高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連
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(2) 2. 金子佳代子・伊藤. 千夏・ 北島. 光子. 調査方法 1. 対象者と調査期間 東京都立高校2校及び神奈川県立高校2校の生徒496名(女子261名、男子235名)を対象とし、2003年11 月に3校(女子226名、男子184名)の調査を行い、2004年11月に1校(女子35名、男子51名)の調査を行 った。4校のうち3校は2年生、1校は1年生である。 調査にあたっては、ヘルシンキ宣言に基づき、本調査の目的、方法、予想される結果、対象者の負担、 調査結果の取り扱いに関する配慮等を説明した文書を高校にて配布し、生徒に説明した後、各家庭に持ち 帰ってもらい、本人及び保護者の自由意志に基づく同意が得られた人を対象とした。本調査は、国立大学 法人横浜国立大学倫理委員会の承認を得て行われた。. 2. 測定項目 骨量、身長、体重、体脂肪率を測定した。骨量はALOKA社製乾式踵骨超音波骨評価装置AOS-100を用 い、右足踵骨部分の超音波伝播速度(Speed of Sound : SOS)と透過波形の第一極大値の半値幅である透 過指標(Trans-mission Index : TI)を測定し、TI ×SOS2の演算式により、音響的骨評価値(Osteo sono-assessment index. 以下OSIとする)を算出した。. 本研究ではOSIを骨量に相当する指標として用いた。OSIと二重エネルギーX線吸収法(DXA法)によっ て測定された骨密度との間には有意な正の相関関係が認められている7)15-19)。また、超音波伝播速度は温 度に影響され、夏期に低く冬期に高くなることが報告されている20)が、測定は10、11月に室内で行ってお り、季節変動誤差は小さいと考えられる。本研究で用いたAOS-100によって算出されたOSIの再現性は 0.48-2.21%、DXA法で測定された全身骨密度とOSIとの相関係数は0.668(p<0.001)であった17)。 身長は、身長計(SANWA TAIKU)を用い直立の姿勢で測定した。体重、体脂肪率は、タニタ社製の体 脂肪計(TBF-300)を用いて、バイオインピーダンス法により測定した。バイオインピーダンス法の日内 変動を考慮し、測定は午前中(10時~12時)に行った。身長、体重からBMI(Body Mass Index)、体重と 体脂肪量から除脂肪量(Lean Body Mass以下LBMとする)を算出した。また、スメドレー式握力計を用 いて握力を測定した。握力は左右交互に2回ずつ測定し、左右おのおののよい方の記録の平均値を求めた。. 3. カルシウムを多く含む食品の摂取状況、運動習慣などに関する調査 カルシウムを多く含む食品の摂取状況、運動習慣などに関する調査を、以下に示すとおり自記式質問紙 法により調査した。 3.1. カルシウムを多く含む食品の摂取状況. 最近1週間の牛乳、乳製品、大豆・大豆製品、小魚類、海藻. 類の摂取頻度を、「毎日食べた(飲んだ)」、「3~6回食べた(飲んだ)」、「0~2回食べた(飲んだ)」 の3件法で質問した。また、小、中学生の時の牛乳、乳製品、大豆・大豆製品、小魚類、海藻類の摂取頻 度を「よく食べた(飲んだ)」「たまに食べた(飲んだ)」「食べなかった(飲まなかった)」の3件法で調 査をおこなった。 3.2. 運動習慣. 過去1年間に、体育の授業のほかに週に何日くらい運動しているか質問した。また、小、. 中学生の頃の運動習慣についても、体育の授業のほかに週に何日くらい運動していたかを調査した。 3.3. 初経に関する調査. 女子を対象とし初経年齢を質問した。. 4. 統計解析 結果は平均値±標準偏差で示した。男女間の比較はStudent-t検定を行った。多群間の比較は男女別に一 元配置の分散分析を行った。2変量の間の関連は相関係数を求めて検討した。OSIに影響を及ぼす因子を.
