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産業界のためのガイダンス 臨床研究で使用されるコンピュータ・システム

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臨 床 評 価 35巻 1号 2007 − 104 −

FDA

ガイダンス・産業界のためのガイダンス

臨床研究で使用されるコンピュータ・システム(解説)

産業界のためのガイダンス

臨床研究で使用されるコンピュータ・システム

山本 景一

1)

  福島 雅典

1,2) 1)京都大学医学部附属病院探索医療検証部 2)œ先端医療振興財団臨床研究情報センター

 本ガイダンスは,臨床研究におけるコンピュー タ使用について FDA の考え方を述べたものであ る.臨床研究へのコンピュータの占める役割はま すます増大している.コンピュータの利用は非常 に便利なものであるが,その使い方次第では臨床 研究の品質・コスト・効率に大きな影響を与えう る.実務レベルでどのようにコンピュータを利用 すれば良いか明確な指針が必要であり,本ガイダ ンスはそれに応えるために FDA により作成され た.産業界からも非常に要請が高く,長らくドラ フトとされていたが,ようやく確定するに至っ た.  参考に主な臨床研究におけるコンピュータ関連 規制・ガイドラインを以下に示す.

1

.米国・

EU

1.1 電子記録/電子署名

・21 CFR Part 11, Electronic Records;Elec-tronic Signatures;Final Rule. 1997 1)

・Part 11, Electronic Records;Electronic Sig-natures. Scope and Application. 2003 2)

(補足ガイドライン)

1.2 コンピュータ使用

・Guidance for Industry Computerized Systems Used in Clinical Trials. 1999 3)

・Guidance for Industry Computerized Systems Used in Clinical Trials. 2004(改訂版ドラフ ト)

・Guidance for Industry Computerized Systems Used in Clinical Investigations. 2007(本ガイ ダンス)

1.3 コンピュータ・バリデーション

・General Principles of Software Validation; Guidance for Industry and FDA Staff. 2002 4)

・Good Automated Manufacturing Practice (GAMP)5)

2

.日本

・日本版 ER/ES 指針(「医薬品等の承認又は許 可等に係る申請等における電磁的記録及び電 子署名の利用について」)6) ・コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガ イドライン(2005 年廃版)

(2)

Clin Eval 35(1)2007 − 105 − ・医療情報システムの安全管理に関するガイド ライン7) ・e 文書法(「民間事業者等が行う書面の保存等 における情報通信の技術の利用に関する法 律」「民間事業者等が行う書面の保存等にお ける情報通信の技術の利用に関する法律の施 行に伴う関係法律の整備等に関する法律」)  本ガイダンスは,上述の1999 年付け“Guidance for Industry Computerized Systems Used in Clinical Trials.”に置き換えられるものであり, “Part11, Electronic Records;Electronic

Signa-tures − Scope and Application”(以下“Scope and Application Guidance”)を補足するものとなって いる.  わが国において,医薬品と原薬製造のためのコ ンピュータ使用について規定したガイドラインと して長年使用された「コンピュータ使用医薬品等 製造所適正管理ガイドライン」が2005年に廃止さ れた.このことにより,わが国においては,医薬 品製造や臨床開発におけるコンピュータ・バリ デーションを含むコンピュータの適正管理に関す る規制・ガイドラインは存在しない.よって一部 では本来は電子カルテやオーダリング等の医療情 報システムに関するガイドラインである「医療情 報システムの安全管理に関するガイドライン」等 が流用されているのが現状である.  国際的なハーモナイゼーションを考えた場合, その影響力においてFDA作成の規制・ガイドライ ンと比肩するものは事実上存在しない.本ガイダ ンスも,わが国において臨床研究におけるコン ピュータ使用に際し参照すべき重要なガイドライ ンであると言える.  内容としては,旧ガイダンスと比較し,システ ムの前提要件として,「そのデータは広範な公衆 衛生上に対し重要な意義を持つがゆえに,最高の 品質と完全性が求められる.(Because the data have broad public health significance, they are expected to be of the highest quality and integrity.)」との記述が削除され,また試験終了後

のシステム保存に関する記述や,他の目的用のコ ンピュータ・システムを臨床試験に用いる場合の 臨床試験用ソフトウエアと他のソフトウエアの論 理的・物理的分離に関する記述が変更になるな ど,インターネットや EDC (Electronic Data Capture)システム等の新しい IT 技術の導入に配 慮しつつ,より現実に即したものとなっている. さらには市販ソフトウエアや電子署名等の記述が 大幅に削除され,全体として非常に簡潔なものと な っ た . た だ し “ Scope and Application Guidance”を参照する部分も多く,今後の正式な “21 CFR Part 11”の改訂が待たれる.  本来,規制・ガイドラインは,その要件を明ら かにすることで,対象とする業務の適正な発展に 寄与するものでなければならない.従来,臨床研 究の IT 化において,その規制・ガイドラインに記 述された文言に囚われ,実装段階でオーバー・ク オリティ(過品質)に陥ったり,コンピュータ使 用そのものを躊躇したりすることが少なくなかっ た.臨床研究のコスト削減・品質向上のために IT 化は必須である.本ガイダンスにおいても,その 主旨に則り,より適正で柔軟な運用が行われるこ とが望まれる.また同時に,わが国においても,臨 床研究の発展を促進するための基盤として,同様 の規制・ガイドラインの早急な整備が期待され る. 文 献

1)FDA 21 CFR Part 11, Electronic Records;Electronic Signatures;Final Rule.Available from:http:// www.fda.gov/ora/compliance_ref/part11/FRs/ background/pt11finr.pdf

2)FDA Part 11, Electronic Records;Electronic Signa-tures. Scope and Application.Available from: http://www.fda.gov/Cder/guidance/5667fnl.pdf 3)FDA Guidance for Industry Computerized Systems

Used in Clinical Trials. 1999.Available from:http:// w w w . f d a . g o v / o r a / c o m p l i a n c e _ r e f / b i m o / ffinalcct.pdf

(3)

臨 床 評 価 35巻 1号 2007

− 106 − Guidance for Industry and FDA Staff. 2002.Avail-able from:http://www.fda.gov/cdrh/comp/guid-ance/938.pdf

5)Good Automated Manufacturing Practice(GAMP). (GAMP Japan フォーラム).Available from:http://

www.ispe.gr.jp/04_cop/04_07.htm 6)厚生労働省 医薬食品局.医薬品等の承認又は許可等 に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利 用について.Available from:http://www.medical-it-link.jp/lib/pdf/iy_006_01.pdf 7)厚生労働省 医療情報ネットワーク基盤検討会.医療 情報システムの安全管理に関するガイドライン. Available from:http://www.medical-it-link.jp/lib/ pdf/sk_001_01.pdf *     *     *

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