プラズマ中の二つの電磁波の非線形相互作用
伊藤洋
林健康
(昭和49年8月31日受理)
Dynamic Nonlinear Interaction of Two Electromagnetic
Waves in a Plasma
HiroshiITO TakeyasuHAYASHI Abstract Recently the research of the dynamic response of plasma to high power electro− magnetic waves has attracted considerable attention. The purpose of this report is to present the result of the allalytical study of nonlinear interaction between two electromagnetic waves which are assumed to be incident from a vacuum to a semi− infillite, isotropic plasma. It is showll that, if the two waves have different frequency (ω1,ω2)each other, the second order fluctuations in electron density and electro. magnetic fields with frequencies 2ω1,2ω2 and lω1土ω21are excited in the plas皿a medi・ um. We assume that the nonlinear effect is weak, so that in the丘rst approximation we can speak of the interaction of linear waves・We also assume that the plasma is cold and the collision frequency of the plasma is much smaller than the freque. ncy of the incident electromagnetic waves. The difference frequency wave(1ω1一ω2 D is of particular interest, since it may be experience a resonance in a region, where both incident waves may be able to propagate. The resonance at the difference fre・ quency wave takes place, if lω1一ω21 =tup, whereωρis the plasma frequency.1.はじめに
気体プラズマ中を大電力電磁波が伝搬するとプラズ マ中の荷電粒子密度,電子温度,衝突周波数などが変 動することはよく知られている1)∼10)。すなわちプラ ズマは電磁波にとって非線形な媒質であり,プラズマ の非線形効果が電波伝搬に及ぼす影響についての研究 は学問的に大きな興味がある。また近年静止衛星を用 いた国際間の通信,いわゆる宇宙通信の回線・需要の 増加,および近い将来に実現されようとしているテレ ビジ。ン放送などの宇宙空間からの直接放送のように 電離層を経由する通信量の著しい増加が予想される現 在,プラズマ中の非線形伝搬に関する研究は実用的に も広く研究されなければならない重要な問題でもあ る。 ところで,一般にプラズマ中の電子の運動量輸送方 程式は,書一一孟7P−÷(E+v×B)一・v(・)
