書くことの多様性を生かした作文の年間指導計画に関する研究
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(2) 3 研究の概要. て、その類型化を通して、年間計画の各タイプ. 第一章では、教科書の作文単元に依存する指. の特徴を解析した。そのうち、r教科書の作文. 導法の問題を起点とした。そして、教科書依存. 単元」「作文法」「自由作文」の三つの領域で成. から抜け出すための手立てを、(1)作文指導の. り立つ「三本立てプラン」の年間指導計画が、. 連携の場を広げていくこと、(2)基本的技能の. 次の特色を有していることを明らかにした。. 指導を日常的・継続的に積み重ねること、の二. (1)各種の文や文章を書く力を調和的に養う. つとし、この二点が反映された作文指導を、書. ことができる。(2)文章表現の基礎技能を系統. くことの多様性ととらえた。. 的に伸ばすことができる。(3)作文学習に興味. 作文の題材・テーマを「読むこと」の領域か. を持たせることができる。(4)指導の焦点がは. ら求め、作文指導の連携の場を広げている実践. っきりとしていて、指導しやすい。(5)社会生. の代表例として、府川源一郎・高木まさきの「書. 活に必要とされる言語活動を充実させることが. き換え」学習などを取り上げた。作文の時間と. できる。(6)プランの立て方が大切にされ、教. して行う「書き換え」学習は、「読むこと」の. 師が自ら計画を立てるのに役立つ。. 時間でも積極的に行うことができる実践であっ. これらの特色は、子どもや学校・地域の実態. た。. に合わせながら、教師が自ら、指導方法のバラ. また、作文の題材・テーマを他教科や特別活. ンスのとれた系統的な年間計画を作成するとき. 動等の領域から求め、作文指導の連携の場を広. に「三本立てプラン」が有用であることを示す. げている実践の代表例として、奈良県国語教育. ものであると指摘した。. 実践研究会の「課題条件法」による作文指導を. 第三章では、子どもの書く意欲・書く力を高. 取り上げた。子どもは身近で新鮮な話題や知的. めるための調和的、系統的な作文年間指導計画. 好奇心を揺さぶる話題に接して、書くことに没. の基本モデルを提案し、中学校各学年の年間計. 頭する。国語科以外の場でも、目的に合った作. 画の例を一覧表にして提示した。その際、「書. 文条件を自分で設定して書き進めることが可能. き換え」学習などの方法を効果的に生かして単. となる実践であった。. 元の学習内容や学習方法を具体化することで、. さらに、作文の基本的技能の指導を日常的・. 作文指導の連携の場を広げ、基本的技能の指導. 継続的に積み重ねていく実践の代表例として、. を継続的に積み重ねることを重点にした年間計. 大西道雄の短作文指導を取り上げた。大西の短. 画の構築が可能となることを、実際の作成過程. 作文指導は、指導事項を作文課題・条件として. をたどって検証した。. 整備することで作文基礎カの形成を促進するも. 今後の課題は、評価のあり方や具体的な評価. のであった。. 方法を打ち出した年間計画へと改善していくこ. これらの実践は、いずれも子どもが書くこと. とである。また、他教科と連携する単元を実践. の多様性を実感しながら意欲的に書くことに結. する場合の具体的な連携の仕方を追求しなけれ. びつく指導であった。. ばならない。. 第二章では、作文指導の手立てを有効に機能. 主任指導教員 堀江 祐爾. するために不可欠な年間指導計画に焦点を当. 指導教員 吉川芳則 一289一.
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