兵庫県立西脇北高等学校
学校改善プ ラン
環境 の変化 に適応す る学校組織 の開発
∼特別支援教育を取 り入れた定時制高校 の教育改善を通 して∼
兵庫教育大学大学院.学
校経営 コー スP14010K
辻 真吾 (兵庫県立西脇北高等学校)
′兵 庫 県 立 西 脇 北 高 等 学校 学 校 改 善 プ ラ ン
P14010K
辻 真 吾 テー マ環 境 の変 化 に適 応 す る学校 組 織 の 開発 ∼ 特別 支援 教 育 を取 り入 れ た定時制 高校 の教 育 改 善 を通 して ∼ 章立 て は じめに
P。
2 第1章
学校 改善プ ランの方 向性R 2
第2章
定時制 高校 の現状 と特別 支援 教育推進 の意義R 4
第1節
定時制高校 の社会的役割 の変化 第2節
特別支援教育 の定義 とその効果 第3節
特別支援教育 の法的位置 づ け と全国の情勢 第4節
兵庫県 の高等 学校 にお ける特別支援教育 の現状 と課題 第3章
現任 校 の現状R10
第4章
教 育課題P。
12
第1節
教 育活動 の課題 (特別支援教育の推進) 第2節
め ざす教育 の姿 第5章
学校組織 の課題R15
第6章
教 育活動 の改善R18
第1節
わか る授 業 の展 開 第2節
新 たなキ ャ リア教育 第3節
特別支援教育 の フィル ター.
第7章
学校組織 開発R24
第1節
生徒情報 共有 システ ムの設 計 第2節
教員学習 システ ムの設計 第3節
外部連携 システ ムの再編成 第4節
内部環境 の整備 第8章
ま とめR35
第1節
本 プ ランの振 り返 り 第2節
学校組織 の持続 的 な環境適応 第3節
本 プ ランの実施 不ケ ジュール おわ りにR38
は じめ に 定 時 制 高 校 は 、戦 後 、働 き な が ら学 ぶ 者 の学 校 と して位 置 付 き、 経 済 的 困難 を抱 え る生 徒 た ち に、 高 校 卒 業 資 格 取 得 の場 を保 障 して きた。 ま た 、 中学 校 時 の不 登 校 や 成 績 不振 な どの理 由で 、 全 日制 高校 に進 学 で きなか った生徒 に も学 び の 門戸 を 開 い て きた。 定 時制 高 校 は、社 会 の セ イ フテ ィー ネ ッ トと して の機 能 と役 割 を長 ら く果 た して きた こ とに な る。 高度 経 済 成 長 期 か ら低 成 長 期 に か け、 国 民所 得 が 向上 す る こ とで 勤 労 生 徒 が減 少 し、 定 時制 高校 の統 廃 合 が急 激 に進 ん だ。文部 科 学省
(2013)に
よ る と、定 時 制 高校 の数 は、1955 年 の3,188校
を ピー ク と して 、1989年
に は1,000校
を割 り込 ん だ。 勤 労 生徒 の 需 要 が減 る一 方 で 、新 た な 需 要 が 生 まれ た。 全 日制 高 校 を退 学 した 生徒 の転 編 入 学 先 と して の 需 要 で あ る。 そ の 需 要 は 通 信 制 高 校 の 方 が 多 い が(2012年
で 全 体 の 67.3%)、 定 時制 高校 も一 定 の需 要 を満 た して きた(2012年
で全 体 の 23.5%)。 さ らに、2005年
の発 達 障 害支 援 法 の施 行 に よ り、発 達 障 害 の あ る生徒 が多 く在籍 す る定 時制 高校 は、 現在 、適 切 な特 別 支 援 教 育 の方 策 を検 討 す る必 要 に迫 られ て い る。 この よ うに 、定 時制 高校 を取 り巻 く教 育的 ニ ー ズ は戦後 大 き く変 化 して きた。 教 育的 ニ ー ズの変化 は 、全 日制 高校 の場合 と比較 して も、 よ リ ドラステ ィ ックに現 れ 、 そ の度 に、 定時制 高校 の社 会 的役 割 も変 化 して きた と言 え る。 本 プ ラ ン で は 、 現 在 、 定 時 制 高校 に求 め られ て い る特 別 支 援 教 育 の推 進 を西 脇 北 高校 (以下 、現 任 校 と略 す)の
新 た な教 育 的課 題 に位 置付 け 、現 任 校 にお け る教 育 改 善 を検 討 す る と とも に 、特 別 支 援 教 育 の推 進 を一 つ のケー ス ス タデ ィ と して 、 変化 しや す い環境 に適 応 す るた め、主 体 的 に教 育 活 動 を創 造 で きる定 時制 高 校 の教 員 組 織 の 開発 を試 み る。 第1章
学校 改善プ ランの方 向性 環境 の変化 に対応 し、主体的 に教育活 動 を創 造 で きる教員組織 を開発す るこ とが本プラ ンの主 旨で あ る。 まず 、上記 の主 旨に合 致 した過去 の知 見 を参考 に して、本 プ ランの方 向 性やア ウ トライ ンを定 め る とともに、組 織 を変革す るた めのスキル を導 き出 したい。 浅野(20H)は
、組織 マネ ジメン トの設計 にあたつては、「それ まで の環境認識や 目標・ 課題、基準 な どに こだわ るこ とな く、ゼ ロベー スですべて を見直す り・ フ レイ ミング発想 が重要 にな る」 1)と し、 り 0フ レイ ミングの二つ のステ ップ を示 してい る。最初 のステ ッ プは意味決 定 で ある。 チー ムやユ ニ ッ ト全体 の活動 を方 向づ ける新 しい 「価値 」や 「メン タルモデル」を創 出す るこ とであ る。次 のステ ップ は課題形成 で あ る。「ビジ ョン」や 「戦 略」の練 り直 しと取 り組 むべ き 「課題 」 を形成す るこ とで あ る。最 後 のステ ップは活動設 計である。課題 の解決 に向 けた活動 システ ム(構造 とプ ロセ ス)の設 計 をす るこ とである。 環境の変化 に組織 が対処す るには、 この二つ のステ ップ を踏 まえて組織 マネ ジメン トを再スバイラルなマルチル→ 毎 学習を取り
,澪れ趨鶴鐵の環境適応
峰ざす到達点‐
権
1癬
』繹彗
: 図1
組 織 の環境 適応 (古川 1990 を も とに筆 者 作成) 設 計 す る こ とが 効 果 的 で あ る こ とを浅 野 は示 唆 して い る。 古川(1990)は
、社 会 心 理 学 の観 点 か ら人 の変 化 認 知 の メカ ニ ズ ム を明 らか に した うえ で 、「組織 の変 革 」の意 味 を、環 境 の変化 を認 知 しな が ら 自 らの既 存 の価 値 観 を見直 し、新 しい価値観 に置 き換 えて い くこ とで あ る と定義 し、変 革 を可能 にす る能 力 を獲 得 してい く 過 程 が「組 織 学 習 」で あ る と した。組 織 学 習 とは 、「組織 が 自 ら変 革 を創 る必 要 性 を発 見 し、 よ リー 層 の成 功 を収 め るで あ ろ うと 自 ら信 望 す る変 革 に着 手 し うる能 力 を獲 得 し、成長 さ せ て い く過 程 」 2)と し、個 人 に よ る学 習 で得 た結 果 を組 織 成 員 で共 有・ 蓄 積 で きた り、そ の成 果 が組 織 風 土や 組 織 文化 と して定着 す る こ とで組 織 の安 定性 を高 めた りで き る利 点 を う虫調 してい る。 また 、古川 は、組 織 学習 を 「単ル ー プ 学習 (既存 の規 範 や 価 値 観 に よ り従 来 通 りに繰 り 返 され る官 僚 制 的 組 織 学 習)」 「複 ル ー プ学習 (単ル ー プ 学 習 に加 え、既 存 の規範 や 判 断基 準 そ の もの の妥 当 さ、適 切 さの吟 味や 検 証 を行 う学 習 」「マル チル ー プ学習 (複ル ー プ学習 に時 間の次 元 と変 革 のベ ク トル を加 え、方 向性 を持 たせ る学習)」 に分 類 した。そ の うえで、 環 境 の変化 に適 応 しな が ら持 続 的 に組 織 の変 革 を推 し進 めて い くに は 、 図1の