のように表される。ここでVは電子流の速度,N, m は電子密度および質量,eは電子電荷,ンは電子の衝 突周波数を表す。またP,EおよびBはそれぞれ圧九 電界および磁束密度を示す。 ところで式(1)の左辺の時間に関する全微分は,2/一吾+(v’7)v (・)
のように展開される。上式右辺第2項は非線形項であ るが,通常の微小振幅信号近似では電子流速Vはきわ めて小さいものとして,その二次量を無視して取り扱 うのが通例である。しかし,本論文ではこの項を考慮 して取り扱っているもので従来プラズマ中の電波伝搬 に関する多くの研究結果の中で,このような取り扱い を行っているものは見当らないように思われる。実際 式(2)の非線形項を考慮することによって,後述するよ うにプラズマ中での電磁波の混合現象が表現されるのである。 さて本論文は,プラズマの電子密度擾乱を誘起する 程度に大きな電力を持った電磁波が半無限プラズマに 入射した場合の電波伝搬を理論的に解析し,その数値 計算を行ったものである。すなわち等方性半無限プラ ズマを考え,そこに二つの異なる周波数の電磁波が任 意の入射角で入射した場合に生ずる電子密度擾乱およ びプラズマ中に生ずる電磁波の混合現象について解析 している。筆者らはこれらの現象を解明するために, 運動量輸送方程式,連続の式およびMaxwellの方程 式を基礎として,電子密度変動・電磁界に関する非線 形微分方程式を求め,それらを漸近的方法によってそ れぞれの物理量の一次量,二次量等に関する微分方程 式を求め解を与えている。この漸近的方法はBogoli. ubovやMitropolskii等によって提唱されたε一lt 次近似法に相当し,求める解を微小パラメータεのべ き展開をすることにより遂次近似するものである11)。 数学的厳密性を論ずる上で,この方法は多少の問題点 を含んでいるが,本論文で取り扱っているような摂動 の十分弱い場合,その物理的意味は十分捕え得る利点 をもち,また一般的に解の収束性やべき展開の可能性 に対する保証はないが,近似の度合を考慮して解くこ とは可能である。このようにして得られた微分方程式 を境界条件を考慮して解いた結果,入射電磁波のそれ ぞれの2倍の周波数成分,両者の和および差の周波数 成分が二次量の形で発生することが導かれた。 以下の解析では,繁雑さを避けるためにつぎの仮定 を設る。プラズマの熱効果を無視するコールドプラズ マ近似を行う。また衝突効果は無視する。イオンは電 子に比してその質量が大きいため,イオンの現象への 寄与は考えない。 2.基礎方程式の導出 図一1に解析のためのモデルを示す。同図のように y−z平面を境界とし,x<0の領域は真空または空気, x2≧0の領域は一様な電子密度N。をもつ等方性半無 限プラズマであるとする。このプラズマ媒質に,二つ の異なる周波数九f2の電磁波が,それぞれ入射角 Oi、,θi,で入射する。以下でまず電磁波が入射した場 合の電子密度変動と電磁界に対する一次量,二次量の 微分方程式を求めよう。ここで電磁界の直流分はない ものとする。この入射電磁波の電力が電子密度変動を 起す程度に大きいとすると,一様電子密度N。のプラ スマはNだけ変動するものと考えられる。よって電磁 波入射後のプラズマの電子密度Nは,
N・・N・+N(r,t) (3)
◆ 一 亭 ・ ・ @ θ・21 D…@.∵. ● ・ ・ . D’D:.’ ・ ・ ’ , ・ D’ E’ D・’ θ.1 θt1 ◆ . @ ● ● ■ ● (1) θ.1 0 z ’・ ・ ・ ● ’ ∫、 E2(1) ・ ● . @■ . θi2 . ・ E ・■ 戊、 , ■@ ● ?E.’・. . . 、 真空 プラズマ 図一1解析モデル となる。この場合」V。は時間的にも場所的にも一定な 量であるのに対し,」▽は外力の電磁界による擾乱項で あるため,時間(t)および場所(r)の関数である。式 (3)を電子電荷密度の形で表すと, ρ=ρo十ρ≡−Noθ一Ne となる。 2.1電子電荷密度に関する基本式 まず連続の方程式は, 爵一一7・(ρ・) となる。この両辺を時間tで微分すると,爵一一ク・(誤+ρ劉
