社会系教科教育学会『社会系教科教育学研究』第4号 1992 (pp. 99∼106)
オープンエンド化をめざす「現代社会」の授業構想 −「コメの輸入自由化問題」の授業の構成原理−
Unit Plan to open-end on “'Contemporary Society” : On the Theory of Lesson’s Organization on“Rice Problems about Free Importation”
1「コメの輸入自由化問題」を取り扱った授業の現状 1)「コメの輸入自由化問題」の授業構成の現状 ① 「コメの輸入自由化問題」とその教材解釈 「コメの輸入自由化問題(以下,」 「コメ問題」と略 する)は,現代社会を理解する上で非常にタイムリー な問題である1)。と同時に,解決方法を容易に決定で きない複雑な問題でもある。 匚コメ問題」は,日米の貿易不均衡によって生じて きている。アメリカ大統領をはじめ政府・議会から日 本政府に対するコメ市場開放の要求は強烈である。一 方,日本政府もこの「コメ問題」に苦慮している。と いうのも,農業保護や主食の安定供給を主張する生産 者グループなどからは強烈な自由化反対の声が,逆に, 安いコメの供給を期待する消費者グループなどからは 自由化の強い要求が出されるなど,「コメ問題」に関 してさまざまな主張が出てきているからである。 では,この「コメ問題」を匚現代社会」の題材とす るには一般的には,どう解釈すれ,「 ̄コメ問題」はばよいのだろうか,日米の。二国間問題と して捉えられ,その観点から,授業の構成が考えられ がちである。しかし,この匚コメ問題」は,逆に,日 米の二国間問題としてではなく,例えば,日米のほか に,経済統合をめざすEC,アメリカと同様にコメの さらなる輸出を狙っているコメ輸出国のタイ,なども 視野に入れて検討される必要があろう。生徒に,匚コ メ問題」の解決を,二国間問題として考えさせるので はなく,世界的視野のもとで検討させることが必要な のである。 というのも,日米間の貿易摩擦構造の歴史的変化な どに注目してみると,このことはよくわかるであろう。 アメリカ側は,日本製品(繊維・自動車)の輸入超過 制限からアメリカ製品(農産物/牛肉・オレンジ・コ メ)のその変化の背景には輸出促進へとその政策を変化させてきている。,EC政府の輸出補助金政策が大
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きく影響を及ぼしている。つまり,この輸出補助金政 策により,従来アメリカの農産物市場であった地域が ECの農産物市場へと取って代られたため,新たな農 産物市場として,近年経済大国となった日本が標的に されているからである。 「コメ問題」を,日米の二国間問題から解き放ち, 世界的な視野から検討する理由はもう一つある。つま り,「コメ問題」を日米の二国間問題というジレンマ に陥らせたままだと,極端な農業保護主義を主張する か,あるいは,極端な貿易自由主義を主張するしかな くなるであろう。そして,結局は,いつまでもそのジ レンマから逃れることはできなくなると思われる。し たが‘てっ,生徒をこのような二国間問題から脱せさせ, そのような二国間問題を生んでいる世界経済の構造の 問題へと進ませてやる必要が出てくる。また,そうす ることで,現在,「コメ問題」を初めとした貿易不均 衡をなくし,自由貿易をめざそうと多国間で交渉・協 議しているガットのウルグァイラウンドへと生徒の目 を向けさせることもできるであろう。 以上見てきたように,「コメ問題」は身近な問題で あるとともに世界経済の構造に関わる問題であり,私 たちの社会はどうなっていて,今後どうすればいいの か,といった問題に関わらざるをえない問題になって いるといえよう。 ② 「コメ問題」を題材にした授業の現状とその限 界 「コメ問題」を題材にした提案・実践報告が,小・ 中・高の各学校段階で盛んになされてきている。これ は「コメ問題」が討論の授業に適している,と考えら れるからである。多くの授業が,「コメ問題」を,討 論の授業として組織している。 小学校では,当然のことながら,日本の農業を学習2) 3) する段階の場合が多い。大木馨氏 ,佐々孝氏 ,本 間昇氏4)は,日本の農業を学習したのち,農業単元の 99終結部に,この「コメ問題」を討論の授業として組織 している。 中学校では,公民的分野で世界経済を学習する際に, 論争的な授業の題材として実践される場合が多い。黒 木俊治氏5)は討論的な授業と6)して組織することに力点 を置いている。仁茂田弘氏 は,構想中であるが,コ メの輸入自由化から国際情勢学習への展開をめざして いる。「コメ問題」の原因の理解や輸入自由化後の予 測などを射程に入れるなど,他の提案7)と比べると,興 味深い内容となっている。