よ うな 「ス パ イ ラル なマル チ ル ー プ学習 」 が欠 かせ ない と した。 今 回 、学校 組 織 を 開発 す る に あ た り、環 境 の変 化 を と らえた うえで 、浅 野 の示 唆 す る り・ フ レイ ミン グの二 つ の ステ ップ に従 つて 、意 味決 定 (育て た い 生 徒 像 。社 会 的役割)⇒
課 題 形 成 (め ざす 教 育 。め ざす 組 織)⇒
活 動 設 計 (教育 改 善・ シ ス テ ム 開発 。内部 環 境 の整備
)と
い うプ ラ ン作成 の流 れ を作 った。 これ を古川 が示 した マル チ ル ー プ学習 の スパ イ ラル に乗 せ る こ とで学校 改 善 プ ランの方 向性 と ア ウ トライ ンを描 い た (図 2)。 まず 、環境 の変 化 を社 会 、政 治 、 経 済 、 文化 な どの 視 点 で 分 析 した り、現象 の歴 史 的 経緯 や 全 国 的動 向 の把 握 、 将 来 予 測 な どを行 つ た りして状況 を と らえ、 育 て た い 生 徒 像 や 学校 の社 会 的役 割 につ い て 修 正や 補 強 を行 い 、現 任 校 の教 育 目標 や ミッシ ョン を改 めて 明確 化 す 織 の あ り方 を検 討 し、 そ れ を実 現 す 連 携 の再編 、 内部 環境 の整 備 につ い学校改善プランの
鉦 “N目彊 腱/
嚇
囲
圏
図2
学校 組 織 の環境 適応 (古川 1990 を も とに筆者 作成) る。 さ らに、状 況 の分析 に よ りめ ざす 教 育や 目指す 組 るた めの方 策 と して 、教 育 改 善 や シ ス テ ム 開発 、外 部 て考 察す る。 第2章
定 時 制 高 校 の社 会 的 役 割 の変 化 と特 別 支 援 教 育 の意 義 第1節
定時制高校 の社会的役割 の変化 定時制高校 の社 会的役 割 が大 き く変化 して きてい る。文部科 学省(2013)に
よる と,高
校 の定時制教育 は、就 業等 のために全 日制高等学校 に進 学で きない青年 に後期 中等教育 の 機 会 を提供す るもので あつたが,近
年 は働 きなが ら学ぶ生徒 の数 は減少 (図3)し
,中
学 校 までの不登校経 験か ら自立 に困難 を抱 える者(31.3%)を
は じめ,様
々な入 学動機や学 習歴 をもつ者 が増加 の傾 向 にある (表 1)。 したが つて,定
時制 高校 には,多
様 な学びの ニーズの受 け皿 と しての役割 が増 してお り,学
び直 しの機 会 の提供 な ど,困
難 を抱 える生 徒 の 自立支援等 の面で大 き く期待 され るよ うになつてい る。 また、文部科学省 (2015①)は
、全 国の中学校 の特別 支援 学級 卒業者(2014年
3月 卒 業者 16,318名)の
うち、5,320名 (全体 の約3分
の1)が
高校 に進 学 してい るこ とを明 ら か に した。文部科 学省(2009)に
よる と、発達障害等 困難 の ある生徒 の在籍割合 は、全 日 制 が1.8%に
対 して定時制 は14.1%に
も及んでお り、定時制高校 にお ける特別支援教育の 組 織的な取 り組 み は、喫 緊 の課題 として クロー ズア ップ され て きた。 定時制高校 の よ うに困難 を抱 えた生徒 が多 く在籍す る高校 は、文部科学省 の研 究指定を 受 けるな ど、特別 支援 教育 をは じめ とした多様 な取組 を考案 し、実践 してい る高校 も増 え きてい る (表 2)。表 1 定 時 制 高 校 に 入 学 した 動 機・ 理 由 (文 部 科 学 省 調 べ2013) 図
3
定時 制 高校 に お け る生 徒 の就 業 状 況 の 変化 (文部 科 学省 調 べ 2013) 第2節
特別支援 教育 の定義 とその効果 このよ うに、多 くの困難 を抱 えた生徒 を、 自立 し社会 に参加 で きる人材 と して世 に送 り 出す ことが、今 の定時制 高校 の大 きな社会的役割 になった とい える。 と りわ け、発達障害 等 の特別 な支援 を必要 とす る生徒 の 自立 を促す ことは、現在 の定時制高校 に与 え られた大 切 な課題 である。 ここで、「特別 支援 教 育 」 の定義 と、対象 とな る障害 の範 囲 を示 してお く。 文部科学省HPに
よる と、「特別支援教 育 とは、障害 のあ る幼児児童生徒 の 自立や社会参加 に向けた主 体 的な取組 を支援す る とい う視 点 に窯 ち、幼児児童生徒一人一人 の教育的ニー ズ を把握 し、 そ の持て る力 を高 め、生活や学習上の困難 を改善又 は克服す るた め、適切 な指導及び必要 19824F . 19944F 20114F ― ●― 定職 ¨0"ア
ル′`イト ー‐ ― 無職 経済 的に働 く必 要 があつたから 11.1% 経 済 的には問題 はないが 、働きながら学 ぶことに意 義 があると 思 つたから 8.4% 高 等 学校 の卒 業 資格 が必要 だと思つたから 30.4% 全 日制高 等 学校 を受験 したかつたが、合格 する自信 がなかつた から 全 日制 高等 学校 を受験 したが 、合格 しなかつたから 12.9% 自分のペースで学習がすすめられると思つたから 15.6% 健 康 。身体 的理 由により、毎 日通 学することができないので 時 間 にゆとりができたので勉 強 をしたいと考 えたので 2.7% その他 表2
特別 支 援 教 育 に関す る文 部 科 学省 の研 究 指 定 (文部 科 学省HPをも とに筆 者 作成) 文部科学省研究指定事業 指定校の課程別数(高等学校のみ) 高等学校における発達障害のある生徒への支援 2007年 度14校(全日制9、定時制3、全定併置2) 2009年 度14校(全日制9、定時制3、通信制1、定通併置1) 2010年 度11校(全日制9、定時制1、定通併置1) 高等学校等における発達障害のある生徒へのキヤリア教育の充実 2012年 度12校(全日制 6、定時制4、定通併置2) 2013年 度8校(全日制4、定時制3、定通併置1) 自立・社会参加に向けた高等学校段階における特別支援教育菫 ・キャリア教育・就業支援等の充実 2014年 度25校(全日制15、定時制5、全定併置4、定通併置1) ・個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育モデル 2014年 度20校(全日制12、定時制4、全定併置1、定通併置1)な支援 を行 うもの」 と定義 してい る。また、「通常 の学級 に在籍す る
LDoADHD・
高機 能 自閉症等 の児童生徒 に対す る指導及 び支援 が喫緊 の課題 となってお り、特別 支援教育 にお いては、特殊教育 の対象 とな つてい る幼児児童 生徒 に加 え、 これ らの児童 生徒 に対 して も 適切 な指導及 び必 要 な支援 を行 うもの」 とし、対象 とな る障害の範 囲 を示 してい る。 さ らに、2005年
の 、中央 教 育 審 議 会 答 申 「特別支援教 育 を推進 す るた めの制度 の在 り方 につ い て 」で は、「これ らの幼 児 児 童 生 徒 につ い て は 、障 害 に 関す る医学 的診 断 の 確 定 に こだ わ らず 、 常 に教 育 的 ニ ー ズ を把 握 しそ れ に対 応 した指 導 等 を行 う必 要 が あ るが 、 こ うした考 え方 が学 校 全 体 に浸透 す る こ とに よ り、 障 害 の有 無 に か か わ らず 、 当該 学校 にお け る幼 児 児 童 生 徒 の確 か な 学 力 の 向上や 豊 か な 心 の育 成 に も資 す る もの と言 え る。」 と し、特 別 支援 教 育 が 障害 の あ る特 定 の幼 児 児 童 生 徒 のみ に効 果 が あ るの で は な く、障 害 の ない 生徒 に対 して も積 極 的 な 意 義 を もつ もの と位 置 づ け て い る。 さ らに 、 図4の
