Japan Advanced Institute of Science and Technology
JAIST Repository
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Title
通信プロトコル技術の技術軌道の分析(ITと科学技術)
Author(s)
藤井, 章博; 玄場, 公規
Citation
年次学術大会講演要旨集, 18: 343-344
Issue Date
2003-11-07
Type
Conference Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/6895
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す
るものです。This material is posted here with
permission of the Japan Society for Science
Policy and Research Management.
2B04
通信プロトコル 技術の技術黍道の 分析
0
藤井草 博 ( 文科 省 ・科学技術政策研 ) , 文場合 規 ( 東大工学 ) 1. はじめに な 定量比較に利用する 観点からは、 ひとっの ギ c 文書は 、 何 我々は、 これまで文献 [4] で、 インターネット 技術の技術 爽 らかの特定の 要素技術に関してまとめられた 検討結果を表し 叱る 、肚
C を利用して計量的に 分析することを 試みた。 TCP/IP ていることから、 個別のよ書で 対象となっている 要素技術の と 呼ばれるインターネ、 ット の核となる通信プロトコルについ 独立性と重要性を 表している。 さらに、 特許や学術論文同様 ては、 技術 変ィヒ の初期の段階でいわゆる「ドミナント・デザ に 、 ギ C として技術仕様が 採択されるということは、 研究者、 イン」の形成に 対応する様相が 見られた。 また、 インターネ、 技術者にとって、 当該技術分野における 創造的な活動の 成果 、 ソト 利用が進展し、 接続ホスト数が 増大する状況の 中では、 0 表明であ り、 このことが採択に 向けた貢献へのインセンテ 利用技術が技術変化を 駆動してきたことがデータの 上から明 イ ブを与えてきたといえる。 また、 ぜ C は、 インターネット らかになっ広本稿では、 要素技術として 1ト
ティン グ を取 における通信プロトコル 全体を取り扱い、 システム全体の 仕 り 上げ、 その技術黍道について 分析を試みる。 様 策定が対象であ った。 このことは、 通信プロトコルの 技術Dosj は、 「技術黍道 (Tec ㎞ ologicalTraJecton 丑 s) 」を「 あ 変ィ 巴の全体像を 網羅していることを 意味していると 考えられ
る 技術上の概俳を 核として形成される 技術進化の道筋」と 視 る 。 これらの点を 考慮すると、 廿 c を技術 変ィヒ の計測に利用 定し 、 この概念により 技術変化の方向を 分析する方法論を 提 することは妥当であ ると考えられる。 喝 した。 Ⅲ -- 方 、 インターネ、 ット 関連技術は、 今後も絶えざ ギ c の内容は 、 「インターネット 標準に関する 文書」と「 そ る 技術 変 7% が予測され、 これまでの技術黍道に 関する分析は の他の文書」に 大別できる。 前者は『インターネ、 ット 標準凹 科学技術政策上の 重要な課題であ ると考えられる。 な 形成する文書辞およびその 候補となる文書辞となる。 本稿 インターネットの 発達に関する 先行研究としては、 文献 では、 主にこの分類に 属する文書を 分析の対象とする。 [2] 「 3] などがあ げられるが、 技術内容に踏み 込んだ勤学的 分 析は少ない。 本研究では、 インターネットを 構成する様々な 3. 通信プロトコル 技術の学習過程に 落する考察 要素技術の中から、 通信プロトコルの 主要な要素技術に 着目 インターネ、 ット の発達の要因は 様々な観点から 検討されて し、 技術黍道の観点から 分析を試みる。 いる。 ここでは、 結果的に「オープン」 な 標準化過程を 執っ 通信プロトコルの 研究は 、 パケット通信方式が 提唱された てきたインターネットコミュニティが、 技術変化 @ こ 資する多 f60 年代から研究開発が 始まり、 現在でもデバイス 技術の変化 くのイノベーションを 生み出してきた 点に着目し、 「学習 過 に 伴い新たな方式に 関する議論が 続いている。 その中核とな 程 」の観点から、 R 凡策定のプロセスが 有効に機能した 事実 るのは、 TCP/IP と呼ばれる通信プロトコルであ り、 周辺に多 を検討する。 くの関連技術を 擁する。 本稿では、 個月 りの要素技術として、 廿 c 策定に基づく 通信プロトコル 技術変化をインターネ、 ッ ルーティンバ とトラ ヒック制御に 関して着目し 考察を行 う 。 ト コミュニティによる 学習とイノベーションの 創出という プ ロセスとみなして 分析を試みる。 - 般に「学習Ⅱによる 経験
2.
