23一一奈良法学会雑誌第8巻3・4号 (1996年3月〉
八
論 説V
地方政府に媒介された多元主義
ーーー第二次圧力団体調査における影響力構造の分析││
目 次 はじめに 一公共政策と圧力団体の影響力 1 影響力の理論的検討 2 八O
年調査・分析の総括 3 八O
年調査における影響力仮説の検証 二 設 問 と デ I タの性格 三全般的影響力 四認知された影響力 五関連領域における影響力 六影響力の総合的分析と政治体制(むすびにかえて) ││全般的影響力、認知された影響力、関連領域の影響力、ーー データ分析の総括 分析結果による理論的検討 1 2伊
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第 8巻3・4号一一24
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め 本稿の目的は、一九九三年三月から七月に実施された主要な全国的圧力団体の調査のうち、とくに影響力構造を分 析することである。この研究グループは、すでに一九八O
年四月から五月にかけて同様の調査と分析を行い、その成 果を﹃戦後日本の圧力団体﹄として公刊している。今回の調査は、第二次の大規模な実証的な圧力団体調査である。 前回の分析から、圧力団体の関係構造に関して導き出された仮説の一つは、﹁民間大企業労使連合優位の多元主義 モデル﹂であり、また圧力団体の影響力分析から、わが国の八O
年前後の政治システムを、﹁福祉国家性格をもちつ つ自由企業体制の条件を維持しようとする一党優位の多元主義的システム﹂と特徴づけ前今回の調査分析では、別 稿でこれを発展させて﹁大企業労使連合羽地方政府・政策受益団体連合﹂という仮説を導き出し切かくして本稿の 課題は、圧力団体政治に関するこれらの仮説を影響力構造の分析を通して発展、あるいはリニュ l アルをはかること にある。結論を先に言えば、圧力団体の関係構造としては、﹁大企業労使連合優位の、地方政府に媒介された多元主 義﹂、さらに政治システム全体の特徴づけとしては、﹁地域分節的再分配を指向しつつ、自由主義体制の条件を維持し ようとする、連立政権によって緩和された一党優位の多元主義システム﹂といった仮説的規定が導き出される。 以下においては順に、影響力の理論(一章﹀、調査デ l タ の 性 格 ( 二 章 ) 、 全 般 的 影 響 力 ( 一 二 章 ﹀ 、 認知された影響 力(四章)、関連政策についての影響力(五章﹀を検討し、最後に総括的分析ハ六章、むすびにかえて﹀を行いたい。公共政策と圧力団体の影響力
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影響力の理論的検討 公共政策と圧力団体の影響力に関する従来の理論的かつ分析的成果を整理しておきたい。この課題は、いわば国家 のあり方を説明する理論的モデルの議論と密接に関連している。アメリカの政治社会学者ノ l クは、先進諸国の国家 コ 1 ポラテイズムの四つの理論を提示しており、また村松 理 論 と し て 、 エ リ 1 テ イ ズ ム 、 マ ル ク ス 主 義 、 多 元 主 義 、 ほ か は 、 ノ I グの四つの国家理論に対応させる形で、 エ リ l テイズム(あるいは官僚支配 日本政治のモデルとして、 論)、階級(闘争)モデル、多元主義、コーポラテイズムを提示してい一匁 本稿の関心から言えば、個々の国家モデルの中で、公共政策に対する圧力団体の影響力がどのように位置づけられ ているかが重要である。わが国のエリ l テ イ ズ ム ・ モ デ ル と し て は 一 ニ 頭 パ ワ 1 ・ エ リ l テイズムの典型としての政官 25一一地方政府に媒介された多元主義 財複合体支配モデルが有力であり、その中でも官僚支配論は官僚の影響力が圧倒的にあるいは相対的に大きいと主張 する。本稿でエリ l テイズムという場合、もっぱらこの官僚支配論を指している。このモデルでは、圧力団体の影響 力は二義的である。また先の三頭パワ l エリート・モデルのうち、財界の影響力を大きく評価するに応じて、階級闘 争モデルに接近する。ただし、階級闘争モデルでは、階級はたんなる圧力団体のカテゴリーを超えたより広範な構造 的集合体と考えられ、その影響力もしばしば直接的・明示的というより、間接的・黙示的かつ構造的なものと考えら れる。階級闘争モデルでは、資本主義社会においては、資本家階級が支配者であること、白木においである程度可視 的な存在としての財界や大企業(経営者)が支配者であるとみなされる。労働者階級が抑圧されて構造的に不利な立 エ リ 1 テイズム・モデルにおけると同様にたかだか二義的な存在にすぎない。 場に置かれ、他の多くの圧力団体は、第8巻3・4号一一26 多元主義モデルは、影響力およびその源泉たる諸々のリソースは、必ずしも均等でないとしても広範に分散してお り、そこでは互いに競争し合う多様な圧力団体が公共政策に影響を及ぼす可能性が高いことを強調する。 コーポラテ イズムは、社会的協調のイデオロギーが広がっているのか、利益集団の集中化・集権化が進んでいるか、利益団体、 官僚制、政党聞の自発的調整のメカニズムが存在するかが指標となり、頂上団体、とくに労組の動向が注目される。 このように、影響力論や権力論は、 かつての論争に見られたように、影響力をどう定義するか、どのように捉える か、どのように測定するかについての意見の違いに大きく左右される。観察可能な明示的な影響力関係を基礎とすべ きなのか、それとも必ずしも直接観察が可能ではないとしても政策帰結を規定していると想定される黙示の影響力 (構造)まで視角を広げるべきであるのか。前者の場合は、 おもに政策形成過程に対する直接的な影響力に着目し、 後者の場合には、社会経済的影響力を通じた間接的政治的影響力や、また人々の政治・社会意識、さらにはイデオロ ギ 1 操作や文化的規定力といった象徴次元まで権力現象を拡大して見ょうとする。 2 八
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年調査・分析の総括 前回調査における圧力団体の影響力に関する分析をレビューしておこう。そこでは、これまでのわが国の政治シス テム全体における影響力構造に関する調査結果を示す表 1 について、以下のように分析している。 a 、 b は 標 本 も 多 く 、 国 民 お よ び 各 界 リ ー ダ ー た ち の ﹁ 通 念 ﹂ に 近 い も の を 示 し て い る と み て よ い 。 c 、 d は 、 国 会 議 員 、 官 僚 と い う 政 治 過 程 で の 重 要 ア ク タ ー の 見 解 を 示 し て い る 。 一 つ ひ と つ の 調 査 は 、 少 し づ っ 質 問 内 容 や 形 式 、 と り わ け 影 響 力 ( 8 ) 行 使 の 対 象 に あ た る も の の 大 き さ が 異 な っ て お り 、 厳 密 な 比 較 に は な ら な い 。 上のような限定を付した後に、この表から以下のような特徴を読みとっている。政策過程でのフォーマルなアクターとしての官僚、政党の位置であるが、いずれのレベルでも上位を占める。しかし、政策 過程から離れ、社会レベルのアクターからみるほど、それらへの評価は低くなるようである。かわって、各界リーダーではマ ハ 9 V ス コ ミ が 、 組 織 労 働 者 で は 大 企 業 ・ 財 界 が ト ッ プ に 躍 り 出 る 。 以上のようないわば、団体の影響力とその位置に関する﹁通念﹂は、日本政治学の﹁通説﹂ときわめて親和的であるといえ よう。大企業や財界︿の団体)以外は、日本の政治や政策形成に大きな影響力を発揮しておらず、医師会、農協などが一部関 与し、労組や市民団体が無力というこのイメージは、よく知られたパワ l エ リ ー ト 論 の 主 張 │ │ 圧 力 団 体 は 権 力 の 中 間 水 準 の 現 象 │ ー や 通 説 の い う 政 ・ 官 ・ 財 の 一 一 一 頭 パ ワ i エリートのモデルとまさに符号する。こうした通念的イメージは、政治学の通 門
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説 の み な ら ず 、 ジ ャ ー ナ リ ズ ム の 論 調 に よ っ て も 強 化 さ れ て い る 。 表1