よ うに、新 しい 取組 の導入 に よ り、教 員 の組 織 的 な学 習 が促 進 され 、新 た な協 働 の機 会 が創 出 で き た り、 外 部 機 関 との連 携 が促 進 され 、 よ り外 に 開 かれ た環 境 が創 出 で きた り、学校 全 体 に対 す る波 及 効 果 も期 待 で き る と考 え られ る。`
第3節
特別 支 援 教 育 の法 的位 置 づ け と全 国 の情 勢1
特 別 支援 教 育 の法 的位 置 づ け2007年
の 「障 害者 の権利 に関す る条約 」署名(2006年
国連 採 択)以
後 、 日本 政 府 は共 生 社 会 の形成 を め ざ し、8年
間 か けて 国 内法 を整 備 して きた。 学 校 教 育 にお い て も共生 社 会 の形 成 に向 けた 教 育 シ ステ ム の設 計 が進 め られ て きた。 障 害者 の権 利 に 関す る条 約 (第24条
:教 育)に
よれ ば 、人 間 の多様性 の尊 重 等 の強化 、障 害者 が精 神 的及 び 身 体 的 な能力 等 を可 能 な最 大 限 ま で発 達 させ 、 自由 な社 会 に効 果 的 に参 加 す る こ とを可 能 とす る との 目 的 の下 、障害 の あ る者 と障 害 の な い者 が共 に学 ぶ 仕 組 み を作 る こ とを啓 発 して い る。 この 仕 組 み を 「イ ン クル ー シ ブ 教 育 シ ステ ム」 と呼 び 、 障 害 の あ る者 が 教 育 制 度 一 般 か ら排 除 され な い こ と、 自己 の 生 活 す る地 域 にお い て 初 等 中等 教 育 の機 会 が 与 え られ る こ と、個 人 に必 要 な 「合 理 的 配 慮 」 が提 供 され る等 が 必 要 で あ る と して い る。2012年
、文部 科 学省 は 、「共 生社 会 の形 成 に 向 けたイ ン クル ー シ ブ教 育 シ ス テ ム構 築 の た め の特別 支 援 教 育 の推 進 (報告)」 の 中で 、「就 学 相 談・ 就 学 先 決 定 の在 り方 につ い て」 「障害 のある子 どもが十分 に教 育 を受 け られ るた めの合理 的配慮 及 び そ の基礎 とな る環境 特男1支援 教 育 の 波 及 効 果 図4
高校 にお け る特別 支援 教 育 の波及 効 果 (筆者 作成)整備 (基礎 的環境整備)」 「多様 な学びの場 の整備 と学校 間連携等 の推進」「特別支援教育 を 充実 させ るための教職員 の専 門性 向上」 を学校教育 の課題 として指摘 した。 小 田
(2015)は
、イ ン クル ー シブ教 育 システ ム の核 心 を 形成 す る 「合 理 的 配 慮 」 とそ の基礎 とな る 「基 礎 的環 境 整 備 」 の 関係 性 を以 下 の よ うに 整 理 した (図 5)。 生 徒 個 々ヘ の合理 的配 慮 を実 施 して い く た め に は、基礎 的環 境 整 備 が 前提 とな る。 国・ 都 道 府 県 。 市町村 は、制 度 設 計 、 資源 配 分 な どで環 境 を整 備 し、 学 校 は、「安 心 で き る」学級 集 団 作 りや 「わか る」 授 業 づ く りを 各校 の専門性や特色 に よ り整備 を進 める。 学校 の基礎 的環境整備 が拡充 してい けばい くほ ど、生徒個 々の合 理的配慮 の範 囲は縮小 してい くと した。2013年
に 「障害 を理 由 とす る差別 の解 消の推進 に関す る法律 」が成 立 した。同法 は、障 害 を理 由 とす る差別 的 な取 り扱 い を禁止す るため、行政 な ど公 的機 関に対 して障害者へ の 「合理的配慮 の不提供 の禁止」 とい う形 で障害者 に対す る支援 を義務付 けるほか、企業 な ど民間 に も努力義務 を課す こ とになってい る。2016(平
成28)年
度 か ら、障害 の ある子 どもに対す る支援 ・配慮 が国公 立学校 には法的 に義務付 け られ る。2
高校 にお け る特別 支援教 育 の位置づ け 学校教育法(1947年
法律第26号
2007年
改正)第
81条
で は 「幼稚 園、小学校 、中学 校 、義務教育学校 、高等学校及 び 中等教育学校 において は、次項各 号のいずれ かに該 当す る幼児 、児童及び生徒 そ の他 教育上特別 の支援 を必要 とす る幼児 、児童及 び生徒 に対 し、 文部科学大臣の定 める ところに よ り、障害 に よる学習上又 は生活上 の困難 を克服す るため の教育 を行 うもの とす る。」「2月
ヽ学校 、中学校 、義務教 育学校 、高等学校及 び 中等教育学 校 には、次の各号 のいずれ か に該 当す る児童及 び生徒 のために、特別支援 学級 を置 くこと ができる。1知
的障害者2肢
体不 自由者3身
体虚弱者4弱
視者5難
聴者6そ
の 他 障害のある者 で、特別 支援 学級 において教育 を行 うこ とが適 当な もの。」とし、高等学校 において も、義務教育課程 同様 に障害 のある生徒 に対 して特別 支援教育 を行 うことが法的 に位置づ け られ 、特別支援 学級 の設置 も可能 で ある こ とを唱 つてい る。2007年
の学校教育 法 の改正 に伴 い、文部科学省 初等 中等教育局が 「特別支援教 育の推進 について」 を通知 し 図5
合理 的配慮 と基礎 的環 境 整備 の関係 (小田2015をも とに筆者作成)た。現在 、高校 におい ては、改正 され た学校教 育法 と、本通知 に も とづ き、特別支援教育 が推進 され てい る (成山・ 有本 2012)。 また、文部科学省 (2015②
)は
、高校 にお け るイ ンクルー シブ教育 システ ム構築 のた め の具体的な方策 と して以下の三点 を挙 げてい る。 一点 目は生徒理解 の促進 で あ る。 生徒 の 性格や障害 の種類 な ど、心理 学的、医学的な理解 を踏 ま えた指導 を進 め る こ とで ある。 二 点 日は、生徒 の困難 を発 見 し迅速 に支援 の方法 を考 え実施 で きる支援 体制 づ く りで ある。 そのためには、きめ細 か に生徒情報 を収集 し組織 で共有す るこ とが重要 とな る。三点 日は、 支援 だ けではな く、生徒 の個 に応 じた能力 を伸 ばす教育 を施す こ とで あ る。 不登校 を経験 した生徒 の 中には進 学校 なみ の高い学力 を有す る者 もい る。 また、 自閉症や 学習障害のあ る生徒 の中に も、特 定 の学習分野 で秀 でた能力 を もつ者 がい る。 生徒 の実情 を理解 した う えで可能 な鍛錬 を加 え個 の能力 を最大限伸 ばす こ とは、そ もそ も教 育 の根本 的 な使命 であ る と言 える。3
全国の情勢 全国の高校 にお ける特別 支援教育の体制整備 についての文部科学省 調査(2012)に
よれ ば、校 内委員会 の設 置率 は 99。4%で
あ り、初 めて調査 が行 われ た2006年
度 の 25。2%に
比べて ほぼ4倍
となつてい る。同様 に、障害 の あ る生徒 の実態把握 は 89。2%(2006年
度 29。4%、 同3倍
)、 特別 支援 教 育 コーデ ィネー ター の指名 は 99。9%(2006年
度 18.5%、 同5倍 )で
あ り、いずれ も大幅 な伸び を示 してい る。一方 、個別 の指導計画29.8%(2006
年度 3.6%)、 個別 の教 育支援 計画 25。9%(2006年
度3.2%)と
、少 しず つ伸びてはい る が、いまだ低い割合 に留 まつてい るのが現状 で ある。 この よ うな現状 か ら、文部科学省 は2007年
度 よ り 「高等学校 にお ける発達 障害支援モデル事業」 を推進 し、2009年
度 まで、 毎年十数校 を指 定 し成果 の検証 を行 つて きてい る。2015年 5月
に開かれ た 自民党 。教育再生実行本部特別支援教 育部 会 では、「高等学校等 における特別支援教育 の在 り方」 につ いて論点 を整理 し、高等学校等 にお ける特別支援教 育 を さらに推進 してい くた めに以下の二つ の見解 を示 した。.