中西真氏 は,世界経済と いうよりも食糧問題と8) してこの「コメ問題9)」をとらえ ている。吉田勝司氏 は,今谷順重氏 の主張する新 しい問題解決学習に沿った具体的な授業展開として 「コメ問題」を取り上げている。「コメの輸入自由化 問題をどうすべきか」という問題に対し,合理的な意 思決定をするためには,どのようなステップが必要か という観点で,「問題場面の発見」,『心情への共感』, 「原因の探求」,厂願い・価値の究明」に即した発問が 考えだされ,構造化されている。公民的分野だけでな く,地理的分野で取り扱われることもあるが,その場 合は10),日本の米作農業の範囲で実践される。坂田正博 氏 は,米作農業の在り方を追求させる授業の導入部 で「コメ問題」を紹介している。 高等学校では11),「現代社会」での報告が盛んである。 管澤康雄氏 は,「コメ問題」を日米の二国間問題と して取り上げj2) ,その理解に重点を置いている。西村公 孝氏 は,消費者教育の視点から,コメの輸入自由化 についてディベ13) ートをさせようとしている。新井明 氏 は,国際理解に効果的なディベートの題材として, 日米コメ摩擦を取り上げている。氏は,コメ摩擦の現 状を整理させ,意思決定のためのフォーマットを作成 させ,ディベートを容闥易にさせるなど斬新な試みを行っ ている。三宅啓介氏 は,「コメ問題」に対し,生徒 の主張を構築させようとしている。いずれも,ディベー トを重視した報告といえよう。 これらの提案・実践報告旁教育内容の面からみてみ ると(学年段階を考慮しなければならないが),「コメ 問題」を二国間問題としてとらえているところに,そ の限界性があると考えられる。児童・生徒は,結局の ところ,決定的な解決策が見つからない状態のまま, つまり,ジレンマ状態のまま授業を終わっている。恐 らく,授業前と比べて,授業後,児童・生徒が獲得す る知識に,・余り成長のあとを感じることはできないだ ろう。というのも,これらの授業は「コメ問題」を解 決するために構成されているのではなく,農業単元, ある済のいは経済単元の終末部に問題点として提示されているにす日本農業あるいはぎないか国際経らであ 100 る。つまり,ジレンマに追い込むために授業が組織さ れているのである。そのような授業では,児童・生徒 が,今後さらにどのような点を調べたいかは出てこな い。ただし,上記の提案のなかでは,仁茂田,西村提 案が「コメ問題」を国際情勢にまで発展させることを 提案している点,評価できよう。 そして,題材の性質上,多くの授業が討論の授業と して組織されているが,自由討論の段階(児童・生徒 の主張が証拠によって保証されていない段階)で終わっ ているところにも限界性をもっていよう。三宅提案は, 自由討論を克服するためにディベートを組織化しよう としている点,評価できようが,ディベートを重視す るあまり,逆に「コメ問題」を世界経済の構造の問題 へと進ませることが困難である,といった問題点が見 られる。 2)討論を取り入れた授業構成の現状 討論あるいはディベートの授業は,非常に高く評価 されている。しかし,実際の授業レベルで,討論を単 元 (授業)のどの部分でどのように進めると,児童・生 徒の学習・発達に効果的であるかについては,あまり 意識されていないようである。 提案されている授業に位置づけられる討論の多くは 最終段階に設定されている。つまり,最終段階の討論 を行わせるまでに,児童・生徒が習得した知識をもと に,主張を述べさせる,といった役割を討論にもたせ ようとしていることになる。児童・生徒が習得した知 識を応用する場として,討論を利用するのも一つの方 法ではあろう。 しかし,この最終段階における討論は,報告事例か ら検討すると,それまでに習得した知識をもとに児童・ 生徒の主張を吟味するようなものとはなっていない。 最終段階における討論に至るまでに,幾つかの立場を 吟味させておかなければ,その討論は生徒がある立場 に基づいた自身の主張を再確認するだけの淡泊なもの となろう。討論を絶対的に信頼して行えばいいのでは なく,単元・授業のどのような場面でどのように行う かが肝心なのである。 さらに,提案されている授業の§鴉侖のなかには,ディ ベートとして位置づけられているものもあるが,論点 が整理されていなかったり,児童・生徒の主張が根拠 のない曖昧なものとなっているものも多い。討論する 以前に習得した知識,証拠を利用するようなものに実 際にはなっていない。特に,児童・生徒の主張が証拠 に基づいて立論されていないため,表面的な討論,つ まり,感情論に流されている場合が多い。討論をどの ように次の授3)教育内容の質的改善と教育方法の業過程につなげていくかも課題で改善の必要性あろう。