ギ
C データベース は 、 体化 (em ぬ died) されるものと 体化されない (dis ㎝ bodied)RFC(Request for ㏄ ments) とは、 インターネ、 ット におけ 2 種類の異なる 技術知識を創出すると 言われている。 さらに、 る 通信プロトコルの 仕様を検討し、 デファクト標準を 形成す 学習モードの 観点からは、 「協調 ( ㏄ lla 梼 r 、 tion) 」や「覚部 るための文書であ る。 現在その採択数は 3 ㎝ 0 件を越えインタ 化 (externalization) 」、 学習システムの 観点からは、 「分割 ィヒ
一ネ 、 ット 上によく整備された 形で公開されている。 [5l (Decom 膵 sing) 」「相互交換 ( 「 eciprocating) 」が学習過程の 解
技術 変ィヒ を分析する場合は、 特許や学術論文を 利用するの 釈に有効な分析概念であ ろう。 これらの観点から、 ザ c の策 が一般的であ る。 そこで、 まず、 本研究で ギ c を技術 変 7% に 定の過程における 学習過程を検討する。 利用することの 是非を検討してみる。
Ⅳ
C は 、 -- 建 水準の技 協調という観点では、 大学などの研究機関の 者と通信機器 術 付機 様 な 30 年以上にわたって、 ほぼ一貫した 基準によって 採 ベンダ一の技術者が 共同作業を実現してきた。 また、 技術文 択 、 蓄積してきた 点から、 データの一般性・ 一貫性の観点ら 書を公開することほ、 インターネットの 相互接続を円滑に 実 か 妥当といえる。 次に 、 ぜ c 文書の個数を 技術 変ィヒ の相対的 現するために 必要不可欠であ り、 文書の策定に 擦 った関係者 一 343 一が 、 積極的にアイディアを 公開した事実があ る。 研究者や技 術者が、 学会論文よりも 未完成の段階でイノベーションを 発 表しあ った。 また、 通信プロトコルは、 機能が階層化され、 ル
@
ティンバ、 アドレッシンバ、 トラヒックマネージメント 等、 独立した技術分野がそれぞれの 専門家運によって 議論さ れていた。 これらの観点から、 インターネットのオープンな 標準化の過程は、 技術 変ィヒ を積極的に促進し 、 新しいイノベ ーションの源泉の 役割を演じてきたことが 分かる。 。 """"" の 分"
本研究では、 上述した観点から、 インターネットにおける 技術変化を分析する。 一例として、 個別の要素技術として、 ルーティンバ 技術に関して 述べる。 ルト ティンバプロトコル インターネットは、 「自律分散」の 原則のもとで 運用されて いる。 す な れ ち 、 通信プロトコルの 観点からは、 隣接する組 織の窓ロとなる 通信機 ( ルータ ) との間で、 自 システムに所 属するホストや 経路情報等を 相互交換しなければならない。 ル@
ティンバはこの 機能を提供する。 ㏄ ) P ■ t ⅠⅠ 583 Ⅰ Q の づ づ Ⅰ 何 47C づ ㏄ ⅠⅠ 番 " RFC これらの一連の 文書の著者は、 J.Moy 氏で、 彼は一貫してIETF(lnternet Engineering Task FOrce, ぜ C 策定の母体 ) に
おける ノト ティンバ方式の 検討委員会メンバ 一であ った。 所 属は、 Proteon 社、 Cascade 社、 Ascend 社と変遷しており、
このことは、 インターネット 通信機器であ るル
@
タの設計 と 製作において、 活発なべンチャ 一企業の関与と 企業の再編成 等が生じたことを 裏 付ける。 ギ C1131 で OSPF 方式がほじめて 登場した背景には、 l皿
