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ベーチェット病の末梢血T細胞サブセット

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(1)

原 著 ( 東 女 医 大 誌 第55巻 第9

)

頁 853-863 昭和60年9月

ベ ー チ ェ ッ ト 病 の 末 梢 血

T

細胞サブセット

計 士 口 東京女子医科大学眼科学教室〈主任 内田幸男教授)

J

l

I

(受付昭和60年6月5目〉

Peripheral T Lymphocyte Subsets in Behcet's Disease Keiji YOSHIKA W A

M.D.

Department of Ophthalmology (Director: Prof. Yukio UCHIDA) Tokyo Women's Medical CoUege

1 evaluated the peripheral T lymphocyte subsets in 83 patients in Behcet's disease. These were analysed in applying with Ortho-mune monoc1onal antibidies (OKT3, OKT3, OKT8 and OKlal) and Laser Flow cytometry (Spectrum III. Ortho Inc.).

When seen as a whole, Behcet's disease were characterized by significantly higher percentage of OKT3十 andOKT4¥and by significantly lower percentage of OKlal + than controls. OKT4十 alsoshowed

increased percentage during the attack phase of the disease. But, OKT8 + showed decreased percentage during the remission phase significant1y compared with controls.

Significantly higher percentage of OKT3¥OKT8 + and significantly lower percentage of OKlal + were detected in the ocular attack phase. In the extra-ocular attack phase, OKT4 + showed significantly higher percentage than controls. Percentage of OKT4 + and OKT8+ were fluctuated characteristically with activity of Behcet's disease.

During my study, Cyc1osporin-A, Bredinin and Co1chicin were applied for the treatment of the disease

and T lymphocyte subsets were proved to show the effectiveness of the drugs.

These findings suggested that some abnormalities in lymphocyte subsets existed in Behcet's disease. And 1 speculated that abnormalities of cellular immunity were related to the etiology and c1inical course of Behcet's disease. はじめに ベーチェット病は原因不明の全身性疾患であ る.その原因については1937年, トルコのHulusi Behcetの症例報告以来,ウィルス説を初めとする 感染説,連鎖球菌などによる細菌アレルギ一説, 自己免疫疾患説,環境汚染物質による複合汚染説 などが唱えられてきている九最近では免疫異常 の側面からも検討が加えられており急速に進歩し つつある免疫学的手法を用いて相応の成果が上 がっているが,依然としてその本体は不明である. そこで,今回ベーチェット病の原因解明の一手 段として, リンパ球T細胞サブセットの動向を検 討した.これとベーチェッ卜病の眼病変を主とし た各臨床症状と照らし合わぜたところ,本病にお ける細胞性免疫異常の関与が示唆されたので報告 する. 対 象 対象は東京女子医科大学眼科を受診中のベー チェット病症例83例である.症例の性別年齢は Table lvこ示した.このうち眠症状を欠くのは不 全型の3例のみであった.また経過中眼底型発作 を観察したのは74例(眼底型, posterior type), 前眼部に眼発作が限局したのは6例(前眼部型, anterior type)であった.擢病期間は最低1カ月 から10年以上に及んだ.なおコントロールとして は,健康成人53例を用いた.

(2)

-853-Table 1 Behcet's disease

<

:

50 female 33 av. age (39.6) (43.3)

completetype 47 incomplet巴type 36 Ocular involvement

IlegatI;; /anterior 6 80く ¥posterior 74 3 方 法 T細胞サブセットの測定のためまず対象例より 末梢血を採血した.これからFicoll-Conray法に てリンパ球を分離した

.T

細胞サブセットの同定 はOrtho-muneO Kシリーズ・モノグロナル抗体 のうち, OKT3, OKT4, OKT8, OKlalを用いこれ らに陽性を示すリンパ球〈以下OKT3+,OKT4+, OKT8+

OKlal+)をLaser Flowcytometry2)

(Spectrum IIIOrtho Co.)を使用し検出,百分率 で表わした.

また一部の症例では, Immune Complex

e

以下 IC)を測定した.IC測定はCiqbinding enzyme immunoassay法 に よ っ た . こ こ でICが5 μgAHG/ml以 上 の 値 を と っ た 例 を 陽 性 と し た3) 結 果 1.ベーチェッ卜病とコントロールの聞の

T

細 胞サブセットの比較 1)対象としたベーチェット病全体とコント ロールのT細胞サブセットの比較 (Table2) OKT3+, OKT4+はベーチェット病において有 意にコントロールより高値をとった.OKlal十は ベーチェット病で有意にコントロールより低値を とった.しかしOKT8+,OKT4+ /OKT8+は両者の あいだに有意差を認めなかった. 2) ベーチェッ卜病の発作期,寛解期とコント ロールの比較 CTable 3) ベーチェット病は再燃,寛解を繰り返す疾患で ある.そこで採血時にベーチェット病で観察され る眼症状,眼外症状のうち何らかの活動性症状を 認めた時期(発作期, attaack)と,全く症状を認 めなかった時期(寛解期, remission)に得られた -854 Table 2 Peripheral T.lymphocyte subsets in Behcet's disease and healthy controls s