のデータを上のように分析するのは素直な解釈であり、妥当であろう。しかしながら、表1
の四つのデータの 27一一地方政府に媒介された多元主義 いずれでも政党の影響力が高いランクに位置づけられていることや、政党の影響力に関する別の調査データを合わせ て解釈すると、パワ l エリート・モデルのわが圏への適用の妥当性には大きな留保をつけなければならない。図 1 は 、 一九八五年の官僚調査において官僚に自分の省の政策形成・執行に影響力をもっアクターをあげてもらった結果であ る。このデータは、族議員や政調会の影響力が、首相・与党三役といった執政府・与党エグゼキュティヴに匹敵する か、それ以上であると、官僚が認知していることを示している。そして族議員の多くは圧力団体の利益の﹁代弁者﹂ として行動することがよく知られる。だとすれば、影響力調査で政党があげられることの含意は、パワ l エリート論 ではなく、むしろ多元主義的解釈の余地が大いにあることになる。 さらに、図2
は、団体政治システム全体における圧力団体の影響力の位置についてのモデルを提示している。確か第8巻3・4号一一28 表 1 各種の調査での「団体」の影響力 a組織労働者年 b各界リーダー c国会19議78員年 d官僚 1978 1980年 1976ー7年 ①大財企界業 59.5 ①マスコミ 6.1 ①政党 55.4 ①政党 45.4 (93.1) (91. 2) ②政党 45.7 ②官僚 5.5 ②行政官僚 35.6 (96.0)②行政官僚(4190..4 8) ③官僚 19.3 ③政党 5.4 ③大財界企・ 6.9 ③大財企界・ 4.0 業 (50.5) 業 (36.3) ④超アメリカ等19.3 ④財界 5.2 ④マスコミ 1.0 ④マスコミ 3.6 大国 (20.8) (39.0) ⑤一部実力者13.6 ⑤労働 4.6 ⑤利益集団 O ⑤利益集団 2.4 (18. 8) (22. 7) ⑥国民 6.1 ⑥農業団体 4.5 ⑥学知者識人・ 0 ⑥市住民民 ・ 0.4 (5.0) 運動 (3.6) ⑦圧力団体 4.3 ⑦学者・文化人4.0 ⑦市住民民・ 0 ⑦知学者識 ・
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運動 (4.0) 人 (2.4) ③マスコミ 3.1 ③消費者 3.9 ③労働組合。
③労働組合。
(3.0) (0.8) ⑨労働組合 1.8 ⑨市民運動 3.8 ⑨裁判所。
③裁判所。
(0) (0.8) ⑬運住民動 ・市民1.3 ⑬部落解放同盟3.4 ⑨宗教団体。
⑬宗教団体。
(0) (0) その他 1.3 @婦人運動 3.2 ⑪その他。
その他。
(2.0) (4.4) N=6237 N=2672 N=101 N=251 〈注) a;r
あなたは,日本の政治が何によって動かされていると思いますか。次のなかから 主なものを2つ以内選んで下さい。」の質問で選ばれた答C
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。 b;r
下記の諸グループが我々の生活にどの程度影響力をもっていると思いますか。ま Tこ,それらの団体は全体としてどの程度の影響力をもつべきだと思いますか。下に 書きました“非常に影響力あり"をIとし“ほとんどなし"を7とする尺度にあて はめると何点にあたりますか。それぞれの欄に点数をご記入下さい。JC点数は高低 逆にコード〉。 c.d;r
現代の日本において,国の政策を決める場合に最も力をもっているのは,次 の中のどれだと思われますか。次の中から力を持っている順に3つ選んで下さい。」 第1位に選ばれた比率と( )内は1-3位にあげられたものを全体で割った比率 く%)。 〈資料) a; IF労働調査Jl1979年4月。 b;蒲島.19850 C, d;村松.1981。
(出所);村松岐夫・伊藤光利・辻中重量『戦後日本の圧力団体Jl.東洋経済新報社.1986. p.218。
29一一地方政府に媒介された多元主義 省、政策への影響力と調整困難の相手 図1
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マ ス コ ミ 関連団体 審議会 国委 会員 会 野党 族議員 政調会 与党 与党三党 他 省 大 蔵 省 首 相。
モ 与 党 コ ー カ ス 争 アリーナ モ一一一一議会内アリーナ一一一ーラ (1)質問:省政策への影響力/1あなたの省(庁〉の政策形成や執行について,省外で影響力を もつのはどれでしょうか」 調整困難の相手/1あなたの,省(庁〉の政策形成や執行について,次のどことの調 整が一般的にいって困難でしょうか」 指 数 ={(一番目 X3)十(二番目 X2)+三番目}~3 第二回官僚調査(1985)より モ 一 議 会 外 ー → アリーナ モ ー 執 政 府 ー + アリーナ (2) (3) ﹁筆者たちは、次のような四つの仮説 を用意し、データを分析していくことにす る。これらはどれも、直接的に右に図示し たような諸モデルの当否を決定する類の仮 説ではない。モデルの当否は、複合的に判 断されるべきであり、われわれのデータも 仮説もその点で部分的な情報を提供するの みである。しかし、この四仮説を検証する ことのなかから、少しづつではあれ、 モ J ア ルの妥当性は絞られていくであろう。これ らの仮説は、そうしたいわば媒介項的性格 をもった中範囲の仮説なのである﹂と、限 定しているように、 われわれの団体に関す る影響力調査の設計は、政治システム全体 における影響力構造モデルを直接に検証す るものではない。それは圧力団体の領域に おける相対的な影響力の分析にすぎなかっ た 。第8巻3・4号一一30 団体の影響力と政治構造モデル 影響力の分布 「集中」 図2 コーポラティズム E パワー・エリートモデル 階級支配モデル 団体の 影響力 「強い」 N 多 元 主 義 利益団体自由主義 E 自由主義モデル 民主主義モデル 「弱L」、 「分散」 (出所):村松岐夫・伊藤光利・辻中豊『戦後日:本の圧力団体Jl.東洋経済新報社.1986.p.220 より。 そして、圧力団体の影響力を測定する尺度とし ては。団体に関連する政策について団体指導者に よって認知された団体の自己影響力(﹁認知された 影響力﹂)と、政策を修正したり阻止することに成 功した経験の有無(﹁成功した影響力(政策実施の 成功)、政策阻止の成功﹂)の二つが利用されてお り、またこの影響力尺度の妥当性と限定性が検討 さ れ て い る 。 3 八
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年調査における影響力仮説の検証ω
組織リソース仮説 ﹂ の 仮 説 は 、 ﹁団体の影響力は、団体の自由に なる組織的リソースによって決まるとするもので あ ﹂ り 、 ﹁階級支配論者やパワ i ・エリート論者 を含む非多元主義者の何人かは、規模と財政リソ ースを影響力の唯一の決定因として強調した﹂。 また団体会員数、総会員数、財政規模、常勤職員 数、行政機関出身の会員数、元国会議員の会員数、有効国会議員数、設立年などの団体の政治的リソースと影響力との関連を詳細に分析した後に、 模は、一般には最大グラス以外は影響力と有意な関連はうすい﹂、﹁大衆団体の影響力を説明するには有効である﹂、 ﹁組織リソースによる影響力の差は、あまり決定的なものとはいえない﹂など、有効性の範囲をかなり限定している。 ﹁会員規模や財政規
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相互作用正統化仮説 ﹁これは、影響力が、政策エリートへのアクセス、とりわけ政策エリートとの相互作用によって決まるとする。相 互作用が多いほど、すなわち接触活動が盛んであり、それが政策エリートの受容するところとなるほど団体の正統性 も高まっていくのであり、その結果、影響力も大きくなると論じることになる。:::︹この︺プレスサスの理論は、 ( お ﹀ 多元主義とコ I ポラテイズムの中間的色彩をもっている:::。﹂ この仮説については、 まず政府行政役職者や自民党といった諸エリートへの接触と認知された影響力の間に高い相 関があることが実証されている。 つぎに接触する役職レベルを検討した上で、 ﹁行政から相談をうける程度﹂によっ (そしてある程度は﹁成功した影響力﹂)との間の高い相関関係が 31一一地方政府に媒介された多元主義 て測定された﹁正統性﹂と﹁認知された影響力﹂ ﹁行政との定期的な相談﹂、行政や政党への﹁信頼度﹂、 的関与度﹂を採用してもほぼ同方向の結果がえられている。そこから、相互作用正統化仮説││とりわけ行政とのそ れ!ーーを強く支持している、と結論づけることができよう﹂としている。 確かめられる。さらに正統性の尺度として、 ﹁行政への積極ω
