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スモン患者の生命予後に影響する患者特性に関する研究

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平成8年3月15日 第43巻 日本公衛誌 第3号 231

スモン患者の生命予後に影響する患者特性に関する研究

黒田

研二

多田羅浩三

福植

鈴木隆一郎

森定

一稔

 スモン患者の生命予後に,異常知覚,歩行,視力などの障害がどのように影響しているかを明らかにする ため,昭和55年1月に行った調査に回答した大阪府在住のスモン患者414人を住民票照会等の方法で,約10 年間追跡調査した。追跡不能であった5人を除く409人のうち80人の死亡が追跡期間中に確認された。  Cox比例ハザードモデルを用いて性,年齢を補正して,初回調査時に把握した異常知覚の有無,歩行能 力,視力,日常生活動作能力,身体障害者手帳等級,家族構成が,それぞれその後の死亡と関連しているか どうかを調べた。重度の歩行障害,日常生活動作要介助,身体障害者手帳1・2級は,いずれも有意に高い 相対危険を示した。同居家族が3人以上の人に比べて独居・2人世帯の人の相対危険は有意に低かった。  性,年齢,異常知覚の有無,歩行能力,視力の5つの変数を同時に投入して各変数に関する相対危険を算 出すると,重度の歩行障害は有意に高い相対危険を,常時の異常知覚の存在は有意に低い相対危険を示した が,視力障害の生命予後への影響は有意でなかった。  日常生活動作能力が低下している人の死亡では,「普通」の人の死亡に比べ,心不全,肺炎・気道感染の 死亡割合が多かった。日常生活動作能力の低下から2次的な廃用性の機能低下がもたらされ,老化の影響も 加わりこのような死因が多くなるものと考えられた。重度の障害をもつスモン患者の健康管理は,地域リハ ビリテーションや寝たきり予防対策を視野に入れて進められる必要がある。

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