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小学校における特別支援学級担任と通常学級担任の連携に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)小学校における特別支援学級担任と通常学級担任の連携に関する研究 特別支教育学専攻 心身障害コース. M07095H 内田 順子. ケース、通常学級担任からは123ケース(有効回. I間塵と目的  特別支援教育を推進するための制度の在り方. 答122ケース)の回答があった。調査期間は2008. について(答申)(文部科学省,2005)の中で、r特殊. 年3月から4月。. 学級を担当する教員と通常の学級を担当する教 員の連携の下で、特殊学級に在籍する児童生徒が. 2.インタビュ 調査.  アンケート調査の結果を踏まえ、質問を用意し、. 通常の学級で学ぶ機会が適切に設けられること を一層促進するとともに、その際の教育内容の充. インタビューを行った。質問項目は、r回答者に. 実に努めるべきである。」と述べられている。. 関する情報の共有」「支援学級と通常学級の様子」. ついて」「対象児について」「対象児の学校生活に.  これまでに、奥田ら(2002)は、障害児学級の担. 咽別の指導計画」r学校行事の参加方法」r保護. 任は、r交流学習を円滑に行うために、交流学級 の担任には障害児学級経験者のような理解のあ る教員を配置することも求めている。」と報告し ている。また、古屋・篠原(200φは、特殊学級の. 者から得た情報の共有」r他機関,他の教員の関. 担任教師が、交流学級教師の理解不足、交流学級. 調査期間は2008年7月から8月。. わり」「障害理解の啓発」である。.  対象は、大阪府X市の小学校に勤務している、 支援学級担任4人及び、通常学級担任6人である。. 教師との連絡調整不足等について困惑を抱いて いるとしている。このように、特別支援学級(以下、. 査研究は見あたらない。. 皿結果と考票 1在竈児童の指菱形態  支援学級に在籍している児童が、通常学級との 交流で授業を受けている時間数の平均は9.8時間.  そこで本研究では、小学校における支援学級担. である(国立特別支援教育総合研究所,2008)。X. 任と通常学級担任の連携の実態と課題を明らか にすることを目的とする。なお、ここでの通常学 級担任とは、断りのない限り支援学級に在籍する. 市の在籍児童が通常学級担任で授業を受ける平 均は15.9時間と、全国平均より長いことが明ら かとなった。また、多くの在籍児章が、授業以外 の時間を通常学級で過ごしていおり、X市の在籍 児童の学校生活の主体は、通常学級であることが. 支援学級)担任側からの要望や連携に関する報告 はなされているが、両者の立場を総合的にみた調. 児童の交流学級の担任とする。. 正方法. 示唆される。. 1アンケ ト調査.  X市の在籍児童は、1日2∼3時間、支援学級で 学習していることになる。学校全体の在籍児童数 は年度ごとに変動レ、それによって対象児に必要.  奥田ら(2002)の結果を参考に、質問紙を作成し. た。質問項目は、r回答者について」r勤務校につ いて」「担任している障害児について」「情報の共. と思われる支援学級での時間数を確保できてい. 有について」r連携に関するエピソード」であり、. ない可能性も示唆された。. 多肢選択法と自由記述の組み合わせによって回.  対象児が通常学級で授業を受ける際、通常学級. 答を求めた。. 担任により個別の対応が行われていたが、体制や.  対象は、大阪府X市の小学校44校に勤務して いる、支援学級担任86人及び、通常学級担任に. 対象児本人の特性から、困難が生じることも明ら. 対しては329ケース(1人の教員が複数ケース回答. な対象児は別課題を行っていたが、課題を準備す. した場合有り)とした。. る役割分担の不明確さ、課題が用意されていても.  調査用紙を各学校に持参し、郵送にて返送して. 通常学級で学習することに困難が.あることが明 らかとなった。在籍児童が通常学級で授業を受け. かとなった。また、授業についていくことが困難. もらい、支援学級担任44人(有効回答43人)169. 一198一.