以上,「コメ問題」を題材とした授業の現状につい て検討した結果,「コメ問題」を題材とした授業の構 想には,教育内容をどうとらえなおすかという教育内 容の質的改善と,どのように教育内容を生徒に提示し, 考察させるかという教育方法の改善が必要となってく る。そして,両者と関連するわけであるが,生徒の社 会認識を開かれたものにするために,。オープンエンド 化をどう進めればよいかが重要な課題となってこよう。 教育内容や教育方法とも関わるが,オープンエンド 化をめざすためには,生徒の認識をより高いレベルへ と開く方向に進める必要がある。そのためには,生徒 をして,さらなる問題追求に向かわせる必要が出てこ よう。「コメ問題」の解決だけに終わらせるのではな く,教育内容の質的改善として,その背後にある世界 の経済構造の在り方にも目を向けさせる必要があろう し,さらには,討論を効果的に取り入れることも必要 になる。そのためには,教育方法の改善として,単元 内での討論の位置づけを明らか叫し,さらに討論をす るための技能を明確にし,その育成をはかることがめ ざされなければならないだろう。 2 1)研究プロジ研究プロジェクェクトの組織トの目的化 高等学校段階でオープンエンド化をめざす授業を構 想するために,本研究プロジェクトを組織した。本プ ロジェクトは,「現代社会」で,コメの輸入自由化問 題を題材として,組織的に討論を取り入れ,ディベー ト能力を育成しながら,オープンエンド化をめざす授 業の構想を研究したものである。 2)研究プロジェクトチームの組織 本プロジェクトは,広島大学教育学部社会科教育学 研究室の教官・大学院生などを中心として組織した。 プロジェクトメンバーは,大学院での片上の演習ゼミ のメンバーを中心に組織した。メンバーの役割分担は, 以下の通りである。授業構成の理論的側面を片上宗二 が担当し,指導案の作成,資料収集を尾原康光,岡 明秀忠,谷口和也,迫浩史,中嶋健一郎,湯藤浩樹 (院生)が担当し,授業実践を尾原康光が担当した。ま た,指導案への助言を奥山研司,広澤和雄(附属高校 教諭)が受け持った。 3)対象とした生徒と研究プロジェクトの時期 本プロジェクトは,広島大学附属高等学校の1年1 組,5組の生徒を対象にして計画・実施した。指導案 の作成および資料整理に↓991年7月から↓992年3月を 費やし,授業は↓992年2月27日,3月2日,5日,9 日,12日に実施した。 4)本稿の目的
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(a)第一段階・・問題の提示 (b)第二段階・・問題の検討(自由討論) (c)第三段階・・問題の検討(意思決定の正当化) ○厂論点表」の作成 (d)第四段階・・意思決定のVTR視聴・・専門家の意困難さを確認見 (e)第五段階・・異なる視野での問題の検討 (幻 第六段階・・整理と新たな問題の発見 ○匚世界経済の構造図)の作成 では,上記の段階はどのように進められたのか,以 下,簡単に述べることにする。 第一段階は,この単元の導入部分である。生徒にこ の単元で取り組む主要な問題に出会わせる場面である。 この段階での主要な発問として,まず「現在世界経済 においてどのような問題があるか」を提示し,「さら に私たちの生活に関わってどのような問題があるか」 を提示する。教師は,現在の世界経済の状況,つまり, ガットのウルグァイラウンドをめぐる状況を概説し, その中でわが国が直面する問題,つまり,「コメ問題」 に生徒を出会わせる。 第二段階は,第一段階で提示された問題,つまり, 匚コメ問題」に対し,日本はコメの輸入自由化をすべ きかどうかの是非を問い,生徒自らがとる立場をはっ きりとさせる自由討論の段階である。教師は,「コメ の自由化に対し,賛成か反対か」を生徒に主張させる。 教師は,生徒が単元の学習以前に持っている知識を総 動員させて,主張を補強させたり,相手の主張を論破 させようとする。ここで教師は,論点を整理しながら, 生徒に自らの主張をもたせる一方,その主張のもって いる限界についても指摘する。また,教師は,論点を 整理しながら,生徒に相手の主張を論破するためには −↓01−資料不足であり,その結果,相手の主張を完全に論破 できていないことを指摘する。 第三段階は,第二段階の自由討論をより精緻化する 段階である。つまり,問題に対するさまざまな主張を 証拠に基づいて正当化し,整理する段階である。そこ で,教師は,意思決定の正当化のために,ディベート が行えるような環境づくりをめざす。あらかじめ自ら の主張を固定し,「立論技fik」のみを重視しがちなディ ベートとは異なり,本プロジェクトでは,生徒が,自 らの主張を証拠によって根拠づけ形成していく点でディ ベートとは異なる。そのためこの段階で教師は,生徒 に,証拠に基づく立論を求める。