V( 構 内情報ネットワーク ) の規模が拡大し、 擁するホスト 数が増 大したことが 挙げられる。 ルーティンバに 生成木を利用する ことは、 技術的なプレークスル戸
; であ った。 ギ C1247 では、 ルーティンバ 先の状況をより 細かく規定する 内容となってい る。 また、 ぜ C1583 では、 仮想的な回線であ る Virtual Li 成 に関する問題点を 解決している。 これにより遠隔地にあ るホ ストコンピュータを 同 -LAN 内に存在しているよ う にみなす 機能であ り、 企業 ユーザの 利便性増大に 寄与した。 貯 C2178 では、 画像の放送型の 配信など「マルチメディア」アプリケ ーション配信機能であ るマルティ キ ヤスト機能を 追加しね ル - ティン ヴ栢 合図 これは、 放送のデジタル 化の基でのデジタル 動画像 (WEGl など ) の放送型配信を 想定している。 肝ウ 328 では、 ルーテ イング青軸 の セキュリティに 関する規定が 加わった。 5. むすびギ
C を利用してインターネットの 通信プロトコル 技術に関す る技術黍道を 分析している。 技術内容に踏み 込んだ分析を 行 うことで、 情報通信技術の 技術 変 ィヒに関して、 より詳細な分析が行えることを 期待している。 。 "" 。 Ⅰ。 ' 。 ' 。 ㏄ '"'tP れ 。 ' Ⅱ 下 1 ' 。 。 。 " 。 " ㏄。 Ⅰ。 " 。 サ 竹杖㏄。 11 "P' ""' 。 "' 。 椅 m" 。 ㏄Ⅱ 正 ㏄。 1 '
僻
インターネット・ⅡⅠティン ヴ 体系仮令 母 ひ ごろご指導を 賜ります東京大学名誉教授、 芝浦工業大学 工学マネージメント 研究科長、 児玉文雄先生に 感謝申し ヒげギ
C の参照関係から 読み取れるルーティンバプロトコルの ます。 変遷を示す。 ルーティンバプロトコルは、 ル@
ティンバ, ぼ報
を交換する RlP 方式から、 ㏄ PF 方式が登場し、 その一方で、 "舐
RTP の新しい方式が 考案され 億 あ わせて、 広域におけるル [l]; , Dosi, "Technological}aradigms‖nd》echnological ーティンバ情報管理が 、 異なるサービスプロバイダ 一間で実 trajectories"@ ,@ Research@Policy@ 11(1982)147-162施する必要性が 生じ、 田 P など EBP 外部ゲートウェーとの 接 [2]@Janet@Abbate,"@ Inventing@the@Internet"@ ,@ MIT@Press,
続を実現するためのルーティンバ 方式が誕生した。 現在のイ 1999
ンターネット @ こ おける ノト ティンバ体系の 概念図を示す。 [3]David c. Mowery (2002). " 。 Is the Internet a us
次に、 ルーティンバプロトコルのうち、 ㏄ PF と呼ばれる方 Inventlon? 一 an Economlc 酊 Ⅰ d Tech ⅠⅠ C)lo9 Ⅰ ICal H Ⅰ lStlory
式に着目して、 ぜ C の参照関係見ると、 次のような技術的変 ofco ℡ ulputerNetworking" , ResearchPoljcy, 31(2002),
遷が 見られる。 ㏄ PF は、 ルーティンバプロトコルの 内 IGP に 136 ㌻ 1387.
位置する。 TGP とは、 単 -0 管理機構内で 動作するゲートウ [4] 藤井草
博
、 文場合規
「ネットワークデファクトスタンダエ イプロトコルに 属する。 OSPF は、 SPF ( 最小生成 木 構成 ) 一ド 」宮城大学紀要、 2001 年
アルゴリズムに 基づくリンク 状態プロトコルであ る。 [5]ht た p://WWW. Ⅰ fc 一 editor.org/rfc.html