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トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ・フォロワのパルス応答について (第1報)

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(1)

トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ・フォ

ロワのパルス応答について (第1報)

著者

川原 浩一郎

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

3

ページ

11-20

別言語のタイトル

ON THE PULSE RESPONCE OF A CAPACITIVE LOADED

TRANSISTOR EMITTER FOLLOWER (No. 1)

(2)

トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ・フォ

ロワのパルス応答について (第1報)

著者

川原 浩一郎

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

3

ページ

11-20

別言語のタイトル

ON THE PULSE RESPONCE OF A CAPACITIVE LOADED

TRANSISTOR EMITTER FOLLOWER (No. 1)

(3)

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川 原 浩

ONTHEPULSERESPONCEOFACAPACInVELOADED ’rRANSISTOREMIIlTERFO皿OWER(No.1) K6ichir6KAWAHARA

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uSe. 実験を試みたので,ここに御報告し御批判を乞う次第 である. I . ま え が き エミッタ・フォロワは現在各種パルス伝送回路の段

間整合,或はディジタル電子計算機における論理演算

回路の励振器,記憶素子の駆動等にしばしば使用され るが,負荷側伝送回路に必然的に存在する浮浦容量, 其他分布容量のために,特にパルスの立上りの初期に 発生するリンギングは回路の総合的な応答特性を劣化 させ,又誤動作等の原因となるので極力除去されねば ならない. そこで容量性負荷のエミッタ・フォロワを負帰還性 を有する能動伝達系として,その伝達関数並に過渡応 答特性を解析することにより,パルス伝送に関する種 々の特I性を知ることが出来る.通常コレクタ接地形は 100%の電圧負帰還形の増巾器であるから.電圧増巾 度は1以上になり得ず持続振動の発生は先ず考えられ ないが,特に負荷が容量性の時にはパルスの立上りで, 不安定となり易く,オーバーシュート,或はリンギン グが発生する.此等の現象を抑えるため各種の安定化 回路が考えられているが,今回は先ず基本的な容量性 負荷における不安定性の発生機構についての解析並に 2.エミッタ・フォロワの等価回路 エミッタ・フォロワの基本回路は第1図に示すごと く,コレクタは交流接地され,電源抵抗R‘を含む電 圧源より入力zノ,がベースに印加され,出力はエミッ タ・インピーダンスの両端より取出されるものである.

トランジスタの容量』性負荷を有するエミッタ・

フォロヮのパルス応答について(第1報)

パルスに対する応答を解析するためには,その繰返 し周期の少くとも数倍の高調波迄充分有用な高周波等 価回路を採用せねばならないが,一般に高周波用とし て,しばしば用いられる第2図(a),(b)に示した混 成〃形,並に変形T形の等価回路について考察を進 めてみる. ’一一W 1 第 1 図 エ ミ ッ タ ・ フ オ ロ ワ 基 本 回 路 :I急電気エ学教室

(4)

( a ) 混 成 刀 形 ( b ) 変 形 T 形 第 2 図 高 周 波 等 価 回 路 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 号 いずれも接合形トランジスタの物理的な基本モデルと 対比させて解析された等価回路であり,各パラメータ は低周波にて測定される四端子パラメータより計算出 来るものであり,第1表に高周波一般に用いられる2 SA17(第2表参照)についての夫等の概略の値及び内 部容量の値を示す. Ci殉 第 1 表 各 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ ( a ) 混 成 〃 形 ( b ) 変 形 T 形 第 3 図 簡 略 化 さ れ た 高 周 波 等 価 回 路 そこで,パルスの応答に対しては,第3図(b)を用 いることとし,i・画,CD'eは墨に対して,一応無視した 回路で今後の解析を行うものとする. 3 . 伝 達 特 性 先ず解析の第1段階として,入出力の伝達比叱/zノ0 より,伝達関数を求めてみる. エミッタ負荷をCeとRLの並列回路とした時,電 圧源ひgの両端より見た入力インピーダンスは次式で 与えられる.

=

R

s

+

,

+

j

(

'

+

)

但し,Rs=R,+'.‘‘:でc‘'cはc‘に含まれる.

