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医療機関における性暴力・暴力被害女性の受け入れに関する実態調査

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Academic year: 2021

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394 第47巻 日本公衛誌 第5号 平成12年5月15日

医療機関における性暴力・暴力被害女性の

受け入れに関する実態調査

カノウ ナオミ 加納 尚美 ナカムラ ヤスヒデ 中村 安秀 サ ク ラ ヤ マ トヨオ 桜山 豊夫 カタオカ ヤエコ 片岡弥恵子 シタヤ エ ミ 下谷 恵美 シ ノ ハ ラ スガオ 篠原 清夫 オオタケ マユミ 大竹眞裕美 マキノ ミユキ 牧野 美幸 目的 医療機関における性暴力および暴力被害女性の受け入れ状況の実態と医療側の問題点を明 確化し,今後の医療者側における被害者支援に関する具体的展望を探る一助とすることを目 的とした。 方法 東京都江東区・墨田区内の医療機関に対して単科の耳鼻科・眼科以外を標榜する診療所, 病院338施設を抽出し,各医療機関の医師に対して質問紙調査を行った。主な内容は,性暴 力・暴力被害者の診療経験の有無,過去1年間の診療の状況等に関する事項であった。 結果 1. 有効回答は71施設中76人の医師より得られ,平均年齢は57.4歳であった。性暴力被害 の最も頻度が高い項目においては16.3%の医師が診療経験を持ち,さらに暴力被害の中では 36.8%の医師が診察経験を持つ項目があった。  2. 過去1年間に診療した性暴力,暴力被害者数は合わせて67例の報告があり,また性暴 力被害者は産婦人科関連の医療機関からの報告が36%であり,暴力被害の85%は複数の診療 科目を標榜する医療機関からの報告であった。  3. 被害者への理解に関しては,性暴力者の落ち度があると考える者は,暴力被害者にも 落ち度があると理解する傾向がみられた。 結論 医療機関の医師は,性暴力・暴力被害女性の診察経験を持ち,また今後も被害者が医療機 関を利用する可能性があった。被害実態についての客観的データは乏しく,過去1年間に医 療機関を受診した性暴力被害者数は警視庁報告の強姦件数を凌ぐ可能性が認められた。ま た,個別の被害状況からみると屋内で顔見知り,パートナーからの暴力,いわゆるドメステ ィック・バイオレンスの可能性も否定できなかった。被害者への理解,今後の具体的対策に ついてさらに検討の必要性が示唆された。 Key words : 性暴力,暴力被害,被害者理解,医療機関,女性への暴力

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