リューベック市参事会判決録におけるEigentum, Besitz, Were
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(2) ー は じ. め. ドイ ツ中世 社会における物権は、 所有権と占有との区分を知らず、 一般に「ゲヴ ェー レ」という現象 形態をとって. いたことはよく知られている。 しかし、このドイ ツ語の表現は、物権的な意味においてのみ使用されていた訳ではな. い。例 え ば、十三 世 紀 の 中 世 法 の 典 型 的 な 法 史 料 で あ るザ クセ ンシ ュピ ー ゲル を 見 る と、そ こ で は ゲ ヴ ェー レ. ge w ere)」 という意味でも使用されている。 したがって、このような言 わば副次的な性格を除きながら、物権的な意 味でのゲヴ ェーレの意味を画定することは少なからず困難を伴う。. この問題に、 歴史 学的な 観点も加味して、 戦後、 明快な理論分析を 加えたのは世 良晃志郎教授であったろう。彼は. 「ゲヴ ェーレ法は、物権の本来 の目的が物の自然的使用価 値の把 握に向けられているような社会における物権法のあ. り方」 であると論じ、さらにプ ラ ー ニッ ツのケル ン都市法研究の成果に依拠しつつ、貨幣経済の発展とともに、もは. や「士地の取得が継続的な用益を その第一の目的にしてはおこなわれ」るのではなく、土地の「交換価 値把 握のため. の手段として土地所有権そのもの取得( A ufl a s su n g ) がおこなわれ」 るようになり、 その結果「 権利の具象 的・外 3 形的表現を要求するゲヴ ェー レ法は、実質的に崩壊の傾向を たどらざるを えない」と述 ぺた。このゲヴ ェーレ法の崩. 壊に中世 都市法が重要な役割を果たしたとされる、彼の理論的な展望は、 林毅教 授のケル ン法研究に引き継がれ、氏. は、 同市の十二 •三世 紀のシ ュラ イ ン文書の登記を利用して、その実証を試みておられる。. -2-. に. ,w ere) は、 , n 「保証」の意味でも登場し、さらに、それは「訴えゲヴ ェーレ( Kla ge 「不動産」の場所とか、 w ere ( Ge. 近畿大学法学 第44巻第 l 号.
(3) 筆者が研究対象 としているリ ューベッ ク法についても、 エーベ. ( Wi l h elmEbel)によって、 不動産所有権の展. ル. 開についての概括的な展望が与えられてはいるが、そこではゲヴ ェーレから抽象 的・ 観念的な物権への変遷について 固 はほとんど言及されてはいない。筆者は、 旧稿で、リ ューベッ クの法典類においてゲヴ ェーレ やE i g en u m、 B esi t z、 t. 0 の面土有に関係する用語がどのよう に使用されていたかについて論じたことがある。 その際の si es s s、P os ieta P ropr. 八六年の校訂法典で漸くその姿の一端を表すこと、ゲヴ ェーレはラテン語、ドイ ツ語いずれの法典類でも、 曖昧さの. 点では伝統的であり、その使用頻度も高くなかったこと、その対象 も動産の場合が多く、 不動産の帰属を示す用語と. して 利用されて いるの は稀 であったことであった。したがって、 不動産の帰属 を 示す用語として のゲヴ ェー レか ら. zへ の変遷の過程は必ずしも明白ではないということであった。そこで筆者は、 本稿で、 別の法史 est u m、 B en g Ei i t. 料を使って、この変遷過程を跡付けてみることにしたのである。 m ここで使用する史料は、 エーベ ルが編纂した『 リ ューベッ ク市参事会判決録』 である。. この法史料は全部で四巻からなり、 時期的には、第四巻の数例を除いて、概ね― 四00年頃から一五五0年頃まで. をカヴ ァーするので、必ずしも中世 リ ューベッ ク法の史料とは言えないのであるが、少なくも、実際の法生活におい. て人々がどのようにこれらの用語を使用していたのかを明らかにはしてくれる。なお、この文献は、個 々の市参事会. ー. i ed erS ta d t buc h) に登記 裁判のすべての記 録ではなく、 エーベル によって要約された、 主にニーダー都市帳簿 ( N. された個 々の裁判記 録の「 抜粋」である。その基本的な態様は以下 の通り。最初に、 原告と被告の氏名と出身地、も. し彼らが代 言人 ( F il rsprec h er) または訴訟代理人を利用している場合、 彼らの氏名、 さらに判決非難、 つまり控 訴. -3-. esitz も一五 u m、 B en g sioはドイ ツ語法典では登場せず、 ドイ ツ語のE i es s ietas、P os 結論は、 ラ テ ン語のP ropr t. リュ ーベ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz. Were.
(4) 近畿大学法学 第44巻第 1 号. こ こ で 、 意 味 的 に 、 代 言 人 が 利 用さ れ て い た こ と が 判 明 す. と 被 告 の 反 論 が 挙 げ ら れ る 。 以上 が 「 訴 え 部 分」 に な る 。 そ し て 市 参 事 会 の 慎 重 な 審 理 の 言 及 後 、. 事 案 で あ れ ば 、 原審 判 決 の 内 容 、 そ の 後 、 原告 の 主 張 I る こともある I. 本 編 と も 言 う べ き 市 参 事 会 の 「 判 決 部 分」 が 来 る 。 最 後 に 、 簡 単 に 「 市 参 事 会 の 命 令 に よ っ て 記 載 さ れ た ( S cr even. e des Rades)」 と い う 文 言 と そ の 日 付 が 記 載 さ れ て い る 。 第 四 巻 で は 、 市 参 事 会 の 判 決 の 他 に 、 同 じ 事 van bevel. 案 の下 級審 か ら 同 市 参 事 会 へ の控 訴 文 書 が 残さ れて い る 場合 、 そ の 文 書 が 市 参 事 会 の 判 決 文 の 後 に 収 録さ れて い る こ ともある 。. -4-. 本 稿 で は 、 まず 不 動 産 所 有 と 広 義 で 関 係 す る 用語 が 市 参 事 会 判 決 録 で ど の よ う に 現 れ 、 そ れ が ど の よ う に 変遷 し て. い っ た か を 明 ら か に す る 。 さ ら に 、 都 市 法 の 妥 当 し て い な い 農 村 地 域 、 い わ ゆ る ラ ン ト 法 地 域 か ら も リ ュー ベ ッ ク 市. 参 事 会 に は 訴 え が なさ れ る こ と が あ り 、 こ れ に つい て 同 市 参 事 会 は 判 決 を 下 し て い る か ら 、 こ の 種 の 不 動 産 法 問 題 に つい て の 同 市 参 事 会 の 法 的 処 理 に も 言及 する 。. 註. 「 歴史学方法論 上の諸 問題 』 、木鐸社、昭和五0年、 二十 二— 十三頁。 「 中世 都市ケルンに おける私 的土地所有権の成立」(平松 義郎博士追 悼論 文集『法 と刑 罰の歴史的考察 』 、名古屋大学出版会、 九 八七 年、所収) 一. ァイゲンとの関係で 分析 しようとする八0年代の、主に『 北大法学論 集』 で 展開 された石川武論 文を参照されたい。. ス、 さらにイギリ スのゲヴ ェー レ類似の権限との比較法的な検討 を精 力的にすすめられた塙浩教授の労 作や、ゲヴ ェー レを. このような困難さにもかかわらず、我が 国には、幸いにも、かなりの研 究の蓄 積が ある。例 えば、ゲヴ ェー レと中世 フラン. これは、訴 訟の相 手方に、彼の反訴 を保 証するという意 味 で あり、 そこには物権との関わり合いは全くない。. (2) (1) (4) (3).
(5) Ei gent um と B esit z. [l ー l o o ]. d d d d . , e l W.Eb R e c h t s e fr s a g e n b ii r g e r l i c h e n G ru n b e s i t z e s e u t s c o h s e t n i m S i e l u n g s g e b i e t d e s M i t t e l a l t e r s P ro , i n ,St ,Go bl e mede rde ut s c he n Re c ht s ge s c hi c ht e t t i nge n 1978. S. 244|250. Be rn ha r d Am Ende urVe udi e nz r fa s ' ,Lube スLリューベック ブ 4け �に ~ 0$1 ・―1 ル +十 eLii ht c hi c ksi s c ge be hunde k 1 975. � � 「 ungs c s hr t r a m 12.und 13.J 不動産法研究の展開」 、『近畿大学法学』 、第三九巻第一・ニ号、一0五ー一〇七頁。 拙稿 ぶ中世都市リューペックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (完) 」 、『近畿大学法学』 、第四0巻第一 ― ― •四号、 一六八ー一七0頁。 ,Go , 4Bde . ,he t t i nge n 1955-1 967. l t s ur t e i l e Lii be c ke rRa ra us ge ge be nvonW.Ebe. �. ge ① Ei n tum. この用語の使用度は、 時代が下がるにつれて次第に増加する。判決録の中で最も古い事例は、―四六五年. 程で、 故人の遺言 が朗 読され、 そして、 その遺言 の中にE i ge n t u m が登場する。 「 私が住まいする私の家屋の de n. e ygen dom を …… 私は上 記 の子 供たち に遺 贈 す る (to tek e nei k myne nvb or e nome de nkin de re n)」。こ の 遺 言. を 根拠 に、 原告は、被告の妻の他にも故人には子 供がいるから、その子 供たち にも、遺言 に従って、遺贈 の実行が な. されるべきであると主張し、市参事会は、 原告の訴えを認め、遺言 通りの履 行を当事者に命 じた。市参事会は遺言 の. 内容に言 及せず、E i ge n t umも判決 部分には登場しない。しかし、この用語が遺言 の中に登場することは、 一般の市. 民の間で、この用語が使用されていたことを示す。問題はその意味内容である。 一見すると「私の家屋の所有権を」. -5-. (5) (6) (7). にある。原告は、ある故人の後見人たち 。彼らは被告ー故人の娘の夫 ーに故人の遺言の執 行を 求 めた。この審 理の過. リュ ーペ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were.