。障害のある子供 がそ の特性 や能力 を生か し明るい希望 を持 つて社会で活躍 できるよ う、 自立 と社会参カロを見据 え、生徒1人 1人
の特性や能力 に応 じたキャ リア教 育や就 労支援 の充実が必要。 ・ 高等学校 にお ける通級 による指導の制度化を検討すべき。 ・ 高等学校入学試験や大学入学者選抜における配慮 を充実 させてい くことが必要。 これ を受け、2015年
11月 、高校 における特別支援教育の推進 に関す る調査研究協力者 会議 (第1回
)が
開催 された。文部科学省 は、高校 における特別支援教育の推進が重要な 課題であるとした うえで、小 。中学校の通級 による指導や特別支援学級 の よ うな特別な教 育課程の編成 を検討す ることを明確 に し、2017年
の実施 に向け会議 を進 めてい くとした難
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図6
高 等 学 校 にお け る特 別 支援 教 育 の推 進 に 関す る調 査研 究 協 力 者 会 議 の 内容 を報 じる新 (図 6)。 この よ うに、 高 校 にお い て も特別 支援 教 育 の法や 体 制 の整 備 が進 ん で き て お り、支援 の 対象 も身 体 障 害 や 発 達 障 害 の あ る生 徒 か ら、知 的 障 害 の あ る生 徒 に ま で 拡 大 しつ つ あ る。 聞記 事 (日本 教 育新 聞2015年 11月 23日 ) 第4節
兵 庫 県 の 高 等 学 校 にお け る特 別 支 援 教 育 の現 状 と課 題 兵 庫 県 特別 支援 教 育 推 進 計 画(2007)で
は 、高校 にお い て もLD・ADHDな
ど発 達障害 の あ る生徒 の理 解 と支援 、体 制整 備 を進 め る と ともに、高等 特別 支 援 学校 と高校 との連 携 推 進 を掲 げた。2007年
度 か ら、県 立 特別 支 援 学 校 と県 立 高校 に お け る交 流 及 び 共 同学習 の 調 査研 究 に取 り組 み 、2011年
度 に は 、県 立 姫 路 別 所 高等 学 校 内 に県 立 姫 路 特 別 支 援 学校 分 教 室 を設 置 した。 特 別 支 援 学 校 分 教 室 を高校 内 に設 置 し、 日常 的 な 交 流 及 び 共 同学 習 を実 施 す る こ とで 、障 害 の あ る生 徒 に も、障 害 の な い生 徒 に も、「自尊感 情や 自己肯定感 が高 ま って きてい る。」「コ ミュニ ケー シ ョン能 力 の 向上 が 見 られ る。」「共 生 の心 が育 つて きてい る。」な ど、高 い教 育 効 果 が あ る と報 告 され て い る。交流及 び共 同学 習 を柱 に据 えた兵庫型 の イ ンクル ー シブ教 育 は、全 国 的 に見て も先進 的 で あ り他 県 か らの視 察 も多 い。2012年
に は 、 ノー マ ライ ゼ ー シ ヨンの理 念 を進 展 す るた めの礎 とな る学校 を め ざ して 、県 立 阪神 昆 陽 特別 支 援 学校 と県 立 阪神 昆 陽 高等 学校 (多部 制 単位 制)を
同 一 敷 地 内 に設 置 した。 両校 の 生徒 は同 じ教 室 や 施 設 等 で共 に助 け合 つ て生 きてい くこ とを実 践 的 に学 ん でい る。 兵庫 県特別 支 援 教 育 第 二 次推 進 計 画(2014)に
お い て も、特 別 支 援 学 校 と高校 との交流 及 び共 同学習 の推 進 を掲 げ 、2014年
に は県 立 こや の里 特別 支 援 学校 分 教 室 を県 立猪名川 高 等 学校 内 に、2015年
に は 県立 阪神 特別 支 援 学校 分 教 室 を県 立武 庫 荘 総 合 高等 学校 内 に開設 し、入 学対象 を 自力 通 学 可能 な生徒 に限定せ ず 、対 象 の拡 大 を検 討 す る と と もに、職 業 自 立 と社会参加 を 目指 した さま ざまな教 育 内容 を展 開 して い る。 9特別支援学校分教室 を高校敷 地内に設 置 し交流及 び共 同学習 を進 め る こ とは、障害のあ る者 と障害 のない者 との共 生社会 の実現 に向けた有意義 な取組 で あ り、今 後 も、兵庫県が 共生教育や ノーマ ライゼー シ ヨン教育 の先進 的モデル の役割 を担 つてい くこ とが期待 され てい る。 一方 で、兵庫県特別 支援 教 育第二次推進計画では、これ まで、他 の都道府 県 と比較注)し て取組 が遅れてい る、高校 現場 にお ける特別支援教育 のあ り方 につ いて深 く言及 している。 その主 な内容 をま とめ る と以 下の四点 とな る。一 点 日は、生徒理解 と支援 体制 の整備 であ る。発達障害等 の ある特別 な支援 を必要 とす る生徒 に対す る理解 や 、多様 な教育的ニーズ に応 える教育課程・ 教 育 内容 等 の体制整備 の推進 をめ ざ してい る。 二点 日は、特別支援教 育の専門機 関 との連携 で あ る。特別支援学校 と連携 し、特別 支援 教育 の視 点 を取 り入れ、 指導方法等 を工夫 改善す る こ とで ある。 三点 日は、発達障害等 のあ る特別 な支援 を必要 と す る生徒 の能力 の伸長 で あ る。 自立 と社会参加 に向 け、個 々の能力・ 才能 を伸 ばす指導 の 充実 に関す るモデル研 究 を行 うとともに、そ の成果 を普及す る取組 も始 ま ってい る (西宮 香風高校 が
2014年
度 の文科省研 究 に指 定 され てい る)。 四点 目は、発 達障害等 の ある特別 な支援 を必要 とす る生徒 の就職 支援 で ある。就職 支援 コーデ ィネー ター をモデル校 (特別 支援学校高等部 、高等学校)に
配置 し、労働や福祉 等 の関係機 関 と連携 しなが ら就職支援 の充実 をめ ざす と した。 と りわ け、特別 な支援 が必要 な生徒 の割合 が高 い定時制 高校 にお いては、上記 四つ の取組 は喫緊 の課題 と言 える。特別 支援教 育 の視 点 を 日常的 に もつ小・ 中学校 の実践や 、他都 道府 県 の先進的 な事例 を研 究 しなが ら、学校 の特別 支援教育 の体制 構築 を急 がなけれ ばな らない。 注)高校 にお ける特別 支援 教 育 に 関す る各都道 府 県 の主 な施 策 をR40に掲載 して い る。 第3章
現任校 の現状 定時制高校 で あ る現任校 において も、全国的 な 傾 向 と同様 の変化 が生 じてい る。 これ まで、北播 磨 地域 において、「働 く者 の学校」 として、また、 「学びのセイ フテ ィーネ ッ ト」 としての役割 を長 く担 つてきたが、2009年
の多部制定時制高校 へ の 改編 は入学生徒 の層 を変化 させ た。 就業生徒 の割合 は約 半数程度 (図7)で
あ り、 就業形態 はすべ てアルバイ トで正規雇用 は見 られ ない。 また、発達 障害等 の あ る特別 な支援 を必要 とす る生徒 の増 加 (図8)や
、 中学 時 に不 登 校 で あ つた 生 徒 の割 合 も年 に よ つ て増 減 は あ るが 高 い割 合 を示 して い る (図 9)。 な い 図7
アル バ イ ト就 業状 況 (生活 実 態調 査 2015年 5月 よ り)0 5 0 4 3 3
〆♂♂♂
ヤ ンチ ャで活 発 な生 徒 の割 合 が減 少 す る と と もに、 自分 に 自信 が持 て な い 消 極 的 な 生徒 は依 然 一 定数 存 在 人 間 関係 を作 る こ して い る と言 え る とが 苦 手 な生徒や (図 10)。 図8
特別 な支 援 を必 要 とす る生 徒数 の推移 (特別 支援 教 育推 進 委 員 会 資料 よ り) *身体 障 害・ 知 的 障 害 と発 達 障 害 及 び そ の疑 い の あ る生 徒 の数 で あ る。生 徒 の約2割を 占め る。 こ うした変化 に対 応 す るた め、20■ 年 か ら ボ ランテ ィア活動 を学校 教 育 の核 に据 え、生 徒 の 自己肯 定感 を 高 め る取組 を続 けて い る。 さ らに、 コー ピン グ の手 法 を取 り入 れ た 学校 設 定科 目「学 び 」(必履 修)の
導 入 に よ り、現 任 校 の生 徒 が苦 手 とす る人 間 関係 づ く りや ス トレス対 処 の方 法 、 学 習 時 に必 要 な基 本 的 な ス キル の習得 をお こな つて い る。 さ らに 、学 校 独 自の 学 習 到 達 度 テ ス ト 「北 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 7 6 5 4 3 2 1 ――― 合 計 ― ― 反 社 会 的行 為 ¨¨"対