が得られる。一方運動量輸送方程式は, 晋L−÷E−(v・7)・一一Sl−v×B ≡≡一一=一一E十sm
ただしSは, e s=一(v・v)v−−v×B m で与えられる。 視するが, (4) (5) (6) (7) (8) ところでこのSは,小振幅近似では無 ここでは入射電磁波の電力が大きいため, 非線形項としてこの項が重要な意味をもってくる。さ て式(6),(7)とGaussの法則,7・E一旦一 (9)
ε0 を使うと,電子電荷密度変動分ρに関して, 爵+ω・や7・(∂β∂t)−7P・爵+隠 一ρ7・s ⑩ なる非線形微分方程式が得られる。ここでWpは,ω多一.亙∠ ⑪
mεO で電子プラズマ振動周波数,ε。は真空の誘電率であ る。さて式⑩はこのままの形で解を求めることは不可 能なため,以下では漸近的に解析する。Pの一次量, 二次量に対し式⑩はそれぞれ,∂謬)+t・BP・・)一・・ ⑫
∂護’+・・多P・・,一一7・(∂ρ(1)v・・)∂t)−7P…∂ぎ;り +eρ(1)2一ρ。ク.S・・) ⑬ mεO となる。ところで,式⑫は形式上tOpなる角振動数を 有する単弦振動を表しているが,後に示されるように, プラズマ中の電界の一次量E(1)に対して,k・E(1)= Oなる関係が存在する12)。よってこのことを考慮する と式(9)より, P(1)=0 ⑭ となる。よってこれを式⑬に代入すると,声(2)に対す る微分方程式は次式のように与えられる。 ∂緩÷’+ω3P・・)一一・・7・s・・) ⑮ このS(2)は式(7),(8)とベクトル公式, 7(A・B)=(A・7)B十(B・7)A十A×(7×B) 十B×(7×A) を使うことにより次式の形になる。 s・・)一一S,(v(1)・v(1)) ⑯ 2.2 電磁界に関する基本式 つぎにMaxwellの方程式より,電磁界に関する基 礎方程式を,入射電磁波がTEモードの場合, TMモ ードの場合について求める。 図一1の座標系にしたがってMaxwel1の方程式を 各座標成分について表すと,∂/02=Oとして,莞一一∂£旦・ (・7・)
莞一呈㌧ (・7b)
籍一漂一一∂£・・ (・7・)
晋一・・警一』⑳
砦一一・・警+N・v・・聖一雰一・謬一N叫
となる。 (17d) (17e) (17f) 塑仁∂Ex__旦β3 ∂x ∂Pt ∂t’ ∂Ha_ ∂Ex −NeVx,∂y一εo∂t ∂Hz_ ∂Ey 十NeVy 万一一一ε゜∂t そこで式(18a)の両辺をtで微分すると, ∂2Ey ∂2Eエ ∂2Ha ∂t∂x−∂t∂y=一μ゜∂〆 (18a) (18b) (18c) ⑲ となる。ただし,μ。は真空の透磁率である。一方,式 (18b),(18c)の両辺をそれぞれy, xで微分すると,艦一オ響+ご☆(N・v・)・
;i影一一ご謄+ご☆』の
となる。そこで式⑳,⑳を式⑰に代入すると,豊+謬一・・ltt・謄
一£』の一島』の
一吋豊一鵠
となる。ここで式(7)を考慮すると,_旦
∂t −一ρ。__∂亀 ∂ _ ∂ ∂ツ となる。一方Ezについては, ∂2Ez ∂2E ∂2Ea 十一 一εOILt o ∂x2 ∂y2 ∂t ⑳ ⑳ り一ぽ(PVv)一晶(P・x)} f響+票一・・μ・C;ン+ω多)疏} (∂Sv ∂、∂x ε)一{一☆(P・・)(PVx)} ⑳
