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既修得内容及び経験を活用した社会認識形成-高等学校地理教育を事例として-

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Academic year: 2021

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(1)既修得内容及び経験を活用した社会認識形成    一高等学校地理教育を事例として一 教科・領域教育学専攻.    社会系コース.      M08164J    東 田  健 I 研究の目的と方法.  第V章 既修得内容及び経験を活用した社会.  1 研究の目的.      認識形成を目指す高等学校地理授業.   本研究は、高等学校の地理教育において、生.      設計.  徒白身が持つ既修得内容や経験を通して、いか.  結 論.  に社会認識形成を図るべきかを明らかにし、授. 皿 研究の概要.  葉モデルを開発・提案することを目的とする。.  1 高等学校地理教育における社会認識形成.  2 研究の方法.   まず、戦後からの学習指導要領の変遷をもと.   (1)学習指導要領及び教科書から、どのよう.  に、高等学校の地理教育について考察した。そ.    な社会認識形成が図られてきたかを分析.  して、市民的資質の育成に主眼を置いたイギリ.    し、イギリスの地理教材をもとに、日本の.  スの地理教育に注目し、イギリスの地理教材.    高等学校地理教育における社会認識形成.  「Prob1em・So1vingGeography」をもとに教材.    の現状と課題を明らかにする。.  分析を行い、日本とイギリスの地理教育におけ.   (2)先行研究から、「既修得内容」及びr経.  る共通点と相違点を明らかにした。イギリスと.    験」の構成要素を考察し、r既修得内容」.  日本の地理教育は、諸問題の解決に向けて全体.    及び「経験」を活用する学習方法を明らか.  が構成されていることや、パターンの把握及び.    にする。. 地域事例研究という流れなど、多くの共通点が.   (3)地理に関する授業実践例を収集・分析し、. 見られた。しかし、知識の構造や学習過程及び.    どのような社会認識形成につながってい. 事例地域の取り扱いなどが大きく異なってい.    るのかを明らかにする。.  る。イギリスの地理教育の要素を取り入れるこ.   (4)以上(1)∼(3)の成果をもとに、「既修得内.  とは、日本の高等学校の地理教育でより豊かな.   容」及びr経験」を活用した社会認識形成. 社会認識形成を図るための、一つの指針となる。.    を目指す高等学校地理教育の授業モデル.  2 「経験」を活用した地理教育.    を開発し、提案する。.   まずアメリカと日本の初期社会科における. 1I 論文構成.  「経験」と問題解決学習の関係について整理し. 序 論. た。そして、先行研究から、「体験」が概念装. 策I章 高等学校地理教育における社会認識. 置の形成や質のよい知識の形成において重要.     形成. であること、「経験」は「わかる」ための基礎. 第I1章  「経験」を活用した地理教育. 的な素材であり、包括知・全体知の形成に深く. 第皿章  r既修得内容」を活用した地理教育. 関わること、「経験」は概念装置としても働か. 第1V章 既修得内容及び経験による社会認識. せることができるため、「間い一仮説一検証」.     形成を視点とした地理授業分析. の学習過程で授業を構成することによって、よ. 一330一.

(2) り納得できるわかりやすい授業が展開できる.  と、第三は、「既修得内容」と「経験」をとも. ことを明らかにした。また、r経験」に相反す.  に用いて「問い一仮説一検証」の探究活動を行. る「科学」も、教授過程は「間い一仮説一検証」.  うこと、第四は、探究活動を通して社会認識形. によって行われることを明らかにした。つまり、.  戌を図り、社会認識形成を基盤にして価値判断. 共通する教授過程および、社会認識形成を目標.  を行うことである。. として授業が構成されることから、「経験」と.  5 既修得内容及び経験を活用した社会認識. 「科学」は、ともに授業の中に取り入れられて.    形成を目指す高等学校地理授業設計. いる。.   これまでの研究成果をもとに、既修得内容及. 3 r既修得内容」を活用した地理教育.  び経験を活用した高等学校における地理授業.  まず、学指導要領等を参考に「既修得内容」.  のモデルを開発した。. の定義をr小・中学校で学び終え、修得が認め.    科目名:高等学校地理歴史科「地理B」. られた知識内容および高等学校で以前に学び.    単元名:r都市・居住問題」(6時間構成). 終えた知識内容である」とした。次に、「既修.   地理教育を行う上で、価値判断ができるよう. 得内容」の必要性を三つとらえた。第一に、高.  になることが大切であるため、価値判断を求め. 等学校の地理教育は、他の歴史科目および公民.  る題材を選択した。問題状況の把握については、. 科目との関連性を考えると同時に、中学校社会.  より豊かな社会認識形成を図るために、社会認. 科の内容も踏まえなければならないこと、第二.  識形成による市民的資質育成に重点を置くイ. に、授業構成を行う上で「既修得内容」は授業.  キリスの地理教材の教育方法を取り入れ、学習. において活用させやすい体系化された科学的.  展開においては、概念探究過程で因果関係を把. 知識であること、第三に、「既修得内容」を除.  握し、価値分析過程につながる学習過程を組み. いた生活体験による「経験」には限界があるこ.  込んで単元設計を行った。. とである。そして、子どもの生活体験と結びつ. lV 研究の成果と課題. いた「経験」とr既修得内容」があって、はじ.   本研究の意義は、第一に、高等学校の地理授. めて子どもの問いが生まれ、r間い一仮説一検.  業において、社会認識形成を図るための方途を. 証」の過程で授業を構成することができること.  解明したこと、第二に、高等学校の地理授業に. を明らかにした。この教授過程で科学的知識を.  おいて、「既修得内容」及び「経験」を活用す. 指導するならば、r経験」や「科学」と同様に、.  ることによって、わかりやすい授業が展開でき. 「既修得内容」は授業で活用されることとなる。.  ることを明らかにしたこと、第三に、先行事業. 4 既修得内容及び経験による社会認識形成.  実践の分析結果をもとに、既修得内容及び経験.   を視点とした地理授業分析.  を活用した社会認識形成を目指す高等学校地.  これまで述べてきたことをもとにして四つ.  理授業モデルを開発、提示したことである。. の授業分析の視点をもとに授業分析フレーム.   今後の課題は、第一に、本研究で提示してき. ワークを作成し、先行授業実践の分析を行った。.  た授業モデルをもとに、授業実践をすすめるこ. そして分析結果から、既修得内容及び経験を活.  と、第二に、地域教材や題材の発見と開発を行. 用した社会認識形成を目指す高等学校地理授.  うこと、第三に、世の中の動きに対して常に目. 業の在り方として、四つの留意点を抽出した。.  を向ける必要があることである。. 第一は、「なぜ」疑問によって説明的知識の獲 得を図ること、第二は、地域事例を動態的に取. 主任指導教員 岩田一彦. り扱うことによって社会認識の拡大を図るこ. 指導教員岩田一彦. 一331.

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