忌 ト ¥ ¥

Behcet control OKT3+ 71(.n =307士7.1)9' 69(.5:n=:t563.)1 OKT4+ 40(.n5:=:t4483.3)' 38(.n1563.)9 OKT8+ 30(n.6士7.7 28.7士6.5 二443) (n ""53) OKla1+ 15(n.1士6.8' 16.9::t5.8 二434) (n ""52) OKT4+ /OKT8+ 1.(n47士0.71 1.42士0.51 二443) (n二53) 'p<0.05 between control Table 3 Peripheral T-lymphocyte subsets in attack and remission phase of Behcet's disease

孟 々

(

f

1

1

j

巴e attack OKT3+ 71(.n7198.26)' OKT4+ 40.6::t9.2* (日二277) OKT8+ 30.6士7.8 〔日二277) OKla1+ 15(.nO=::2t76.5 4 )* OKT 4+ /OKT8+ 1.(n49 =2707.)77 ホp<0.05¥

>

between control *ホp<0.025/ remlsswn 71.6士7.3* (n"" 109) 40.1土8.8 (n"" 166) 31.0士7.5* (n"" 166) 14.6士6.4** (n = 159) 1.43::t0.64 (n' O 166) T細胞サブセットを二分した.この両者を比較検 U討したが,各T細胞サブセットで有意な差を認め な か っ た . し か し , コ ン ト ロ ー ル に 比 べ る と OKT3+は発作期,寛解期の両期ともに有意に高値 を,OKlal+は低値をとった.これに対しOKT4+は 発作期のみで, OKT8+は寛解期のみで有意に高値 をとった.

2

.

ベーチェット病の活動性病変と

T

細 抱 サ ブ セット CTable4) 発作期を,眼のみに活動性症状を認めるもの(眼 発作期

λ

眼以外にのみ活動性症状を認めるもの (眼外発作期),眼および眼外の両方に活動性症状 を認めるもの〔眼十眼外発作期〉に分類して検討 した

(3)

Table 4 Peripheral T-lymphocyte subsets in the vari -ous clinical phases of Behcet's disease

ocular extra-ocular OKT3+ 72.(2n士8.1** 70.1土6.5 二105) (n = 65) OKT4+ 39.(n= 10::t9.314) 42.9(n109.4)2*** OKT8+ 32.0::t7.6**ホ 28.6土7.6 (n二134) (n二94) OKla1+ 14.(n= 11土6.320)*** 16.5(n7.930) OKT4+/ 1.36士0.61 1.76士0.94**' OKT8+ (n= 134) (n二93) 'p<0.05¥ "p<0.025 ) between control "'p<0.005 ' 1)眼発作期 ocular +extra-ocular 75.6士5.2** (nニ32) 40.6::t6.5 (n = 50) 31.6士6.4** (nニ50) 14.8::t5.8* (n=53) 1.37::t0.67 (n=50) OKT3+, OKT8+はコントロールに比し有意に 高値を, OKIal+は有意に低値をとった. OKT4+, OKT4+ /OKT8+はコントロールに対し有意差を 認めなかった. 2)眼外発作期 眼発作期とは逆に, OKT4+がコントロールに比 し有意に高値をとったが, OKT8+は有意差を示さ なかった.ただし,OKT8+は他の時期に比べれば, 有意に低値であった.OKT3+, OK

I

a

l+も有意の差 がなかったが, OKT4+ /OKT8+は, OKT4+の高値 の影響で有意差があった.

3

.

眼十眼外発作期

OKT3+, OKT8+の高イ直, OKIal+のイ丘(直がコン トロールに対し有意であった.OKT4+, OKT4+ / OKT8+は有意差がなかった. 4)各発作期相互の関連 さらに,個々の T細胞サブセットを中心とした 検討をしてみると, OKT3+は眼十眼外発作期の高 値が特徴であった.つまり,眼発作期,限外発作 期,寛解期,コントロールに比し有意に高値をとっ た. OKT4+は眼外発作期に高値を認めた.有意差を 認めたのは限発作期, コントロールに比してだけ であったが,他の時期に比べても高値をとる傾向 があった. OKT8+は眼外発作期で、低値を認めたが,コント ロールに対しては有意差が無かった. OKIal+は OKT4+と同様に眼外発作期の高値が あったが,これはコントロールとの聞に差がなく, むしろ眼発作期の低値を認める所見と考えた. 眼 外 発 作 期 で のOKT4+/OKT8+は OKT4+の 高値, OKT8+の低値を反映して有意に高値をとっ た 5. 各発作期と寛解期の比較 CTable5) 眼発作期のT細胞サブセットは寛解期のそれと 有 意 差 が な か っ た . 眼 外 発 作 期 に つ い て は OKT4+, OKlal+, OKT4+/0KT8+が有意に高値を とり, OKT8+は有意に低値をとった.眼+眼外発

Table 5 Peripheral T-lymphocyte subsets in the various clinical phases of B巴hcet'sdisease

忌 ト ¥

ocular extra -ocular ocular remlSSlQn 十extraocular OKT3+ 72.2士8.1 70.1士6.5 75.6::t5.2"* 7l.6::t7.3 ( 日 二105) (n二65) Cn=32) Cn = 109) OKT4+ 39.0::t9.1 42.9土10.2' 40.6士6.5 40.1士8.8 (n二134) (n=94) (n二50) (n = 166) OKT8+ 32(n.0士7.6 28.6:t7.6*' 31.6士6.4 31.0士7.5 ニ134) (n = 94) (n二50) (nニ166) OKla1+ 14(.nl::t6.0 16.5:t7.3* 14.8土5.8 14.6::t6.4 二132) Cn=90) Cn=53) (n = 159) OKT4+ /OKT8+ 1.Cn= 136士30.46)1 1.Cn=94) 76:t0.94**' 1.Cn=50) 37土0.67 1.(n43::t0.64 二166) 本 p<0.025¥-* *p < 0.01 ) between remission '**p < 0.005 '

