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高校部活動の継続に影響を及ぼす要因に関する研究 ― スポーツ系と芸術系の差異に着目して ―

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Academic year: 2021

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(1)Title. 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因に関する研究 ― スポーツ系と芸 術系の差異に着目して ―. Author(s). 大山, 祐太; 大石, 幸太郎. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 69(2): 303-311. Issue Date. 2019-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/10401. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第69巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 69, No.2. 平 成 31 年 2 月 February, 2019. 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因に関する研究 ― スポーツ系と芸術系の差異に着目して ―. 大山 祐太・大石幸太郎* 北海道教育大学岩見沢校 アダプテッド・スポーツ研究室 *. 小樽市消防本部. The Factors that Influences Continuation of Club Activities in High School: Focusing on the Difference between Athletic Club and a Cultural Club OYAMA Yuta and OISHI Kotaro* Department of Sport Education, Iwamizawa Campus, Hokkaido University of Education *. The Fire Fighting Head Office in Otaru. 概 要 本研究は,高校部活動の継続理由について把握し,部活動の系統や回答者の属性ごとの特徴 を明らかとすることを目的とした。結果,下記のこと等が確認された。①高校部活動を「辞め たい」と思った経験がある者は多いが,実際に辞めた者はほとんどいないこと。②部活動の継 続理由として, 「娯楽・達成」, 「支えてくれる人との関係性」, 「部内の関係」, 「副次的メリット」, 「優位性確立」の5因子が見出されたこと。③部活動が「スポーツ系」の群は,「芸術系」に 比べて「支えてくれる人との関係性」 , 「優位性確立」の得点が有意に高く,「部内の関係性」 に関しても高い有意傾向にあったこと。④部活動を辞めたいと思った経験が「ある」群は, 「な い」群に比べて,「支えてくれる人との関係性」の得点が高く,逆に,「娯楽・達成」の得点が 低いこと。これらから,特にスポーツ系部活動においては,周囲の期待に応えることや結果に こだわることよりも,スポーツそのものを楽しむことを重視した指導をすることが大切だと考 えられた。. Ⅰ.背景と目的. の中学生960人を対象とした調査によると,部活 動に積極的に参加している生徒は学校生活の様々. 「部活動」とは,スポーツや文化及び科学等に. な領域で良好な状態であるだけでなく,心理的適. 親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感に資. 応も高いことが明らかとなり,部活動が充実した. するものである(文部科学省,2008)。岡田(2009). 学校生活を送る重要な心の支えになることが示唆. 303.

(3) 大山 祐太・大石幸太郎. された。また,角谷・無藤(2001)は一つの部活. いる可能性があることを示唆している。また,山. 動に継続して所属している中学生785名を対象に,. 本(1990)は,運動部に所属している男女競技者. 部活動の意義に関する質問紙調査を行い,部活動. 251名を対象に大学運動部への参加動機に関して. での満足感が学校生活全体の満足感の向上に影響. 質問紙調査を行い,「やめるにやめられないから」. を及ぼしていることを明らかとした。このように,. または, 「最後までやめないで続けたいから」とい. 部活動と学校生活は密接な関係にあると言える。. う「回避」や「固執」が運動部参加の重要な要因. ところで,部活動は,一般的に「運動部」と「文. となっていることを指摘している。つまり,精神. 化部」に大別して捉えられている。部活動の中で. 的に疲弊するような事象が生じていたり,部活動. も特に運動部の活動は,中高年以降の運動習慣を. の内容が楽しいから続けるのではなく,所属する. 定着させる要因の一つであり(岡田ら 2003) ,将. こと自体が目的化されていたりする実態が伺える。. 