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初等音楽科教育における打楽器指導法の重要性 : 奈良県指定無形民俗文化財「丹生太古踊」を視点として

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Academic year: 2021

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(1)   初等音業科教育における打楽暑指導法の重要性 ∼奈良県指定業形民俗文化財「丹生太古踊』を視点として∼ 教科・領業教育学専攻 芸術系コ・ス(音葉).      M10206J      日裏 香里. 1.研究の動■機と1≡1的. うか。与えられたタイミングで,ただr叩く」.  打楽器は,誰にでも容易に発音することので. ことをもって,子どもたちや指導者は満足して. きる楽器である。基本的には打つ・擦る・弾く. いないであろうか。初等音楽科教育における打. という行為によって発音するため,低年齢の子. 楽器指導法に関して,音楽的な表現指導が十分. どもから高齢者に至るまで十分に演奏を楽しむ. できていないのではないかと危ぐしている。. ことが可能である。そのため,多種多様な打楽.  本研究では,音楽科教育の歴史的な流れg中. 器が音楽科教育におけるく器楽〉の活動にも取. で,打楽器のもつ役割や重要性,その具体的な. り入れられており,誰もが一度は打楽器に触れ. 使用方法などについて文献研究を進めていく。. た機会があるであろう。.  また,筆者の出身地である奈良県には伝統文.  足踏み・手拍子といった身体を打つことも,. 化財が豊富に残されている。そこで,本研究で. 打楽器演奏において大切な基本の一つであると. は奈良県指定無形民俗文化財であるr丹生太古. ともに,子どもにリズム感を養っていくうえで. 踊」に注目して,踊の旋律などを教材化すると. 欠かせない身体運動である。さらに,打楽器に. ともに,それを用いた音楽的な打楽器指導の可. 触れることは,子どもの教育,成長過程に大き. 能性について明らかにすることとする。. く影響を与えると考えられる。.  平成20年度告示の『学習指導要領』におい.  筆者はこれまで,高等学校から音楽科に在籍. て,我が国の音楽や郷土音楽の指導の一層の充. し,専門的な打楽器の演奏法,特に鍵盤打楽器. 実が図られた。このことからも,「丹生太古踊」. を中心に研さんを積んできた。しかしながら,. を教材化することは,地域に根付いた教育法の. 筆者自身が受けてきた初等音楽科教育において. 一つになると考える。研究の主な方法としては,. は,それらにつながる基本的な指導が希薄であ. まず伝承者にインタビュー調査を行うことから. ったように感じ,そのことに疑問を抱くように. 始めた。さらに,「丹生太古踊」が授業において. なった。それは,何も難しいことではなく,指. 身近な教材となるような指導方法の構築を試み. 導者がほんの少し子どもたちに注意を喚起すれ. た。. ば良い程度のものである。例えば,小学校の授. 2.誓文の情成. 業内において,同じ「叩く」という行為にして. はじめに. も,叩いた際の手首の動きによってその響きに. 第1章 我が国の音楽科教育における器楽教育の変遷. 違いがあるということや,叩く場所を少し変え.     一戦後の音楽科教育を中心として一. るだけでその音質や音色に違いがでるというこ.  第1節器楽教育の教育的意義. とを十分に子どもたちに意識させているであろ.  第2節ドイツ語圏からの影響. 一372一.

(2)  第3節小学校学習指導要領における器楽教育の変遷.  戦後の音楽科教育において,美的情操を高め.    一昭和22年試案から平成20年告示_. ることを中心とし,〈器楽〉が最も重要であると. 第2章文化財の概要及ぴ奈良に伝わる『丹生太古踊」について. された指導から改訂を重ね,第8次『学習指導.  第1節 文化財の目的と対象及ぴ件数. 要領』では,我が国の音楽や郷土の音楽の指導.  第2衛  『丹生太古踊」の概要. を一層充実させ,伝統や文化の継承と創造への.  第3節 「丹生太古踊り保存会」今西稔氏へのインタビュー調. 関心を高めていくことが求められた。. 査.  第2章第3節の今西氏とのインタビュー調査. 第3章 r丹生太古踊」を用いた打楽器指導. を通して,民俗芸能を後世へ繋いでいくために.  第1節  r丹生太古踊」の指導場面とその指導方法. も,地域に根ざした伝承活動を積極的に学校側.  第2節 r丹生太古踊」の教材化及ぴ打楽器指導. からも取り組んでいく姿勢が求められているこ. おわりに. とが明らかになった。「丹生太古踊」を教材とし. 3.誓文の標裏. て学校の教育活動の中に位置づけることは,保.  第1章では,戦後我が国の器楽教育において,. 存会をはじめ,伝承活動を行っている人々にと. 中心的な役割を果たした諸井三郎の教育理念や. っては大変喜ばしいことである。. ドイツの作曲家カール・オルフからの影響,さ.  実際扱われている小学校の教科書においても,. らに学習指導要領における変遷からの打楽器の. 様々な地方の伝統音楽が取り上げられて紹介さ. 位置づけなどについて史的考察を行った。. れている。我が国の音楽や郷土の音楽の学習を.  第2章では,我が国の文化財がどのように保. 音楽科の授業において充実させるためには,地一. 存及び活用を行っているのかを調査した。さら. 域の伝統音楽を取り入れることが何よりも音楽. に筆者の出身地である奈良県において,今日ま. 科目標の達成にもつながる指導である。また,. で伝えられてきている文化財の中から,r丹生. 専門の打楽器指導においても十分に関連させる. 太古踊」に視点をおき,その活動団体であるr丹. ことができる指導法となった。. 生太古踊り保存会」を訪ね,今西稔代表とのイ.  平成23年3月,東北地方に大きな被害をも. ンタビュー調査を通して,歴史的認識を深めた。. たらした大津波,また9月には,近畿地方に大.  第3章では,島崎(2001)が提唱するく素材. きな台風被害を及ぼした。この被害により各地. 発展型〉による指導法に基づいて,小学校にお. で古くから守られてきた伝統芸能の衣装や楽器. ける指導場面を想定し,太古踊と他教科との関. を失ってしまった地域も少なくないだろう。そ. 連について詳しく述べていく。さらに「丹生太. して,今後の復興に向けて,学校教育において. 古踊」の教材化及び打楽器指導法を提案し,音. の伝統文化に関する取り組みが益々必要となる. 楽科の授業においてどのように発展及ぴ関連を. のではないだろうか。各地に伝わる伝統芸能が,. 図るかについて考察する。. 後世へと繋ぐための核に学校が位置付いて取り. 4.組合考察. 組まれていくことを期待し,筆者自身も研究に.  本論文においては,奈良県に豊富に残されて. 努めたい。. いる文化財の中から,奈良県指定民俗文化財「丹. 生太古踊」を視点として,教材化及びそれを用. 主任指導教員 木下千代. いた新たな打楽器指導法を提案することを目的. 指導教員 河内勇. として研究に取り組んだ。. 0373一.

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