(3) 3. 高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連. 検討するために、OSIを従属変数として、体重、牛乳の摂取頻度(小学生の時、中学生の時、最近1週間)、 乳製品の摂取頻度(小学生の時、中学生の時、最近1週間)、運動習慣(小学生の時、中学生の時、過去1 年間) 、初経年齢(女子のみ)を独立変数として、男女別に、ステップワイズ法により重回帰分析を行った。 なお、小中学生の時の牛乳乳製品の接す頻度は、飲まなかった(食べなかった)を1、ときどき飲んだ(食 べた)を2、よく飲んだ(食べた)を3としてダミー変数を投入した。最近1週間の牛乳、乳製品の摂取頻 度は、0~2回を1、3~6回を2、毎日を3として、ダミー変数を投入した。また、運動習慣は、運動 習慣なしを1、運動習慣ありを2としてダミー変数を投入した。統計解析はSPSS ver.10.0を用い、いずれ の場合も危険率5%未満をもって有意とした。. 調査結果 1.. OSIと体格の指標、握力との関連. 表1にOSI、身長、体重、BMI、LBM、体脂肪率、握力の測定結果を男女別に示した。OSIには男女と も学年間に統計的な有意差が認められなかったので、学年別に分けずに解析を行った。対象者でOSIが同 、男子で7名(3.0%)であった。OSI、身長、 年齢の標準値21)の-2SD未満だった人は、女子で1名(0.4%) 体重、LBMは男子のほうが有意に高値を示し、体脂肪率は女子のほうが有意に高値を示した。BMIに差は なかった。握力は男子のほうが女子よりも有意に高値を示した。 OSIと、身長、体重、BMI、LBM、体脂肪率、握力とのPearsonの相関係数を求めたところ(表2) 、女 子では、体格の指標、握力とOSIとの間に有意な正の相関関係が認められた。男子では、体重、BMI、LBM、 握力とOSIとの間に統計的に有意な正の相関関係が認められたが、相関係数は低かった。 骨量は体格、特に体重の影響をうけるとされている。そこで、本研究でも食習慣及び運動習慣がOSIに 及ぼす影響を検討する際に、体重の影響も考慮した検討もおこなったが、結果は体重で補正しない場合と 同じであった。体重のみがOSIに影響を及ぼす因子であるとはいえないことから、本研究では体重で補正 せずに、以下に示す食習慣及び運動習慣とOSIとの関連を検討することにした。 表1. OSI および体格の指標、握力の平均値 1)2). 人数 年齢 (歳) OSI (×106). 男子. 261. 235. 16.4 ± 0.9. 16.4 ± 0.9. 2.884 ± 0.312. *. OSIと体格の指標、握力の相関係数1)2) 女子. 男子. 身長. 0.167 *. -0.005. 体重. 0.349 *. 0.142 *. 3.078 ± 0.373. BMI3). 0.297 *. 0.168 *. LBM. 0.295 *. 0.180 *. 4). 身長 (cm). 158.2 ± 5.1. *. 170.2 ± 5.8. 体重 (kg). 52.5 ± 7.3. *. 60.5 ± 9.6. 体脂肪率. 0.279 *. 0.003. BMI. 3). 21.0 ± 2.6. 20.9 ± 2.9. 握力. 0.191 *. 0.152 *. LBM (kg)4). 38.5 ± 3.7. *. 48.7 ± 6.4. 25.9 ± 5.2. *. 18.7 ± 5.3. 25.9 ± 4.7. *. 39.5 ± 6.0. 体脂肪率 (%) 握力 (kg) 1) 2) 3) 4). 女子. 表2. 平均値±標準偏差 男女間に有意差あり(*:p<0.05) BMI:Body Mass Index LBM:除脂肪量(Lean Body Mass). 1) Pearsonの相関係数 2) *:p<0.05 3) BMI:Body Mass Index 4) LBM:除脂肪量(Lean Body Mass).