来的なスポーツ活動を促進させることにつながる. 前述したように,文化部においても運動部と同. と考えられている(鶴山・大門 2005) 。運動部. 質・同程度の精神的充足感を得られるといった共. はスポーツの楽しさや喜びを味わえることが出来. 通要素があることから,部活動に関してより無理. る活動といえる。文化部の活動に関しては,佐川・. のない継続を促すためには,運動部・文化部を包. 羽澤(2009)が, 中学生488名を対象に部活動の「満. 括的に「部活動」として捉えながら,運動部・文. 足感」 「有用感」に関する調査を行い,文化部員. 化部それぞれの特徴について整理していく必要が. は運動部員に比べて有用感は低いものの,示す向. ある。しかし,文化部を対象とした研究は散見さ. 上心,充実感,集中力は同水準であることを報告. れるものの,部活動継続に関する研究は運動部を. している。これより部活動への加入は,それが運. 対象とした研究に比べ寡少である。例えば,新山. 動部であっても文化部であっても,同質・同程度. 王(1994)は中学校吹奏楽部員を対象にした調査. の精神的充足感をもたらすことが伺える。. をおこなっているが,音楽能力テストを行い音楽. しかし,部活動加入が必ずしも肯定的な影響だ. 能力の発達過程について明らかとすることが目的. けを及ぼすとは言い切れない。青木(1989)は,. となっている。また,長谷川ら(2012)は高校吹. 高等学校在籍の運動部継続者男女各300名,中途. 奏楽部所属学生における身体症状と身体機能に関. 退部した男女各180名,総計960名を対象に運動部. する研究を行っているが,奏楽器別に整形外科的. 員の部活動継続と退部に影響する要因について調. 症状の出現時期や出現部位について明確にするこ. 査を行い,部活動を行っていくうえで,ケガや人. と,ならびに身体機能評価から整形外科的症状と. 間関係のあつれきといった否定的な要素も伴うこ. の関係について言及することを目的としている。. とを報告している。また,杉本(1986)は中学・. よって本研究は,部活動の継続理由について全. 高校運動部員を対象とした調査から,運動部とい. 体的な傾向を把握し,スポーツ系・文化系といっ. う集団が,スポーツという枠組みの中では勝利や. た部活動の系統や回答者の属性ごとの特徴を明ら. 記録を追求するスポーツ集団であると同時に,学. かとすることを目的とする。. 校という制度の中では,教育的価値を付与された 体育集団でもあるという,その両価性の存在を指 摘している。横田(2002)も,スポーツ集団とし. Ⅱ.方 法. ての機能と体育集団としての機能が一致すること. 1.調査の方法と対象. は非常に困難であり,この両価性を孕んだ集団の. 本研究では,高校時に文化部や運動部に在籍し. 内部で,スポーツ集団の構成員として活動する運. ていた者が多いと想定される,芸術とスポーツに. 動部員と,体育集団の構成員として活動する運動. 特化した専攻を有するA大学の1年生及び2年生. 部員の間では,何らかのあつれきや確執が生じて. (372名)を対象として質問紙調査をおこなった。. 304.

(4) 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因―スポーツ系と芸術系の差―. 部活動を離脱しようと考えた経験の有無や,指導. 肢には調査対象者が所属する大学の専攻名や授業. 者の指導内容への満足度など,現在所属中の者に. 等で一般的に用いられている「スポーツ」, 「芸術」. とっては回答することができない項目や,年少者. を一貫して用いた。. に問うには心的負担となりうる内容も設定する必. ③高校部活動の継続理由は,先行研究(山崎・. 要があると考えられたため,高校生以下は調査対. 鈴木,2015)を参考とし,スポーツ科学系の研究. 象としなかった。また,高校時のことを想起して. 者及び学生が所属するゼミにおいて意見を求め,. 回答してもらうため,大学3年生以上は対象とせ. そこで得られた回答も踏まえて30項目設定した。. ず,2年生に対しても進級して間のない4月に調. 質問への回答は,7段階リッカート( 「1.全く. 査を行うこととした。質問紙の有効回答は330,. あてはまらない」,「2.あてはまらない」,「3.. 回収率は88.7%であった。. あまりあてはまらない」,「4.どちらともいえな い」,「5.少しあてはまる」,「6.あてはまる」,. 2.調査内容. 「7.とてもあてはまる」)により得ることとした。. 主な調査項目は,①回答者の属性,②高校時の 部活動に関する諸状況,③高校時の部活動の継続. 3.分析方法. 理由である。. ①回答者の属性及び②部活動状況については,. ①回答者の属性は,「性別」,「学年」,「現在の. 度数を算出しまとめた。. 専門」 , 「現在の部活動加入状況」について確認し. ③部活動の継続理由は,記述統計から平均値,. た。 「現在の専門」は,調査対象が籍を置く大学. 標準偏差を算出し,天井効果及びフロア効果を確. において用いられている,「スポーツ」「芸術」を. 認したうえで因子分析をおこない,抽出された因. 用いて二群とした。また,「現在部活動に加入し. 子の下位尺度得点を算出した。