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家族構造の変化と家族旅行--海外家族旅行における現在の潮流と展望 利用統計を見る

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(1)

現在の潮流と展望

著者

森下 晶美

雑誌名

観光学研究

6

ページ

33-43

発行年

2007-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005108/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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家 族 構 造 の 変 化 と 家 族 旅 行

海外家 族旅行 におけ る現在 の潮 流 と展望

森 下

美*

1 。 は じめ に (研 究 の背 景 と目的 ) *東 洋 大 学 国 際 地 域 学 部 ;FacultyofRegionalDevelopmentStudies,ToyoUniversity 近 年 、海 外 旅行 市 場 におい て、こ れま で のマ ー ケット リ ーダ ーで あっ たOL を はじ め とし た若 年 層 の旅 行 者 は減 少 の傾向 にあ るが、 そ れに代 わっ て 熟年 層、 フ ァミ リー 層 の旅行 者 は徐 々 に増加 し て い る。 こ のう ち、 フ ァ ミリ ー層 の旅 行者 の増加 に つい て は、 旅行 代 金 の低 価格化 に よっ て 海外 旅行 が よ り一 般 化し 、現 実的 な もの とな っ たこ とが 原因 のひ とつ と考 え ら れる が、 そ こ には、 低 価格化 とい う単 な る 経済的 な側面 だけ でな く、 少 子化 に 伴 う家 族 構 造 の変 化 や そ こか ら生 まれた 新し い家 族 観 も大 き く影 響し てい る と考 えら れ る。 こう し た家族 の変化 は、今 後 のレ ジ ャ ー行動 に も大 きな影 響 を及 ぼ す もの と考 えら れ、 特 に、 企 画 や購 買 の意 思 決定 に際 し同 行 者 の影 響が 大 きい 旅行 市 場 におい て は、 こ れ から の旅 行 の目的 や形 態 を大 きく変化 させ る可 能性 を 持っ て い る。海 外家 族旅 行 は、現 在 その 数が 海外 旅行 者 数全 体 の4 ∼c0/ に過 ぎ ず、マ ー ケット とし て は決し て まだ 大 きい もの とはい え ない。し かし、そ れだ け に新 し い 変化 の兆し が顕 著 に見 えて きて い る。 そこ で、 現 在、 海外 旅 行 にお け るフ ァミリ ー層 の動 向 はどう なっ てい る の かを明 ら か にし、 今 後 どうい っ た傾向 となっ て い く のか を展望 し たい 。 また、 海外家 族 旅 行 を拡 大さ せ てい く為 に課 題 と な る も のは何 か を考 えて みたい。 2 。 海 外 家 族 旅 行 の 現 状 (1) 家族 旅行 の定 義 まず 、旅 行 マ ー ケット でい う家 族 旅 行 を定 義 し たい 。家 族 旅行 と は、 狭義 に は子供 を含 めた同 居 家族 を 中 心 とし た家族 、 親類 な どで 出 掛 ける旅 行 をい う が、 国土 交 通省 が2004年 に ま とめた長 期 家 族旅 行 国民 推 進会 議報 告 書『「家 族 仕様 」の旅文 化 を拓 く 』で は、家 族 旅行 を「一家 族 単 位 の旅 行 だ け でな く、 複 数 の家族 が 共同 で 参加 す る旅 行、 家 族単 位 で の旅行 が 困難 な 児童 ・生 徒 、 介助 を 要す る人 、 高齢 者 な どが 参加 す る地 域 コ ミュニ テ ィ ー単位 の旅行 な ど を幅 広 く含 む」 とし てい る。