短絡電流増巾定数βは一般に複素数で第'近似の式

として,次の式を用いることとする. . β 0 β=−……・………・……・…(2) 1+ノーgL のβ (2)式におけるβoは低周波におけるイ直で,のβはβ がβ0より3db低下する場合の角周波数,いわゆるβ 遮断角周波数である. そこで伝達比はG(/の)=zノェ/"0=(1+β)垂/Z7〃で あるから

r

)

(

'

;

:

7

G(")=

+

,

)

(

'

+

)

となる.(3)式は周波数の変化に対する電圧利得を与 えるもので,ルー0とすれば,直流並びにの<のβな る低周波における利得を与えることになる.又この式 ののを変化させれば,いわゆる周波数特性が計算出来 るわけであり,ccの効果はこの場合では高域における 増巾限界を向上させる.即ち高域における負帰還電圧 を減少させる効果を持つと云える.この事は実はパル ス応答と対比させれば,Ceが或る規定の値より大きく なれば高城の利得が上り過ぎて,リンギングの原因に 8 1 . M , B ’ 12 UJT便

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ぴ池ぴmpF 呼画岬蝿皿皿 一F一一一一一帳帳・権 鋤駒辞grC

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p ”丞郵、唖 一一一一一一一一1 姥恥恥助↑ L e

gc・ Z . 図中B'点はトランジスタの実際の能動部分のベー ス端子であり,四端子パラメータより計算されたT形 等価回路におけるごとき,仮想的な結合点ではない. 即ち,高周波になるとトランジスタ内部における種 々の容量が問題となり,この容量を合理的に等価回路 に挿入することが高周波用として要求されるわけであ る.又r・りり'は本質的にはベースの形状並に抵抗率に依 存し,直流バイアスには無関係なオーム抵抗,いわゆ るベースひろがり抵抗であって,高周波におけるベー ス領域の損失は殆んびこの抵抗によって起る.パルス の最終到達値の直流レベルについては普通の意味のベ ース抵抗70を使用して,計算しなくてはならない. 第1表よりわかるごとく,第2図(a)における96'暇.gbe の逆数並に(b)図における'・cc'はコレクタ抵抗'・‘と 殆んど等しく,其他の成分に対して,充分大きな値と なるので,通常無視し得るもので,第3図(a),(b)の 如く簡略化する.第3図(a)において,電圧源9,脇'‘ は内部インピーダンス,96'e,Cb'eの両端の電圧に関係 するもので,(b)図に比べてや農複雑であるが,最大 利得一帯域巾積におけるメリットを表示する際に便利 である.

躍等価噌|変形r形|混成〃形

吃 = 2 4 2 ノ・cc=2Mmg 叱り'=1009 9cc=5×10−2mぴ β0=110 CD,c÷l0PF

(5)

川 原 : ト ラ ン ジ ス タ の 容 鼓 性 負 荷 を 有 す る エ ミ ッ タ ・フォロワのパルス応答について(第1報) 13 なるということになる. ところで,伝達関数は(3)式のjのをSで置き換え 更に次のごとき置換を行えば

"

=

(3)式は次のように整理される.

=

K

P

2

(

,

f

G

(

,

+

,

.

.………・・・…………・・・…..(4) 但し,G(P)におけるすべての初期値は零と置く.即 ちパルス応答では,ベース入力零の時にはコレクタ電 流は遮断され出力電圧は零となるようにする. そこで(4)式のごとき伝達関数を有する能動系の過 渡応答を求めるため,電源として,ひ,〃なるステップ。 ・パルスを加えれば,出力応答は次式で表わされる.

"

(

P

)

=

G

(

P

)

P+β0+l G

P

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P

2

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K

)

P

+

'

+

G

w

'

'

…・………・……。(5) (5)式に対する時間関数は特性方程式(分母のPに 関する2次式)の根の所在により次のごとき3種の応 答を与える.

=

4

'

[

s

i

n

(

'

+

'

0

]

(

6

-

1

=

"

[

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{

2

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(

'

G

'

)

,

'

}

.………・………・(6-2)

=

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[

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'

:

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]

(

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3

但し

“=L土器………(7)

β

±

,

(

l

)

2

-

2K

4

{

1

(

1

β

0

)

注.βの根号内の正負零は(6-1∼3)式に応じ て 与 え ら れ る .

麺=,鮒粉………(9)

,

,

=

t

a

n

-

l

f

,

=

t

a

n

l

r

i

α=G一端

'

=

の0=β①β 特性方程式の根のP平面上における位置をG,Kの 種々の値について求めて置くことは,時間関数が上記 の3つの応答のいずれを呈するかを決める上に非常に 便利な一方法である.例えば(6-2)式のごとき臨界状 態の場合には等根となり,常に負の実軸上にあり,又 虚数部が現われて,複素根となることは減衰振動成分 が発生することになる.次に此等の根がG,Kによっ て変化する様子を次に計算してみる. (7),(8)式のα,βより夫々G,Kを消去すれば, K》GをパラメータとしたP平面上における特性方程 式の根の軌跡を示す円群の方程式が得られる.