バイアス構造化仮説 ﹁影響力が、団体の属性や活動によってではなく、政策エリートとの安定した関係によって決まるとする考え方で ある。:::この仮説では行政との聞にフォーマルな関係をもち、政権党と緊密な関係をもつほど、影響力が高まると ( U ﹀ 論じることになる﹂第B巻 3・4号一一32 分析では、行政と安定的関係を結んでいるのが、まずセクター団体であり、ついで政策受益団体、政策推進団体 (労働、市民・政治団体)の順である。自民党との安定的関係は、労働と市民・政治団体にはほとんどないのに対し て、他の団体高い程度にそうした関係を結んでいる。すなわち政党・行政と団体の関係では、バイアスが構造化され ﹁バイパス構造化は、必ずしも影響力の増大につながらない(かえっ てマイナスであるとのであり、影響力に関するバイアス構造化仮説は否定されたのである。 ていた。しかし、分析の示すところによると、
ω
頂上団体統合仮説 ﹁各分野での頂上団体:::が大きな影響力をもっとする仮説である。その理由はω 1 ω
のすべての仮説の主張する ような特徴を、頂上団体がよく備えているからに他ならない﹂。分析によると、﹁ H 頂上団体 μ とした││の巨大団体 は、行政や政権党との接触、協議などの行動や正統性の面で他の団体と相当な相違を示し、その影響力もどの面から ( 却 ﹀ も大きいと考えることができる﹂。しかしながら、経済の頂上団体はこのように理解できるが、労働の﹁ w 頂上団体 μ にはほとんど頂上団体の強さ、統合力はみられない﹂。また、 ﹁ H 頂上団体 μ が内外の対立のなかにおかれていること る は L一、
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こ O~ 団 体 カ ミ いわゆるコ l ポラテイズムの予定するそれとは異なる性格をもっている可能性を示唆してい 以上の四つの仮説の検討に関して、結局次のように概括されている。 第一に、組織リソース仮説は、細分化して再構成すれば有効であるが、そのままでは組織力などの一部のリソース以外では 説明力は弱い。:::このことは有効なリソースが﹁多元的﹂であることを意味する。第二に、相互作用正統化仮説はほぼ完全 に 支 持 さ れ た 。 : : : 第 三 に 、 ︹ バ イ ア ス 構 造 化 と ︺ 影 響 力 と の 関 連 は ほ と ん ど 実 証 で き な か っ た 。 第 四 に 、 : : : ﹁ 頂 上 団 体 ﹂ が特異であることを示すことができたし、その影響力の高さも認められた。しかし、詳細は団体分類ごとに異なるし、各分野で は ﹁ 多 元 的 対 立 ﹂ が み ら れ る 。 以 上 は 、 総 じ て い わ ゆ る 多 元 主 義 理 論 や 利 益 集 団 自 由 主 義 に 親 和 性 の あ る 要 素 が 発 表 さ れ て い る 。 し か し 、 : : : 原 始 論 的 多 元 主 義 と は 異 な る 側 面 も 示 し て い た 。 ・ : : 次 の 三 点 で あ る 。 第 一 は 、 : : : 有 力 な 団 体 と よ り 弱 い 団 体 が あ る こ と 、 第 二 に 、 官 僚 制 が 独 自 の 政 策 エ リ ー ト し て 重 要 で あ っ て 、 こ れ が ア メ リ カ と 異 な る こ と 、 第 一 一 一 に 、 一 党 優 位 制 下 で は 政 権 党 支 持 グ ル ー プ ( お ﹀ と そ う で な い グ ル ー プ の 聞 に は 一 種 の 高 い 壁 が あ る か も し れ な い と い う こ と で あ る 。 上に前回の圧力団体の影響力に関する仮説の検証をレビューしたが、相互作用正統化仮説が最も有効性が高いこと が示された。すなわち、相互作用、正統性、影響力の一二者の聞に高い相関関係があることが示され、また相互作用が 正統性を生むとされる。しかしながら、相互作用の密度の差がどこから生じるかについては説明がない。筆者(伊藤) 33一一地方政府に媒介された多元主義 はこの点について次のように考える。相互作用とは、団体と行政の働きかけが一方通行ではなく両面通行であるとい うことである。ところが、これまで相互作用正統化仮説は、団体や社会の側からの働きかけを重視し、行政を働きか けの客体とみなす傾向が強く、行政の自律性を重視していなかったと思われる。行政はたんなる団体の客体ではなく、 団体からの働きかけにさらされつつも、なんらかの程度において自律的な利害とパlスベクティヴをもっ存在であろ ぅ。そこで行政と共通のパ I スベクティヴをもっ団体ほど、行政にとって正統性が高くなるのであり、行政の側は ﹁正統性﹂の高い政策を具体化するために、優先的にそうした団体にアクセス・ポイントを提供しようとするであろ う。こうして相互作用と正統性は互いに強め合う。パースベクティヴの共有が相互作用を強めるのであり、この過程 で行政もバlスベクティヴや政策の何らかの変更を受けるのであるが、行政のある程度の自律性を認識する必要があ る。相互作用と正統性の関係はどちらかが原因で結果と確定するのが困難であると思われる。
第 8巻 3・4号 34 政策形成に関して政策エリートの自律性を認める程度に応じてバイアス構造化仮説に接近するようにみえるかもし れない。しかしながらバイアス構造化仮説と相互作用正統化仮説とは二つの点で異なる。第一に、前者では、影響力 が﹁政策エリートとの一定した安定した関係によって決まると﹂されるのに対して、後者ではおもに﹁団体の属性や 活動によって﹂決まると考える。さらに言えば、前者では政策エリートが一定のバイアスにそって政策をふるい分け るとされるのに対して、後者では、政策が団体と政策エリートの相互作用を通して形成されるとされる。第二に、団 体と政策エリートの関係において、前者では両者の関係が制度化され安定的なものであるとされるのに対して、後者 ではそれほど安定的なものとは考えられない。正統性のありかが変化し、補助金、法規制、許認可といった比較的安 定した公的関係とズレが生じることがあると考えられる。かくして前回の分析で、﹁団体の活動量とそれを許容する ( 剖 品 ) 程度(正統性)がもっとも鮮やかに団体の影響力の差を説明する﹂というとき、筆者の正統化仮説に最も近い。その 立場は、前回の分析で筆者がおもに担当した以下の箇所に一示される。 ま ず 、 デ ー タ に 却 し て 明 示 的 な 影 響 力 に つ い て ま と め て お こ う 。 : : : 認 知 さ れ た 明 示 的 な 政 治 的 影 響 力 を 規 定 し て い る も の と し て は 、 正 統 性 要 因 、 戦 略 的 地 位 、 対 抗 団 体 の 有 無 、 : : ・ が 重 要 だ と 思 わ れ る 。 つ ま り 、 明 示 的 な 影 響 力 の 有 無 や 程 度 は 、 団 体 が ど の 程 度 正 統 的 と さ れ て い る か に よ っ て い る の で あ る 。 こ こ で は 正 統 性 と は 、 そ の 団 体 の 存 在 や 利 益 が 政 府 ・ 与 党 に と っ て ど の 程 度 尊 重 さ れ る か 、 そ れ ゆ え ど の 程 度 情 報 な ど の 交 換 な ど の 相 互 作 用 を 許 さ れ る か で あ る 。 -( お ) : : : 政 府 は 圧 力 団 体 に 対 し て 一 定 の 自 律 性 を も っ て い る と い う こ と が で き る 。 設 問 と デ ー タ の 性 格 さて以上のような影響力に関する仮説を道具として、今回の影響力に関するデータを分析するのであるが、前回と
