• 検索結果がありません。

家族介護者における介護経験の意味づけ : 複数の介護経験と今の生活との関連性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "家族介護者における介護経験の意味づけ : 複数の介護経験と今の生活との関連性"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)家族介護者における介護経験の意味づけ 一複数の介護経験と今の生活との関連性一  学校教育学専攻 臨床心理学コース.    M10052K     大島 崇.         問題と目的.         予備調査.  日本では高齢化率の増加で介護を必要とする.  調査日的:本調査の質問項目の作成. 調査協力者:家族会の会員で,1度の認知症. 高齢者と共に介護をする家族(以下,家族介護 者)も増え,介護は誰にでも起こりうる体験と. の介護経験者(3グループ 各3人程度). なってきた。山本(1995)は介護経験が家族介.  調査時期:H23年4月∼7月. 護者の人生などに影響を及ぼすと述べている。.  調査手続き:調査者は事前に協力者より簡単.  家族介護者と介護経験の研究は,多くの領域. な聞き取りを行い,開始前に研究参加の同意を. で見られる。古くは認知症家族の介護負担感. 書面で得た。その後フォーカス・グループ・イ ンタビューを半構造的(1.0∼1.5H)に実施。. (Zarit,1980)や介護者の喪失(Ska笛&Pear1in,. 1992)などがある。近年では介護経験を通して.  画画重1司①介護の体験の概要,②看取りに. の自己成長(川崎・高橋,2005)やアイデソテ. ついて,③今の生活の影響性. ィの再構築(福間・針塚,2005)など,介護の.  分析方法:一定比較法(G1aser and Strauss. 肯定的な面に関心が向けられている。また介護. 1967)と自然主義的探査法(Linco1nand Guba. 経験の中で,死別とそれに伴う悲嘆をテーマに. 1985)にて介護経験のプロセス図の作成。その. した人格的発達(渡邊・岡本,2006)も検討さ. 後大学院生3名にて質問項目の選定を行った。. れている。悲嘆研究の観点で川島(2008)は,.  結果:分析の結果,介護のプロセスと今の生. 死別が生涯に一度という事が稀であるため複数. 活の意味づけが明らかとなった。この中で本調. の死別経験に迫るべきと言っている。今までの. 査の質問項目の協議を行った結果,介護の過程. 研究では複数の介護経験を扱った研究はなく,. をどのように介護者が自分で決定したかという. 複数の介護経験者が今後増えると予測されるた. 介護の方向性と,終末期の治療選択やその評価. め,その意味づけを研究することは重要である。. が,意味づけの大きな要素であることが示唆さ.  そこで,本研究では複数の介護経験を家族介. れた。ここから質問項目を選定し,研究日的の. 護者がどのように意味づけたのかを,探索課題. 探索課題(I).7項目を,(I1)4項目を選定し. (I)最初の介護経験のプロセスが次の介護経. た(詳細は本調査の質問項目)。.          本調査. 験のプロセスに影響した要素はあったのか,.  調査員的:家族介護者の複数の介護経験の意. (lI)複数の介護経験を終えた後に今の生活の. 中での介護経験の意味づけの変化はどのような. 味づけにいて探索課題(I)と(lI)について. ものなのか,を明らかにすることを目的とする。. 明らかにする. 一1!2一.