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し か し、 実 際 の旅行 マ ー ケット から 見 た海外 家 族旅 行 の想定 は、「親 +12歳 未満 の 子供 」で構 成 す る家 族 、 つ まり、 航空 運 賃 が小 児 (Child) や幼 児 (Infant)の範 囲 で利 用 で きる 子供 を同 行 す る旅 行 を指 す こ とが多 い。 旅 行費 用 にお い て はそ の交 通費 が 大 きな ウェ イト を 占 める た め、 そ れが小 児 扱い か どうか に よっ て旅 行代 金 が大 きく 異なっ て く る。 こ のた め、12歳 未 満 の子供 を 持 つ親 が 「子 供代 金 で行 け る うち に」 と、 他 の層 に比 べ積 極的 に海 外家 族 旅行 を考 えて い るた めで あ る。 つ まり、 海外 家 族旅 行 とは、12歳 未 満 の子供 を含 む家 族お よ び親類 に よる海 外旅 行 と考 える こ と が で きる。 (2) フ ァミ リ ー層 の旅 行者 数 の変 化 海 外 旅行 者 数 の調 査 は、多 くが 年齢、性別 、社会 的 属性 な ど のセ グメ ント に よっ て行 われて お り、 誰 と誰 が旅 行 に行 っ てい る の か とい っ た同 行者 の組 み合 わせ を切 り口 とし た正 確 な調 査 はあ ま り行 わ れて い ない。 そ こで、 海外 家 族旅 行 者数 を見 る場合 、 構成 の 中心 者 ( キーマ ン) は誰 か を考 え、 その数 や動 向 を見 て い く必 要が あ る。 家 族 旅行 の定 義 をふ まえ る と、まず、海外 家 族旅 行 の第 一 の キー マン は12歳 未満 の 子供 とい える。 また、 日本 旅行 業 協会(JATA )が2001年6 月 に行 っ た『親 子 の絆 と旅行 』を テ ーマ にし た調 査 に よ れば、家族 旅 行 の主 導権 を握っ て い るの は、息 子し かいな い家 族 で は父 親が44.5∼50.5%、娘 の み の 家族 で は母 親 が40.2∼53.6% となっ てい る。こ うし た こ とから、家 族 旅行 にお け る第 二 のキ ーマ ン は 「父 親 」、「母 親」 で あ るこ とが わ か る。 年齢 、性 別、 社会的 属性 な どの セグ メ ント に よる旅 行 者数 の調 査 か ら、 こ の「父 親 」、「母 親」 層 を拾 い 出 す為 に は、「父 親」、「母 親 」を もう少し 詳 細 にす る必 要 が ある。 仮 に子 供 の年 齢 を10歳 とす る と、 日本 人 の第 一 子出 産 年齢 の平 均 は、2005年 度で29.1歳 (厚 生労 働省・人 口動 態 統計 年報 より) となっ てお り、 そ こか ら「母 親 」 の年 齢 は39∼40 歳 とな る。 し かし、 実際 に は第一 子 出産 の30歳以 上 の割 合 が54.4%で あ る こ とか ら、10歳 の子供 の母 親 の実年 齢 はもう少 し 上 の40歳 ±5 歳 と考 え る こ とが出 来 る。 こ の こ とから、12 歳 未満 の子 供 を持 つ 「母 親」 像 は概 ね30歳 代、40歳 代 の既 婚 女性 の 動向 を見 る こ とで明 ら かに な る と考 えら れる。 また 、 厚生 労働 省 の「人 口動 態 統計 」によ る と平 均夫 妻年齢 差 は1994年で2.2歳 、2004年 で1.8歳 と なっ て い る こ とか ら、「父 親 」像 は、 概 ね「母 親 」の年 齢 +2 歳 と考 え る こ とがで き、 そこ から同 じ く30歳 代、40歳 代 の男 性 層 と考 え るこ とが 出来 る。し かし、海 外旅 行者 数 にお い て、こ の世代 の「父 親」 は、業 務 に よ るビ ジネ ス渡 航者 を相当 数含 むた め、家 族 旅行 の数 を見 る に は適 当 な サンプ ル と はい えな い。 日本 旅行 業協 会 が2001年8 月 に行 っ た『シニ ア世 代 と旅行 』の調 査 で は、「祖 父母 十親 十子供 」と い う三 世代 の家 族 旅行 の提 案 をす る人 は、 中 間 の世代(親)が 半数 に近 い47.6% で、 中 で も母 親 の提 案 が25.6% と もっ と も多 くなっ て い る。 そ のた め、 こ こで は第 二 の キー マン を「母 親」と考 え、 そ の 動向 を見 る こ ととす る。1991 年 か ら2005年 の子 供世 代 と「父 親」、「母 親 」世 代 の海 外旅 行 者 数 を性別 、 年齢 別 に見 る と、

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次 の表1 「 子供 世代 と「父 親」、「 母 親」世代 の海 外 旅行 者 数 と伸 び率 」の よう にな る。 日本 人 の海 外 旅行 者 数全 体 を見 る と、1991年 に1063万 人 だっ た ものが、2005 年 に は1740万 人 となっ てお り、15 年 で約1.64倍 に増加 し て い る。 し かし、 これ を「 子供 」世 代 と「母 親」世代 に限っ た海 外 旅行 者 数 で み る と、「O∼9 歳 」は1991年 に男 性11万人 、女 性10.8万人 で あっ だ の が、2005年 に は それ ぞれ27.2万人 、25.7 万 人 と約2.4倍 も増 加 し てい る。 また、「母 親」世代 で あ る女性 の30歳 代 の伸 び 率 も顕著 で、1991 年 に60.1万 人 で あっ た ものが2005年 に は162万 人 と約2.7倍 になっ て い る。 こう し た「子 供」世代 と「母 親」 世 代 の海外 旅 行者 数 の増 加 か ら、 海外家 族 旅 行 が順 調 に増加 し て い るこ とが わ か る。 表1 子 供 世 代 と 「 父 親 」、「 母 親 」 世 代 の 海 外 旅 行 者 数 と伸 び 率 ( 単 位 :万 人) 1991 年 1994年 1997 年 2000 年 2002 年 2005 年 1991 年 か ら2005年 の 伸 び 率 渡航者数全体 1,063 1,358 1,680 1,782 1,652 1,740 164 % 男 性 O ∼9 歳 11.0 15.1 22.8 27.5 24.9 27.2 247 % 10∼19 歳 24.0 30.9 39.3 41.3 39.6 36.0 150 % 30∼39 歳 145.4 160.0 197.3 209.2 204.0 217.7 150 % 40∼49 歳 170.0 180.4 210.0 188.5 181.9 215.3 127 % 女 性 O ∼9 歳 10.8 24.0 22.2 26.1 24.2 25.7 238 % 10∼19 歳 30.3 39.8 49.8 54.4 46.7 45.7 151 % 30∼39 歳 60.1 91.1 125.0 149.7 147.7 162.0 270 % 40∼49 歳 56.4 76.0 91.2 89.9 80.2 93.7 166 % 25.0 20.0 15.0 10.0 00 LOO 出 典 : 国 土 交 通 省 総 合 政 策 局 ( 原 資 料 は 法 務 省 ) 資 料 よ り作 成 図1 世 代 別 ハ ワ イ へ の 渡 航 者 数

ノ犬7

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♂)/ 寸 / 寸 寸 声 声 ∼

年度

→ 一 未 婚女 陛(15∼29歳) −・一 既 婚 女 性( 母 親 世 代) ふ 既 婚男性 →(一 熟 年層 * 既婚 女性 (母親世代) は30歳∼45歳の既婚 者女性、 既婚 男性 は30歳∼45歳 の既婚男 性、熟年 層は45歳∼59歳男 女を指 す 出典: ツーリズ ムマ ーケテ ィング研究所 『JTB リ ポート』1989年∼2006年度版 より作成