人 ト ラブル 単位:件 図9
中学 時 代 、 不 登 校 を経 験 した 生 徒 の割 合 の 推 移 (入学 時 の 中学校 資料 よ り) *年間 30日 以 上 の欠席 を不 登 校 とす る 図 10 特 別 指 導件 数 の推 移<校長 訓戒 以 上> (生徒 指 導部 資料 よ り) 高検定」 を定期的 に実施す る こ とで 中学校 レベル の基礎 学力 の育成 を図 つてい る。 図11は
、北高検 定 (①国語 、②数学、③英語)の
合格者数 を一 昨年度 と昨年度 で比較 してい るが、 どの教科 におい て も取得級 の向上が見 られ 、徐 々にではあ るが基礎 学力の定 着 が進 ん で い る こ とが わ か る。 図12は
、2012年
、学 校 改 革 の さな か に描 かれ た現任 校 の教 育 ビジ ョン を示 し た 図 で あ る。 自己有 用 感 の 育 成 を 目的 に した ボ ラ ンテ ィア活 動 の促 進 、 生徒 の 内 面 にア プ ロー チす る コー ピン グ手 法 の導 入 、 中学校 の基礎 的 学 力 を保 障す る北 高 検 定 の実施 な ど、新 た な 取 組 が 功 を奏 し、 45.0 40.0 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0ござござ
0 0 0 0 0 8 6 4 2 姦 H 姦 N 軽 ∞ 姦 ヾ い 0 い 0 い ト 姦 ∞ 姦 0 い 8 ■2013 目2014 図1l① 北高検定 国語 級別合格者人数0 0 0 0 0 8 6 4 2 挙 H 姦 ∝ 緊 ∞ 姦 ヾ 姦 Ю 挙 ⑭ 姦 ト 軽 ∞ 峰 o 姦 8 ■2013 題2014 150 100 50 0 姦 H 姦 ∝ 姦 ∞ 姦 ヾ い 0 姦 0 い ト 緊 ∞ 姦 o 挙 8 ■2013 薔2014 図1l② 北高検定 数学 級別合格者人数 地域 か らの信 頼 を得 る と ともに、低 調 で あつ た生徒 会 や 部活 動 、 学校 行 事 も活 発 化 し、生 徒 た ちが 自信 と誇 りを回復 で き る学 校 へ と変 化 を とげつ つ あ る。 ビジ ョン の 図 に も あ る よ うに、 生徒 が高校 を卒 業 した 後 に社 会 の 中で 自己実 現 を図 る こ とが で き る よ うサ ポ ー トす る こ とを、学 校 の最 大 の教 育 目標 と して 掲 げ て い る。 図 1l③ 北高検定 英語 級別合格者人数 教 育 ビ ジ ョン 図12 現 任 校 の教 育 ビジ ョン 第
4章
教育課題 第1節
教育活動 の課題 (特別支援教育 の推進) 図8で
示 した よ うに、現任校 へ の発達 障害等 のある特別 な支援 を必要 とす る生徒 は増加 傾 向にある。現在 、特別支援教 育推進委員会 を中心 に下枠 内に示 した よ うな重点項 目・ 方 策 。日標 を掲 げ、校 内支援体制 を構 築 してい るが課題 も多い。① 個々の特徴を把握 し、効果的な支援策を実践する。
② 基礎学力の定着を図 り、進学・就業支援をする。
③ 自尊感情を高め、自分 という存在がかけがえのない存在であることを実感 させる。
□
①実態把握・・ ・ 中学校 か らの 申 し送 り、専 門機 関か らの報 告 が あ る生徒 で も、各担 任 と教科担 当者 が気 にな る生徒 をあげ、委員会で掌握す る。 ② 専門機 関 との連携・ ・・ 北 は りま特別支援 学校 の コーデ ィネー ター に よるアセ スメ ン トを実施。 ③校 内委員会で検討・・ ・ 生活支援 、学習支援 が必要 と思 われ る生徒 について委員会内で協議 し職 員 に周知す る。 必要 に応 じて個別支援計画 を作成す る。校 内だ けで は難 しい場合 は、専 門機 関や 医療機 関へ相 談 し繋 ぐ。 ④適宜 ケー ス会議 を開 き、今 後 の対応 について検討す る。 (教頭・ 特別支援 コ‐デ ィネ ー ター・養護教諭
0年
次担 当 。そ の他必要 と思 われ る者) ⑤ADHD、
自閉症 等 の発 達 障害 がな くて も、環境や 生 い立 ち (い じめや虐 待)か
ら それ と似 た行動 パ ター ンを とるこ とも少 な くない。 そ うい う生徒 に対 して、 ×を減 ら す ことよ り、○ を増やす こ とを仕組む ことが必要で あ る。 日 (二 次的障害 、抵抗感 、劣等感 、逃避等 の防止) ① い じめや不登校 、問題行 動 の未然防止②基礎 学力 を定着 させ る③ 自尊感情 を高 める 徒 の実態把握 と情報共有 の機 会 ・ 学年会・ 部会 、成績会議 、生徒 指導部会 、特別指導委員 会 ・ 養護教諭 による健康相談 (全校 生対象)、 保健部会 、特別 支援教 育推進委員会 ・ 生徒情報交換 会 (1・203部
合 同)5月
下旬 と11月
下旬 の二回実施 兵庫 県特別 支援 教 育第 二 次推 進 計画 が掲 げた高校 にお け る特別 支援 教 育 の課題 を参考 に して、現任校 の特別支援教育 の課題 を以下の(1)∼ (5)に
ま とめた。(1)わ
か る授業 の展 開 不登校 な どによ り学習 の蓄積 がな され ていない,学
習習慣 が形成 され てい ないな どの理 由によ り,多
くの生徒 が学力 に課題 を抱 えてい る。 北高検 定や学校設 定科 目 「学び」の実 施 によつて、生徒 の学力 は全 体的 に向上 してはい る ものの、授 業 改善が体 系的・組織的 に は十分 な されてい ないのが現状 で ある。 特別支援 の視 点 を取 り入れ た「授業のユニバーサ ル化研 究会 (以下 、UD研
と略す)」 が立 ち上が り、 自主的 な研 究活動 が2015年
9月 よ り 始 まつた。発達障害等 、特別 な支援 が必要 な生徒 の割合 が高い現任校 において は、UD研
を継続・ 発展 させ 、近い将来 、特別支援教育 を取 り入れ た授 業改善 に関す る体 系的・ 組織 的 な取組 につなげてい く必要 が あ る。発 達障害のあ る生徒 だ けでな く、誰 に対 して もわか る授業が展 開 されれ ば、すべ ての生徒 の学力 を向上 させ る効果 も期待す る ことがで きる。(2)生
徒 の社会性 の向上 と就職 支援 (新たなキャ リア教 育 の必要性) 現任校 の生徒 に は、依 然 、規範意識 に課題 が あ り,社
会 に出 るた めの必要 なスキル を身 につ けていない生徒 が多 い。入社後 わず か数週間冬会社 をや めて しま う生徒 が毎年数名 出 る。就職後 、半年 以内に離職 す る者 は、2014年
度卒業生 で8名
、2013年
度卒業生で10
名 お り、就職者全 体 の約3割
にのぼ る。 中には、試 用期 間 中の態度 が粗悪 とい うこ とで採 用 を取 り消 され る場合 もあ る。 高校 時代 に、社会観 や仕事観 を十分身 につ けず 、周 囲に流 され て何 とな く就職 してい く生徒 が あ とを絶 たない。就職 先 の企業 か らは、離職者 の社会 性や ス トレス耐性 が非常 に低 い とい う指摘 も受 けてい る。 13図
13は
、 現任 校 卒 業 者 の進 路 状 況 で あ る。 アル バ イ トな ど非 正 規雇 用 者 が約4分
の 1を 占 めて い る こ とも進 路 保 障 上 の 大 き な 問題 で あ る。 教 員 側 の指 導 に も関 わ らず 、 敢 えて 自 ら非 正規 雇 用 を選 択 す る生 徒 が ほ とん どで あ る。 現任 校 の生徒 た ちは、定 時制 高校 特 有 の少 人数 体制 の 中で 、 教 員 の丁寧 な指 導 を受 け な が ら高校 生 活 を 送 って きた。 確 か に 、 この恵 まれ た環 境 の 中で 、 自己有 用 感 を育 み 、 喪 失 して い た 自信 や 誇 りを回 復 して い つた 生徒 も多 い と考 え られ る。 しか し、 生 徒 た ち の進 路 状 況 か らは 、経 済 的・ 精 神 的 に 自立 しよ うとす る意 欲 が 身 につ い た とは言 えず 、社 会 の 中 で の 自立 を促 す キ ャ リア 教 育 の 開発 。実施 が 必 要 で あ る と考 え る。 これ まで見 て き た よ うに、現 任 校 で は 、生徒 の特性 の変 化 か ら新 た な教 育 的 ニー ズ を見 い 出 し、特 に心情 。内面 に丁 寧 にア プ ロー チす る こ とで 、生徒 の 自己有 用感 、 自信 、誇 り につ な げ る取組 を実 施 して き た。 ボ ラ ンテ ィア活 動 や 部 活 動 、 学 校 行 事 に も積 極 的 に参 加 す る生徒 も増 え、 学 校 全 体 の活 力 も高 ま つて きた と言 え る。 だ が 、一 方 で 、 特 別 支 援 教 育 の視 点 で生徒 の特 性 を理 解 し、 生徒 の能 力 を最 大 限 に伸 ばす た めの指 導 が欠 如 して い た と 言 え る。 第2節