(6) 2. と読めそうである。. endom が登場するのは、 二年後の一四六七年の事例[ 市参事会の判決部分にeg. 1- 10 8 ]. である。 ここでは、 原告. は一人の女性の後見人等である。 彼らは、被告に、 彼が彼女と結んだとされる「一軒の家屋のen eseg endmesの o ed u ll) を証拠 として求めた。 この事案について、 市参事会は、その覚書に en c k e c 売 買」 の履行を、 一枚の覚書( d. よれば、 当該女性が被告に「 家屋の彼女のeg wet uc h) とともに endom を、 その家屋の中にあった醸造 道 具(bru. endom と醸造 道具を 一六0リ ューベッ ク ・マル クで譲渡し た」ことが明らか である とし ……売 却し、彼にそのeg. -6-. て、 被告に代金の支払いを命じる判決を下した。 このeg endom が 「所有権」 を意味しているとは断言できない。. こ J ではなお何 らかの具体 的な. なぜなら、この用語は、具体的な対象 である 「 醸造 用具」と、並列に使用されているからである。観念的な用語のEi g,. 「に代わって」 ではな<. うよりも、 むしろ不動産自体を表すように見える。 しかし、 このような用法 「と並んで」. 。しかし。 この判. 1- 2 8 7 ]. ただ市参事会の判決部分のみが残されているにすぎないからである。その点では不満が残る。判決は以下 のような簡. 決記 録は、他の判決記 録に比べてかなり不完 全である。なぜなら、当事者とその訴えを記した「訴え部分」がなく、. を意味する可能 性のある判決も登場する。その最も古い事例は、― 四八三年の判決である[. m が所有権 en tu g -五世 紀後半から、E i. g ent u m の用法も、 所有権とい (h us ) との結びつきは、市参事会判決録では、かなり頻繁に登場する。 いずれのE i. ent g u m と家 屋 o ut を 再確認するために、 つまり同語反復 的に ( ta lgisch) 使用されているように見える。 このE i. 対象 をも包含する用語と見なす方が素直 な読み方ではなかろうか。筆者には、それが、当該家屋が不動産である こと. g en tu m も、 ent u m と具体的な対象 の用語である醸造 用具の併記 は奇妙 である。E i. 近畿大学法学 第 44巻第 1 号.
(7) ③. 単なものである。 「 それらの家屋、 土地と地下室の e ge n dom が帰属する者が、 その泉 水のために(修 理費用を) 支. 出すべきであり、 そこに賃料 ( の支払い) とともに居住する者ではない」 。 判決の趣 旨は、 当該不動産の近くにある. 公共 水道の泉 水が破 損した場合、その修 理費用を負 担するのは、実際に居住している賃借人ではなく、それらの不動. 産 の 持 ち 主 で あ る と いう ことで ある。ここ で 使 用 さ れ て い る ege n dom が、 先 述 の よ う に、不動 産 を 示 す 用 語 で. 4. あり、 e dom が家屋、 土地、 地下室全体を包括する用語として使用されているから、 この e n dom は所有権 n ge ge. を 意味していると判断できそうである。. ここで e ge n dom が所有「権」を 意味する用語として使用されたと推 測しうる傍証は、 この十五世 紀の後半以降 、. 判決記 録の中で、しばしば「権限」そのものが問題にされ、そしてその明示が求められていることである。つまり 、. ー. [4 78]. 被告に請求した。この事案 について、. では、家屋等の不動産の質入れが問題とされる。原告は、彼に当該不動産を 質. 不動産の持ち 主であっても、 彼の権限は何に由来し、それがいかなる内容であるかが問われているのである。. 例えば、― 四六七年の事例. 入れした者は、被告と完全な会 社関係にあったとして|ーおそらく引渡しをI. ,danz npar 市参事会は、 質入れ者は「 彼がそこに有している持分以上 に質入れ ( tove r pan de n de t,dath edar , i )」 する 「権限はな ( ni c ht me r me e h )」かったと判断した° 換言すれば、 不動産が誰に属してい ic anneh efft ht c. [4-155 (1476)]. [l. 454]. ー. にある。 原告は一軒の家屋の. も頻繁に使用されるようになる。. るかという事実の問題ではなく、彼は、当該不動産に対して、いかなる権限を有しているのかが問題とされているの. である。 me c ht ic h の名詞形である「権限( mac ht ). 同様の用語である ge re ht ic h eitについても、 興味深い判決が一四九0年 c. -7-. あった可能 性もあるが、本判決の意図は、 不動産の持ち 主の権限の、賃借人の権限との、 相違を 明らかにすることで. リュ ーベ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz. Were.
(8) 近畿大学法学 第 44巻第 1 号. 名義 書換えを請求し、 被告は自己の物であると主張した。 市参事会は次のように判決した。「ハン ス某 171 その家屋を解放しようとするのであれば、 彼は彼の権限を発見し、 そして提示しなければならない」 。. [l ー. 7]のeg 28 endm o も所有 「 権」と見ても差し支えなしという結論に到るのである。. 被 告) が. ( II. こ J では、 市. 以上 の経過から十五世紀後半から 「 権限」が判決において 重視されるようになったことが読み取れ、その結果、先. 参事会は、被告に、当該家屋が彼のものであるとする権限の証明を命 じている。. 程. Ei g ent u m が所有権を意味 する 用語として も使用さ れる よう になった ことを決定的にしている のは 、十六世 紀に. ー. 入ってから使用されるようになっているE i 31] では、 原告は、 一年間 entil g me rである。 一五ニ― 年の事例[28. の賃料を被告は未払いであるとして訴え 、他方 、被告は当該賃料自体を認めないと反論した 。これについて、市参事. 会は、いずれか一方の主張を繰り返すという 通例の判決方法をとらず、後に一五 八六年の校訂法典の第三篇 の第一章. の第一― 条に収 録されることになるリ ューベッ ク法原則を適用し、 原告を勝訴させた。すなわち 「一年間の賃料は常 ⑧ ome rの言 明によって決し、それを被告は支払わねばならない」 と。 つまりE i me rは、 ここでは entil g endm にeg. 主張をそのまま認めた。. の endm oe rが登場するのみで、 市参事会の判決部分に J 判決 では、 原告の主張の中 にeg. 売 買についての原告の先買権を市参事会によって確認してもらいたいというものであった。市参事会は、無論原告の. は当該家屋のeg endm oe rである。 原告の主張は、 被告が、 彼ら原告の同意なく、 その家屋を売 却したから、 その. ー. これは一五三二年の事例[3306] でも確認される。 原告によれば、 彼らは一軒の家屋の定期金権者であり、 被告. 抽象的な支配権を有する所有者として理解されているのである。. 第三者に当該家屋を賃貸している家主であり 、単に、事実上 、当該不動産に居る人でも、それが帰属する人でもない。. -8-.
(9) ー. [3 494. (1543), 646. (1545), 671. (1546)]. にも看 取さ. 所有者」 の用語が、 当該家屋に制限物権的に権限を行使する定期金権者と、 対比的に使用されて は登場しないが、 「 いるのである。 このような用法は一五四0年代の三つの事例 れ、その安定した利用を確認することもできる。. 以上 の実例から、十 五世紀後半から抽象 的な 「 権限」が問題とされるようになり、その結果 「 所有権 」観念が登場. することが判明する。 しかし、まず定着していったのは 「 所有者」概念である。 「 所有権」としてのE i g e ntu m は、. 従来の用法である 「 不動産 」としての意味を内包していたからであろうか、その普 遍的な登場には至っていない。 こ. -9 -. の不動産としてのE i g ent u m は、十 六世紀に入ってからも、なお併存的に市参事会判決録に現れている。. ② B e si t z. J 現実 的な支配を 示す概念が、 「 の 所有権」 の 対. 物に対する支配が、 現実的な支配から分離して、 「 抽象 的」 に理解されるようになれば、 そ の分離された現実的な 支配状態を、 前者とは異なって表現する必要がでてくるであろう。. ⑨. 概念とも言うべき「占有 」である。 しかし、 これを 「観念的・抽象 的に」 把 握することは、 「 所有権 」に比べて、 決. して容易ではない。なぜなら前者の所有権は、そ れを理解するための 、特 段の思 考を必要としないが、後者の占有は、. 今日においても、法的な問題が生じない限り、 通常 人の頭の中に、常 に意識 されている訳ではないからである。ま し. てや中世のリ ューベッ クにおいてをや、である。しかし、 ある程度明白な 「 所有権 」概念が、同市において、十 五・. 今日 の 「占有 」を表す用語である B e si t z に似た表現は、判決録の中では、基本的に三種類の派生的な単語として. 係しそうな用語の判決録での使用状況を調べてみよう。. 十 六世紀にかけて登場してくることは、 同時に 「占有」 概念の並列的な登場をも予 感させる。 ここで、「占有」 に関. ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were ーベ. リュ.