続いて,①及び②. ているかどうか」は(プレーヤーとして加入,マ. の各項目におけるセグメント間の得点差を比較. ネージャーとして加入,加入していない)の3項. し,属性ごとの特徴について整理した。. 目設定した。. デ ー タ の 集 積・ 統 計 的 処 理 に はIBM SPSS. ②高校時の部活動状況は, 「所属部活動(1.. Advanced Statistics 22を用い,有意水準は全て. スポーツ系,2.芸術系,3.所属なし)」 , 「始. 5%とした。 . めた理由(1.小さい頃から続けていた,2.友 達に誘われた,3.先生から誘われた,4.部活. 4.倫理的配慮. 紹介で興味を持った,5.先輩から誘われた)」,. 質問紙の配布・回収にあたっては,個人が特定. 「やめたいと思った経験の有無(1.辞めたいと. されないこと,どのような回答をしても不利益は. 思ったことがある,2.辞めたいと思ったことは. 生じないこと,得られたデータは研究以外に用い. ない) 」 , 「引退時期まで続けたか(1.引退まで. ないことを説明し,協力の意志がある者のみを対. 続けた,2.引退前にやめた)」,「成績に対する. 象に調査を行った。. 満足感 (1.満足している,2.満足していない)」, 「指導者の指導方針に対する評価」1.今も当時 も納得している,2.当時は納得していなかった. Ⅲ.結果と考察. が今は納得している,3.今も当時も納得してい. 1.回答者の基本情報. ない) 」 , 「部活動の仲間と現在も親交があるか. 回答者の属性は表1,高校時の部活動に関する. (1.ほとんどと今も親しい,2.一部とは今も. 諸状況は表2の通りである。本研究においては,. 親しい,3.ほとんど関わりがない)」の項目を. 女性が約6割,男性が約4割と女性の方が多く,. 設定した。また,回答のしやすさを考慮し,選択. 現在の専門に関しても芸術系が約6割,スポーツ. 305.

(5) 大山 祐太・大石幸太郎. 約4割と差が生じていた。学年は1年生,2年生. が約2割,「今も当時も納得してない」が約2割. ともにほぼ同数であり,現在の部活動加入状況に. であった。部活動を始めた理由は,「小さい頃か. ついては,加入している者と加入していない者が. ら続けていた」が半分を占めており,次に多かっ. ほぼ同じ割合で存在していた。. た「部活紹介で興味を持った」が約2割を示して. 高校時の部活動は,「スポーツ系」,「芸術系」. いた。部活仲間との現在の親交関係は,現在も親. がほぼ同じ割合存在しており,「所属していない」. しい友人がいる人達が約8割を占めていた。. 者は全体の1割程度であった。 回答者の約半数に部活動を辞めたいと思った経. 表1 回答者の属性. 験があったが,全体の約85%が引退時期まで続け ており,引退時期前に実際に辞めた者は5%程度 であった。勝敗に関わりなく継続すること自体に 意義を求めるような社会規範により継続を促され (松尾 1998),途中でやめた者に対しては「落 ちこぼれ」という負のラベリングがなされる(海 老原,1995)ことがあるように, 「続けたい」の ではなく,「辞められない」という者が存在して いた可能性が考えられた。 部活動成績への満足感については, 「満足して いる」者の方が, 「満足していない」者よりも高 い割合で存在しており,指導者の指導方針に関し ては「今も当時も納得している」者が約5割,「当 時は納得していなかったが今は納得している」者. n. %. 性 別 男性 女性 無回答. 116 211 1. 35.4 64.3 0.3. 学 年 1年生 2年生 無回答. 161 166 1. 49.1 50.6 0.3. 専 門 スポーツ 芸術 無回答. 134 192 2. 40.9 58.5 0.6. 現在の部活動加入状況 プレーヤーとして マネージャーとして 加入していない 無回答. 145 23 157 3. 44.2 7.0 47.9 0.9. n. %. 引退時期まで継続したか 引退まで続けた 引退時期前に辞めた 無回答. 281 14 33. 85.7 4.3 10.1. 部活動の成績に満足しているか 満足している 満足していない 無回答. 174 119 35. 53.0 36.3 10.7. 指導者の指導方針に納得しているか 今も当時も納得している 当時は納得していなかったが今は納得 今も当時も納得していない 無回答. 183 49 61 35. 55.8 14.9 18.6 10.7. 当時の部活仲間との現在の親交 ほとんどと今も親しい 一部とは今も親しい ほとんど関わりがない 無回答. 160 113 21 34. 48.8 34.5 6.4 10.4. 表2 高校時の部活動に関する諸状況 n. %. 所属部活動の系統 スポーツ系 芸術系 所属していない 無回答. 149 143 32 4. 45.4 43.6 9.8 1.2. 辞めたいと思った経験 ある ない 無回答. 152 142 34. 46.3 43.3 10.4. 部活動を始めた最も強い理由 前々から続けていた 友達から誘われた 先生から誘われた 先輩から誘われた 部活紹介で興味をもった 無回答. 167 28 11 11 64 47. 50.9 8.5 3.4 3.4 19.5 14.3. 306.

