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移動情報端末による交通情報生成方法の提案

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第68回全国大会. 3E-4. 移動情報端末による交通情報生成方法の提案* 清水直樹†. 五味田啓†. 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所‡ 1.背景 1980 年代に登場して以来、四半世紀を経たカーナビゲ ーション(以降カーナビ)の普及はめざましいものがあり、 最近の新車では装着率が 90%にも達するものがあると言 われている。ここまでカーナビが普及した要因は、本来 の目的であるナビゲーション機能のみならず、リアルタ イムに渋滞状況などの交通情報を見ることのできる機能 がユーザに強く求められていたからと考えられる。 交通情報は、初期の頃は非常に限定された地域でのみ提 供されておりかつ情報の更新間隔も長くあまり有効な情 報とは言えなかった。しかし 1990 年後半に図1のような VICS(Vehicle Information and Communication System)[1]に代 表されるインフラ整備型システムが登場し情報の即時性 と正確さが著しく向上した。 本稿では、この交通情報提供システムをさらに高度化さ せるための新方式の提案を行う。. 図1. 位置、方向、車速情報等をセンターにあるサーバに送信 することで、各々の車がセンサーの役割を果たして交通 情報を構築するシステムである。しかし、このシステム は、各自動車メーカーが自社のユーザ向けにサービスし ているのが現状であり、交通情報は同じメーカーの自動 車間でしか共有されていないという問題がある。このた め情報の収集効率が悪くなり、結果として提供される交 通情報(目的地到着予想時刻など)の精度が低くなって いる。. 3.新交通情報システムの提案 本稿で提案する交通情報システムは、上記に挙げたよ うな課題を解決するために考案されたもので、広範囲を カバーする高精度な交通情報を安価に提供することを目 的としている。 3.1 提案システム概要 図2は,提案する交通情報システムの概要図である。. VICS の仕組み. 2.交通情報システムの現状と課題. 図2. VICS が提供する交通情報は、道路周辺の信号機、標識、 電柱などに設置されたセンサーが集めた車の情報(速度、 一定時間内に通過する車の量など)を基に作られている。 従ってセンサーの設置されていない道路についての交通 情報を提供することはできない。(VICS がカバーする予 定路線全国 30 万 km に対し実際にセンサーが敷設されて いる区間は 5 万 km)近年、この収集範囲が狭いという欠 点を補うためにプローブと呼ばれるセンサーを利用した システムが提案されており[2][3]、その1つにフローティ ングカー情報システム[4]というものがある。これはシス テムに参加している車(プローブカーと呼ぶ)が自分の * A Traffic Information System using Mobile Terminals †Naoki SHIMIZU, Kei GOMITA ‡Information Technology R&D Center, Mitsubishi Electric Corporation. 提案システムの概要図. 提案システムでは VICS におけるセンサー、フローティン グカー情報システムにおけるプローブカーの役割を携帯 電話に代表される移動情報端末が担う。本システムでは、 携帯電話などの移動情報端末を持った人間が車、タクシ ー、バスなどに乗車した際に得られる車両の移動情報を データセンターに送信、センターで有効な交通情報とし て編集・処理を行い、配信する構成になっている。 提案方式の利点は以下の 2 点である。 (1) 交通情報を広範囲に提供可能 交通情報を必要とする場所・時間帯には、必ず移動情 報端末を持った人間が車両に乗っていることが想定され るため、必要な場所に情報を提供可能である。(情報を 収集できない場所は、交通情報が必要ない場所と考えら れる)。. 3-315.