(10) 登場してくる。 動詞の besi t z e n 、 名詞 のbesitting e、besitt1. そ して besy tt er e である。. besi t z n, e e n (besitt bes et e n). ゜. ここから派生した形容詞形の besitlick -. と、. (ru m ) の引渡しを、 被告に請求したのに対して、 被告は、 証拠 (bes ched e) とともに、 そ の土地を一年一日. ー. その最も古い事例は一四四二年[ll l ] にある。原告が、リ ューベッ クの近郊 オルデスレー(Ol d es l oe) にある土. 該不動産「を持つ」という用語法に変化 したように見える。. 「 置 く 」といった意味を含んでいる。 この動詞と不動産が結合し、 当 該不動産に「留ま る」 ことによって 、 次 第に当. ー. 認できるように、本来的に動詞の si t z e n やs etze n との結びつきが強く、「 留ま る」、「席を占める[4 2 0 (1 、 432)]」. 最初の動詞の besi t z e n は、 その中世 低地ドイ ツ語形のbesitt e n や、 十三世 紀末のキール法典での用法からも確. (a). e n を伴っているから、 不動産 n のみに注目するならば、 そ れは、 実際的な使用を意味する動詞であ る bruk e z t besi. と一日の平穏 な経過の後に 「 レヒ テ ・ゲヴ ェーレ」に変わるという、典型 的な中世法的な処 理に従っている。ただし. いなく、 判決の趣 旨も、被告の besi tze n がいかなる権限に基づくのかを問うことなく、その「 ゲヴ ェーレ 」が 一年. 詞形である。この動詞は現実的な使用と結合して利用されており、それが「 ゲヴ ェーレ」的な用法であることは間違. 。. 「何らの異議も無く (su er sp n し使用していたならば、 という条件を付けながらも、 被告の主 nd e et e)」bes k ra a n " u 張を認め、 彼に、 原告の訴えに対する応答 義 務のないことを判決した。 この bes et e n は先述の besitt e n の過去分. 「he bbe et n bes ) として 、 その引渡しを拒否 した。 市参事会は、 被告が e n 」 し、 そして使用していた (g bruket e. 地. を 現実 的 に 「 所持する 」という 意味 になる。この判決については、ラ ント法との関係で後に再度言及する。. - 10-. 近畿大学法学 第44巻第 1 号.
(11) リュ ーペ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were. [ l|. ] 同様の用法が一四五六年 2 4 の事例でも登場する。原告は寡婦と現在の夫 。 被告は、彼女の亡夫 の兄弟と遺言 執 行人。 亡夫 が、遺言の中で、市内にある居酒屋 ( kro g e) から一00 マルクを その兄弟に遺贈 していたから、 こ れ. について原告が異議を 唱えたのである。 原告の当該居酒屋に対する権限については、判決 記録には記載が ない 。寡婦. に 亡夫 は遺贈 していたのかもしれ ない。この事案 について市参事会は、「当 該居酒屋を b esi t h または今 後 b i tt e , s e の 部分 に J 判決 文に相当する 主張が 訴 ス. deしようとする者は、 被告に 一OO マルクを支払うべし」 と判決した。 n. tt e nが使用されたのか判然とはし ない 。 空想を たく ましくする ならば、市 参事 は登場し ないか ら、 なぜここでb i s e 会は、遺 言に一 OO マルクの遺贈 が記されており、それは有効であるから、その居酒屋に居住することを望む者誰で. あれ、当該遺言を実行せよと判決したようにも見える 。そうであるとすれば、い か なる権限に基づくにせよ、その居. 酒屋を実際に 「所持する」 者に当該金額の支払い義 務が 課されることに なり 、 その結果としてb i tt enは 「占有す e s 3 る 」という 意味 にます ます 接近すること になる 。. 0 (1 32 、 レヴ ァル市 )] 48 4. [l |. ー. このよう な「占有」 的な意味で使用されるb tt e nは、 不動産の帰属を め ぐる争いにおいて、 十五世 紀後半には、 s ei 期間を表す副詞句を伴って使用されるようになる 。 例えば、 トラーヴ ェミ ュンデ ( Tra ve mtin de) からの判決非難. キ ャベ ツ) 畑を 二三年以上 平穏 にb es ete の事案 の判決の中にある 「 ( n 」 という文言. [l. 参事会の判決であるが、後にリ ューベッ ク市参事会の 承認を受けた判決、す なわち 、差押えを 受ける以前の所有者は. 「 その菜園を 三五年以上 平穏 に、何らの異議も受けること なく (su n de ranspr ff t」という文言 a k )e b es ete nh e. 動産所持者は、 誰からも異議を受ける こ と なく 、 しかもいかに長期間にわたって b es ete nしてきたかを も 主張し な. 24 (1 4 96 )] 竿寸 である。この用法は十六世 紀に入ると、さらに訴え部分において頻繁に登場する。 なぜ なら現 在の 不 7. - 11 -.
(12) け れば なら ないからである。 もっとも長い期間の表現は、 デン ミン ( D e mm in) 市参事会からの控 訴事案の事例. [3. の中' の原告の主張にある。原告によれば、原告側が当該農地を相続的に取得 し、六0年以上 平穏 に bes ,. 776 (1548)]. ー. うのである。ここでは六0年の期間の始期ははっきり しない。おそらく原告の推定以上 のものではないであろう。判. 決部分でも、この六0年は登場 しない。ついでに言えば、原告は敗訴しているのであるが。. さて以上 の、 期間を伴うbesi t te n の事例は、 い ずれもリ ューベッ ク市以外の地域からの判決非難、 す なわち控訴. の J 用 法 はリ ュ ー. の事案であるから、このような、現実 的 な 「 占有」が不動産の帰属を決定するという、言わば 「 占有と所有権の未分. 離」 的な方 法 は、 リ ューベッ クのよう な都市 ではなく 、 農村的な地域での紛争解決方法であり、. ペッ クでは無縁ではなかったのかという推 測も招く。こ れは か なりの程度において正しい。 なぜ なら、リ ューベッ ク. においては不動産登記簿 、す なわち オー バー 都市帳簿が設置されていたからである。ここでは、不動産の帰属をめ ぐ. る争いは不動産登記簿 の登記 が決定的 な証 明手段となりうるからである。 しか し登記は不動産の 「 所有」を 証 明しう. ー. 。 原告 ー| ' 正確には、故人の後見人ー 5 12]. は、一枚の断片. るが、現実的 ・事実的な不動産利用 や「占有」を 通例、証 明してはく れない 。つまり、リ ューベッ クにおける右述 の. [l. よ う な事態も 、 むしろ所有者の存在を前 提として初めて生じうる ことなのである。 このことを 典型的に示す事例が一四九一年にある. (ce de l e) を証拠と しつつ、 被告の家屋が、 原告の敷地 ( ho ve) への出入 口 (porten) と流水路 w a tert uc ht) を ( 妨 げ て い る と 主 張す る 。こ れに 対 して、被 告 が 反 論 した こ と は、そ れが 不 動 産 (lgg e u d stan de n de grun d ie n ve) と関係するから、 原告はそ れを 都市帳簿 によって証明せよ、 ということである。 おそらく、 当該造作物を 原 er. - 12-. eten し、後 に アウ フラッ スン グさ れ、 同市の 都市帳簿 にも原告に権限あり ( ber ec ht i g et ) と記 載されている、とい. 近畿大学法学 第44巻第 1 号.