具体的には,教師は, 証拠となりうる資料を考えられるうるかぎり多数載せ たプリントを配布し「証拠, を基に自らの主張を補強 しなさい」,「別の証拠を基に自らの主張を新たな観 点から補強しなさい」,「証拠を基に相手の主張を論 破しなさい」の3つを指示する。それらの指示に応じ て,生徒はさまざまな主張(論点)を幾つかの証拠に基 づいて述べることになる。 生徒から多数の論点が出てくると考えられるので, 教師はうまく論点を整理するために「論点表」を利用 し,生徒とともに完成させる。ただし,実際には,教 師は,討論させるための時間には制約があるので,先 の第二段階終了後に生徒にレポートを課し,生徒の論 点をあらかじめ整理しておく。そして,前述した3つ の指示に基づきつつ,ディベートによく似た状況のな かで生徒にできるかぎり問題を吟味させながら「論点 表」を完成させる。生徒はここで「コメ問題」に関す る知識,とりわけ,主張の背後にあるさまざまな考え 方を整理・習得するようになる。 第四段階は,対立する識者の主張を取り上げ,自ら の主張と比較する段階である。ここでは,「コメ問題」 に関するNHKのニュースビデオ16)を視聴し,識者の 間でも意見が分かれていることを生徒に理解させる。 生徒に現代の論争問題の解決の困難さ,つまり,「コ メ問題」の複雑さを理解させる。教師は,最終的に, ジレンマ状態から抜け出すためには,異なる視野での 解決の必要があることを示唆する。 第五段階は,「コメ問題」を異なる視野で考え,そ の解決をめざそうとする段階である。即ち,「コメ問 題」とよく似た過去の事例を検討し,解決のためのヒ ントを得ようとする段階である。ここでは類似の問題 事例として,これまでの日米摩擦で取りあげられた事 例,つまり繊維摩擦,自動車摩擦,オレンジ・牛肉交 渉を取り上げる。教師は,日米摩擦史をひもときなが らそれ,過去のらの事例のそのよく似た事例の問題の構造を明らかに後の展開・結果を明らかにする。し, 教師は,それらの結果から,「コメ問題」は世界の貿 易構造の変化によって生じたことを生徒に理解させる。 つまり,「コメ問題」は二国間問題ではなく,多国間 問題,世界経済の構造の問題としてとらえる必要があ ることを理解させる。ここでは,類似の問題解決の事 例から「コメ問題」の再解釈の必要性をはかろうとす ることになる。 第六段階は,問題の整理を行い,そこから生徒自身に 新しい問題を見つけださせる段階である。 ここでは, 匚コメ問題」の観点から世界経済を整理(「世界経済の 構造図」を作成)し,さらに今後検討すべき問題,例え ば,厂今後の自由貿易の在り方を円滑に進めるにはど うしたらよいのか」といった生徒自身が今後追求した い問題を見つけださせる段階である。つまり,「コメ 問題」を含みこみ,さらに解決せざるをえないもっと 大きな問題,例えば,国連の果たすべき役割,世界の貿 易体制の在り方,南北問題などを導きだす段階である。 2)社会的論争問題の構造化 この単元で確定できる教育内容(知識・理解目標) は「コメ問題, 」の背後にある世界経済の構造とその 問題である。教師は,匚コメ問題」のような社会的論 争問題を身近な問題のままあるいは国家レベルの問題 のまま検討するのではなく,身近な問題から国家レベ ルを経て世界レベルへと至る問題へと構造化すること が必要であろう。そうすることによって,厂コメ問題」 のような社会的論争問題の学習でも,その論争問題の 背後にある知識の習得がめのネットワークが再構成されざされ,幅,さらに生徒のと厚みを持つように知識 なる。 「現代社会」のような科目の場合,社会の対応策が 食い違って大きな論争になっている問題に取り組ませ ることは重要である。「コメ問題」は,私たちの生活 (特に食生活)に直結し,私たちが直面している問題 であり,解決せざるをえない問題であるとともに,解 決が容易でない複雑な問題でもある。ゆえに,日本政 府の対応策に対し,内外を問わずさまざまな提案が出 るほど論争になっている問題である。コメの輸入自由 化を認めれば日本の農業ひいては全産業に悪影響を及 ぼすかもしれないし,認めなければ貿易不均衡の増大 によってアメリカの対日圧力が激化するかもしれない。 さらにはガットの問題と関わり,南北問題などとも関 わるさまざまな問題を抱え込んでいる。 このような社会的論争問題は,主張の背後の現状認 識の違いとともに,価値観の対立があるため解決は容 易でない。というのも主張(各々の解決方法)の根底 には,例えば農家を保護すべきだ,あるいは,消費者 を保護すべきだといったさまざまな価値観が,人々の −102 −