(6) 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因―スポーツ系と芸術系の差―. また,スポーツ系部活動と芸術系部活動の違い. 法(プロマックス回転)による因子分析を行った。. を確認するため,「高校時の部活動」に関して「所. 十分な因子負荷量を示さなかった「将来的に指導. 属していない」の32名を除外し,回答者の属性の. 者になりたかった(0.24)」,「積極的に部活動を. 4項目と,他の高校時の部活動に関する諸状況と. やめる理由がなかった(0.31)」の2項目を除外し,. クロス集計し, カイ二乗検定を行った。その結果,. 再度,同様の分析を行った。. 2. 「 性 別( χ =84.56,df=1,p<0.001)」,「 専 門. 次 に, 第 1 因 子 か ら 第 5 因 子 ま で そ れ ぞ れ. (χ2=211.19,df=1,p<0.001)」,「現在の部活. Cronbachのα係数を算出したところ,第1因子. 2. 動加入状況(χ =129.71,df=2,p<0.001),「辞. 0.78,第2因子0.93,第3因子0.75,第4因子0.68,. 」 , めたいと思った経験(χ2=4.62,df=1,p<0.05). 第5因子0.85と概ね十分な値が得られた。また,. 2. 「部活動を始めた最も強い理由(χ =27.89,df=4,. Kaiser-Meyer-Olkinの 標 本 妥 当 性0.78,Bartlett. p<0.001)」 ,「 部 活 動 の 成 績 に 満 足 し て い る か. の球面性測定p<0.001であったことから,因子分. 2. (χ =12.45,df=1,p<0.001)」,「当時の仲間と. 析をおこなうに適当なサンプルであると判断し. 2. の現在の親交(χ =19.03,df=2,p<0.001)」に. た。最終的なパターン行列は表5の通りである。. おいて有意な度数の偏りが確認された(表3)。. 第1因子は,「部活仲間と喜びを共有したかっ た」,「部活仲間との共通の目標を達成したかっ. 2.高校部活動の継続理由. た」,「大会に出ることが楽しかった」など,自身. 継続理由項目の14項目に天井効果・床効果が確. の喜びや快感情,目的を達成することに関する項. 認された(表4)。天井効果がみられた項目のう. 目群であったことから,「娯楽・達成」因子と命. ち, 「部活の内容が楽しかったから」,「部活仲間. 名した。. と共通の目標を達成したかったから」,「他の人よ. 第2因子は,「支えてくれる人をがっかりさせ. りも上手くなりたかったから」はM+SDが取り. たくなかった」,「支えてくれる人に迷惑かけたく. うる最大値とほぼ同値であったため,この3項目. なかった」の2項目で構成されていたため,「支. 以外の11項目を除外して最尤法による因子分析を. えてくれる人との関係性因子」と命名した。. 行った。スクリープロット及び固有値から5因子. 第3因子は,「部員に迷惑かけたくなかった」,. 構造が妥当であると考えられたため,再度,最尤. 「所属部活動の顧問に迷惑かけたくなかった」,. 表3 高校部活動の系統と各属性,高校時の部活動状況のクロス集計結果 性別 男性. 学年. 女性. p. スポーツ系 96(32.7%) 54(18.4%) *** 芸術系 17(5.8%) 127(43.2%). 1年 76(26.0%) 67(22.9%). ある スポーツ系 87(29.7%) 芸術系 65(22.2%). p. スポーツ. p. 63(21.5%) 78(26.6%). *. p. 129(44.0%) 20(6.8%) *** 3(1.0%) 141(48.1%). n=292. n=293. 引退時期. ない. 現在の部活動. 芸術. 73(25.0%) n.s. 76(26.0%). n=294 辞めたいと思った経験. 専門. 2年. 成績への満足. 引退時期. 引退時期前. まで続けた. に辞めた. 143(48.6%) 137(46.6%). 7(2.4%) 7(2.4%). n=293. p. している. 120(41.0%) 21(7.2%). 9(3.1%) 13(4.4%). 所属なし. p. 21(7.2%) *** 109(37.2%) n=293. 指導者の指導方針への納得. していない p. n.s.. 74(25.3%) 75(25.7%) *** 100(34.2%) 43(14.7%). n=294. n=292. 部活加入の最も大きな理由. プレーヤー マネージャー. 今も当時も 納得 86(29.5%) 95(32.5%). 今は納得 32(11.0%) 18(6.2%). 納得してい ない. p. 32(11.0%) n.s. 29(9.9%) n=292. 当時の部活仲間との現在の親交. 前々から 続けていた. 友達から 誘われた. 先生から 誘われた. 先輩から 誘われた. 部活紹介で p 興味もった. ほとんどと 今も親しい. スポーツ系 106(37.7%) 芸術系 62(22.1%). 10(3.6%) 18(6.4%). 3(1.1%) 8(2.8%). 8(2.8%) 3(1.1%). 19(6.8%) *** 44(15.7%). 100(34.1%) 40(13.7%) 60(20.5%) 72(24.6%). n=281. 一部とは 親しい. ほとんど関 p わりがない 10(3.4%) 11(3.8%). ***. n=293 ***p<0.001,*p<0.05. 307.