(4)

-855-Table 6 Peripheral T-lymphocyte subsets in the di百erentocular involvement of Behcet's disease

叩~士k

anterior posterior OKT3+ 69.(n= 0:t91.4 5 ) 72(.n7士7.7" 二91) OKT4+ 43(.n1士7.8** 38.O:t9. 5 二 19) (n二118) OKT8+ 25.( 8n = :t819. 2 ) 32Cn= 1.5士818.)4*** OKlal+ 16(n= 1.7士74.)7 13(.n7:t5118.)6*** OKT4+ /OKT8+ 1.90土0.81*** 1.29:t 0.44 * (n= 19) (nニ118) *pく0.05¥ '*p < O.01 ) between control **p<0.005〆 Table 7 Peripheral T-lymphocyte subsets in the vari -ous phases of ocular attacks of Behcet's disease

!

:

early middle OKT3+ 73.6土5.7* 73.1士12.2 Cn= 12) Cn=46) OKT4+ 39.5士5.4 41.0士8.0叫 (n= 16) (n=63) OKT8+ 33.0壬6.1叫 32.4:t8.0村 本 (nニ16) Cn=63) OKlaJ+ 14.7:t4.9 14.5士6.7村 Cn=16) (n二63) OKT4+/ 1.38士0.52 1.41土0.52 OKT8+ Cn=16) (n二63) *pく0.05¥ 叫p< 0.025 ) between control ***p<0.005 ' late 72.0:t7.6* (n=67) 38.4士9.4 Cnニ93) 31.2士7.1 (nニ93) 13.9土5.7*** (n=90) 1.35士0.71 (n二93) 作期ではOKT3+のみが有意に高値をとった. 6)活動性眼病変の存在部位による検討 ベーチェット病でみられる眼発作は,前眼部型 と眼底型に大別される.この両者で

T

細胞サブ セットの動向を比較した CTable6) コントロールに比べ,前眼部型ではOKT4+が 有 意 に 高 値 を と っ た . こ れ に 対

L

N

.

艮底型では OKT3+, OKT8+がコントロールに比し有意に高 値を, OKlal+は有意に低値をとった. 7) 眼発作時期別の検討 CTable7) 眼発作の時期を初期 Cearly),極期Cmiddle), 後期Clate),に分類した.なお発作の開始時期の -856 決定は自覚症状の問診により決定した.眼発作は たとえそれが軽度で、あってもこれによって生じる 混濁, くもりなどにより自覚され,臨床的には眼 発作の開始と判断することが可能であるからであ る. ここで初期は眼発作の開始後,数日以内の時期 を示す,極期は発作開始後4- 5日経過した段階 であり,例えばこの時期には前房蓄膿が観察され る.後期は発作開始後約1週間以上を経過したも のであり,軽度の発作であれば消炎段階に入る時 期である, 検体を各時期別に分類して検討すると,コント ロ ー ル に 比 べ 極 期 に お い てOKT4+,OKT4+/ OKT8+の有意な高値, OKT8+, OKlal+の有意な 低値を認めた.また初期にはOKT3+,OKT8+の高 値があり,後期ではOKT3+の高値,OKlal+の低値 を認めた.しかし,各時期間で検討すると OKT4+ が眼発作極期で有意に高値をとった以外には明ら かな差はみることがなかった. 8)活 動 性 眼 外 病 変 の 存 在 部 位 に よ る 検 討 CTable 8) ベーチェット病でみられる眼外病変はその診断 基準により,主症状としては口腔内アフタ,結節 性紅斑などの皮膚症状,外陰部潰蕩があげられる. それぞれの

T

細胞サブセットを検討すると各症状 のあいだには,有意の差はみられなかった.しか しコントロールと比べると, OKT4+は口腔内アフ タ,結節性紅斑などの皮膚症状を有する例で有意 に高値を示した. さらに,検査時に眼外3症状のうち同時に 2症 状以上を認めた例 Ccombined)を選んで比較して み る と , コ ン ト ロ ー ル に 比 べOKT4+の高値, OKT8+の低値, OKT4+ /OKT8+の高値に有意差 を認めた. 3.眼 症 状 発 症 か ら の 経 過 年 数 と T細 胞 サ ブ セット CTable9) 1)各サブセットとコントロールの比較 OKT3+, OKT8+は 眼 発 症 後

1

0

年 ま で コ ン ト ロールに比し有意に高値をとった.