意識にアプリオリに存在しているからである。この場 合の価値観の選択は,そのような主張をする人々の好 き嫌いの問題とも関わっている。 価値観の対立は,つまるところ,ジレンマ状態に 陥る。このようなジレンマ状態から脱却する方法とし て,まず行われるのがそれらの価値観に基づく主張の 信憑性をもっと追求することによって,とりあえず解 決を図ろうとするものである。その次に行われるのが, ジレンマ状態に陥るようなレベルではなくそれを砕く ような異なるレベルで,解決策を見つけだすものであ る。社会的論争問題を解決するための方法として,証 拠をもちいて検討することがさしずめ重要である。本 プロジェクトの第三段階がこれにあたり,さまざまな 主張の証拠が検討されている。証拠の不備な主張は信 用することが困難となり,・証拠の精確な主張に基づく 解決しか方法し,恐らくこのを重視することがめような解決方法には限界がざされる。 あろ
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類似
の社会的論争問題を検討することが効果的である。本 プロジェクトの第五段階がこれにあたり,過去の問題 解決の事例が検討・利用されている。そうすれば,現 代社会に生起する社会的論争問題に対する今後の対応 も,予測できるからである。類似の過去の社会的論争 問題を検討することは,現在の問題が陥っているジレ ンマ状態から脱却するための一つの有効な方法であろ う。 社会的論争問題を解決する方法を,論争問題の構造 から見るとどうなるか。世界レベルの論争問題に生徒 の目を向けさせることが必要となる。 この授業では, 社会的論争問題を,市民レベルの問題と世界レベルの 問題とに分けている。具体的に言えば,日本のコメの 輸入自由化問題(コメの輸入自由化をどうするか)と いうのが,市民レベルでの社会的論争問題である。ウ ルグァイラウンドの問題(世界の貿易をどうするか) というのが,世界レベルでの社会的論争問題である。 つまり,私たちは市民レベルの問題から世界レベルの 問題へと追求の目を向けることになる。 というのも, 私たちが直接出会うことのできる問題というのは,市 民レベルの社会的論争問題であり,その解決をめざす ことが第一の目的になるからである。 しかしながら, その解決には限界性をともなっている。世界経済の構 造を追求しなければ,市民レベルの問題解決は覚朿な くなるからである。そこで,世界レベルの社会的論争 問題に積極的に取り組ませる必要が生ずるのである。 3)学習指導過程の組織化 本プロジェクトでは,社会的論争問題に対し,生徒 が自らの主張を,証拠に基づいて発言できるようにす ることがめざされる。そのために,討論の活用がはか られる。そこで,自由討論(ディスカッション)から の脱却をめざし,ディベートに近い討論を組織し,利 用することになる。 では,従来の自由討論をどうするのか。単元のはじ めの部分に,自由討論を残す。本プロジェクトでは, 第二段階に残した。 自由討論を残すのはなぜか。自由討論によって,教 師は,生徒にとって身近な問題(食生活の問題)に対 し,生徒がどのような関心と考えを持っているかを把 握することが可能になるからである。つまり,自由討 論をさせれば,教師にとっては,生徒の現状を把握す ることが容易になる。そして,これらの把握はその後 の単元展開に生かされる。例えば,生徒の主張のもつ 弱点は何か,生徒はどのような資料を欲しているか, といったことについて,容易に対処できるようになる のである。ただし,実際の授業では,第二段階の終わ りにレポートを課すことによって,生徒の状況(問題 関心)をできるかぎり精確に把握するように努めた。 他方,生徒の側にとって,討論は,身近な問題に対する 生徒自身の主張のもつ限界性をわからせるのに適して いる。即ち,証拠の不十分さ・曖昧さ,相手の主張に 対する批判の弱さなどをわからせるのである。さらに, もう一つ,ディベートと違って自由討論では,問題に 対する是々非々は個々の生徒に任せられるので,問題 に対する生徒の本音を明らかにさせることも容易であ る。 では,自由討論は残したが,それを克服するために, 本プロジェクトではどうしたのか。自由討論を克服す るディベートに近い「討論」を組織した。本プロジェ クトの「討論」は,固定されたある特定の主張を守ら せるためのものではない。あくまで,生徒自らが形成 した主張を,展開し,補強させるためのものである。 その結果,対立する主張の一方に極端に片寄る場合も 生じるわけであり,その場合には,弱いほうに教師が 肩入れするなどの操作が必要となる。このような「討 論」で,生徒は自らの主張を守るために,証拠に基づ いた立論を行うように教師に指導される。教師は,生 徒に幾つかの証拠に基づいて自らの主張を補強させた り,証拠に基づいて相手の主張を論破したりさせる。 しかし,証拠による立論には限界が生じる。という のも一人の教師では,さまざまな主張に応えうるよう な資料を準備することができないため,ほとんどの授 業では,限定された資料しか使用されていないからで ある。