(7) 大山 祐太・大石幸太郎. 「所属部活動の顧問や部員との関係を崩したくな. あり,自身の成績や技術に関して他者との比較の. かった」と部内の関係について言及している項目. なかで優位に立ちたいと解釈できる内容であるこ. であることから「部内の関係性因子」と命名した。. とから,「優位性確立」因子と命名した。. 第4因子は「部活動を続けていると就職や進学. また,因子間の相関関係について分析した結. に有利だと思ったから」,「部活動を通じて一生涯. 果,全ての因子間正の相関関係が確認された。. の友人をつくりたかった」,「部活動を続けている. 「娯楽・達成」因子と「優位性確立」因子, 「支. ことで規則正しい生活が出来ると思ったから」な. えてくれる人との関係性」因子と「部内の関係性」. ど,部活動で取り組んでいる芸術・スポーツの内. 因子が最も強い相関関係にあり,と「部内の関係. 容ではなく,活動に伴って副次的に生じる事象に. 性」因子と「優位性確立」因子が最も弱い関係性. 関する項目であることから「副次的メリット」因. だった。. 子と命名した。 第5因子は, 「他の人より大会・コンクール等 で良い成績を残したかったから」,「他の人よりも 上手くなりたかったから」の2項目が下位項目で. 3.高校部活動の継続理由に関するセグメント間 比較 得られた5因子の下位項目得点を算出し,対応. 表4 継続理由項目の回答度数・平均・標準偏差 項目 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30. 部活仲間といると楽しかったから 少しでも上手くなりたかったから 大会・コンクール等で良い成績を残したかったから 部活の内容が楽しかったから 部活仲間と共通の目標を達成したかったから 他の人よりも上手くなりたかったから 仲間と喜びを共有したかったから 大会に出ることが楽しかったから 他の人より大会・コンクール等で良い成績を残したかったから 積極的に辞める理由がなかったから 部活を通じて一生涯の友達を作りたかったから 部内で重要な役割・役職についていたから 部活動を続けていると就職や進学に有利だと思ったから 支えてくれる人をがっかりさせたくなかったから 支えてくれている人に迷惑をかけたくなかったから 所属部活動の顧問の指導を受けたかったから 顧問や部員との関係を崩したくなかったから 部員に迷惑をかけたくなかったから 親しい友人が続けていたから 部活動を続けることで規則正しい生活ができると思ったから 将来的に指導者になりたかったから 顧問に迷惑をかけたくなかったから 顧問からの圧力があったから 部活動に所属しなければならない雰囲気だったから 強豪校というブランドを失いたくなかったから 高校から新しいことを初めても身にならないと思ったから スポーツ・芸術の実績で高校に入学したため辞められなかったから 先輩からの圧力があったから 同期からの圧力があったから 部活動のルールとして退部を認められていなかったから. n. M. SD. 291 293 293 293 292 293 293 293 293 293 292 293 294 293 293 292 291 291 283 293 292 293 293 292 292 291 293 292 293 292. 5.95 5.85 5.60 5.47 5.35 5.24 5.20 5.02 4.84 4.73 4.45 4.19 4.14 4.02 3.97 3.75 3.73 3.59 3.53 3.32 3.29 3.22 2.42 2.38 2.33 2.24 2.07 2.06 2.05 1.67. 1.46 1.53 1.74 1.66 1.76 1.76 1.75 1.92 1.90 2.14 1.76 2.26 1.90 2.08 2.07 2.20 1.99 1.97 1.96 1.94 2.18 1.91 1.84 1.79 1.90 1.66 1.69 1.57 1.55 1.46. Mの降順. 308.