{

α

+

L

±

L

β

[

'

±

:

2

]

2

(

{

α

+

(

'

+

β

)

}

2

+

β

=

[

,

/

{

K

(

'

+

'

)

]

………・…・・………・………..(11) (10)式については,G=0の時α=-1,β=0の点, G→COでは{α+('十βo)}2+β2={I/β0(1+β0)}2なる 円,(11)式についてはK=1/1+β0の時'α=一(1+ β0),β=0の点,K→。。ではG→。。と同じ円となる. 即ちG円群では−1,0を含み中心がGと共に実軸の 負の方に移行し,且つ半径が増大し,GCCの円となり, 又K円群は−(1+β0),0を中心として,半径が増大 してKも。の円となる.此等の各々の円群の交点はG’ Kの或る値における根の位置を示すもので,負の実軸 上で両円が外接すれば臨界状態,離れて実軸を切れば 相異なる実根,即ち(6-3ノ式の潜動状態,それ以外で は振動し,交点はその角周波数を与える. 実用的に見れば2つの交点を有すれば必ず振動成分 が現われるので,これを避ける様なG,Kを選ぶこと が出来る.第4図は根の軌跡を示す円群を画いたもの ですべての根がP平面の左半面に存在することは,こ の回路の性質からもうなずかれる.又最大円はβoに よってその半径が変化し得るもので,β0が大きくなれ ば振動域が拡って来ることが知られる。

(6)

14 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 号 j β −m【

第4図特性方程式の根の軌跡を示す円群

(G,Kパラメータ)(β0=120)

3.G,K平面上のβの変化

以上述べたごとく特性方程式の根の状態によって,

応答パルスは時間域で潜動,臨界,減衰振動の各波形

を示すが,此の判別の基準は(8)式の根号内の正,負

零によって夫々決定される.そこでG,Kの変化によ

って,根号内の関数XG,K)が如何に変るかを調べる

ために先ず臨界状態を与える式

/(G,K)=K2+G2−2GK(1+2β0)

−2K+2G十1=0……・………・・(12)

をβ0をパラメータとしてG,K平面上に於いて,解

析してみる.(12)式は有心2次曲線を与える一般式

g(G,K)=αK2+6G2+CGK+丞十eG+仁0

と類似な形をしてをり,係数の関係から双曲線となる

ことが予想される.

そこで先ず簡単のために(1+2β0)=αと置いて,GK

夫々について,1元2次方程式として,(12)式を整理

してみると,先ずKについて,

K2−2(1+αG)K+(1+G)2=0.……・……・…(13)

上式において,K=−Gと置けば(13式の曲線群は実

は直線K=一Gについて対称であるから,Gについて

巾の順に並べたものと同じ式が得られる).

G2+2(1−αK)G+(1−K)2=0....………・….(14)

(13)式をKについて解けば,(Gはパラメータ)

対称'性より(15)式でK=一Gと置けば, G1=一(1−αK)+,/(l−aK)2−(1−K)2

=

_

(

,

_

K

)

-

(

,

_

(

'

K,=K2,G1=G2,即ち等根条件を与えるのは,(15)

及び(16)式の根号内が零の時で,計算結果をまとめ

ると次のごとくなる. G = 0 の 時 K , = 唖 = 1 G=−1/1+β0の時Ki=K2=一β0/1+β0 K = 0 、 の 時 G 1 = G 2 = − 1 K=1/1+β0の時G,=G2=βo/1+β0 次にβ双曲線の特別な点として.その底部一今その点 をP加点とする−の位置を求めてみる.第5図より明 らかなごとく,その点はもう一本の対称軸

=

K

(

'

7

との交点を求めればR"し点の座標(G,臆,Kう,,)が得ら

('3)式と('7)式とを連立させて,G"”K、を求め れば次のごとくなる.