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また 、もう少し 詳 し く海 外家 族 旅行 の伸 びを見 る た め に、家 族 旅行 で「行 き たい デ ステ ィ ネー ショ ン」 の第一 位 となっ てい る ハ ワイ へ の渡航 者 数 を見 て みたい 。 図1 「ハ ワ イへ の渡 航者 数 」の通 り、 未婚 の若年 女性 な ど他 のセ グメ ント が 減少 か横 ばい な のに対し 、30 歳代∼40 歳 代 の「 母 親」世 代 は 旅行 者 数 が順調 に増加 し てい る のが 分 か る。 ③ 海外 旅行 商 品 の低 価格 化 と一 般化 旅 行 会 社が企 画す る海 外旅 行 商品 の低価 格化 が進 んで い るこ とはあ らた めて 記述 す る必 要 もない が、 個 人 の消費 行 動 にお け る海 外旅 行 の位 置づ けの変 化 を費 用面 か ら見 て み たい。 図2 「 ハ ワ イ の パ ッ ケ ージツ ア ー代 金 と大 卒初 任給 の変 遷 比較 」 は海 外 パ ッケ ー ジツ ア ーのト ップ ブ ランド で あ る 『ルッ クJTB 』 のハ ワ イのパ ッ ケ ー ジツ アー代 金 の変 遷 と大 卒初 任 給 との比較 で あ る。 ハワ イ のツ ア ーで 最 も典型 的 な 「 ホノ ルル6 日間 」 を例 に取 っ た もので あ る が、 海 外 旅行 が人 々 に とっ て、以 前 の「 憧 れ」 か ら現 実的 な 「た まの楽 し み」 へ と より一 般化 し た こ とが分 か る。 匡 原 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 図2 ハワイのパ ッケー ジツアー代金 と大卒初任 給の変遷比 較 大卒 初任給と旅行代金の 比較 ■ プ ヘ ヽ/  ̄\

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年 度 → 一 大 卒 平 均 初 任 給- ●− ルックハ ワ イ最 低 価 格 出 典 : ル ッ クJTB ハ ワ イ 方 面 上 期 パ ン フレ ット1976 年 度 版∼2005 年 度 版 、 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 1976年 で は、 平 均大 卒 初任 給 が9 万4300円、 ル ッ クJTB の「 ホノル ル6 日 間」が最 低 価格 で16万1000 円 となっ てお り、旅 行代 金 は初 任給 の約1.7か月 分 とな る。2004年 の平均 大 卒初 任 給 が19万8300 円 であ る こ とか ら比較 する と、1976年 当時 は、「 ホノ ル ル6 日間 」のツ ア ーが現 在 の感 覚 で34万 円 く らい に相当 す る。し かし 、2004年 のル ッ クJTB の同 コー ス の最低 価 格 は16万6000 円で、平 均大 卒初 任 給 の0.83ヶ月 分 とな って お り、対 初 任 給で 考 える と旅 行代 金 は1/2 以 下 になっ た とい え る。 また 、徐 々 に増 える海 外家 族 旅行 を受 けて、2000年 あ た りか ら、 企 画す る旅 行会 社 側 も積 極的 に 海外 家 族旅 行 を ひ とつ の大 きな マ ー ケット と考 える よう に なっ た。 特 にハ ワ イや ミ クロ ネシ ア の方 面 で両 親 と子供 の参加 を想定 し た家 族 向 けのパ ッケ ージ ツ アー を企 画し 、 子供 の旅 行 代 金を 半 額 に す る、 子供 の食 事 代 を無 料 にす る な どのプ ラ ンが 登場 し、 家 族 で も費 用面 で行 きやす くなっ た こ と

