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避難勧告に関するアンケート結果(緊急速報)の公表

2010 年 3 月 7 日 静岡大学防災総合センター牛山研究室 当研究室では,このたび「大雨による災害と防災情報に関するアンケート」を実施しま した.このアンケートについては,今後集計を進め本年夏季の学会等で順次発表の予定で すが,2 月 28 日に日本に到達したチリ地震津波,昨年 8 月に発生した兵庫県佐用町での豪 雨災害などにおいて,「避難勧告」に対する関心が高まっていることを考慮し,アンケート 結果のうち避難勧告に関する部分のみを,緊急速報として先行公表します. 1.調査手法概要 調査は,インターネット上のリサーチサービスであるNTT レゾナント社の goo リサーチ を用いて行った.対象者は,盛岡市(近年大きな豪雨災害がない),静岡市(地震災害が強く 警告されているが近年大きな豪雨災害はない),名古屋市(2000 年・2008 年に市内で数千~ 数万棟の浸水被害が発生)の在住者とした.回答依頼メールは 2010 年 3 月 2 日に配信,3 月3 日締切で,有効回答数は 539 件(盛岡 180,静岡 181,名古屋 178)だった. 2.避難勧告に関する調査結果 2.1 大雨による災害時の避難勧告について 防災については、いくつか異なった考え方があります。以下ではいくつかの論点について、そ れぞれ対立する二つの考え方を挙げます。仮にあなた自身が災害に直面する当事者だったと仮定 して、あえてどちらか一方を選ぶとすれば、どちらに賛成されますか。 【問】大雨による災害時の避難勧告について (1)避難勧告は、結果的に「空振り」に終わってもよいから、できるだけ積極的に出すべきであ る《積極派》 (2)避難勧告は、「空振り」になると非常に迷惑なので、できるだけ慎重に出すべきである《慎重 派》 積極派 76.3% 80.7% 77.2% 70.8% 慎重派 23.7% 19.3% 22.8% 29.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 盛岡市 静岡市 名古屋市 図1 避難勧告に対する考え方

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2 大雨や津波など,被害が生じ始める前に警告を発することが可能な災害の場合,事前に 市町村は避難勧告,避難指示などを出すことができる.しかし,実際には,避難勧告が「空 振り」となることを懸念して,被害が発生しない時点での避難勧告はためらわれる場合も 少なくない.しかし,この結果に見るように「空振り」となることについての否定的な意 見は少数派である.状況により,様々な問題はあるだろうが,勇気を持って早期の避難勧 告を出すことも重要ではなかろうか. 2.2 大雨による災害時に避難を開始するタイミングの判断 【問】大雨による災害時に避難を開始するタイミングの判断について (1)避難を開始するタイミングは、最終的には住民が判断すべきであり、行政の仕事はそれをサ ポートすることである《住民が判断》 (2)避難を開始するタイミングを住民が判断することは難しいので、行政が責任をもって判断す べきである《行政が判断》 住民が判断 35.4% 31.5% 35.6% 39.3% 行政が判断 64.6% 68.5% 64.4% 60.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 盛岡市 静岡市 名古屋市 図2 避難開始タイミングの判断 避難勧告・避難指示は,市町村が住民に避難開始のタイミングを知らせようとする情報 という側面もある.特に豪雨災害の際は,現場毎に状況が異なり,行政機関による避難勧 告等を待たず,住民による自主的な避難開始が必要となる場合も少なくない.しかし,住 民の意向としては,避難開始のタイミングについて行政側から知らせて欲しいという意見 が多数派のようである.すなわち,避難勧告・指示という情報に対する期待が高いことが 示唆されている. 3.過去の類問から 当研究室では,これまでも何回か上記の設問と類似のアンケート調査を行っている.2007 年に今回同様goo リサーチによって行った調査(全国対象,2007 年 3 月 1 日締切,有効回答 528)で,「大雨による災害の可能性がある場合には、たとえ空振りとなってもよいので、市 町村は避難勧告を早めに出すべきだと思いますか」と尋ねた結果が,図 3 である.質問の 仕方が多少異なるが,今回同様に,早期の避難勧告に肯定的な意見が多数派であることが 示されている.

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3 そう思う 25.4% どちらか といえば そう思う 55.1% どちらとも 言えない 15.9% どちらか といえば そう思わ ない 1.9% そう思 わない 1.1% わからな い 0.6% 図3 空振りとなっても良いので避難勧告を出すべきか(2007 年調査) 図 4 避難勧告に対する考え方(2008 年市町 村防災担当者) 図 5 避難の判断に対する考え方(2008 年 市町村防災担当者) 2008 年末に全国市町村の防災担当者を対象に行った調査(郵送送付・回収法,2008 年 12 月22 日送付,2009 年 4 月末締切,有効回答 1244 件,回収率 68.9%)でも,地域防災に対 する考え方を,相反する2 つの選択肢から選んでもらう形式の質問を行った(図 4,図 5). 市町村防災担当者の意識としても,避難勧告については積極派が多数を占めている.一方, 避難の判断については,「住民判断派」と「行政判断派」がほぼ半々となっており,今回の 避難勧告や 指示は,「空 振り」に終 わってもよい から,できる だけ積極的 に出すべき である, 67.6% 避難勧告や 指示は,「空 振り」が許容 されないの で,できるだ け慎重に出 すべきであ る, 32.4% N= 1223 災害時の避 難は,最終的 には住民が 判断すべきで あり,行政の 仕事はそれを サポートする ことである, 53.4% 災害時の避 難は,行政が 責任をもって 判断すべきで あり,住民は 行政の判断 を頼りにして 欲しい, 46.6% N=1194

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4 住民対象調査の結果とは傾向がやや異なる. 4.備考  数値等は速報値です.今後の解析,再計算などにより,修正される場合があります.  本調査の一部は,文部科学省科学研究費補助金の研究助成によるものです.  本調査の他の設問の結果については,2010 年中に公表の予定ですが,公表の時期は未 定です. ○問い合わせ先 静岡大学防災総合センター牛山研究室 牛山素行 准教授 E-Mail [email protected]

Fax & Tel 054-238-4546(研究室) 054-238-4502(事務室) http://www.disaster-i.net/

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