:鞠…一…

β0が変化した時,P加点が画く軌跡を求めるため, (18)式より,β0を消去をすれば K、+Gm=,/Khl-G加・…………・………….(19) が得られる.('9)式を2乗して整理すれば Kう,↓2+G”2+2G".K》,一遍肌十G7腿=0…・….….(20)

(20)式はKm=一Gm,なる直線に対して対称であ

り,('2)式の曲線群の概形を調べたのと同じ手法に

より,(20)式の図形を調べてみると,等根条件より

(便宜上加を省略する)

G=;の時Ki=唾=号

K=-青の時G』=G2=-;

となり,更に原点,(0,1),(−1,0)で交はる放物線で

あることがわかる.

以上の諸条"件より(12)式の表わす曲線群の概形,対

称軸等を示したものが第5図であり,安定,不安定の

境界がβ双曲線となる.尚,図形的には第’’第3象

限にG=一Kなる直線に対称な位置に双曲線群が存在

しているが,特に第’象限にある双曲線の不安定域

(('2)式の/(G,K)<0となる範囲,即ちKi<K<

瞳,G1<G<G2)は第4図の円群の同じβ0に対する最 大円の内部に対応するものである.設計上の有用さの

点から云えば,両方とも同じであるが,円群では,α、

β共に計算された値が直読出来る利点がある・一方双 曲線群では各G,Kにおける安定,不安定が視覚的に

(7)

1 O AP 〆〆〆. 15 −1斗Ⅲ叫似隅隅羽倒周肘脹﹄ヒレ腰レラ〆〆〆﹀へぼヒレにし とらえ易く,安定な動作を与える附加容量の最大値, 又電源抵抗の最適値等を求める際には使い易い. このように種々の補助曲線並に直線によって,与え られたβ0について.臨界応答を与える双曲線の概形を 画くことが出来,安定なパルス伝送を与えるG,Kの 組合せについて,即ちRg,Ce,RLについての設計資 料が容易に得られる.第6図に現用のトランジスタの 持つ実用範囲のβ0における臨界曲線のや聖詳細な図 面を示す. 9d−o印 0.7 、 一人-)l÷β。 / ' 、 、 、、 、 、 、、 '十βC l(..Bj−ol+βqIimK-J‐)

/

_

5 . 立 上 り 時 間 臨界状態における応答波形は実用的にも有用なもの で,この場合の波形の良さを表わす立上り時間につい 節 5 図 β 双 曲 線 の 概 形 0 10000 15432 、 、 、 、 、 、 、、 β G

1.2 1.0 0.9 ずβ0=lⅡ 08 地 、、、、、− 111︲ユ 川原:トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ ・フォロヮのパルス応答について(第1報) 、、 、、、

0,6 0.3

(; n 医 0‘2 、咽’

ビムI

0.1 Ⅱ 、 、 、 、 、、、、 霊室園理 、 ′ 0 , 1 0 2 0 3 0 . 4 0 . 5 0 , 6 0 , 7 0 . 8 0 . 9 1 , U K 第 6 図 臨 界 曲 線 群 β 0 パ ラ メ ー タ

ての考察を行ってみる.臨界曲線上の各点の立上り時なり,(21)式のごとき簡単な形となる.

間はG,Kの変化と共に異った値をとる.そこで最小〃L(r)=A"6{1−e-('+βo)⑩β‘)…・………・….(21)

の立上り時間を与えるG,躯を求めるために先ず(6立上り時間恥を応答波形の最終直流レベルの90%

−2)式についてK'一G'>0,即ちK>1/1+β0,G<β0に到達する迄の時間とすれば /1+β0の場合を考えてみると,いずれもe-""β‘の係

÷

;

(

2

2

数{2βKー(K'一G′)のor}の値を小さくして,立上りを遅

くする.K'一G'=0即ちK=1/1+β0,G=β0/l+βo(第で与えられる.本来から云えば(6-2)式よりZRをG’

5図におけるEP点,β0の変化につれて,G+K=1なKの関数として,G又はKについての最小値を求め

る直線上を移動する)の時は(K7−G')のorの項は零とるべきであるが,(6-2)式がrに関して,超越方程式

1

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"

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(8)

