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ソフトウェアメトリクスに基づいた信頼性評価モデル

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Academic year: 2021

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(1)

日本オペレーションズ。リサーチ学会

2005年春季研究発表会

周一『一柑

ソフトウェアメト灯』クスに基づしもた信頼性評価モデル

木南智規†,林坂弘一郎(01800035)‡,藤原降次(01507374)††,土肥正(01307065)‡

†広島大学工学部第二類(電気系)

‡広島大学大学院丁学研究科情報工学専攻

††富士通周辺機株式会社

法により推定した後に,αとγを実際に検出されたフォール

ト発見個数データから最尤法を用いて推定している.

上述のモデルにおいて,2穐類以上のテスト労力データを利

用するためには若干の工夫が必要となる.すなわち,上(≧1)

種類のテスト労力データに対して累碩テスト労力関数Ⅳi(t) (豆=1,…,∼)と未知定数γiを定義し,以下のように平均値 関数を定義する.

恥α(1刊「重刷)])・

(3) 例えばテスト労力関数にレイリー関数を仮定すると, lUi(り = 2αi揖・eXpト∂㌔ト (4) 晰(り = αi(トexpト鋸2]) (5) となる・ただし,αiはテストに必要な豆(=1,‥・,り番目の テスト労力の総量,あは労力豆の尺度パラメータである.

しかしながら,テスト労力依存型NHPPモデルの欠点と

して,最小二乗法と最尤法を併用することにより,モデルパ

ラメータの最適性に関する統計的な意味が不明瞭であること

が挙げられる.換言すると,上述のようなモデルとパラメー

タ推定法を適用するならば,せっかくテスト工程においてメ

トリクスデータを記録したとしてもこれらの情報を信頼性評

価モデルに矛盾なく反映することは困難であり,メトリクス

データを採集すること自体が志味をなさない可能性がある.そ

こで次節では,比例強度モデル【3Jに基づいたソフトウエア

信頼性モデルを提案する. 3.比例強度モデル 1.はじめに

一般に,ソフトウェア信梼他評価モデルはBlackBox(BB)

モデルとWhiteBox(WB)モデルに分類される.前者がテ

スト工程におけるフォールト検出件数に関連したデータから

当該ソフトウェア製品に対する障害発生メカニズムをや測す

るのに対し,後者はテスト工程を特徴付けるメトリクスデー

タ(種類,規模,言語等)に基づいて信頼性評価を行う.BB

モデルの代表例が非同次ポアソン過程(NHPP)等の確率過程

に基づいたモデルであり,WBモデルの代表例がソフトウェ

アサイエンス理論である【1】・

本稿では,ソフトウェアメトリクスデータを共変星として

捉えることにより,BBモデルとWBモデルの融合を図る.

すなわち,西尾ら【2】による比例ハザードに基づいたモデルを

動的モデルに拡張した比例強度モデル(例えばLawlessf3】)

を適用し,フォールト検出件数データとテスト労力データを

有機的に利用した新しい信頼性評価モデルを提案する.具体

的には,Yamadaら【41によるテスト労力依存型NHPPモ

デルとの適合性比較を行い,共変盈データの信頼性評価に与 える影響について定量的に評価する.

2.テスト労力依存型NI虻ppモデル

ソフトウェア開発のテスト工程では大量のテスト資源が投

入されており,工数,テスト暗闘(CPU時間),投入テスト

ケース数といったテスト労力がソフトウェアフォールトの検出

頻度に大きく依存していると考えられている・Yamadaら【41

は,テスト時刻り≧0)におけるテスト労力投入量を決定論 的な関数(テスト労力関数)ひ(りによって表現し,次のよう

な平均値関数をもつNHPPモデルを提案している.

ガ(t)=α(1−eXp卜γ・Ⅳ(t)”. (1)

ここで,α(>0)は初期内蔵フォールト数の平均であり,γ(>0)

はテスト時刻tにおいて段入される単位テスト労力当たりの

フォールト発見率. テスト時刻亡=毎(=0,1,2,…)において.ソフトウェア メトリクスデータⅩ=(鋸1,‥・,∬たりが観測可能であるとし,

メトリクスデータを考慮した場合の強度関数を

入ヱ(りx)=入(軸(Ⅹ;β) (6) のように仮定する・ただし,入(亡)はベースライン強度関数で

あり,タ(Ⅹ;β)は共変畳関数,β=(β1,…,βりrは係数ベク

トルである.ここで 上土 lr(り= w(ェ)血 (2) タ(x;β)=eXp(Ⅹβ)

と仮定する.このとき平均値関数は

瑚=上‘刷血

= 〃(りexp(xβ) (7) はテスト時間区間(0,土】で投入される累積テスト労力関数で ある. テスト労力関数w(£=こは指数関数やレイリー関数を仮定 することが多い・文献【1,4】ではテスト労力としてテスト実

行時間だけを適用し,ひ(t)に含まれるパラメータを最小2来

(8)

ー136−

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

表1‥適合性評価(PIM)

表2‥適合性評価(TEDM)

PIM−3

−25.006 2.093 56.012 57.929 PIM−2ei −25.006 2.093 56.012 57.929 PIM−2ec −26.712 2.181 61.424 63.981 PIM−2ic −25.006 2.093 56.012 57.929 PIM−1e −26.969 2.363 59.938 61.856 PIM−1i −25.006 2.093 56.012 57.929 PIM−1c −26.719 2.147 59.439 61.356 PIⅣト0 −29.378 3.217 62.756 64.034