資料の選択において,常に教師の恣意におかさ れる危険性がある。生徒の社会認識を知らぬ間に教師 が閉ざす方向に進める危険性がある。そこでまず,プ - 103−ロジェクトメンノ゛−で,考えられうる立論を列挙し, それらの立論を保証する証拠を探せる限り探し集め, 準備した。そして,生徒に一つの資料だけでなく数十 の資料をあたえ,立論の際に幾つかの資料を併用させ ることにした。さらに教師の恣意からの克服のために, 資料の中に立論に適さない「ダミー資料」を幾つか混 入させたり,あるいは生徒自らが発見した資料の利用 を促したりした。「ダミー資料」を利用したのは,生 徒のなかに使える資料はどれか,を意識的に考えさせ るためである。 4)オープンエンド化をめざす「現代社会」の授業 生徒の社会認識をより高いレベルへと開くために, つまり,オープンエンド化をめざすために,本プロジェ クトでは「論点表」 と「“世界経済の構造図」 を配 布し,書き込ませた。 「論点表」は,コメの輸入自由化反対・賛成の主張 を「内的条件」,「外的条件」と「経済的観点」,「非 経済的観点」に基づいて整理した(それらの主張を保 証する資料欄も付けた)ものである。例えば,内的条 件の経済的観点としては,反対派の経営規模拡大化論 と賛成派の農業経営合理化論などがあり,非経済的観 点のものとしては環境保全機能論がある。他方,外的 条件の経済的観点としては,反対派の貿易摩擦解消不 可能論と賛成派の自由貿易体制維持論などがあり,非 経済的観点のものとしては安全供給不可能論と反安全 供給不可能論などがある。第三段階で,教師と生徒が これを作成していく。このような対立する主張(論点) を証拠に基づいてさまざまな側面で整理させるものが 「論点表」である。「論点表」作成以前の生徒の知識 は非常に根拠の弱い,浅薄なものであるが,匚論点表」 の作成によって,生徒の点的知識を面的知識のネット ワークにすることが可能になると考えられる。 「世界経済の構造図」は,日本,アメリカ,タイ.EC 各国の国内対策(生産者,政府),国際対策とガット の基本原則(自由主義,無差別主義,多角主義)を図示 したものである。第六段階で,教師と生徒がこれを作 成していく。「世界経済の構造図」は,生徒にこれまで に学習した各国の取り組み方を整理させ,「同じ考え (=)」,「対立した考え(←→)」,「関係がある(・・)」 などを線で示させ,各国のつながりを明らかにするも のである。「世界経済の構造図」を作成させていくと, 「ガットの基本原則」と日本政府の考えは対立してい るなどの矛盾した関係や今後とも注視・調査していき たい問題が浮き出るようになっている。5)授業構成原理に即したテストの開発・実施 「コメ問題」を題材としたり,あるいは,ディベート をめざした授業ではテストの開発やその内容について の記述はほとんど見られないのが現状である。 では,どのようなテストが考えられるか。当然,授 業において生徒に要求された目標との一致が必要であ る。本プロジェクトで実施したテストは,単元の第三 段階,第五段階,第六段階で生徒に要求した知識・理 解目標,技能目標の達成を中心に作成した。 開発・実施された問題は,三つに大別できる。第一 の問題は,農業経営合理化論を根拠づける資料,貿易 摩擦解消論を否定する資料を,授業中に配ったのと同 じ数十の資料の載ったプリントから選びださせるもの である。これは,第三段階で作成した「論点表」の一 部を生徒に説明させるものである。第二の問題は,ウ ルグアイランドの紛糾状態を,日・米・EC・発展途 上国などの各国政府の主張をもとに,整理させる問題 である。これは,第六段階で作成した「世界経済の構 造図」を,生徒に説明させるものである。第三の問題 は,数年後のウルグァイラウンドの円満なる終了を仮 定させ,その際世界経済の枠組みがどうなっているか。 「ガットの基本原則」,「輸入制限」,「輸出補助金」 のキーワードを利用しながら,生徒自らに発展的に予 想させる問題である。具体的には,第五段階で提示し た過去の日米貿易摩擦史の解釈と,第六段階の「世界 経済の構造図」を利用させながら,生徒の社会認識を オープンエンド化させる,という意味を持たせている。 【註】 1)「コメ問題」に関わる参考文献として以下のもの を参照した。 ・祖田修『コメを考える』岩波書店, 1989. ・辻井博『世界コメ戦争』家の光協会, 1988. ・米政策研究会『コメ輸入自由化の影響予測』富民協 会, 1991. ・唯是康彦『日本の食糧経済』日本放送出版協会, 1988. ・NHK取材班『NHKスペシャルいま世界が動く④』 日本放送出版協会, 1992. ・坂本慶一他編著『米KOME輸入か農の再生か』学 陽書房, 1987. ・食糧政策研究会編『日本の食糧と食管制度』日本経 済評論社, 1987. ・大賀圭治編『米の国際需給と国際自由化問題』農林 統計協会, 1988.など。 2)大木馨「農作物の輸入化問題を討論する」『社会 科教育J No.327, pp.67-72. 3』佐々孝トワークJ「米の輸入賛成か No.6, pp.32-33.反対か」『授業づくりネッ - 104−