今回の影響力に関する設問の対応関係とデータ!の性格、さらに本稿における分析範囲を明らかにしておこう。表 2 八
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年調査と九四年調査の設聞の対応関係を示す。このうち本稿は、とりあえず二つの調査に共通の﹁認知さ れた自己影響力﹂の比較と、今回の調査のみで設定された﹁全般的影響力﹂と﹁関係領域における影響力﹂の分析に 一 ﹂ 十 点 、tt
限定し、残りの影響力に関する設問の分析についてはほかに委ねたい。全般的影響力の設聞は、有力な一OO
団体の リストから、﹁日本の政策形成全般に影響力が強いと考えられる団体﹂を選択させるものであり(
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﹀ 、 ﹁ 関 連 領 域の影響力は﹂自己の﹁団体がもっとも関係する政策領域で政策形成に影響力が強いと考えられる団体﹂(
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﹀ を同様に選択させる間いであった。この二つの設聞は前回にはなかったものであるが、団体相互聞における相対的な ﹁認知された影響力﹂を抽出するものであり、 いわば影響力分析における﹁評判法﹂そのものといってよい。ただし、 ﹁関連領域の影響力﹂は団体リーダーの具体的経験がかなり反映されていると思われるので、 たんなる﹁評判法﹂を 超えた性格をもっと考えてよいであろう。 35一一地方政府に媒介された多元主義 ここで調査設計について注意を促しておこう。サンプルとなった調査団体数は、経済団体が八七、労働団体が五一、 福 祉 団 体 が ゴ 一O
、農業団体二一二、等々となっている。また前回(二五二団体)と今回(二四七団体)に調査対象とな った団体の中から各領域ごとに有力と思われる代表的団体を選択肢として計一OO
個を選び、そこから影響力が強い と考えられる団体を無制限に選択させたが、選択肢のリストでは経済団体が一番多くて四O
団体、労働団体が二O
、 以下専門家九、福祉入、行政関連七団体、農業と市民・政治がそれぞれ六団体となっている。これらのサンプルもま た選択リストに載った団体も、領域別の回体数は同数ではないし、といって母集団を代表しているとはいえないし (何らかの基準で母集団を確定することも容易ではない)。このように、分析にあたっては、今回の調査設計におい てサンプリングと選択肢に一定の偏りがあることに注意しなければならない。第8巻 3・4号一一36
│
図
3 団体・サンプルと影響力(全体:94年調査1
)
0. 0 10. 0 20. 0 30. 0 40. 0 50. 0 60. 0(%) │ 圃 自 己 評 価 影 響 力 盟 関 連 領 域 に お け る 影 響 力 昌 全 般 的 影 響 力 団 選 択 肢 盟 サ ン プ ル │ 本 「全般的影響力」の質問文:r
あなたの個人的な判断で結構ですが,次の中から日本の政 策形成全般に影響力が強いと考えられる団体を選んで下さい。いくつでも結構です。」*
*
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関係領域における影響力」の質問文:r
それでは,あなたの団体がもっとも関係する政策 領域で政策形成に影響力が強いと考えられる団体を選んで下さい。いくつでも結構です。」37-一一地方政府に媒介された多元主義 表2 圧力団体の影響力関連設問の対照
|草案着信:1雪護憲I~皇室|長覇知|寄金弱体|敷霊童|豪華努|穫量努へ
豊年調1Q
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サンプルと選択肢の偏りを考慮して分析するために、全般的影響力と関連領域におけ る影響力に各領域の団体の占めるサンプルと選択肢の比率を合わせて掲げたものである。全体を 図3
は 、 眺めると、全般的影響力とか関連影響力とかがあると認知されている団体の比率は、総じてサン プルや選択肢の比率に対応しているようであるから、 たんに選択されたケ l スの比率を各領域の 団体の影響力の比率を尺度とすることは正しい解釈とはいえないようである。そこで、ここでの 分析はまず選択されたケ I スの領域ごとの比率をみるのではなく、 まず個々の団体がどれだけ選 択されているか、 ついで高いランクで選択された団体がどの領域に多いかを検討することによっ て団体政治における影響力構造を分析することにする。その後に領域聞の相互評価の分析に進む こ と に し た い 。全般的影響力
﹁全般的影響力がある﹂として選択される場合、領域内の団体から選択される場合が多いか、 それとも領域外の団体から選択される場合が多いか(すなわち影響力の範囲はどうか、また同じ 領域内の団体を選択するケ I スと、他の領域を選択するケ l スとのどちらが多いか(すなわち自 律性の程度)を図示したのが図4
である。これによると、まず、経済団体を除けば、全体として はどの領域でも他の領域の団体からから選択されるケ l スが多いと同時に、他の領域の団体を選 択するケ l スが多い。経済団体のみが、同じ領域の経済団体を選択するケ l スが多い。そのケ l スが七五%ときわめて多いことを考慮すると、 たんにサンプル数と選択肢が多いというバイアス第8巻3・4号一一38 全般的影響力〈範囲と自律性〉 本市民(87,96) *教育(86,96) *農業(74,82)本専門(94,92) *福祉(56,82) 牢行政(80,81) *労働(75,78) 図4 % n H U n u
-a
皐 i l 1 1 1 1 1 1 1 外部志向 (依存) 領域外団体 の言及率 本経済(68,25) 内部志向 (自律) 100% 一一一一一一一一一" 広い範囲 領域外団体か らの言及率 を超えて、経済領域は﹁全般的影響力が強い﹂と 自己評価している唯一の領域であると考えてよい の で は あ る ま い か 。 また表 3 は、全般的影響力を聞いた聞いに対す る回答の集計であり、表 4 は、個別団体のランキ ングと各領域ごとの上位の団体を取り出したもの である。まず、経済団体は、図 3 に み る よ う に 、 サンプルの比率や選択リストに載った団体比率を かなり上回る比率で﹁全般的影響力が強い﹂と認 知されている。また表4
の個々の団体別に検討す まず経済団体に高いランクの団体が並ぶ。 る と 、 4・トーーー白ーーーー一ー 狭い範囲 全調査団体のうちほぼ八割(七九・八%)という 圧倒的比率の団体が、経団連を﹁全般的影響力が 強い﹂として選択しており、 ついで同友会五 五 % 、 さ ら に 日 経 連 、 日商と財界団体が続き、さ らに業界では銀行協会を先頭に多くの経済業界団 体が高くランクされている。また経済団体の全般 的影響力は経済団体自身からも他の領域の団体か表 3 全般的影響力 制棚判 R4m リ恥兵初々出掛川﹄度剖国同門司有 lj ・ 1出向 選 択 ス ト 団 体 回答(サンプル〉 農業 福祉 経済 労働 行政関連 教育 専門家 市民政治 その他 団 体 聞体 団体 団体 団体 団体 団体 団体 団体 の団体 計 N 100.0 100 6 8 40 20 7 5 9 5 農業団体 23 13.1 4.5 37.6 19.5 13.6 2. 3 5. 9 3. 6 100.0 221 福祉団体 30 4.6 8.2 4 1. 0 24.5 8.6 2. 0 6.8 4.2
o.
2 100.0 502 経済団体 87 3.3 1.6 75.0 12. 1 4. 2 0.2 2.2 1. 1 0.4 100.0 553 労働団体 51 4.2 3. 1 56.3 2 1. 6 6.6 1. 9 2. 6 3. 7 100.0 574 行政関連団体 14 1. 7 0.8 4 1. 7 7. 5 19.2 29.2 100.0 120 教育団体 12 3. 3 3.3 48.3 30.8 6. 7 4.2 3. 3 100.0 120 専門家団体 6. 7 2. 2 45.6 13.3 2 1. 1 7.8 3. 3 100.0 90 市民・政治団体 19 2. 0 3. 6 49.2 28.2 3.6 1. 2 8.3 3. 6o.