16 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 号 となるから,直接解く事は困難で,上記のごとき,視 察を行ったが結果は実験的にも確かめられた. 与えられたG,Kに対しては(6-2)式よりrの変 化に対するひz,(r)を計算で求めて,応答波形を画き 立上り時間を求める方が実際的で有用である. 応答波形の立下り特性はパルスのdutyfactor30% 以下で使用する時は,殆んど次に来るパルスの立上り に与える影響はなくなるので,余り重要ではないが一 応ここで検討してみると,(6-2)式において,パルス の持続時間をrに代入すれば,入力トリガが切れる時 のりEが計算出来て,それ以後は負荷のcc,RLの時 定数で決まる単純な減衰を呈することは容易に理解出 来る.但し,Gが小,即ちROの大なる時立上りの初 期にデッド・タイムZbの生じる場合には,それのG に対する変化を計算して逐次補正して置く必要があ る.この、〕はトリガの切れる時には発生しないので 飽和現象によるものでなく,エミッタ側の電荷の蓄積 と考えられる. 6 . 実 験 結 果 (6-1)供試トランジスタ エミッタ・フォロワの過渡応答特性についての実験 には第2表に示す測定データ(メーカーの測定による もの)の日立製PNP形のトランジスタを使用した. 第 2 表 パ ラ メ ー タ 実 測 値 I 供 試 ト ラ ン ジ

亀蔚‘灘│患

型 式 /舵(β0) ス タ 名 称 2 2 2 PF Mc 2 S A 1 7 1 合 金 型 ’ 1 0 0 5 2,500 100 11 21 測 定 条 件 死=−6VDC/=270C/S恥 = 1 m A D C ノー1OMC リノb=−6V IE=0 /=1Mc 2 S A 2 4 7 1 メ サ 型 1 2 0 測 定 条 件 =270C/S 2SA247におけるノ・b0'はエミッタ接地出力短絡入力 インピーダンスとして測定されたもので複素数として 与えられている値のうち実数部を採用したものであ る.J・bは(9)式の値を求める時に必要で,応答パルス の最終直流レベルの算出には】・bl,'でなく,肋を用いる べきであるが,このノ・bI/→1.6への接続を解析すること は相当むつかしく,(6-2)式ではA丈単独にI.bで算出 した. 〃e(β0)は小信号時の値であるが大振巾パルスの増 巾にその侭用いるのも又問題であるが,一応近似的に は等しいと考えて,出力波形の計算を行った.使用し たパルス・ゼネレータは三和製のSHP−5M形の高速 度パルス用である. (6-2)立上り特性 繰返し周波数100Kc,パルス巾2.6浬s,立上り時間 0.04浬sのパルスを入力として,臨界線上の各点の応答 波形の立上り,並に立上り時間を(6-2)式による計算 値と実測値とを第7図,第8図に示す. 里 PF Mc 30 4 218

仁'00MClに縦

図中①なる番号の実測値はCe=CD,c時,すでに立上 りのオーバーシュートが現われているものである.実 測値は計算値より立上り特性が悪く,(6-2)式のα又 は最終直流レベルAに多少の修正が必要であると考え られる. 然しGが大きくなれば,立上り特性が改善されるこ とは第7図よりも明らかで,最良点K=1/1+β0なる 点はcc'cによって実現不可能である. 第9,第10図は夫々2SA17と2SA247の臨界曲 線の各点の応答波形の実測値を示す.Gが小さくなる と,即ち電源抵抗R聯が大きくなれば立上りの初期に 遅延(応答の現われない時間,いわゆるデッドタイム TD)が生じているが,この現象はRsが大きくなると ベース,エミッタの順方向バイアス電圧により流入す る電流が極めて小さく,注入された大部分の小数キャ リアがエミッタ接合容量の充電に賀され,コレクタに 少数キャリアの到達しない一種の遮断状態となる.其 後Rsとα,e及び'・回で決まる一定時間後始めて躯 トリガがかかり,(6-2)式による応答波形が現われる

(9)

L − ‐ 17 臨界曲線上の立上り特性(2SA17) 実 線 観 測 値 点 線 計 算 値 ①∼③迄のG,K又はRg,Ceは節 9 図 〔 B 〕 参 照 第 7 図