(13) 告側の故人 が所有していた事実を、 公的書類によって証明せよという意図であろう。 なぜなら原告は証拠 として単な. る断片しか提出していないからである。この被告の反論に対して、 原告が再反論したことは、故人は当該出 入 口と 流. 水路を 「生前、 長い間利用し、 そし て b e st en し、 多くの人々に」 、 そして被告にも、 そのことは知られていたと e いう事実であった。彼は 都市帳簿 には言及してはいない。この争いについて、 市参事会は、被告の反論を 顧慮するこ. はなく、 むしろ長年の実際の慣行であった。換言 すれば、たとえ不動産登記簿 に登記 されていなくても、周知で、 長. 年の慣 行は尊重されたのである。 エーベ ルもこの判決の表題に「時効( V e r j a h rung )」の文字を付け加えている。. [l. ここで使用されているb e s i t z は、所有権と未分離の所持ではなく、 本権とは区別された「占有」に近い動詞、 n e と考えてよい。 以上 の事例から確認できることは、b e s i t z が、 旧来 の意味と並んで よ 56 (1495)] 、 十五世 紀後 n e 半から、次 第に「占有する」という意味を備えるようになったことである。. [1- 8. b et tn ige i s be tt n の名詞形であるb e s i tting eも同様の傾向を示している。この用語の登場する最も古い事例は 一四三 八年 i s e にあ と 4-23] る そ れ は 、 被 告 が 原 告 に 、 先祖以来 世 襲的 。 争 い の 対 象 は 市 外 の 小 作 地 ( k o t s t e d ) 。 原 告 は 、 e n " u に用益させてきた借地( pac u reg ud ) にすぎないと ht g ud ) であると主張し、 被告は、 それが彼の単なる賃貸地(h. e b )」 から、 原告がその不動産を使用す (bruk en) べしというものであっ 産の 「b e s i t t i ng en を有している (hb n e. ろう。 両当事者がいかなる証拠を提出したかも記載されていない。 市参事会の判決は、原告の先祖と原告がその不動. 反論する。 争いのきっかけは—|'判決 記 録に記 載はないがー—' 被告が当該借地の返 還を 求めたことに由来するのであ. (b). - 13 -. となく、 原告の再反論を採用し、 原告を勝訴させている。つまり、 市参事会が判決の根拠 にしたのは、 不動産登記で. リュ ーベ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were.
(14) 近畿大学法学 第44巻第 1 号. た。ただし原告に賃料 の支払いも義 務づけており、彼に所有権を認めている訳ではない。原告も、被告の所有を否 定. J. こでは市参事会は 「 所有と占有. している訳ではなく、ただ自分達が世 襲的に使用してきていることを主張しているのみである。そして市参事会は、. 原告のこの長年の現実的な利用を besitt n g e と表現しているのである。 つまり、. (1467)]. 。 おそらく デン ミン. レヴ ェルでも人. e mmin) 市か らの判決 非難と D (. 正 確には、 代言人. tt の分離」 に何ら言及していないが、besi e を言わば 「占有」 を 意味する用語として、 使用していると言えそう g in. であ る 。. [4-77. tt 占有」 的な用語として、 市参事会のみならず、当事者i eが 「 g besi in. 口に謄灸されていったことを示す事例もある. 思 われ、 原告、 被告、 彼らの代 言人 も同 市在住者である。 争いの対象 は不動産 (erff gud er e)。 原告によれば、 被告. はそこに相続人として立ち 入っている ( in g e sa t ) が、 原告こそがその 最近親相続人であると。 つまり原告は不動産. の 返 還を 求めたのである。その審 理にお いて、 原告側は次 のよう な質 問を 被告側に発する。被 告はどのよう にし て. 8. t itinge」到った ( g ek om e n) のかと。これについて、被告側は、彼は相続人として ( w o) 当該不動産の「in d ebes. それを 行ったと答えている。besitt in g e が登場するのは、 ここだけで市参事会の判決部分には登場しない。 問題は、. この besitt in g e の意味である。 原告は当該不動産を自分に帰属すべき、 つまり自己の所有となるべき不動産である. と見なしており、 それを被告に容認する つもりは毛頭ない。 そ れ ゆえ、 原告が被告は 「besi ttin g e に到った」 と陳. esi t tin g e に所有権的な意味を 与えている訳ではなく、 それを単なる 「事実上 の占有」 行為と理解して 述した時、 B. いたはずである。. デン ミン市からの判決 非難の中には、 判決部分に besi ttin g e が登場する事例もある。 第四 巻の第二 八四 番 (-四. - 1 4-.
(15) 八六年)と 同巻の 第 二九七番( -四八七年)の連続する事例である。. 原告は、 教会関係者 ( ura tor)。 被告はおそらく デ ンミ ン市 ec ht i g e proc er ) の代理権ある代言人( vulm vo rwes. 民。争いの対象 は農地。原告によれば、 それは、紋章 付の文書とともに原告の教会に質入れされており、 それを 彼ら. は三 0年以上、 平穏 な besit ti ng e において有 して い たと 。 被告の反論は記載されていない。 ただち に、 リ ューベッ. るのであれば、 彼がその質物を 保持しうると。 ただ し、 そ の besitt ing eが 「何らの異議も受けなかった」こ と が必. 要である。そ して被告が不法にその農地を奪っていたのであれば、被告は罰金を 支払えと。どうやら、被告は当 該農. 地を 自己に帰属 するものとして返 還請求 したか 、 または実力で占拠 し、これが 原告の提訴を 導いたのであろう。この. リ ュー ベッ ク市参事会の判決は、判決非難者である原告の主張を認めているから、 デ ンミ ン市参事会の判決が覆され. た可能 性もある。. 翌年、この事案は、再 び デ ンミ ンで審 理され、 判決が下された後、リ ューベッ ク市参事会に前回同様に判決 非難さ. れた。そ れが第 四 巻の 第 二九七 番の 判決 記 録である 。原告は、三 0年以上 ーー_ 正確には 三 三年前 からーーの 平穏 な. besitti ng e にあったことを 証明する紋章 付 の 文書を 提出 した。ここでも被告の反論 は記載されていない。彼はこの. 文書の証拠 力を 問題としたのかもしれない。リ ューベッ ク市参事会の判決は、当該書面によれば、その農地は原告と. r ) その後継者に適法に三三年前に売 却され、 アウ フラッ スングさ れ、 被告が、 その際に、 すなわち 三0年前に( vo. en) というものであった。 前回の事案 適法に異議を 唱えなかったのであるから、 原告がその農地にとどまれ (bl yv. とは異なり、 当該書面によれば、 農地は原告に質入れされたのではなく、売 却 ·移転されたことになる。. - 15 -. ti ng e にあったことを 証 明しう ク市参事会の判決が続く。 すなわち 、 原告が、 その農地が三0年以上、 平穏 な besit. ッ ク 市参事会判決録 に お け る Eigentum, Besitz, Were ーベ. リ ュ.
(16) この二つの関連事案で、 原告側の代 言人 と市参事会が使用してい るbe i s t t i n g e は、 その本権であ る質権または所. 有権とは区別された、実際的 ・現実的な「占有」を意味して い る。現在の我々の目から見れば、 二度目の事案 の判決. 部分で、市参事会は原告に当該農地の所有権を 認めてよいと思 われ るが、しかし彼らは旧来 の、ゲヴ ェーレに特 有の. 表現 で ある「留ま る」という表現 に留まってい る。この限りで、市参事会は「所有権と占有の分離」を 前提とし て be,. 所有権と占有の分離」 が観念的に把 握されていた e を使用してはいない。 しかし、 内容的に見れば、 既に 「 g sittin. と言ってよい。. g が登場す る判決事案 は、 「 固besi t z en 」 での場合と同様に、 争いの対象 が農 t ine さて、 これまで見てきた besit. 地であったり、リ ューベッ ク法を 与えられた都市からの判決非難であった りと、 どちらかと言えば、 不動産の帰属を. 決定す る法的装置が十分 に整備されていないような場所での事案で あるこ と が多かった。しかし、十六世紀 にな ると、. g は「 占有 」的な意味を 伴って登場す るよ う にな る。 リ ューベッ ク市内での不動産を め ぐ る争いでも、besittin e. 牛E の訴えは、彼は市内の家屋を購入し、その アウ フラッ ス ング その典型 的な事 例が一五 二0年にある[2-768]。店亦. g と使 用 を 受け 、こ の こ とは不 動 産登記 簿 であ るオー バー 都市帳簿 にも記 載さ れて い るが、当 該家屋の besi t t ine. の遺. (brukin g e ) が被告によって妨げられているこ とであ る。この訴えに対して、 被告らは、 彼らが原告 に当該家屋を ア. ウ フラッ ス ングしたことを認め るが、彼らは、当 該家屋に三OO マル クの定期金権を有す る第三者ーー —故人ー. 児の後見人で もあ ると反論 した 。市参事会は、所有権と定期金権との対立に言及 す ることなく、被告の主張す る定 期. 金権を 別問題として切離し、単純に、被 告 が アウ フラッ スングを 認め るの であ るから、彼らは原告にそれを 適法に保. 証せよ( w e についてのみ検討しよう。被告が アウ フラッ ス ングを 認 め、 そ g in t t e n) と 判決した。 ここでの besi er. - 16 -. 第44巻第 1 号 近畿大学法学.