4 100.0 252 その他の団体 2 83.3 8. 3 8.3 100.0 12 全体 247 4.5 3.8 53.6 19.9 7. 9 1. 4 5.6 3.0 0.05 100.0 2444 (複数回答実数) (111) (94) (1310) (487) (1 93) (35) (1 37) (7 3) (4)全般的影響力をもっ団体のランキング 農業 福祉 経済 労働 行政関連 教育 専門 市民・政治 6 8 40 20 7 5 9 5
i
塁間
mj
142((((54422 962 .. 122 連合 131 (53.0) 全 105 66 知事会 51 (23. 1) セ 全中 50(20.2) 鉄関鋼経連連 4593((2211..55) ) 医師会 45 (18.2) 市県長議 会 31 (1 5.ω ク議
mi11S 長 30 (12. 1) 21 (10.9) 26 (1 0.5) 弁護士 26 (10.5) ? 25 (10. 1) 22 (8.9) 20 (8.2) 電機労 20 (8.2) 町村会 23 (9.3) IMF-JC 19 (1.8) 市議長 21 (8.5) 公鉄自動労鋼車協 労総連 連 18 (1.3) 主婦連 18 (1.3) 集 18 (1.3) 生協 18 (1. 3) 酪漁農協 1176 ((66..59) )聾聾
18 (1.3) 11 (6.8) 町村議 11 (6.8) 歯科 15 (6. 1) 16 (6 目 5) JR 総 16 (6.5) 解放同 13 (5.3) 計 1163((5B..53) ) 生保販 11 (6.9) 海員 16 (6.5) PT A 11 (4.5) 憲法擁 13 (5. 3) 林土水業地産 11071 (((442... 508) ) ) 自 16 (6.5) 全逓 16 (6.5) 看護 9 (3.6) 11 (4.5) 製薬 15 (6. 1) 全電通 16 (6.5) 特定郵 8 (3.2) 私大連 8 (3.2) 薬剤師 8 (3. 2) 新宗連 8 (3.2) 8 (3.4) 金属機 15 (6. 1) 私大協 6 (2.4) 会計士 8 (3.2) 電子機 14 (5.1) 私立幼 5 (2ω 税理士 8 (3.2)語謹
1j ill
社健身協保 障 9(30.0) 経団連 12(82.8) 連合 38(14.5) 知事会 5 (35.1) PTA 1 (8.3) 弁護士 6 (20.0) 解放同 3 (1 5.8) 各 1(23.1) 同友会 52(59.8) IMF-JC 9 (1 1.6) 市長会 5(35.1) 私大連 1 (11.1) 医師 2(22.2) 憲法擁 2 (1 0.5) セ 6(20.0) 日商 45(5 1. 1) 自治労 1(13.1) 県議長 4 (28.6) 私大協 1( 1 1. 1) 歯科 1 (1 1. 1) 生協 2 (1 0.5) ク 遺国族保 6(20.0) 日経連 36(4 1. 4) 電機 1(13.1) 町村会 4(28.6) 私立幼 1 (11. 1) 建築士 1( 1 1. 1) 主婦連 1 (5.3) タ 3 (13. 銀鉄行鋼連 協 25(28.1) 私鉄 1(13.1) 町村議 3(2 1. 4) 私立小 1 (1 1. 1) 会計土 1( 1 1. 1) 新宗教 1 (5.3) 内 集 計 1 (4. 老人 4(13. 撞中央会 1I7B0Oi 9a9 4i0
自動車 6 (11. 8) 市議長 2(14.3) 税理士 1 (11.1) 造船重機 5 (9.8) 1501. 海鉄公鋼員労労協 連 5 (9.8) 1406 5 (9.8) 1203. 5 (9.8) 表 4 0471lhW4 了間紛∞総らもよく認知されている。まず各領域の団体リーダーによって﹁全般的影響力がある﹂として選択されたケ I ス の う ち四割から五割は経済団体であった。また、経済団体リーダーは全般的な影響力ある団体として実に四分の三のケー スを経済団体から選択しているのである。全般的影響力に関する個々の経済団体のランクは、全体においても経済セ ク タ l 内においても大きな差違はない。すなわち経済セクターの内外のいずれにおいても、経団連をトップとして、 財 界 団 体 が 続 き 、 ついで銀行協会や鉄鋼連などの有力な業界団体が選択されているのである。多少理論的にみれば上 のデータに関する限り、階級支配モデルないしパワ I エリート・モデルに近いイメージが浮き上がる。 経済団体についで、全般的影響力がある認知されている団体が多いのが労働セクターである。なかでも、 八九年に 結成された連合(日本労働組合総連合会)は一一三団体(全サンプル団体の五コ一%)から全般的影響力をもっ団体と して選択されており、対抗団体としての全労連や全労協、そして単産団体にはっきり差をつけている。﹁全般的影響 力がある﹂として選択される単産の数も少なくない。経済と労働の二大市場セクター団体は影響力ある分野だとみら れており、このデータは﹁民間大企業労使連合の優位﹂を支持している。 41一一地方政府に媒介された多元主義 労 働 団 体 に 劣 ら ず 、 ﹁全般的影響力が強い﹂とみなされている団体が多いのは地方政府団体(地方六団体)である。 知 事 会 の ラ ン キ ン グ 、 が 最 も 高 く 、 ついで市長会、都道府県議長会、町村会、市議長会、町村議長会の順である。 般 に、議会より首長、そしてより広域的な地方政府になるほどその全国団体がより影響力があると見られている。 知事会、市長会、県議長会は、連合を除くすべての労働団体より選択されているケ I スが多い。また、全体では地 方政府団体が選択されたケ l スは七・九%(一九三ケ l ス)と経済団体と労働団体につぐものであるが、行政関連の サンプル数が一四、選択肢が七と少ないことを考慮すると、地方政府団体のラングの高さは一一層注目されるべきであ る。別稿で、地方政府団体が、市場メカニズム重視の﹁民間大企業労使連合﹂に対抗する連合の潜在的な中核的存在
第 8巻3・4号一一42 ハ 噌 a v であることを示唆したが、全般的影響力に関するデータも、この仮説と整合的である。 専門家団体では、まず医師会が高くランクされ、ついで弁護士会、歯科医師会がつづいている。農業団体では、頂 上団体としての全中(全国農業協同組合中央会)が圧倒的であり、ついでかなり差があって産業別の漁協、酪農、林 業などの順になる。福祉団体では、健保連、社協・遺族会、身障者団体、国保の順、市民・政治団体では主婦連・生 協、解放同盟、憲法連、新宗連の順である。しかしながら、福祉、教育、市民・政治の領域では、農業における全中、 行政関連における知事会、専門団体における医師会などのように、ランクがかなり高い団体はない。とくに全社協の ラングの低さは注目される。 しかしながら、団体リーダーによって評価された全般的影響力は、一般に間接的な評価であり、またマスメディア の報道などを媒介にした多分に回答者の印象に依存して面が多いであろう。五章で分析する関連領域における影響力 の評価のほうが、回答者が当事者であるからより直接的であり、経験的分析という点ではこちらのデータのほうが質 が高いといえるであろう。
四
認知された影響力
ここでは団体の認知された影響力を検討する。まず、八O
年調査における団体分類別影響力の分析結果をまとめて おこう。その際、すでにみたように、この設問の調査データは、﹁各団体の代表が政府や政党との関係についての経 験を基礎として回答していると考えられるから、主に明示的な影響力に関する認知を示しているとみることができ る﹂ことに留意しておきたい。データについては、図5
を適宜参考にされたい。 団 体 分 類 は 自 己 評 価 に よ る 影 響 力 の 大 き さ に 応 じ て 三 つ の グ ル ー プ に 分 類 で き る 。 第 一 一 は 、 教 育 団 体 、 専 門 団 体 、 行 政 関 連団 体 、 な ど の 自 己 の 政 治 的 影 響 力 を 非 常 に 大 き い と 考 え て い る 団 体 の 比 率 の 多 い グ ル ー プ 、 第 二 は 農 業 団 体 、 経 済 団 体 、 労 働 団 体 、 な ど い わ ゆ る 三 大 市 場 団 体 、 そ し て 福 祉 団 体 な ど の 影 響 力 が 中 位 い あ る と 考 え る 団 体 の 比 率 の 多 い グ ル ー プ 、 第 三 に あ 門 m u v ま り 大 き く な い と 考 え る 団 体 の 多 い 市 民 ・ 政 治 団 体 の グ ル ー プ で あ る 。 これらの影響力を説明するのは、既述のように正統性要因である。また明示的影響力の点で上の三つのグループに 分けられる理由について以下のように分析していた。 認 知 さ れ た 政 治 的 影 響 力 は 、 政 治 に な ん ら か の 便 益 を 求 め て 明 示 的 に 働 き か け を 狭 い 領 域 で 行 う 団 体 に よ っ て よ く 感 じ ら れ る と い う こ と で あ る 。 : : : こ れ に 対 し て 大 企 業 の 業 界 団 体 の 多 く は 行 政 と 情 報 交 換 は 緊 密 に 行 う け れ ど も 、 政 府 に 積 極 的 に 働 き か け て 直 接 的 な 便 益 を 得 よ う と す る 関 心 を 次 第 に 低 下 さ せ て お り 、 そ の 意 味 で 政 府 か ら 自 律 性 を 強 め て い る 。 こ れ ら の 団 体 ︿ お ︾ の 認 知 さ れ た 政 治 的 影 響 力 は 予 想 さ れ る ほ ど 大 き く は な い 。 43.一一地方政府に媒介された多元主義 さて認知された影響力について今回も全く同じ設聞がなされたが、図