1・一・・.一μ・一畜(N・v・) ⑭ となり,式(7)を考慮することにより, ;i多+莞一・・iet・(昔+ω多)Ea −ILt・£(βの+1・t・P・s・ ⑳ が得られる。以上の結果を一次量,二次量の方程式に 展開すると,TEモードの電磁波が入射した場合には それぞれつぎのようになる。 まず電磁界の一次量が満足する方程式は, ∂Ey(1)_∂Ex(1)_ ∂Hz(1) ∂x −t7t∂r−一μ゜∂t・ ∂器(°一・・一∂…;①輌訊 ∂繋’一一・・∂9…°)−P…(1)・ ∂2Hz(1) 十 ∂x2 (26a) (26b) (26c) 際ω一・・μ・(き「+ωり疏・・一・まずTEモード入射の場合には上式はつぎのように ㈲
なる。 である。また電磁界の二次量が満足する方程式は,∂Ev(2)_∂E。(2㌧ ∂Hs(2) ∂x −∂1’一「一一μ゜∂t・ 誓ジー・・∂…:Ω’輌評・・ ∂響一一・曙i(2)−P・Vy(2・, ∂Ea(2)_ ∂Hx(2) 一百ア『一一μ゜∂t’ ∂E,(2)_ ∂Hy(2) ∂x 一μo∂t・ ∂誓)一∂寄2)一・・誓輌…)・ ∂y −一偽樗>1≧」寄)・ 誓三+∂寄一・・μ・(㌃+(Dp2)E…) =PtoρoSZ(2) である。 (28a) (28b) (28c) (28d) (28e) (28f) ÷{琶露+萱禦一・・2et・(;i、+ω・・)H…)} ⑳ ㈹ つぎに入射電磁波がTMモードの場合も先のTEモ ー…b hの場合と同様にして求めると,一次量,二次量に 展開した方程式はそれぞれつぎのようになる。 まず電磁界の一次量が満足する方程式は, ∂Ez(1) ∂Hx(1) ∂y−=一μ゜∂t・ ∂Ez(1)_ ∂Hv(1) ドー
v二一μ゜6t・
∂誓ξ1)一∂告(1)一・畷+P・・z(1)・ (31a) (31b) (31c) 誓+誓)一・・μ・(芸+ω司瓦・D−・ B・1) である。また電磁界の二次量が満足する方程式は, ∂Ez(2)_ ∂Hx(2) −0−au一一μ゜Ot・
∂Ez(2)_ ∂Hv(2) 一∂x一μ一∂戸・誓旦雰一・璃書+臓ω・
∂Ey(2) ∂E.「2)_ ∂Hz(2) ∂x− ∂y−一μ゜∂t・ ∂響)一・・鷲゜)+P・v・(2・・ ∂馨)一一・・∂…1ω一ρ・・…))誓+誓)一・・μ・(壼+ω司ぴ・
=letoρoSa(2), ⊥∂2Ha(2)+ ∂t (33a) (33b) (33c) (33d) (33e) (33f) 34 { 響)一・・2・t・(;i、+t…)H…)} 一一マ・(∂i−一∂闇 ⑮
である。 3.電磁界および電荷密度変動の解 3.1 電磁界の一次量 前節で得た基礎方程式を使って,以下では電磁界の 一次量を計算する。図一1に示すようにTEモードの 電磁波が入射する場合を考え,入射波を, Ha(の=Hoθゴωε6一ゴ(koc°sθzx+kosinθiY), (36a) Ey(の=ZoHocosθieゴtute一ゴ(teoc°sθ〆+kostnθiY)(36b) とし,反射波を Hz(「)=Rσゴωzεゴ(koC°sθ・rX−kosinθrY), (37a) Ey(「)==−Z。、R cosθ。θゴωεεゴζ”・c°sθ・x−te・si・θ・Y) (37b) また透過波の一次量を, Ha(1)=つ「6ゴωεε一ゴ(kpC°setX+kpsinθtY) (38a) とする。ただしここでZ。,Z忽およびk。,毎はそれぞ れ真空中とプラズマ中での特性インピダンスおよび波 数,Epaはプラズマの比誘電率であり,吋÷・z ψ☆ ㈲
k。一÷虎・−wω≒砺㍉一・一芸(4・
で与えられる。またR,Tはそれぞれ反射係数透過 係数である。x=0における境界条件よりプラズマ中 での一次量はつぎのように求まる。 Ex(1)=−Zp T sin Oteゴωte一ゴ(kpc°sθtX+kpsinθtY), (38b) E・(1)=Z・Tc・sθ、・με一ゴ(kpc°sθ・x+kpginθ・Y),(38c) . e Vx(1)=−J ZpTsinθtejwte一ゴ(kpe°8θ〆+kpginθtY), ωm (38d) . e Vy(1)=」 ZpaTc・sθ、θμσ一ゴ(kpc°8θ・X+kpsi”θ・Y), ωm (38e) θi=θr, ko sinθi=kp sin et, (41a) 2Z。cosθiT=