1

0

年以降にな ると両者ともに低下傾向を見せた.OKlal+は全経 過を通じてコントロールに比べると有意に低値を

(5)

Table 8 Peripheral T-lymphocyte subsets in the various extra-ocular phases of Behcet's disease

よ ト ¥ ¥

aphtha skin genital combined OKT3+ 71(n=70) .3:1:6.5 70.9士7.4 72.0:t3.0 69.6士6.8 ( 日 二36) (n二7) (n=22) OKT4+ 42.4士8.7日 本 42.3士9.3'*' 42.2土9.3 42.5士12.8" (nニ104) Cn=55) (n二12) (n二32) OKT8+ 29(.n 5 = :t160.4 9 ) 29(n=55) .5:t8.7 28(n=12) . 2:t6. 6 25(n=32) .5:t8.3' OKla1+ 15.9土6.3 16.0土8.0 17.5士6.7 17.0士5.6 (n= 104) (n=55) (n二 1 1 ) (nニ31) OKT 4 + /OKT8+ 1.60士0.75 l.70士0.91' 1.67土0.78 1.82:t0.79'叫 Cn= 104) (n=55) (n = 12) (n二32) pく0.05¥ '*pく0.025 ) between remission "'p<0.005ノ

Table 9 Peripheral T-plymhocyte subs吃tsin the different durations of Behcet's disase

sub¥s¥et ¥y¥e』arc¥:u九lfar九ro」m onset -2 2 -5 5-10 10-OKT3+ 72.7士7.2刊 本 73.3:t6.3'日 72.3:t7.3'* 69.9士7.1 (nニ90) (n=86) (n二81) (n=75) OKT4+ 38.9:t9.3 39.7士7.4 39.1土12.1 43.l:t7.2付 事 (n二92) (nニ122) (n= 125) F司 (n 二96) OKT8+ 31.1土6.0" 戸 33.2士6.9''* 31.2土8.8' 27 .4:t7.9 (n二92)

(nニ122) l' (n= 125) Fド (n=96) OKla1+ 14.0土5.9*** 15.8土8.8 13.5士5.6*** 15.9土6.8 (n=90) / (n=1l7)

(n= 123) ロ 司 (n=93) OKT 4 + /OKT8+ 1. 3(n=92) 3士0.44 1.(n35:t0.59 1. 34士0.71 1. 78士0.97" 二 122) (nニ125) C司 (n=96) 八p<0.05 ^p<O.Ol ~p<0.025 門 p<0.005 I O T A t n o c n e ρ u w + L ρ i v L υ 、llllll l l l i ﹀ f l l l ll l l l J F同 υ ﹁ 町 υ P 川 υ の ノ μ ハ H V A H V ハ HU ハ り U -A H u n H u n H U < < < p p p * * * ホ * 本 とった.

OKT4+ /OKT8+

は眼発症後

1

0

年以上経過 例 で 高 値 を と る よ う に な っ た . こ れ に 対 し

OKT4+

は眼発症

1

0

年までコントロールとの聞に 有意差を認めず,

1

0

年以上経過例で有意に高値を とった 2) 各サブセットの変動

OKT3+

1

0

年までの経過例では高値が続行し, 有意の変動はなかった

.OKT4+

1

0

年までの経過 例では変動をみせなかった

.

O

K

l

a

l

+

には変動があ り,発症当初は低値をとり,高値に変化し再び低 値にそして又高値をとるようになった

.OKT8+

は 発症当初からやや上昇し,発症

2-5

年経過例で 最も高値をとりその後は徐々に低下していく傾向 があった.

4

.

使用薬剤と

T

細胞サブセットの関連

C

T

a

b

l

e

10) ベーチェット病は難治性の疾患であるため種々 の薬剤jが臨床に応用されている.好中球の遊走を おさえるコルヒチンや免疫抑制剤としてのブレジ ニン,サイクロスポリン

ACCsA)

などである.こ れらの薬剤がT細胞サブセットの動向に与える影 響を検討した. 1) 対照を眼底型の眼発作を有し,しかも内服薬 なしの症例とした場合 857

(6)

Table 10 Peripheral T-Iymphocyte subsets in Behcet's disease receiving various kind of drugs

i

x

T

Colchicin Cyclosporin-A Bredinin OKT3+ 71.7:t9.9 74.6:t5.8** 72.2士5.8 〔口二139) (n=51) (nニ34) OKT4+ 40.9士8.3 39. 6:t5.8 43.0:t5.3叫 帥 〔日ニ183) (n二83) (n二50) OKT8+ 31.2:t8.3 32.9士7.7 28.4士8.7 〔日二183) (n=83) (n = 50) OKlal+ 15. 3:t7.3 11.8:t5.5材 料 16.6士5.1 (n= 179) (n=83) (n = 48) OKT4+/ 1.50士0.81* 1.21士0.33 1.56士0.55**** OKT8+ (口二183) (n二83) (nニ50) *p<0.05、 **p<0.025¥ ) between posterior typ巴 op<0.025

0.01 / ****p<0.005 Table 11 Peripheral T-Iymphocyte subsets inI.C. positive Behcet's disease and control

孟ト〈と

I.C.>5 OKT3+ 71(.n4470.)2 OKT4+ 42.6:t6.8村 〔日ニ65) OKT8+ 26.0土8.9* (n=65) OKlal+ 17(n=64) .3:t8.3 OKT4+ /OKT8+ 1.76:t0. 71*ホ (n二65) *pく0.05¥