5
は 八O
年と九四年の聞のデータを比較を可 能にする。今回は前回に比べて、自己影響力を﹁非常に+かなり﹂強いと認知する団体が総計で、四六・四%から二 二・二%へと二四・二%も減少している。前回よりも関連領域についての自己影響力はかなり低下したが、それでも この点について団体を分類すると、影響力が強力な団体は行政関連団体、中程度の団体は教育、農業、福祉、市民・ 政治、労働の五団体、弱い団体は経済、専門の三団体と分類できる。前回強力団体であった専門家団体の影響力の自 己認知の低下が顕著である。全体として圧力団体による政策形成への働きが非活発化したこと、およびその有効性が 低下したことが伺われる。認知された自己影響力評価が全般的に低下した大きな理由は、﹁入0
年代の新自由主義イ ハ 哨 a v デオロギーによる行革や歳出削減の動きの中で予算活動の有効性が低下してきた﹂ことにあろう。そして﹁国家と圧自己評価影響力 (80 年および 94 年調査了│ 8.7 43.5 目 1
・・・
4.3 26.1 10.0 40.0 1・圃
3 26.7 1. 81 I1 ・し 7.7 4.6 l・
2 2 1. 61 26 40.01 42.91 40.7 16 目 71 33.3 3.3 33.3 1 1. 11 15.8 2 1. 11 10.5 15.81 13. 1 3.3 .:3 .6 18.61 │図 5 農業団体 B 行政団体 8 94 80 市民団体 94 教育団体 8 94 80 専門団体 94 福祉団体 8 9 経済団体 8 労働団体 8 9 ヨー 11mW噌・向山制∞総 60.0 (%) 50.0 20.0 30.0 40.0 │園大変大きい 醐かなり大きい│ 10.0 80 94 0.0 全体表 5 関係領域における影響力 縦制限ぬリ﹄£杓余録 uh 健一領収型││回申 選 択 ス ト 団 体 回答(サンプル) 農業 福祉 経済 労働 行政関連 教育 専門家 市民政治 その他 団 体 団体 団体 団体 団体 団体 団体 団体 団体 の団体 計 N 100.0 100 6 8 40 7 7 5 9 5 農業団体 23 44.9 17.4 27.5 10.1 100.0 69 福祉団体 30 36.5 6. 1 9.6 14.8 0.9 27.8 4.3 100.0 115 経済団体 87 0.4 3.1 66.4 17.5 3.6 0.4 4.0 2.2 2. 2 100.0 223 労働団体 51 3.5 7. 3 34.8 36.2 6. 1 1. 9 6.1 3. 8 0.2 100.0 425 行政関連団体 14 3. 2 4 1. 9 48.4 6.5 100.0 31 教育団体 12 20.4 8. 2 14.3 53.1 4.1 100.0 49 専門家団体 9 5. 8 5.8 35.6 19.2 1 1. 5 4.8 12.5 4.8 100.0 104 市民・政治団体 19 4. 2 7.6 34. 0 29. 2 6. 9 9.7 7.6 0.7 100.0 144 その他の団体 2 全体 247 5. 0 8.4 30.6 23.3 9.8 3.5 8. 3 4.2 O. 8 100.0 1160 (複数回答実数) (59) (98) (424) (270) (1 14) (41) (96) (49) (9)
第8巻 3・4号一一46 一方で、政策受益団体に対して予算分配を削減し、他方では市場団体との関係で相互に自律化が進 展するというように、少なくとも中央政府レベルでは政策受益と市場の二つの団体領域でいわゆる新自由主義化が進 ハ 却 ﹀ んだのではないかと考えられる﹂のである。 力 団 体 の 関 係 は 、
五
関連領域における影響力
表5
は、各団体領域の関連する政策形成における影響力を示し、表6
は、関連領域別の個々の団体の影響力のラン キングを示す。ラシキングの総計は(影響力あるとして選ばれた福祉団体のケ1ス数が農業団体の上位に来ている点 を除けば﹀全般的影響力のランキングとほぼ同様である。経済団体の影響力がどの個別領域においても顕著であるこ とにはかわりないことが重要であろう。経済領域の頂上団体である財界団体そして業界団体は個別領域における政策 形成において、大きな影響力をもっていることが当該領域の団体から認知されているのである。 しかし、影響力が認知される団体の比率を全般的影響力と関連領域別影響力の間で比較すると、経済団体のみが五 三・六%から三六・六%へと低下し、その分それ以外の領域の団体の影響力が認知される比率が高まっている。領域 別のより具体的で明示的な影響力という点では影響力の分布はより多元的に認知されているのである。 自己の団体の政策形成に影響力ある団体が同じ領域内団体か他の領域の団体かを見ると、全体では自己の領域の団 体を選んだケ l ス数がほぼ六割公ハニ・一%﹀、他領域の団体を選んだケ l スがほぼ四割(三七・九%﹀である。こ れは、各領域の政策形成が総じて、領域内で自己完結するのではなく、あるいはそれほど自律的ではなく、他の領域 の団体に影響されることを意味していよう。とくに、市民・政治団体や専門団体の領域は自己完結性が低い。ただし、 経済領域は自己完結性が高い。これを図示したのが図6
で あ る 。この関連影響力の図は、 ヨコ軸が影響力の範囲を表す。左へ行くほど影響力の及ぶ範囲が自己の領域に限定され、 右に行くほど他の領域にも及ぶ。タテ軸は上に行くほど他の領域の団体の影響を受けるという意味で領域の脆弱性を 意味し、下に行くほど領域の自律性を意味する。経済領域は影響力の及ぶ範囲は広く、他の領域まで影響力を及ぼし、 かつ自己領域の自律性は高い。範囲と自律性というニつの尺度においてやはり経済領域は影響力が大きいといえそう で あ る 。 地方自治の領域(地方政府領域)は、経済領域より外部の影響を受けるようだが、より広範な領域に影響を及ぼし ているようである。また領域の自律性の点で、他の行政関連団体がサンプルに含まれているので、これをのぞけば地 方政府の自律性はより高まるであろう。経済領域と地方政府は影響力という点では(その中身・論理は異なるであろ うが)、双壁といって良さそうである。 次のグループは、影響力の範囲が広範だが、領域自体は脆弱で自律性が低い領域である。市民・政治と専門団体が 47一一地方政府に媒介された多元主義 これに当たる。労働組合は影響力の範囲は相対的に狭く、また他の領域の影響を受けやすい。農業領域もこれに近い。 教育団体は他の領域の影響力はあまり受けない、影響力の及ぶ範囲は最も狭い。 ここで重要なことは、関連領域における団体影響力と団体聞の協力・対立の関係は密接な関係があると考えられる ことである。まず、団体は多かれ少なかれ利益を共有することができ、かっその利益を推進することができる影響力 をもっ他領域の団体と協力関係を結びやすいであろう。もっとも、正の影響力(自己の利益を推進する影響力)のみ でなく、負の影響力(自己の利益を阻害する影響力﹀もあるわけであり、他の領域の協力団体の比率よりも、関連領 域の政策形成における他領域の影響力ある団体の比率が高いのは、負の影響力をもっ団体が選ばれているからであろ ぅ。各領域で負の影響力をもっと認知される多くの団体は経済団体であろう。経済団体、とくに財界団体は、広範な
選択肢リスト団体 100/ 回答団体 247 農業 福祉 経済 労働 行政関連 教育 専門 市民 6 8 40 20 7 5 9 5 全中 13 (56. 5) 経団連 5 (2 1. 7) 市長会 4 (17 .4) 生協 5(2 1. 7) 農業 酪農 13 (2 1. 7) 同友会 4 (1 7.4) 知事会 4 (1 7.4) 主婦連 2 (8.7) 土地 4 (17.4) 日経連 1 (4.3) 町村会 4 (1 7.4) 漁協 4 (1 7.4) 銀日商 行協 1 (4.3) 県議長 3 (1 3. 0) 23 林業 3 (1 3.0) 1 (4.3) 町村議 3 (1 3.0) 市議長 1 (4.3) 社協 16 (53.3) 民鉄 2 (6.7) 連合 3 (1 0.0) 知事会 4 (1 3.3) P T A 1 (3.3) 医師会 13 (43.3) 生協 2 (6.7)
車