H。 (41b) ZoCOSθi十ZpCOSθt っぎにTMモード波の入射した場合の入射波,反射 波,透過波の一次量は同様にしてつぎのようになる。 Ea(の=Eoejωte一ゴ(koeOsθiX+kosinθtY), (42a) H・ω一芸…θ・・μ・押゜・θ・x+k・・’n・・の・(42b) Ea(「)=R/eゴωteゴ(koeOsθrX−kosinθrY), (43a) H・・r・一£’c・・・…’・・・・・…°・e・・“k・・・…V・・(43b) Es(1)==Tノεゴωzε一ゴ(kpC°sθtX+kpsinθtY), (44a> H・(1)一芸・鋤・μぷ…・t・+…’…V・・(44b>H・(1)一一一Zil’.…伽埠騨・tx+k・・’…Y・・ (44c) Vz(1)=」⊥Tノεゴω6θ一ゴ(kpC°sθtX+kpsinetY),(44d) ω〃z
T”−z。c藷篭颪瓦 as
3.2 TEモード波入射の場合の電荷密度変動および 電磁界の二次量 図一1に示すように,角周波数ω、,ω2なる二つの 電磁波が,それぞれ入射角θt、,Ot2で入射した場合の プラズマの密度変動の二次量を求める。プラズマ中の 『電磁界は式(38a)(・(38e)より, Hzゴ(1)=TゴCOS ¢」, Exゴ(1)=−Zp」Tゴsinθtゴcosψゴ, Eyゴ(1)=ZpゴT」cosθtゴcosψゴ, eぬ」(1)=一一:1−−ZpゴTゴsin Ot」 sin ¢ゴ,tUjm
晦ゴ(1)=− e ZpゴTゴcosθ‘ゴsinψ」 ωゴm (46a) (46b) (46c) (46d) (46e) である。ここで添子」は」=1,2で,それぞれ角周波 数ω1,ω、に対応するものであり,また位相項ψゴは, ψゴ=ωゴt−kpゴCOSθtゴX−kpゴsinθzゴy である。 ㈲ さてここでS(2)の内容を求めると,式(46d),(46e) を用いて, V(1)・V(1)=VX(1)2+Vy(1)2 −(2Ση。ゴ(1ゴ=1))2+(融・(1))2 −a2、{…i12 T・2Si・・ψ・+晋芸2 T・T・ …(etl一θ・・)・i・ψ・si・ψ・+審丁・・si・・ψ栖 であるから,式⑮,⑯より, ∂;1三)+鋤や・・)一暁{票丁・2k・P・c・・2ψ1 +…巖丁・T・c・・(θ・・一θt2)(k2・・+2k・・kp・ ・…(θt・一θ1・)・+k2・・)…(ψ1+ψ・)一サ巖丁1T・
×cos(θtl一θt2)(k2Pi−2kpikp2cos(θtl一θt2) 瑚…(ψ・一・iP・・)+急1;2 T・2k…c・・2ψ・} qg) なる式が得られる。したがって,電子電荷密度変動の 二次量の解を, P・・)=・A。・・2ψ、+B、.、c・・(ψ、+ψ、)+B、.、c・・(ψ1一ψ2)+Ccos2ψ2 69
と仮定して式㈲に代入し求めると次式のような結果が 得られる。A一鴫一ωノー、ω12・ε一弓、ωプ三厨・
B・・)一鴫一ω♂一齢扉・ 8←・一嶋轟・一儒二ωi)・・ A一學丁、2k・。、, C−Zkp・T22k。、・, 2 ω1 ω2B…一