>

between control *pく0.005/ control 69.5士6.1 (n二53) 38.1土6.9 (nニ53) 28.7:t6.5 (n=53) 16.9士5.8 (n二52) 1.42土0.51 (n二53) OKT3+はCsA使用群,ブレジニン十コルヒチ ン使用群で有意に高値をとった. O KT4+はブレジニン使用群,ブレジニン+コル ヒチン使用群で、対照に比べ,有意に高値をとった が, OKT8+ではブレジニン十コルヒチン使用群で のみ対照に比し有意に低値をとった.OKlal+は CsA使用群,ブレジニン十コルヒチン使用群での 低 値 が 対 照 と 比 し 明 ら か で あ っ た .OKT4+/ OKT8+は,ブレジニン使用群,ブレジニン+コル ヒチン使用群,コノレヒチン使用群で高値を示した. なおステロイド剤使用群は,対照とほぼ同様な 結果を示した.しかし,対照を眼底型に隈らず眼 without drugs Bredinin Steroid +Colchicin posterior ocular involvement 75.5士6.4* 70.3土6.3 69.9土6.7 67.5:t6.0 (n= 12) (n=9) (n= 12) (n=30) 43.1士6.2叫 日 31.5士15.00 37.5:t5.1 39.5士6.70 (n = 18) (n=l1) (日二24) (n二49) 27.5土4.7村 32.6土8.5 31.3:t5.0 28.8士7.2 (n = 18) (n= 11) (n=24) (n=49) 12.4:t3.2*** 16.6土6.2 16.5士5.4 15.6士6.6 (n二18) (n二11) (日二22) (n=47) 1.63士0.41吋 叫 1.18士0.68 1.21士0.30 1.52土0.79 858 (n二18) (n二11) (n二24) (n=49) 症 状 を 有 す る 例 で 内 服 薬 無 し の 群 と す る と , OKT4+の低

f

直を認めた.

2)OKT4+, OKT8+, OKIaI+と単独薬剤使用群 の関連

OKT4+,OKlal+はブレジニン使用群,コルヒチ ン使用群, CsA使 用 群 の11買に高値をとった.

OKT8+はこれと全く逆で, CsA使用群,コルヒチ ン使用群,ブレジニン使用群の順で高値であった.

5.Immune Complex (IC) とT細胞サブセッ トCTable11)

ICとT細胞サブセットの関連を検討した. 1)IC陽 性 例 の

T

細 胞 サ ブ セ ッ ト と ベ ー チェッ卜病全体の比較

IC陽性例のOKT4+,OKlal+, OKT4+ /OKT8+ は有意に高値を, OKT8+は有意に低値をとった.

2)IC陽 性 例 のT細 胞 サ ブ セ ッ ト と コ ン ト ロールの比較

OKT4+, OKT4+ /OKT8+は い ず れ も コ ン ト ロールに比し有意に高値をとった.これに反し, OKT8+は有意に低値をとった. 考 察 ベーチェット病は眼症状, 口腔内アフタ,皮膚 症状,陰部潰療の4主症状を初めとした各症状が 発作,寛解ないし増悪,軽快を繰り返しながら進 行してL、く慢性疾患である.しかし, この病態の メカニズムについてはまだ解明されていないと

(7)

いってよい さて免疫学的に1970年代はrT-ologyの時代jと いわれ, リンパ球,特に

T

細胞の研究が進み,細 胞性免疫の機構が注目された年代であった. 中でも, Kohler, Milsteinらの細抱融合法及び モノクロナノレ抗体産生ノ、イブリドーマの開発4)は 特筆されるもののーっといえる.これによって産 生されるそノクロナル抗体は,極めて限定された 抗原決定基を識別しまた安定性が高いとL、う特徴 があり,種々の方面への応用がなされた.その一 つにReinhertzらによるヒトTリンパ球の表面抗 原に対するモノクロナル抗体の開発5)が挙げられ る.これによって,

T

細胞サブセットの識別,同 定は,それまでのヒツジ赤血球によるロゼット形 成, IgG,IgMのFcレセプターを用いた段階から 進歩し,特に細胞性免疫機構の中でT細胞の果た す役割の研究が促進された. ところで,ベーチェット病の病因のーっとして 好中球異常が従来多数の研究者によって指摘され てきた6) しかし全ての,ベーチェット病の症状を 説明するには不十分であり,本症で観察される. 1)口腔粘膜のアフタ性潰湯,針反応の病理組織の 単核球浸潤九 2)マクロファージ阻止試験にて前 房水,関節液で末梢血リンパ球が感作している場 合があること8) 3)ヒ卜口腔粘膜抗原によるリン パ球芽球化試験や口腔粘膜抗原を標的細抱とする 細胞障害性試験の陽性例が多いことへ 4) Tリン パ球の増加, 5)前活動性状態のConA誘導sup蜘 pressor Tリンパ球の減少川, 6)末梢血単核球遊 走能の允進11)なとやについては細胞性免疫系の異常 にその説明を求めざるを得ないと考えられてい る そこで,今田ベーチェット病の病因を細胞性免 疫異常の側面から把える試みとして,モノクロナ ル抗体を利用して得られたT細胞サブセットの動 向と眼科臨床を中心とした臨床症状とを照らし合 わせて検討した. ところで,今回検討したT細胞サブセットの代 表する機能は一般に以下のごとくとされている. OKT3+はOKT1+,OKTll+と同様に成熟したリ ンパ球のほとんど全てに存在する抗原を認識する とされ, リンパ球の実数をあらわすと考えられて し、る12) OKT4+は可溶性抗原に反応し,