(17) して 不動産登記 も完 了していることから、一年と一日の原則を 考慮しても、まず原告が所有者であることは当事者並. g と使用を びに、 市参事会によっても了解されていると言ってよい。 そうであるとすれば、 その所有者 がbesittin e. ー. [2 802]。 回亦. 本意は、現実的な明渡しにあるのであろうー� を命 じたのは、 彼ら. 妨害されていると主張する時、 そ の best 占 tin g e は 「占有」 と理解されていたと見るべきである。 市参事会 が 「 i 有」 の用語を 使用せず、被告に原告への保証. が、 むしろ意図的に 旧来の表現にこだわったためであろうか。. g を 使用している事 例 が、 翌年の一五 ニ― 年には登場する しかし市参事会が判決部分でもbesi t t in e. 告の訴えは、 彼は、 被告の後見人に市内の店舗について (up) -OO マル クを 与 ス、 そのことはニーダー 都市帳簿. - 17-. に登記 されているから、被告は被後見人としてその金額の支払いに応じよというものである 。これに対して、被告は、. 被告がその不動産 ( g ude r)を besi e において g n ti t. 彼の 後見人 が交 渉したことであり、被告はそれに関与していないから応じる義 務なしと反論した。この事案 に対する 市参事会の判決はー� それは珍しく実体判決でもあっ たがI. g n)から、 彼は都市帳簿 に従って当該一 有しており、 損も益も得ている ( ynsc hu ltu n hu lt w du nsc e gan ee g e r 00 マル クについて原告に応じなければならない、というものであった。市参事会は、被告 が当該店舗に対していか. なる 本権を 有 している のかを 問 題としていない。被 告 がその店舗か ら実 際に利 益 も損失も得ている という 現実 的な. つの判決の 「訴え部分」 に登場する pos sio等の ロー マ法的な用語である。 ただし、 いずれの場合も当事者の訴 es s. このような「占有」概念の定着を裏付けるような用語が同時期の判決に現れる 。それは一五 二六年を 最初とする三. g を使用したことになるのである。 事会は、市 内の 不動産をめ ぐる訴訟においても、「占有」概念としてのbesittin e. 「占有状態 」 にあることを根拠として、 市参事会は彼に支払いを 命 じたと理解すべきであろう。 つまり、 ここで市参. リュ ーペ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were.
(18) え部分 に登場するのみで、 市参事会はこの用語を判決部分で使用し てはいない。この限りで、未だ公的に認められた. 法律用語でないが、少 なくとも当事者とそ の代言人ーー' 法 学識者||'等 によって「 占有」的 な用語として導入され始. めていることに なる。 120 最初の事例である第三 巻の第二九番( -五二 六年 )では、 原告は聖峨 者( p r es et) r。被告は市参事会員と彼の代 理. 人、 後者は M a ste rの称号を 持った法学識 者でもある。 争いの対象 は、 被告が原告に支払いを 滞納した 聖職録。 i g. これを 被告は彼の支配する村落に定期金として設定していた。原告は、 当 該聖戦録は一四六七年に設定されたという. e) の 書 面ー ニ人 の 公証 人 の 署名付 き||ー の 写しを 証拠 と bec kb ok リューベッ ク司教 座帳簿(C a pitt e sl t h oLu. - 18 -. して提出した。これに対して、被 告は写しは証拠 として不十分であり、 オ リジ ナル の書面で なければ訴えにも応 じな. い と反論した。この反論に対して、 原告は、 当 該書面は司教 座が承認したものであり、また被告側もか つて一時期定. へ、そして「悪意」と「時効」を 通し. 占有」と等置され よって、 ロー マ法 学的 な、 本権の存在を 意識 し つつも、そ れと切り離された事実上の所持である 「. th は、 幾分 概 念的 な不 正確さ を 欠くが、ここでの当 事者である 聖峨 者 と法 学識 者 に とは 間 違い ない。 つまり besi. h と pos t s orと続いている。 訴え内容はさておいて、 当事者が besi si0を 同義 語的に理解しているこ es es s s て pos. この判決記 録での占有的な表現の連鎖を見てみると、besit h から bes e e n t. l )」定 期金徴収 であったと再反論した。 bus よる( m a e or s e s eipo d fi i. 期金を 支 払っ てお り、さ らにこ の よ う な定 期金収 受が「長期の平穏 な bes it h」を 通 じて時効化 し ていた( p r es en ‘ 8 d e)」で bes e e t nしてきた t eret ) と主張した。被告は、この主張に対しても、 原告と彼の先祖は 「 悪意で( mal fi e のであり、 定期金の徴収 も不当であり、 時 効( p r escr i pt io ) はこの場合には適用されず、 Jれは 「 悪意の占有者に. 近畿大学法学 第44巻第 l 号.
(19) ているのである。. さて、再 び審 理の方に戻ろう。被告の「悪意の占有者」という再反論に対して、 原告は、 彼らが提出した証拠の有. t u lu m )」ーー上今権? 効性と、 原告とその先祖は「悪意の占有者」 で は なく、彼らは「正当 な権限( ju su t m ti. を 有しているとさらに主張した。 これについても被告は、その正当 な権限の証明を 原告に求め、そして、当該定期金. は村落から支払われているから、その村落の位置する地域のラン ト法に従って決着されるべきである、として裁判移. 管さえも主張した。以上 の当事者間での応 酬の後に、市参事会が判決した ことは 以下の 通り。す なわち、 原告の書面. un は、 ニー ダ ー 都市 帳 簿 の 登 記 と、彼 の 血 縁者( fr t,. 原告の血縁者によって ?ー. 設定された定期金を調査し、. - 1 9-. は証拠 として 有効であり、被告側から長期間 支払われて いた事実 もあり、被 告は、当 該定 期金が既に償却されて い. る ことを 証 明し え ない限 り、原告 に今後も 定 期 金 を 支 払う よ う にとい う も の で あっ た。 市 参 事 会 は 判 決 にお い て. s sssi o を使用してい ないが、 原告の訴えを認めた ことは、 婉曲的に当 事者の「占有」概念の使用を容認した こと e po 8 に なるであろう。. 残りの事例の第三 巻の第四五四番 ( -五 四 0年) と第七三四番 ( -五四七年) の内、 前者の第三巻の第四五四番. お そ ら く 市 参 事 会 員l. が既に派遺され、 彼らが当該家屋の状況とその家屋に. えに対して、被告側は応じる義務の ない ことを 主張した。 なぜ なら、 この争いのため に市参事会によって市参事会員. scho ) の承認による、 彼の優先的な相続権を根拠としつつ、 被告に彼女の居住する家屋の 明渡しを求めた。 この訴 p. 事 案 は 幾 分 複 雑 で あ る。原告ー. oas Wl l ic oters) を代言人として利用している。 er の ニ コラス某( N gist th)市内の家屋である。彼女は M a ( w on e. ( 一五四 0年) も、 以上 のような 「占有」 概念の展開と適合的である。 争いの対象 は、 被告である寡婦が居住する. ッ ク 市参事会判決録 に お け る Eigentum, Besitz, Were ーベ. リ ュ.
(20) 彼 らの 報 告 によれ ば、若 干年の定 期金が未払いであり、当 該家屋も崩壊の危 険がある から、そ の 未払いの 定 期金に. sionが問題とされるべきで s es よっ てまず家屋が修 理されるべきであるからであった。そして、その修 理の後に pos. あると。この反論に対して、 原告が訴えたことは、彼の血縁者は定期金の支払いを申し出ており、一致を見ていない. 縁者であり、 彼らは定期金を設定し、それを被告の寡婦に売 却したのであろう。しかし彼らはその定期金の支払いを. 滞らせ、その結果、被告がその未払いを理由に当該家屋を差押え、その後、後者は実際に居住していたらしい。これ. に対して、 原告が当該家屋の最近親相続人であるとして、その家屋の明渡しを求めたのである。これは明らかに原告. ⑳. に分 が悪い。当然のことながら、市参事会も、被告の反論を認め、当該定期金額を金庫に保管し、派遣された市参事. 会 員と血縁者がその金庫の鍵を持ち 、家屋の修 理の後、当事者の訴えを継続すべしと判決した。. s es sionも be stt i e rも使用していないが、 被告の代言人がここで pos s sio 市参事会は、 この判決で、 無論 pos s e rを使用している。 つまり、 ラテン語とドイ ツ語の 「占有」 用語 を使用し、 原告はこの用語に対応す る 形でb tt e ei s へ の占有指定と、 正当 な「占有者」の判定を市参事会に の見事な対応関係が認められるのである。原告は、当該家屋. 求 め、被告は、定期金権者として占有しており、未だ定期金関係の解消はなされておらず、定期金債務者である家屋. する 用語であり、 しかも当事者はそれらを所有 gか i 右」 E と 曲伍 の所有者も存在している。 pos 「 上] ..ti) s sioも b estt e r e s geが 「占有」 的な意味合いに接近 i in si0 の登場を考慮すれ ば、b tt s es 権とは区別しているのである。 以上 の pos e s したことは容 易に理解できるであろう。. -20-. の は、 誰 が 当 該 家 屋 の 正 当 な (rc で あ る か で あ る か ら、ま ず 彼 が そ の 家 屋 に 占 有 指 定 さ れ i eht)b estt r e e t)、 その後家屋の修 理がなされるべきであると。 審 理の経過から見て、 当該家屋の本来の所有者は原告の血 e is e (gw. 近畿大学法学 第44巻第 l 号.