U蕊τ1T・C・・(θ・1一θ・∂(k・P・ 十2kPikp2cos(θt1一θt2)十kp22), B←・一一 サ☆TIT・C・・(θt1一θ・2)(k・Pi −2kPikp2cos(θt1一θt2)十k2P2) ㈲ つぎに入射電磁波がTEモードの場合の電磁界の二 次量を求める。まず摂動項S(2)は式⑯より, S・(2)一㌃・{蔭一T・2kp・c・・θ・1si・2ψ・ +Z・,Z・・T、T、c。。(θ、一θ、2)(k。、c。,θ、2 ω1ω2 +k。、c。,θtl)、i。(ψ1+ψ、)+Z・・Zp・T、T、 ω1ω2 COS(θt1一θt2)(kp2COSθt2−kp1COSθtl)Sin(ψ1一ψ2) +蔭丁・2k・・c・・et・si・・ψ・}・ (…) S…)一㌃標τ1為1si・θ・・s…ψ・ +Zp・Zp・T,T、c。、(θ、一θ、2)(k。、si。θt2 ω1ω2 +k,1 si。θt1),i。(ψ1+ψ、)+Zp・亙丁、T2 ω1ω2 ×COS(θ‘1一θt2)(kp2Sinθt2−kplsinθti)Sin(ψ1 一ψ・)+誓丁繊・i・・‘・si・・ψ・}・(52b) Sz(2)=0 (52c) となるから,この関係を式⑳に代入して計算すると Hs(2)に対する方程式は, 昔{∂2Hx(2 ∂x2)+∂霊2)一・・Pt・(募一+ω・・) Ha・・)}一・ となり,よって, Hz(2)=0 となる。つぎに式(28a)∼(28f)より, 莞゜’+tUp・E・(・,一一一::’−Sx・・) であるから,電界脇ωの二次量の解を, へ A Ex(2)=Asin 2ψi十B(+)sin(ψ1十ψ2) A A 十B(_)sin(ψ1一ψ2)十Csin 2ψ2 (53) ⑭ ㈲ ⑯ と仮定すると,式陶と(52a)よりつぎのような結果が求まる。 A=ωρσ2 B(.)=tupe 2m ω多一4ωi’ A 2 B(+)
c=ω多σ c
2m ω多一4ω1 B・一・一 ユω多一(ω、一ω,)・・ 2m ω多一(ω1十ω2)2’ ^ 2 B(_) A一尋丁12ゐ。1c。,θ,、,C−Z膓…T、・ゐ。、c。,θ、2, ω1 ω2 B、。,−Z・1Z旦丁1T、c。,(θ、1一θ、2)(為。、c。,θ、2 ω1ω2 +kp、COSθZ、), B、.、_−Z璽互丁、T,C。、(θ、、一θ,2)(克。,C。,θ、2 ω1ω2 一kPICOSθtl) ㈲ また同様にして,式(52b)を考慮すると電界Ey(2) の二次量の解も以下同様にして求まる。 A パ Ey(2)=Asin 2ψi十B(+)sin(ψ1十ψ2) A A 十B(_)sin(ψ1一ψ2)十Csin 2ψ2且一鵠ω多金ε一霧ω多三、ω日・
B,・,一霧ω多一慧ωD、・ E,一・一警一ω多一ξ1三ωD・・ θ A一与丁、2k。、 Si。・・ti, C一孕τ22乏。、Si。θt2, ω1 ω2 B,.、−Zp・Zp・T、T,c。,(θ、、一θt2)(k。、si。θt2 ω1ω2 十kp1 sin Ot1), B,.,−Zp1Z・・T,T、c。、(θ、、一θ、2)(k。、si。θ、2 ω1ω2 −kPi sin Oti) (59) その他の成分は,Ea(2)=0, ㈹
Hx(2)=Hy(2)=0 (61) となる。このように電荷密度および電磁界の二次量 は,入射電磁波のおのおのの2倍の周波数成分をもっ たものと,両者の和および差の周波数成分をもったも のがプラズマ内部で発生することが理論的に導かれ た。また,それらの振幅は,電磁波の入射周波数,入 射角およびプラズマの電子密度に依存していることが 明確に示されている。 3.3 TMモード波入射の場合の電荷密度変動および電磁界の二次量
TMモードの場合も上とまったく同様にして,以下 のように電荷密度変動および電磁界の二次量が求ま る。まず電荷密度変動の二次量は, ぶ A P(2)=Acos2ψ、+B(。)cos(ψ、+ψ、) A A 十B(_)cos(ψ1一ψ2)十Ccos2ψ2 (6ZA−一蔭ω捻ωi・ε一一暁ω㌶薩
君…一一鴫ω多一器ω、)、・
A←・一一暁一砺=(…i三ω、),・ A一兵ゐ・。1,C一写ゐ・。,, ω1 ω2 B…一呈霊(k・・i+・k・1k・・c・・(θ・1−・・2)+k…)・ B・一・一芸霊(k…一・fe・lk・・c・・(θt1一θ・2)+k・P・〉⑬
