第10回群馬食道疾患談話会
日 時:平成 20年 3月 10日
場 所:マーキュリーホテル
代表世話人:桑野 博行(群馬大院・医・病態 合外科学)
当番世話人:中野 隆 (群馬大院・医・腫瘍放射線学)
一般演題>
1.放 射 線 療 法 後 の 食 道 癌 局 所 再 発 に 対 す る Photo
dynamic therapy (PDT) の有用性
下山 康之,草野 元康
(群馬大医・附属病院・光学医療診療部)
前田 正毅,保坂 浩子,河村 修
森 昌朋
(群馬大院・医・病態制御内科学)
【目 的】 当院では平成 12年よりエキシマ・ダイレー
ザー (浜 フォトニクス社)を導入し PDT を施行してい
る. 食道癌に対する PDT に関しては, 矢野 (国立がんセ
ンター東病院) らは放射線・化学療法後の再発に対する
有用性について報告している (Gastrointestinal
Endos-copy 2005).今回我々は当科で PDT を施行した食道癌の
特に放射線療法後の局所再発に対する有用性について検
討した. 【対 象】 食道表在癌 4例・進行食道癌 2例
(男性 5例,女性 1例,平 年齢 77.7 (72-85) 歳).なお,進
行食道癌には本人・家族と相談したうえで腫瘍縮小目的
に行った. PDT を選択した理由は合併症による手術不能
5例と手術拒否 1例であった. 前治療として放射線照
射を食道表在癌 4例中 2例, 進行食道癌 2例で行ってい
た. 【方 法】 光感受性物質としてポルフォマーナト
リウム (フォトフィリン, ワイスレダリー武田製薬) を
2mg/kg 静注 48-72時間後波長 630nmのエキシマ・ダイ
レーザーを照射した. 照射は 1平方センチあたり 63Jに
設定すると 1回につき 3 間の照射となり, スコープの
先端に透明キャップを装着させ病変との距離を一定化
し, 1回ごとの照射量が一定になるようにつとめた. な
お, 光線過敏症の予防のため室内照度の調節可能な専用
個室 1室を設備し, 全例入院にて加療した. 平 入院日
数は 51.3 (29-69) 日であった. 【成 績】 食道表在癌 4
例のうち前治療として放射線照射を行った 2例は現在ま
でのところ再発を認めていない (観察期間 3年 4ヶ月, 2
年 9ヶ月).また,出血・穿孔例も認めていない. 【結 論】
PDT は治療に伴う合併症が極めて少なく安全なため, 高
齢者や合併症により手術不能例や手術拒否例に適した治
療方法である. 当院での症例数はまだ少ないが他施設の
報告も え合わせると放射線治療後の食道癌局所再発に
対して有用である.
2.進行期食道癌に対する放射線治療成績の検討
野中 哲生,櫻井 英幸,石川 仁
村田 真澄,塩谷真里子,白井 克幸
原島 浩一,中野 隆
(群馬大院・医・腫瘍放射線学)
中島 政信,加藤 広行,桑野 博行
(群馬大院・医・病態 合外科学)
【目 的】 当科における食道癌に対する放射線治療成績
を解析し, とくに同時併用化学療法の有用性について検
討する. 【対象・方法】 1999 年 1月から 2006年 12月ま
でに当科で根治的に放射線治療を施行した II-III 期の食
道扁平上皮癌 88例を対象とした. 年齢は 48歳から 93
歳 (中央値 71歳),性別は男性 74例,女性 14例であった.
臨床病期別 (UICC, 2002) には II 期 29 例 (IIA 期 23例,
IIB期 6例), III 期 59 例であった. 放射線治療は 6MV以
上の高エネルギーX 線治療装置を用い, 原発巣および臨
床的に転移と診断されたリンパ節を含めた照射野で行っ
た. 化学療法を同時併用した症例 (CRT) は 51例あった
が, 用いた薬剤はシスプラチン+5FU (CRT-FP) が 31
例, ドセタキセル (CRT-DOC) が 20例であった. 【結
果】 全例の 3年原病生存率 (CSS) は 30%で, 臨床病期
別には II 期 44%,III 期 24%であった.そのうち CRT 症
例の 3年 CSSは 41%であり, 照射単独症例 (RT) の
19%よりも良好であったが統計学的に有意な差とはなら
なかった (p=0.258). 臨床病期別に CRT の有用性を検
討したところ, II 期では CRT 群で予後が良好であった
が (p=0.069), 多変量解析では化学療法の有無が独立し
た予後因子としては残らなかった (p=0.135). また,
CRT-FP群と CRT--DOC 群の間で治療成績に明らか
な差は認められなかった. 【結 語】 進行食道癌に対
するこれまでの同時化学放射線療法は有用であると思わ
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Kitakanto Med J
2011;61:97∼98