(2) ることには、様々な課題が残されているといえる。. 2日常の旧報の共有  支援学級担任と通常学級担任の間で、口頭によ る情報の共有が、日常的に行われていた。主な内 容は、時間割の確認、課題の確認、指導法、トラ ブルの報告やその対処法の相談であった。限られ. 回答しており、人権全体会がその場として考えら れた。そこでは在籍児童に限らず、配慮を要する 児童の報告が行われており、小規模校の場合は機 能していることが示唆されたが、大規模校におい ては報告の対象となる児童が多く、有効性に疑問 が残った。大規模校の場合、低・中・高学年に分. た時間の中で、対象児の情報の共有が円滑に行わ. けて行う等の工夫が必要であると考えられる。. れるためには、放課後は各教員の教室ではなく、 職員室で仕事をすることが有効であるといえる。. 5.障害理解教育. また、支援学級担任と通常学級担任の間に、些細.  対象児に関する障害理解教育を通常学級の児 童(以下、児童)に行う機会は、通常学級担任の. なことでも報告しあう関係を作っておくことが. 方が多いことが明らかとなった。通常学級担任が、. 求められると考えられる。. 児童の対象児に対する疑問や不満を受けとめ、子.  日々、情報の共有を行ってるとしながらも、通 常学級担任には、支援学級の情報が伝わっていな. ども同士のトラブルを解決する役割を担ってい るといえる。その際の支援学級担任の関わりとし ては、通常学級担任と共に話をした例、また、話 す内容について通常学級担任にアドバイスを行 った例があった。支援学級担任には、対象児の特 性をよく知る存在の1人として対象児の障害理解. い可能性も示唆された。支援学級担任は、まずそ のことを自覚し、意識的に支援学級の情報を発信 していくことが求められる。. 3保健者からの仙報  連絡帳は1冊を支援学級担任、通常学級担任、 保護者で共有している学校と、2冊の連絡帳を用 い、担任それぞれが保護者とやりとりしている学. 校に分かれた。2冊使用している場合、お互いに 必要に応じて見せるなどして、情報の共有が行わ れていた。しかし、同常的に通常学級担任が支援 学級用の連絡帳に日を通しているかは不明確で あり、通常学級担任に伝わるのは支援学級担任が 取捨選択した情報になっていると予測される。あ る支援学級担任は、過去と現在の経験から、3者 で1冊の連絡帳を共有することの利点を挙げ、ま た、ある通常学級担任は、支援学級担任との話し. 教育に関わっていくことが求められるといえる。.  対象児に関する適切な説明が行われている場 合、学年が進むと、児童がよき理解者となり、対 象児にとって学校生活が快適なものとなること が示唆される。トラブルが発生時のみではなく、 児童に対し、対象児や支援学級について話をして いく必要があると考えられる。. 科の教員、クラブ・委員会の担当教員が関わって. 1V終わりに  ガイドラインの中で、校内の様々なリソースを 活用した支援のひとつに、支援学級が専門的な検 査や指導等を実施したりしていることがある(文 部科学省,2004)と述べられており、支援学級担 任に専門性があり、通常学級担任にアドバイスし ていく形で特別支援教育が進んでいくことが理 想であると思われるが、養護学校教諭免許状の保 有率や、支援学級担任経験年数からみると、現実 には困難があることが示唆される。しかし、支援 学級担任は個別に対象児と関わっており、校内に おいて対象児を最もよく知る教員である。その情. くることが明らかとなった。これらのことから、. 報を意識的に通常学級担任に提供すること、また、. 対象児の教育には、支援学級担任と通常学級担任. 通常学級担任にはその情報をもとに、障害児を受. 合いの時間が十分に取れない中、3者で共有して いる連絡帳から、対象児の支援学級での情報を得 ていた。以上のことから、連絡帳は3者で1冊を 共有することが効果的であると示唆される。 4.他の教員.  学校体制として、担任外の付き添い指導が行わ れていること、対象児が高学年の場合、教科の専. だけではなく、学校の複数の教員が関わっている. け入れる環境を通常学級につくることが求めら. ことが示唆され、教員全体に対して、対象児の理. れるといえよう。. 解啓発が必要であることが考えられる。. 主任指導教員 芝田 裕一.  支援学級担任、通常学級担任ともに、9割以上 が、学校の教員に対して、対象児のことを話すと. 指導教員   芝岡 裕一. 一199一.

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参照

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