(21) ッ ク 市参事会判決録 に お け る Eigentum, Besitz, Were ーベ. リ ュ. もう ―つの事例の第三巻の第七三四番 (-五四七年) では、 被告が 「 善意で正当 な ( g ud eu n htm c hti g e) d c e e r 」 と、 その 「 十分な権限(g i on s s )」を 主張し、 右述の事例と同 じ様な表現が登場する。前者の表 ud e ntytle es s pos. 現を 「 占 有」 、後者の表現を「本権」と 理解してよいであろう。ただし、ここに 「 占有」概念の定着を確認できるが、. 争いの対象 が亜麻 糸 ( fl a B ) であり、不動産ではないので、 これ以上 の言及はしない。ただ、 市参事会は、その判決 8 で、 両当事者の主張を認め、 亜麻糸の そ れぞれの 債権額に応じた等分を命 じた ことだけを付け加えておく. er( i best besytt e) t r この用語が最初に登場するのは、かなり早く、第 一巻の第十五番 (-四四四年)である。それだけに、意味的には、. それは古い用法を とどめている。この事例は、隣人による トイレの共 同利用を めぐる争いである。被告II利用者は、. ニ八年という長年の利用と、 原告II 持ち 主の異議がなかったと反論し、市参事会は、この被告の主張を認める判決を. 下している。さて、 原告の訴え部分の中で、 この被告に、 トイレの上 方 にある家屋の besytt ere、という用語が当て. られている。この besyt tere が家屋の 「 所有者」なのか、 「 占有者」的な居住 者なのか、あるいは 一種のゲヴ ェーレ. 権者なのか、つまり所有者11 占有者なのかも、はっきりしない。訴物自体も、この家屋ではないので、 市参事会の判. 決部分でも、これについての言及はない。. , besy t t ee r は、こ れまで見 てきた besi tz en besi ttin g e とは異なり、こ の よ うな 曖昧さをか なり長く 維持 してい. ー. [4 347. (1494)]. 。 声ヂ宏木 はレ. る 。逆に言えば、このような曖昧な用法が、 ド イ ツ中世法の一般的な在り方であり、それがリ ュ ーベッ ク法でも強く 残っていたということになるのであろうか。. 確かに十五世 紀末には、 「 占有者」 的な居住 者という意味での bes y tt ere も登場する. - 21 -. (c).
(22) 近畿大学法学 第 44巻第 1 号. ヴ ァル市から判決非難された、家屋の差押えについての争いである。被告が当該家屋を差押え、原告がこれに異議を. 申し立てたらしい。レヴ ァル市参事会は、 原告は一年と一日以内に訴えるべきであったとして、彼の訴えを却下 した。. こ の 判 決 の 中 にbe s yt tere が登 場する 。す な わち 被告側の証人 は当 該家屋の be si t terであり 、彼が、被 告 の 差押. えの正当 性を 認めている、という文言である。この証人は、当該家屋の差押えと占有指定に立ち 会っていたとされる. ーベッ ク の J 判決 批難について、 リ ュ. か ら、 本来 の「 所有者」と見ることもできるが、 裁判の場で 「be sitt er 」として証言しているのであるから、 少なく. とも 訴訟の時点では、「 占有者的な居住者」 と見なすべきであろう。 ただし、. 市参事会は、被告側証人の証言は不十分であるとして、レヴ ァル市参事会の判決を承認していない。. 所有者」 的な意味で使用されている。 第 一巻の第 七 erは 「 この事案 を除いて、 同じ頃の多くの事案 では、be tt i s. 九 五 番( - 四 九 七 年)は ロスト ッ ク市 か ら の 判 決 非 難 で あ る。訴 物 は 、原 告 が 享 受 し て い る 建 物 や 土 地 で ある 。. リ ューベッ ク市参事会の判決は 以下の 通り。 「 被告が、彼は原告が基礎壁を 設置した土地の be s i tt erで ある と主 張. するのであるから、原告は、 彼がその上 に建築したそれ( 11 土地) が彼のものであると、適法に証明しなければなら 8 ない」 と。 被告が、be sit terであると主張し、 原告も 「 自分のもの」 と訴え、 両者の主張が衝突しているのである. から、be si t terは占有者ではなく、所有者であろう。. 第 二巻でも、第五八四番( -五一七年)、第八九四番( -五 ニ― 年)、第八四五番( -五 ニ― 年) の三つの 事例にお. いて、 所有者的な用法が登場している。 前者の二例では、 家屋または 水車小屋の be si tterが 、 定期金の支払いを 命. 四. じられ、 最後の事例では、被告は、 会 社(g e s e lz sco p)の b ositt erとして訴えられている。第三 巻でも、 この傾向. は継続し、 明白に占有者的な用法を示す例は小数派である。第三六七番( -五三四年) と第七五三番( -五四七年). -2 2-.
(23) に、そのような事例を見出す こ とが で きる 。. 前者は、家屋の賃貸借をめ ぐる争いである。原告は、被告に当該家屋を五年間賃貸 し、そ のための彼に手付けも支. 払ったが、そ の家屋に入居するこ とが で きず、 損失を被った と訴えた。この訴えに対する被告II 賃貸人 の反論の中に. 占有者的な居住者である。市参事会は、被告の 反論を顧慮するこ となく、 原告の訴えを認 める判決を下 している。. 後者の第七五三番は、ヴ ィス マール市からの判決非難の事例である。原告は、被告が原告の農地を 侵害して いる と. して 訴えた。 被告は、 その農地部分が被告のもの ( o g eh o r i g )であり、 彼はそ れを 以前からずっ と利 用 し、b o sy t, t tin g e において も有 し、これを都市根簿 によって証 明しう る と反論 した。つまり被告は「 所有権 と占有 の分 離」を 念. 頭に置いている。この争いについて、ヴ ィス マール市参事会は、被告の主張を 認め、さらに、彼がそれを 取 得した以. 前の besi t te rも、 それを平穏 に占有 して ( es eten ) いたと認 定 した。 さて、 この 「 以前 の b estt ie r 」は、 都市帳 b 簿 によって、そ の本権は証明されないのであるから、一見する とゲヴ ェーレ権者のように見えるが、そ の文言の前に. 登場するb osy t tin g e が 「 占有」 という意味で使用されているから、 文脈からすれば、 現実的な 「 占有者」 と読 む. べ きであろう。なおリ ューベッ ク市参事会はヴ ィス マール市参事会の判決を 承認して いる。. 以上 のような小数の「占有者」 的な事例を 除けば、besy tt er e は、 その他の 「占有」 関連の用語とは異なり 、「所. 有 者 」的な意味をかなり長く維持 し続けている。そ うであるとすれば、 十六世 紀半ばまでは、ee g n dom から派生し. たee g n dom e rと' � 旧来 からの|ーーbesy t ter e が「 所有者」を 意味 す る 用 語 として 併 存 していた、 とい う こ とに. - 23 -. b osi t te rが登場する。すなわち 、 彼は賃貸借契約も、 手付けも認めるが、当 該家屋にb os tt erが居り、 彼が 未 だ退 i 去 して い ない というのである。 こ のb ostte rは、 第三者的な、 以前からの賃借人であり、 所有者ではない。 つまり i. リ ュ ーペ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were.
(24) なる 。たとえ前者が次第に後者を上 回り、 besi t t ng i e [4-507. 仙 その他の besitti ng e と関連する用語. 4- 292]. ⑳. (1526). の項で言及したように、 besy t ter e も pos s es, J. に最初に現れるが、その他には 「 伽 besi t t i nge」の項で言及した「 占有」的な事. c k である 。 tli 問題となるのはbesitt と、そ の形容 詞形のbesi. t は、― 四八七年[ t i bes. 例である第三巻の第二十 九番( -五 二六年) や、同 巻の第二六五番( -五三一年) 等に登場するのみで、そ の事例数. も少ない。 最初の事例は、 フ ェー マル ン( Feh m a rn ) 島のプル ク( B urg ) 市 か らの判決非難である。 原告IIプル ク. tte」有している財物(g uder e) は、被告が遺産として購入した物で 市 長と同市参事会員の訴えは、被 告が「inbesi. ng ) ー |ー おそ らく相続税ー—ー を プル ク市参事会に支 nd en penny あ る か ら、そ の財物について十 分の一税( den tey. 払え、という内容である。被告は、当該財物は|� 第三者の ?ー—'相続人に遺贈 された後、そ れを 被告が購入したに. すぎないとして、遺贈 者の遺言書を 証拠として提出する 。リ ューベッ ク市参事会は、被告の訴えを認 め、税の支払い. の必要のないことを 判決した。 被 告が使用している 「 i nbesi t te」 の用語に、 争い場所の農村的な状況を 考慮すると、. 所有権と占有の未分離のゲヴ ェー レ的な解釈も可能 なようにも見えるが、 むしろ単純に「現実の占有において」と い う訳をつける方 が自然であろう。. 最後の事例である第三 巻の第 二六五番でも、 原告の訴えに、「占有」 的な意味を 伴ったbesi e t t が登場する。 争い. 四. e t t を、す の対象 は、 市 濠 ( Landweh r ) 内の 村 落 の 土 地 ( H o f) の所有である。 原告は、 その購入と長期の besy. e t t で有してい 」 たと主張 なわち 、「その農場を彼の祖 父母、 両親、 そして彼が彼の 兄弟とともに inlang em besy. - 24-. s or に接近して ゆくとしても、である。. 近畿大学法学 第 44巻第 1 号.