(4) 4. 金子佳代子・伊藤. 千夏・ 北島. 光子. 2. OSIとカルシウムを多く含む食品の摂取状況との関連 OSIと最近1週間の牛乳、乳製品、大豆・大豆製品、小魚類、海藻類の摂取頻度との関連を表3に示した。 その結果男女とも、牛乳を「毎日飲んだ」人は、「0~2回飲んだ」人よりも有意にOSIが高かった。男子 では、乳製品、海草類を「3~6回食べた」人は、 「0~2回食べた」人よりも有意にOSIが高値を示した。 小、中学生のころの牛乳、乳製品、大豆・大豆製品、小魚類、海藻類の摂取頻度と、OSIとの関連を表4 に示した。女子では、中学生の時に、乳製品を「よく食べた」人は、「ほとんど食べなかった」人よりも OSIが有意に高かった。男子では、中学生の時に、牛乳を「よく飲んだ」人は「ほとんど飲まなかった」 人よりもOSIが有意に高値を示した。 表3. OSIと、最近1週間のカルシウムを多く含む食品の摂取頻度との関連1)-3) 毎日食べた(飲んだ) 人数 OSI. 女子. 男子. 牛乳 乳製品 大豆・大豆製品. 64 51 59. 2.954 2.939 2.910. ± 0.318 ± 0.347 ± 0.335. 小魚類 海藻類. 3 37. 3.024 2.966. ± 0.312 ± 0.332. 112 48 64 3 40. 3.162 3.061 3.138 3.176 3.032. ± ± ± ± ±. 牛乳 乳製品 大豆・大豆製品 小魚類 海藻類. 0.365 0.345 0.385 0.436 0.330. 3~6 回食べた(飲んだ) 人数 OSI a. a. 0~2 回食べた(飲んだ) 人数 OSI. 60 93 84. 2.934 2.925 2.890. ± 0.320 ± 0.308 ± 0.291. 137 117 118. 2.829 2.827 2.866. ± 0.296 ± 0.290 ± 0.315. 18 99. 2.928 2.901. ± 0.297 ± 0.278. 240 125. 2.879 2.846. ± 0.313 ± 0.326. 47 72 97 14 89. 3.014 3.197 3.080 3.229 3.158. ± ± ± ± ±. 76 115 74 218 106. 2.993 3.010 3.022 3.067 3.027. ± ± ± ± ±. 0.314 0.423 0.380 0.394 0.388. b. b. 0.394 0.333 0.349 0.370 0.367. a. a b. b. 1) 平均値±標準偏差 2) a:「毎日食べた(飲んだ)」と「0~2回食べた(飲んだ)」に有意差あり(p<0.05) 3) b:「3~6回食べた(飲んだ)」と「0~2回食べた(飲んだ)」に有意差あり(p<0.05). 3.. OSIと運動習慣との関連. 小、中学生の時、及び過去1年間の運動習慣については、文部科学省. 体力・運動能力調査報告書に則り、. 体育の授業のほかに週に3日未満しか運動していない人を「運動習慣なし」群、体育の授業のほかに週に 3 日以上運動している人を「運動習慣あり」群の2群にわけ、OSI を比較した(表5) 。女子においては、 中学生の時、及び過去1年間、 「運動習慣あり」の人は「運動習慣なし」の人に比べて、OSI が有意に高 値を示した。男子においては、中学生の時、「運動習慣あり」の人は「運動習慣なし」の人に比べて、OSI が有意に高値を示した。また小学生の時、および過去 1 年間、 「運動習慣あり」の人は「運動習慣なし」 の人に比べて、OSI が高い傾向を示した。. 4. OSIと初経との関連 女子において、初経発来年齢と OSI の間の Spearman の相関係数を求めたところ、相関係数は低いが 統計的に有意な負の相関(r=―0.123. p<0.05)が認められた。.