B

リンパ球を増 殖分化せしめ,免疫グロプリンの産生を促進する. いわゆる helper/inducerサブセットを示すω. OKT8+はallo抗 原 やConAに よ く 応 答 増 殖 し ま たMLCで細胞障害活性を示すとされsup -pressor /killerサブセットにあたるとされる14) ここで, OKT4+,OKT8+は,サプレッサ一機能 を持つとされる IgG・Fcレセプタ一陽性T細胞 CTy)やへルパー機能を持つとされる IgM.Fcレ セプタ一陽性T細胞 (Tμ)とそれぞれ相関関係は 持たないと報告されている川. OKlal+は,ヒトのDR遺伝子座によってコード されBリンパ球,単球,マクロファージ,頼粒球, 赤血球系の幼若細胞,上皮細胞,精子に認められ るとされる.さらに最近で、はFu,Koらによって activated Tリンパ球にも見出された. これらか ら , ヒトのOKlal+はB細胞および活性化T細胞 を標識するとされ,マウス同様に免疫反応におい て重要な役割を持つと考えられてきている16)17) まずT細胞サブセットがベーチェット病で示す 全体像につき検討してみた.これによれば, OKT3+, OKT4+がコントロールに比し有意に高 値をとることがわかった.OKT3+の高値は,ベー チェット病で一般に認められている発作期の白血 球増多,好中球遊走能克進だけでなく, リンパ球 もおそらくは反応性に増加することを示唆すると 考えられた. OKT4+は,眼外発作期や眼発作極期などで高値 を示し,本症の活動性を示唆したが,これが全体 像に反映しているものと思われた.ところで,ベー チェット病の活動性に関わらずOKT4+は減少す るとの報告がある.小谷らの自己リンパ球混合培 養反応 CAMLR)欠陥説18)がこれにあたる.つま りベーチェット病の約30%にOKT4が反応する と考えられているAMLRの欠陥があるため,減 少を認めるとするものである.今回, OKT4+が高 値をとったことで,少なくとも眼症状を有する ベーチェット病ではAMLRの異常の影響は強く ないことが推測された.AMLRの欠陥は幼児や65 859ー

(8)

歳以上でも増加すると報告されている19)が,今回 の対象の平均年齢は約

4

1

歳なので影響は少ないと 考えた.OKIal+はコントロールに比べ低値をとっ た.これまでは,ベーチェット病でOKIal+は増加 す る と の 報 告 が 多 い 叩 し か しKaszubowskiら がTγの一部にIa様抗原が表現されるとの報告 していること21L ベーチェット病における Tyは 著 明 に 低 下 し て い る こ と22)な ど か ら 考 え る と OKIal+は低値を示すことの方が説明がつきやす く,今回の結果もこれを支持するものと思われた. しかし, OKIal+が標識するとされるB細胞と活性 化T細胞のいずれが減少しているかなどの点につ いて,今回の検討では明らかにすることはできず 今後への課題となった. OKT8+は今回対象としたベーチェット病全体 ではコントロールに比べて有意差を認めなかっ た.本サブセットは後述するがむしろ本病の経過 年数などが関わりを強く持つものと思われた. 先に述べたごとく,ベーチェット病は慢性疾患 であり,しかも眼症状,眼外症状が発作寛解を繰 り返すという臨床的特徴を有している.ここで例 えば各発作,寛解を制御する因子と長期的病勢を 制御する因子とに免疫学的に相違があることが予 想、される. そこで,次にT細抱サブセットとベーチェット 病の発作,寛解の関連を検討した.ここでベー チ エ ッ ト 病 の 発 作 期 で は コ ン ト ロ ー ル に 比 べ OKT4+が有意な高値をとり,寛解期ではOKT8+ が有意に高値をとったことは興味深い.つまり, OKT4+は疾患増悪方向に作用しており,これに対 しOKT8+は,疾患抑制あるいは修復方向に作用 していると推測されるからである. この傾向は発 作期を眼発作期,眼外発作期など臨床上実際に認 められる時期に分類したときにさらに明らかに なった.

眼発作期ではOKT3+,OKT8+の高値, OKIal+ のイ民イ直を認めた.OKT3+, OKIal+に関しては,対 象の大部分が眼症状を有しているという特徴が表 われているものと考えた.OKT8+の高値の原因を 解明するために,眼発作をさらに前眼部型,眼底 型に分けて検討した.このとき,臨床的により重 860 篤である眼底型でその高値を認めたが,これは OKT8+が眼発作を抑制する方向で関っているこ とを示唆するものと考えた. 眼外発作期では, OKT4+の有意な高値を認めた のみであった. ところで眼発作の前眼部型でも, コントロールに比べOKT4+は有意に高値をとっ た.臨床的に前眼部型は眼症状が軽度で眼外症状 が中心となっている症例が多く,やはり眼外発作 期のOKT4+の高値を反映したものと考えた. ベーチェット病における眼病変は多く発作の形 で生じその開始から