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も影 響 し てい る。 家 族 にお け るレ ジ ャ ー費 で の位置 づ け は どう だろ うか。総 務 省 が ま とめた『1 世帯 当 た り年 間 の品 目別 支 出 金額、 購入 数量 及 び平均 価 格 』で1 世 帯 あ たり の年 間 の教 養娯 楽 サ ービ ス費( い わ ゆ るレ ジ ャ ー費)を みる と、2005年 度 で世帯 主 が30∼39歳 の世 帯 で20.3万 円、40∼49 歳 の世帯 で24.7万 円 と なっ て い る。 ま た、電 通 リ サ ーチが2006年6 ∼7 月 に行 っ た『2006年 の夏休 みにつ い て』のア ン ケ ー ト調 査 で は、父親 、母 親 世代 で あ る有 職者 の30∼40歳 代 の夏 休 みの平 均 予 算額 は13.7万 円 とい う 結果 が 出て い る。 次 に挙 げる< 夏 休 み のフ ァ ミリ ー向 け企 画 例〉 は、 ハ ワ イ旅行 に両 親 と子供1 人 で 出掛 け た場 合 の3 名 の費 用 を ま とめ た もので あ るが、 親 子3 名 で出 掛 けて も旅 行 代 金 の合計 は27万 円 であ る。 こ の金額 で あ れば、1世帯 の年 間 のレ ジ ャー費 や夏 休 みの予 算額 と比較し て も、毎 年 の海 外旅 行 とはい か ない まで も、 家 族 揃っ て の海 外旅 行 が現 実的 で 身近 な ものに なっ た こ とが分 か る。 <夏 休 み の フ ァ ミ リ ー 向 け 企 画 例 〉 ル ッ クJTBr マ イ セ レ ク ト・ホ ノ ル ル5 』5 日 間2006 年7 月 出 発 オ ハ ナ ・ ワ イ キ キ ・ ウェ スト ホ テ ル 利 用 ( 部 屋 指 定 な し /3 名1 室 ) の場 合 航 空 会 社 指 定 なし / 夕 食1 [可付 旅 行代 金 大 人1 名108,000 円 子 供 (2 歳 以 上12 歳 未満 )54,000円 両 親 十小 学 生 の 子 供1 人 で 参 加 の 場 合 の合 計 旅 行 代 金108,000 円 ×2 名 十54,000 円 =270,000 円 3 。 旅 行 に お け る 家 族 構 成 と 家 族 観 の 変 化 海 外 家族 旅行 の増加 の原因 は、旅行 費 用が 低 価格化 し た こ と よる もの だけ で はない 。家 族旅 行 は、 家族 が 揃っ て行 うレ ジ ャー活 動 の為 、 そ こに は様々 な家 族構 成 や家 族 観、家 族 の価値 観 が大 き く影 響 する 。特 に近 年 の核 家 族化 や 少子 化 とい う家 族 構成 の変 化 は、 徐々 に家 族 の価値 観 やレ ジ ャ ー観 を も変 化 させ、家 族 旅 行 の新し い形 態 や 目的 を 出現 さ せた。こ うし た変化 を見 逃 すこ と はで きな い。 (1) 典型 的家 族 像 の崩 壊 とレジ ャー 費用 の増 加 日本 人 女性 の合 計 特殊 出 生 率 は1975年 に2.0人 を下 回っ て以 来、こ れ まで連 続し て2 人 を上 回っ たこ とはな く、2005年度 で は1.25人 とな って い る。また、国 勢 調査 か ら見 る1 世帯 あ た り の平均 家族 人 数 は2000年度 で は2.67人 であ っ た のが、2005年 度 の調 査 で は2.55人 と核 家 族化 が 一 層進 ん でい る。従っ て、 日 本 の典型 的 な家 族 像 であ る 「両 親 十子供2 人 」 とい う家 族 構 成 は、 もはや成 り 立 たっ てい な い こ とが あら た めて分 かる。 し か し、こうし た 少子 化 や核家 族 化 の 進展 は、1回 に掛 け られ る1 人 あた り のレ ジ ャ ー費 用 が増 大 す るこ とに もつ なが り、 家族 旅 行 も国 内旅 行 に止 まらず、 海 外旅 行 も視野 に入 っ て くる よう に なっ た もの と考 えら れる。 表2 「1 世帯 あ た りの年 間 のレ ジ ャ ー費 用 の変化 」 は、1 世帯 あ た り の年間レ ジ ャー 関連 支 出 と1 世帯 の平均 家族 人 数 の変 化 を見 た も のであ る。1980年 で は1 世帯 あ た り の平 均レ ジ ャ ー関連 支 出が

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61.2万 円 となっ てお り、 これ を1 世 帯 の平 均家 族 人 数3.22人 で 割 る と、1 人 あ たり のレ ジャ ー関 連支 出 は1 年 間 に約19 万 円、旅行 支 出 だ けを とっ て も1 人 あた り約2.2万 円 とな る。し かし、2005年 で は1 世帯 あた り の平 均レ ジ ャー関 連 支出 は81.4万 円 となっ てお り、平 均家 族 人 数 は2.55人 で 割 る と、1人 あ たり のレ ジャ ー関 連支 出 は年 間約31.9万 円、 旅 行 支 出 は5.2万 円 とな る。1980年 か ら2005年 の25年 間 で1 世帯 あ た り の年間レ ジ ャー費 用 の増 加 は1.3倍 に止 まる が、これ を1 人 当 た り の支 出で見 て み る とそ の額 は2.36倍 に も増 えて い る こ とが分 か る。 表21 世帯あたりの年間のレ ジャー費用の変化 1980 年 1990 年 2000 年 2005 年 一 般 外 食 ¥105,463 ¥153,644 ¥161,736 ¥152,960 耐 久 消 費 財* ¥26,610 ¥38,500 ¥40,992 ¥35,843 教 養 娯 楽 ¥132,390 ¥190,085 ¥208,700 ¥209,334 ス ポ ー ツ ¥16,498 ¥31,230 ¥33,667 ¥30,230 旅 行 ¥71,350 ¥133,141 ¥146,216 ¥132,815 そ の 他** ¥259,477 ¥363,411 ¥291,568 ¥253,180 レ ジ ャ ー 関 連 支 出 合 計 ¥611,788 ¥910,011 ¥822,879 ¥814,362 一 人 当 た り の レ ジ ャ ー 関 連 支 出 ¥189,996 ¥304,352 ¥308,194 ¥319,358 一 人 当 た り の 旅 行 支 出 ¥22,158 ¥44,529 ¥54,763 ¥52,084 1 世 帯 あ た り の 平 均 家 族人 数 (人 ) 3.22 2.99 2.67 2.55 TV 、 カ メ ラ、 パ ソ コ ン な ど ” こ づ か い 、 つ きあ い 費 な ど 出 典 : 自 由 時 間 デ ザ イ ン 協 会 『レ ジ ャ ー 白 書 』( 原 資 料 は総 務 省 「家 計 調 査 」) よ り 作 成 (2) 一 つ 屋 根 に 暮 ら さ な い “ 新 し い 大 家 族 ” 家 族 旅 行 の一 形 態 とし て 、 祖 父 母 も 加 え た 三 世 代 旅 行(祖 父 母 十親 十 子 供 に よ る旅 行 )が あ る が 、 前 述 の 『 シ ニ ア 世 代 と旅 行 』 の 調 査 で は、 調 査 し た382 人 中303 人 、 ほ ぼ8 割 が 三 世 代 旅 行 の 経 験 が あ る と 答 え て い る 。 し か し 、2004 年7 ∼9 月 に20 歳 代 ∼40 歳 代 の 成 人 女 性60 名 を 対 象 に、 独 自 に 行 っ た 『 女 性 の 旅 行 マ ー ケ ッ ト 』関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 で は、 旅 行 の 同 行 者 に 関 す る 質 問 で 、 既 婚 で 子 供 を 持 つ「 母 親 」 世 代 の 回 答 に、 こ れ まで の 三 世 代 で は な い 大 家 族 旅 行 の 形 態 が 数 多 く 出 現 し て い る 。 例 え ば、「 母 親 」 世 代 を 本 人 とす る と 、“ 本 人 十 親 十 祖 父 母 ”、“ 本 人 十本 人 の 兄 弟 十 本 人 の 子 供 ”、 “ 本 人 十 親 十 親 の 兄 弟 (本 人 の 叔 父 叔 母 )"、“ 本 人 十 本 人 の 親 十配 偶 者 の 親 ”な ど の 同 行 者 の 組 み 合 わ せ が 存 在 す る( 表3 「 既 婚 女 性 か ら 見 た 旅 行 の 同 行 者 」)。 こ れ ら の 組 み 合 わ せ は、 こ れ まで の 家 族 旅 行 の 概 念 か ら は あ ま り 考 え ら れ な い 想 定 外 の パ タ ー ン で あ る 。 こ う し た 「両 親 十 子 供 」 で も い わ ゆ る 三 世 代 で も な い 家 族 旅 行 が 出 現 し た 背 景 に は 、 ひ と つ に は30 歳 代 ∼40 歳 代 ( い わ ゆ る「 母 親 」世 代 )の 未 婚 者 の増 加 が 挙 げ ら れ る 。 い つ ま で も家 族 の 中 の“ 子 供 ” に 位 置 す る こ と で 、30 歳 代 ∼40 歳 代 か ら 見 た そ の 親 と祖 父 母 と い っ た 三 世 代 旅 行 が 成 立 し て い る。 こ の世 代 の 祖 父 母 と い う 元 気 な 高 齢 者 の 増 加 も そ の 要 因 と な っ て い る。