(5) 1) 2). 男子. 女子. 小学生 中学生. 小学生 中学生. 小魚類. 海藻類. 62 58. 40 43. 101 110. 90 99. 178 181. 70 78. 44 37. 109 116. 86 99. 199 169. 3.059 3.052. 3.062 3.053. 3.086 3.084. 3.074 3.095. 3.102 3.107. 2.935 2.951. 2.956 2.970. 2.919 2.906. 2.937 2.952. 2.895 2.897. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. 0.344 0.362. 0.371 0.374. 0.381 0.391. 0.380 0.375. 0.361 0.361. 0.324 0.343. 0.372 0.360. 0.329 0.326. 0.342 0.318. 0.327 0.320. よく食べた(飲んだ) 人数 OSI. a. a. 147 154. 130 129. 118 114. 128 121. 47 40. 166 167. 138 139. 125 130. 152 140. 52 60. 3.102 3.094. 3.107 3.093. 3.070 3.074. 3.087 3.076. 3.008 3.028. 2.879 2.861. 2.871 2.882. 2.872 2.869. 2.872 2.860. 2.855 2.862. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. 0.379 0.373. 0.376 0.372. 0.371 0.364. 0.374 0.377. 0.417 0.402. 0.312 0.292. 0.289 0.279. 0.290 0.302. 0.290 0.307. 0.251 0.271. ときどき食べた(飲んだ) 人数 OSI. 26 23. 65 63. 16 11. 17 15. 10 14. 25 16. 79 85. 27 15. 23 22. 10 32. 2.985 3.031. 3.029 3.062. 3.079 3.058. 3.022 2.980. 2.971 2.834. 2.772 2.794. 2.867 2.850. 2.795 2.842. 2.765 2.725. 2.822 2.857. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. ± ±. 0.401 0.409. 0.369 0.379. 0.352 0.295. 0.336 0.336. 0.345 0.360. 0.241 0.315. 0.312 0.335. 0.326 0.284. 0.304 0.229. 0.288 0.339. ほとんど食べなかった(飲まな ) 人数 OSI. 小、中学生の時のカルシウムを多く含む食品の摂取頻度とOSIとの関連1)2). 平均値±標準偏差 a:「よく食べた(飲んだ)」と「ほとんど食べなかった(飲まなかった)」に有意差あり(p<0.05). 小学生 中学生. 大豆・大豆製品. 小学生 中学生. 海藻類. 小学生 中学生. 小学生 中学生. 小魚類. 乳製品. 小学生 中学生. 大豆・大豆製品. 小学生 中学生. 小学生 中学生. 乳製品. 牛乳. 小学生 中学生. 牛乳. 表4. a. a 高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連. 5.
(6) 6. 金子佳代子・伊藤. 表5. 千夏・ 北島. 光子. OSIと運動習慣との関連1)-5) 女子. 小学生の時 中学生の時 過去 1 年間. 人数. 運動習慣なし OSI. 169 101 164. 2.884 ± 2.786 ± 2.828 ±. 人数 0.301 0.271 0.291. * *. 運動習慣あり OSI. 92 160 97. 2.883 ± 2.946 ± 2.979 ±. 0.332 0.320 0.324. 男子 人数 小学生の時 中学生の時 過去 1 年間 1) 2) 3) 4) 5). 96 52 98. 運動習慣なし OSI 3.020 ± 2.949 ± 3.024 ±. 人数 0.348 0.304 0.338. + * +. 運動習慣あり OSI. 139 183 137. 3.117 ± 0.386 3.114 ± 0.383 3.116 ± 0.393. 平均値±標準偏差 運動習慣なし : 「体育の授業以外には週に3日未満しか運動していない」群 運動習慣あり : 「体育の授業以外に週に3日以上運動している」群 *:「運動習慣なし」群と「運動習慣あり」群との間に有意差あり(p<0.05) +:「運動習慣なし」群と「運動習慣あり」群との間に有意傾向あり(p<0.1). 5. OSIに影響を及ぼす因子の検討 重回帰分析の結果を表6に示す。女子において選択された独立変数のうち標準回帰係数(β)の最も大 きい変数は体重で、次いで中学生の時の運動習慣、最近1週間の牛乳摂取頻度、中学生の時の乳製品摂取状 況、過去1年間の運動習慣であった。これらの独立変数には共線性は認められなかった。重相関係数は0.492 (p<0.001) 、自由度調整済み決定係数は0.227であった。 男子において選択された独立変数のうち標準回帰係数(β)の最も大きい変数は最近1週間の牛乳摂取頻 度で、次いで握力、中学生の時の運動習慣であった。これらの独立変数には共線性は認められなかった。 重相関係数は0.305(p<0.001) 、自由度調整済み決定係数は0.081であった。. 考察 高校生を対象として、OSIと体格や生活習慣等との関連、OSIに影響を及ぼす因子について検討した。 骨量は、DXA法を用いて測定する方法が、信頼性が高く正確であるとされる。しかし、微量ではあるが 放射線被曝があり、成長期を対象とする調査でDXA法を用いることは難しい。本研究で用いた音響的骨評価 値(OSI)は、透過指標(TI)×超音波伝播速度(SOS)2 の演算式で求められる。一般に物体の弾性率(ヤ ング率:Y)と、密度(ρ)と、超音波がある物質を透過するときの伝播速度(V)との間には、Y=ρV2 が成り立つことが知られており、OSIを求める演算式がこの式に符号することから、OSIはDXA法では測 定できない骨の弾性や強度を反映する値と考えられている15)。 高校生では、OSIは男子のほうが女子よりも有意に高値を示した。岡野22)は、高校生1年生から3年生で、 Sasaki et al.. 7). は、15~18歳で、男子の方が女子よりも有意にOSIが高値であったと報告している。したが. って、骨量は15歳以降、高校生の時期から男女に差がみられ始め、男性が女性よりも高くなるといえる。 本研究では男女ともにOSIと、体重、LBMとの間に有意な正の相関関係が認められた。これは成長期の 特徴であると推察される。我々は前報13,14)で、女子においては成長期以後も体重の影響が大きいと考えら れるが、男子においては成長期以後は体格の指標との関連はみられなくなることを報告している。.
