作業学習(木工)学習指導案 指導者 広島県立福山北特別支援学校 教諭 土居 裕 (T1) 教諭 赤石 洋美(T2) 1 日時・場所 平成 25 年 11 月 19 日(火) 2校時 (10:00~10:45) 第1木工室 2 学年 中学部 第3学年 のこぎりグループ(2名),組み立てグループ(4名) 3 題材名 生活用品を製作しようⅡ 4 題材設定の理由 ○生徒観 本学年の生徒は,男子 16 名,女子2名の単一障害学級と男子1名の重複障害学級の計 19 名 で構成されている。入学当初は,友達同士でトラブルを起こしたり,授業への見通しがもてず 不安定になったりする生徒も見られていたが,少しずつ改善されてきている。作業において は,のこぎりや電動ドライバーなど,初めて手にする道具も多く,おぼつかない様子で作業に 取り組む生徒がほとんどであった。しかし,作業学習に対する意欲や興味・関心が高く,集中 して取り組む生徒も増えてきている。コミュニケーションにおいては,相手に意思を伝えるこ とが難しい生徒も多いため,人間関係形成能力を高めていく必要がある。 これまでに,コースターや写真立て,小物入れ,マガジンラック,プランターカバー,ミニ 三段ボックスなどの製品作りに取り組み,一部,学校祭での販売を行ってきた。学校祭当日で は,一生懸命作った製品が売れることで,もの作りの喜びや達成感を得ている生徒も多く見ら れた。 ○題材観 本校の中学部の作業学習では,手工,農業,木工を実施している。作業学習においては,作 業内容や生徒の実態に応じてグループ分けし,集団としての協力性や効率性が高まるよう留意 している。また,本校では,研究テーマとして「キャリア教育の視点に立った教育実践」に取 り組んでいる。作業学習(木工)においては,これまでに「作業の選択」による意思決定能力 の育成,「グループリーダーの設定」による主体性,協力性の育成に取り組んできた。本年度 は,「本時の個人目標の設定,報告・連絡・相談」を取り入れ,意思決定能力や人間関係形成 能力のさらなる向上を目指している。 本題材では, 生活にかかわる身近なもの作りとして,スパイスラックの製作に取り組ませ
る。作業工程を切断,研磨,下穴加工,塗装,組み立てなどに分け,計6グループで分担して 活動している。生徒一人が一つの作品を作るのではなく,個々の生徒が他の作業グループと連 携,協力しながら作業に取り組むことで,正しいコミュニケーションや就労に近い体験活動を ねらうことができる。 ○指導観 指導に当たっては,各自の作業内容が把握しやすいよう,作業カードと生徒写真を毎回提示 し,確認する。また,グループ別活動では,本時の目標の設定や,準備カードによる道具の準 備を行わせる。目標設定の場面では,前回の目標や達成具合を見比べさせることで,作る意欲 を高めたい。製品作りにおいては,グループ内でも役割を決めさせて作業に取り組ませてい る。グループ内やグループ間において,「できました」,「お願いします」など,連携や協力し 合う活動を繰り返し行わせることで,正しいコミュニケーションの方法を身に付けさせたい。 指導者の言葉掛けや模範の提示がなくても,生徒が自分で作業に取り組み,製品を完成させ ることができることを,最終的な生徒像として挙げたい。生徒自身が次の作業について自ら考 え,自ら行動する場面が増えることを目指し,自分で操作したり,見て理解するような支援具 を活用させたりして,最少の支援となるよう配慮したい。 5 題材の目標 ・取り組みたい作業を選択し,最後まで責任をもって取り組むことができる。 ・簡単な手道具や電動工具を使い,安全に木工作業を行うことができる。