4-5

日で極期に達し,徐々 に沈静化し消炎する.消炎するまでに激しい発作 の場合,約

1

か月の日数を要する.それゆえ,ベー チェット病の眼病変を制御すると考えられる免疫 学的因子の動向は,その初期と後期では大きな違 いがあることが想像できる.そこでT細胞サブ セットのベーチェット病の病勢への関連について さらに検討を加えた. 坂根らはベーチェット病における発作期の分類 の中に前発作期の概念を導入し, この時期のT細 胞サプレッサ 機能の低下を報告している川.こ こで前活動期とは,採血時に主症状の再燃を思わ せる軽徴な症状がありその後これを増悪していく 時期と, とらえられている.しかし今回対象とし たのは主として眼症状を有する症例であるため, 来院時には何らかの眼症状を認め,また症状が急 性に経過することが一般的であることから,発作 期の分類は初期,極期,後期とした. ここで,眼発作初期においてOKT8+の有意な 高値,眼発作極期におけるOKT4+の有意な高値 を認めた.これから, OKT4+は病勢を増悪傾向に 向かわせるがその作用は極期におけるように短期 的 で あ る こ と を 示 す も の と 推 測 し た . 一 方 , OKT8+の高値は,ひとたび発作が開始してしまっ た時点では,その続行を抑制する方向で作用して いることを示唆するものと考えた. 上述したように,眼症状の発作,寛解のサイク ルは急速であり,またインターパルも短い.これ に対し眼外各症状の増悪,改善の波は比較的ゆる や か で あ る の が 臨 床 的 印 象 で あ る . こ こ で OKT4+が,眼外症状の中では出没の頻度が高いア

(9)

フタ性口内炎,結節性紅斑などの皮膚症状例で高 値をとったことも含めて考えると,ベーチェッ卜 病におけるOKT4+は主として眼外症状に関わり その上昇によって病勢は増悪傾向に向かうこと, しかも病勢への関わりは短期間であることが推測 された. 次に長期的病勢と

T

細胞サブセットの動向につ いて検討してみた.まず, OKla1+が比較的短期間 ごとでの変動が強いことが示された.これに対し OKT4+はコントロールとの聞に差を認めず,病勢 に対しての関与が長期的でないことが示唆され た.さらに

1

0

年以上経過例で有意な高値を示した が,本疾患において眼外症状は長期経過例におい ても活動性が残存するとL、う臨床的印象があり, これを反映する所見と推測した. OKT8+は,経過中コントロールに比べると高値 を持続した.しかし,経過を詳しく検討すると, 眼発症後

2-5

年までにおいて最高値をとりその 後 徐 々 に 減 少 す る 傾 向 が あ っ た .Veys, Mor-imotoらは,活動期のRA,SLE, Sjδgren症候群 などで, OKT8+の 減 少 を 見 る と 報 告 し て い る幻 いわゆるサプレツサ一機能の低下が宿主の免疫監 視機構の欠陥を介して病勢の活動化を来たすもの と考えられている.ひるがえって,ベーチェット 病,特に限症状は発症後約5年までが最も活動性 が高くその後やや寛解していくと報告されてお り25) OKT8+に つ い て はRA,SLEな ど と は 異 なった形で病態に関与していることが示唆され た. これらから, OKT8+はベーチェット病では眼症 状に主として関わり比較的長時間の時間単位で病 勢を制御しているという推論が成り立つ. 今回の検討で,ベーチェット症例全体とコント ロールの比較では有意差を示さなかったOKT8+ が,対象中のIC陽性例では有意に低値をとった ことも興味深い結果と考えた.ICはサプレッサー 機能を持つと報告されており, IC陽性例では同様 にサプレッサ一機能を持つとされるOKT8+の存 在の必然性が少ないことが推測された. ところで, OKT4+とOKT8+は免疫学的に拾抗 的,相補的に働き,このバランスの崩れによって 疾患が増悪するとの報告がある制.本疾患におい ては,眼発作極期においてはOKT4は有意に高値 を, OKT8+は有意に低値をとり,またこれと同様 な傾向は眼外の3症状のうち 2症状以上を認める 時期などにおいても認めた.これは,免疫学的に OKT4+, OKT8+のそれぞれが疾患増悪方向に働 いているものと考えられ,本病の臨床的な活動性 の激しさと一致する所見と考えた.

T

細胞サブセットの動向は種々の外的要因に よって影響されると報告されている.例えば喫煙, 加齢などによって影響を受け27)28) 前者によって OKT4+は低下, OKT8+は 上 昇 し 後 者 で は OKT3+, OKT8+が低下するとされる. 今回の対象例の多くは,活動性でしかも眼底型 の眼病変を有していたため何らかの薬剤を必要と した.そこで各種薬剤のT細胞サブセットへの影 響を検討した.対照には眼底型の病変を有し,し かもこれが現時点では軽症であるため未治療であ る症例をとった. まず対照を眼底型で内服薬の無い例とした時, ス テ ロ イ ド 剤 内 服 例 は , 諸 家 の 報 告2川こある

OKT3+の低下, OKT4+の著明な低下やOKT8+の 増加は示さなかった.しかし,対照を眼底型に限 らない内服薬なし群とするとOKT4+の有意な低 下を認めた.ステロイドの免疫系におよぼす作用 比ステロイド感受性リンパ球への障害作用と抗 炎症効果である.これからステロイド感受性リン パ球はT細胞サブセットのうちではOKT4+であ ることが示唆された.なお,本薬剤は抗炎症効果 が強いため,ぶどう膜炎においても,一般に頻繁 に使用される.しかし,眠症状を有するベーチエツ ト病においては,周知のごとく全身投与は,神経 ベーチェット病の臨床症状を呈してきた時など以 外は,視力予後を悪化ささせるので,禁忌とされ る.今回のステロイド剤使用例も全て他医により, 加療中の例である.また, OKT3+がCsA使用群, ブレジニン十コノレヒチン使用群で高値をとったこ と , OKlal+が低値をとったことは,上記薬剤使用 例は特に眼症状を含め疾患の活動性が強い症例で あり,最初に述べたベーチェット病自体の特徴を -861ー

(10)

示唆するものと考えた.