111000n

IIIⅥ出力勉雌︵V︶

グ 2ハ〃︽b︽U0凸恥﹄0

k

一’一 一一 一一一 一 一 一 一 O 』 U ・ z O . ; I , 0 . 4 ( 1 5 - 0 . 6 0 . 7 0 . 8 0 . 9 川 原 : ト ラ ン ジ ス タ の 容 量 性 負 荷 を 有 す る エ ミ ッ タ ・フォロワのパルス応答について(第1報) 6H あるが,設計上の資料として是非必要なものである. というのは計算によれば.既に述べたごとく,β双Illl 線として明確に求められるが,実測する場合は,例え ばGを一定に保ちKを変化して行くと,次第に立上 りが早くなり(第9図(A)第10図(A)参照)振動 に到る過程の中から臨界状態を見出さねばならない. オーバーシュートの現われる寸前では,計算から云え ばすでに不安定域に到達している可能性が強いが,実 測においては最も区別し易い点として境界を求めてみ た.実用上はこの考えにおける臨界線は意味のあるも ので,むしろ周波数特性における最大平坦特‘性の考え と同様な意味で用いた. 第1l図には上述の意味での臨界Illl線の実測値とβ0 =120の時の計算値とを示してある.負荷抵抗は夫々 500。,1KJ2の場合について実験したが,2SAl7では Kの小さいところでは計算値に接近するがK>0.05で は双方共相当離れて来る.又2SA247では斜線以下の KではC6'cによるオーバーシュートのため実測出来 ず夫々計算値よりGの大きい方にずれているが,これ はRLに直列に挿入されるr必が影響していると考え られる. いずれの場合も計算値と多少のずれがあるが,最大 平坦の意味での臨界IHI線の実測値であることと,RLが 迎えば当然その平坦特性の現れ方に影響が出て来るこ とが原因していると思われるが,理論的な最良点でな く実用範囲のG,Kが選択出来るという利点もある. 又2SA247では特に,K=1附近ではKの増加,実 際はC‘の増加(Gは一定値にとる)によるオーバー シュートが現われず,立上りが早くなり又遅くなる様 75.局68.2、鰯 、 1 、 ・ 第8図立上り特性2SA17,RL500J2 ものと考えられるが,定量的な取扱いについては目下 検討中である. 以上述べたところから,応答波形そのものはほ賞 (6-2)式によって表わされ,等価回路の適用性,其他 の簡略化が実用上満足のいくものであり,エミッタ・ フォロワの設計上有用なデータを提供するものである と考えられる.但し,遅延時間に関してはもつと別な 立場より解析し,(4)式又は(6-1∼3)式に遅延時間 を導入して,修正を行う必要があるが(これは波形そ のものについては本質的な影響は与えない.只応答の 発生する時間の変更丈である.)この問題についての詳 細は別の機会に行う予定である. (6-3)臨界特性 臨界曲線を測定によって求めることは,甚だ困難で 11 111 0-9 OS ’・0.7 J/、 . ' :

I

1 M ∼ /ISO、5 ,−J 0.1 0." 0.と 0.1 0 G RP(Kの C(1)F) 一息:二一.1.ツ イ》.、jO.')(;(1.【:B堅《》.、11〕.〔ii 型 _ 品 8 . ] 5 , 今 』 8

(10)

戸、 18

1Ⅱ

8−

10000

、0 ) へ、

G 一 ノ/ 170 「、一「− │ I ’ 入 力 パ ル ス '③0.20.40.60.8 K 一 一

G=K-式上の各点の値

[A]直線G=K-向上の各点の応答波形

1.0 、 6

0.8

0.41 0.2 、 1 Z 3 1 1 一 一 一 ノ

臨界IMI線上の各点の値 出」臨界IIil線上の各点の応答波形 第 9 図 パ ル ス 応 答 実 測 波 形 2SA17,RL500p

'bq20.40.60β1.0

K 一 一 ③0.20.40.60.8.1 両 一 一 ノ 、 カ ハ ル ス | | − ⑤。0.20.40.60.8] K 一

四直線G=K一点上の各点の応答波形

鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 号

錨.20.4K里us]

, 8

実 測 波 形 RL500p : 8

00

、 4 ー

'bq20.40.60β1.0

K 一 一

0864︽2

■■●■巴

10n︾O0

tflG

G=K-式上の各点の値

1 コ 「B1臨界曲線上の各点の応答波形 第 1 0 図 パ ル ス 応 答 2SA247, 臨 界 線 上 の 各 点 の 値 2−5 G

{ W 安 一

0噸Ⅵ粋稲

:只只器’

i

--竺

I

入 力 パ ル ス Ⅱ G 0.005 0.01 0-02 0.013 0.06 0.1 0.3 『1胃6−‐ K 0.014 0.019 0.029 0.052 0.069 0.109 0.309 0‘609 R属(K鋤 100 50 25 11・5 8.1 2.3 ユ.5 C・〔PF) 12 20 37 75.5 100 337 500 2 一一、 0.9917 0.1 O△06 0.04]3 0.03 K 0△0083 0.0242 0.0364 0.0496 0.0647 R$(kg) 8J 65 q(PF) 12 6 0.02 001 0.005 0090 0.242 50 100 33.5 1 6 5 4