で与えられる。また電磁界の二次量は, Ex(2)=・ノ1 sin 2ψ、+B(+)sin(ψ1+ψ2) A A 十B(_)sin(ψ1一ψ2)十Csin 2ψ2 (64)A−一鰺亘捻ω、2・ε一一砦硲亮碗・
A…一一緩eω。・fs−;1ω,)・・ A・一・一一鏡ω。・一儒:≒、)・・ A』i2ゐ。、C。,θt1,C一写虎。、C。・θ、、,ω1
ω2
B、。、−T・’T・「(k。、C。,θtl+k。,C。,θt、) ω1ω2 B、.,−T・ノT・’(k。、C。,θtl−k。、C。,θt2) (6S ω1ω2 Ey(2)==∠互sin 2ψ1十B(+)sin(ψ1−1一ψ2) 十B(_)sin(ψ1一ψ2)十Csin 2ψ2 (6〔」) A−一鰺晶ω、2・ C−一㌃ε卿・9、c。22・ A,・・一一棟宦E一隠ωD・・
A,一・一暢ω♂一ピωD・
A一兵毎、si。θ、、, C一兵動、si。θ、2, ω1ω2
B,.,−T・ノ丁乙(〃。、si。θtl+k。、si。θt,), ωユω2 B,一,−T・ノT・’(〃。、Si。θ、、−k。、Si。θ、2), ω1ω2 Ea(2)=0, Hx(2)=Hy(2)=H,(2)=0 で与えられる。4.数値計算結果
(60 ⑱ 働 ここでは前節で求めた電荷密度変動と電磁界の二次 量の数値計算結果を示す。まず図一2はプラズマ振動 周波数fp(鋤=2πfp)を変数とした和(f、+f2)およミ 〉一
竺
一一一 mi(ミ
〈㎡ 一io−i・ 10『12 〈笛 10−1i 一一一一一一“一’一一一?w
70° 0.1 ユ.0 10.O f。[GH・] 図一2電荷密度変動の二次量のfp特性 1!i ノ!∫ fp=0.5GHz ∫1=10.OGHz θii=O° 1君c。)/ρ。1 −一一一一 P81.)/ρ。}㌶ボ
80° 10.0 100.O f、[GHz] 図一3電荷密度変動の二次量のf2特性 x!〉<Lっ∠ fエ=5.00GHz f2=10.OGHz fp=1.50GHz −1倉(。)/ρ。| 一一一一一P倉(一)/ρ。1 一40 40 θ、2[deg] 図一4電荷密度変動の二次量のei2特性xli
鶯
〈吟 10−4 /180° 80° ∫1=5.OGHz ∫2=1αOGHz θ輌1=0° ∼「B(.)欠1 −一?N〔1、),[ 0.1 1.0 10.O f, LG Hz] 図一5電界の二次量の和成分に関する九特性 40° 60° 80°/ f1=10.OGHz fp=0.6GHz θil=0°一峨Dxl
−一一?q(.)yi f、[GHz] 100.0 図一6電界の二次量の和成分に関するf2特性 び差(fi−f2)の周波数をもつ電荷密度変動の二次量 A ハ の振幅B(+),B(一)の特性を示している。この場合密 度変動の大きさは定常状態での電子密度ρ。により正規化されている。同図より二次の密度変動は五が
f1, f、よりかなり小さい所ではfpによる変化はほと んどないが,九≡五,f、付近になると急激に変化す る。とくに差の周波数成分においては,しゃ断周波数 (fi=五)に接近するにつれて急激な上昇が見られ, それはプラズマ振動と電磁波の差成分の共鳴によるも のと考えられる。図一3の入射周波数∫2を変数とした 電荷密度変動の二次量の特性からは,しゃ断周波数付 近(f、=fp)ではf、の増加に対して,その大きさは 上昇するが,f、〉五になると和の成分はf2の増加に70° 40°Ix ゜°P・ 80 一40 fi=5.OGHz f2=1().OGHz fp=1・5GHz :10’4’−lB山 …一一IB,+),L 0 40 θ、2[deg] 70° 80 図一7電界の二次量の和成分に関するθτ2特性 、吋 1。 .3 10−4 10−5 40°!ll fi=5.OGHz f2=10.OGH■ θ、1−0° 0.1 1.0 10.O fp[GHz] 図一8電界の二次量の差成分に関するfp特Xk 伴って単調減少する。