6 指導計画 〔全 30 時間〕 第1次 オリエンテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 第2次 生活用品作り 材料の切断・・・・・・・Aグループ 材料の調整,加工・・・・Bグループ Cグループ Dグループ 材料の塗装・・・・・・・Eグループ 材料の組み立て・・・・・Fグループ 第3次 製品作り 材料の切断・・・・・・・Aグループ 材料の調整,加工・・・・Bグループ Cグループ Dグループ 材料の塗装・・・・・・・Eグループ 材料の組み立て・・・・・Fグループ 7 本時の目標 ○全体の目標 ・選択した作業において,最後まで取り組むことができる。 ・道具を正しく使ったり,グループ内で協力したりしながら作業に取り組むことができる。 ○個々の目標 生徒 これまでの様子 目標 A グ ル ー プ ( 材 料 の 切 断 ) A ・発語は少ないが活動意欲があり,「やる人」の問 いに対しては積極的に挙手したり,動作や手話で意 思を伝えたりすることができる。 ・一人で作業したいという思いが強く,必要な支援 や手助けに対してかんしゃくを起こすことがある。 ・補助具の準備やのこぎりの使い方など,ほぼ理解 しているが,作業がゆっくりで途中で止まったり, 余所見をしたりすることがある。 ・指示された道具や材料を友達や指 導者とともに準備することができ る。 ・切り始めから切り終わりまで,作 業に集中しながら切断することがで きる。 10 時間 磨き,穴あけ,タイル の敷詰めなど 19 時間(3/19) 磨き,穴あけ,タイル の敷詰めなど
B ・聴覚障害があるため,言葉での理解は難しいが, 指導者の模範や手の動きなどを見て活動内容を理解 することができる。 ・作業学習に意欲的で,責任をもって作業に取り組 むことができる。 ・のこぎりや補助具の使い方についてよく理解して いるが,体を正面にして切断したり,片手でのこぎ りを持ったりすることがある。 ・支援カードを基に,必要な道具や 材料を作業台まで運ぶことができ る。 ・立ち位置やのこぎりの持ち方な ど,正しい方法で切断することがで きる。 F グ ル ー プ ( 組 み 立 て ) C ・ADHDがあり,落ち着かない場面になると,友 達や指導者に対して乱暴な言葉遣いになることがあ る。 ・手先が器用で,適切に電動ドライバーを使ってネ ジ締めを行うことができる。 ・タイルの敷き詰めなど興味のある作業に集中して 取り組むことができるが,気分に波があり長続きし ないことがある。 ・自ら友達に声を掛け,道具や材料 を作業台まで運ぶことができる。 ・正しく道具を使いながら,適切に 組み立てができる。 ・グループ間で連携しながら作業す ることができる。 D ・積極的な言動がよく見られるが,一度消極的にな ると気持ちの切り替えが難しい。 ・作業学習が好きで必要な道具を自ら探すなど,見 通しをもって取り組むことができる。 ・手先が起用で,のこぎり,電動ドライバーなど, どの作業にも意欲的に取り組めるが,作業に慣れて くると雑になる場面がある ・支援カードをもと基に,必要な道 具や材料を作業台まで運ぶことがで きる。 ・最後まで丁寧に作業を進めていく ことができる。 ・設定した目標組み立て数に向け て,最後まで作業することができ る。 E ・作業学習に意欲的であるが,物事へのこだわりが 強く,作業の切り替えに時間がかかることがある。 ・人とかかわることが好きで自分から積極的に声を 掛けることができるが,言葉遣いやかかわり方が乱 暴になることがある。 ・下穴にネジを置いてプラスドライバーを用いなが ら 1 センチほどの深さまで自力で締めることができ るが,締め忘れることがある。 ・指示された道具や材料を友達や指 導者とともに準備することができ る。 ・下穴の数だけネジ締めができる。
F ・授業中に席を立って歩いたり,テレビなどで耳に した単語を急に大声で言ったりすることがある。 ・板書された文字を声に出したり,準備カードを基 に道具を探したりするなど,意欲的ではあるが,指 示を待てず先々に行動してしまうことがある。 ・電動ドライバーのレバーを押すと回転するという 仕組みをよく理解しているが,ネジが空回りするこ とがある。 ・支援カードを基に,必要な道具や 材料を作業台まで運ぶことができ る。 ・適切な深さになるよう,ネジを締 めることができる。 ・協力しながら作業に取り組むこと ができる。 8 準備物 名札,めあて巻物,目標達成シート,材木,一人で切ったろう№6,のこぎり,万力 ケース,電動ドライバー,ドライバー,ネジ,組み立て用補助具,ボンド,準備カード 9 学習過程 後掲 10 評価の観点 ・人間関係形成能力や意思決定能力向上の場面設定がされていたか。 ・言語活動の充実を図るための工夫がされていたか。