4) 本間昇「米 を作 る」 『1単元 の授業 小 学 社 会5年 日本 の産業 と国土』 日本書籍i 1990. pp,25-29. 5 ) 黒木俊治 「討論的授業 に向く ネ タ教材」『 社会科 教育J No.324, pp.88-92. 6 』仁茂田 弘「『米 の自由化』 から国 際 情勢 学 習 へ」 『社 会科教育J No.345, pp.88-92. 7 』中西真「 腹が減 った ら考え られぬ.『食 糧 』 問 題」 『社 会科教 育J No.331, pp.123-125. 8 』吉田勝司 「米を見 直す」『中学 校社会科新 しい問 題解決学 習 の授業 展開』 ぎょうせい, 1990, pp. 179-191. 9 ) 今谷順重 編著『 中学 校社会科 新しい問題解 決学習 の授業 展開』 ぎょうせい, 1990. 10) 坂田正 博「ど うなる米 づ くり の村」 『 スト ップ方 式によ る教材研究 の・1単元 の授業 中 学社 会地 理 』 日本書 籍, 1991, pp. 165-182. 17) 「論 点表」 米 輸 入自由 化 に関す る論 点一覧 表 内 的 条 件 経 済 的 観 点 非経済的観点 分業 か否 か 地域 経 済 景 気 変 動 日本農業の展望 環 境 保 全 論点 一国多産業論 地域経済支援論 飮覬緩脂 贈 繼 旭 競 紬絡 自 由 化 反 対 一 国 の 産 業 構 造 は バ ラ ン ス が と れ て い る 必 要 が あ る 東 北・ 北 陸 地 方 な ど で は 地 域 経 済 に 占 め る 農 業 の 割 合 が 高 く , そ の 衰 退 は 地 域 経 済 に 大 き な 打 撃 を 与 え る 日 本 経 済 の 景 気 変 動 に 際 し て , 農 業 は 労 働 力 の 流 出 ・ 吸 収 と い う 形 で 衝 撃 を 緩 衝 す る 役 割 を 果 た し て き た 経 営 規 模 を 拡 大 す れば , 米 農 家 は 存 続 で きる ( 現 状 の ま ま で は 存 続 で き な い) 水 田 は 保 水 能 力 が あ る の で , 米 作 り を や め る と ダ ム を 整 備 し な い か ぎ り 洪 水 な ど の 危 険 が あ る 熊 闇 剛 ㈲ 闇 (5) (7) (11) (34) ㈲ 論点 麟 胎 謝 頸 環驟 商 釶 自 由 化 賛 成 農 業 経 営 シ ス テ ム を 合 理 化 す れば , 米 農 家 は 存 続 で き る 転 作 を 勧 め た 場 合 あ る 程 度 は 環 境 保 全 機 能 を 果 た す こ と が 見 込 ま れ る (36)(37) 日本農業衰退讀 農業従事者が 減少している ので米 農家に あまり 展望が もてない 能 向 田 ) 11) 菅 澤 康 雄 「 コ メ 戦 争 を ど う す る」 『 た の し く わ か る 現 代 社 会100 時 間』あ ゆ み 出 版, 1988, pp.78-81. 12) 西 村 公 孝 「米 の 自 由 化 に つ い て の デ ィ ベ ー ト 」 『新 社 会 科 授 業 論 』 教 育 出 版, 1992, pp.160-167. 13 ) 新 井 明 「 デ ィ ベ ート を と お し て 考 え る 日 米 摩 擦 」 「 教 室 か ら の 国 際 理 解上 巻」 中 教 出 版, 1990, pp. 155-172. 14 ) 三 宅 啓 介 匚社 会 的 論 争 問 題 の 教 材 化 と そ の授 業 構 成 につ い て 」(1991 年 度 広 島史 学 研 究 会発 表 レ ジュ メ ) 15 ) 片 上 宗 二 『 社 会 科 授 業 の 改 革 と 展 望 』 明 治 図 書 , 1985. 16 )NHKr特 集21 対 決 シ ミ ュ レ ー ショ ン」,1991.11.25. 