(25) し、 しかもその農場と彼の 「権限 ( g er ec ht ic hh ei t)」 は都市帳簿 に登記されていると述べる。 無論、 市参事 会 も原 oo 告の主張を認めている。 ここで原告が、占 有 の みならず、彼の権限の都市帳簿 による証明に見られるように、「本権」. u " nu. を 明白 に区別して理解していたことは疑いがない。つまり、ここでは「所有権と占有の分離」がはっきりと 読 み取れ. るのである。. もう― つのbe sitt in g e と関連する用語であるbe si tli c k は第四巻の第五 八b番 (四 - 六三年) にの み登場する。. en」 有していると主張し、 被告は、 当該家屋が一定の金額のために、 彼らの父に指定されてい nwer ei k und tlic. たことを 、 都市帳簿 によって証明しよう とする 。 原告の訴えの中 に登場する be si tli c k はゲヴ ェー レと並列 的に使. 用されているが、 原告は前者を「現実的な使用または占有」の意味で使用していると見てよい。 レヴ ァル市参事会の. sitlic k は登場しないので、こ れ以上 の 言及 は無理である 。こ れ も一 応 判決 と、リ ューベッ ク市参事会判決 で も be. 「占有」 と関係していると見て差し支えあるまい。 さて、 判決の方は、 訴訟 手続とも関 係した一種の中間判決である. ので、ここでは割愛する。. 占有 」 的な意味合 e と同様に、 十五世 紀後半以降 においては、 「 g in tt si e と関連する用語 も、be g n i tt si 以上 のbe 8 いを 強めたことはまち がいないようである。. 註 カギ括内の数字は、判決録の第一巻の第一00番の判決例を示す。以下のカギ括弧も同様である。 (1). -25-. この事例はレヴ ァル ( R eva!) 市からの判決 非難である。争いの対象は、市内の家屋と不動産。原告は、これを「be s,. リュ ーベ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz. Were.
(26) 近畿大学法学 第44巻第 1 号. 四六五年の判決を引用 1 -234] に、 第 三者 を遺言の執行状況 に ついて訴 え たが、 後者は 一 被告は、 十 六年後の 一四八 一年 [ um は 無論 登場 していない。 gent し、 その請求を拒否した 。市参事会もこれを 認めた。Ei. ,baden unde kell ,t ,den de egendom der hus en geven unde chol oden s et er okome o den s e er Dat dej enne. 9 ]. ー. ,dedart o hur ei nne wonen. ni chtdej enne 同様の用 法は、後述す る 一五八 六年の校訂法典、第 三篇の 第 一章第十 一条 にも見られる。 と同年十 一月 [4 70]の事例で ある。 後述の、 「VI よ この事例 には 一―つの先行する関連 判決が ある。 一四六五年七月 [4 具体的な不 動産の表示」の ② l i ggernde grundeundes veの項も参照 。 t andeer で ある。 第 四巻の第 一五五番の事例で 、括 弧内の数字は判決年 で ある 一四七 六年を示す 。以下も 同様. br i ngen. decken und vor i ne r ouwe dathuesent o mos t ehes echt i chei tent s ett en,s W al de HansBuss. ,der , den und bet h gel man mot des wor ven deandt hal eggende ss eytall t et o desegendommer ydtt eynj arhurs . al en 例 えば、 それは個 々の農家 に付 けら れた紋章、 または土地 の引渡しの際の象徴的な 土くれの手渡 しからも推 測が つく。 H . 、 創文社、 昭 和 三六年、 一七八頁。 リ ュー ベ ックの最古の ラ テ ミ ッタイ ス、 世 良晃志郎 ・広中俊 雄共 訳 『 ドイ ッ私法概説』. i. ,pos 0が 登場するが 、 ン 語法典 で ある ハッハ第 一法典 (-―一 六 三年頃 ) で は、所有権を意 味す る用 語として pro pr i et as s e s s i. [1. —342] 。 被告は、 賃料 を滞納している菜園と家屋の賃借人。 判決は 「その家屋 ( der. 中世 都市リ ュー ベ ックの 法典類 における不 動産 関係 条 文 とその 特 0 には占 有的な 意 味合いはな い。拙稿 「 i s s e s 後者の pos 徴 (一) 」、『近畿大学法学』 、第三 九巻第三 •四号、 二三ー ニ五頁 。 Der ―•四世 紀 の キー ル 法 典 ( ― ― 中世 末 期 リ ュー ベ ックの 都市 法 典 にお ける不 動産 に関 す る 条 文 に つい て 拙稿 「 ニー ニ四頁 。 、第 三七巻第 一・ニ号、 ニ― 近畿大学法学』 、『 erKodex)を素材としてー 」 el Ki 同様の判決は第 一巻の第 一九 一番 (-四七六年) にも ある。. H ・ミ ッタイ ス、前掲書、 一七0頁。. 同様の事例 として 一四八 五年の判決. を」 で ある。た だ、 家屋と不 動産 「 eする者は」 原告 に毎年賃料を支 払えという内容 et ve) に現在 bes er e) と土地 ( er hus で あるが 、 少な くとも現 で はな く 「に」 とな ってい る から、 ここ で の be s et en は 旧来 通り 「 留 ま った」 と訳すことも可能 実的 に利用 している人、 しかも所 有者で はない人を念 頭 に置い てい ることは まちが いない。 en)」という用 語は未 だ登場 していな い。第 二巻の 第五 二五番 (-五 一六年)以降の 判 決 に見られる。 er pi exci 抗弁 ( 「. -26-. (2) (3). (5) (4) (8) (7) (6). (9) (10). (13) (I� OD (14).
(27) ヴ ィル ス ター ( 存在 ( Wi l s t er ) 市からの判決非難 の事案° 原告と被告の両方ともに同市に 「 bes et en) している」 という 記載 が ある。 両者 とも同じ事例で ある。. これは 第四巻の第 二三番 で の表 現 で あり、 第 一巻の 第八番 で は家領 ( huz egud) とな ってい る。 前者 がよ り 適切な 読み方 で あろう 。 その 後の 審理は 誰が最近親相続人 で あり、いずれ がそれ を 証明する義務が あるか という方向に進 ん で ゆく。 ti 1 -11 (1442)]を初め として、 しば しば bes i この用 語は、 その 動詞形の bruken [ i nge と並列的に使用 t t t en または bes. されている場合 が多い。 第 四巻の第五0七番 (-五 二六年)も、 これ とま った く同じ事例で ある。. 第四巻の 第五0七番 で は、Mes t erと記載にな っている。. で は採用 した 。 第 四巻の第五0七番 で は pr e scr i ber etとな って おり、 こちらの表 現を本稿 この判決は 「ロー マ法の継受」 とも関係 し、 この点 で 、我 々の興 味を そそる の で あるが、 リ ューペッ ク法独自の問題 として. 二 つの ことが考慮される必要 が ある。 第 一に、 「 写し」 の証拠能力に ついて、 一五八 六年の校訂法典の第五篇の第六章 第三. されている。 この 規定が ここ で 適用 されたのか どうか 、 という こと で ある。第 二に、被告は市参事会員 で あるにもかかわら. 条に 規定が あり、 それによれば、 「写し」 の証拠能力は原則として否定される が、 た だし署名 が あれば 「 原本」 と みな す と. ト化 と関連 するのかという こと で ある。. ず 、原告の聖職者 が勝訴 してい る ことは、 一五 二六年の判決年か ら想像されるように、宗教改革による教会の プ ロテス タン. 関連 条 文として校訂法典の第 三篇の第八章第十 三条 ( 定期金設定された家屋の滅 失) と第四篇 の 第三章 第五条 ( 家屋の倒壊. で あると主張 し、市 参 9 C 日 ハ ) ] 、砒坦 Oが帝室裁判所 へ上訴 したので 、原告はその上訴 がリ ューベッ ク法に 違反 し無効. の 恐れ ) が ある。 被告側の後見人の氏名とその資格の記載はな い。争いは決 着せず 、 一週間後に、 原告は市参事会の判決内容の曖昧さを訴 え [3 ー736. C 月) 。 o] 事会は原告の主張を認め、被告に前述の判決の履行を命じてい る [3-744 10 ,dathe dergrunt ,darup de ancl undamentgel echt echt e denne de er s egerdatf Al man s des wor benomede ant. , , , , g e b u wet. h e fft i s h e s y i d d a t s y n e d a ru p b e w i s e n a l s e r e c h t a n cl e g e r b e s i t t e r m o t d e s o e y n heff t s y 第 三巻の 第三 二六番 (-五三三年) 、第 三 四七 番 ( 同年) 、第 四五四番 (-五 四0 年) 、第 四九 八番 (-五 四三年 ) 、第 五0 ニ. - 27-. US) (17) (I@ 09) (I� 四 四 飢V (20) 飢). (25) ⑳. 切). ッ ク 市参事会判決録 に お け る Eigentum, Besitz, Were ーベ. リ ュ.
