆除)方法には、主に成魚の捕獲を目的 とするものと産卵の阻害を目的とするものに分けられ、 前者は各種網による捕獲、釣獲、ヤスで刺したりする方 法などがあり、後者は、産卵床の除去、人工産卵床によ る除去、産卵床を守る親魚の捕獲、水位低下幅の調整 による産卵床の干し上げなどの方法があげられる。それ らを簡易防除方法の検討候補とした。なお、宮ヶ瀬ダム 周辺の地理(地形)的環境としては、宮ヶ瀬湖の全周が 急峻な斜面囲まれており、一般の人が安全に湖面にア クセスするための整備がなされていないといった状況が ある。 写真-3 宮ヶ瀬湖外周 (1)設置(地形的)条件による検討 前出の防除方法の中から宮ヶ瀬ダム(湖)の設置条件 に適したものを検討した。結果を表-3 に示す。 表-3 防除方法比較表(1) 地引網・袋網は水位変動に合せて移動させることが 難しく、投網は仕掛ける場所がない。産卵床干し上げは 以下に記す理由で実施しないこととし、刺し網、釣り・ヤ ス、電気ショッカーボート産卵床の確認及び破壊、人工 産卵床の設置を簡易防除の候補とした。 a)産卵床干し上げについて 三春ダムなどでの事例を参考に、ダム水位低下幅の 調整による産卵床の干し上げを検討した。ダムのドロー ダウンとブラックバスの産卵の時期が重なることを利用し、 段階的に水位低下を図り卵がふ化する前に干し上げる もので、宮ヶ瀬ダムでの水位低下(2mあたり)に必要な 低下速度(放流量)を試算し、有効性を検討した。 宮ヶ瀬ダムにおけるブラックバスの産卵からふ化まで の時間を 5 日間、平均的産卵水深を2mと想定すると、 産卵床の干し上げに必要となる水位低下量及び放流 量は以下のとおりとなる。 ・ 5日間に2m水位を低下させるための放流量の試算 5日間たりの総放流量= ダム湖面積×2m = 4.6km2×2m=9,200,000m3 1 秒あたり放流量 = 9,200,000/5 日/24 時間/60 分/60 秒 =21.3m3/s≒22m3/s(洪水注意体制レベル) よって、宮ヶ瀬ダムでは容量(面積)及び下流放流量 などを考慮すると、水位低下速度に対する放流量が大 き過ぎるため、実施に至っていない。 (2)作業性の(簡易性)検討 (1)で絞り込んだ5項目を以下の条件のもと、比較検 討し更に絞り込みを行った。 ①魚類調査のような専門的技術を要さないこと ②防除効果(駆除効率) ③簡易性(作業性) 表-4 は防除方法毎に効率・作業性の観点からの評 価をまとめたもので、検討の5項目のうち、刺し網、船上 からの産卵床の除去、人工産卵床設置の3項目を簡易 防除方法として採用することとした。

(4)

表-4 防除方法比較検討表(2) (3)作業頻度と効率の検討 この3項目について最適な簡易防除の頻度・作業量を 検討した。図-4 は刺し網と人工産卵床の設置を対象に それぞれ頻度・作業量を変えて将来のブラックバス個体 数をシミュレーションしたものである。(ただし、船上から の産卵床除去は作業的には簡易だが、産卵床発見頻 度のばらつきが大きく、パラメータ化することが難しいた めシミュレーション項目からは除外した。) シミュレーションにあたっては、刺し網及び人工産卵 床設置の作業量(努力量)を変数として実施箇所数、頻 度(期間)をそれぞれに組み合わせてシナリオを6パタ ーン作成(表-5)し、20 年後の個体数を推定した(図 -4)。 図-4 個体数推定グラフ 表-5 個体数推定のためのシナリオ比較 なお、実施箇所数については平成27年度に実施した 11箇所を基に、効率が良いと想定される3箇所を抽出 し簡易案とした。 グラフの中で最も大きい数値が予想されるシナリオA は、今後対策を一切取らなかった場合を想定したもの で、ほぼ調査前と同じ状態に戻ってしまうと推測され、 最小値のシナリオBは、H27年度外来魚調査と同等の 作業(努力)量のもので、僅かながら個体数が減少傾向 となる。 グラフから、防除作業を手厚くすれば生息数の削減を 期待出来るが、費用の工面・作業量の過大化等、防除

(5)