め ざす 教 育 の 姿 第2章
第3節
で 触 れ た よ うに、文部 科学 省 (2015 ②)は
、支援 だけではな く 生徒 の個 に応 じた能力 を伸 ばす教育 を施す こ とを、特 別 支援教育 の重要 な方策 と 位 置付 けてい る。 特別支援 教 育は、生徒個 のマイナ ス を埋 めるギャ ップアプ ロー ア ル バ イ ト等23%
就 職 者56%
図13 現任 校 卒 業者 の進 路 の 内わ け (進路 ガイ ダ ンス部 資料 よ り 2014年度 卒業 生) 図14 現任 校 の教 育改 善 の流れ (筆者 作成) チ 的教 育 で は決 して な い。 生 徒 の潜 在 的 な能 力 を 引 き 出 し伸 ばす ポ ジテ ィブ ア プ ロー チ 的 教 育 で あ る。 そ の意 味 で は 、 障 害 の有 無 に 関係 な く、すべ て の生徒 に対 して有効 な教 育 で あ る と言 え る。 図14は
、近 年 の現 任 校 の教 育 改 善 の 流 れ を示 して い る。 ボ ラ ンテ ィア活 動 の導 入 を学 校 改革 の第 一 段 階 、 コー ピ ン グ・ 北 高 検 定 の 実施 を学 校 改 革 の第 二段 階 と位 置 付 けれ ば、 特 別 支援 教 育 の推 進 は学 校 改 革 の 第 二段 階 と言 え る。 特 別 支 援 教 育 の 推 進 鶴 審 支 援 と 継 籐 で 伸 ば す 鐵 意 ﹄ た 轟 畿 の 書 餞 教 育 改 警 の 流 れ 椰 震 機 構 撃 藤 一轟 攣 耗 響 畿 ・鱗 黛 ¨¨・慇 一 難 絆 儀 藤 健 一 瀬 ︱ ビ ン グ の 案 雄 北 高 機 鸞 ︵学 力 向 上 や 賛 定 と 畿 鷺 構 鍵 醸 ポ ラ ン テ イ ア の 難 篤 北 地 域 の 辮 儀 数 警 曲 懲 饗 艤 餞 “購 り い艤 鷺特別支援教育 を学校教 育全体 に取 り入 れ るこ とで、教員 の生徒理解 が さ らに深 ま り、生 徒個 の能力 を最大 限 に伸 ばす 土壌 が教員組織 の中に新 た に形成 され る と考 える。 図
15で
、現 任 校 の め ざす 教 育 のイ メー ジ を描 い た。 これ まで の 取組 で は 、生 徒 の 「′いの安 定・ 充 実」 をテ ー マ に し、 消 極 的 な状 態 に あ つた 生徒 の メ ン タル を向上 さ せ て きた。 今 後 は 、 も う一 歩 ステ ップ ア ップ し、生 徒 の潜 在 的 な能 力 を 引 き出 し伸 ばす た め の支 援 と、 個 の能 力 を さ らに磨 き上 げ る鍛 錬 を生 徒 に施 し(Support&Blush
up)、 社 会 の 中 で 自立 して い け る 能 力 や 社 会 性 を育 成 す る教 育 体 制 を構 築す る段 階 に きて い る と言 え る。 第5章
学校組織 の課題 現任校 は、前章 で指摘 した よ う な教育活動 の課題 に対 して、対処 可能 な組織 の活動 システ ムや 内部 環境 の整備 が不十 分 で あ り、組織 的 に特別支援教育 を実施 してい く には不安定な状態 で ある と言 える。 そ こで、現任校 の教育課題 で あ る特別支援教育 を推進 してい くた めには、学校組織 に何 が不足 して 自立力・社会性 心の安定・充実 図15 現任校 の め ざす 教 育 (筆者 作 成) 図16 現任 校 の課 題 の構 造 (筆者 作成) い るのか、現状 を分 析 しなが ら考 察 した。 そ の結果 、 図16に
示 した 通 り、現任校 に不 足 して い るの は 、「生 徒 情報 共 有 システ ム」 と 「教 員 学 習 システ ム」、 そ して 、 それ らの活動 シ ステ ム をサ ポー トす るた め の 「外 部 連 携 の促 進 」 と 「内部 環 境 の整 備 」 で あ る こ とが導 き出せ た。(1)生
徒 情 報 共 有 シ ス テ ム の構 築 本 校 に は身 体 的 な理 由 で 、 特 別 な支 援 を必 要 とす る生 徒 が2名
在 籍 して い る。 一人 は 自閉症 生徒 、一 人 は肢 体 不 自由生 徒 で 車 いす を利 用 して い る。 ま た 、療 育 手 帳 を所 持 す る 15発 達 障 害 生 徒 も
6名
在 籍 して い る。 認 定 は され て い な い が 、 中学 校 か らア スペ ル ガー やADHDの
疑 い が 申 し送 りされ て い る生徒 も9名
と多 い。 これ らの生徒 の情 報 につ い ては、 年 に2回
の生徒 情 報 交換 会 で全職 員 が共 有す るが 、 そ の後 の組 織 的 で継 続 的 な生徒 観 察や 対 応 を検 討 す る協 議 の場 は な く、 形 式 的 で単発 的 な 取組 に な っ て い る。 ま た 、 特 別 な支 援 を必 要 とす る生 徒 に対 す る教 科 指 導 や 生 徒 指 導 の方 法 を示 す マ ニ ュ アル もな く、個 々 の教 員 の対 応 に任 せ られ て い る。 そ の た め 、 教 科 担 当 に よつ て は生 徒 理 解 不 足 か ら トラブル に 発 展 す る こ とが あ る。 第2章
第3節
で 記 した通 り、 文部 科 学省 は、 学校 現 場 にお け る特 別 支援 教 育 の課題 と して 、心理 学 的 、 医学 的 な見 地 を踏 ま えた生徒 理解 の促 進 と、 生徒 情 報 を収集 し組 織 で共 有 す る こ とが重 要 で あ る と して い る (文部 科 学省 2015②)。 現 任 校 の生徒 へ の特 別 支 援 は 、特 別 支 援 コー デ ィネ ー ター と担 任 に よ る個 別 的 対応 に依 存 し、組 織 的 な取 組 が 不 足 して い る。 特 別 支 援 が必 要 な 生 徒 の情 報 共 有 が 全 職 員 の 間 で十 分 行 われ て い ない (年2回
の生徒 情報 交 換 会 のみ)た
め 、共 通 理 解 も十 分 図れ な い状況 で あ る。 療 育 手帳 を所 持 して い る生徒 は もち ろん 、発 達 障 害 の可能 性 の あ る生 徒 や 精神 的不 安 定 な生徒 の様 子 を 日常 的 に情 報 交 換 で き る新 た な情 報 共 有 シ ス テ ム が 必 要 で あ る。(2)教
員 学 習 シ ス テ ム の構 築 発 達 障 害 の あ る生 徒 が 現 任 校 に多 く在 籍 して い る に も関 わ らず 、 教 員 の発 達 障 害 に 関す る知識 理 解 が 不 足 して い る こ と が 実 態調査 で 明 らか に な つた。 図17、18は
、現 任 校 の 教 員 を対 象 に行 つた発 達 障 害 に対 す る理 解 テ ス ト (教員35名
中31名
を対 象 に 実施)の
結 果 を表 した グ ラフで あ る。 図17は
、発 達 障 害 の あ る人 が苦手 とす る こ とを問 うた質 問 に対 す る回答 の結 果 で あ る。 コ ミュニ ケー シ ョン分野 と活動 分 野 の両方 を答 えた教 員 は全 体 の2割
に満 た な か っ た。 また 、 図18は
、発 達 障 害 の 障 害・ 症 状 を説 明 した5つ
の文 章 を読 み 、 それ ぞれ 正確 に 障 害名 ・ 症名 を答 え る とい う内容 のテ ス トの正 答 率 で あ る。注 意 欠 陥/多動 性 障 害(ADHD)や
学 習 障 害(LD)に
対 す る教 員 の認 識 は進 ん で い るが 、 高機 能 自閉症 無回答 コ ミュー ケー シ ョ ン・ 活 動 両方19%
図17「
発 達 障 害 の あ る人 の苦 手 な こ と」に対す る回答 (教員 実 態調 査 の結 果 よ り) 図18 発 達 障害 の 障害 。症 状 の名 称 を正 しく理解 してい る教 員の割 合 (教員実態 調 査 の結 果 よ り) 自閉症 ア スペ ル ガー 高機 能 自閉 症 注意欠 習 障害 (LD) 動性障(ADHD)
や アスペル ガー に対す る認識 が大 き く不足 してい る こ とがわか る。理解 テ ス トの結果 か ら、 発達障害 に関す る知識 理解 を促進す るた めの現任校 にお ける研 修体制や環境 づ く りが必要 であることが明 らか にな つた。 図