(28) 4巻第 1 号 近畿大学法学 第4. 番 ( 同年) 、第六 一0番 (-五 四五 年 ) 、第七 二四番 (-五 四七年) で ある。 第 三巻の第七六八 番 (-五 四八 年)にも、bes i t tを同様に定期金収受権に ついて適用 した事例 が ある。. l. ,ol · dan s ol i ck gudthadden s i ne vorol dern dern und hes amptsi nem brodern i angem bes • • • • nl yt t egehat,この 判決の約 ニカ月前に、両者の 争 いに ついて つの判決が 下されて いる。 そ こ で も 原告が 勝訴 して いる。因 みに 原告は リ ュー ペ ック市民。被 告は近郊の Wes l oe村の農民 で ある。. 第 四巻の第五八番は 二 つの判決文書からなる。 bとは原審から送付されてきた判決非難文書 で ある。もう 一っ、表題 に aと いう符号の付けられて いるのは リ ューペ ック市 参事会の判決文書 で ある。. その他に hab と いう表現が [4-89 (1468)] の 一 i n h a n d e 例 にの み登場す る。 これも レヴ ァル市からの判決非難で あ e n る。訴え部 分はなく、判決部 分の み で ある。前述の表 現はレヴ ァル と リ ュー ペッ ク市 参事会の判決にの み記載されて いる。. w ere. すな わ ち、 原告は、 彼の財物 を差押え 、 「 i n handeに有して いる者を訴 える」 ことがで きる と いう文言が 登場する。 原告 は、 さらに差押え物 の買主を訴 えうるか どうか を争 って いるから、対象は不 動産で はなく、動産で ある。お そらく 前述の表 現は 「 手中に有する 」と訳して よ い で あろう。 in bes i tthaben と似た表現と言えるかもしれな い。. m. 前 節 で 述 べて き た 「所 有 権」 や 「占 有 」 が 、 十 五 世 紀 末 頃 か ら 、 次 第 に 明 白 な 画 像 を 提 供 す る よ う に な る 一方 で 、. は じ めに 」 に お. ド イ ツ中 世 法 の 物 権 的 な 表 現 で あ る ゲ ヴ ェー レも ま た 、 実 際 の リ ュー ベ ッ ク 市 参 事 会 裁 判 の 中 で wer eという 形で. し ば し ば 登 場 し て く る 。 こ こ で は 物 の 所 有 や 帰 属 と 関 係 す る were の み を も っ ぱ ら と り あ げ 、 「I. い て 指 摘 した よ う な 「訴 をゲ ヴ ェー レ」 等 の 物 権 法 と 直 接 関 係 しな い wer e に は 言 及 しな い 。 さ ら に 、 判 決 録 の 中 2 に 頻 繁 に 登 場 す る samende were も 同 様 に 割 愛 す る 。 こ の samende wer Abschi ch, e は 、 一般 的 に 、 財 産 分 け (. - 28-. 00) (29) 仮 印). Eり.
(29) t un g ) されていない、 そして自立していない兄弟姉妹� ち 「合有財 産 」または 財産の合有状態、を 意味する。. 占有的なw ere. 支払いについて?. 婦も含まれる場合もあるがー. の有する財産、 すなわ. [l. ー. ge gan ge nh e fft ) にもかかわらず、 原告は被告に当 該布地について催告もしていなかったから、 被告が以下のこと. を 誓約すれば、彼は訴えを免れうると した。「その布地が彼のw eに、そして彼の利益のために、 彼の了解の下 に r e ③ eに到来 する 」 到来 したのではなく、 そしてさらに彼の店舗で売 却されたのでもない」 ことである。w ereは 「w r e J w という形で現れている。 極めて素 朴な解釈からすれば、 の eに一定の場所、 例えば被告の店舗を 想像するこ e r ともできる。しかし、法学的な眼から見れば、これは 「 占有」的な意味合いで使 用されていると言 えるであろう。な. ぜなら、被告が、当該布地が事実上 、彼の「所有物」となったことを容認するのであれば、彼は原告への代金支払い. を 免れないからである。彼は、その商品が彼の「実際的な支配 」に入ったことは認めても、それが本来 的な無効の売. 買によるものであり、 なおかつ、 彼は何らの利益も得ていないと反論して、 原告の請求を 退けたいとすれば、 彼は. w ereに 「所有権」 的な意味を認める訳には ゆかないであろう。ここには、 い わ ゆる所有権と占有の未分離と しての. ゲヴ ェー レ的な意味は希薄である。特 に「所有権」的な意味はほとんどない。 ー. さらに一四五 八年の事例[447]では、市参事会の判決部分に、より鮮明な「占 有」的なゲヴ ェーレが登場する。. -2 9-. (1). 3] である。 e) が、 判決録の中で最初に現れるのは一四五四年の事 例 3 物権的な表現としてのゲヴ ェーレ(w r e 被告は小売 商人 (kre mer)、 訴物は一定の布地である。 原告は、 彼がそれを被告の妻 に売 却したとして1 代金の e 訴える。 市参事会の判決は、 被告と原告が行動を共 にしていた (tow e ge ge n deto ste nu n. リ ュ ーペ ック市参事会判決録における Eigentum, Besitz, Were.
(30) 被告は ハンザ 商人 (ghm ne e e pm an)。 原告は ハンス某、 おそらくリ ューベッ ク市民。 彼は、 被 告がゴ トラ ン ko. 簡を 提出する。これは一種の所有権確認 訴訟である。原告は、目下 被告が差押え、または保持している財物 が自己の. 所有物と考えているから、被告に、その所有権を 認めるつもりは毛頭ないはずである。そ れゆえ、彼の訴えの中に登. 場する w ereも、必然的に「占有」という 意味になる。被告側の反論は記 載されていない。. 市参事会の判決は、 原告が、 当該財物が、 代官から返却された 「彼の固有の財物( z )」 ineproppere nguder. 権と占有の分離」を念頭において、 w ereを「占有」的な意味で解釈していることになる。. ただし、 このような占有的な w ereと並んで、 なお伝統的な意味での w ereも、「所有権」 べたように、なお登場している。. 「占有」 の節で述. によって、 逆に w ereの 「占有」 的な意味を 際立たせることになっている。 つまり、 ここでは、 市参事会は「 所有. 分 には w ereは登場しないが、 市参事会は、 原告の当該財物に対する権限を 「彼の固有の」 という表現で表すこと. あることを 誓約すれば、被告はその財物を 彼に無償で引き渡さなければならない、というものであった。この判決部. で. 4-77]. たと 反論した。そこで原告は被告にその証明を 求め、これに対して被告が次のように再反論した。 「彼( 11 原告) が、. 入っている被告に対して、 相続人として当該不動産の返還を請求し、被告は、自分も相続人として不動産に立ち 入っ. 非難の事例[. 例えば、上 記 の事例の九年後、 ―四六七年のI 既に「b i t t in ge 」 の項でも論じたがI デ ンミン市からの判決 s e に、 意味的に明白 さを 欠v-w ereが登場する。 内容を再度紹介しよう。 原告は、 不動産に立ち. ゃ. -30-. ド( Gtl an d ) 島 で 「 彼 の ゲヴ ェー レに お い て 有 し て い る(inz ner w ereha dde)」財 物 は 、 同 島 の ヴ ィス ビー o i ( Wis by vetm an) から彼に返却されたものであると主張する。 彼は、 その証拠として、 その代官の書 ) の代官( ho. 近畿大学法学 第44巻第 1 号.
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Droegemuller, W., Silver, H.K.., The Battered-Child Syndrome, Journal of American Association,Vol.. Herman,Trauma and Recovery, Basic Books,
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★従来は有機溶剤中毒予防規則により作業環 境へ溶剤蒸気を漏らさず、外気への排出を主に
【参考 【 参考】 】試験凍結における 試験凍結における 凍結管と 凍結管 と測温管 測温管との離隔 との離隔.. 2.3
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購読層を 50以上に依存するようになった。「演説会参加」は,参加層自体 を 30.3%から