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また 、同 居・別 居 の 枠 を超 え た 家 族 の 捉 え 方 、つ ま り 、家 族 観 の変 化 が あ る と考 え ら れ る 。「父 親 」。 「母 親 」 世 代 に つ い て 言 え ば 、 結 婚 後 、 親 と 同 居 はし な い も の の 近 接 住 居 を 構 え る い わ ゆ る近 居 が 都 市 部 を 中 心 に 増 え て い る 。 近 居 は 、 同 居 家 族 よ り 接 す る 回 数 は 減 る 一 方 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 密 度 は 反 っ て 高 く な り 、 楽 し い 側 面 だ け を一 緒 に 行 動 す る い わ ゆ る “ 恋 人 状 態 ” を 維 持 す る こ と が で き る 。 こ れ に よ り 、 買 い 物 な ど は も ち ろ ん、 誕 生 日 や 記 念 日 の お 祝 い と い っ た イ ベ ント とし て 、 外 食 を はじ め とし た レ ジ ャ ー を 共 に す る 機 会 も 同 居 家 族 よ り も か え っ て 頻 度 が 高 く な っ て い る と 考 え ら れ る。 こ れ ま で は、「 父 親 」、「 母 親 」世 代 で あ る本 人 が 結 婚 し 子 供 が 誕 生 す る こ と で 、 そ の 親 は「 子 供 の お じ い ち ゃ ん、 お ば あ ち ゃ ん 」 に な り 、 そ の 兄 弟 は 「 子 供 の お じ さ ん、 お ば さ ん」 と な っ た が 、 近 居 に よ る 程 よ い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 密 度 は、 い つ まで も「 父 親 」、「 母 親 」世 代 か ら み た「 親 子 」、「 兄 弟 」 状 態 を 継 続 さ せ 、 そ の 結 果 、 こ う し だ 新 し い 大 家 族 ” を 生 み 出 す こ と と な っ た と考 え る こ と が で き る。 表3 既 婚 女 性 か ら見 た 旅 行 の同 行 者 【ワ ーキン グマ ザー】既婚・ 有職・子 供あり 同行者 旅行先、旅 行目的 典 型例 配 偶者 十子供 観光、レ ジ ャー 子 供のみ レ ジャー 友人家 族 十子 供 観光、レ ジ ャー 想定外例 母 親のみ 観光 友人 温泉 配 偶者 観光 【DINKS 】既婚 ・有職 ・子供 なし 典 型例 配 偶者 温泉、 観光、 スキー 母 親 温泉、 観光 友人 観光 (食べ歩 き、 エ ステ ) 想定外例 一人 温泉 両 親 十祖父母 十兄 夫婦 温泉 母 親 十兄弟 温泉 【専業 主婦】既婚 ・無職 ’・子供 あり 典 型例 配 偶者 十子供 温泉、 観光 両 親 十配偶者 十子供 温泉 子 供 十友人 十友人 の子供 観光 想定外例 姉家 族 十子供 レ ジャー 配 偶者 観光 友人 レ ジャー *パ ート タ イ ム 労 働 者 を含 む 出典:2004 年7 ∼9 月『女性 の旅行マ ーケット 』関するア ンケート調査 より