12 教室内配置図 【 導入・振り返り 】 ホワイトボード 道具棚 出 入 口 出 入 口 出 入 口 準備室出入口 A グ ル ー プ ( 材 料 の 切 断 ) F グ ル ー プ ( 材 料 の 組 み 立 て ) 丸 の こ 盤 進入禁止エリア B A C D E F T1 T2
【 作業 】 ホワイトボード 道具棚 出 入 口 出 入 口 出 入 口 準備室出入口 A グ ル ー プ ( 材 料 の 切 断 ) F グ ル ー プ ( 材 料 の 組 み 立 て ) 丸 の こ 盤 進入禁止エリア C D E F T1 B A T2
9 学習過程 学習活動 指導上の留意点(□課題,○支援,☆評価,◎意思決定能力及び人間関係形成能力にかかわる課題) のこぎりグループ(T2) 組み立てグループ(T1) 全体 A B C D E F 1 始まりの挨拶をする。 (1分) 〇姿勢を正すように促す。 〇前を向くように促す。 〇前を向くように促す。 ○姿勢を正すように促す。 〇号令を促す。 〇姿勢を正すように促す。 ○当番を前に呼び,始まりを意識 させて一緒に挨拶をする。 2 本時のめあてと学習活 動 に つ い て 確 認 す る 。 (2分) ○作業内容についてイラスト や言葉で示す。 ○作業内容についてイラスト や言葉で示す。 ○作業内容についてイラスト や言葉で示す。 ○作業内容についてイラスト や言葉で示す。 ○作業内容について質問し, 本時の内容について確認しや すくする。 ○作業内容についてイラスト や言葉で示す。 ○本時の学習活動について,生徒 の写真や道具のイラストをホワイ トボードに提示し,見通しをもち やすくする。 3 グループごとに作業の 準備及び目標設定を行う。 (5分) □指導者や友達とともに,協 力しながら必要な材料や道具 を作業台まで運ぶ。 ○準備カードを指差したり, 声を掛けたりする。 ☆指示された道具や材料を友 達や指導者とともに準備する ことができたか。 □必要な道具や材料を見つ け,協力しながら準備に取り 組む。 ○見つけにくい場合は,指差 しで場所や数を伝える。 ☆支援カードを基に,必要な 道具や材料を作業台まで運ぶ ことができたか。 □リーダーとして積極的に声 を掛け,道具や材料の準備に 取り組む。 ○主体的に準備できるよう, 手助けを求めるまで支援しな い。 ☆自ら友達に声を掛け,道具 や材料を作業台まで運ぶこと ができたか。 □必要な道具や材料を見つ け,準備に取り組む。 ○見つけにくい場合は,指差 しで場所や数を伝える。 ☆支援カードを基に,必要な 道具や材料を作業台まで運ぶ ことができたか。 □指導者や友達とともに,必 要な材料などを作業台まで運 ぶ。 ○準備カードや道具の場所を 指差したり,声を掛けたりす る。 ☆指示された道具や材料を友 達や指導者とともに準備する ことができたか。 □必要な道具や材料を見つ け,準備に取り組む。 ○見つけにくい場合は,指差 しで場所や数を伝える。 ☆支援カードを基に,必要な 道具や材料を作業台まで運ぶ ことができたか。 ○準備カードを手渡し,リーダー を中心に準備するよう声を掛け る。 ○目標設定しやすくなるよう,前 回の目標達成シートを提示し,前 回の達成数を振り返りやすくす る。 4 グループに分かれ,作 業に取り組む。 (25分) ◎切断する目標数の達成に向 けて,最後まで集中して切断 作業に取り組む。 ○1本切るごとにマスを一つず つ埋めていき,切断数について 見通しをもちやすくする。 ☆切り始めから切り終わりま で,作業に集中しながら切断 することができたか。(責任) ◎正しい切断方法を意識しな がら,繰り返し作業に取り組 むことができる。 ○立ち位置やのこぎりの持ち 方など,適宜模範を示す。 ☆立ち位置やのこぎりの持ち 方など,正しい方法で切断す ることができたか。 (自己判断) ◎接着する板とのすき間やネ ジの深さなど,適切に組み立 てができているか確認しなが ら,正しく道具を使って作業 する。 ☆正しく道具を使いながら, 適切に組み立てができたか。 (自己判断) ◎「報告・連絡・相談」をしなが ら協力して作業をする。 ☆グループ間で連携しながら 作業することができたか。 (コミュニケーション) ◎電動ドライバーを使って, 適切にネジ締めができる。 ○ネジの締まり具合を1本ごと に確認し,評価していく。 ☆最後まで丁寧に作業を進め ていくことができたか。 (自己判断) ◎組み立てる目標数の達成に 向けて最後までやり通す。 ☆設定した目標組み立て数に 向けて,最後まで作業するこ とができたか。 (責任) ◎下穴の数に合わせて適切に ネジを締めることができる。 ○必要な本数のみトレイにネ ジを入れさせ,残りの数につ いて意識しやすくする。 ☆下穴の数だけネジ締めがで きたか。 (自己判断) ◎友達と正しくかかわりをも ちながら作業に取り組むこと ができる。 (コミュニケーション) ◎下穴よりもネジが出過ぎな いよう気を付けながら,適切 にネジを締めることができ る。 ☆適切な深さになるよう,ネ ジを締めることができたか。 ◎「できました」など,作業 ごとに確認しながら協力して 取り組むことができる。 ☆協力しながら作業に取り組 むことができたか。 (コミュニケーション) ○生徒が主体的に行動できるよ う,指差し,言葉掛け,模範の順 番で支援を行う。 ○他グループとの連携を設定し, 正しいやりとりについて繰り返し 確認する。 ○安全面について配慮し,適切に 作業に取り組めるようにする。 ◎自分の作業を最後まで行う。 (責任) 5 片付けをする。 (7分) ○具体物を指差し,片付けを 促す。 ☆正しい位置まで運ぶことが できたか。 ○一つずつ確認をしながら片 付けを促す。 ☆友達や指導者と一緒に片付 けに取り組めたか。 ○主体的に片付けできるよ う,手助けを求めるまで支援 をしない。 ☆自ら友達に声を掛け,道具 や材料を片付けることができ たか。 ○具体物を指差し,片付けを 促す。 ☆正しい位置まで運ぶことが できたか。 ○具体物を指差し,片付けを 促す。 ☆正しい位置まで運ぶことが できたか。 ○見通しがもてていない場合 は声を掛ける。 ☆少ない言葉掛けで片付けに 取り組むことができたか。 ○リーダーを中心に片付けできる よう声を掛ける。 ○道具の戻し忘れやゴミの取り残 しがないか,確認する。 6 本時の活動を振り返 る。 (4分) ○頑張った場面や,よかった 場面について言葉掛けを行 う。 ○目標達成シートの提示を行 い,本時の取り組みについて 振り返りやすくする。 ○目標達成シートの提示を行 い,本時の取り組みについて 振り返りやすくする。 ○目標達成シートの提示を行 い,本時の取り組みについて 振り返りやすくする。 ○頑張った場面や,よかった 場面について言葉掛けを行 う。 ○頑張った場面や,よかった 場面について言葉掛けを行 う。 ○各グループのリーダーを中心 に,達成度について発表する場面 を設定する。 ◎本時の達成数を振り返る。 (振り返り) ◎本時の活動を振り返り,達 成数を発表する。 (振り返り) ◎本時の達成数や反省につい て自己評価したり,発表した りする。 (自己評価) ◎本時の取り組みについて自 己評価する。 (自己評価) ◎達成数を振り返る。 (振り返り) ◎達成数を振り返る。 (振り返り) ◎活動を振り返り,反省する。 (振り返り・自己評価) 7 終わりの挨拶をする。 (1分) 〇姿勢を正すように促す。 〇前を向くように促す。 〇前を向くように促す。 ○姿勢を正すように促す。 ○号令を促す。 〇姿勢を正すように促す。 ○当番を前に呼び,終わりを意識 させて一緒に挨拶をする。 協力しながら片付け,清掃を行う。