身障 10 (33.3) 経団連 1 (3.3) 日教組 2 (6.7) 市長会 3 (1 0.0) 看護 6(20.0) 主婦連 1 (3.3) 健保 5 (1 6.7) 日経連 1 (3.3) 町村会 3 (1 0 目。) 弁護士 6 (20.0) 解放同 1 (3.3) 30 老人 5(16.7) 電気事業 1 (3.3) 謀議長 3(10.0) 歯科 4(13.3) 新宗達 1 (3.3) 国保 3(10.0) 証保券 険 1 (3.3) 町村議 3 (1 0.0) 薬剤師 3 (1 0.0) 1 (3 目 3) 市議長 1 (3.3) 全中 1 (1. 1) 健保 2 (2.3) 経団連 31 (35. 6) 連合 日(1 0.3) 知事会 3 (3.4) P T A 1 (1.1) 医師会 3 (3.4) 生協 3 (3.4) 経済 厚生 2 (2.3) 中央会 14 (1 6. 1) 造船重機 3 (3.4) 市長会 2 (2.3) 会計士 2 (2.3) 主婦連 2 (2.3) 国保人 1 (1. 1) 日商 13 (1 4.9) 県議長 1 (1. 1) 不動産 2 (2.3) 老 1 (1. 1) 日経連 7 (8.0) 特定郵 1 (1. 1) 薬剤師 1 (1. 1) 87 募金 1 (1. 1) 同友会 6 (6.9) 税理士 1 (1. 1) 全中 6 (11. 8) 健保 8 (1 5.7) 経団連 17 (33.3) 連合 32 (62.7) 市長会 6 (11. 8) PT A 2 (3.9) 弁護士 7 (1 3.7) 憲法擁 5 (9.8) 労働 土地 2 (3.9) 社協 5 (9.8) 日経連 17 (33.3) IMF-JC 10 (19.6) 知事会 5 (9.8) 私大連 2 (3.9) 医師会 4 (7.8) 生協 4 (7.8) 林業 2 (3.9) 厚生 5 (9.8) 生産性 13(25.5) 自動車 10 (1 9.6) 県議長 4 (7.8) 私大協 2 (3.9) 歯科 3 (5.9) 主婦連 3 (5.9) 漁協 2 (3.9) 国保 4 (7.8) 同友会 10 (1 9.6) 自治労 9(17.6) 市議長 3 (5.9) 私立幼 1 (2.0) 建築士 3 (5.9) 解放同 2 (3.9) 51 酪水 農 1 (2.0) 老人 4 (7.8) 鉄鋼連 6 (11. 8) 電機労 9 (17 .6) 町村会 3 (5.9) 私立小 1 (2.0) 看護 3 (5.9) 新宗連 2 (3.9) 産 1 (2.0) 電子機 6(1 1. 8) 鉄鋼労 9 (1 7.6) 町村議 3 (5.9) 政連 T 関 丁 国保 1 (7. 1) 日商 2(14.3) 知事会 3 (2 1. 4) 経中央団連 会 2(14.3) 市長会 3 (2 1. 4) 1 (7. 1) 町村会 3(2 1. 4) 県議長 2(14.3) 14 市議村 長 2(1 4.3) 町議 2(14.3) 関係領域における影響力をもっ団体のランキング 表 6 匂││恥申・的剰∞総締 判 n~ ~ 教 育 12 専 門 9 市民 19 数総 247 全中 1 (11.1) 酪農 1 (1 1. 1) 土地 1 (11. 1) 漁協 1(1 1.1) 林業 1 (11.1) 水産 1(1 1. 1) 全中 3 (1 5.8) 土地 1 (5. 3) 漁協 1 (5.3) M 農 1 (5.3) 全中 25 (9. 7) 酪農 9 (3. 6) 土地 8 (3.2) 漁協 8 (3. 2) 林業 6 (2. 4) 経団連 2 (1 6.7) 日経連 2 (1 6.7) 同友会 2 (16. 7) 社協 2 (22.2) 経団連 2 (22. 2) 国保 1 (1 1.1) 健保 1 (11.1) 身障 1 (11. 1) 厚生 1(1 1.1) 社協保 3 (1 5.8) 経団連 2 (22. 2) 健 2 (10.5) 同友会 4 (2 1. 1) 老人 2 (1 0.5) 日商 4 (2 1. 1) 国保,身障, 石油連 4 (2 1. 1) 厚生,募金 日経連 3 (15. 8) 各 1 (5. 3) 銀行連 3 (15. 8) 社協 27 (10.9) 経団連 65 (26. 3) 健保 18 (7. 3) 日経連 31(2 1. 6) 身障 14 (5. 7) 同友会 28 (11. 3) 健保 11 (4. 5) 日商央産性 会 25 (1 0.1) 老人 11 (4 目 5) 中 22 (8.9) 厚生 9 (3.6) 生 18 (1. 3) 日教組 4 (33. 3) 知事会 2 (1 6. 7) 私大連 7 (58. 3) 医師会 1 (8. 3) 町村議 2 (16 目7) 私大協幼 7 (58.3) 歯科 1 (8. 3) 市長村 会 1 (8.3) 私立 6(50 目。) 町会 1 (8.3) 私立小 6 (50.0) 市議長 1 (8. 3) 全て 1 (11.1) 知事会 2 (22. 2) 私私大連 1 (11.1) 医師斉計 1) 士会自市 3 (33. 3) 生協 1 (11.1) (略) 町村議 2 (22. 2) 大協 1 (1 1. 1) 薬 2 (22.2) 主婦連 1(11. 1) 市長会 2 (22. 2) 私立幼 1 (11. 1) 会 2 (22. 2) 憲法擁 1 (1 1. 1) 町村会 2(22.2) 私立小 1 (11.1) ほか全て 1 (11.1) 解放同 1 (11. 1)1 市議長 2 (22. 2) PTA 1 (11.1) 新宗連 1 (11. 1) 連自治合 労 52 (2 1. 1) 市長会 3 (15. 8) 弁護士 9 (47.4) 生協婦 4 (2 1. 1) 3 (15. 8) 知事会 2 (1 0.5) 医師 1 (5. 3) 主連 4 (2 1. 1) 日教組 3 (1 5. 8) 市県議長 2 (10. 5) 薬剤師 1 (5.3) 解放擁 同 2 (1 0.5) 全逓 3 (15. 8) 議長 1 (5. 3) 看護 1 (5. 3) 憲法 1 (5. 3) 町村会 1 (5.3) 会計士 1 (5.3) 町村議長 1 (5. 3) 税理土 1 (5. 3) 連合 52 (2 1. 1) 知事会 25 (1 0. 1) 私大連 10 (4. 0) 医師会 25 (1 0. 1) 生協 19 (7.7) 日教組 19 (7. 7) 市長会 24 (9. 7) 私大協 10 (4.0) 弁護士 23 (9.3) 主婦連 13 (5. 3) 自動車 16 (6.5) 県議長 19 (7.7) 私立幼 8 (3.2) 看歯 護 11 (4. 5) 憲法擁 7 (2.8) 自治労 15 (6. 1) 町村村 会 17 (6. 9) 私立小 8 (3. 2) 科 9 (3. 6) 解放問 6 (2. 4) IMF-JC 14 (5.7) 町 議長 16 (6.5) P T A 5 (2.0) 薬剤師 9 (3.6) 新宗達 4 (1. 6) 電機労 14 (5. 7) 市議 9 (3. 6) 会計士 7 (2.8)
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*行政(87.51) 領域外団体 の言及率 *教育(
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内首15志向 (自律) 100% ーーーー一一一一一ー寸・ー 広い範囲 仇 M 体 率 団 及 ・ 外 言 域 の 領 ら 4・e一一ー一一一一一一ー 狭い範囲 農業団体が関連領域の政策について影響力あ 農業団体 る団体として認知した全ケ 1 スのうち、領域内 団体は四回・九%、他領域の団体は五五・一% であり、半自律的な領域といえよう。領域内で 最も多く上げられたのは全中(二四ケ l ス ﹀ で ある。他領域団体で影響力あるとして選ばれた のは、行政関連団体(地方六団体が一九ケ I ス ﹀ 、 経済団体(ほとんど財界四団体で二一ヶ l ス ) 、 そして市民・政治団体(生協と主婦連で七ケ l ス)であった。また一方で、農業団体があげた 協力団体で多いのは、 行 政 関 連 団 体 ( 二 三 ) 、 経 済 団 体 ( 二 三 ) 、 市民・政治団体(二ニ) で あり、他方で対立団体としてあげたのが、経済 団 体 ( 六 ) 、 市民・政治団体(乙であった。 先に見たように、団体間の協力・対立関係と関 連領域における影響力は密接に関係しているの である。農業団体は、行政関係団体、 つ ま り 地方六団体の協力を当てにしており、他方で経済団体や消費者団体と協力関係や対立関係に立っているのである。 別稿で分析したよう同 v とくに選択肢として経済が四
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団体に対して、行政関連がわずか七団体リスト・アヅプさ れているにすぎないことを考慮すると、行政関連団体(実質は地方六団体)が農業団体から重要な協力団体として見 なされていることに印象づけられる。日本の農業は、地域の農業振興、土地改良、農業土木、農家の所得確保など、 自治体の政策と緊密に関連しており、また農業補助金の分配や農業土木など国の農政もほとんど自治体を通して実施 されている。自治体にとっても農業は地域の有力な産業であったり、農家の所得確保が重要な課題である。その点で 農業団体が地方団体と協力し合うのは理解しやすい。国をはじめとする公共部門の政策に大きく依存する農業を含む いわゆる﹁政策受益団体﹂にとって地方自治体およびその全国的連合体である地方六団体の重要性は、 入O