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③ 拡 大す る母 娘消 費 様 々 な 消費場 面 にお い て 「母 娘」 が 有望 な マ ーケ ット となっ てい る こ とは既 に知 ら れてお り、 百 貨店 や 専門 店 で の ショ ッピ ング、 国 内 旅行 な ど は特 に この傾 向 が顕 著 に現 れて い る。 旅行 市場 で もJTB の京 都方面 のパ ッ ケー ジツ ア ーな どで は、「母 娘」で 参加 の場 合、 宿 泊 費用 の割 引 やお 土産 品 の プレ ゼ ント な ど といっ た特典 を設 けて、 母 娘 の取 り込 みを積 極的 に行っ て い る。 また 、 前述 の 『親 子 の絆 と旅 行』 のア ンケ ート 調査 で も、 成人 し た 女性 が1 年 間 に行 く家族 旅 行 回 数 は平均2.07回、その約 半分 が 母 親 との旅 行 で ある と の結果 が 出て い る。つ まり1 年 に一 度 は母 娘 旅行 をし てい る こ とに なる が、 前述 の表 「既婚 女 性 か ら見 た旅行 の同行 者 」 か ら見 る と、 それ は独 身 の娘 に止 まら ず、既 婚 の娘 の母娘 旅 行 も出現 し てお り、 ここ に も“新 し い大 家族 ” 現 象が現 れて い る こ とが分 か る。 (4) 家族 旅行 の 目的 の多 様化 社会 制度 の整 備 や 価値 観 の変化 に伴 い、 結婚 、 出産 後 もフ ル タ イム で仕 事 を続 ける い わ ゆる ワ ー キング マ ザ ーが増 加し て い る。 そ の結 果、 旅行 の目的 を 子供 と過ご す時 間 の少 な さ の埋 め合 わ せ と 考 える 母 親 も多 い 。 前述 の 『女 性 の旅 行マ ー ケ ット 』 関 す るア ン ケート 調 査 のイ ンタ ビ ュ ーで も、 旅行 の目的 につい て 「子 供 と過 ご す時 間が 少 ない 分、 時 間 の取 れ る時 に は旅行 な どで 密度 の濃 い 時 間 を過 ごし たい 」、「 そ のた め に は費 用 は多 少掛 かって もよい 」 とい う 回答 が見 ら れた 。 つ まり、 フ ル タイ ム で働 く ワ ーキ ング マ ザー の増加 は、時 間的、金 銭的 にレ ジ ャ ーに対 す る価 値 観 を変 化 さ せ、 こ れ まで の よう な父 親 だけ、 また は母 親 のパ ート タ イム 労働 で家 計 を 支 える家 庭 に比 べ、レ ジ ャ ー 行動 に対 し て違 う意味 や 価値 観 を持 つ よ うに なっ た とい え る。 また 、“ 新し い 大家 族”に よる家 族 旅 行 に見 ら れる よう に、家 族 旅 行 が家 族 の記念 日 や家 庭 の定 例 イベ ン ト とし て考 えら れる よう に なる こ とで、 これ まで、 単 な る子 供 を中 心 とし た行 楽 目的 で あっ た家 族 旅行 は、 時 に「還 暦 のお 祝い 」にな り、 時 に「 父 の日 や母 の 日 のプ レ ゼ ント 」なり、 時 に「毎 年恒 例 の夏 休 み旅 行」 にな るな ど様 々 な目 的 を持 つ よう に なっ た。 こ うし た家 族旅 行 は、 その 目的 に応 じ で 旅行 の主役 ” が変 わ り、 必 ずし も子供 が主 役 とはな ら ない た め、 こ れまで の典 型的 な家 族 を想 定し た 子供 向 け の旅行 内 容で は対 処し き れな くな って き てい る とい え る。 さら に、 フ ル タイ ムで 働 く母 親 の増 加 ど 新 し い大 家 族” の 出現 は、 消費 行 動 にお い て本当 の意 味 で の6 ポ ケッ ツを 実現 さ せた。 こ れ まで は6 ポケ ッツ とい っ て も実 際 は父親 と父 方 、母 方 の祖 父 母 とい う5 ポケ ッツ であ っ たが、 フ ル タ イム で働 く母 親 はもう ひ とつ の ポケ ット を生 み出し、 完 全 な6 ポ ケッツ となっ た。 こ れ はレ ジ ャー費 に も大 き く影 響し てい る もの と考 えら れる 。 (5) 家族 観 の変化 の背 景 こう し た家族 観 の変 化 の 背景 に は、 少子化 や核家 族 化、 女 性 の社 会 進出 があ る。 少 子化 は、 子供 が 少な い分 、一 人 の子供 と親 との密 度 の濃 い 関係 を生 み出し、 近 居 の増 加 や 永遠 の親 子 関係 を 促進 さ せた 。 また、 近 居 の核 家族 化 は程 よい家 族 の距 離感 を 生 み出し 、 少 子化 と相 まっ で 新 しい 大 家