ここで, CsA使用群ではOKT4+,OKIal+は低 値をとり OKT8+は高値をとった.逆にブレジニ ン使用群ではOKT4+,OKlal+が高値をとり, OKT8+は低値をとった.これは,両薬剤!の特に細 胞性免疫系に対する作用機序の違い,つまり CsA の方がより抑制的に働いていることを示唆させ た30) またOKT8+はCsA使用群,コルヒチン使用 群,ブレジニン使用群,のIJ買に低値をとるように なり,逆にOKT4+,OKlaI+はこのIJ買に高値をとっ た.臨床的にCsA使用群,コノレヒチン使用群,ブ レジニン使用群のIJ買で発作抑制効果を認め疾患の 活動性が低下していると判断されること31)を考え 合わせると,薬剤の発作抑制効果とT細抱サブ セットの動向が平行すると考えられた. T細胞サブセットが代表する機能については, OKT4+の増加によって,かえってhelper機能が 低下するとの報告32)や, OKTどがむしろsuppres

-sor機能聞を, OKT8+がhelper機能を発揮する場 合もあると刊の報告もある.また今回検討したの は末梢血のT細胞サブセットの百分率に過ぎな い.これが限局所で、の病勢にし、かに関連するかに ついてはさらに検討を要するであろう.しかし, 今回の症例数は非常に多いこと,更に種々の条件 におけるサブセットの動向に統計学的に有意差が 見られたこと,などからベーチェット病の病態に, T細胞サブセットの異常に代表される細胞性免疫 異常がかかわっていることが示唆されたものと考 えた ま と め 主として,眠症状を有するベーチェット病症例 の末梢血を採血し,

T

細胞サブセットの動向を検 討した.これによれば, 1)ベーチェット病では,コントロールに比し OKT3

+

OKT4+が有意に高値をとり, OKlal十は 有意に低値を示した. 2)OKT4+は発作期で, OKT8+は寛解期で有意 に高値をとった. 3)眼 発 作 期 で はOKT3+,OKT8+の高値, OKlal+の低値を認めた. 4)眼外発作期には, OKT4+の高値を認めた. 5)病勢と関連性の検討で,特にOKT4+は短期 間ごとでの変動が強く例えば各発作ごと,あるい は各増悪期ごとに変動した.これに対し, OKT8+ は眼発症後2- 5年で最高値をとりその後徐々に 減少した.これは眼科臨床上発症後約

5

年までが 最も疾患の活動性が高くその後やや寛解していく こととよく一致した. 6)ベーチェット病ではOKT4+は,主として眼 外症状に関わりその上昇によって病勢は増悪傾向 に向かうこと, しかも病勢への関わりは短期間で あること,これに対しOKT8+は眼症状に主とし てかかわり,比較的長期間の時間単位で病勢を制 御しているとし、う推論が成り立った.

7

)

各種薬剤使用例の検討で

T

細胞サブセット の動向は臨床的な活動性の評価と平衡すると考え られ,薬剤の効果判定の意味でも価値があると思 われた. 8)ベーチェット病の病態にT細胞サブセット の異常に代表される細胞性免疫異常が関わってい ることが,強く示陵された. 稿を終えるにあたり,御校聞を賜った内田幸男教授 に深謝いたします.また直接御指導頂いた小暮美津子 助教授に深謝いたします. 文 献 1)鬼木信乃夫・ほか:Behcet病の病因と治療. 日眼 会誌 78(11) 1347-1378(1976) 2) Herzenberg

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Table 4 P e r i p h e r a l  T‑lymphocyte s u b s e t s  i n  t h e  v a r i ‑ ous c l i n i c a l  phases o f  B e h c e t ' s  d i s e a s e   ぷ で ご o c u l a r  e x t r a ‑ o c u l a r  OKT3+  7 2
Table 7 P e r i p h e r a l  T‑lymphocyte s u b s e t s  i n  t h e  v a r i ‑ o u s  p h a s e s  o f  o c u l a r  a t t a c k s  o f  B e h c e t ' s  d i s e a s e 
Table 8 P e r i p h e r a l  T‑lymphocyte s u b s e t s  i n  t h e  various e x t r a ‑ o c u l a r  phases o f   Behce t ' s  d i s e a s e  よ ト ¥ ¥ a p h t h a  s k i n  g e n i t a l  combined  OKT3+  7 1
Table 1 0   P e r i p h e r a l  T‑Iymphocyte s u b s e t s  i n  Behce t ' s  d i s e a s e  r e c e i v i n g  various kind o f  drugs  i x T  C o l c h i c i n  C y c l o s p o r i n ‑ A  B r e d i n i n  OKT3+  7 1

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