作業を継続していくためのハードルは高くなるといった 傾向がみてとれる。更に、全体の個体数が減少していく と作業量に対する個体数の削減効率は低下していく。 (作業量と個体数の削減効率は正比例的な関係にはな らない。) これらを踏まえ、【作業の簡素化】を図りつつ、より【個 体数を抑制】のできる理想ポイント(落としどころ)を検討 した。結果としては、若干の個体数の増加はあるものの、 簡易防除としてはシナリオEI(地点数 3 箇所に刺し網 2 反、人工産卵床 3 個のケース)が最適で、これを簡易防 除方法の目安とした。 なお、シナリオCⅠは、EⅠと予想される個体数はほぼ 同じだが、刺し網にかかる作業量(負担)が約3倍となり 労力の割に削減効率が低いため採用しなかった。 5.まとめ(宮ヶ瀬ダム版簡易防除方法マニュアル) 4.の検討結果から以下の項目・条件をとりまとめそれ を基に簡易防除マニュアルを作成した。 「宮ヶ瀬ダム版 外来魚簡易防除方法マニュアル」の 主な内容を以下に記す。 (1)対象魚種 対象魚種は特定外来生物である、コクチバス、オオクチ バス、(ブルーギル)を対象とする。 写真-4 コクチバス(左)、オオクチバス(右) (2)対象地点 対象地点は効率が高いと推測される虹橋上湾、東 沢、墓地対岸の3地点とする。 図-5 対象地点 (3)作業内容 ・ 刺し網設置 ・ 産卵床破壊(船上作業、小型三枚網設置) ・ 人工産卵床設置(定置型、吊り下げ型) 上記の項目について必要機材、作業手順を具体的 に写真・図解等を添付し、わかりやすく記載する。 (4)「河川水辺の国勢調査結果(魚類)」による 宮ヶ瀬ダム湖内のコクチバス個体数の推測 本マニュアルに沿った防除対策を継続的に実施して も、長期的にはダム湖内に生息するバス類の個体数は 緩やかに増加していくと予測されている。また、不測の 環境変化によって急激に個体数が増加する可能性もあ る。 そこで、個体数増減の把握の目安として、5年ごとに 実施される「河川水辺の国勢調査・魚類」の調査結果を 用いて、ダム湖内に生息するバス類の個体数の概数 (増減傾向)を以下の基準(目安)を基に推測することと した。 なお、基準は過去の河川水辺の国勢調査と外来魚調 査の結果を照合し推定した。 (a)バス類の個体数推測の基準(目安) 河川水辺の国勢調査の調査地点のうち、ダム湖内の 調査地点で捕獲された体長 20cm 以上のコクチバス成

(6)

魚の個体数合計が 10 個体以上となった場合は、ダム湖 内に生息しているコクチバスの個体数が概ね 1,000 個 体以上と推測される。 その結果、個体数が1000個体以上(10個体以上捕 獲)に増加していると推測される場合は、本マニュアル (案)による簡易防除方法から、平成 27 年度に実施した 規模の本格的な「採捕」と「産卵床除去」による防除対 策への移行を検討する。 以上をとりまとめ、冊子に収めた。 図-6 簡易防除方法マニュアル(抜粋) 6.今後の課題 「簡易防除方法」の継続のみでは将来的にはコクチバ スの個体数は緩やかに増加していくと予測されている。 現状維持又はそれ以上の個体数抑制を目標に、「簡 易駆除方法」と手厚い「本格防除(平成27年度調査時 に行った規模の防除対策)」を組み合わせることで現状 維持以上の成果が得られるかを4.(3)と同様の手法で シミュレーションした。これにより、作業性、防除効率、費 用面の観点で優劣を検討・考慮した、総合的な判定か ら「簡易防除方法2年+本格防除1年」のスケジュール が最適との結果を得ている。 今後は、これに伴う業務の準備が必要となってくると 思われるが、河川管理者は、公共事業としての外来魚 対策を継続的に実施していく上で、予算の確保等をど のように位置づけるべきかということが問題である。 簡易防除等を河川管理者がやるべきことなのか、河 川整備計画で言う河川環境の保全ということで総括でき るものかなどの問題を適切に整理・調整を図り、継続的 な外来魚防除を円滑に進めていきたい。

参照

関連したドキュメント

一方、区の空き家率をみると、平成 15 年の調査では 12.6%(全国 12.2%)と 全国をやや上回っていましたが、平成 20 年は 10.3%(全国 13.1%) 、平成

平成30年 度秋 季調 査 より 、5地 点で 調査 を 実施 した ( 図 8-2( 227ペー ジ) 参照

○「調査期間(平成 6 年〜10 年)」と「平成 12 年〜16 年」の状況の比較検証 . ・多くの観測井において、 「平成 12 年から

(batter)又はパン粉でおおった魚の切身、加熱による調理をした魚)

1970 年代後半から 80 年代にかけて,湾奥部の新浜湖や内湾の小櫃川河口域での調査

2011 (平成 23 )年度、 2013 (平成 25 )年度及び 2014 (平成 26 )年度には、 VOC

NOO は、1998 年から SCIRO の海洋調査部と連携して LMD のためのデータ取得と改良 を重ね、2004 年には南東部海域(South-East Marine Region)にて初の RMP

昭和 61 年度から平成 13 年度まで環境局が実施した「水生生物調査」の結果を本調査の 結果と合わせて表 3.3-5 に示す。. 平成