既修得内容及び経験を活用した社会認識形成-高等学校地理教育を事例として-
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(2) り納得できるわかりやすい授業が展開できる. と、第三は、「既修得内容」と「経験」をとも. ことを明らかにした。また、r経験」に相反す. に用いて「問い一仮説一検証」の探究活動を行. る「科学」も、教授過程は「間い一仮説一検証」. うこと、第四は、探究活動を通して社会認識形. によって行われることを明らかにした。つまり、. 戌を図り、社会認識形成を基盤にして価値判断. 共通する教授過程および、社会認識形成を目標. を行うことである。. として授業が構成されることから、「経験」と. 5 既修得内容及び経験を活用した社会認識. 「科学」は、ともに授業の中に取り入れられて. 形成を目指す高等学校地理授業設計. いる。. これまでの研究成果をもとに、既修得内容及. 3 r既修得内容」を活用した地理教育. び経験を活用した高等学校における地理授業. まず、学指導要領等を参考に「既修得内容」. のモデルを開発した。. の定義をr小・中学校で学び終え、修得が認め. 科目名:高等学校地理歴史科「地理B」. られた知識内容および高等学校で以前に学び. 単元名:r都市・居住問題」(6時間構成). 終えた知識内容である」とした。次に、「既修. 地理教育を行う上で、価値判断ができるよう. 得内容」の必要性を三つとらえた。第一に、高. になることが大切であるため、価値判断を求め. 等学校の地理教育は、他の歴史科目および公民. る題材を選択した。問題状況の把握については、. 科目との関連性を考えると同時に、中学校社会. より豊かな社会認識形成を図るために、社会認. 科の内容も踏まえなければならないこと、第二. 識形成による市民的資質育成に重点を置くイ. に、授業構成を行う上で「既修得内容」は授業. キリスの地理教材の教育方法を取り入れ、学習. において活用させやすい体系化された科学的. 展開においては、概念探究過程で因果関係を把. 知識であること、第三に、「既修得内容」を除. 握し、価値分析過程につながる学習過程を組み. いた生活体験による「経験」には限界があるこ. 込んで単元設計を行った。. とである。そして、子どもの生活体験と結びつ. lV 研究の成果と課題. いた「経験」とr既修得内容」があって、はじ. 本研究の意義は、第一に、高等学校の地理授. めて子どもの問いが生まれ、r間い一仮説一検. 業において、社会認識形成を図るための方途を. 証」の過程で授業を構成することができること. 解明したこと、第二に、高等学校の地理授業に. を明らかにした。この教授過程で科学的知識を. おいて、「既修得内容」及び「経験」を活用す. 指導するならば、r経験」や「科学」と同様に、. ることによって、わかりやすい授業が展開でき. 「既修得内容」は授業で活用されることとなる。. ることを明らかにしたこと、第三に、先行事業. 4 既修得内容及び経験による社会認識形成. 実践の分析結果をもとに、既修得内容及び経験. を視点とした地理授業分析. を活用した社会認識形成を目指す高等学校地. これまで述べてきたことをもとにして四つ. 理授業モデルを開発、提示したことである。. の授業分析の視点をもとに授業分析フレーム. 今後の課題は、第一に、本研究で提示してき. ワークを作成し、先行授業実践の分析を行った。. た授業モデルをもとに、授業実践をすすめるこ. そして分析結果から、既修得内容及び経験を活. と、第二に、地域教材や題材の発見と開発を行. 用した社会認識形成を目指す高等学校地理授. うこと、第三に、世の中の動きに対して常に目. 業の在り方として、四つの留意点を抽出した。. を向ける必要があることである。. 第一は、「なぜ」疑問によって説明的知識の獲 得を図ること、第二は、地域事例を動態的に取. 主任指導教員 岩田一彦. り扱うことによって社会認識の拡大を図るこ. 指導教員岩田一彦. 一331.
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