(7) 7. 高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連. 表6. 重回帰分析によるOSIの推定. (女子) 標準回帰係数(Β) 定数 体重(kg) 中学生の時の運動習慣1) 最近1週間の牛乳の摂取頻度2) 中学生の時の乳製品摂取状況3) 過去1年間の運動習慣1). 2.084 0.318 0.212 0.131 0.135 0.113. 自由度調整済み決定係数. 0.227. t値 12.98 5.69 3.74 2.37 2.44 1.98. ** ** ** * * *. 1) 「運動習慣なし」を1、「運動習慣あり」を2として、ダミー変数を投入した。 2) 「0~2回」を1、「3~6回」を2、「毎日」を3として、ダミー変数を投入した。 3) 「ほとんど食べなかった」を1、「ときどき食べた」を2、「よく食べた」を3と して、ダミー変数を投入した。 表(男子) 標準回帰係数(Β). 1) 2). 定数 最近1週間の牛乳の摂取頻度1) 握力(kg) 中学生の時の運動習慣2). 2.570 0.189 0.162 0.161. 自由度調整済み決定係数. 0.081. t値 13.16 2.98 2.59 2.55. ** ** * *. 「0~2回」を1、「3~6回」を2、「毎日」を3として、ダミー変数を投入した。 「運動習慣なし」を1、「運動習慣あり」を2として、ダミー変数を投入した。. OSIとカルシウムを多く含む食品の摂取頻度との関連をみると、男女とも、最近1週間の間に牛乳を「毎 日飲んだ」と答えた人のOSIが「0~2回飲んだ」と答えた人のOSIより有意に高値を示した。高校生を 対象とし、カルシウムを多く含む食品の摂取頻度と骨量との関連を検討した報告では、関連がみられたと いう報告7)9)10)12)と、関連がみられなかったという報告3)5)6)がある。 本研究の対象者では、小中学生の時は牛乳を毎日摂取していた人が多かったが、最近1週間では牛乳を週 に0~2回しか摂取しなかった人の割合が多くみられた。小中学生のころは学校給食などにより牛乳を毎 日摂取しているが、高校生になると牛乳摂取量の個人差が大きくなるものと考えられる。そのため、OSI と牛乳摂取頻度との間に統計的な関連が認められたのではないかと推察される。また、女子では中学生の 時の乳製品の摂取状況、男子では中学生の時の牛乳の摂取状況とOSIとの間に関連が認められ、いずれも 「よく食べた(飲んだ)」と答えた人のOSIが「ほとんど食べなかった(飲まなかった)」と答えた人のOSI よりも有意に高値を示した。このように高校生期になると、現在の食生活だけでなく過去の食生活も関わ ってくるため、骨量と食習慣との関連は単純ではなくなってくる。 運動習慣とOSIとの関わりをみると、男女とも運動習慣のある対象者のほうがOSIが高かった。これは 中学生6)7)13)、高校生3)5)-7)9)10)12)、大学生2)23)-26)、中高年27)、高齢者28)を対象とした報告と同じであった。高 校生を対象とし骨密度増加に影響を与える因子を検討した縦断的研究12)でも、中学生期及び高校生期に運 動習慣を持つことは、骨密度を増加させる重要な要因であるとしている。本研究もこれらの結果を支持す るものであった。運動が骨量に及ぼす影響は、運動の種目、強度、頻度、時間によって異なると考えられ る。中学生の例ではあるが、運動が骨量に負の影響を及ぼすことも報告されていることから29)、骨量の獲 得に望ましい運動の強度、頻度については今後詳しく検討する必要がある。本研究では、運動種目などに.
