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うま味の認識とその地域差に関する研究

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Academic year: 2021

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うま味の認識とその地域差に関する研究

STUDY ON COGNITION OF UMAMI TAST AND ITS

REGIONAL DIFFERENCES

高橋 徹

*1

Toru TAKAHASHI

1. 目的 食の嗜好性は学習によって獲得する1)。したがって学 習能力が高い発育段階の初期が嗜好性の獲得効果が最も 高い時期である2)。すなわち、幼児や児童期に経験した 家庭のだしが、だしに対する嗜好性に影響を与える可能 性がある。 本研究は、天然だしと風味調味料だしに対する味覚の 認識について自己記入式質問票により明らかにした。さ らに、家庭でのだしの利用状況を把握するために、小学 生の保護者に対して、自己記入式質問票を用いただしの 利用状況調査を行った。さらに小学校や学童保育ごとい に食育プログラムを作成し実践も行った。 2.方法 2-1. 調査 1. 調査協力の了解を得た施設の対象者を被験者とす る。調査施設は、津山市立鶴山小学校、たつの市 立神部小学校、明石市立松が丘小学校、秋吉町立 嘉万小学校、大口町立大口中学校、春日井学童保 育くまんばちクラブ、春日井学童保育なかよしク ラブとした。格施設で実施回数は1回とした。 2. 天然だしは、3.0%の煮干しを 3 時間水につけた後 沸騰させた。沸騰後すぐに弱火で 5 分加熱し、ア クをとった。鍋ごと冷水につけて 2 分冷やしてか ら、クッキングペーパーで濾して、濾液を定容し た。風味調味料だしは、0.30%ほんだしいりこだ しを水から添加して、沸騰から 1 分間加熱させた。 鍋ごと冷水につけて 2 分冷やしてから、クッキン グペーパーで濾して、濾液を定容した。調整後、 凍結保存した。 3. 天然だしと風味調味料だしを容器ごと 37℃に温 め、20ml 程度を被験者に提供した。 4. 被験者の発達段階に応じた自己記入式質問票を配 布し、だしに対する嗜好性や、だしの香り、生臭 み、苦味、うま味等について回答させた。 5. 小学生の保護者を対象に、家庭でのだしの利用状 況を質問票にて調査し、天然だしと風味調味料だ しに対する味覚調査も児童に行った方法と同様の 方法で行った。 2-2. 食育プログラム実践 1. 被験者の発達段階に応じて、味覚の基本味や、食 経験と嗜好性、家庭でのだしの利用方法等に関す る講話を行った。 2. 津山市立鶴山小学校、たつの市立神部小学校、明石 市立松が丘小学校、春日井学童保育くまんばちクラ ブ、春日井学童保育なかよしクラブにおいて、だし のうま味を体験し、煮干しなどのだしのもとになっ た食品の味を確かめてもらった。その後、だしいり とだしなしの味噌汁を児童と一緒につくり、だしの 重要性を確認してもらった。 3. 「和風だしと味覚の話-食嗜好形成の重要さ-」と して、食育の一環として、教職員、保護者等に職員 会議や PTA 会などで各学校別に児童の味覚に関する 問題点などの報告を行った。 3. 結果と考察 天然だしよりも風味調味料だしを好む児童が多いこと は、神戸、愛知、山口、津山に認められた。また、津山 の小学生の特徴は海が遠いせいか天然だしの臭みに嫌 悪感を感じることが多かった。さらに、うま味を認識で きない児童が多いことが明らかになった。 この結果の詳細については日本栄養改善学会に現在投 稿中である。 食育プログラム実践 食育プログラム実践に関しては、「味噌汁にこんなに いろいろな味が入っていたとは知らなかった」や「これ からは、だしの違いを意識したい」という声を児童から 得ており、煮干しや昆布、だし、味噌汁の流れに対して 興味深く見てくれたという印象を得た。この取り組みは 「だし味児童飲み比べ」という題で神戸新聞に 2007 年 11 月 14 日に掲載された。 《参考文献》 1) 山本隆: 味覚嗜好性発現の脳機序,日本味と匂学 会誌,6,313‐316 (1999) 2) 川崎寛也,山田章津子,伏木享: 「鰹だし」風味 の食餌の初期経験が後の嗜好性に及ぼす影響,日本 調理科学会誌,36,116-122 (2003)

*1 美作大学大学院生活科学研究科 准教授・博士(学術) Assoc.Prof., Graduate School of Human Life Science,

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