(8) 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因―スポーツ系と芸術系の差―. のないt検定により,属性及び高校時の部活動状. 時の部活仲間との現在の親交(3群)」に関しては,. 況の各セグメント間の得点比較を行った(表6)。. グループサイズが大きく異なっていたため,統計. 属性項目の「現在の部活動所属」に関しては,. 処理を行わなかった。. 「マネージャーとして加入している」を除外し,. 性別セグメント間の比較では,「支えてくれる. 「プレーヤーとして加入している」と「未加入」. 人との関係性」,「優位性確立」において有意な差. の2群として比較を行った。なお,高校時の部活. が生じており,どちらとも「男性」が「女性」に. 動状況の「部活動をはじめた理由(5群)」, 「指. 比べて高い数値を示していた。青木(1989)が,. 導者の指導方針に納得しているか(3群)」,「当. 男子については「勝利」が継続促進に影響してい. 表5 継続理由の因子分析結果(プロマックス回転後の因子パターン) FactorⅠ 【娯楽・達成】 仲間と喜びを共有したかったから 部 活仲間と共通の目標を達成したかっ たから 部活の内容が楽しかったから 大会に出ることが楽しかったから 所 属部活動の顧問の指導を受けたかっ たから. FactorⅡ. FactorⅢ. FactorⅣ. FactoⅤ. .87. .09. −.06. .04. −.09. .80. −.07. −.04. .19. .02. .62 .55. −.09 .10. .00 .03. −.06 −.13. .00 .24. .43. −.01. .23. −.13. .10. −.00. .98. −.05. −.07. −.01. −.03. .91. .09. −.03. .02. −.04 −.03. .01 −.05. .82 .80. .07 .06. −.04 .02. .18. .13. .48. −.06. −.07. −.15. .06. −.07. .79. .08. .20. −.07. .02. .61. −.04. .02. .34. −.02. .41. −.09. .02. −.20. .14. .40. .03. −.09. .18. .15. .39. .09. 【優位性確立】 他 の人より大会・コンクール等で良い 成績を残したかったから 他の人よりも上手くなりたかったから. −.03. −.03. −.01. .03.  1.00. .15. .04. −.05. .07. .65. 因子間相関 FactorⅠ FactorⅡ FactorⅢ FactorⅢ FactorⅣ. − .39 .21 .42 .47. − .47 .43 .27. − .35 .16. − .31. −. 【支えてくれる人との関係性】 支 えてくれる人をがっかりさせたくな かったから 支 えてくれている人に迷惑をかけたく なかったから 【部内の関係性】 部員に迷惑をかけたくなかったから 顧問に迷惑をかけたくなかったから 顧 問や部員との関係を崩したくなかっ たから 【副次的メリット】 部 活動を続けていると就職や進学に有 利だと思ったから 部 活 を 通 じ て 一 生 涯 の 友 達 を 作 り た かったから 部 活動を続けることで規則正しい生活 ができると思ったから 親しい友人が続けていたから 部 内で重要な役割・役職についていた から. α. 0.78. 0.93. 0.75. 0.68. 0.85. 309.