TEDM−3

−29.378 3.217 62.756 64.034 TEDⅣト2ei −29.378 3.217 62.756 64.034 TEDM−2ec −29.378 3.217 62.756 64.034 TEDM−2ic −29.378 3.217 62.756 64.034 TEDM−1e −29.378 3.217 62て56 64.034 TEDM−1i −29.378 3.217 62.756 64.034 TEDⅣト1c −29.378 3.217 62.756 64.034

TEDM−3

−36.047 18.281 78.588 79.866 TEDM−2ei −36.047 18.281 78.588 79,866 TEDM−2ec −36.450 19.345 76.899 78.177 TEDM−2ic −36.047 18.281 78.588 79.866 TEDⅣト1e −37.294 21.639 78.588 79.866 TEDM−1i −36.047 1臥281 78.588 79.866 TEDM−1c −36.450 19.345 76.899 78.177

と表され,仇(りは時間区間(0,土=こおいて発見される期待累

積フォールト数を表す.モデルパラメータの推定には最尤法

を用いる.

4.数値例

ここでは,実際の開発プロジェクトにおけるデータ【5】を用

いて,提案モデルの有効性を検証する.観測された検出フォー

ルト数は38個であり,た=14ロ榊テストを実行した.こ

こでは,メトリクスデータとして,テスト実行時間(e‥CPU

hr).フォールト特定労力(i‥PerSOnhr),計算機稼動時間(c:

CPUhr)を採用する.表1,2は,各モデルに対して最尤法に

基づいてパラメータを推定し,対数尤度(LLF),実検出数と

の平均二乗誤差(MSE),情報量基準(AIC,BIC)をそれぞれ

比較したものである.ここで,PIM−3は,3種類のメトリク

スを共変墓にもつ比例強度モデル,PIM−2およびPIM−1は

2稀類と1種類のメトリクスを大変星にもつ比例強度モデル

(例えば,PIM−2eiはeとiの共変旦をもつ),PIM−0はメ

トリクスデータを全く考慮しない(通常のNHPP)モデルを

指す.ここで,PIMのベースライン強度関数は指数形を仮定

しているので.PIM−0は指数形NHPPモデルと等価である.

表2において,TEDMはテスト労力依存型NHPPモデル

であり,TEDM−3,TEDM−2,TEDM−1はそれぞれ3つの

メトリクス,2つのメトリクス,1つのメトリクスを考慮した

テスト労力依存型NHPPモデルである.ここで,Expはテ

スト労力関数に指数形を,R叩はレイリー形,Logisticはロ

ジスティック形をそれぞれ仮定している.なお,テスト労力

依存型NHPPモデルのベースライン強度関数は指数形を仮定

している.

衷1と2から,比例強度モデルとテスト労力依存型NHPP

モデルの比較において,LLF,MSE,AIC,BIC全ての適合

性評価規範に対して比例強度モデルの適合性が高くなること

がわかる.テスト労力依存型NHPPモデルにおいては,テス

ト労力関数の推定時に大きな誤差が発生しており,これがモ

デル全体の精度に影響を及ぼしているものと考えられる.

表1から,比例強度モデルにおいて,メトリクスデータを

モデルに考慮することによりLLF,MSE,AIC,BIC全ての

適合性評価規範に対して適合性が高くなることがわかる.ま

た,3つのメトリクスを考慮したモデルが,結局フォールト

特定労力のみを考厳したモデルに帰着されることから,3つ

TEDM−3

−33.571 13.960 71.142 72.420 TEDM−2ei −33.571 13.960 71.142 72.420 TEDM−2ec −33.944 14.742 71.888 73.166 TEDMT2ic −33.571 13.960 71.142 72.420 TEDM−1e −43.368 38.750 90.735 92.013 TEDM−1i −33.571 13.960 71.142 72.420 TEDM−1c −33.944 14.742 71.888 73.166 のメトリクスデータの中でフォールト特定労力が最も大きい 影響を与えている凶子であることがわかる.よって.ソフト ウェア信梼性モデルにおいて,モデルに有効な影響を与える メトリクスデータを慎重に選択しなければならないごとがわ かる.

以上のことから,テスト工程を特徴付ける共変造データを

信頼性評価モデルの統計情報として組み込むことにより,モ

デルの適合性が高くなることが示される.このことは,・−一見

して当り前の結論のように見受けられるが,従来からのBB

モデルの限界をfj一破するためには重要な知見であり,ソフト

ウェアメトリクスに基づいた信掃性評価モデルの有効性を示

すには十分な結果である.

参考文献 【1】山田茂,「ソフトウェア信頼性モデル」,日科技連,1994・ 【2】西尾春彦,上肥正,尾崎俊治,比例ハザー ドモデルに基づ

いたソフトウェア製品の信頼性評帆信学論(A),J85−A

(1),84−94,2002・

【3】J・F・L・Lawless,RegressionmethodsfbrPoissonpro−

CeSSdata,JASA,82(399),808−815,1987・

【4)S・Yamada,H・OhteraandH・Narihisa,Softwarereli−

abilitygrowthmodelswithtesting−effort,1EEEThns.

月e托αゐ・,R−35(1),19−23,1986・

【51J・D・Musa,A・IanninoandK・Okumoto,SoPwareRe−

Jねは軸〟eαβ餌代me†も£,Pred慮c如几,AppJ血如m,408−434,

McGraw−HⅢ,1987.

−137−

© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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