一方差の成分はげ、−f212Efp で共鳴点が存在するため,この付近できわめて大きな 値となる。また図一4は入射電磁波の入射角Oi2を変 数とした場合の電荷密度変動の二次量を示したもので ある。同図より二つの電磁波の入射角間の関係によ り,二次量の振幅はかなり大きな変化を示し,ある特 定な角度で極大値および零点をもつ。このことは式㈲ からわかるように,二つの透過波の角度関係に依存し た電界の方向に原因をもっており,このことについて は電磁界との関連のもとで後に述べる。振幅の零点は 和および差の成分とも同じ位置で生じ,θi1の増加に 伴って単調にθτ,の大きな値へと移行する。 つぎに電磁界の二次量について,図一5∼7はそれぞ c 〈竺 10’5 10−6 ノ,!1 70°
/ク/
’80°1 70° i80° fi=10.OGHz fp=O.6GHz θii=O° −1倉(.).1 −一一 P倉(一)yi 11 vi、6;1 40° 1。0 10.0 100.O f2[GHz] 図一9電界の二次量の差成分に関するf2特性 一80 一40 t10“5、 0° fi=5.OGHz ∫2=1αOGHz fp=1.5GHz −1倉(.).1 …− P8(→yl 0 40 θ、2[deg]∩
80 図一10電界の二次量の差成分に関するθz2特性 れ和の成分に関するプラズマ振動周波数電磁波の入 射周波数および入射角に対する特性を,また図一8∼10 は差の成分に対する同様の特性を示したものである。 図一5および8より,電界の二次量はfpの増加に伴っ て増加しているが,これは先の図一2に示した密度変動 と対応して電荷密度が増すにつれてその二次量の振幅 が大きくなることと同様に,電磁波の混合現象がより 強くなっていることを表している。図一6と9からも 同様に密度変動との関連性が見出せるが,ここにおい ては特に入射電磁波の周波数が大きくなるにつれ,プ ラズマが等価的に透明になるため,周波数が高くなる につれて混合現象は低下すると考えられる。また図一7, 10についてみると,先にも述べたように,この特性が 極大点や零点をもつこと,および入射角に関して単調 ではないのは,式⑯よりわかる1ように二次の摂動項s(2)が電子流速の一次量が1)に依存しており,またこ のv(1)は輸送方程式に見られるように電界の一次量の 向きと一致している。したがって,二つの電磁波の混 合成分項〆1)・v(1)の増減によるものと考えられる。 一例をとると,図一7でθii=40°,θ‘2≡−47°付近で B(+)は零点をもつが,この場合電磁界の一次量の透過 角はθtl=42.4°,θ,20r−47.6°となり両電界が互いに 直交して作用するため,和の成分が0に収束する。こ のような理由で二つの電磁波の相互作用が起きにくく なる。このことはまた式θのCOS(θt、一θt2)の項によ っても示されている。しかし2倍の周波数成分A,C にはこのような現象は生じない。というのは,それら は他の波に依存しない成分であることにより明らかで あろう。TMモード波入射の場合にも類似した結果が 得られたが,ここでは省略する。 5. お わ り に 以上のように,本論文では,プラズマの密度変動を 誘起する程度に大きな電力をもった電磁波が入射した 場合の相互作用現象を解析した結果,電磁波の周波数 混合が生じ,その大きさはプラズマの密度,電磁波の 入射周波数および入射角に依存することが示された。 今後この問題に対する実験的裏付けが主な研究課題で ある。 本研究を進めるにあたり,有益な助言を与えられた 山梨大学伊藤千秋助教授,中川恭彦助教授,中沢章助 手,武藤真三助手に感謝する。本研究の一部は文部省 科学研究費を用いて行われている。関係各位に謝意を 表する。