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族” とい う形 態 を出現 さ せ た とい え る。 さ ら に、女性 の社会 進 出 に よる家 計 にお け る収入 の増 加 とそ れに 反比 例し た家 族 の時 間 の減 少 は、 レ ジ ャ ー費 に対 す る考 え方 に も影響 し、「家 族(子供 )と一 緒 に過 ご す時 間 の為 に は費 用 が多 少掛 かっ て もよい」 とい う母 親 の価値 観 を生 んだ もの と思 わ れ る。 また 、海 外家 族 旅行 の増加 に関し て は、 こ の 「母親 」 世代 で あ る30歳 代∼40 歳代 の影響 が 少 な く な いが 、こ の世代 は自身 が 学生 やOL 時代 から海 外 旅行 を複数 回 経験 して い る た め、海 外旅 行 に対 し て の抵 抗感 が 少 ない。 その た め、 子 供 や年 配者 を同行 し て の海外 家 族旅 行 につ い て も、 極端 な特 別 視 や抵 抗感 が な い こ とも影響 し てい る もの と思 われ る。 4 。 国 内 旅 行 に お け る 家 族 旅 行 の 課 題 と 海 外 家 族 旅 行 へ の 示 唆 こう し た家族 の変化 に対 応 し、 海 外家 族 旅行 マ ー ケット を拡大 さ せ てい く為 には ど んなこ とが必 要 とな る だろ う か。海 外 旅行 より も既 に広 く一 般化 し て い る国 内 の家 族 旅 行 から そ の課題 を考 えて みたい 。 国土 交通 省 が2004年6 月 に発 表し た長 期家 族 旅 行国 民 推進 会議 報 告 書『「家 族 仕様 」の旅 文化 を拓 く』 の中 で は、 国内 の家 族旅 行 の拡 大 を図 る た め、 次 に挙げ る10 の提 言を ま と めてい る。 ・ 有 給 休暇 を取 得し や す くす る ・ 学 校 等 の裁 量 を活 かし 学校 休業 の多 様化 と柔 軟化 を 進 める ・ 休 暇時 期 の分 散化 を促 進す る ・「家 族 仕様 」 の価 格設 定 を普 及 す る ・ 割 安 なメ ニ ュ ーの導 入 を図 り価 格帯 の選択 の幅 を広 げ る ・ 家 族向 け の多 様 な地 域プ ロ グ ラム を整 備 す る ・「家 族 仕様 」 の施 設 の整 備・ 普 及 を図 る ・ 家 族旅 行向 け の情報 提供 を充 実 す る ・ 企 業、 労 組、 学 校、 地 域な どの連 携・ 協力 を推進 す る ・ 家 族旅 行普 及・ 促進 の た めの民 間 主導 の推 進 体制 を 構築 す る つ まり、 国 内旅 行 にお け る現状 の課 題 は、 大 きく分 け て、 ①制 度 的、 慣 習的 に休暇 を取 り や す く す るこ と、 ② リ ーズ ナブ ル な価 格設 定 を行 う こ と、 ③ 家 族向 け の施 設 やプロ グラ ム、 情報 の拡 充 を 図 るこ と、 で あ る とい える。 こ うし た 国内 旅行 への提 言 は、 ほ とん どが国 内 の受 け入 れ側 (サプ ラ イ ヤ ー) や企業 、 学 校 の制度 に対 し て 行 われ てい る も のであ る。 海 外家 族 旅行 を考 える場 合、 むし ろ海 外 の方が整 備 や体 制 が 進 んでい る 場合 も多 い。 し かし 、 い くつ か の点 で こ れから の海 外家 族 旅 行 に も共通 し て示 唆 す る ものが あ る。

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(1) 休暇 の取 得 に関 する課 題 まず 、第 一点 に は休暇 に 関す る課 題 で ある。 ワイ キ キを訪 れ た家 族旅 行 者 に対し2000 年2 月 、 独 自 に現 地 イン タビ ュ ー調 査 を行 っ た とこ ろ、“ 父 親抜 き の家族 旅 行”という 旅行 者 が特 に三 世代 旅 行 で 数多 く見 られ た。 こ れ は、 その ほ と んどが父 親 の休 暇 が取 れ ない た め、 母 方 の祖 父 母 十母 親 十子 供 とい う三 世代 旅 行 に なっ てい た も ので ある。 海 外 旅行 の場 合 、 国内 旅行 より も旅 行 日数 を必 要 とす る た め、 旅 行者 はあ る程度 ま とまっ た 休暇 が必 要 で あ る。し かし 、経済産 業 省、国土 交通 省 、(財 )自由時 間 デ ザイ ン協 会 が2002年 に出し た『休 暇制 度 のあり 方 と経 済社 会 へ の影響 に関 する調 査研 究 委 員会 報 告書 』 で は、 有 職者 に対し 休 暇 の取 得状 況 を調 査 ところ、「4 日以 上 連続 が1 度 も取 れ ない 」が11%、「4 日以 上1 週 間 未満」が41%、「1 週 間以 上 が23%」 となっ てお り、 勤 労 者 の約7 割 が1 週 間以 上 の休 みが取 れて お らず 、 そ のう ち約3 割 は4 日 未満 とい う状 況 に あ る。 典 型 的 なハ ワ イ旅行 で 最低5 ∼6 日、 グア ム・ サ イパ ン旅 行 な どで も3 ∼4 日 は必 要 な こ とを考 える と、家 族 揃っ て の海 外家 族 旅行 を実現 さ せ る為 に は、 こうし た勤 労者 の休 暇 を取 り やす く す る こ とが1 つ の大 きな課 題 とい える。2002年 の 日本人 の有 給休 暇 の平均 が18日で 、 そ の日 数が十 分 な もので あ る かは こ こで は取 り上 げ ない が、 有 休 を利 用 し 海外 旅行 に出掛 け る こ とは、 制度 上 は十 分 に可能 で あ る。し かし、実 際の取 得 日数 は8.9 日で 休暇 そ の もの の取得 は もと より、何 より も連 続し た 休暇 が取 りづ らい 傾向 に あ る。 量 的 に休 暇 を取 りや す く する だ けで はな く、 連 続し た1 週 間 程度 の休暇 を取 り や す くす るな ど、 制度 や 慣習 を含 めた休 暇 取得 の 質 も向上 さ せ る必 要が あ るだ ろ う。 特 に海 外家 族旅 行 にお い て は、 休暇 の問題 は最 も重要 な 課題 とい える。 (2) 旅行 費用 に関 す る課題 家 族 旅行 にお いて は参 加人 数 が多 くな るだ け に、 特 に費用 の 負担 は大 きい。 海外 旅 行 であ れ ばな お さ ら費 用 の問 題 は阻 害 要因 とな る。 前述 の よ うにハ ワ イ な どのパ ッ ケ ージ ツア ー にお いて は 「子 供代 金 半 額」 な ど の価格 設定 が 既 に実施 さ れ てい る が、家 族 旅行 の形 態が多 様 化し 、 三世 代旅 行 や “新 し い大 家族 ” 旅行 が出現 し て く る と、 子供 だけ が半 額で も同 行 者 の形 態 に よっ て はあ まり魅 力 のあ る もの とは な らない 。こ うし た多 様 な家 族旅 行 を取 り込 んで い くた め には、「65歳以 上 」、「同 行 者 の人 数」 な ど に より、 様々 な 割引 な どを用 意 する こ とが必 要 だ ろう。 (3) 多 彩 なプ ランの 必 要性 家 族 向 け のプ ロ グ ラ ムの多 様 性つ い て は、 ハワ イ を始 めとし た欧米 のサプ ライ ヤ ー の方が 進 んで い る点 が多 い。 ハワ イ の ホテル で ぱ キ ッスプ ロ グ ラム ” と呼 ば れる 子供 だ けで 参加 で きる体 験学 習 やツ ア ーが 数多 く用意 さ れて お り、プ ロ グ ラ ム参加 中 は大人 に とっ て はショ ッピ ン グ な ど別 の楽 し み方 が で きる。 また、 ホテル 内 のレ スト ラ ンで は「 子 供 は無 料 」 な ど のサ ービ スを 行 う とこ ろ も 少 な くない 。 し か し、 旅行 費 用 に関 し て も述 べた よ うに、 家 族旅 行 の多 様化 は、 子供 向 け のプ ロ グ ラム を 用意