17・
18で
示 した通 り、発達障害 に関す る知識 。理解 が現任校 の教員 には不十分で あるこ とがわかつた。発 達障害等 の特別 な支援 を必要 とす る生徒 の特性や 対応 方法 を理解 す るためには、特別 支援 教育 に関す る学習 が教員 に必要 で あるこ とは明 らかで あ る。 現任校 の教員 は、特別 支援教 育 に関す る専門的教育 を受 けた り、特別支援 学校 での勤務 があつた りす る教員 は全体 の一割 に とどまる。発 達 障害 に関す る正 しい知識や 対応方法 を 日常的 に同僚か ら学ぶ機 会 は教員 にはほ とん どない と言 える。 この状態 で は生徒情報 を共 有す るに して も間違 つた情報 を共有 しかねない。 また、生徒 の入 学前 に現任校 の教員 が手 分 け して行 う出身 中学校 での情報収集 も、正確 (医学的0心
理学的 な)な
生徒 情報 の収集 がで きてい る とは言 えず 、 あや ふや な生徒情報 を共有せ ぎるをえない状態 にある。 また、学習 で得 た知識0理
解 を踏 まえた うえで、授業や 生徒 指導 を進 めてい くことが大 切 にな る。 その場合 、教員個 々が 自己研鑽 に励むだ けではな く、個人 の知識 を組織 で共有 し、共通理解 を していな けれ ば、教員組織 の足並み が揃 わず 、生徒 へ の対応 にば らつ きが 生 じる。発達障害 の ある生徒 に とつて、教員 の指導方法 のば らつ きは心理 的 な混乱 を招 く 大 きな要因 にな るた め、教員 の組織 だ った学習 システムの構 築 が必要 であ る。(3)外
部連携 の促 進 特別支援教育の地域 で のセ ンター機 能 を果 たす県立北 は りま特別 支援学校 とは、近隣に あ りなが らこれ まで連携 に消極 的であつた。 また、兵庫教育大学や 兵庫県教育研修所 な ど の研 究機 関 も車で約30分
以 内の距離 にあるが、特別支援教育 に関す るつ なが りはない。 就業支援 において は、西脇市や加東市 の社会福祉 協議会やハ ロー ワー ク との連携 も行 つて きたが、生徒 の就職 準備 期 と合 わせ た単発 的な連携 に とどま つてい る。経験 に裏付 け られ た豊富な専門知識 を もつ外部機 関 との継続 的・ 体系的な連携 を進 め るこ とで、生徒への支 援 を強 めてい くと同時 に、教員 の技能 向上 につ なが つてい くこ とが期待 され る。 現任校 に とつて、大学等 の専 門機 関 との連携 を促 進 し、教員 の特別 支援教育 に対す る知 見 を高 めるこ とは、教員 の学習 をサポー トしてい くた めには欠 かせ ない と考 える。 また、 生徒入学前後 の中学校 との連携 は もちろんの こ と、生徒 の就職支援 には、福祉機 関、職業 訓練セ ンター、ハ ロー ワー クな どの外部機 関 と、生徒 の入学時か らの 日常的 な連携 を図 る こ とが必要である。 これ まで、ボ ランテ ィア活動や生徒指導 を通 じて、多 くの外部機 関 との活発 な連携 を図 って きてお り、学校 の周 囲 とは良好 な関係 を築 くこ とがで きてい る。既存 の外部資源 を特 別支援教育や キャ リア教 育 に も活用 し、外部連携体制 を再構 築 してい くこ とが望 まれ る。(4)内
部環境 の整備 多部制高校 であ る本校 は、1部
2部
の職員室 と3部
の職員室 が分離 してお り、勤務時間 17も異 な って い る こ とか ら双 方 の職 員 の 間 の接 触 は少 な い。 この空 間 と時 間 の ズ レが他 部 の 生徒 の情報 共有 や 共 通 理解 を抑 制 して い る と考 え られ る。 共 通履 修 科 目の設 置 や部 活動 の 活 発 化 に よ り、他 部 の 生 徒 を指 導 す る機 会 が 増 えた現 状 にお い て 、 他 部 の 生 徒 の情 報 を共 有 しや す い環 境 を整 え る こ とが 重 要 と考 え る。 ま た 、現任 校 は 、全 日制 高校 と比 べ て教科 準備 室 が少 な い た め、 大部 分 の教員 が職員 室 を本 拠 と してお り、人 口密 度 も比較 的 高 い。 た だ 、せ つか くの大 部 屋 職 員 室 も、机 の配 置 に工 夫 が ない た め、教 員 同 士 の接 触 も活 発 とは言 えな い。
1部
2部
と3部
の職 員 室 の統合 、 活発 な コ ミュニ ケ ー シ ョン を促 進 す る職 員 室 空 間 の創 造 は 、 教 員 同 士 の学 び 合 い の場 の創 造 に もつ な が る と考 え られ る。 第6章
教 育 活 動 の 改 善 第1節
わ か る授 業 の展 開 発 達 障 害 の あ る生 徒 に対 して だ けで は な く、す べ て の生徒 に とつて「わか る授 業」を行 うこ とは、 学 習 面 で 困難 を抱 え る生徒 が 多 い 現任 校 の重 要 な 課題 の一 つ で あ る。「わ か る授 業 」 の実 施 は 、 イ ン クル ー シブ教 育 シ ステ ムの基礎 的環 境 整 備 にお い て、 重要 な取組 と して位 置 づ い て い る (図 5)。 「わか る授 業」 は、生徒 の基礎 学力 の定着 につ な が るだ けで な く、 生徒 個 々 の能 力 を引 き出 し、 さ らに伸 ばす た めの前 提 条件 に な る。 現 任 校 にお い て 「わ か る授 業 」 を実施 す るた め に は 、特別 支援 教 育 を取 り入 れ た授 業 のユ ニバ ー サル デ ザ イ ン化 (以下 、UD化
と略す)が
有 効 で あ る と考 え る。 す べ て の生徒 に とつて あ つた ら便 利 な支 援 を、学校 の授 業 ス タ ン ダー ドと して全 授 業 で行 うこ とで 、生 徒 の余 分 な ス トレス を軽 減 し、 集 中 して授 業 に参 加 す る こ とを促 す こ とが で き る。 た だ 、授業 ス タ ンダー ドの実施 に あた つて は、当然 、 全 教 員 の間 で の共 通 理 解 が必 要 とな る。 共 通理 解 を 深 め るた め に は 、 特 別 支援 教 育 の研 修 体 制 の確 立 が 必 須 条件 で あ る (図 19)。/´
…
…
瑾 甚
わかる授業(UD化)″ ″/′ ′ 1ヒ纏 スタンダートの確立 特別支援教育の研修俸制の確立 図19 わ か る授 業 の促進(筆者 作成) :│││││││││││lil:li:│││││││││││││││││││││││││││││││││::II:│lill‐ │ 図20『
わか る授業への取組 と工夫』か ら 茨城 県立結城 第二高等学校(1)先
進事例 (茨城 県立結城 第二高等 学校) ここで、UD化
に よる 「わか る授業」 を展 開 し、効果 をあげてい る定時制 高校 の先進事 例 を取 り上 げ る。 教員研修 を重ね るこ とで、理論的根拠 と教員 の共通理解 に裏付 け られ た 手法 を用いて授業 改善 を行 つた事例 で あ る。教頭及 び担 当者 へ の聞 き取 り調査 の結果 と、 学校 の関連発行物 を参考 に して取組 と成果 を紹介す る。 茨城県立結城 第 二高等 学校 (以下、結城 第二高校 と略す)は
、2010。2011年
度 の文部 科学省特別支援教 育総合推進事業 「高等 学校 にお け る発 達障害 の あ る生徒 への支援」の研 究指定 を受 けるな ど、早 くか ら特別支援教育 の研 究 と実践 に取 り組 んで きた。 結城第二高校 の取組 の 中で、特 に注 目 したのは、UD化
の視 点 を取 り入れ た授業改善で ある。冊子 「わか る授 業 の取組 と工夫∼授業 での支援 のポイ ン ト∼」(図20)に
は、生徒 の困難 の種類 に応 じた支援 の具体的な方法 、教科別 の実践例 と板書 の工夫 につ いて、わか りやす く説 明 され て い る。また、結城 第二 高校 では、各教科共通 した授 業 ス タ ンダー ド(表3)が
定め られてい て、わか りやすい授 業づ く りの ツール として どの教科 の授 業 において も有効 に活用 され てい る (茨城 県立結城 第二高等学校 2011)。 また、教員対象 の特別 支援教 育セ ミナーや保護者対象 のフ レックス教 育セ ミナー には、 大学教員やNPO法
人役員 な どを講 師 と して招聘 していた り (年間各2∼ 3回
)、 校 内研修 で あ る 「特別支援教 育 に関す る校 内研修 会」では、近隣の養護 学校 の教員 を講師 として招 聘 していた り(年間2∼ 3回
