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徳島県居住者の「生活」に関するジェンダー分析 -男女共同参画社会形成に向けた課題-

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Academic year: 2021

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徳島県居住者の「生活jに関するジェンダ一分析 一男女共同参画社会形成に向けた課題 教科領域教育専攻 生活・健康系コース(家庭) 郡 理 絵 1. 問題の所在 私たちは、日々、女性か男性かとしづ性別カ テゴリーの中に自分をおいて生活している。人 間を男女の2項に分類することは、それがセッ クス(生物勃惟差)に基づく場合であれ、ジ ェンダー(社会的・文化的・心瑚惟却に基 づく場合であれ、自然なこととみなされてきた。 さらに分類された男女榊旦みには、それぞれ別 の役割が与えられる。例えば、男性が生産労働 に携わり、女性が再生産労働に携わる役割を担 う。各々に与えられた役割は、セックスに起因 すると考えられ、自明で、固定的で、おおむね 変換しょうがないものと受け止められてきた。 ジェンダーの視点から社会構造の捉えなおし が行われる中で、性差に基づき割り振られた役 割分業は固定的なものではなく、むしろそこに は多くの不均衡や支配一被支配関係が存在する ことが明らかにされてきた。 こうした社会構造や、システムを変換するた め、日本では 1999年、男女共同参画社会基本 法が制定され、1998年度の指導要領の改訂にお いて菊走科は、男女共同参画社会形成を推進す る教科として明確に位置づけられた。 性差や性別役割分業の固定化から生じる問題、 すなわちジェンダー問題は、第1に人々の「意 識jの問題、、第2に意識を表出する言葉明子為、 不必要な差異に基づく取り扱いなどの「現象j の問題がある。第3に意識と現象を裏づけ、変 指導教官 中山まき子 換し難くしている「構造jの問題がある。 男女共同参画社会の形成・推進のためには、 複雑に絡み合うこれら三側面の「問題の相生そ のものJを認識し、不必要な差異や取り扱し、を 解消する必要がある。 2. 研究の目的と方法 本研究の目的:徳島県において男女共同参画 社針俗隼を阻む要因は何かを明らかにする。具 体的には、 (1)徳島県が実施した女性問題に関 する意識調査報告書(全4回)を比較分析し、 198 1年から 2001年まで、のジェンダー問 題に対する県民訴哉の特徴と変遷を理解する。 (2)聞き取り調査法により、個人および地域 社会が抱えるジェンダー・バイアスの実態を分 析し、徳島県に居住する人々の固定的なジェン ダー・バイアスは何かを抽出する。 以上、徳島県におけるジェンダー・バイアス の地域特性をふまえ、当該県で教育をおこなう 上での課題を考察する。 本研究の方法:第1に徳島県が 1981年から 2001年の聞に実施した「女性問題に関する意識 調査報告書Jを一定の視長を定め比較し、ジェ ンダ一分析を行う。第2に徳島県出身およて戸徳 島県在住の16人(女 12人、男 4人)を対象 に聞き取り調査を行い、個々人の生活史をもと に具体的なジェンダー問題を明らか

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こする。 3. 県調査報告の比較分析結果 県調査報告の分析に先立ち、各種統計、白書

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-458-とその年次変化から以下の徳島県の特徴を明ら かにした。①老年人口割合が高い。②三世代同 居率が高い。③「自営業・家脱走業者」の占め る割合が高し九④女性の就業率が30歳以上で 全国値を上回っている。⑤共働き比率が高し、。 ⑥転入率が低ハ 次に、県調査報告は、 20歳以上男女個人を 対象としたアンケート調査である。調査の大項 目は次の8項目である。①「生活と意識j②「女 性と職業」③「平等意識J④「結婚生活」⑤「子 どもの教育」⑥「老後の生活J⑦「高齢者介護J ⑧「女性の地位向上j。全4回の県調査報告の比 較分析の結果は、以下のとおりである。 第1に、家庭・職場・教育の分野で、徳島県 民のジェンダー・バイアスは根強し L 第 2~こ、 平成元年度 平成 12年度報告までの約10年 間、徳島県民のジェンダー問題に関する意識に はほとんど変化はみられず、問題解消の方向に 向かっていない。若干ジェンダー解消の方向性 が見られるのは、次の2点である。①建て前な がら、「家事・育児・介護などの家庭の仕事の領 域について、男性もかかわるべきだjと社会的 には発言する傾向が高まっているo ②労働の分 野でのあからさまな差別は減少傾向にある。 第3に、男女平等の推進に対する理解は、男 女で違いがみられる。男性は男女平等は進んで いると醜卒し、女性は不平等が多々あると認識 している。第4に、 60歳以上はジェンダー・ バイアスが高い。ただし、 20'"'-'40歳のそれ ぞれの世代間で、バイアスの高低差はほとんどみ られなしL つまり、若い世代においてもジェン ダーに敏感な視点は育成されていない。 4.聞き取り調査のジェンダ一分析からみた徳 島県のジェンダー特性 聞き取り調査においても、地樹士会・家族・ 個人の根強いジェンダー・バイアスの相生が確 認された。そこで、なぜジェンダー・バイアス が解消されないのかを分析した。第1に、地域 社会や家族に内包されるジェンダー・バイアス は「伝統jや「習慣Jとみなされ、自明の屈定 化したものと受け取られている。また、地域社 会や家族構成員が保持している強いジェンダ ー・バイアスは、当該地域の「規範」や「規範 意識jとなっている場合が少なくない。そのた め、ジェンダーに関する諸問題は、「ネ士会問題J としてではなく、規範と異なる行為や認識を持 つ「個人の問題」と解釈されがちである。こう して、個人もジェンダー問題の相生に気付きに くいか、あるいは気付いたとしても規範から外 れるという圧迫を地樹士会や家族から受けたり、 個人の内面で矛盾や葛藤を引き起こしている。 そのため、ジェンダー問題に気付いた個人でも、 規範化されたジェンダー・バイアスを是認し、 継承することが、地樹士会や家族成員と折り合 った生活をすることとなり、バイアスの解消は ますますオ

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われない。第2に、加えて、転入率 の低い徳島県では、人の入れ替わりが少なく、 古川耐直観と新しし対耐直観の交流や摩擦が少な い。こうした地域相生が、一定方向の考えや価 値観を固定化しやすくしている。 第3に、跡継ぎの重視や男性をたてることを 美徳、とするなど、家そ家長を重んじる「家意識j の残存が確認され、同意識もまた、ジェンダー・ バイアスを温存・強化させる大きな要素である と考えられる。 5. 男女共同参画社会形成に向けた今後の課題 本研究の研究成果を通し、男女共同参画社会 を担う次世代育成のためには、ジェンダーの視 点にたった家庭科教育さらには学校教育全体の 見直しゃカリキュラムの再検討が必要である。

参照

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