• 検索結果がありません。

調理操作の力学的解析とその食品加工技術への応用

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "調理操作の力学的解析とその食品加工技術への応用"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

調理操作の力学的解析とその食品加工技術への応用( 内容の

要旨 )

Author(s)

野坂, 千秋

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第052号

Issue Date

2001-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2297

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 頸 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 学 位 論一文 題 目 審 査 委 員 野 坂 千 秋 (神奈川県) 博士(農学) 農博乙第52号 平成13年3月13日 学位規則第4粂第2項該当 調理操作の力学的解析とその食品加工技術への応用 主査 岐 阜 大 学 教 授 渡 速 乾 二

副革

信州大学 教 授 細 野 明 義 副査 静 岡 大 学 教 授 碓 氷 泰 市 副査 岐 阜 大 学′教 授 加 藤 宏 治 論 文 の 内 容 の 要 旨 社会環境の変化に伴い、調理済み食品の需要が増し、より一層の美味しさの向上が求め られている。その要望に応えるには、機械化された生産工亀においてもより品質へのこだ わりを重視することが必要である。その為には、美味しさを作り出せる質の高い経験的調 理換作(調理のプロの技と称される技術)を解析し、機械設計や換作条件に反映させるこ とが不可欠と考える。そこで、本研究では、ポテトスープの調理過程で行う「ジャガイモ の裏ごし換作」を対象にその力学的解析を行ない、それを基にして食品加工の機械化の基 礎的知見を得ることを目的とした。

ジャガイモの裏ごしとは琴でたジャガイモをヘラで押し付けながら、メッシュの隙間を

通過させる操作を表す。その目的は相互に密着したジャガイモ細胞を分離することにある。 ジャガイモの裏ごしは調理条件や力の掛け方がコツとされ、その換作条件がジャガイモの 性状に影響する。ポテトスープは、裏ごしたジャガイモによる適度な粘性を主な特性とす るスープヤある為、その特性は裏ごし条件の影響を受けると考えられる。 初めに、好ましいポテトスープの物性を明らかにするために、熟練したプロの調理人(シ ェフ)が調製したポテトスープの物性評価を行なった。更に裏ごし操作の際にジャガイモ 細胞の損傷度合に影響すると考えられる調理条件として、温度と裏ごし器のメッシュサイ

ズについてスープ物性との関連を明らかにした。そ¢結果、シェフ調製品の特徴は、見か

けの粘度が低く、損傷のないジャガイモ細胞と粒子径を有し、粒子体積分率の高いスープ 物性であった。食感としては粘りが弱く粒感を有するものであった。この様なシェフ調製

晶に近い物性を有するスープを作製するためには、裏ごし時の換作を90℃で行うことノノと

裏ごし器のメッシュサイズをジャガイモ細胞径を考慮した250ムmとすることが必要であ ることが明らかになった。 次に、裏ごしジャガイモの品質を決定する重要な要因と考えられる rヘラによる力の掛 け方」を動作として力学的に測定することを試みた。好ましい物性を作り出す熟練者(シ

(3)

ー130-ェフ)および非熟練者の「ジャガイモの裏ごし換作」を対象に、スポーツ科学の分野で用 いられている運動解析法を適用して、カの大きさ及び用いるへラの角度等の力学的特性を 調べた。また、これらの力学的特性と、裏ごしされたジャガイモを用いて調製したポテト スープの流動特性との関連を解析した。その結果、熟練者の裏ごしは、カの垂直成分・水平 成分・合力の最大値及び力と時間の嶺である力積がいずれも非熟練者に比べ小さく、メッ シュに対するヘラの角度も常に100 以上を保っていることが明らかになった。 また、一熟練者の裏ごしジャガイモは、非熟練者のものに比べ、細胞外へ洗出した澱粉が

少なく、細胞の損傷が観森されなかった。このことから、裏ごし換作の力の掛け方やへラ

角度がジャガイモ細胞の損傷と密接に関連していることが示唆された。更に、熟練者のス ープは非熟練者によるものに比し見かけゐ粘度が小さく、食感においても、粘りが弱くジ ャガイモの粒感が強い点からのどごしが好ましいと評価され、総合的にも有意に(pく0.01) 好まれた。 以上のことから、裏ごし操作の力学的特性である力の最大値及び力積が′j、さく、へラ角 度が大きいほど、ジャガイモ細胞の損傷が少なく、そのマッシュポテトを用いたスープは 見かけの粘度が低く、・食感として好まれるスープとなることが明らかとなった。 熟練者が調製する好ましい流動特性を有するポテトスープを加工技術によって実現する ことを目的とし、得られた熟練者の裏ごし換作の力学的特性を、食品加工における機械化 に応用した。現在工業的に使用されている裏ごし用途の機器類の中から、・目標とするポテ トスープ品質を得られる可能性の高い機器を選定し、更に品質を向上させるための改良を 行なった。選定の結果、泡合調味料原料を造粒する用途の「押出し造粒横」が比較的目標 に近い評価を得た。そこで、力の大きさ及び力積を抑えるために、「押出し造粒機」のクリ アランスや回転速度及びへラの角度を調整した唐呆、熟練者の品質レベルを実現できる裏 ごし機を考案・製作できた。 本研究の結果の一部は「ポテトスープ用ジャガイモ裏ごし装置」として特許申請に至っ た。〔特廣平8-217200〕 審 査 結 果 の 要 旨 社会環境の変化に伴い、調理済み食品の需要が増し、より一層の美味しさの向上が求め られている○その要望に応えるには、一機械化された生産工巷にぉいても品質へのこだわり ゴを重視することが必要である。その為には、美味し・さを作り出せる質の高い経験的調理操 作(調理のプロの技と称される技術)を解析し、機械設計や操作条件に反映させることが 不可欠と考えた。そこで、本研究では、ポテトスープの詞理過程で行う「ジャガイモの裏 ごし操作」を対象にその力学的解析を行い、そ咋を基にして食品加工の機械化の基礎的知 見を得ることを目的とした。 本論文は三章から構成されている。第1章では、好ましいポテトスープの物性を明らか にするために、熱度したプロの討理人(シよフ)が訝製したポテトスープの物性評価を行 った。その結果、シェフ調製品の特衡ま、見かけの枯度が低く、揖傷のないジャガイモ細 胞と粒子径を有し、粒子体積分率の高いスープ物性であった。この様なシェフ調製品に近