(2) 情報処理学会第68回全国大会. (2) 安価にシステムの構築が可能 移動情報端末を使用している人間であれば、誰でもデ ータの生成元になりうるため、道路設備や特定の会社の インフラに頼ることなく、システムの構築が可能である。 3.2 移動情報端末による情報収集 提案システムで使用する移動情報端末には、携帯電話 の他に、可搬型PCや PDA が考えられる。情報収集を行 うためには、移動端末に以下のものが備わっている必要 がある。 ・ 位置情報を測位する GPS(Global Positioning System) ・ 速度測定センサー ・ 方位測定ジャイロ ・ 歩数測定カウンタ ・ 収集したデータを処理するソフトウェア ・ データをデータセンターに送信する無線装置 上記の条件を満たす端末としては、デバイスやソフトウ ェアの拡張のし易さ、バッテリー容量などを考慮すると、 可搬型PCが最も適していると言える。PDA は、拡張性、 バッテリー容量では劣るが、小型と言う点では利点があ る 。 携 帯 電 話 は 、 通 信 以 外の条件で劣るものの、今や 8000 万を越える圧倒的なユーザ数と、近年、GPS を初め とし各種センサーが搭載された機種も登場してきている ことから、本提案システムにおける主要デバイスとして 最も期待できると考えている。 3.3 収集データからの交通情報構築 前項目に記述された端末によって生成された情報は、 図2の交通情報データセンターに送信されるが、センタ ーに設置してあるサーバーでは次のような処理を行う必 要がある。 ・ 情報のフィルタリング ・ 交通情報の生成 ・ 情報の配信 (1) 情報のフィルタリング 移動端末からの情報は、車両運転中、車両同乗中、公共 交通機関利用中、歩行中など多様な状況から送られてく るが、このうち、有効な交通情報を作成するために必要 なのは、(電車や船舶ではない)車両に乗車中(運転あ るいは同乗)に収集された情報である。提案システムの 道 路 交 通 情 報 取 得 判 定 処 理 位 置 情 報 と 地 図 デ ー タ の 照 合. Y e s. 位 置 は 海 上 ?. サーバは以下の2つのフィルタリングの組合せにより有 効な情報の抽出を行う。(図3に処理フローを示す) 位置情報と地図情報から、移動端末の情報は、海 上(船舶)または線路上(列車)から発信された ものではないことをチェック。 移動速度情報、移動履歴、歩数情報から、移動端 末の情報は歩行中もしくは電車内から発信された ものではないことをチェック。 (2) 交通情報の生成 次に情報のフィルタリング後に得られた情報から、ある 道路の区間に対して交通情報を生成する方法につき説明 する。(図4に処理フローを示す) 対象とする道路区間に関し、移動速度が規定値以下であ る端末数が、1)規定数より多く、かつ 2)その道路上に存在 する端末の全数に対する割合が規定値よりも多いという 2 つ の 条 件 を 満 た し て い る 場合に、この道路区間は「渋 滞」しているという交通情報を生成する。 単に端末数だけでなく、端末の全体に対する割合も計算 混 雑 ・渋 滞 記録判定処理 当 該 端 末 より得 た道 路 状 況 情 報 を 更 新. Yes 当該道路を 混 雑 ・渋 滞 道 路 として 記 録. 終了. 図4. 「渋滞」交通情報の生成. に加えるのは、自転車の側道走行や自動二輪による渋滞 道路のすり抜け走行による影響を排除するためである。. 4.まとめと今後の課題 本稿では、車両に乗車中の人間が携行している移動情報 端末からの情報を利用して、広範囲をカバーする精度の 高い交通情報システムを安価に構成する方法について提 案を行った。今後は、実際の携帯電話を用いた評価用シ ステムを試作し、その評価結果を基に、情報フィルタリ ングおよび渋滞情報の判定アルゴリズムの改良を行って いく予定である。. 参考文献. N o 徒 歩 ・電 車 利 用 可 能 性 判 定 処 理. 徒 歩 ・電 車 利 用 可 能 性 あ り ?. N o. Y e s N o. 位 置 は 道 路 上 ? Y e s. 取 得 対 象 外 道 路 と 判 定. 取 得 対 象 道 路 と 判 定. [1] VICS のしくみ、 http://www.vics.or.jp/vics/structure.html [2] 菊池他:PROBER-歩行者版プローブ情報システムの提案-、 情報処理学会 第65回全国大会(平成15年)6J-5 [3] Xin, Shi: Study on Dynamic Public Traffic Information Acquisition based on IC Card Automatic Charge Collection System, 11th World Congress on ITS, Nagoya, Japan 2004 [4] インターナビ・フローティングカーシステム、 http://premium-club.jp/PR/technology/tech1.html. 終 了. 図3. 同一道路端末数 > 規定数 and 同一道路端末割合 > 規定割合. No. 有効な情報のフィルタリング. 3-316.

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参照

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