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す るだ け で は十 分 な対 応 が で きな くな って い る。 祖父 母 世代 や 親世 代、 子 供世 代 が そ れぞ れに、 ま た、 一 緒 に楽し める多 彩 なプ ラ ンが 必 要で あ る。 そ れ は、 ホテ ル のプ ロ グ ラ ム に依存 す るだ け でな く、 観 光バ スやレ スト ラン、 旅 行会 社 な ど、 家 族 旅行 に携 わる あ ら ゆる業 種が 家族 の多 様 性 に対 応 で きる プ ラン を考 える こ とも課 題 のひ とつ とい える だろ う。 5 。 ま と め (海 外 旅 行 に お け る 家 族 旅 行 の こ れ か ら ) 少子 化 や核家 族 化 に伴 う家 族 構成 の変 化 や 未婚 者 の増加 は、新 し い家 族観 を生 み、“新 し い大 家 族” を出現 さ せた。 また、 こうし だ 新 し い大家 族 ” の出 現 や ワー キ ング マ ザー の増加 は、家 族旅 行 に 「家 族 の記 念 日」 や 「家 族 と過 ご す少 ない 時 間 の埋 め合 わせ 」 とい っ た新 た な旅行 目 的 を生 み 出し た。 こう し た現 象 は今後 も広 がっ てい く もの と考 えら れ るが、日本 人 のレ ジ ャ ー行動 全体 から見 る と、 海外 家 族旅 行 は まだ ま だ数 少な い。 その中 で海 外家 族 旅 行市 場 をさ ら に拡 大し て い く には、 休 暇 の 制度 や 慣 習 の問 題 、旅 行 費用 の問 題、家 族 が楽し め るプ ラン の問 題 な ど、抱 え る課題 も多 い。 また、 商 品企 画 の点 か ら考 え る と、 言 葉、 治 安 の問題 から海 外 の すべ て のデ ステ ィ ネ ーショ ン が家族 旅 行 の対 象 とな るわ けで は ないし 、 海外 の受 け入 れ側 も家 族 旅行 とい う形 態 を必 ずし も手 放し に歓迎 す る ところ ば かり で はない 。 し かし、 格差 社会 とい わ れ る中、 ワ ー キン グプ ア が生 まれる一 方で、 経 済力 のあ る世帯 も多 い。 社会 現 象 とし て の家族 の変化 を捉 え、 そ れに応 える こ とで、 海外 家 族旅 行 市場 は一 層 拡大 で き る大 きな可 能性 を持 っ て い る。 <参 考文 献 〉O ) 長 期 家 族 旅 行 国 民 推 進 会 議 報 告 書 『「 家 族 仕 様 」 の 旅 文 化 を 拓 く』 国土 交 通 省2004 年http://www.mlit.gojp/kisha/kisha04/01/010616-3/03.pdf (2 ) 『JTB リ ポ ート 』 ツー リ ズ ム マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 所1989 年 ∼2006 年 度 版 (3 ) 『2006 年 の夏 休 み に つ い て 』 電 通 リ サ ー チ2006 年http://www.dentsuresearch.cojp/topics/pdf/2006-08-vacation.pdf (4 ) 『レ ジ ャ ー 白 書 』2006 年 度 版 自 由 時 間 デ ザ イ ン 協 会2006 年 (5 ) 『 シニ ア 世 代 と 旅 行 』 ア ン ケ ー ト 調 査 日 本 旅 行業 協 会2001 年http://wwwjata-net,or.jp/tokei/anq/01091Omonita/index.htm (6 ) 『親 子 の 絆 と旅 行 』 ア ン ケ ート 調 査 日 本 旅 行 業 協 会2001 年http://wwwjata-net,or.jp/tokei/anq/010709kizuna/index.htm (7 ) 休 暇 制 度 の あ り 方 と 経 済 社 会 へ の 影 響 に 関 す る 調 査 研 究 委 員 会 報 告 書 『休 暇 改 革 は「 コ ロ ン ブ ス の 卵 」』経 済 産 業 省 、 国 土 交 通 省 、(財 )自 由 時 間 デ ザ イ ン 協 会2002 年http://www.mlit.gojp/kisha/kisha02/01/010607-2/010607-2-2.pdf

参照

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