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京都盆地水系における地下水流動・水質への気候変動影響の定量的評価
Quantitative Evaluation of Global Climate Change Impact on Groundwater Flow
and Quality in Kyoto Basin
〇城戸由能・北側有輝・中北英一
〇Yoshinobu KIDO, Yuki KITAGAWA and Eiichi NAKAKITA
In Kyoto Basin, groundwater has been used for municipal water supplying, industrial and agricultural use from ancient times, and the high water quality has been preserved and utilized as many brand-name spring water. However, the drastic land subsidence was caused by groundwater utilization and groundwater pollution was brought by industrial substances and agricultural chemicals during high economic growth period. In order to evaluate groundwater environment for appropriate use, groundwater flow and quality model should be prepared and impact assessment should be carried out with considering global climate change in future. In this study, quantitative evaluation scheme of the groundwater environment was discussed using AGCM20-MRI outputs. 1.背景と目的 京都盆地水系の地下水は古来より飲料用や産 業用に利用され,その良好な水質は多くの名水・ 名井として保全・活用されてきた.しかし,盆地 南部域を中心に高度経済成長期の過剰な揚水に より地盤沈下問題や工場廃液や農薬等による地 下水汚染問題が発生した.その後,揚水規制等の 対策により,現在では地盤沈下は見られなくなっ たが,浅層井戸の枯渇や湧水の消失や水質汚染問 題は現在でも続いている.本研究では,今後の適 正な地下水利用と持続可能な水資源の確保を行 う上ために,揚水量や涵養量を含む流動特性と水 質特性を評価できるモデルを作成し,地球規模気 候変動の影響を考慮した将来予測・対策評価手法 について検討した. 2.手法 本研究では,連続式とDarcy 則を基にした飽和 平面二次元地下水流動モデルと,移流拡散方程式 を基礎としたモデルを作成し,1993~2003 年の観 測結果に基ついて現況再現性を評価した.また, 降 雨デ ータと して 超高解 像度 全球大 気モ デル AGCM20 の将来予想値を用いた地下水位・水質の 予測を行い,現在平均水位および平均T-N 濃度と の偏差を評価した.AGCM20 の空間解像度は約 20km であり,対象領域である京都盆地を一つの グリッドで覆うが,全球気候モデルの精度を考慮 して,対象領域周辺の5×5グリッド領域のうち 大阪湾・琵琶湖を含むグリッドを除く 23 グリッ ドの降水量データを入力情報とした計算を行う ことで空間的な疑似アンサンブル予測を行った. アンサンブル計算を行うことにより,気候変動に よる地下水への将来影響の不確実性を考慮した 確率的情報として表現することで,将来予測およ び対策評価のための提供情報とする. 3,結果 近未来(2015~2039 年)の予測降水量を用いた算 定評価の結果,大山崎付近,八幡-伏見区および 東山丘陵部で水位低下・水質悪化(T-N 濃度上昇) が見られる区域が特定できた.この区域の水位低 下および水質悪化の時間的発生確率を算定する とともにアンサンブルメンバ毎の結果を用いた 統計解析により,水位低下の超過確率を求め,時 間的な水位低下の傾向を定量的に評価した.