(9) 310. 部活動成績 の満足. 辞めたいと 思った経験. 現在の部活 所属. 高校時の 部活の系統. 専門. 学年. 性別. 149 139. 171 117. している していない. 140 128. プレーヤー 未加入. ある ない. 146 140. 129 159. 143 146. 111 178. n. スポーツ 芸術. スポーツ 芸術. 1年 2年. 男性 女性. セグメント. 1.42 1.28. 1.39 1.31. 1.22 1.51. 1.18 1.52. 1.08 1.52. 1.35 1.37. 動部活動を通して楽しさ,生きがい,自己有能感. 4.98 4.98. 4.83 5.13. 5.14 4.79. 5.10 4.84. 5.24 4.76. 5.05 4.91. 1.30 1.40. SD. n.s.. *. 2.07. 0.05. n.s.. 1.58. †. **. 3.16. 1.86. n.s.. 0.89. p n.s.. t 0.23. 娯楽・達成. 5.00 4.97. M. M 4.35 3.77 3.93 4.05 4.56 3.52 4.43 3.51 4.44 3.55 4.20 3.80 3.84 4.21. n 112 179 143 148 130 160 147 141 141 129 150 140 172 118 n.s.. †. ***. ***. ***. n.s.. *. p. 1.54. 1.71. 3.75. 3.92. 4.51. 0.51. 2.41. t. 義の1つであると述べるように,高校のスポーツ. 系部活動においては結果にこだわり過ぎず,ス. 2.08 1.91. 2.03 1.98. 1.90 2.02. 1.93 2.02. 1.89 2.00. 1.98 2.06. 1.92 2.05. SD. 支えてくれる人との関係性 1.60 1.60 1.53 1.67 1.58 1.62 1.57 1.62 1.58 1.62 1.61 1.58 1.62 1.57. 3.33 3.62 3.41 3.60 3.40 3.59 3.34 3.70 3.44 3.53 3.70 3.32 3.66 3.30. のではないだろうか。佐藤(2013)が,生涯にわ. 169 117. たっての豊かなスポーツライフに向けた資質や能. 148 138. 141 126. 146 138. 129 157. 141 146. 111 176. SD. 1.86. 2.00. 0.44. 1.93. 0.99. 0.99. 1.53. t. 部内の関係性 M. n. †. *. n.s.. †. n.s.. n.s.. n.s.. p. 表6 各因子下位項目得点の属性セグメント間の比較結果. 1.76 1.33 1.72 1.36 1.06. 1.36 1.24 1.35 1.62 1.35 1.23 1.30 1.28. n.s.. n.s.. †. n.s.. †. n.s.. n.s.. p. 5.07 5.02 5.55 4.66 5.35 4.73 5.38 4.84 4.96 5.17 4.80 5.39. 143 148 130 160 147 141 141 129 150 140 172 118. 1.70 1.65. 1.72 1.65. 1.57 1.71. 1.59 1.78. 1.45 1.76. 1.70 1.70. 1.57 1.74. SD. p ** n.s. *** ** ** n.s. **. t 3.26 0.27 4.74 3.10 2.72 1.08 2.98. 優位性確立 5.45 4.79. M. 112 179. n. ***p<0.001,**p<0.01,*p<0.05,†0.05<p<0.1. 0.96. 1.32 1.28. 1.23 1.40. 0.32. 1.41 1.23. 4.01 3.84. 4.05 3.84. 4.06 3.78. 4.05 3.84. 4.08 3.81. 3.86 4.01. 3.97 3.92. t. SD. 副次的メリット M. の方が「芸術」群よりも高かった。また,高校時. の部活動が「スポーツ系」の者は,「芸術系」の. 164 115. 143 136. 137 123. 143 134. 125 154. 136 144. 108 172. n. 大山 祐太・大石幸太郎. ることを報告するように,他者との相対的な結果. のなかで優位に立つことが,男性にとって強い継. 続理由となることが考えられた。. 学年間比較では,5因子全て位において有意な. 得点差は確認できなかった。. 専門セグメント間の比較では,「娯楽・達成」,. 「支えてくれる人との関係性」,「優位性確立」に. おいて有意差が生じており,「副次的メリット」. に関しても有意傾向が確認された。全ての因子に. おいて,在籍大学における専門が「スポーツ」群. 者に比べて「支えてくれる人との関係性」,「優位. 性確立」の得点が有意に高く,「部内の関係性」. に関しても高い有意傾向にあった。 前述した通. り,スポーツ系の部活動においては勝敗や記録を. 追及する傾向にある(杉本 1986)ため,周囲か. らの期待や他者との結果・成果の差に敏感になる. 力の育成が,スポーツ系部活動における重要な意. ポーツを本質的に楽しめるよう導く必要があるだ. ろう。. 現在の部活動所属に関しては,「プレーヤー」. 群の方が「未加入」群よりも「娯楽・達成」,「支. えてくれる人との関係性」,「優位性確立」の得点. が有意に高く,「副次的メリット」についても高. い有意傾向にあった。青木・松本(1997)は,運. を得ることを体験した部活動満足感の高い部員. は,その後のスポーツ活動に積極的に関与してい. くと報告している。このことから,系統に係わら. ず部活動を通して楽しさや喜びを味わえた者は,. 大学に入学してからも部活動に加入したことが示. 唆される。. 高校部活動を辞めたいと思った経験が「ある」. 群は,「ない」群に比べて,「支えてくれる人との. 関係性」の得点が有意に高かった。逆に, 「娯楽・.