外 的 条 件 経 済 的 観 点 非経済的観点 分 業 か 否 か 安 定 供 給 穀物 メ ジ ャ ー 貿 易 食糧 の安 全 性 論点 薮 濕 給不弓 鼬 独メ ジヤ弓 詣 貿易 摩擦 解消 不可 能論 安損 誚 鎖 自 由 化 反 対 米 は 国 際 価 格 の 変 動 が 激 し く 、 海 外 市 場 か ら 常 に 安 定 し た 供 給 が 期 待 で き る わ けで はな い ア メ リ カ の 米 は 5 社 の 穀 物 メ ジ ャ ーが 握 っ て い る の で 価 格 操 作 さ れ る 危 険 性 が あ る ア メ リ カ の 農 産 物 に は 多 量 の 農 薬 が 残 存 し て い る の で 輸 入 自 由 化 す べ き で は な い 米の輸入を自由化 しても、日米間の 關 摩擦の解潮こ は程遠い ㈲ 反 自 由 貿 易 体 制 維 持 論 アメリ 川 自由H を鬪 に いるが、輸 人鬪 囲 酳 鬪 本よりμ いので誅 叺 自齟 勁 にU するべぶで鴟 い 鮒 (21)≫ ㈲3m) (16) 郎 (lm)(1叩) 論点 国 際 分 業 論 安定供給可能論 自 由 貿 易 体 制 維 持 論 反 安 全 供 給 不可 能論 自 由 化 賛 成 各 国 が そ れ ぞ れ労 働生 産性 の高 い も のを 作り そ れを 貿 易 し た ほ うが よい 国 内 の 米 の 全 消 費 量 を 輸 入 に 頼 る わ け で は な い も ので、 国 内 で 生 産 す る も の を 含 め る と 安 定 供 給 は 可 能 であ る 日 本 は 自 由 貿 易 体 制 の 恩 恵 を 受 け て い る の で 米 の 輸 入 自 由 化 を 受 け 入 れ る べ き で あ る 日 本 の 米 農 家 は 農 薬 に 多 く の 費 用 を 割 い て い る の で 、 必 ず し も 外 国 産 の 農 産 物 が 危 険 で あ る と は い え な い 資料 (3)(8)(12) (25)(26)(30) 剛(0(6) 剛 (13) 一 如5 −
工8) 匚世 界 経 済 の 構 造 図」 1992. 3 . 12. 〈 ウ ル グ ァ イ ラ ンド( 農業 交 渉) を め ぐる 各 国 の状 況 と対 策 〉 匝 莚 じ気 痢 `'`""7" 冖 - w - - - 一丱勇 4 皿勇 a勇 ■■ w w 幽 ■ ・ w ・ 4 ・ -生 産 者 - 一一一一 -一一 - - - - 一一白 - - - や ー f 一一 一一一一 一一 一一一一 一一 -・農 産物 の販売 不振 - - ■ - - - w - - - φ勇 - - - 一丱一勇一勇勇勇 -一甲 ・一皿 - a - ■■■■■■■ -■ - - - ■ - ・ - w - w ・補 助金 のア ップ ・ - 4 - - -一皿一勇一勇 ・ a - - ■■ - - ■■■ -■■■ - w - w w w w - w - w ・ w w 白 ・ 一勇 ・ -棗 レ ベ ノレ顫U 対策 消 酋 ● ● 杲 回 ● ● コ メ 鴛 . ふ 蛎 入 目 胙 把 貧 膨 づ 。: ⋮ ⋮ 犬 。 。 。 ⋮ 。 ⋮ 。 。一 ︲ : ’ ; : ” ” : ” : ’ : ; ’ 一 ’ ︰ ” J ’ り 瀬 入 湟 混 反 淅 一 呆 の コ メ は 高 ご ・ 一 ’: : ’ “ ’: ’ ‘ : ’: : ” ; 一 ‘ ︰ ’ 凛 凛 涎 胞 瀬 淘 耿 熈 消 費 者 ︲︲︲︲ 生 産 者 ︲︲︲︲ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 r I I I I I 1 1 1 − − − − − ︱ ︱ ︱ ︱− − − 1 1 − ︱− ︱ ︱ − ` 日 本 政 府 国内レベル 国際レベル 対 策 現回 議四 対策 コ メ 万 ● ● 日 自 作 ● ● 日 ミ W 呂 ● ● j 1 米 国 政 府 回 レぶ 羣・ 補助金を アップしたいが、 現状では無理 現 状 認 識 ・ 農業 不 振 回 レぶ 現 状 認 識 ・ アメリカの 農産物 の国際 競争力 は弱 い 羣・ (対 日 )市 場 の拡 大・ (対 E C ) 補 助 金 カ ット( 関 税障 壁 撤 廃 ) ガ ッ ト の 基 本 原 則 (1)自 由 主 義(2)無 差 別 主 義(3)多 角 主 義 途 上 国 政 府 凧 レ こ 羣・完 全 な 自 由 貿 易 体制 の実 現 現 状 認 議 ・ 労働力が安いため、実質的な国際競争力は高い 回 レ こ 現 状 認 識 ・ 劃 ご国経済において農業の占める割合は高い 羣・ 工業化 の促 進( 工業 のた めの外貨 獲 得) 対 策 ・( 豊 か な生 活 の だ 生 産 の 拡 大を め 現 状 認 識 ・ 土 地 生 産 性が 低 市 民 レ ベル 生 106 一 一 ` り 一 一 ` に す ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ 産 一 め ざ ︲ ︲ ︲ い ︲ ︲ ︲ 一 E C 政 府 国際レ ベル 国内レベル 対策魘回 議無題 対策 RE白 の 9 呂 肘 予晋 自 1 擴 予岔 卻 カ