(8) 8. 金子佳代子・伊藤. 千夏・ 北島. 光子. ついての調査は実施せず、運動の頻度のみで骨量に及ぼす影響を検討した結果、 「体育の授業の他に週に3 日以上運動をしている」という身体活動レベルでも、骨に好ましい影響を与えることが明らかになった。 健康日本21における「外遊びや運動・スポーツを実施する時間を増やす。テレビを見たり、テレビゲーム をするなどの非活動的な時間をなるべく減らす」という児童・生徒に対する個人目標と考えあわせると、 日常生活における身体活動レベルを上げることは、成長期における健康増進ならびに骨に対しても好まし い影響を与えると推察される。 女子において、初経発来年齢とOSIとの間には負の相関関係が認められた。これまでに我々は、初経発 来からの年数が5年以上の対象者のOSIが最も高値を示したこと14)、及び中学生では初経発来者は未発来 者よりもOSIが有意に高値を示していたこと13)を報告しているが、本研究においても、高校生では初経発 来の早かった人ほどOSIが高値であることが確認された。 重回帰分析の結果から、女子の場合には、OSIに最も大きな影響を与える変数は体重であり、ついで中 学生の時に運動習慣、最近1週間の牛乳摂取頻度、中学生の時の乳製品の摂取頻度、過去1年間の運動習 慣であることがわかった。本研究の対象者のBMIは標準範囲であったことから、適正な体重の範囲では体 重が大きいほど骨量が高くなること、ダイエットなどで体重を低下させることは骨量の減少につながるお それがあると考えられる。男子では、OSIに最も大きな影響を与える変数は最近1週間の牛乳摂取頻度で あり、次いで握力、中学生の時の運動習慣であった。 前報13)では、中学生においてカルシウムを多く含む食品の摂取頻度とOSIとの間に関連は認められなか ったことを報告した。その理由として、カルシウムを多く含む食品の摂取量の個人差が少ないこと、中学 生では成熟と関連したOSIの変化が大きいことが考えられた。本研究の結果から、高校生では中学生と異 なり、最近のカルシウムを多く含む食品の摂取頻度及び中学生期における牛乳、乳製品の摂取状況がOSI に影響を及ぼしていることが明らかとなった。また、現在の運動習慣だけでなく、中学生期の運動習慣の 影響も認められた。また、我々は中学生において握力は筋力の指標として有用である13)と報告しており、 高校生においても男女とも握力すなわち筋力と、OSIが正の相関関係にあることが認められた。 食習慣、運動習慣がOSIに及ぼす影響は短期間では明らかにならない。中学生では食習慣、運動習慣よ りも成長のほうがOSIに及ぼす影響が大きいと推察されるが、高校生になると現在のみならず、中学生時 の食習慣や運動習慣も影響を及ぼしていることが明確になった。高校生期は男子ではOSIが成人のレベル に達する前、女子では成人と同レベルに達した時期に相当すると考えられる。そのような高校生期に骨量 を高めるためには、高校生期の食習慣、運動習慣も重要であるが、中学生期に、カルシウムを多く含む食 品を積極的に摂取し、運動する習慣を身につけること、またこのような生活を習慣化することが重要であ ることが明らかになった。 本研究をすすめるにあたり、測定及び調査にご協力下さいました生徒の皆様並びに先生方に、心より深 謝申し上げます。 なお、本調査は平成13-14年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(2)13680113によるものであ る。. 文献 1). 骨粗鬆症財団監修(2001)老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル,第2版,日本医事新報社,東京. 2). Hirota T, Nara M, Ohguri M, Manago E, Hirota K (1992) Effect of diet and lifestyle on bone mass in Asian young women. Am. J. Clin. Nutr. 55, 1168-73. 3). 秋坂真史, 座光寺秀元, 有泉 本衛生学雑誌 52, 481-9. 誠 (1997) 女子高校生のライフスタイルと踵骨骨密度に関する研究. 日.
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