(2)  調査協力者:家族会の会員で,2度以上の介.  結果・考察:複数の介護経験で影響する要素. 護を経験した人。なお直近の介護経験での死別. として,①介護を開始する前の歴史から受け入. 後1年以上経過した10名。. れや葛藤などの介護役割の獲得,②同居家族の.  調査時期:H23年6月∼10月. 理解や経済力の介護環境,③情報や介護技術の.  調査内容:調査者は,事前に協力者より簡単. 向上,④介護を通しての介護者の信念,⑤複数. な聞き取りを行い,開始前に研究参加の同意を. の介護後に燃え尽き,⑥介護を進めていく中で. 書面で得た。その後協力者のアクセスのよい場. の医療の影響性の7点が示唆された。そこから. 所にて半構造化面接(1.0∼1.5H)を実施。. 心理臨床家が関わる場合に,介護役割の受け入.  固垂重司 <探索課題I>①介護者の介護中. れを促進する良好な関係性を保つための取り組. の介護観,②介護者の苦悩,③身内の関係性,. み,介護負担を軽減するための情報や対処など. ④介護の方向性,⑤終末期の治療選択,⑥死別. の心理教育的アプローチなどが考えられた。. 後の介護者の反応,⑦介護役割.  さらに複数の介護経験を経て今の生活では,.  <探索課題■〉①自己の理解,②亡き被介護. まず介護者により介護経験を①受け入れるか②. 者への想い,③他者の理解,④活動. 葛藤するかが異なり,受け入れた場合は印象的.  分析方法:Strauss&Corbin(1990)と木下. な被介護者の想いが話され,葛藤の場合は強い 後悔とその対処の後の意味づけが行われていた。. (1990)のミニ版GTAを用いた。  匿垂…憂国最初に介護者と被介護者の関係性. 他に③介護,自分の死,介護をする上での関係. について,1)義父母の介護経験(3名),2)実. 性の考えを含めた介護観,④自分以外の他者へ. 父母の介護経験(3名),3)義父母どちらかと. の理解の深化,これらが動機となり⑤ボランテ. 実母の介護経験(3名)の3グル]プに分けて. ィアや家族会,社会への発信などの活動,を行. 分析を行った。1)グループの3人日まで筆者. うことの以上5点が示された。家族介護者が複. を含む大学院生3名で行い,2)グループの4. 数の介護経験を,満足した介護や看取りであっ. 人目から1人で概念とカテゴリーの生成と精錬. たと感じられるように支援すること,死別後に. していく作業を行った。1)のグループで概念. 介護者へのサポートを勘案して人に応じてサー. とカテゴリーを生成し,2)のグループではそ. ビスを提供する重要性などが考えられた。. の概念とカテゴリーをもとにさらに精緻化を行.  今後の課題と展開:課題として,第一に本調. い,3)のグループでも概念とカテゴリーの精. 査の研究協力者が少なかった点,第二にGTA. 緻化と新たな概念が出て来ないかについて比較. の問いが多すぎた点,第三に2度の経験しか扱. を行った。3グループ9名の分析が終了したと. えなかった点の3点である。そこで今後の展望. ころで,筆者はこれ以上概念とカテゴリーが出. としては,対象に男性介護者や配偶者の介護経. ないと判断した。そこで出来たカテゴリーと概. 験,3度の介護経験を含めること,介護役割,. 念の名前や定義などが適切であるかを,質的研. 介護経験の受け入れや葛藤の点に注目して進め. 究に精通するスーパーヴァイスと前述の大学院. ていくこと,などが考えられる。. 生3名の計4名で協議し,適切と判断された。.         主任指導教員(有園 博子). 最後に10人目で一致率をみた。.           指導教員(有園 博子). 一113一.

(3)

参照

関連したドキュメント

 介護問題研究は、介護者の負担軽減を目的とし、負担 に影響する要因やストレスを追究するが、普遍的結論を

ホーム >政策について >分野別の政策一覧 >福祉・介護 >介護・高齢者福祉

For the assessment of the care burden we used the Japanese Version of the Zarit Caregiver Burden Interview (J- ZBI) and compared it with the caregiver’s age, relationship, care term

居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について 介護保険における居宅介護住宅改修費及び居宅支援住宅改修費の支給に関しては、介護保険法

2.認定看護管理者教育課程サードレベル修了者以外の受験者について、看護系大学院の修士課程

はじめに ~作成の目的・経緯~

411 件の回答がありました。内容別に見ると、 「介護保険制度・介護サービス」につい ての意見が 149 件と最も多く、次いで「在宅介護・介護者」が