民③ / 0.5 VI‘

+

'

1.肘 (V)

)

1

)

︷︲︲112

農に論

:62.02.42,8

崖ミニ三二三二斗

ロ ー ∼ i

r意

(8)

G 002 0.0413 0−06 0二 0.3 0.6 K qO282 0.0496 0.0682 0.1082 0.3082 0.6082 R輿(k必 25 12 8.1 1.5 0.72 CA(PF) 13 225 70 150 4.戸。 〔; 0.991 0.1 0.06 0.043 0.0 、_02 0.0】 K 0.009 0.028 0.0396 0052 0.063 0.163 R,(K』。) 0‘3 8.1 ユ1.5 ユ6.5 50 C。(PF) 45 68.2 75.5 94 ユ50.5 260.4 0.005 0.2554 100 412

一エ・5:

(

v

)

1

1t−−.1

O0g401S1:2j,62.02.4

lL, (ノ唱 2.8

−1‐‐1− 可−1t+’1鰹s)

00.20.40.60.81.01.21.4 −一一一一一一一

。騨悶

入 カ バ ル 兵

|:

、 ③

一一

' 通 /

(11)

オ ー バ ー シ ュ ー ト 〃 〃 1.785 〃 1.85 〃 〃 19 オ ー バ ー シ ュ ー ト 〃 ノソ ノア 1.785 〃 1.85 〃 0 . 0 6 0 . 0 6 9 8 . 1 7 0 . 1 0 . 1 0 1 5 ‘ 5 5 0 . 2 0 . 2 0 9 3 . 3 7 0 . 3 0 . 3 0 9 2 . 6 0 . 4 0 . 4 0 9 2 . 2 1 0 . 6 0 . 6 0 9 1 . 8 1 0 . 8 0 . 8 0 9 1 . 6 1 0 . 9 9 1 1 1 . 4 9 1

︵⑪P印、⑭⑰︼品Ⅲ

︵Ⅲ︽UOOOO

G 0 . 6 0 . 7 0 . 6 U , U

賑K曲線線

0 . 1 0 , 9 0 . ; I U . 、 ’ 第 1 1 図 臨 界 実 点 i 1 . 線 実 測 値 2SA247 2SAI7 子が良く観測された.(2SA17ではK>0.4では立上 りが極端に遅くなりこの点は観測出来ない)もつと厳 密な意味で臨界曲線を画くには,観測的に区別し易い 基準を設定するか,予め計算された波形に会う応答を 示すG,Kを選ぶかであるが,周波数特性の方から, Ceについての平坦性を調べて,対比させることも一方 法である. (6-4)リンギング周波数

GK平面上におけるG=K-両癒る直線上に

おける減衰振動の周波数及び実測値を第3表にまとめ

てみた.減衰振動波形の特長として,立上りの遅い程,

振動の持続時間の長い事が挙げられるが,(6-1)式か

らのβの大きい事は減衰振動の減衰を早め,(22)式か

第 3 表 リ ン ギ ン グ 周 波 数 ( a ) Z S A l 7 ク リ テ ィ カ ル ク リ テ ィ カ ル オ ー バ ー シ ュ ー ト 〃 〃 オ ー バ ー シ ュ ー ト 1 2 . 5 〃

716283

4357112 □■■■■■● 92334444 1111111 リ ン ギ ン グ 周 波 数 ( M c ) G ’ K M7115679 2799999

凡11111112

8 1 a 422 ×8““哩麺”卵”

a96432211

のβ 7 1

69

01234689 巳●●●■■⑧● 00000000 1Kg RL=500J2 700J2 Mcldeg. 0.0683 0.1083 0.2083 0.3083 0.4083 0.6083 0.8083 1 笛9 〆ノ ノソ 〃 〃 44.9 63.15 76.65 81.1 83.28 85.5 86.63 87.28 オ ー バ ー シ ュ ー ト 〃 1.785 〃 1.85 1.92 〃 2 川 原 : ト ラ ン ジ ス タ の 容 量 性 負 荷 を 有 す る エ ミ ッ タ ・フォロワのパルス応答について(第1報) ノ 1KE s−1 ×106 67.4 45.4 27.6 21.71 18.05 14.81 13.2 12.2 (b)2SA247 Z/ 12.5 〃 8.25 5.56 3.38 2,66 2.21 1.815 1.615 1.495 Mc Rノ.=500j2 リンギング周波数(Mc) G K a のβa