(10) 高校部活動の継続に影響を及ぼす要因―スポーツ系と芸術系の差―. 達成」については辞めたいと思った経験が「ない」 群の方が高い有意傾向にあった。Robinson and Carron(1982)が,ドロップアウトと集団凝集 性(所属感と楽しみ経験)の関連性を報告するよ. 232 海老原修(1995) 「落ちこぼれ選手」といわれない部活を. 体育科教育法,43⑸:35-38 長谷川昌士,三谷保弘,松木明好,小枝英輝,向井公一, 北山淳,西脇健司,河井秀夫(2012)高校吹奏学部所. うに,競技を行うことが楽しめるかどうかが「辞. 属学生における身体症状と身体機能に関する研究.四. めたい」と思うかどうかに影響を与えている可能. 條畷学園大学リハビリテーション学部紀要,8:39-47. 性が伺えた。また,前述したように「辞めたい」 と思った経験があっても,実際に辞めた者はほと. 角谷詩織・無藤隆(2001)部活動継続者にとっての中学 校部活動の意義-充実感・学校生活への満足感とのか かわりにおいて-.心理学研究,72⑵:79-86. んどいないという現状からも,支えてくれる人の. 松尾哲矢(1998)ドロップアウト.池田勝・守能信次編 . 期待を裏切れないというプレッシャーが部活動継. 講座・スポーツの社会学1スポーツの社会学.杏林書. 続の背景にあることが示唆された。 高校時の部活動成績に「満足していない」群は, 「満足している」群に比べて「優位性確立」の得 点が有意に高く, 「部内の関係性」は低い有意傾 向にあった。勝利や結果にこだわる上昇志向が強 い者ほど,現状に満足できず,また部内の人間関 係に関しても敏感にならない可能性が考えられた。 これらのことから,特にスポーツ系部活動の部 員に対しては,結果や成果にこだわりすぎたり,. 院 東京:189-198 文部科学省(2008)中学校学習指導要領,東山書房 岡田純一, 鳥居俊, 宮内孝知, 柳谷登志雄, 加藤清忠(2003) 大学運動部歴と中高年期における身体活動の関連性に 関する研究.早稲田大学体育学研究紀要,35:25-35 岡田有司(2009)部活動への参加が中学生の学校への心 理社会的適応に与える影響-部活動のタイプ・積極性 に注目して-.教育心理学研究,57:419-431 Robinson, T.T. and Carron,A.V. (1982) “Personal and situational factors associated with dropping out versus maintaining participation in competitive sport,” Journal of Sport Psychology, 4:364-378. 周囲からの期待を意識しすぎたりせず,スポーツ. 佐川馨,羽澤知子(2009)中学校吹奏楽部員の部活動「満. そのものを楽しむような指導を行うことが重要だ. 足感」「有用感」に影響する要因-部活動に所属する中. と考えられた。. 学生への質問紙調査の結果から-.秋田大学教育文化 学部教育実践研究紀要,31:21-38 佐藤豊(2013)学校運動部活動の教育的意義を再考する. 現代スポーツ評論,28:60-74. Ⅳ.今後の課題. 新山王政和(1994)中学校吹奏楽部員における音楽能力の. 本研究においては,高校部活動の系統や大学に おける専門に関して男女比に偏りがあったため, 性差による影響を受けた可能性がある。また「辞 めたいと思った経験」があるかどうかのみ確認し たが,その理由や辞めたいという思いの強さにつ いては把握できる調査設計としていなかった。今 後はこれらの点を考慮し,より詳細な調査・検討 を進める必要がある。. 発達過程-ベントリーテストによる実験調査の報告-. 愛知教育大学研究報告,43:1-12 杉本厚夫(1986)中学・高校運動部員における社会学的 アンビバレンスの変容.体育学研究,31:197-212 鶴山博之,大門信吾(2005)大学生の運動経験と運動意 欲に関する研究.国際教養学部紀要,1:81-91 山本教人(1990)大学運動部への参加動機に関する正選 手と補欠選手の比較.体育学研究,37:109-119 山崎駿,鈴木秀人(2015)高校生・大学生の運動継続に 関する研究-補欠選手が運動部活動へ関わり続ける要 因に焦点を当てて-.東京学芸大学紀要,67:121-127 横田匡俊(2002)運動部活動の継続及び中途退部にみる. 参考文献. 参加動機とバーンアウトスケールの変動.体育学研究, 47:427-437. 青木邦男(1989)高校運動部員の部活動継続と退部に影 響する要因.体育学研究,34:89-100 青木邦男,松本耕二(1997)高校運動部員の部活動適応 感に関する心理社会的要因.体育学研究,42⑷:215-. (大山 祐太 岩見沢校准教授) (大石幸太郎 小樽市消防本部). 311.

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参照

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