年調査で はおそらく質問の仕方のために表面に現れなかったが、団体間関係に関する今回の調査で析出された最も重要な発見 で あ ろ う 。 51一一地方政府に媒介された多元主義 さらに、農業団体は、労働団体と市民・政治団体からその関連領域の政策に影響力あるとしてそれぞれ一五ケ I ス と六ケ l スが選ばれている。その影響力は、おそらく勤労者や市民の生活費にはね返る農産物の価格や自由化を含む 保護農政に関する政策に関わるものであろう。 また、農業団体は他の領域に協力を求めることが多い点で﹁外部志向的﹂であり、他からあまり協力を期待されな いという意味で﹁包摂力﹂が低い。農産物は外国の農産物によって代替可能と考えられるためか、農業は社会レベル ( お ) で他の領域との交換関係における有力な資源に乏しいようである。 他領域の団体との対立関係では、財界団体と消費者団体が対立団体として選択されている。前回は、農業団体と経 済団体、労働団体、消費者団体との対立関係が抽出された。農業団体と後者一二団体の間では、ケース数は多くはない第8巻 3・4号一一52 が、頂上団体の間で互いに対立関係に言及していた。そこでは以下のように分析されていた。 農業団体にかかわる領域間対立については、農業セクターを代表する二大頂上団体が、対立団体として財界と同盟をあげて いること、さらにその一つが﹁一部の消費者団体﹂をあげていることはまさに興味深い。ここにおける争点は、農業補助金、 農産物価格維持、農産物貿易自由化など個別的政策のみでなく、農政の基本にかかわっており、実際、農業団体と財界・同盟 と は 公 開 論 争 を 展 開 し て い る 。 以上の叙述から導き出される重要な論点は、農業に対する分配の削減をめぐり、三大セクターの頂上団体相互間の対立が構 造化していること、すなわち農業セクターに対して大企業労使連合が成立し、しかも﹁行政改革﹂というシンボルを通して、 この連合の主張に対する消費者・納税者としての国民一般からの同調を得ることに成功していることである。これらを一括す ( 誕 ﹀ れ ば 、 都 市 の 社 会 的 連 合 が 形 成 さ れ て い る と も い え よ う 。 今回調査においても、農業セクターと経済セクターとの聞には基本的な対立があるようであり、農業団体と消費者 団体の聞にもある程度対立が見られる。しかし、今回の調査結果は、労働団体と対立関係にあるとみなす農業団体が ないこと、そして農業団体と対立関係にあるとみなす経済団体、労働団体、市民・政治団体がない点で前回と異なる。 この差異は一九八
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年と九四年の聞に圧力団体政治あるいは政治経済システムにおける農業セクターの地位に大きな 変化があったことを伺わせる。八0
年代前半は保護農政批判が行政改革の機運と結びついて、経済、労働、市民の一一一 団体によって強くなされた。ところが、入0
年代から九0
年代にかけて、農業補助金の削減、米価抑制、オレンジ・ 牛肉の輸入自由化、米輸入の関税化のなど保護的農政が縮小する方向へ事態が進んだことによって、経済、労働、市 民の三団体は、農業はもはや八0
年代ほど厳しく批判すべき強力なセクターではないと考えるようになったようであ る 。全体として、農業団体は、一方で予算に対する活動を低下させたが、それを補うかのように地方団体と協力関係を 維持し、かつ地方団体の影響力をよく認知しており、他方でこの経済団体との対抗とその影響力を認知している。こ の点で、農業団体に関するデータは、 ﹁大企業労使連合刊地方政府・政策受益団体連合﹂の構図を支持している。 福祉団体が福祉関連領域に影響力があると認知している選んだケ I スのうち、福祉団体は三分の一で、他領域の団 福祉団体 体が一一一分のこであり、領域としての自律性は低いようである。領域内で最も影響力があるのは社協で、次いで、健保 団体、身障者団体、などである。他領域で影響力があるのは、専門団体が最も多く︿一一一一一ケ 1 ス/医師会二二、看護 婦六歯科医師四、薬剤師三と医療関係が多い)、次いで行政関連団体(地方六団体で一七ケ I ス)、労働団体(連合と 日教組など一一ケ 1 ス)、経済団体(七ケ l ス)、市民団体(五ケIス)の順である。他方で、福祉団体はこれらの団 体と協力関係を認知し、他方、 53一一地方政府に媒介された多元主義 わずかであるが経済、労働、専門家の団体と対立関係を認知している。 協力関係について、福祉団体は全体として、外部志向的であり、包摂性の点では中程度である。今回調査対象とな った福祉団体のサンプルには大きくいって、前回と同様に、狭義の福祉団体(社会福祉協議会、老人団体関係や障害 者関係団体など)と健康保険を含めた社会保険団体の三種類に分けられる。この二種類の団体がそれぞれどのような 団体と協力関係を結ぶかは、両者を区別して再分析しないと分からないが、ある程度クロス表から推測できる。 一 方 で、狭義の福祉団体は全社協、身障者団体、共同募金会、老人グラブなどの領域内団体との協力関係が多く、他方で、 社会保険団体は財界団体(経団連や日商)や生命保険団体や信託業界団体などの経済団体、および連合や単産の労働 団体など領域外の市場団体との協力関係が多いと思われる。ここに示されるデータは、八
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年調査における以下のよ うな記述が依然として妥当なものであると思わせる。第8巻3・4号一一54 福 祉 団 体 が コ ミ ッ ト す る 他 の 領 域 の 団 体 と の 協 力 で 政 治 的 に 重 要 な の は 、 医 療 保 険 団 体 が 協 力 の 相 手 と し て 財 界 と 同 盟 系 労 組 を あ げ て い る こ と で あ ろ う 。 実 際 、 健 保 連 ( 健 康 保 険 組 合 連 合 会 ) と 大 企 業 の 経 営 団 体 と 労 組 と の 関 係 が 緊 密 で あ る の は 局 知 の と こ ろ で あ る 。 : ・ 健 保 連 と 大 企 業 労 使 団 体 は 医 療 保 険 制 度 を 媒 介 に し た 三 位 一 体 的 組 織 で あ り 、 さ ら に い え ば 、 健 保 連 は 大 企 業 労 使 団 体 の 共 通 の 利 益 が 医 療 保 険 に 現 れ た も の に す ぎ な い と さ え い え よ 一 羽 福祉団体が経済団体に継いで協力関係を結んでいるのが医師や看護婦などの医療関係の専門団体であるが、経済団 体と専門家団体に次いで、他領域の団体で三番目に協力関係を持っているのは地方六団体である。社会保険団体も、 高齢者団体も、障害者団体も地方政府の医療保険制度や福祉政策に影響されたり依存する程度が一層大きくなってき たと思われる。医療制度や、年金制度を含む福祉政策は、医療・福祉団体のみならず、経済、労働、専門、教育など ほとんどすべての団体が利害関係をもっ領域であり、これらの団体と中央政府各省庁、地方団体も主たる当事者であ り、団体配置とか団体閣の連合と対抗の軸を形成する主要な軸となる。福祉政策の領域は、それだけでなく、中央
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地方政府間関係、機能的利益政治と地域利益政治の関係など、現代国家における政治経済を理解する上での一つの鍵 的領域であると思われるのである。 対立関係について、他領域における対立団体としては、経団連、連合と全労連といった労働領域の二つの頂上団体 および医師会と歯科医師会があげられているが、 もおそらく健保制度をめぐる利害対立に関連していると考えてよいであろう。 (どの福祉団体があげているかをチェックする必要があるが)これ 一つの労働団体が医師会との対立関係 を認識していることも、同様に理解されよう。以上の点について前回は次のように分析していた。 本 調 査 か ら 、 国 民 健 康 保 険 の 保 険 者 と し て の 市 町 村 の 連 合 体 で あ る 国 民 健 康 保 険 中 央 会 ( 国 保 中 央 会 ) と 健 保 連 の 対 立 を とり あ げ て み よ う 。 す な わ ち 国 保 中 央 会 は 地 域 医 療 費 の 負 担 を 減 ら す べ く 、 各 種 医 療 保 険 制 度 聞 の 財 政 格 差 調 整 を 、 さらには ﹁ 総 合 一 本 化 ﹂ を 要 す る 。 こ れ に 対 し て 財 政 状 態 の 良 好 な 状 態 は ﹁ 経 営 努 力 ﹂ の 成 果 で あ っ て 、 努 力 の な い 団 体 鐘 要 求 は 受 け 入 れ が た い と す る 。 そ れ は 市 町 村 連 合 と 大 企 業 労 使 の 利 益 を 反 映 す る 健 保 連 と の 対 立 で あ る が 、 実 は 市 町 村 は 、 経 済 的 弱 者 と し て の 低 所 得 者 層 、 老 人 、 心 身 障 害 者 の 利 益 を 代 表 し て 大 企 業 労 使 に ク レ ー ム を つ け て い る と み る こ と が で き る 。 : : : し た が っ て 国 保 中 央 会 と 健 保 連 の 対 立 は 、 形 の 上 は 福 祉 領 域 内 の 団 体 対 立 で あ る が 、 実 は ﹁ 持 た ざ る も の と 持 て る 者 ﹂ と い う ( 集 団 円山崎﹀ と い う 概 念 よ り 広 い ﹀ 階 層 間 の 再 分 配 の 問 題 と し て 発 展 さ せ る こ と が で き る の で あ る 。 55一一地方政府に媒介された多元主義 前回の八