至電ニーー 目、ー し冊諏:山.. 1.一 一 1

(12)

20 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 号 ら立上り時間の小さくなることがわかる.又,β双曲

(

=

K

F

)

G,Kの増大と共に増加していて,又,Gが増加すれ

ば位相角61が大きくなることが第9,10図より確か

められ,更に立上りの初期のピーク値は入力波形の直 流レベルより大きくなる. 2SA247ではG=0.991で約30%も増大しているが これによって,規定エミッタ,ベース順方向バイアス を越えない様に注意を払う必要がある. 7 . 結 論

(1)エミッタ・フォロワで安定なパルス伝送を行

うためには,臨界曲線上に於けるG,及びKを選べば

充分であるが,立上り特'性の点から,応答が早く,且

つ安定であるためにはG,Kの値に特に考慮が払われ

ねばならない.2SA17を例に取れば,立上り時間を0.3

"s以下にするにはKは0.03以下Gは0.1以上,即

ち負荷抵抗5009でR,<5K2,c‘<45PFにしなく

てはならない.又ccには必然的にG"cが含まれるか

らc‘,c÷10PFとすれば並列に挿入出来る容量の最大

限界は35PFということになる.立上りの最良点は

K=0.009で与えられるが.この場合ではC‘はCO'。以 下となり,実際には実現不可能である.

(2)立上り特性を良好ならしめるには,立上りの最

良点K=1/1+β0を出来る丈大きくして所要の立上り

時間以内で附加出来る容量の範囲を拡げることであ

る. この為にはβ0を小さくすることが必要であるが,β0

は50以下迄下げないと著しい効果は期待出来ず,又利

得が大きく得られず不利である.又のβが大きい事は

立上り時間は短縮するが,これも亦,cどの範囲の拡大

には矢張りマイナスの効果をもたらすが,2SA247の

立上り特性で検討したごとく,K>1での第2の臨界点

での動作は実現出来れば興味のあるところである但 しこの場合はどうしてもGが相当に小さくなくてはな らぬから果して,特性の向上があるかは疑問である. 電流増巾率βの高周波における減衰をインダクタン スによる共振で補う方法は,通常,負荷抵抗にLを直 列に挿入することによって為されるが,この種の補償 回路も,検討してみる必要がある. (3)電流増巾定数β0の立上り特性に及ぼす影響を もっと詳細に検討すべき段階であると考えられる.現 在では殆んど低周波小振巾における定数を一定値とし て,計算に用いているが,パルスでは出力の最終直流 レベル迄直流的に相当な変化があり,その間すべてβ0 が一定値であるとは考えられない.即ちβ0を動作バイ アス電圧の関数と考えねばならないという事になる が,この問題は非直線性を含むことになり,解析が相 当煩雑になると予想されるが,簡単な直線関係で近似 して,伝達特性に導入して見ることは無駄ではないと 考えられる. (4)解析に用いた変形T形等価回路は,伝達関数を 求める際に相当な近似を行ったが,結果的には種々の 特性を説明するのに充分である. もつと基本的な複雑なものを用いるともつと詳細な 結果が期待出来るが,伝達関数の次数が上り,時間的 な応答を計算することが非常に困難となる.特性方程 式については3次になると,解析が余程複雑になり, 2次に簡略化出来る条件を色々と与えて,実際には2 次における応答を考えればよいことになる.今後はこ の解析を基にして,ベース側に零点が挿入された場合. 又L補償等について取扱って行き度いと考えている, 謝 辞 此の報告書は筆者の九大工学部電子工学科にて内地 研究中に,実験を行ったもので,同科米山教授のエミ ッタ・フォロワの安定化について解析された理論を骨 子として,パルスの応答特性に応用したものである. 等価回路の有効な簡略化,各素子の定数の規格化,特 性方程式の根より安定不安定について論ずる事等,同 教授より御教示を受けた所大である.ここに改めて, 感謝の意を表する次第である. 終りに,この稲をまとめるに当り,終始御指導,御 鞭推を賜った恩師中富教授に感謝致します. 文 献 (1)米山:Emitterfollowerの安定性について. 昭和38年度九大工学集報. (2)B6n6teau:Stablewidebandemitterfollo‐ wers,Fairchjldsemiconductors,APP-41. (3)JoyceandClaIk:TransistorCircuitAnaly‐ sis,p264∼269,AddisonWesley.

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