)、専門機 関 と積極的 に連携 した研修 システ ムを構築 してい る。 さらに、生徒へ の理解啓発 を 目的 に した 「読 み聞かせ」 に も短大教員 を招聘す る (年間 2 回)な
ど、特別支援教育 の専門家 との積極 的な連携 は、発達障害 に対す る全方位 的 な理解 表3
結城 第 二高校 の授 業 ス タ ンダー ド(茨城 県 立結城 第 二 高等 学校<2011>Pllよ り) 教 員 の活 動 工 夫 と配 慮 板 書 ◆色 チ ョニ クは 自色 や 黄色 を基 調 る とこ ろ は囲 む よ うにす る。 ・ 流 れ を統 一す る。(3色
以 内)、 ポ イ ン トとな 見通 しを もたせ る 。授 業 の流 れ を明示 プ リン トや テ ス ト 文 字 は大 き く 。フ ォ ン トの統 一 。問題数 の調整 段 階 的 な活 動 (スモ ー ル ス テ ップ)
・ ル ビをふ る。 指導法 (指導形態 。教 具 等) ルール を決 め る ・ 褒 め る。・ 指示 を簡潔 にす る。 見本 を見せ る。
・ 個別 の声か け。 生徒 の実態 に あつた視 覚支援 、聴 覚支援 、運 動 支援 座 席 。生徒 の実態 に合 わせ座席 を一番前 に し、手助 けを して く れ る生徒 を周 りに置 く。 19
啓 発 を促 す 結 城 第 二 高 校 の特 徴 的 な 取 り
(2)現
任 校 で の授 業 改 善(UD化
) 組 み とな つ て い る。 第4章
第1節
で も示 した通 り、 現 任 校 で はUD研
が発 足 し、 有 志 に よる 自主 的 な研 修 会 が 実施 され て い る (図21)。
このUD研
で 、結 城 第 二 高校 の事 例 を参 考 に しな が ら、 実 用 的 で あ り、 しか も継 続 して 取 り組 め る現任 校 の授 業 ス タ ンダー ドを検 討 した い。 ま た、兵庫 教 育 大 学 教 員 を講 師 と して招 き、 発 達 障 害 に 関 す る 教 員 研 修 会 を 予 定 して い る 図21 現 任 校 に発 足 したUD研の 学 習 会(2016年
3月 )。 特 別 支 援 教 育 推 進 委 員 会 とUD研
が共 同 で 開催 す る もの で 、UD化
の視 点 を取 り入 れ た授 業 方 法 を議 論 す る機 会 を設 けて い る。 この研 修 会 の 中で 、UD研
で検 討 した 「北 高授 業 ス タ ン ダー ド」 と して提 案 し、教科 の特性 や 授 業 担 当者 の授 業 ス タイル な どに も配 慮 しな が ら、 共 通 理 解 を図 る予 定 で あ る。 教 育 課 程 委 員 会 、校 務 運 営 委 員 会 、職 員 会 議 で の承認 を経 て 、順 調 な ら2016年
度4月 よ り全 校 で実 施 が 可 能 とな る。 第2節
新 た な キ ャ リア教 育 図14015で
示 した よ うに、 現 任 校 に対 して新 た に求 め られ て い るの は、 生徒 個 々 を 支援 と鍛 錬 で伸 ば し、社 会 で 自立 で き る力 を養 う教 育 で あ る。不 安 定 な雇 用 状 況 が続 く中、 社 会 の 中で 自立 して食 べ て い け る人材 を育 成 す る こ とは 、現 任 校 の 大 き な ミ ッシ ョンで あ る。生徒 には必要 な支 援 を施 す と ともに、社 会 で生 きて い くた め の基 礎 的 学 力 、社 会 規範 、 忍 耐 力 を育成 す る こ とが 望 まれ 、 現任 校 の キ ャ リア教 育 の取 組 を再 構 築 す る こ とが急務 で あ る。(1)先
進 事 例 (徳島 県 立徳 島 中央 高 等 学 校) こ こで 、発 達障 害 の あ る生徒 へ の キ ャ リア教 育 を実施 す る こ とで 、就 職 支 援 に効 果 をあ げ た 定 時 制 高校 の先 進 事 例 を取 り上 げ る。 入 学 直後 か ら、外 部機 関 との連 携 を通 じた丁 寧 な キ ャ リア教 育 を実 施 し、就 職 に必 要 な力 を養 うた めの訓練 を盛 ん に行 うこ とで成 果 をあ げ て い る事 例 で あ る。 教 頭 及 び 担 当者 へ の 聞 き取 り調 査 の結 果 と、 学 校 の 関連 発 行 物 を参 考 に して 取組 と成 果 を紹 介 す る。 徳 島県 立徳 島 中央 高 等 学校 (以下 、徳 島 中央 高校 と略 す)は
、2011年
度 の文 部 科 学省 特 別 支 援 教 育総 合 推 進 事 業 「高等 学校 にお け る発 達 障 害 の あ る生徒 へ の支援 」、2012・2013
年 度 「高等 学校 にお け る発 達 障 害 の あ る生 徒 へ の キ ャ リア教 育 の充 実 」 の研 究 指 定 を受 け るな ど、昨年 度 ま で 、発 達 障害 の あ る生徒 に対す る支援 や キ ャ リア教 育 の研 究 と実践 に取 り組 ん で きた。 図22は
、徳 島 中央 高 校 にお け る キ ャ リア教 育 の 内部 お よび 外 部 機 関 との連 携 図 で あ る。学校 内部 にお い て は 、 進 路 指 導 課 が キ ャ リア教 育 にお い て 主 要 な役 割 を 占め な が ら、特別 支援 教 育課 とも連 携 を 図 つ て い る こ とが わ か る。 進 路 指 導 課 で は 、 総 合 的 な 学 習 (キャ リ ア ワー ク
)の
企 画 ・ 運 営 、進 路 ガ イ ダ ンス、補 習 、就 業 体 験 な どを担 当 し、 生徒 個 々の能 力 と社 会性 を伸 長 す る こ とを主 な役 割 と して い る。二 つ の課 が 、生 徒 の 「支 援 」と「鍛 錬 」 を分 業 す るが、 そ の 両者 を結 び付 け るの が特別 支援 教 育 コー デ ィネ ー ター 、 ス クール カ ウ ンセ ラー 、就職 支 援 員 で あ る。 さ らに各 学年 に も特 別 支 援 教 育 コー デ ィネ ー ター が配置 さ 図22 徳 島 中央 高校 の キ ャ リア教 育連携 図(徳島県 立徳 島 中央 高 等 学校 2013P13よ り筆 者カロエ) れ 、 学年 の生徒 の実 態 把 握 、保 護 者 との 面談 、総 合 的 な学習 の時 間 の実施 な ど、現 場 で の 日常 的 な活動 の 中で得 た情 報 を集 約 し共 有 を促 進 す る役 割 を果 た して い る。 学 校 外 部 の機 関 と して は 、「と く しま地 域 若 者 サ ポー トス テ ー シ ョン」との連 携 が 中心 で あ る。 この機 関 は 、厚 生 労働 省 事 業 で 、 学校 に在 籍 して い な い15歳
∼39歳
の若 者 及 び そ の家 族 を対象 に、 多様 な支援 サ ー ビスで サ ポー ト (応援)す
る就 労 支援機 関 で あ り、徳 島 市 内 を主 に担 当エ リア と して い る。 徳 島 中央 高校 で は 、就 業 体 験 。実 習 、 キ ャ リア ワー ク (総合 的 な学 習 の 時 間)に
お け るセ ミナ ー 等 で 、 日常 的 なサ ポ ー トを得 て お り、 専 門的 で よ りき め細 か い生 徒 へ の指 導 が 可能 とな って い る。 そ の他 、就職 活 動 期 に は 、ハ ロー ワー クや 障 害者 職 業 セ ン ター との連 携 を強 め生徒 の就職 指 導 を行 うな ど、外 部 の就 業 に関す る 専 門機 関 との連 携 が 非 常 に強 い こ とが わ か る。 おけ薔轟曇 3)孫麟 ,(3oF =棄´鞣灘・壽総幸■籠かメ
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受
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椰at薔群 錮 爆辞壼握攣攘 総 輔 畿 亀曖や―ヽ `‐_ ヽ_.,■ 嚇等 蒻 策薇機 鶯綿0,`荼 ゛ ●峯 鞣策A餞 輩 仕家辞 薫饉織轟と綺建壌ヽ ・ 107懸懇 豪褻´餞麟摯渠ヽ ,、 糠薄露総 議驚権麟 漱筆∬
鍛 錬
Blush up
とくお多瞳編警書 サ家―トステーション鷲誦繭感
●葉鱗薔と豪ll・掛 ゛│―■晨 21徳 島中央 高校 のキ ャ リア教 育 は、発 達 障害のある特別 な支援 を必要 とす る生徒 だ けでな く、すべての生徒 に とつて も良い効果 を生んでい る。就職 希望者 全員 が ほぼ希望通 りの就 職 先 に合 格 し、就 職 後 もマ ッチ ン グ は良好 で あ り離職 者 も少 ない。