(4)

-131-い物性を有するスープを作製するためには、裏ごし時の操作を90℃で行うことと裏ごし苦 のメッシュサイズをジャガイモ細胞径を考慮した250仰とすることが必要であると明ら かにした。 第2章では、裏ごしジャガイモの品質を決定する重要な要因と考えられる「ヘラによる 力の掛け方」を動作として力学的に解析することを試みた○好ましい物性を作り出す熟凍 者(シェフ)および井熟徒者の「ジャガイモの襲ごし操作」を対象に、スポーツ科学の分

野で用いられている運動解析法を適用して、力の大きさおよぴへラの角度等の力学的得ぜ○

を調べた○'その結果、熟練者の裏ごしは、力の垂直成分・水平成分・合力の最大値および 力と時間の填である力積がいずれも非熱抹者に比べて小さく-、メッシュに対するへラの角 度も常にⅢ○以上を保っていることを明らかにした○また、熟練者の裏ごしジャガイモは、 非熟練者のものに比べ細胞外へ洗出した蕨粉が少なく、細胞の撮傷が戟案されなカ、った。 さらに、熟経書のスープは罪熟♯者によるものに比し、食感においても有意に(p< 0.01)好まれた。 第3章では、・得られた熟凍者の裏ごし操作の力学的特性を、食品加工における機械化に 応用した。現在工業的に使用されている裏ごし用途の機械類の中から、日額とするポテト スープ品質を得られる可能性の高い機器を選定し、さらに品質を向上させるための改良を 行った。遼東の結果、混合調味料原料を造拉する用途の「押出し造拉機」が比較的目標に 近い評価を得た○そこで、力の大きさおよび力積を抑えるために、「押出し造拉桟」のク リアランスや回転速度およぴへラの角度を調整した結果、熟読者の品質レベルを実現でき る葺こし横を考案・製作できた。このような研究の展開によって得られた成果は、食品工 業に与えるインパクトは大きいものと評価した。 以上の論文構成や内容について慎重に審議した結果、得られた知見は詞理操作の力学的 解析とその食品加工技術への応用を示したものであり、学術的に価値があるものと判断さ

れた。その結果、審査委負全員一致で本論文が岐阜大学大学院蓮台農学研究科の学位論文

として十分価値があるものと認めた。 ■な`お、審査委員会宰おける口頭発表に対する新しい方法の導入、質問に対する的確な回 答など高い評価を得た。 〈学位論文の基隆となる学術論文〉 1)野坂千秋・星川恵里・久保田浩二・足立和隆・渡速乾ニ:動作分析法に皐る調理操作 の力学的測定-シェフによるジャガイモの裏ごし操作の例-、日本食品科学工学会誌、 47(7).564-566(20叩) 2)野坂千秋・星川恵里・足立和隆・渡速乾二:運動解析法によるジャガイモの裏ごし操 作における熟練者と非熟練者の比較、日本食品科学工学会誌、47(11),85ト8由 (2000) 3)野坂千秋・星川志望・久保田浩二・小川宣子・準速乾ニ‥ シェフによる調理法の解析 からみた好ましいビシソワーズの調理操作条件り提言、日本調理科学会誌、34(1), 2-9(2001)

(5)

-132-く既発表学術論文〉 1)小川宣子・申 七郎・伊藤秀夫・山本るみ子・野坂千秋・渡速乾二:名古屋コーチン の・卵の物理化学的特性(第2報) 白色レグホーンとの比故、日本詞理科学会誌、 33(4),.437-440(2000) 2)野坂千秋・箕輪澄乃・星川恵里・久保田浩二・大越ひろ・渡速乾ニ:ホワイトソース 物性へ及ぼす調理操作条件の影響-シェフと井熟抹者の技絆条件の例-、日本讃理科 学会誌、34(1),10-16(2001)

3)Chiaki封osaka,TotBOakiEisatsuka,ⅩenjiYatatlabe and Noriko OgaYa:Effects

Of egg storage and soditJEL Chloridein heating Yater OTlrheological

properties of9gg yOlk gels fro皿heated she11eggs.日本調理科学会誌、34 (1),17-24(2001)

参照

関連したドキュメント

冷却後可及的速かに波長635mμで比色するド対照には

  BCI は脳から得られる情報を利用して,思考によりコ

ところで,このテクストには,「真理を作品のうちへもたらすこと(daslnsaWakPBrinWl

Jabra Talk 15 SE の操作は簡単です。ボタンを押す時間の長さ により、ヘッドセットの [ 応答 / 終了 ] ボタンはさまざまな機

操作は前章と同じです。但し中継子機の ACSH は、親機では無く中継器が送信する電波を受信します。本機を 前章①の操作で

問題解決を図るため荷役作業の遠隔操作システムを開発する。これは荷役ポンプと荷役 弁を遠隔で操作しバラストポンプ・喫水計・液面計・積付計算機などを連動させ通常

脅威検出 悪意のある操作や不正な動作を継続的にモニタリングす る脅威検出サービスを導入しています。アカウント侵害の

(a) ケースは、特定の物品を収納するために特に製作しも